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デジタル田園都市国家構想実現に向けた地域幸福度(Well-Being)指標の活用促進に関する検討会(第1回)

概要

  • 日時:令和4年12月19日(月)13時00分から14時30分まで

  • 場所:オンライン

  • 議事次第:

  1. 開会
  2. 議事
    1. 各地方公共団体の取組状況(兵庫県加古川市、静岡県浜松市、富山県朝日町)
    2. 地方公共団体における地域幸福度(Well-Being)指標の活用推進に向けて
  3. 意見交換

資料

参考資料

議事録

司会(鈴木): それでは、定刻となりましたので、始めさせていただきたいと思います。
私、本日司会をさせていただきます、デジタル庁国民向けサービスグループのデジ田担当の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
ただいまから、第1回「デジタル田園都市国家構想実現に向けた地域幸福度(Well-Being)指標の活用促進に関する検討会」を開催いたします。
それでは、初めにデジタル庁国民向けサービスグループ統括官の村上より一言御挨拶を申し上げます。よろしくお願いいたします。

村上統括官: 村上でございます。
資料5がお手元にあると思います。かいつまんでご説明をしつつ、今日何を主として課題にしたいかをお伝えしたいと思います。
今日の会議の位置づけは、簡単に言いますと、少しずつ活用が進み始めていますので、その状況を実際に使っている自治体の方々からご説明していただくと同時に、今後それをさらに次に一歩進めていくに当たって、今、何が必要とされているかというところを素直に議論したいと。ものすごく簡単に言うと、難し過ぎて取り組めないと言っている自治体が続出していますので、これに一体どうやって対応していこうかというところが一番メインの問題意識かなという状況になります。

今日3自治体ご説明をいただきますが、これが恐らくTYPE2/3を取って、その代わりにWell-Beingを計測しなければいけないとなった自治体のトップランナークラスだと思います。この3つを聞いていると、なんとかよくやっているねということなのですが、ついていけない自治体が過半数以上という状況になっていまして、現状、もっと手前のところで引っかかっていまして、主観指標の質問の数が多過ぎて答えさせられないといった辺りから引っかかってしまっている状態であります。

最終的には、せっかくつくっていただいたものを全て正確に計測しデータを集めること自体が目的でやっているプロセスですから、最終的にそこを妥協する気はないのですが、このまま進めていると、逆に、せっかくお金もつけているし、やれという話にもなっているし、やらなければと思ってもらっているのについてこられないということが起きてしまいそうなので、ここを段階的にきちんと全部計測してもらうために、どういうふうに物事を進めていけばいいだろうかというところを悩んでいるという素直な御相談です。

現状を南雲さんには事前に少しシェアしていただいていまして、どうしようかということの御提案は南雲さんからも今日はいただけることにはなっておりますが、まずは3自治体がどういう使い方をして何ができているかと、それぞれのストレートな御感想を聞きながら、当面の今後の進め方というところについて有識者の先生方のアドバイスをいただければと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。

冒頭は以上です。ありがとうございます。

司会(鈴木): 村上統括官、ありがとうございました。
本日は本検討会の第1回目でございますので、本来であれば御出席の皆様に御挨拶をいただきたいところではございますが、時間に限りがございますので、本日の参考資料に掲載の委員及びオブザーバー名簿にて御紹介に代えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

ここから先の議事進行につきましては、座長をお願いしております慶應義塾大学大学院の前野先生にお願いしたいと思います。
前野先生、よろしくお願いいたします。

前野座長: よろしくお願いします。
それでは、司会を引き継がせていただいて、最初に御挨拶と副査の指名というのをやればいいのですか。

村上統括官: お願いします。

前野座長: まず、自治体の皆さん、ようこそお越しいただきました。

それから、有識者の皆さん、旧知の方、お久しぶりの方、それから、初めての方もいらっしゃいますね。慶應義塾大学の前野と申します。
もともとはロボットの研究をしていたのですけれども、まちづくりとか幸せな職場づくりとか、人々を幸せにする製品、サービスとか、幸せの研究というのを始めました。最近はWell-Beingの研究をしています。Well-Beingはもともと健康、幸せ、福祉を包み込む言葉ですけれども、どちらかというと日本では幸せに近い意味で使われることが増えてきています。もちろん、SDGsの3番のGoodHealthandWell-Beingが「すべての人に健康と福祉を」となっているように、健康福祉と訳すこともありますが、幸せとも訳されることが多くなった言葉。このWell-Beingの研究者でございます。

先ほど村上さんからのご説明、自治体が難しくてなかなかWell-Beingの計測をできないという話を聞いて、私の15年間の歴史だなと思いながらお聞きしていました。幸せの研究というのをやっていると、最初は気持ち悪いとか宗教ではないかとか、大体アンケートなんかで定量的にはかれるのかとか、そうは言っても利益だろうとかいろいろなことを言われつつ浸透し始めてきているというところです。やはり丁寧にエビデンスをもって有効性を調べることが重要です。Well-Beingをちゃんとはかると、人々の生産性も創造性も上がるし、職場でいうと離職率や欠勤率が下がるということがわかる。だから、地域でいうとひきこもりみたいなことも減るし、心の病、体の病にもなりにくくなる。予防医学の一種でもあると言える。そして、健康長寿になるとか、いろいろなエビデンスが既にありますから、それを自治体の方に丁寧に説明して、先ほどおっしゃったように、本当はアンケートをたくさん取ったほうがよいということを伝えるべきです。健康診断と一緒ですから。健康診断は面倒くさいから体重だけ測りますという人はいるかもしれませんけれども、血液検査も内臓の検査も全部やったほうがいいではないですか。それは健康、Well-Beingのためにいいわけで、自治体も大量のデータを取ったほうがいいのです。しかし、まだこれは浸透していない。ですから、過渡期である現在、デジタルの力も使いながら、自治体、特に今日来られているような先端的な自治体の事例をみんな見ていただいて、我々も測ってみようと思っていただくことが重要です。

Well-Being(幸せ)だけに、やらされ感でいやいやお金をもらったからしょうがなくはからなければいけないではなくて、はかるといいことがあるな、うちの町がよくなったなとポジティブになっていただくというのがゴールだと思うのです。そのための委員会だと思います。いろいろな方に来ていただいて、非常に活発な議論ができると思います。特に南雲さんにはいろいろ御尽力いただいて、これからもご説明いただくと思いますけれども、皆さんぜひ力を合わせて、この委員会は本当に社会善だと思うのです。全ての人が幸せな世界を目指す、そのための活動を推進していきます。

日本は実は欧米に比べて出遅れています。Well-Beingというのは10年か20年遅れています。ニュージーランド辺りだとWell-Beingバジェットなんていうものを普通にやっていますが、ここで一気に真面目な日本人が本気でWell-Beingとデジタルということに取り組むと、本当にうまくいく可能性が満ち満ちている分野だと思います。ですから、私も地域のWell-Being指標をつくっていたのがきっかけで座長をさせていただいていますけれども、皆さんと一緒によりよい世界をつくるための知恵を出していこうと思っていますので、よろしくお願いいたします。

私がいないときのために副査を指名するのがルールということでして、これは南雲先生が適任ということで、ここで指名します。今日は特に私の代理をする必要はない予定ですが、今後もいろいろなことがあると思いますので、副査を南雲さんにお願いしたいと思います。
皆さん、よろしいでしょうか。

南雲委員: よろしくお願いします。ありがとうございます。

前野座長: まずは加古川市様からご発表よろしくお願いします。

加古川市: 加古川市の車谷です。よろしくお願いいたします。

それでは、加古川市の発表をさせていただきます。
まず、加古川市の簡単な紹介なのですけれども、加古川市は兵庫県南部にありまして、県下最大の一級河川、加古川が市の中央部を流れる人口26万の都市となっています。

Well-Being指標の活用のきっかけというところなのですが、加古川市の総合計画では、将来の都市像を「夢と希望を描き幸せを実感できるまち加古川」に設定しております。その決定の背景には、社会の成熟化に伴い、人々の価値観は変化し、より心の豊かさを求める時代になっていることが挙げられています。また、人口減少が避けられない中で、本市が持続的に発展を遂げるためには、市民の幸福感をいかに高めていくかが重要となると考えました。

次に、市民意識調査なのですけれども、これは毎年実施しておりまして、市民の考えや感じていることをまちづくりに反映することを目的としています。内容は、主に市の施策の約50の項目について満足度や重要度を調査しているところです。

この調査の中で、令和2年度以降、市民の幸福感に着目して調査を行っております。結果としては、「感じる」が約4割、「やや感じる」が約4割で、8割以上の方は普段の生活の中に幸せを感じていると回答いただいています。また、10代、20代の若い世代では「自由な時間」や「精神的なゆとり」、30歳以上では「家計」や「家族関係」、また、高齢になるにつれて「健康」が重要だと感じる人の割合が高い傾向が認められています。
市民意識調査により大まかな傾向をつかむことができていますが、人の幸せには様々なファクターが関係しております。我々地方自治体も政策や事業によってアプローチできる領域が多く存在していると考えていまして、この領域をしっかりと捉えていくために、定性的ではなく定量的な指標で測ることが重要であると考えまして、Well-Being指標の活用に向けた検討を始めたという形になっています。

