日本経済の循環図で扱っている項目の説明
経済循環図を構成する各項目の定義を一覧形式で整理しています。
目次
項目
供給
中間投入
生産者がモノやサービスを生み出す過程で、原材料費・光熱費・間接費等として投入し、消費しきったモノやサービスの総額をさします。なお、固定資本減耗(機械設備・建物等の固定資産の減価償却分)および雇用者報酬(人件費)は中間投入には含まれません。これらは付加価値の構成項目として、別途計上されます。
付加価値(総)/国内総生産
国内で活動する生産者が国内生産活動を通じて新たに生み出した付加価値の総額です。付加価値とは産出額から中間投入を差し引いたものをいいます。生産側GDPとも呼ばれます。
輸入
海外で生産されたモノの輸入や、外国企業のサービスを利用した際の支出額が計上されます。国内で産出された付加価値ではないため、GDPから控除される項目です。本ダッシュボードでは、「財貨」「輸送」「旅行」のように、6分類で表示しています。具体的な分類については、統計の作成方法(内閣府)に公開の「国民経済計算推計手法解説書(年次推計編)2020年(令和2年)基準版」の「第6章 海外勘定の推計」内の説明をご参照ください。
分配
雇用者報酬
生産活動によって生み出された付加価値(売上から原材料費などを差し引いた金額)のうち、労働を提供した雇用者に分配される報酬の総額です。対象となる「雇用者」には、一般の従業員のほか、法人企業の役員や公務員なども含まれますが、個人事業主は含まれません。雇用者報酬は賃金・俸給と雇主の社会負担に分けられます。内訳の詳細については、GDPダッシュボードで扱っている需要項目の説明をご参照ください。
営業余剰・混合所得(純)
生産活動によって生み出された付加価値のうち、資本を提供した企業や個人事業主などへの分配額であり、事業活動による利益に相当します。ただし、一般政府や対家計民間非営利団体は定義上、提供するサービスの価値は生産にかかった費用の合計とされていることから、営業余剰・混合所得(純)は存在しません。なお、「(純)」は固定資本減耗を除いた純粋な利益であることを表しています。営業余剰や混合所得の詳細については、GDPダッシュボードで扱っている需要項目の説明をご参照ください。
生産・輸入品に課される税
モノやサービスの生産、販売、購入または使用に関して生産者に課される税金で、生産者にとっては生産コストの一部を構成するものとみなされ、原則として商品などの価格に反映されて購入者が負担することになる税金が計上されます。内訳の詳細については、GDPダッシュボードで扱っている需要項目の説明をご参照ください。
補助金(控除)
一般政府から市場生産者に対して交付される経常交付金のうち、設備投資などへの支援や損失補填ではなく日々の事業運営にかかる費用を賄うために用いられ、モノやサービスの市場価格を下げる効果があると考えられるものが該当します。GDPは市場で実際に取引される価格をもとに算出されますが、補助金はその価格を引き下げる効果を持つことから、分配側GDPの計算において控除項目として扱われます。
固定資本減耗
建物、構築物、機械・設備、ソフトウェアなどの固定資産が、生産活動で使用されることによって生じる価値の減少額です。企業会計における「減価償却費」に近い概念ですが、購入時の価格(簿価)ではなく、その時点での時価(再調達価格=同等の資産を新たに取得する場合の価格)で評価して計上されます。なお、大災害による滅失のような予見し得ない損失は、通常の生産活動による価値の減少とは性質が異なるため、本項目には計上されません。
要素費用表示の国民所得
税・補助金による価格への影響と固定資産の減耗分を除いた、国内外の生産活動で生み出され分配された価値の総額を示す指標です。雇用者報酬、営業余剰・混合所得、海外からの所得(純)の合計に相当し、純粋な生産要素への報酬に相当します。
国民可処分所得
可処分所得とは、消費や貯蓄に充てることのできる所得をいいます。国民可処分所得は、家計・企業・政府などすべての経済主体の可処分所得の合計であり、税や補助金を考慮した国民所得(要素費用表示)に海外からの経常移転を加えたものです。
貯蓄
可処分所得から最終消費支出を差し引いた残りです。SNAにおける貯蓄は、ある期間の所得と消費の差額を示すフローの概念であり、マイナス(消費が所得を上回る)になることもあります。
海外からの所得(純)
日本の居住者(国内に活動の拠点を置く企業・個人)が海外から受け取る雇用者報酬(海外で働いた報酬)および財産所得(海外投資からの利子・配当金など)の額から、非居住者への支払いの額を差し引いたものです。
海外からの経常移転(純)
日本の居住者が海外から受け取る仕送り、寄付、保険金等の額から、海外に対して支払う国際機関への分担金、経常的な政府開発援助、仕送り、寄付等の額を差し引いたものです。
海外からの資本移転等(純)
居住者と非居住者の間で行われる資本移転です。例えば、債務免除やインフラ整備などの相手の資本形成を目的とした資金の提供などです。
需要
民間最終消費支出
家計最終消費支出及び対家計民間非営利団体最終消費支出(私立学校や介護福祉施設などが家計に提供するサービスにかかる支出)の合計です。家計最終消費支出の内訳の詳細については、GDPダッシュボードで扱っている需要項目の説明をご参照ください。
政府最終消費支出
中央政府や地方自治体といった一般政府による、公共サービス等への支出額です。分類は国際基準に準拠しており、「一般公共サービス」「保健」「教育」などの機能別にまず10分類され、それぞれの分類が更に詳細な69分類に分かれています。具体的な分類については、「国民経済計算の2015年(平成27年)基準改定について(内閣府)」から「2008SNAに対応した我が国国民経済計算について(2015年(平成27年)基準版)」の「巻末資料6 一般政府の機能別支出分類」をご参照ください。
総資本形成
総固定資本形成(民間住宅、民間企業設備及び公的固定資本形成)と在庫変動(民間在庫変動、公的在庫変動)の合計です。内訳の詳細については、GDPダッシュボードで扱っている需要項目の説明をご参照ください。
輸出
財貨・サービスの輸出は、国内で生産されたモノの輸出や、外国企業へ提供したサービスの金額が計上されます。いわゆるインバウンド消費もここに含まれます。本ダッシュボードでは、「財貨」「輸送」「旅行」のように、6分類で表示しています。具体的な分類については、「統計の作成方法(内閣府)」に公開の「国民経済計算推計手法解説書(年次推計編)2020年(令和2年)基準版」の「第6章 海外勘定の推計」内の説明をご参照ください。
資本・金融
非金融資産の増減
ある期間における非金融資産(土地・建物・機械などの実物資産)の増減を示します。設備や建物への新規投資から既存資産の減耗分を差し引いた純増分に、在庫の増減や土地の売買を加えたものです。
正味資産の変動
貯蓄と資本移転の受払によって生じる、正味資産(すべての資産から負債を差し引いた純粋な資産=国富)の増減を示します。その期間に国富がどれだけ増減したかの源泉を表す概念です。
純貸出(+)/純借入(-)
貯蓄と資本移転等の合計から非金融資産の増加を差し引いた差額です。プラスなら海外への資金供給(対外投資等)が生じていることを、マイナスなら海外から資金調達していることを示します。