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法令APIハッカソン作品紹介

法令APIハッカソンは2023年11月10日(金)から11月17日(金)の期間に開催し、14チームから56人が参加しました。参加いただいたチームと作品を紹介します。

作品について

  • 受賞したアイデアについては、デジタル庁、審査員のいずれも、性能、品質等の保証を行うものではありません。
  • 本事業を通じて完成したサービスについて、デジタル庁が公式サービスとして公認、公開、頒布などを実施するものではありません。
  • 作品紹介文は参加チームから提出のあった作品説明資料を参考に事務局にて作成しました。作品の図は、作品説明資料等から抜粋したものです。

作品一覧

受賞作品

法令の普及・研究促進賞

AUTHBLUE:Themis
  • 作品紹介

    • 法令に関する相談を行う一般ユーザや高度な検索を行う法令専門家のチャットによる質問に回答する作品。
    • 法令の検索や取得に法令APIプロトタイプを活用し、生成AIを活用してユーザの質問をもとに検索すべき法令やキーワードを判断し回答を作成。
    • 英語での質問や音声での読み上げに対応。法令本文や判例へのリンクも提供。
  • 開発者による作品説明

    • 法令について検索のハードルが高いことを踏まえ、 一次相談先を必要とする法律に詳しくない一般ユーザ、高度な検索をする専門家の両者を想定して開発しました。 法律の専門家に近い知識を持ち、気軽に法律を相談する窓口となる効果をもたらすことができると考えています。
    • 作品の開発画面イメージ
      Themisの開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)
  • 審査員コメント
    生成AIを用いたチャットによるコミュニケーションを志向した作品で、人を動かす力を強く感じました。UIのデザインにも圧倒され、読み上げ機能の声にも響くものがあり、人に伝えて、動かすという観点で、今後さらに開発・実装を追求していく方向性を示すものだったと思います。質問入力に対する回答出力の中で、重要なキーワードを冒頭に挙げつつ、e-Gov法令検索や判例検索へのリンクも提供した上で、分からないところを専門家への相談を促す構成もバランスよくできていました。(米田審査員)

  • 受賞チームコメント
    普段はスタートアップで働くエンジニアのチームとして参加しました。法律の専門家でない立場から、法律は大事だと思いながらも理解が難しいという思いがありました。多くの方にとって法律に関わるハードルを下げることに貢献できたらうれしいです。

pyてょん3.0:LegalLink Insight
  • 作品紹介

    • 法令の参照先の条文を頻繁に閲覧する法令関係の実務家のために、e-Gov法令検索の画面に参照先条文のポップアップ表示機能を追加する作品。
    • 既存のUIや検索機能を活かせるよう、独立したサイトを構築するのではなくブラウザ拡張機能として開発。
    • 参照している法令名などの情報から法令本文を取得するために法令APIプロトタイプを活用。
  • 開発者による作品説明

    • 法令自体や法律文書では、他の法令や別の箇所で定義した単語を多く使用しており、適切にこれらを参照しながら法令や文書を解釈することが求められます。e-Govなどで容易に法令を確認できるようになりましたが、そのページで参照されている法令を確認したい場合は、検索やページの移動が必要です。このような現状を踏まえ、この作業の効率化を必要とする法令参照や法律文書を業務中で行う、企業内の法務担当者などを想定して開発しました。同じ画面でスムーズに該当の法律内容を参照・表示することができ、作業量の削減による業務の効率化やミスの削減ができると考えています。
    • 作品の開発画面イメージ
      LegalLink Insightの開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)
  • 審査員コメント
    端的に、非常に便利。法律の専門家が常に行っている参照先の法令の閲覧という作業において、検索やスクロールの手間を解消しようという着想に、プロのニーズを理解していると感じました。e-Gov法令検索に機能を追加するブラウザ拡張機能として実装しているのも正解で、e-Gov法令検索を使っている法律家は多いので、同じUIを使いながらサービスが利用できるという点も魅力です。これを入れたらすぐ使えるよと言われたら間違いなく入れると思います。(増島審査員)

  • 受賞チームコメント
    チーム全員が、大学の学部生で、授業の合間に参加しました。プロの方から使いたくなるとの評価を頂けてとてもうれしいです。未完成の部分もありますが、今後のAPI一般公開に併せてサービス公開できたらと考えています。

