住所・所在地情報管理システムの共通化

共通化の背景

急激な人口減少による担い手不足に対応するためには、デジタル技術の活用による公共サービスの供給の効率化と利便性の向上が不可欠です。
2024年6月に閣議決定した「国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に関する基本方針(PDF/1,144 KB)」では、各府省庁による所管分野の国・地方を通じた業務改革(BPR)とデジタル原則の徹底と、この業務改革を進めるために国及び地方自治体が共通したデジタル公共インフラ(DPI)の整備・利活用と共通SaaSの推進が求められています。
この中で、標準化等の取組による機能面のカスタマイズの抑制やデータの標準化を進めることを前提に、国が主導して地方公共団体の意見を聴きながら作成する仕様書に沿ったシステムを原則ガバメントクラウドに構築し、ソフトウェアサービスとして提供する「共通化」を推進することとなりました。
住所・所在地情報管理システムが国及び地方公共団体が共通化すべき業務・システムの令和7年度(2025年度)分の検討対象候補として挙がり、選定されました。(参考: 共通化候補(令和7年度選定分)案について(国・地方デジタル共通基盤推進連絡協議会ワーキングチーム(第7回)資料)(内閣府)(PDF形式)
地方自治体からも共通化の要望をいただいています。((参考)令和7年地方からの提案(町字より下位のデータ整備の方針について(2026年2月))(PDF/3,439KB)

住所・所在地情報管理システムの共通化

国による共通化の推進により、現在紙で住居表示台帳を管理する多くの市区町村において台帳の電子化が進み、結果として、他の行政機関や民間事業者が必要とするデータが整備されることで、これらの機関や事業者の業務効率化が図られることが期待されます。

(共通システムを整備した場合のイメージ)
共通化システムの整備前後を左右に並べて比較した構成図。【整備前(左側)】民間事業者を頂点に、自治体A(システム管理)・自治体B(デジタル管理)・自治体C(紙管理)の3自治体が存在する。民間事業者へのデータ提供はAPIシステム(コードアイコン)経由で行われる一方、自治体B・Cからは紙提供となっており、連携方式がバラバラである。補足として「多くの自治体で、紙台帳を管理しているものの、一部ではシステム化済み、システム化範囲も異なる」と記載されている。【整備後(右側)】民間事業者とAPIシステム(コードアイコン)の間に「共通システム(データベースアイコン)」が新設され、青い囲み枠で強調されている。自治体A・B・Cはそれぞれ共通システムと「連携」の双方向矢印で接続されており、データ提供経路が一元化されている。補足として「すでに独自業務システムを導入している自治体は、データ提供部分のみを共通化する。紙で管理する自治体は、業務部分も含めて共通化するなど、既存システムの実情に応じて、共通化範囲を段階的に決定。」と記載されている。

これにより、住居表示台帳を紙で管理する多くの市区町村において、台帳の電子化が進むことが期待されます。また、他の行政機関や民間事業者が必要とするデータが整備されることで、当該データを活用する他の行政機関における行政運営の簡素化や、民間事業者の業務の処理における利便性の向上につながります。

実装イメージ:行政職員が登記情報を利用する場合

  • 地図情報を利用することで、住居表示から、地番や物件を検索可能に。
  • 公共座標を持たない地番についても地番現況図の土地の区画、付番状況、位置、形状を活用することで、同様の検索が可能に。

図はアドレス・ベース・レジストリと不動産ベース・レジストリの2つの画面が重なっている。2つの画面が矢印で連携している。左側には『アドレス・ベース・レジストリ』の地図画面で、世田谷区若林3-1-2を検索した状態を示す。地図上に地番区画が表示され、ポップアップで不動産番号1234567890123、所在:世田谷区若林三丁目、地番:106-3、地積:2022.20㎡、所有者名:不動産 太郎、登記の原因:106-4を合筆、登記の日付:平成11年3月3日、抵当権・借地権・共担有無:いずれも無、という登記情報が表示されている。右側は赤枠で強調された『不動産ベース・レジストリ』の詳細画面で、登記事項証明書(全部事項)-土地の内容が表示されている。

システム構成イメージ

  • アドレス・ベース・レジストリにおいて、住居表示情報(街区符号・住居番号)と地番について、緯度経度含めて保持することで、地図上に重ね合わせられるように。
  • 行政内においては、他の台帳システムで利用できるようにする他、不動産ベース・レジストリとして、登記情報を組み合わせることで、登記情報の検索も容易に。
  • 座標情報含めた住居表示情報と、地番情報については、民間事業者への提供も検討。

図の左側には『町字以下の情報』として、不動産登記(登記情報)・住居表示(緯度経度含む)・地番現況図(緯度経度含む)・不動産登記(地図情報)・地理院地図・町字の6層が縦に積み重なって示されている。中央には個別台帳システムが2つ配置され、行政職員が利用する。右上には『不動産ベース・レジストリ(登記情報)』があり、行政職員が利用する個別業務システム2つと接続されている。右下には『アドレス・ベース・レジストリ(住所・所在地情報)』があり、行政職員および民間事業者が利用する。各システム間は矢印で連携関係が示されており、個別台帳システムには『独自に属性情報等を付加』との注記がある。

実証事業について

令和8・9年度における実証事業について

「国による共通システム」の整備や運用が、予算、システム、業務上実現可能かどうかを検証するため、協力いただく地方公共団体を募り、パイロットシステムを通じた実証事業を実施します。実証事業は(1)パイロットシステムの開発、(2)住居表示台帳の電子化、(3)業務検証の3つの事業から構成されます。(1)パイロットシステムの開発、(2)台帳電子化については、デジタル庁が調達を実施します。
図は左右2つのブロックで構成されている。左側の『実証事業の構成』では、地方公共団体がスーツ姿の人物アイコンで示され、業務検証と住居表示台帳の電子化の2つの矢印が『共通システム開発』(データベースと文書アイコンを含む水色の枠)に向かって接続されている。右側の『事業スキーム』では、中央に『デジタル庁』(水色の枠)が配置され、右方向に2本の矢印が伸びている。上段は黄色の矢印(調達)と青色の矢印(システム開発)が『パイロット開発事業者』へ向かい、下段は黄色の矢印(調達)と青色の矢印(台帳電子化納品)が『電子化事業者』へ向かっている。デジタル庁の下方には『地方公共団体』が配置され、デジタル庁との間で『公募』(下向き矢印)、『台帳提供』(上向き矢印)、『実証協力』(上向き矢印)の3方向のやり取りが示されている。

公募団体の選定について

計125団体から応募があったところ、共通システムの検証のため、台帳電子化の予算制約の中、地域・団体の規模(街区数)を担保する必要があるところ、応募数も踏まえ、地域・規模別に選定数を設定しました。地域・規模別に、(1)地番現況図・背景図等必要なデータを揃えられるか、(2)台帳電子化の環境を整備可能か、(3)業務検証の体制を構築できるか、の観点から採点基準を設定し、点数上位の25団体を選定しました。その他、既に台帳の電子化が完了しており、業務検証のみを行う団体を7団体選定しております。

選定団体の一覧は、住所・所在地情報管理システムの共通化実証事業における選定団体(PDF/320KB)をご覧ください。

スケジュール

今後のスケジュールは以下のとおりです。

時期内容
2026年2月協力団体の公募
2026年3月公募団体の選定
2026年4月からパイロットシステム開発/紙台帳電子化事業開始
2027年4月から業務検証
2027年6月対応方針の策定