教育分野の認証基盤の在り方に関する検討会(令和7年度第3回)

概要

日時

令和8年(2026年)1月29日(木)10:00から12:00まで

場所

オンライン開催

議事次第

  • 1.開会
  • 2.議事
    • 1.第2回有識者会議の取りまとめ状況ご報告
    • 2.本調査研究の取りまとめ状況についてのご報告
    • 3.ご意見交換
    • 4.事務連絡
  • 3.閉会

議事概要

1.第2回有識者会議の取りまとめ状況ご報告

第2回有識者会議の取りまとめ状況について事務局より、資料に基づき以下のとおり説明。

  • 本人を経由しない組織間の教育データ連携については、本事業の理想像や過渡期の対応、データ・ファイル形式等について、ご意見を頂戴し、それぞれについて取り込み方針を検討した。
  • 本人を経由する教育データ連携については、国際動向・他事業との整合性、制度整備や将来像等について、ご意見を頂戴し、それぞれについて取り込み方針を検討した。

2.本調査研究の取りまとめ状況についてのご報告

本調査研究の取りまとめ状況について、事務局より、資料に基づき以下のとおり説明。

  • 第1、2回検討会にていただいたご意見を基に、本人を経由しない組織間の教育データ連携、本人を経由する教育データ連携それぞれの内容に加筆・修正を行った。
  • 本事業の将来像に加え、本人を経由しない組織間の教育データ連携では、システム導入後の業務の煩雑性や署名の必要性等について、本人を経由する教育データ連携では、他事業の動向等について、検討内容を取りまとめた。