技術利活用賞

bSJ:法令APIを活用した建築確認申請の自動審査システム
  • 作品紹介

    • 建築物の設計が建築基準法に適合しているかの審査を、法令の条文の段階から自動化するため、生成AIを用いて法令の条文から審査プログラムを生成し、自動審査に用いる作品。
    • 法令の条文から審査プログラムを生成するAIは、建築関係法規に対する性能向上を行うためにファインチューニングを実施。
    • 建築物の3D構造や素材などを表現するBIMモデルや可視化のためのUIを組み合わせて作成。
  • 開発者による作品説明

    • 建設業界のDXに向けて建築情報の標準化が求められています。現在、国土交通省では建築で義務付けされている建築確認申請のBIM※1化(BIMデータ審査)の検討を進めていることを踏まえ、法令APIを活用した建築確認申請の自動審査システムを想定して開発しました。 本サービスは法令APIを活用し、建築関係法規から生成AIを利用して人間の目で確認できる審査フロープログラムを作成、webブラウザ上のビューワーでIFC※2から抽出した建築物の法規情報を照合する特徴を持ち、BIMデータ審査はもちろん、施工DXやPlateau ※3の活用、不動産評価、不動産価値向上、地球環境対策への展開をもたらすことができると考えています。
      ※1 BIM=Building Information Modelling コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室などの名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げなど、建築物の属性情報を併せ持つ建築物情報モデルを構築するもの
      ※2 IFC=Industry Foundation Classes BIMにおけるデータ構造定義/データ形式の国際標準(ISO 16739)
      ※3 Plateau=国土交通省が主導する日本全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト

    • 作品の開発画面イメージ
      法令APIを活用した建築確認申請の自動審査システムの開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)

  • 審査員コメント
    建設業界ではデジタルデータがあるにも関わらず、法令の側の機械可読性が低いために自動での審査に限界があるという課題を浮き彫りにされました。このギャップを生成AIで乗り越えることで、デジタルデータを組み合わせることにより自動検証が可能になることを示した秀逸な取り組みであると考えます。ルールメーカーに対する問題提起にもつながる作品であると思いました。(八木田審査員)

  • 受賞チームコメント
    建設業界のメンバーで参加しました。建築確認申請での自動審査(BIMデータ審査)を実現するために、法令側の機械可読性の向上が必要という問題意識があり、今回のハッカソンがその思いを形にするきっかけになりました。今回が取り組みのスタートと考えており、これからも展開を広げていきたいと考えています。

その他の作品(発表順)

たぬこま:法令lifeクイズゲーム
  • 作品紹介

    • ライフイベントに関連する法令に関するクイズを出題することで幅広い年齢層が楽しんで法令を学ぶことを可能とする作品。
    • クイズの生成のために法令APIプロトタイプのキーワード検索APIを用いて条文を取得し、生成AI、Web検索APIなどを組み合わせて開発。
  • 開発者による作品説明

    • 現在、法令に関して子供から高齢者まで全ての人々に高い認知度があるとは言い難い状況です。それに伴い、法令とは守るべきものであり、意図せずに罪を犯してしまったなどの問題も存在します。そこで今回は法令に関する認知度の向上を図るため早期からの教育という観点に注目しました。誰でも手軽に法令について学ぶ場を提供すること、そしてライフイベントに着目したより比較的身近な法を犯さないような学習をする機会をもたらします。子供から高齢者までの幅広い年代を想定して開発しました。 ゲームを用いて楽しく学ぶことができる特徴を持ち、多くの年代で多様な法令の認知度向上をもたらすことができると考えています。

    • 作品の開発画面イメージ
      法令lifeクイズゲームの開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)

法的データエンジニアーズ:しこうびちゃん
  • 作品紹介

    • 日々改正される法令の改正スケジュールの把握が必要な法務担当、士業のために、法令の施行期日の状況をカレンダーで可視化する作品。
    • 法令APIプロトタイプの法令一覧API(法令一覧を入手するAPI)等を活用。法令種別でのフィルタ機能やe-Gov法令検索での法令本文表示へのリンク機能などを搭載。
  • 開発者による作品説明

    • 押印の廃止やアナログ規制の撤廃等、一度に多量の法令が改正されることが増えている現状を踏まえ、業務に関連する法令の改廃状況を漏れなく、正確に把握し、改正法の施行までの間に準備をしたいと考える企業法務担当、士業を想定して開発しました。e-Govに登載された法令の施行日情報をカレンダーで見ることができ、一覧して法令の施行情報を把握できるようになると考えています。

    • 作品の開発画面イメージ
      しこうびちゃんの開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)