こちらが活用に当たってのモデルという形になっておりまして、幸せを実感できるまちを実現するために、仮説として幸福のストーリーを作成し、そこから導いたWell-Being指標を市民意識調査において測定します。測定結果を基にして事業化し、次回の検証を通じて市民の幸福感の向上にどれだけ寄与しているかをチェックしていく。このようなサイクルを回していき、幸福の増進をさせたいとして、この仕組みづくりを行い、Well-Being指標に取り組もうとしているところです。

今年度における具体的な進め方というところなのですけれども、市民意識調査でWell-Being指標を調査する際に、オリジナルの指標は数が多く、また、本市の特徴に合っていないとか実施していない指標もあるのかなと考えまして、指標を選ぶこととしました。

手順としては、政策企画課の中で、本市の機構上の部局ごとに1個以上の重要施策について取り上げまして、幸福のストーリーを作成しております。幸福のストーリーには、心の因子、行動の因子、環境の因子がありまして、各因子に対応したWell-Being指標を抽出し、集約しました。

ストーリーの作成のポイントとしては、重要政策において誰の幸福感を高めるのか、その対象となる人を明確にすることとなっております。その人の心がどのような状態になれば幸福なのか、そうなるためにはどのような行動が必要か、その行動にはどのような環境が必要か、その環境を生み出すためにどのような施策・インパクトが必要かを段階的に考えていきました。目標から手段を導けるように、心の因子から掘り下げて、施策・インパクトに向けて作成するように心がけました。さらに、当市ではストーリーのブラッシュアップを行うために課内で意見交換を行いました。

これが作成した幸福のストーリーの一つとなっております。この仮説における各因子から右側に書いてあるようなWell-Being指標を抽出しました。

このようにして、幸福のストーリー図を25施策分作成しまして、調査する指標を決定したところです。

決定した指標を基にし、調査票を作成しております。

現在、Well-Being指標の調査を加えた市民意識調査の実施を終えまして、回答データの集計を行っているところです。年内には集計作業を終えて、年明け以降から結果の分析を進めていきたいと考えております。

最後に、今後の課題と考えているところですが、調査したWell-Being指標の分析手法と活用策の確立、Well-Beingの考え方を庁内に周知していくこと、庁内各部局におけるストーリーの作成と調査結果を活用したストーリーの検証、さらには施策展開への活用を部局が自分事として取り組むためのルールづくりであると考えております。

以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

前野座長: どうもありがとうございました。加古川市の車谷課長でした。

次は、静岡県浜松市の瀧本スマートシティ推進課長です。よろしくお願いします。

浜松市: よろしくお願いします。浜松市の瀧本です。

浜松市からは、Well-Being指標を活用したワークショップを中心とした官民共創型のアプローチについて御紹介をさせていただきたいと思います。失敗談も含めて共有できればと思っております。

浜松市は2019年にデジタルファースト宣言を行いまして、翌年度には官民連携の体制づくりを行いました。さらに、同年度に構想を策定いたしまして、ここで目指す方向性として市民QOLの向上を位置づけました。

そして、推進体制としては、右側にありますけれども、官民共創によるまちづくりというのを位置づけております。これを今年の7月には条例に規定をいたしました。

Well-Being指標に関しましては、本市の特徴ある分野、ウエルネス、カーボンニュートラル、モビリティ、スタートアップ、この4分野でまずは先行的に活用しようということで進めております。

5月にはキックオフとして、南雲さんに浜松にお越しいただきまして、先ほどの4分野の関係部局の職員で勉強会をやりました。

6月には庁内でワークショップを行いました。先ほどの4つの分野の課が集まって、まずは個別分野のウエルネスで、シナリオづくりを体験してみました。これがなかなかうまくいきませんでした。真ん中のところにありますけれども、上位の行動や心の因子につながりにくく、うまくシナリオがつくれませんでした。

ただ、多くの気づきがありました。一番右のところになりますけれども、年代によりWell-Beingは異なるとか、年齢が高いほど健康に対する意識が高まるであるとか。また、健康を最初は最上位に置きましたが、これは考えていくと手段であって目的ではないよねとか、現在の計画に位置づけられているような取組というのは不健康、病気になったところへの対症療法的な取組が多いよねとか。あとは、健康分野だけで考えていても、ウエルネス、Well-Beingのシナリオを作るのは難しく、関連する分野と連携しながらやっていく必要があるよねと、多くの気づきがありました。

そして、今年の10月からWell-Being指標の活用を官民で広げていこうということで、まずは10月26日にWell-Beingをテーマとしたオンラインフォーラムを開催いたしました。

そして、翌日10月27日には、官民連携プラットフォーム運営委員会の構成団体を中心に、子育てのNPOであるとか、外国人の支援団体、大学生にも入っていただいて、Decidimも活用しながらワークショップを開催いたしました。

この開催の状況というのは、中段に青字で書いてありますけれども、コード・フォー・ジャパンさんにウェブで記事を書いていただいておりますので、また詳細はそちらを御覧いただければと思います。

今回、このワークショップでは、先ほどの失敗の反省を生かして、施策からではなくて、ペルソナを設定してペルソナのWell-Beingを考えてみました。将来の浜松においてそのペルソナがどういう状況だったら幸せだろうという物語をつくってみました。そうしたら、意外とすっと物語ができまして、その物語をグループワークの最後にグループで発表いただきました。その発表の中から、恐らく参加の皆さんが将来に向けて浜松のこういった資源をつないでいきたいのだろうなというような、浜松の自然豊かなところであったり、地域住民の人柄、例えば子育てで歩いていると高齢者の方が話しかけてくれるよね、そんなところの浜松で将来に向けて残していきたいようなところなどが非常に共通要素として見えてきました。こうしたところからやっていった中でストーリー、シナリオをつくって、そこに施策を当てていけばできるのではないかといった手応えを感じました。

参加の皆さんからコメントをいただいていますので、動画で紹介させていただきます。

動画の音声が出ていないようですので、のちほど、公開しているYouTubeのアドレスを共有いたします。

今後の取組の予定ですけれども、1点目、浜松市は独自のアンケートを実施しました。民間のインターネットモニターを活用しまして、約1,800取りました。2ポツ目になりますけれども、独自アンケートにより、全国アンケートの補完をするのと、先行的に活用する4分野で独自のアンケート項目をつくりましたので、シナリオづくりに反映していきたいと思います。

今月集計ができましたので、来月に向けて分析をしていきます。

2点目でございますけれども、先行の4分野でのシナリオをつくります。ペルソナを設定し、その分野での重要なターゲットをペルソナと設定して、そのペルソナにおいてシナリオづくりをしていきたいと思っております。

3点目、これは注力していきたいと思っている点なのですけれども、本市においては、スマートシティは官民共創によるまちづくりと位置付けておりますので、これから作成するシナリオについて、民間が行うようなプロジェクトに対しても、どのようにそのシナリオに対してインパクトがあるのかといったことを官民で見ていきたいと思っております。

今月22日にプラットフォームの運営委員会がありますので、そうしたことについて報告をしていきたいと思います。具体的には、重点分野のモビリティやウエルネスです。こうした分野においては官民の推進母体がございます。例えばモビリティの分野ではモビリティサービス推進コンソーシアムがありまして、モビリティ分野のシナリオをそのコンソーシアムで共有して、それについて民間の皆さんからも御意見をいただくとともに、毎年コンソーシアムでモソリューション創出に向けたワークショップをやっています。来年については、作成したシナリオに対してどういうソリューションをつくっていったら幸福度を高められるかといったワークショップを開催することを検討したいと考えております。

以上でございます。

前野座長: ありがとうございました。浜松市、瀧本様でした。

次は、資料4に基づいて富山県の寺崎課長代理と博報堂の古矢様ですかね。お二人ですか。

朝日町: 富山県朝日町です。よろしくお願いします。

富山県朝日町では、デジ田交付金を活用しましてポHUNTという取組を行っております。このポHUNTは、ポイントをハントするという意味を持つ地域活性化につなげるポイントプログラムでございます。町内の商業施設などに掲げられたQRコードを読み取って、そのほか、与えられたミッションを達成することなどでポイントを獲得することができます。ポイント開催期間中にためたポイントに応じて景品への応募が可能な仕組みとしておりまして、朝日町ではこのポHUNTの仕組みを活用して、今回のWell-Being指標に関するアンケートを実施しております。

ここからはWell-Being指標に関するアンケートの取り方ですとか、結果から見えた傾向や特徴を、スピーカーが替わりまして、博報堂さんから発表いただきたいと思います。よろしくお願いします。

