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自治体窓口DX「書かないワンストップ窓口」

地方自治体との共創を通じて、地方自治体における「書かない、待たない、回らない、ワンストップ窓口」を実現することで、地方自治体窓口の「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」の実現を目指します。

お知らせ

目次

概要

デジタル庁では、マイナポータルや地方自治体独自の電子申請システムの利用による行政手続のオンライン化の推進に加え、窓口での手続における住民の負担を減らすことと、地方自治体職員の業務負荷の軽減を目指し、自治体窓口DX「書かないワンストップ窓口」の取組を地方自治体と密に連携しながら進めています。

自治体窓口DX「書かないワンストップ窓口」とは、デジタルに不慣れな方などが地方自治体の窓口に来られた際も、デジタル技術を活用することで、職員の負担を軽減しつつ、住民サービスの向上、マイナンバーカードのメリットを享受できる取組です。

背景

デジタル技術の進展によりサービスのデジタル化が飛躍的に高まる中、国民がデジタル社会の恩恵を受けられるように、地方自治体の住民サービスについてもデジタル化の推進を本格的に取り組むことが求められています。
また、2040年には生産年齢人口が6,000万人未満まで減少すると推定※されており、人口減少による労働力不足が深刻化する中で、地方自治体の業務を従来どおりのやり方で高い品質を維持することには限界があります。そのため、職員数が減少する中で高品質の窓口サービスを継続させていくためには、DXを推し進め、さらなる業務効率化が必要となっています。
令和4年版 情報通信白書/高齢化の推移と将来推計(総務省) 参照

「書かないワンストップ窓口」の目指す姿と期待される効果

解決すべき課題

業務改革が進んでいない多くの地方自治体窓口では、行政サービスを享受する住民、行政サービスを提供する地方自治体職員のそれぞれが課題を抱えています。
手続する住民が抱える課題として、「何度も同じ項目を書かされる」、「都度、窓口で待たされる」、「複数の窓口に回される」などがあります。
地方自治体職員が抱える課題には、「申請書ごとに記入方法の説明が求められる」、「記入内容の確認作業が多岐に渡る」、「業務の複雑化に伴い、業務が属人化する」などがあります。

解決策としての目指す姿と期待される効果

「書かないワンストップ窓口」では、こうした行政サービスを享受する住民、行政サービスを提供する地方自治体職員における双方の課題の解決をデジタル3原則である「デジタルファースト」、「ワンスオンリー」、「ワンストップ」の考え方に基づき目指します。
デジタル3原則の考え方に基づき、窓口業務とともにバックヤード業務までを地方自治体が自ら業務改革を行い、保有情報やマイナンバーカード等のデジタルの力を最大限活用することで、「書かない」、「待たない」、「回らない」を実現します。これらの実現により、「窓口手続における住民の負担を軽減」、「地方自治体職員の業務負荷を軽減」の両立を目指し、窓口サービスの向上につなげます。
上記の目指す姿を地方自治体が実現するため、デジタル庁では「書かないワンストップ窓口」に取り組む地方自治体への支援を行っています。

活用事例

「自治体窓口DX」の実現をシステム面から支援する「自治体窓口DXSaaS」の活用が、2024年1月16日、和歌山県紀の川市で始まりました。
自治体窓口DXSaaSを自治体の窓口業務で活用する事例は、紀の川市での事例が全国初となります。また、2024年3月末までに全国17の自治体で順次活用が開始されました。

活用自治体

  • 2024年1月
    和歌山県紀の川市(1月16日)、神奈川県茅ヶ崎市(1月30日)
  • 2024年2月
    宮崎県都城市(2月27日)、鹿児島県出水市(2月28日)
  • 2024年3月
    静岡県磐田市(3月1日)、鹿児島県鹿児島市(3月1日)、宮城県角田市(3月5日)、広島県東広島市(3月8日)、兵庫県加東市(3月14日)、山口県山口市(3月15日)、兵庫県西脇市(3月19日)、兵庫県洲本市(3月19日)、北海道更別村(3月22日)、鳥取県大山町(3月25日)、福岡県吉富町(3月25日)、福島県南相馬市(3月27日)、大阪府河南町(3月29日)

地方自治体への支援

「書かないワンストップ窓口」を実現するには、システムの導入だけでは不十分であり、バックヤードも含めた業務改革「窓口BPR※」が重要となります。
窓口BPRを行わないままシステム導入のみ進めると、かえって手続が複雑化しバックヤードの職員側の業務が増加するリスクがあります。「自分たちが目指す窓口の姿(ゴール)」を明確にし、窓口業務とバックヤード業務との双方が効率化に繋がるように進めることが必要です。

※BPR
「ビジネスプロセス・リエンジニアリング(Business Process Re-engineering)」の略称で、プロセスの観点から業務フローや組織構造などを再構築し、業務改革することを意味します。

デジタル庁は、地方自治体の自治体窓口DX(書かないワンストップ窓口)を進めるための支援事業を行います。

  • 窓口BPRアドバイザー派遣・育成事業
    • 窓口BPRアドバイザー派遣事業: 窓口DXに高い知識と経験のある地方自治体職員等をアドバイザーとして委嘱したうえで希望する地方自治体に派遣し、地方自治体が窓口BPRを自走するための「きっかけづくり」を目的とした、ノウハウ等を共有します。
    • 窓口BPRアドバイザー育成事業: 新たに窓口BPRアドバイザーを目指す方を、「研修生」として育成し、アドバイザーを増やすことで、地方自治体間でお互いに助け合い共創し合う環境作りを目指します。
  • 自治体窓口DXSaaS
    デジタル庁が整備するガバメントクラウド上に、デジタル庁が選定した複数の事業者が「窓口DXに資するパッケージ」機能(SaaS)を構築し、その機能を地方自治体が選択して利用することができる仕組です。
  • デジタル改革共創プラットフォーム
    地方自治体職員同士の意見交換、先行する地方自治体の知見の共有や、窓口BPRアドバイザー派遣事業を活用した地方自治体の気づきを共有する場を提供します。