自動公衆送信装置:legalhost
  • 作品紹介

    • 司法試験の学習者が、法令本文へのメモやコメント、勉強ノートを端末上で追記することを可能とする作品。
    • メモ等を他の学習者とシェアすることで相互学習やコミュニケーションを促進できるプラットフォームとして作成。ベクトル検索を用いた法令の曖昧検索機能なども搭載。
  • 開発者による作品説明

    • 2026年度司法試験電子化により論文試験がキーボード入力になることを踏まえ、キーボードでの答案練習に合わせて六法や受験勉強ノートを端末上で完結したいというニーズを持つ約2万人の司法試験・予備試験受験生を想定して、legalhostを開発しました。単なる六法のDXに止まらず、六法を軸としたメモ機能・シェア機能により、受験生相互のコミュニケーションをもたらすことで新しい六法の体験が提供できると考えています。

    • 作品の開発画面イメージ
      legalhostの開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)

Archi-Law:建築カルテ
  • 作品紹介

    • 特定の建築プロジェクトに応じた関係法令の検索機能を実現するため、建築関係の法令をグラフ構造のデータベースとして構築する作品。
    • データベース構築のための法令データ取得のために法令APIプロトタイプの法令本文取得APIが活用。検索キーワードに対する条文のレコメンドにGNNを活用。
  • 開発者による作品説明

    • 審査機関や消防署、役所等で協議した法の解釈についての具体的なやり取りの履歴や理由が整理されて残ることはほぼありません。そのため、竣工後に第三者が当時の法解釈を探りたい場合の労力が多大になります。また、確認申請や事前相談はアナログベースが多く、アーカイブやBIMとの紐付けを困難にしています。そのため、これらをまとめる環境とフローの整備により改善できると考えられます。さらに、この紐づけや法規確認を効率化するため、法規をデータベース化し、プロジェクトの適合法文を自動で引き出せれば、全関係者の業務を効率化できると考えられます。そのため、今回は特定の建築プロジェクトに対応した法文をAPIで検索できる部分を作成します。この法規確認の効率化と履歴の利用というニーズを踏まえ、関係法文を洗い出したい設計者・審査機関や、売買する不動産の適法を素早く確認したい不動産・投資家等をターゲットに想定し、開発しました。法文の関係性を機械学習で解釈させ、特定のパラメータに紐づいた法文を引き出すことで、法文検索効を効率化し、データによるやり取りと記録を可能にします。法がどう適用されたか等の把握が容易になり、設計当事者以外の第三者もアクセスしやすく、安心な不動産取引に繋がります。

    • 作品の開発画面イメージ
      建築カルテの開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)

法律魔法団:魔法の法律書
  • 作品紹介

    • 小学校低学年の子どもが楽しんで法令を理解できるように、法令の条文をもとに、物語の絵本を生成する作品。
    • 法令本文の取得に法令APIプロトタイプの法令本文APIを活用するほか、物語の文章と絵本の挿絵の生成に文章と画像の生成AIを活用。
  • 開発者による作品説明

    • 法律は生活する上で重要な一方で、文章が難解で難しいため、子供時代になかなか触れる機会に恵まれません。
      小学校低学年の子供が、分かりやすく楽しんで法律を理解することを目標に開発しました。
      難解で難しい法律を、ワクワクする読みやすい物語に生成AIを用いて変換し、同じく生成AIで生成した画像とともに絵本として提供しています。
      子供に楽しんで法律に触れてもらいつつ、絵本の作り方を変えれば幅広い世代の法律への興味関心に繋げるきっかけになると考えています。

    • 作品の開発画面イメージ
      魔法の法律書の開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)

チーム法令-趣旨解釈:法令改正調査
  • 作品紹介

    • 法令の改正に関する経緯や議論を調査する弁護士等の利用を想定し、法令の改正情報に基づき、関係する国会議事録や判例を検索することを可能とする作品。
    • 法令の改正履歴や本文の取得に、法令APIプロトタイプの法令履歴取得APIや本文取得APIを活用。法令改正の概要の出力、検索機能の実現に生成AIを活用。
  • 開発者による作品説明

    • 法令が制定された理由を元に運用されること(趣旨解釈)を踏まえ、 法令改正趣旨の調査を必要とする大学院生や弁護士の方を想定して開発しました。 法令改正差分を元に影響のある国会での議論や判例を簡単に調査できるようになると考えています。

    • 作品の開発画面イメージ
      法令改正調査の開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)