朝日町 (博報堂): ここから博報堂の古矢からお話をさせていただきます。

今回、このWell-Being指標に我々が取り組むに当たって、当然、短期での施策の評価に使うというのも重要だというのは認識しておりますけれども、それ以上に中長期的にトレースして見続けていくというのが大事なのではないかと考えております。そのために、施策の評価にも使いつつですけれども、今回はポHUNTを活用して継続的に結束できる仕組みづくりというところに注力をさせていただきました。

そのためにやったのが、まず先ほどお話ししたポHUNTを導入して、ポイントをインセンティブにして、住民にアンケートに答えてもらうことによって、能動的に住民から回答を集めることができる仕組みづくりというのにトライしております。

LWCの指標を5分割しまして、アンケートを分けて聴取したところ、1か月強のキャンペーン期間だったのですけれども、その中で平均回答数400弱という回答が自動で集まるという仕組みがつくれております。

さらに、いただいた指標を全部聴取し続けるとなると、やはり負荷が高いという部分もあったりしますし、頻度を下げざるを得ないという部分がありましたので、項目を精査していきたいという話にはなったのですけれども、その際に、恣意的に何らかのデータもなく絞っていくと、それはよくないのではなかろうかという話がありまして、今回に関しては、ちょっと住民に負荷をかけますけれども、全項目聴取するという形を取って、その結果をもって、今後、項目を絞っていきたいというのにトライしようとしております。

ここから集まったデータの分析結果について簡単に御報告させていただきます。
まず、Well-Beingに関しては、個人の幸せというのが重要なのではないかと我々は考えておりますので、個人の幸せに関する設問とほかの設問の相関関係というのを分析してまいりました。

まず、個人因子に関する項目で見ていきますと、自分の心とか体の健康みたいなところがやはり上位に来ているとか、あと、日常的な快適性みたいなところも因子としては幸せとの相関が高く出るという結果が出ております。

また、協調因子のほうに関して言いますと、周りの人たちと同じくらい幸せかとか、周りの人たちと比べてどうかみたいな周りと比較するような項目というのが比較的上位に来ておりました。あとは、町民の幸せみたいなところも相関関係としては高くなっていまして、地域コミュニティー全体の幸せというのも重要なのではないかという仮説を立てております。

また、ActiveQOLに関する項目で言いますと、仕事、子育て、家族介護みたいな社会とかコミュニティーにおける役割、自分の存在意義みたいなところに関するものというのは幸せ相関が高くなる。一方で、個人的な趣味、スポーツとか文化、外食といったところは低めに出ているという傾向がありました。

最後、センシュアスシティに関しては、あくまでも今回のデータはという、かつ幸せとの相関を見たときの評価にはなりますけれども、全体的に低めに出るという傾向がありました。その中でも特に、これは下から10個出しているのですけれども、赤の他人との交流ですとか、商業的なにぎわいみたいな都会的なところで幸せに影響しそうなところというのは、朝日町においてはあまり関係しないというのが最終的な結論として出てきております。

これらを踏まえて、朝日町ならではのWell-Beingみたいなところで言うと、日常の心地よさと周りの人との調和、地域コミュニティーという三本柱が大事なのではないかという結論になっております。今後はこの3つの柱というのを重視した上で、この暮らしを尊重したデジタル化を推進していけたらなと考えております

ここから、今お話ししたデータも含めて、項目をどういうふうに絞り込んでいったのかという話をさせていただきます。
先ほどお話しした幸せ相関のほかに、トップ&ボトムボックスの割合という5段階評価で「当てはまる」から「当てはまらない」を評価するような設問が多いと思うのですけれども、そのうち、真ん中の3番とかどちらとも言えないみたいな回答が多いものというのは優先度を下げてもいいのではないかみたいな話を、ここの指標で評価していたり、また、変動係数という回答のばらつきを見るような指標を見ているのですけれども、これを踏まえて、多くのユーザーが同じような回答をしているような設問というのは優先度を下げていいのではないかみたいなことを判断して絞り込みを行いました。

これをやった上で、とはいえ、DXサービス推進に当たって、データからは重要ではないと出てしまったけれども、重要だと我々としては考えているものというのを、恣意的になりますけれども、追加させていただいて、今表示しているような項目を朝日町モデルのWell-Being指標として今回立てました。内容はもう少し精査していく必要があると思いますけれども、これを継続的かつ定量的に調査をして、中長期的なトレースをしていけたらいいなと考えております。

最後に、この指標というのは日本全国での展開みたいなものを目指していきたいなと考えておりますけれども、あくまでも朝日町での一部ユーザーに関するアンケートデータでつくっているものになりますので、今後、ほかの地域で同じようなことをやっていただいたり、継続的に取っていったときにどういう影響があるのか、どういうふうに変化していくのか。あとは、負荷軽減のところでユーザーのリアクションとかも見ながら、日本版Well-Being指標みたいなものをつくっていけるといいのかなと我々としては考えていると。

以上、駆け足になってしまいましたけれども、朝日町からの御報告でした。

朝日町(博報堂): 博報堂の堀内から1点補足させていただきます。

朝日町で出た幸せとの関係性、9ページ目のところですけれども、これは我々がノッカルと朝日町でやらせていただいている共助型の行政サービスというところでも基本としているところになっていまして、まさに朝日町ならではの結果だし、朝日町ならではの結果を生かした新しい行政サービスとか共助の在り方、コミュニティーのつくり方みたいなところにも活用できるのではないかなと思っております。

一方で、これは朝日町だけなのか、ほかの地域ではそれぞれの特徴があるのではないかみたいなところはいろいろあると思いますので、この辺りが継続的に答えやすい形で全国の皆さんが参加していただけるような座組みが必要なのではないかなと改めて思っております。

以上でございます。

前野座長: ありがとうございました。3自治体のお話でした。
このあとは村上さん、そして、南雲さんからご説明いただきます。

村上統括官: 村上でございます。
資料5を眺めつつということではありますが、問題提起も含めて、若干口頭になりますが、皆さんにぜひ今日、忌憚のない御意見をいただければと。
その1点目が、先ほどどういうふうに取り組みやすくするかということを申し上げましたが、実は問題を抱えるに当たっても、もう一度、何のためにこれを取っているのだっけという、Well-Being全般論というよりも、今回のデジ田の中でWell-Beingをやっていることの意義について少し絞り込んだところで認識の共有をしたほうがいいのかなと思っています。

このページは、ここであまり詳しくやる必要はないと思うのですが、簡単に言うと、例えば交通のところだけ取れば、時刻表どおりにバスを回していれば需要を満たせた時代から、バスもドライバーも絞り込まなくてはいけない時代、お客さんのニーズをリアルタイムデータで把握した上で供給を効率的に充てていかないと、物事はうまく回らないということが、暮らしと就業ルールについてもそうだし、買い物もそうだし、学校教育でも多様化する教育ニーズに対して教員側のリソースは全然足りていないし、医療の進歩に対してかかりつけ医だけで全部診ろと言ったって無理だしと、全部そういう形で、需要サイドの動向をきちんとみんなでシェアした上で供給側がきちんと効率よく充てていく。

次のページですけれども、そのためには、共助の領域でのデータ連携であったり、いろいろなデジタルインフラのシェアが要ると思うのですけれども、これが人口増加期であれば個別事業者がある程度やったかもしれない部分、人口減少期なものですから、みんなこれのコスト分担とか一緒にやるのかよという話がうまくいかなくて、デジ田が止まってしまっている、デジタル敗戦につながっている。

だから、次のページですけれども、実はまちづくりにみんなを巻き込みたい。ある種プラクティカルなところから言えば、とにかくみんなをインクルードしていく、包摂性を上げていく、もしくは多様性をどんどん巻き込んでいく。まちづくり戦略の世界の中に、投資家もいれば、市民もいれば、事業家もいれば、いろいろな人たちがまちづくりに対して共通のインサイトと課題意識を持ってもらわないと、デジ田プロジェクトが進まない。単なる補助金消化戦になってしまう。なので、この域内外の人材・資金を、市民参加を得て市民が主役になることを大前提に積極的に取り組んでいくサイクルとして、今回、Well-Beingの指標をデジ田交付金に義務的に使わせていただいている。整理から言うと、こういうことになっているのかなと。

だから、キーパラフレーズで言うと、ある種のインクルーシブネス、包摂性を引き上げていくと同時に、そこで出てくるまちづくりの共通課題ということを、心の豊かさやWell-Beingという観点から読み解くと、一体何が読み解けますかというのが多分僕らはWell-Being指標をデジ田交付金の中で義務化するという形で使わせていただいていることなのだろうなと。

次のページは浜松市の例で、この間デジ田会議でも大臣もいらっしゃるところで御紹介をさせていただきましたが、まさに浜松市のワークショップなどでもまちづくりに対する共通理解ということの伏線になるようなワークショップが行われているのかなと。