3.ご意見交換

本調査研究の取りまとめ状況について、検討会メンバー間にて自由討議が行われた。主な内容は以下の通り。

  • 資料の記載部分について、「民間での検討が進んでいるため、まずは民間の仕組みを考慮する」といった趣旨ではないかと理解した。しかし最終的には、Gビズポータルの利用ケースや方針が整備され、利活用が進んだ先に合理的な世界が成立するのではないかと考える。民間の動きを考慮するより前に、官/民の役割分担を明確に定義することが重要であると考える。官が担うべきことを明確にし、それを民間にきちんと周知することが重要である。その上で、官が何を実施するのかを明確にし、不足している点があれば、それを議論していくことが今回の重要なポイントではないかと考えている。
  • 本調査研究では、ユースケースを細かいレベルで検討しているものの、その前提として「そもそも何のために検討を行っているのか」という目的を改めて整理、提示を行ったことは有意義であると考える。また、学校間・組織間でどのようなやり取りが必要となるのか、その具体像を示すためにユースケースを提示されているという位置付けを、今回の資料で明確に整理したことも有意義であると考える。
  • 資料について、電子ロッカーWEBを利用する際に、データのダウンロードやアップロードが手間であると記載がある。しかし、数年前にRPA(Robotic Process Automation)が広く普及し、既存のアプリケーションをAPI等で連携させなくとも、画面操作を自動化して定型処理を実行できる技術が一般的になっている。RPAを利用する場合、人手で行っているアプリ間のファイル操作を自動的・反復的に処理させることは可能であり、電子化が進めば、紙で運用していた場合と比べて、運用上の煩雑さは大幅に軽減されるのではないかと考える。
  • 現状、現場で導入されている校務支援システムは非常に多様であり、PCにインストールして利用する従来型のものから、完全にWEBインターフェースで利用できるものまで幅がある。その点を踏まえた検討が必要になると考える。
  • 資料について、データ(内容)と媒体を明確に分離するという前提のもとで、データ共有のあり方を検討する必要があると考える。Gビズポータルを用いる場合、送受信の際には媒体に署名が必要であると想定するが、Gビズポータル上に記載されたデータについて、提供者が「正しいデータである」と意思表示できる仕組みがあれば、一定の合理性が確保できると考える。その観点から、本頁の「データ連携」とは一体何を示すのかを整理する必要がある。
  • 資料について、データと媒体を分離して活用しようという方針を掲げているにも関わらず、送受信の媒体としてPDFを選択すること(データと媒体がまとめられている形式を選択すること)は、データ利活用の観点では明らかに後退している印象を受ける。あえて送信をPDF前提で行う設計とする理由については思い当たらず、現状の検討内容では十分ではないと感じる。
  • 資料について、XMLとJSONの比較が成されているが、資料に示された整理は恣意的ではないかと考える。業務としてデータを運用する以上、データモデルやスキーマを厳密に定義することは必須である。JSONには、そのような仕組みが標準機能として備わっているわけではないと理解している。また、XMLのタグ構造についても、入れ子となったタグの情報を表に整理すること自体は技術的に難しいものではない。API連携やプログラミングの容易さという観点からJSONを採用することは理解できる。しかしながら、データの標準形式としてJSONを採用することの意味については、現状の資料では明確に説明されておらず、理解しにくいと感じている。
  • 表のまとめ方自体に課題があると考える。本来議論すべき対象はデータモデルに着目した構造化データの扱いであるにも関わらず、実際にはデータフォーマットの比較を議論しているのではないかと考える。データモデルとしてどのような要件を満たすべきか、どのような形が適・不適であるかを示す構成にしたほうがより納得性が高いと考える。
  • 資料において、マイナンバーカードの認証タイミングに関する記載があるが、生徒の進学手続開始時と手続完了時で、記載内容が食い違っているように見受けられる。整合が取れるよう記載の修正をお願いしたい。
  • 資料について、データは送受信するものではなく、共有するものであるという点が重要だと考える。今回の検討で大切なことは、まず媒体と内容(データ)を明確に分離し、データのみで手続きが完結する(人が介在しなくても手続きが進む)世界を実現することである。媒体とデータを切り分けた上で、「同一人同定ができること」と「媒体とデータが分離されても、データが正しく共有されること」という要件が満たされる(結果として、現場の教員や校務関係者の生産性向上等の効果が見込まれる)必要がある。その観点から考えると、図で示されているデータの共有方法について、具体的にどの点が課題とされているのかが分かりにくい。