DX事業部:Legal Lens(リーガルレンズ)
  • 作品紹介

    • 契約書や規約などの文書が法令に適合しているかの確認を行うため、AIを用いて文書を分析し、関連条文への遵守度の評価・可視化を行う作品。
    • 法令の条文を表示するために法令APIプロトタイプの法令本文取得APIなどが活用され、文書の内容と法令の条文をもとに法令遵守度を評価する部分に生成AIを活用。
  • 開発者による作品説明

    • 我々の開発したサービスは、利用規約や契約書の作成時や確認の際に、関連する法令の検索と法令違反がないかを確認するためのものです。通常、このような確認作業は専門家が行いますが、該当する法令や条文を探し出すのは手間がかかるという課題があります。
      この問題を解決するために、「 AI文書分析による関連法令(条文)検索と遵守度スコア化 」が出来るサービスを開発しました。これにより、関連法令の把握や重要な文章の特定が可能となり、時間コストの削減が見込まれます。

    • 作品の開発画面イメージ
      Legal Lensの開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)

Professional Tech Lab:法令改正情報自動定期通知BOT(法改正自動で教えてくれるさん)
  • 作品紹介

    • 法令の改正に対応する必要のある法務担当などのユーザが、専用のツールではなく、普段使用しているコミュニケーションツールで法令改正の通知を受け取ることを可能とする作品。
    • 法令の一覧取得のために法令APIプロトタイプの法令一覧取得APIを活用。法令改正の通知の宛先は各種SNSやメールなどとできるよう汎用性を考慮。
  • 開発者による作品説明

    • 法改正に気づくには能動的・定期的に監視しなければならないという課題を踏まえ、 法改正の公布、施行を受けた対応を必要とする法務部員その他の民間企業の管理部門担当者を想定して開発しました。 コミュニケーションツール上で法改正情報を確認できるようにするという特徴を持ち、専用のツールを開かずとも、普段から使用するコミニュケーションツール上で、受動的・定期的に法改正情報に触れられるようになるという効果をもたらすことができると考えています。

    • 作品の開発画面イメージ
      法令改正情報自動定期通知BOT(法改正自動で教えてくれるさん)の開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)

BAMBOO:法令タイムマシン
  • 作品紹介

    • 改正前後の法令本文を比較・可視化する作品。
    • 法令の改正履歴や本文の取得に法令APIプロトタイプの法令履歴取得APIや本文取得APIを活用。比較画面では差分のハイライトや改正のない箇所の折りたたみ表示等も可能。
  • 開発者による作品説明

    • e-Gov法令検索等で過去の溶け込み条文本文を確認できないこと及びバージョン間の比較対照ができないことを踏まえ、過去の特定の時点において有効であった法令のリサーチを必要とする法曹実務家及び法制執務に携わる国家公務員を想定して開発しました。ブログツールのリビジョン管理機能のようなわかりやすいUI を持ち、法令リサーチ及び法制執務の効率向上をもたらすことができると考えています。

    • 作品の開発画面イメージ
      BAMBOO:法令タイムマシンの開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)

ボサノバ:The法令史
  • 作品紹介

    • 法令の改正履歴と社会での出来事を並べて表示することで法令の変遷を時代背景とともに理解できる作品。
    • 法令の改正履歴の取得に法令APIプロトタイプの法令履歴取得APIを活用。キーワードやジャンルでの絞り込み表示も可能。
  • 開発者による作品説明

    • 時代背景や世の中の流れを踏まえ、どのような法令の改正行われているかを一般の人々がより関心をもち、触れやすい形で法令史をまとめることを目的として開発しました。各年の主な出来事と法令改正を一度にみることができるUIを持ち、法令改正の流れを俯瞰し各種法令の迅速な理解をもたらすことができると考えています。

    • 作品の開発画面イメージ
      The法令史の開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)

NYDK:Revit法令チェック博士
  • 作品紹介

    • 建築物の法的チェックを行う建築士が設計ソフトウェアの画面上で関係する条文をチェックリストとして表示することを可能とする作品。
    • 法令本文の取得に法令APIプロトタイプの法令本文取得APIを活用。取得した条文の読解をサポートするために、生成AIを用いた条文解釈機能も提供。
  • 開発者による作品説明

    • BIMの普及を踏まえ、建物モデルの法的チェックを必要とする建築士を想定して開発しました。 Revitの画面上で条文の確認ができるという特徴を持ち、確認申請前の法的チェックの効率化と確実性の向上をもたらすことができると考えています。
      ※BIM:コンピュータ上に建物の立体モデルを再現して、建物づくりに活用していく仕組み

    • 作品の開発画面イメージ
      Revit法令チェック博士の開発画面
      (チーム提出の作品説明資料より抜粋)