ガバメントAIで試用する国内大規模言語モデル(LLM)の公募結果

ガバメントAIで試用する国内大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)の公募を行ったところ15件の応募があり、審査の結果、7件を選定しました。

経緯

人口減少と少子高齢化による担い手不足が深刻化する我が国において、公共サービスを維持・強化するためには、政府における生成AIをはじめとするAIの積極的な利活用が不可欠となっています。このため、デジタル庁では、政府による活用をAIの社会実装の起点とするため、行政現場でのガバメントAIの実装に向けた取組を推進しています。

具体的には、令和7年(2025年)5月以降、ガバメントAIに係る取組の一環として、デジタル庁全職員が利用できる生成AI利用環境(プロジェクト名:源内(げんない))を構築し、デジタル庁職員による利用を進めてきました。また、デジタル庁では、政府職員が早期に生成AIに触れ、業務において活用できるようにするため、源内の他府省庁への大規模展開を行います。

このような取組を進める上で、ガバメントAIにおいては、とりわけ日本語の語彙・表現に適合し、日本の文化・価値観を尊重した国産の大規模言語モデル(LLM)の活用が不可欠です。また、国内企業や国内研究機関が開発・提供するAIモデルを政府が積極的に活用することによって、信頼できるAIの国内開発を支援していくことも重要です。

このため、ガバメントAIにおいて試験的に利用し、行政実務での実用性や課題の評価・検証を行うため、令和7年(2025年)12月2日より令和8年(2026年)1月31日を期限として公募を実施したところ計15件の応募がありました。

デジタル庁は応募15件に対して書類審査及び評価テストによる厳正な審査を実施した結果、7件を選定しました。

選定されたLLMについては、所定の契約締結が完了したものを対象として、実用性や行政実務への適合性をさらに見極めるための試用評価を源内で実施します。また、令和9年度(2027年度)には、この評価を踏まえて、優れたモデルをガバメントAIとして政府調達(有償)を行うことを検討します。

このように、デジタル庁においては、(1)政府における安全・安心な国産AIの利用推進、(2)行政現場からのフィードバックによる国産AIの性能向上、(3)政府調達を通じた国産AIに対する安定的な需要創出を実現します。これにより、国産AIの育成・強化を推進し、関連分野の民間投資を喚起しつつ、AIに関する日本の自律性確保を実現します。

選定された企業及びモデル名(五十音順)

  • 株式会社NTTデータ「tsuzumi 2」
  • カスタマークラウド株式会社「CC Gov-LLM」
  • KDDI株式会社・株式会社ELYZA共同応募体「Llama-3.1-ELYZA-JP-70B」
  • ソフトバンク株式会社「Sarashina2 mini」
  • 日本電気株式会社「cotomi v3」
  • 富士通株式会社「Takane 32B」
  • 株式会社Preferred Networks「PLaMo 2.0 Prime」

選定の基準

  1. 国内で開発された大規模言語モデルであること。また、開発経緯や開発方法、開発体制、独自開発モデルか派生モデルかの区別等が具体的に説明可能であること。
  2. 行政実務において実用可能な性能を有すること。行政での活用場面として、対話型AIサービス(チャット)提供、または行政実務特化型AIアプリへの組込みが想定されること。
  3. デジタル庁が作成し試験当日に初めて開示した50問からなる評価テストを受験し、その結果が優秀であると認められること。
  4. 海外主要LLMと比較したベンチマークテスト結果が提供され、優秀であること。特に、ハルシネーション(でたらめ)、バイアス・差別的表現、有害コンテンツ生成等に関する安全性の取組について説明可能であり、適切な取組が行われていること。
  5. 学習用データに関する法令遵守の状況が具体的に説明可能であり、適切であること。
  6. 政府職員が機密性2情報を取り扱えるよう、十分なセキュリティを確保できること。具体的には、ガバメントクラウド上の推論環境で動作すること。
  7. 令和8年度(2026年度)中は無償で試用できること(ガバメントクラウド及び推論に係る費用はデジタル庁が負担)。
  8. 国内開発LLMを活用した各種AIアプリケーションが最適な性能が発揮できるよう、情報提供やカスタマイズ等の技術支援を行うこと。
  9. 評価・検証結果の一部をデジタル庁が公表することに同意すること。

今後のスケジュール

  • 令和8年(2026年)3月から:試用に向けた契約締結に係る調整、ガバメントクラウドへのLLM実装に係る技術調整
  • 令和8年(2026年)5月頃:政府における源内の大規模実証の開始
  • 令和8年(2026年)8月頃から:源内における国内LLMの試用開始
  • 令和9年(2027年)1月頃:評価・検証結果(一部)の公表
  • 令和9年(2027年)4月から:検証を経て実証された優れたモデルをガバメントAIとして政府調達(有償)(予定)

参考資料

関連情報

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