  • 資料について、関係省庁の欄にて、実証段階において「普及率の追跡・管理」等の各種対応を実施する旨の記載がある。しかし、この記述だけでは、実証が終了した時点で、デジタル庁が運用から離れるように読めてしまう。一方、文部科学省についても「実証への協力」といった記載に留まっており、国として最終的にどの省庁が責任を持って制度・運用を推進していくのかが明確でない。実証に限らず、その後の本格運用においても、運用主体の不明確さは大きなリスクとなる。運用段階では、必ず問題が発生すると考えられるため、実証以降の責任の所在や移管方針を明示しておく必要があると考える。
  • 本調査研究で検討したアーキテクチャについて、中学校から高校へ引き継がれるデータからどのような影響を与えるかについて、引き続き検討いただきたい。指導要録は本来、適切に活用して生徒指導に生かすべきものであるため、データとして送受信、分析、活用等が行えることが理念上は望ましい。一方で、進学することによるリセット効果が必要な場合もあると考える。また、通信制高校等では文書が重要な役割を果たしておりといった話しもあり、連携することのメリット・デメリットが両方存在している。データ連携の仕組みを考える際には、過渡的にどのような形式でデータを連携し、実際にどの程度の先生がデータを参照するのかという点も含めて設計する必要がある。これは、連携形式を高校側が選択できるようにすべきなのか、中学校側が選択すべきなのかという観点も含めるべきだと考える。場の声を丁寧に聞きながら、どのようなアーキテクチャの場合、教職員の行動がどのように変化するのかといった現実の運用状況まで念頭に置いた設計が望ましいと考える。
  • 本仕組みを「実際に使ってもらう」観点より意見を述べる。まず、GビズIDという名称についてであるが、学校現場で用いる名称として、他分野の用語をそのまま流用している印象がある。教育分野にふさわしい呼称を、副題や通称としてでも付与できればよいのではないかと考える。
  • 現場の教員にとっては、GIGAスクール構想以前はメールアドレスすら持っていなかった状況があり、IDという概念を意識して運用する文化が十分に根付いていない。メールアドレスを用いたログインには慣れてきたものの、IDの重要性や取り扱いに関する常識はまだ曖昧であるというのが実態である。その中で、「データは共有するものであり、送受信するものではない」といった考え方や、データ連携の重要性を理解してもらうことは容易ではない。データのやり取りに関しては、その便利さが受容されやすい一方、先に述べた状況下では、データを雑に扱われるリスクも同時に存在する。運用面を適切に実現することが難しい領域である。
  • 年に数回程度の低頻度の業務では、逆に手続が雑になり、「手書きでいい」「適当に済ませてほしい」となる傾向がある。頻繁に使う場合の「面倒さ」と、低頻度の場合の「面倒さ」は性質が異なり、切り分けて検討すべきと考える。
  • 資料について、現在の学校現場におけるPC整備状況も踏まえた検討が必要であると考える。例えば共用PCのダウンロード領域にファイルを保存した場合、誰がそのファイルにアクセスしたのか分からなくなるといった課題が生じる。これは、教員一人ひとりが個別PCを持ち、アカウント管理が適切に行われている環境での「PCのダウンロード領域」に保存する場合とは、リスクの性質が全く異なるものである。こういったケース等を含めて電子ロッカーWEB利用時の想定リスクを精査されたい。
  • 資料について、まず、この資料における「行政事務の標準文字」が何を指しているのかは、明確にすることが望ましい。通常、住民が転入した際には「私の文字はこれである」とグリフを指定し、その情報が住民票や学校入学時の公的記録に反映される。表示文字を扱う場合、どのレイヤーでは文字情報が自動的に引き継がれ、どのレイヤーでは本人の目視確認が必要なのかといった運用面の整理が不可欠である。本検討会のアウトプットではないと考えるが、文字のグリフ(表現)とコードが混在した資料となっているので、少なくとも文字同定の運用ルール策定が今後必要である旨について、今後の課題の中に取りまとめられていることが望ましいと考える。
  • 行政事務標準文字について、校務支援システムが行政事務標準文字には対応しておらず、PC環境ではJIS X 0213が対応している状況である。そのため、どのように文字を処理・表示するかについて調整が必要な状況である。また、本人に文字を特定させる運用についても、ガバメントクラウドの学齢簿システムから自動的に文字情報が流れてくる仕組みになっており、現行の制度や実装では必ずしも必要とはされていないと理解している。こうした点を踏まえ、行政事務標準文字の扱いについては、現場環境やクラウドシステムとの整合性を検討した上で、必要な反映を図っていくことが望ましいと考える。
  • 資料について、JIS X 0213が約1万字、MJが約6万字、MJ+ではMJで足りない部分を追加し、約7万字を保有した構成となっている。どの文字コードがどのように流れてくるかは、現場にかなりの影響を与える事項である。図の記載では、校務支援システムの文字コードがMJとなっており、その前段階が行政事務標準文字(MJ+)と記載されているが、明らかに矛盾していると考える。過去の通達や内部連絡の記述がそのまま残ってしまった可能性もあるが、公式文書としては不適切である。