ここで一言、今の3市の発表も聞きつつ、余計な思いつきを言いますと、実は3市いずれもが指標の選定に当たってのシナリオとかロジックとかということを共通におっしゃっていたなと思うのですが、実はここは結構どう進めていこうかという意味では大事なインサイトになるのかなと。特に最終的に今日御相談したい、やや取り組みやすいやり方、段階的なイントロダクション、前野先生から非常に分かりやすいコメントをいただいて、ある意味体重だけ測っても健康診断にはならないだろうと。まさにそういうことではあるのですけれども、ただ、健康診断そのものに来てくれないことにもどうしようもないというところを調整していくに当たって、もう一回、何のためにこれをやっているのかという振り返りを今させていただきましたし、何を選んでいくのだろうということになると、その町にはその町の中で、今の段階でこれに取り組みたいと思うロジックやシナリオがあるということを3市町ともおっしゃっていたのかなと思いました。

客観的なWell-Beingの研究ということだけ言えば、必ずしもシナリオロジックを前提にすることは不要ではないかと思う一方で、多分このシナリオロジックの必要性をもし段階を追って経る人が多いとすれば、多分これの意味していることというのは、Well-Beingをはかり始めるにもコミュニティーの形成が要るということも片方で言っているのかなと。要するに、町の中で各ステークがばらばらなまま、アンケートを撒いて、統計を落としてきて、こうだったよと言うだけではやはり始め難い部分があるし、そもそもアンケートを誰に配布し、回収を試みればいいのかということ自体サンプリングができないと、そこからして全てを無作為抽出で使ってしまっても、それもねというところで、現実に取り組み始めた人たちが悩んでいるということなのかなと思いました。

それから、3市町の今のご説明を聞いていてもう一点、1点目が、今のシナリオロジックを共通に使っていらっしゃるということは、調査を始めるに当たっても、ある種その原型となるようなコミュニティーが必要だということを裏側でおっしゃっているのではないかと感じたのと、もう一つ、朝日町さんの例を聞いていますと、すごくはっきりと幸せとの相関関係で社会性と趣味性といったインディケーターが出てきているのですが、これは逆に言うと、その町の今の幸せの特性がそう出ているという客観的事実の把握はこれでいいとして、これをまちづくりへの示唆に広げていくときに、私たちの町の特性はこういうことだから、より幸せ関数が高いほうをより伸ばしていくほうに課題を読み取ればいいのか、むしろ、相関性が弱い分野について、例えばセンシュアスシティのところが非常に低く出るというのは、それを聞いていて自分がそう思ったのかもしれませんけれども、本当にそのままでいいのという面も片方であるのかなという意味では、まちづくりへの示唆に今回の計測を使うという立場からすると、始める前にコミュニティーが要るのかもしれない問題ともう一つ、出てきた結果に対してどちら向きにどういうインサイトを得ていくことを積極的に進めていくのかということを考えなくてはいけないということなのかな、なんて思いながら、反省をしながら伺っておりました。

なお、この議論には、その次のページにありますとおり、EBPMのコンテキストで政策評価にも使いたいという話は当然のようにあるわけではありますが、こういう議論と現状を見ると、まずはWell-Beingをはかろうというコミュニティーを醸成し、それに対して必要な課題の引き出しのロジックを検討し、それをWell-Beingを客観的に計測するというツールを正しく使いながら次に進むということでいうと、結果としてこの絵もややそうなって、「今後」にしてありますけれども、EBPMの手法としての使い勝手を先に追求するというよりは、まずはまちづくりであるとか包摂性を引き上げていくというところに対して、このWell-Being指標の計測というアクティビティがどううまく回っていくのか、そちらを少し優先したほうがいいのかななんてことも感じながら聞いておりました。

次のページの指標の構成はもうよろしいと思いますので飛ばしまして、9ページの地図でございますけれども、直近の状況まですぐには把握していないのですが、大体1~2か月前の状況から推測すると、簡単に言うと半分の自治体が調査票の設計もしくは配布に進んでいて、このうちの半分が調査票をどう撒けばいいのか分からなくて、取りあえず議論を続けて悩んでいる。大ざっぱに言うとそういう状況でございます。

なので、次のページでございますけれども、本日御議論いただきたいというところで申し上げますと、こんなような状況の中で、客観指標につきましては、参考2というのが後ろにつけてあるので、こちらの画面共有でだけさらさらさらっと見させていただきますと、参考2、客観指標の分析手順、これは手順書にしてありまして、さすがにここまで書いてできないということはないだろうという気がしているので、こちらはとにかくいいからこれどおりにExcelを操作してよということを27の自治体にはお願いしていこうかなという意味では、こちらは何とかしたいなと思っているのですが、逆に18ページ辺りに戻ると、主観指標の概要のところとアンケートで、アンケートの設問も考えに考え抜いたアンケートの文案までいただいていて、大変恐縮ですし、最終的にはこれをそのまま取れる世界を目指すということは私どもとしてもお約束したいと思いますが、例えば加古川市さんが実物のアンケートを、資料2-2という形で今回つけていただいていますけれども、お手元に届いているかな。先ほどご説明がありましたとおり、実はこれでも4分の1ぐらいに設問数を絞っていらっしゃって、かつ実際にこれを渡される市民のことを抱えると、確かにこれくらいがお腹いっぱいと言われてもそれはそうかもしれないなと思うところもありますし、この加古川市さんのアンケートをできるだけ一覧性高く、一挙に書けるようにやっていますが、これをデジタルでクリックしながらやってくれと言われると、多分その時点で相当心が折れる市民の方もいるという意味では、UIも含めてかなり工夫をしていく必要があるのだろうなということをこうやって改めて作っていただいた調査票を見ると感じるところでもあります。

この点につきましては、年度内の改善だけでなく、来年度予算で、デジタル庁のほうでこれをもう少しきちんとシステムとして、Excelのダウンロードもしやすくして、恐らくはExcelのマクロ対応ではないものにいたしますし、アンケート票もそれぞれの自治体が自分でデジタルのアンケート票を作れない方にもお使いいただけるようなアンケート票というのをデジ庁の予算の委託費の中で今後SCI-Jと一緒に作っていくということを考えてはおりますが、当面、足元の問題としてこの辺をどうしていこうかというところは、今日少し南雲さんの御意見をベースにいただきつつも、先生方に御議論をいただきたい。

そういう意味で、分析の収集のほうも段階的に精緻化していくということになるのではないかと思いますので、もう一度改めてまとめさせていただきますと、自分のほうからは、今日は何のためにこのデジ田の中でやっているのかというところを振り返ると、巻き込む、まちづくりの課題を共通に持つ。それをできるだけ正確にWell-Beingの指標の本来の意義を生かしながら進めていきたいというところで立ち返って考えてみるに、何を重視しながら進めていくべきなのか。それに当たっては、ちょっとした僕の個人的な意見として、シナリオロジックを大切にされているということ自体、調査の開始に先立ってやはりコミュニティーが要るのではないかといったところであるとか、逆に出てきた特性に対して従順にいくのか、弱いところを強化せよと言っていくのか、この辺の使い方でもどちらにインデュースしていくのかというのは見えてきた部分があるなということと同時に、併せてどんどん当面のサンプル数を増やしていくためにも、客観指標は取りあえず頑張ってもらうとして、主観指標のところの取り方について進め方を御相談できればと思っているということでございます。

私からは以上でございます。ありがとうございました。

前野座長: ありがとうございました。
それでは、次にSCI-J、スマートシティ・インスティテュートの南雲さんにお願いいたします。

南雲委員: ありがとうございます。
まさに今の問題意識はそのもの、正しいところをついているなと思っていまして、アンケートは取りあえずいろいろな設問がそろっているということですけれども、先行の調査3万4000人をやって、それから、それを踏まえる形で、先発という形で加古川市さんと浜松市さんがまずやられた。続いて、前橋市さんと会津若松市さんも続くような状況になっていますけれども、冒頭に私の感触でまず意見を申し上げて、その上で先行調査の結果を皆さんと少しだけ共有したいと思います。

アンケートに関して言うと、まず入り口に立たなくてはいけないということを考えますと、全体を俯瞰するアンケートをまず一旦取った上で、フォーカスをつくっていくというふうにしないと、後で何でそのアンケートを取っているのだっけというところに立ち戻る形になるので、個人的には前野先生のアンケートを主軸にし、そこにほかの先生方のアンケートで、例えば協調的幸福に必要だというところにおいてはそれを足される。全部足すというよりも抜き出して足していただくイメージだと思います。それから、後で出てきますけれども、歩けるというウォーカブルシティの結果は結構相関性が高いのです。これはセンシュアスから来るところがあるので、これを足されるとか、もしくはその町独自のことを聞きたいということを足されるということで、大体前野先生のプラス10問ぐらいをマックスにするところを基準に考えていくというところが一番皆さんにとって入りやすいところではないかなと思ったりもしています。

