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アドレス・ベース・レジストリ

アドレス・ベース・レジストリは、ベース・レジストリにおいて住所・所在地のマスターデータ及びその運用システム全体を指します。「アドレス」という言葉を用いているのは、一般的に「住所」は住民が居住する場所を、「所在地」は法人等が事業を営む場所を示すものですが、ベース・レジストリにおいては、住所や所在地に加えて農地や林地の場所など、地番の存在する場所全てを検討対象とすることから、それら全てを包含する意図で「アドレス」という言葉を用いています。

取組の背景

住所・所在地の情報は、個人の住所や法人や公共施設の所在地等、官民の多くの台帳の項目として用いられています。住所・所在地は図1のような構造になっていますが、町字情報や住居表示情報は市区町村、地番は登記所でそれぞれ個別に管理されていることから、行政において、標準的な住所・所在地を一元的に管理できていません。さらに、一般に流通している住所・所在地の表記の階層構造は、地域により様々に異なり、特殊なケースも多々存在していることから、住所をキーとしたデータ連携が困難となる要因となっています。デジタル庁においては、アドレス・ベース・レジストリとして住所・所在地のデータ整備等を進めています。

図1

取組の概要

令和3年度(2021年度)においては、行政が保有する既存の住所・所在地データを用いて初期マスターデータを整備(図2参照)するとともに、整備した初期マスターデータを運用管理するために必要な機能等について整備(図3参照)しました。整備した初期マスターデータについては、デジタル庁が整備した試験公開版データという位置づけで、自治体毎にCSVデータとしてレジストリカタログの公開サイトに掲載し、オープンデータとして広く一般に公開しています。

図2
行政が保有する既存の住所・所在地データを用いた初期マスターデータ整備の解説図。地名情報が含まれる電子国土基本図や地番区域情報等の参照元データに含まれる情報を組み合わせ、正規化してマスターデータを作成する。整備した初期マスターデータは「住所・所在地データベース」に蓄積され、自治体毎の公開用CSVデータとして公開している。

図3
整備した初期マスターデータを運用管理するために必要な機能等の整備に関する解説図。地名情報が含まれる電子国土基本図や位置参照情報等の参照元データと市区町村職員が更新したデータを「ベース・レジストリ運用システム」にて整備する。整備したデータはベース・レジストリカタログのカタログサイトより、国民等広く一般の方々に利用いただける。

初期マスターデータは、住所・所在地のマスターデータとして使用するには様々な課題が残っていました。これらの課題に対し令和4年度(2022年度)から令和5年度(2023年度)にかけて対応を進めています(表1参照)。この課題対応に伴い、データフォーマットやデータ解説書(後日公開)について、仕様確定版を更新・掲載しています(関連情報のリンク参照)。なお、実際の公開データについて仕様確定版の形式で公開を開始するのは、令和5年度(2023年度)末ごろを予定しています。

表1

初期データ整備時の課題対応対応時期
町字の不足・表記揺れ自治体の保有管理する情報と比較突合し、確認結果を反映令和6年度(2024年度)末までに対応し、DBに反映・公開
住居表示実施自治体の抜け自治体に住居表示実施有無を確認し、確認結果を反映
不動産登記由来の外字レコード未反映文字同定・縮退一覧表の整備令和5年度(2023年度)末までに対応し、できるところから順次DBに反映・公開
同一自治体内の同一文字列町字対応できるよう、システム改修
京都通り名に未対応京都市のデータを受領し、データ整備・システム改修
郵便番号が少ない(15%程度)紐づけを実施し、95%紐づけ実施
地番未対応登記所備付地図から地番整備

また、アドレス・ベース・レジストリは、地方公共団体情報システム データ要件・連携要件の標準仕様における各システムのデータ項目「住所_町字コード」において、「デジタル庁が整備するアドレス・ベース・レジストリ「町字マスターデータセット」で規定された町字IDのコード値を設定すること」と規定されました。そのため、アドレス・ベース・レジストリの町字データについては、令和6年度(2024年度)中にデータ整備を実施し、令和7年度(2025年度)から町字データ提供の運用を開始することを予定しています。