  • 資料について、NIIが代表機関として資格の標準形式を検討する姿勢を示しているのであれば、官/民の役割分担の一環として、このような取り組みを積極的に活用していくことは意義があると考える。役割分担の在り方を含め、民間の仕組みをそのまま採用するだけでなく、NIIが示すビジョン等に沿った形で制度を構築するという選択肢があっても良いと考える。そして、それがP159の高等教育機関の実在証明の仕組みと連動する形になれば、なお良いと考える。あくまでニーズとして、そのような枠組みが存在すれば望ましいと意見表明を行うことも重要であると考える。
  • 証明書について、電子データとして円滑にやり取りを行うことができ、手間なく就職先へ提供できることが望ましいと考える。しかし、現実的には、募集情報の提供や職業紹介を行っている就職サイトを経由して採用活動が行われる場合が多い。そのため、学生が主要な就職サイトに一度証明書を登録すれば、その登録情報に基づいて就職活動を継続できるような仕組みが構築されることが想定される。ユースケースとして資料に提示されている個人を経由するプロセスは理解できるが、実際としては、就職活動のプラットフォームが証明書情報を保持し、それを必要に応じて企業側に提供する形が現実的であると考える。採用活動サイト側の協力が不可欠である点を踏まえることが望ましい。
  • 資料の記載について、本取組は、全体として認証基盤、すなわちインフラの将来像を描くことが目的であると考える。しかし、特定のユースケースにだけ特化したアプリケーションを構築すると、他のユースケースへと拡張していく際に作り直しになってしまうケースもある。そのため、システムのアーキテクチャを検討するにあたっては、どの部分がユースケース共通で利用できるのか、どの部分がユースケースごとに変更が必要なのか、といった将来も見据えた設計が望ましい。
  • 資料整理の方針について、必要な事項については既存の取組や規定を参照する形で構成するのが、標準的な整理の方針であると考える。そして、整理の中で発生し得る矛盾点を明確に指摘し、整理しておくことが重要であると考える。まずは原理原則に基づき分類した上で、「この論点はこの既存規定を参照する」という構造にするのが重要である。実際にユースケースや仕組みを組み上げる中で、矛盾点が残るのは当然であり、その点についても、今回の検討において確認できた課題として明記しておくことが良いと考える。
  • 本資料の冒頭に目的が整理されている点は良いと考える。さらに、デジタル庁が示した原理原則が提示され、こうした考え方に基づいて全体を整理するという方針が示されていることは、まとめとして非常に分かりやすく、評価する。加えて、後半部分では各委員の意見や示唆が表形式で整理されており、課題と考えられる点が一覧化されていることについても有用であると考える。
  • 外字の扱いに関する整理については、論点の検討が必要であると考える。外字をどのように扱うかという点は、本会議で直接検討するテーマではなく、むしろ他事業の取組を参照されるべき事項であると考える。論点案の記載については再検討されたい。
  • 教育分野においてデジタルバッジやデジタル・クレデンシャルを発行する際、保護者や保証人が代理で申請・受領する事例が存在すると認識している。しかし、この点について他国を含めても詳細な検討が進んでいる例は多くない。そのため、単に海外の事例を参照して今後議論するというだけでなく、親から子へ、あるいは子から親へといった、代理や委任の在り方が問題について、その存在を明記しておくことが重要である。
  • 大学の実在性を証明する場合、とりわけ海外大学とのやり取りにおいて、提出される書類の信頼性がどの程度担保されているのかが問題になることがある。場合によっては、卒業の取り消しや、入学自体の取り消しといった事案が発生することもあり得る。その際、情報の真偽や訂正が必要になった場合に、タイムラグがどの程度生じるのか、あるいはその点について本検討の中で課題として整理しておく必要があるのか、論点として取り扱うべきではないかと考える。
  • 現在の資料は、検討会向けの説明資料としてPPT形式で整理されていると理解している。しかし、最終的な調査研究の報告書については、Word文書として、章立てを明確にした形で再構成することが望ましいと考える。各スライド間で個別に示されている論点やロジックを、文書構造として一貫性のある形に整えることが、最終報告書としての品質を高めるうえで重要である。
  • 「みんなで使っていく」という雰囲気を醸成することが極めて重要である。認証基盤は専門家が管理すれば良いとなるのではなく、利用者全体が安心感と便利さを実感できることが普及の鍵となる。技術的な利点を前面に出すよりも、安心感や利便性につながる伝え方を工夫することで、教員にとって身近で使いやすいものになると考える。

4.事務連絡

事務局より事務連絡について説明。

関連政策