ここで少し先行調査の結果を御覧になっていただくと、大体共通でどんなものが出てくるのかというのが見えますので、それを俯瞰していただければなと思います。

今、画面に出てきましたでしょうか。お話しさせていただければと思いますけれども、まず、共通の理解としてこのような世界ですよ、日本のWell-Beingはこんなところですよということを見ていただくというのが主眼です。

まず、男性、女性、性別のところと年齢で傾向があるのでこれを見ていただくと、普通、Well-BeingはU型をよく取ると聞いていますけれども、若い人が幸せが高くて、だんだん社会人になると下がっていって、また60代を超えて戻ってくるというような感じなのでしょうけれども、日本の場合は若い人ほどあまり幸せを感じていないということです。これは10代とかに行くともっと低い可能性もあって、これは要注目点かなと思います。女性のほうが一般的にWell-Beingが高いというのがもう一つです。

それで、今のものを年代別に分割してみるとということなのですけれども、1つ面白いのは、これはよく前野先生がおっしゃっておられたかなと後で思い出しましたけれども、これは0~10のあなたの幸せの度合いはどこですかと、これは内田先生の質問の一個に入っているカントリルラダーという一番標準的な質問かと思いますけれども、ふたこぶになっていまして、若い人ほど低いほうにバーが高いのです。年をとってくると高いほうにバーが高くなる。真ん中の6辺りが低めというのが特別な、日本の文化の特性なのですかね。こんなものが出ています。

これを先生方別の3つの年代区分に分けて、これは男女が上下になっているのですけれども、見ていただくと、やはり年をとるにしたがって幸せのこの輪っかが大きくなっていくという傾向が見てとれるということと、20代・30代のところで一番男女の差が大きい。60代以上になってくると男女はあまり差がなくなってくるのですけれども、例えばこれは前野先生ので言うと、男性のところで過干渉と不寛容のところに評価が低く出ていたり、ダイナミズムが逆に高い。女性はそうでもないというのが出ています。それから、自然の体感は年をとるほど厚くなっていくという傾向が見てとれるかなと思います。

内田先生ので言うと、またこれも面白い結果が出ていまして、同じ年代別の傾向なのですけれども、20代・30代の男性で見ると、地域内の社会関係資本、地域のいろいろな活動に参加しているというものです。これは高め、逆に女性は低めなのです。地域のみんなと同じぐらい幸せがいいというのは女性が高めで男性も低めというようなものが出ています。センシュアスでいうと、これも自然のところが一番特徴的かなと思いますけれども、年をとるとがーんと出てくる。逆に若いときは街を感じるのほうが高く出るという傾向が出ているのです。

あと、主観の中でも心の因子というものを、後でこれはタイプ別にお見せしますけれども、全体的にこの3つのグループに分かれてくるというのが見えてきました。一番上の幸福度、あなたは今どのくらい幸福ですかということに対して相関を取ってみると、大体この3つに分かれるということなのですけれども、黄色いところが、自分らしい生き方、伝統的に幸福学とか心理学の方がよく追究されていた領域のところ。

それから、ピンクのところは社会関係資本です。内田先生が今回で言うと代表例になりますけれども、まちづくりでいうとコミュニティーデザインの人たちがよく扱っている領域が出てきます。

それから、右側に行ってブルーのところを見ていただくと、街の景観とか街の機能、これはどちらかというとアーバンデザインセンターの人たちがよく扱っているような領域が出てきます。

この3つの総体がまちのWell-Beingを構成しているというのが出てきます。

日本全体で見てみると、これはでこぼこはキャンセルアウトするので、相関係数があまり高く出ないのですけれども、相関係数を0.4以上取ってみると、協調的幸福、健康、自尊心、それから、居住空間が出てきます。面白いのですが。家が後の図で出てきますけれども、居住空間というのはどのまちのタイプでもずっと出てきます。という特徴が出てきます。

これは日本全体だとなかなか頭の整理が難しいので、人口のコホート、子育ての街、学生の街、働く人の街、巣立ちとか成熟の街、それから、いろいろなところが集まっている街という形で分けて整理してみますと、相関係数が0.7以上でこんな傾向が出てきます。

子育ての街だと、地域の暮らしの満足度だとか周囲にうまくいっているかどうかというのが厚く出てきます。

学生の街になってくると非常に面白いのですけれども、今の子育ての街プラス、役所への信頼とか地域行政は地域のことを考えている。パブリックが出てくるのです。
働く人の街になってくると、所得とか学歴、自分にはよい素質があるとか、自分が大切な人を幸せにしているという、どちらかというと自分が能動的にできているかという自立みたいなものが出てきます。

成熟したほうの街になってくると、街の人みんなの健康とか幸福、身体的な健康みたいなものが出てくるのです。比較的落ち着いた街の雰囲気になってくる。

東京23区というのは大体全部入っているので、混ざっている。こんな状況になっています。これを今で出しました街のタイプごとに見ていくとこんな形になってきます。さっきのと同じです。幸福度に対して相関係数で0.5以上取っています、0.7以上のものが赤、0.6以上0.7未満が黒い字、0.5以上0.6未満が灰色の字になったのですけれども、大体こういう健康とか自尊心、居住空間なんていうのが子育ての街という特徴で出てきています。

学生の街になってくると、やはり自尊心、居住が出てきますけれども、そのほかに自然を感じるとか歩けるとかというセンシュアスそのものも結構出てきます。

同様に働く人の街にしてみますと、一番いろいろなものが出てきますけれども、自尊心、居住空間のほかに、スタートアップみたいなものとか芸術みたいなもの、チャレンジというのが出てくるのと、街を感じる系、歩ける系が出てきます。行政なども出てきます。それから、所得、学歴なんていうものが出てくる。

成熟した街になってくると、健康、居住空間、それから、協調的幸福もいろいろ出ていますけれども、こんなものが出てきます。
23区になってくると全部混ざって出てくる。東京というところの一つの個性かもしれませんが、食文化なんていうものも出てくる。こんな形になっています。

ということで、これから調べるに当たって、全ての質問をしなくても、今みたいなものを見ていただくと、大体こんなところが強く出てくるということがおおよそ分かってくるので、それと各街の個性のローカルナレッジを使っていただいて、前野先生プラスという形で基本的な構造を考えていただく。当然のことながら、先ほどの村上さんのお話にも出ていましたけれども、コミュニティーの巻き込みというのが重要になってくるので、ある街から街のWell-Being研究所みたいなちっちゃい集まりみたいなものをつくって、そこにみんなのナレッジが集まるようなことをやったらいいのではないかとか、もしくはコード・フォー・ジャパンさんも一緒になってやってくださっていますけれども、そういった一緒にやっている方とこの情報を共有していくというところについては、もっともっとやっていく必要があるかなと思っております。
私からは以上です。

前野座長: ありがとうございました。

なかなか詳しい、いろいろな分析が非常に興味深かったのですけれども、それでは、以上を踏まえまして、これからどうするか、あるいは皆さん御自由な御意見を、ちょっと押していますが、20分ちょっと時間がありますので、ぜひ今日来てくださっている方、どなたでも、ご質問ください。

司会(鈴木): 前野先生、すみません。

太田委員が2時で退席されてしまうので、先にぜひお願いいたします。

前野座長: もちろんです。
太田委員、お願いします。

太田委員: 次の予定が入っていまして、すみません。

手短に。まず、改めて第1回ということなので、この指標の意味なのですけれども、先日、バルセロナでSmartCityExpoもあって、私は行っていないのですが、結構いろいろな人と意見交換をする中で、やはりスマートシティあるいはテクノロジーを使ったまちづくりの成果、アウトカムとして、例えば中国がやっているような最適化とか、あるいは中近東ですとかアメリカ、カナダでやっている効率化みたいな話というのが頓挫しているというところがあって、やはりWell-Beingというのを目標に掲げるというのは非常に意義があるなと思っております。

そのプロセスとしては、これも中国、中近東、あるいは米国とかの対比になりますけれども、トップダウンで偉い人が絵を描くというよりは、いろいろな人が参加してやっていく。分かりやすく言うとボトムアップというプロセスで、アウトカムとしてはWell-Beingというものを考えていくというのは非常に意義があると思っています。

ただ、デジ田のほうに戻って、そのやり方なのですけれども、2つぐらいあるかなと思っていまして、一つは南雲さんの最後の御提案や、あるいは加古川市さんのほうに近いと思うのですが、地域で市民の意識調査とかに取り組んでいる経緯とか体制があって、そこの素地があるところが、今の100ぐらいある因子を全部使うというよりはもう少しそのアレンジをして、包括的にこの街は何を目指していて今どこにいてどう行くのだろうかということを描くやり方です。

もう一つは、網羅的な調査は全くやっていないというところもあるので、そこでは具体的なサービス、例えば子育てだったり、あるいはモビリティーだったり、あるいは環境みたいなところについて、因子も参照にしながら、例えばこのモビリティーというのは単に自動運転、オンデマンドを走らせるではだけではなくて、街の人の暮らし、しかも、浜松市さんのものにあったようなどんな人の暮らしがどう変わるのかと。結果としてどういうふうに変化していくのかというのを、デジタルサービスというのはいろいろな行動因子、環境因子がわざわざアンケートをしなくてもサービスを使っていただく中で取れていきますので、それがデータ基盤のほうにたまっていきますので、サービスレベルでもう少し短いサイクルでPDCAを回すというのも含めてやっていくというのは十分できるのかなと。

私は5年ぐらい前からWell-Beingについての研究とか起業しているドミニク・チェンさんと一緒にハッカソンという形でWell-Beingをテーマにサービスのプロトタイピングをやっているのですけれども、40個ぐらいの未来ストーリーが、いろいろな方が参加してつくれました。一部はもう事業化、サービス化していますけれども、幅広い人たちが参加して、いろいろな地域でやれるというのは。自分自身5年やってきた経験から見てもよく分かりますので、やる範囲を街の範囲で網羅的にやるのか、具体的なサービスでやるのかというところを並行して取り組んでいくと、非常に意義のある事業になっていくのではないかなと思います。

ちょっと2時からありまして、言いっ放しで出てしまいますけれども、この検討会にしっかり貢献したいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

前野座長: 太田委員、ありがとうございます。
では、ほかの方は何かございますか。今の御指摘へのお返事でもいいのですが。
関さん、お願いします。

関委員: ありがとうございます。
村上さんがおっしゃっていたように、コミュニティーというのが結構大事なのだろうなというのは、実際に私も幾つかの自治体でこの指標を実際に政策の中に落とし込む過程の中でいろいろな人と話をしていて思うことです。というのも、自治体だけで決められないことも多くて、特に絞る部分は本当に朝日町さんのコメントにあったように勝手に決められないよねみたいなところもあって、とはいえ、ではどうやって決めていくのという中で、一つ絞り込みやすいのは住民と一緒に考えるみたいなことだったりするよねというのは実感としてあります。
一方で、それを絞り込んだとして、これでいいのかなみたいな不安がずっとつきまとうみたいなところがあるので、そこを解消してあげるというのが一つ大事なのかなと思いました。なので、多分決まった正解とか生き方があるわけではないとはいえ、合っているのかも分からないみたいなところがあるので、そこをどうフォローしてあげるかというところの仕組みをぜひこの委員会の中で考えられるといいのかなと思いましたというのが一点。

あと、質問なのですけれども、行政の中だけで考えるのと地域の人たちとかで考えるのとどれぐらい結果が違うのかみたいなところも気になっていて、浜松市の場合は、多分最初は職員の中で考えたけれども、2回目は民間企業とかも入ってやったのかなと思うのですが、そこの部分での議論の質の違いみたいなものはあったのかどうかというのをお伺いできればなと思いました。

前野座長: ご質問へのご回答をお願いできますでしょうか。

浜松市: 浜松市の瀧本でございます。
行政職員が考えると、どうしても施策とKPIのロジックから離れて地域の幸福度といったところのストーリーづくりに行くといったところがなかなか難しいところがあって、それを官民でやり、地域住民という視点の中でストーリーを考えていたときにすっと入れたというのがあるので、そういった入りやすさというのは官民でやったときに感じました。
以上でございます。

関委員: ありがとうございます。

前野座長: よろしいですか。

南雲委員: 僕からも今の点でいいですか。

これはよくある話なのですけれども、やはり行政の中だけで考えると今走っている政策との関係に縛られてしまうというのがあって、現実的なところに落ちるという意味ではいいのですが、逆に市民に関する視点というのが失われる傾向がなきにしもあらずということなのです。逆に市民のほうだけでやってしまうと、今やっている政策のことを知っている人はそれとの関係で現実的なことは言えるのだけれども、そうではないと夢みたいなこと言ってしまうみたいなことがあって、あれもこれも自治体がやってくれるのかみたいになっていってしまうというのがあって、やはりバランスを取ってちゃんとマイルストーンを置きながら混ぜていくみたいなところが必要になってくるのかなと思います。
前野座長: ありがとうございます。

よく政策の毒まんじゅうという言葉がありますけれども、これは幸せまんじゅうだなと思っていました。食べてしまったらもう理念について話し合わざるを得ないというか。要するに、言われたとおりやりますではなくて、自分たちのまちづくりはどうあるべきかということを自治体も市民も考えないと答えが出せないですよね。

僕ももともと働く職場の幸せのアンケートを行っていましたが、さっき村上さんがおっしゃっていたように、悪いところを伸ばせばいいのですか、いいところを伸ばせばいいのですかと聞かれます。しかし、それには答えはないわけです。悪いところを伸ばしていい職場にしたいか、いいところを伸ばして自分たちらしくしたいかというのは自分たちで考えるしかないので、答えが欲しいとおっしゃる気持ちも分かるけれども、答えは皆さんらしくあることです。それをちゃんと伝えるといいのかもしれないですね。言われたとおりやりますからではなくて、難しいですよと。これは幸せまんじゅうなので、これを食べたからにはずっと幸せを目指さなければいけない仕掛けになっていますよということなのだなと先ほどの皆さんのお話を聞いていて思いました。

ほかの皆さん、いかがでしょうか。
どうぞ。

白坂委員: 白坂です。

今、話が出たとおりではあるのですが、私も基本的には、正直、これは位置づけをどう取るかだと思うのです。というのは、市民も交えて、いろいろな人たちを交えて、この指標を基にどうするかを考えていくというか、そちらをやると、はっきり言うと施策、自治体がやることに限らず、市民が勝手にやることとか、市民が既にやっているNPOの話だとか、いろいろなところが同じように考えて、やはりこういったことを意識しながらやるようになるってメリットがあると思っています。

一方で、今回のデジ田のTYPE2/3でこれを使う意味なのですけれども、そこをどう捉えるかだとは思うのですが、デジ田のTYPE2/3の中である意味何か方向性を決めてやろうとしてしまっているときに、こちらのトップダウン的にやっていくと、手段が今やると言っていたとこに行かない可能性があると思うのです。これはいつもニーズとシーズ側でどちら側からスタートしていくかなのですけれども、シーズからスタートしていったときにはニーズが限られて難しくなってきたりする。それが限定的になる一方で、ニーズ側からいくと、シーズが思ったシーズに落ちてくれなくて、全然違うことをやったほうがよかったじゃんみたいな結論が出てしまうということがニーズドリブンの話で、シーズとニーズのマッチングでは何をやっても、データを使っても、技術を使ってもこれが必ず起きてくるのですけれども、なので、私が思っているのは、一つは全体のアンケートを取るというのをできれば本当は何年かに一度国民調査的にやるというのは、お金がどれぐらいかかるか分からないのですけれども、やはり広く何をやっているか限らずに取るということを本当はやっていけると、定期的に日本全体がどうなっていっているのかとか、地域がどうなっていっているか、まさに今回のデータで分かったことが5年後はどうなっているの、10年後はどうなっているのと追えるという意味では、やっていることに限らずはかるというのをやるといいなという一方で、今回のデジ田の中でやっているものは、例えばヘルスケアをやろうとか何かをやろうと狙っていっているところもあるので、そこはそこで何をはかるかを決めていきながら、そこはまさにこう考えたからこそ、この幸福に対してこういう心の因子、それに関連する行動の因子、それに関連する環境の因子はこうだろうとか、因子に限らずこちらもあるだろう、あちらもあるだろうというのをそれなりにデザインしながら、だからこれをやろうとかこういう活動をやっていこうと落とし込む。このときには、何も関係ないところを全部はかる必要は正直ないかなと思うので、デジ田の中で今やろうとしている活動に関連する範囲をはかるものと、とはいえ、定期的にそれ以外のところもはかるみたいな、これの組合せがうまくできると。今回の自治体がやっている活動だけではなくて、そこから触発された市民の活動だったり、そういったところでどんどんよくなっていく可能性も含めて考えると、ダイレクトに関連しないところも何かのタイミングではかるというのはやはりどこかに用意しておいたほうが本当はいいのではないかなと今日聞いていて感じました。

以上です。

前野座長: ありがとうございます。
選ばれた自治体はシーズ主導型で明確な理念を持っているから選ばれたのかもしれませんけれども、全体を見てシーズ主導ではカバーできていなかったところも見つけるために全体を見ることが必要ですよね。そういう意味では、その辺りの説明というのは今までそんなに詳しくはされていなかったかもしれないので、これをすると分かりやすくなるのかもしれないですね。ありがとうございます。
ほかの方はいかがでしょうか。

畠山さん、どうぞ。

朝日町(博報堂): 博報堂の畠山と申します。朝日町さんと一緒にやらせていただいています。

今日、先ほど村上さんからいただいたお話なのですけれども、2つあって、朝日町さんと今やっているところから共有させていただくと、画面をいただいてよろしいですか。

見えていますか。

前野座長: 見えています。

朝日町(博報堂): 朝日町さんのまず1つ目のコミュニティー起点でみたいな話でいくと、作戦としては、もちろん今回Well-Beingということでいただいたお題は中長期で捉えるべきだと思ったのですけれども、一方、僕らとしてはいきなり住民にこれだけ単体で聞くのは無理だなと思いました。そこで考えたのが、生活者、住民の方がやってみたいというポHUNTにどうなじませるかということで、結局これはやりたいことなので、やりたいことに対してこうやって住民の方がQRを読み込んで参加して楽しまれているので、その中でどうできるか。だから、アンケート単体だと正直きついと思ったのですけれども、こういうものになじませればいけるのではないかなということでやっていただいた結果、どんどん回答をいただいたという状態でございました。

さらに、そもそもの仕組み自体がまさに共助、コミュニティー起点で全てのデジ田サービスを設計していますので、朝日町全体でも10の地区がございますので、地区ごとが対抗できるような仕掛けをこのポHUNT上もやっていますので、地区ごとに声かけし合いながらポイントを楽しんでいくというような設計、なので、サービスの設計から自らコミュニティーを誘発するものにしていて、さらにその中でこれは参加したいよ、これだったらやってあげるよ、これだったらやるよというものを仕掛けでしていったのが、こういう回答を拾えたのではないかなというのが朝日町サイドからの見立てでございます。なので、全てのサービスを同じ精神にのっとって、住民がきっかけを持ってそこに参加するということでやっています。

2つ目の質問なのですけれども、今、村上さんからいただいた話も含めて、なので、全てのサービスを、例えばスマホの講座をするにしてもポHUNTがとかという話で、デジ田に関係ないところも全部生活サービスになじましていたというのがございます。

最後なのですけれども、なので、2つ目の今後の使い方みたいな話は、まさに今日冒頭に朝日町で最初話していただいたテラサキさんは、みんなで未来!課といったところに所属されています。これは、誰かの未来ではなくて、これからいろいろな大きな社会課題とかがあるけれども、役場職員だけではなくて、住民も巻き込みながら、住民とともにみんなで未来をつくっていこうではないかということで設立しました。そこは当社も一緒になってやらせていただいているというのが現状でして、ですので、出た今回の回答みたいなところをまさにみんなで住民を巻き込みながら、どういったものがいいのかとか、どういったことを朝日町らしくやっていこうかというのは、みんなで未来会議みたいなことをやっていきたいなと思っています。それも含めて、住民に対してこれを共有しているのですけれども、朝日町は世界で一番みんなで未来の街になっていくよということを11月に発表しています。なので、これをみんなで未来のまちづくりということにおいて、このWell-Being指標というものを中長期的にやっていきたいなと。

若干宣言めいたところもございますが、私からは以上でございます。

前野座長: これはかなりシーズ主導型でやっていくという宣言をされたということですか。

朝日町(博報堂): 同じく博報堂なのですけれども、シーズ主導型という話があるのですが、実際にデジ田でサービス実装をしていくという立場に僕らがあるので、サービスを実装していくときにプロダクトアウトでは絶対にうまくいかないなとすごく思っていまして、マーケットインとかソーシャルインではないと確実に根付くものができないなというのはすごく実感しています。そのときに、地域の方々と、特に住民の方々とどうウィン・ウィン関係をつくっていくのかというのは最も重要だと思っていて、そういう意味でいくと、今回、各地域がどういうところにWell-Being、幸せ度を感じるのかみたいなところの土台があるというのは、サービス開発の視点から見たときにも非常に重要だなと思っておりますし、形として巻き込むだけではなくて、心情的にインサイトとしてどう巻き込むのかというところにも、非常に地域ごとに違うと思うので、活用できるものなのではないかなというのはすごく強く思っております。

前野座長: では、サービスはあるけれども、全体的な調査にも興味があるというような考えですかね。

手がたくさん挙がっています。上から鈴木先生、小泉先生、笹尾先生と挙がっていますので、順番にお聞きしましょう。

鈴木寛先生。

鈴木委員: 中長期的な話になるかもしれませんが、はかり方が難しいという話をされていましたが、例えば母子手帳を交付するときとか、あるいは子供の健康保険証を例えば無料をやっていたりすると、子供だけの健康保険証の更新は多分2年に1回あると思うのですけれども、というものとか、あと、子供だと、今考えているのは学校の保健法に基づく健康診断のタイミングとか、働いている人だと労働安全衛生法に基づくストレスチェックのタイミングとか、今やっている業務にあと1枚とかあと2枚かぶせさせてもらうみたいなことというのはあり得るのではないか。これ単独で取るというのはもちろん大変だと思いますけれども、市役所が市民に定期的に交付しているタイミングを狙う。それでもサンプル数としては十分だと思うので、あるいは政策をやるということになれば、例えば子育て、子供が何歳から、15歳以下の子供についてはこうだとかということで、逆に政策のときにもそれは使えるのではないかなと思いましたと。

それから2つ目、さっき、これは行政なのか市民なのかというのはすごく重要なポイントだと私も思いました。特にWell-Beingの場合は、要は市役所ではどうにもならない話、社会的寛容だとか文化の部分に関する、役所というのは制度は運用できますけれども、あるいはお金までは運用できるけれども、文化とかまでは変えられないわけです。そうすると、この調査は市役所の採点評価をしているわけではなくて、市役所ももちろん含まれるけれども、市民のビヘイビアとか、あるいは環境配慮行動とか、あるいは健康増進行動とか、市民が当事者なのだということをどう伝えていくか。あるいはそのことをどう自発的に理解していただくかというようなコミュニケーションのデザインが必要なのではないかなと思いました。私は熟議ワークというのをずっとやってきたのですけれども、そういうのも一つの方法かなと思います。
以上です。

前野座長: ありがとうございました。
それでは、小泉先生、お願いします。

小泉委員: 小泉です。よろしくお願いします。

本当に今日はいろいろな豊かな資料を見させていただいて、大変勉強になったなという印象なのですが、私も例えばWell-Beingと政策の関連性というのを統計的に分析した研究をこの2年ぐらいやっているのですけれども、なかなか政策とは紐づかないのです。実際にやってみると、全部合わせて説明力というか決定係数が0.4ぐらいとか、そんな感じなのです。つまり、説明できないことがむしろ多いということ、すごく難しさを感じているというのが一つあって、そうすると、住民自身がやるような活動とか日常的な行為とかも含めて、何をすると実際にWell-Beingが向上するのかというところはなかなか一口では語れないし、それから、単年度での評価もなかなか難しいことなので、そこは、要はエビデンスベースドポリシーメイキングみたいなことを厳密にやろうと思うと無理があるのかなと。本当にエビデンスベースドなポリシーメイキングというのは、本当の意味では、これだけのことをするとこれだけ幸福感が上がるみたいなことが定量的に分かっていて初めてできることなので、そこは難しいから、少しやむを得ないと割り切ってジャンプしなくてはいけないところがあるのかなというのは一つ、皆さんのお話を聞いていて改めて思ったというところです。

それから、朝日町さんの調査が非常に面白くて、非常に実践的なやり方をされていて参考になると思いました。それから、浜松市さんもそうですかね。要は、もちろん鈴木先生が仰ったような何かの網羅的な調査に合わせて調査をするということが一つオプションとしてあると思うのですが、もう一つは、特定な方なのだけれども、その方たちを少しターゲットとしながらこの政策を展開していく中で、Well-Beingが経時的にどう変化するのかというのをモニターしていくみたいなやり方が実践的にはやりやすいのかなと。それはなぜかというと、行政が行う施策だけではなくて、住民自身の行動とか、その変化とか、集団的な活動も含めて、様々な取組を行い得る。そのほうがやりやすいですよね。全体的に何か働きかけるというのはなかなか難しいので、そうすると、集団としては少し小さくなるかもしれないですが、そういうターゲットを明確にしながら、例えば子育て層なら子育て層というところでターゲットを明示的にしながら進めるというのが成果が出やすいような気がしたというのが2点目です。

3点目は、朝日町さんの調査を拝見させていただいて、5ページ目にあるところで、色がついていないところが僕は結構気になっていて、例えば自宅近辺の街並みは私の好みに合っているとか、暮らしている地域の政策が賛同できるというのが相関性で上位に入っているのです。これは参加の理論からすると極めて重要なところで、政策や社会的環境について自己決定できるということなのです。自己決定も個人の自己決定ではなくて、地域としての集団的な意思により自己決定ができるかどうかということが問われている。街並みを自分たちの思うとおりにつくれますかとか、地域に必要な政策を自分たちの思うとおりに実施できますかというところなのです。ここは結構大事なのだなということを改めて気がついて、我々は参加のまちづくりの実践を各地で行なっていますが、この調査結果を見るとWell-Beingの観点からそのことの意義が位置づけられたなと思ったのです。

なので、この部分はむしろ政策ができる部分ではないかなと改めて気づきましたということで、もしよろしければ、参加のまちづくりの観点からまた機会があればディスカッションさせていただければいいなと思いました。

以上3点、ちょっと長くなりましたが、大変勉強になりました。また引き続きよろしくお願いいたします。

前野座長: とんでもございません。ありがとうございます。非常に貴重な示唆に富んだいろいろなお話でした。主体的に参加する人は幸せだというのは、主体性と幸せとの相関はすごく高いので、やはり住民参加のまちづくりというのは極めて重要だと私も思います。
それでは、笹尾先生、お願いします。

笹尾委員: ありがとうございます。

非常に示唆深い御発表をいただいて、私も大変勉強になりました。

皆さんとも意見がかぶる点があるので、手短に意見を言おうと思うのですけれども、今日の発表を聞いて大きく2つのWell-Being指標の活用の仕方があるかなと思いまして、まず一つは全体の街の状態を見るという目的で取っていくということです。それは市とか国が主体となって、できるだけ幅広く多くの人に多くの質問をしてデータを取っていくというところがやはり重要になってくるかなと感じていまして、これはコンスタントに取れるように、国と行政がうまく連携して取っていくような仕組みを考えていく必要があるなと思いました。

一方で、デジ田の取組をどう評価するかという観点でいうと、やはりサービスベースで評価していくということになると思うのですけれども、そういう意味では、サービスを開発するときにはそのサービスのユーザーというのが必ず最初に構想するものだと思うのです。なので、その辺りがすごくはっきりしているので、今回御発表があった加古川市さんや浜松市さんなどでワークショップでやられている、ペルソナをつくって、そこからそのペルソナの対象とする人たちがどう幸福を感じるのかとか、どういう行動で幸福を感じるのかとか、そういう段階的に対象とするユーザーの人たちにターゲットを絞ってストーリーをつくっていくというプロセスは非常に参考になるのではないかなと思いまして、ペルソナをどうつくっていくのかとか、どのくらいの細かさでデザインするといいWell-Beingのストーリーが描けるのかといった結構実践的なやり方を自治体に共有すると、サービスに対する評価指標というのがうまく設定しやすくなるのかなと感じました。

一方、先ほど小泉先生もおっしゃったように、Well-Beingの指標に実際に結果が乗ってくるというのはかなり時間がかかることだと思うので、デジ田の今回のこの取組の中でデータが実際乗ってくる(変化が見られる)のは大分先になってしまうのではないかなというところが懸念としてありまして、いつまでに心のWell-Beingの値がこれ以上になるといいとか、そういったところをどう設定したらいいのかというのは国側がある程度目安というのをつくってあげないと、データを取り続けて、いつまで取ればいいのかとか分からないところもいっぱいあるのではないかなと思ったので、その辺をこの会議などでより深く議論していくといいのではないかなと思いました。

あと、最後に一点、朝日町の取組はすごく面白く見させていただいて、すごくロジカルに指標を絞り込んでいただいていたかなと思ったのですけれども、個々人のWell-Beingを考える上で、全体の相関係数を取っていくというやり方だけで本当にいいのかというのが若干気になりました。人によってライフスタイルが全然違って、子育てしている人は本当に何割かしかいないのですけれども、その中でWell-Beingの指標を見ていくのと、全体で平均して総合して値を見ていくので値の相関係数の出方が変わってくるという問題があると思いますので、その辺はライフスタイルに区分して相関係数を見ていくというプロセスも少し入れていくといいのではないかなと思いました。その辺りも自治体の方々で全体で見ていくのと個別でもしっかり見ていくというところも、どちらも両輪でやっていくことが重要なのだということをどこかで伝えられるといいのではないかなと思ったのでコメントさせていただきました。

以上になります。

前野座長: ありがとうございます。

これで委員の皆さんは1度ずつは発言していただいたと思います。最大2時半までということだったのですが、あと40秒になってしまいました。本当はお一方の発言に対してみんなで意見を言って、また次の方についてまたみんなで話し合って、新たな知恵を創造するみたいなことができるといいのですけれども、今日は時間がないので皆さんの御意見を聞くにとどまりました。しかし、基本的に、白坂さんの言葉で言うとシーズがぐっと明確にある進め方というのもいいし、全体をよくしていくためにアンケートを使うというのもいい。しかも、そのアンケートというのはなかなか向上しないという困難もある中で、その辺りを明確に伝えて、よく分からないと言っている自治体にももっと来てもらうといいですね。既に進んでいる自治体も、さっき健康診断に例えていましたけれども、健康診断のように全員が多面的に幸福度診断を受けられるといいですね。メタボも不健康もいないまちづくりを目指すのか、それとも筋肉量ばかり測って筋肉のことなら日本一みたいな街を目指すのか、両方だと思うのです。

ですから、やはりバランスよく両方を目指すべきですね。皆さん幸福度向上は難しいとおっしゃっていましたけれども、例えていえば、筋肉アップとか何かに特化してやると、結構幸福度が上がるというのはいいですね。例えば職場で100人の人がコミュニケーションとやりがい向上というのを徹底的に半年ぐらいやると、幸福度が目に見えて上がるのです。ですから、その実感から言うと、まちづくりも本当に主体的なまちづくりができれば、100人でできたように、1万人にできないはずはないと思うのです。もちろん簡単ではないのですけれども、ある筋肉隆々の個性的な、さっきの博報堂さんがされているような特化型で、そこの指標がぐっと上がるような町もあっていいと思います。また、たくさんの市民全体の幸福度がじわっと上がるというのは、確かに小泉先生がおっしゃっていたように簡単ではない。その辺も含めて御理解いただいて、それにしても、トップレベルのいい事例というのをまず出して、これだけ上がるのかとか、こうやってちょっと上がるけれども、こういうよさがあるのかということを、見せていく必要があるのだなと感じました。

総括というよりも私の感想みたいになりましたけれども、ぜひ今日の先生方との議論をこれからも重ねていきたいと思います。自治体の皆さんも来ていただいてありがとうございます。それから、自治体を支援している方々もですね。ぜひ多面的に幸せなまちづくりをこれからも続けていこうと思います。

それでは、司会をデジタル庁さんにお戻しします。

司会(鈴木): ありがとうございます。
それでは、最後に。

村上統括官: 村上から、2点ほど簡単に事務連絡的な話です。

一つは、資料5の13ページにスマートシティ施策のKPI設定指針の概要というのがありまして、実はスマートシティ施策をやっている人たちの事業KPIをやっている人たちが、今回の我々のWell-Beingとの関係はどうなっているんだっけというのを一生懸命整理したがっているので、今日の有識者会議でこういうものが存在しているということを一応御紹介しようと思ったのと、実は議論するまでもなく、今日のお話でも山のように事業のKPIと今ここで我々がやろうとしていること自体に相当程度距離が現状あるということはほぼ皆さんの意見から明らかだったと思いますので、スマートシティ施策のKPIはどうだと言って、いろいろおっしゃっている方々には、いや、それは性格も物も違うよ、事業KPIは事業KPIで取りあえずやってくださいということを話しておこうと思っております。それが1点目の報告です。

2点目、今日は有識者の先生方、ありがとうございました。それで、この議論は、実は27自治体が全部出ているかどうか確認していませんが、基本的には全員聞いていただいていますので、今日は発言の機会はありませんでしたが、今日の議論を聞いていただいて、自治体の方々、コメントとか、やはりそうなのかとか、この場合はどうするのとか、そういうものがあれば、せっかく聞いていただいたので聞きっ放しではなくて、ぜひ事務局にコメントをいただけるとありがたいなと思います。質問でもいいですし、感想でもいいですし、事務局のほうで判断して、要すれば先生方にも御相談の上、ご回答をさせていただきたいと思っていますので、聞きっ放しにならないように、ぜひできれば各自治体何か一言でもいいので、今日のフィードバックをいただければありがたいなと思います。

次回はまだ時期は決めておりませんが、年度内に1~2回はさせていただくつもりです。状況報告をしながらということですが、今日出てきた議論も、ロジックツリーまではいきませんが、ある程度論点は整理できると思いますので、単純な議事概要とはまた別の形の簡単な一枚メモみたいなものを抽象化して作ってみて皆さんにシェアできると、それがそのまま次回の会議でのいろいろのポイントになるのかななんていうのも思っておりますので、年は越すとは思いますが、シェアした段階で先生方にも御意見をいただけるとありがたいなと思ってございます。

大体以上でございます。ありがとうございました。

司会(鈴木): 村上統括官、ありがとうございました。
それでは、自治体の皆様、御感想でも結構ですので、ぜひいただければと思います。よろしくお願いいたします。

皆様、本日は大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
今後のスケジュールにつきましては、先ほどお話ししましたとおり、年度内をめどに開催を予定しておりますので、お忙しいとは思いますが、また改めて御案内を申し上げます。ぜひ御出席をよろしくお願いいたします。

本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
それでは、本会議は終了したいと思います。よいお年をお迎えくださいませ。