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G7 産業・技術・デジタル大臣会合の開催結果

2024年3月14日及び15日に、イタリア・ヴェローナ及びトレントにおいて、G7産業・技術・デジタル大臣会合が開催され、河野デジタル大臣は15日の会合に出席しました。なお、この会合は、G7サミットの関係閣僚会合の一つとして行われ、G7各国に加え、招待国や関連国際機関が参加しました。

G7産業・技術・デジタル大臣会合 出席閣僚との集合写真。前列、右から4人目が河野大臣。

会合概要

イタリアが議長国を務めた今回のG7産業・技術・デジタル大臣会合は、14日にイタリア・ヴェローナで、15日にイタリア・トレントで開催され、①産業におけるAIと新興技術、②安全で強靱な通信ネットワーク、サプライチェーン及び主要な投入要素、③デジタル開発、④公的部門におけるAI、⑤「広島AIプロセス」の成果の前進、⑥デジタル政府及び各テーマを横断する要素であるデータに関する議論が行われました。
会合には、河野デジタル大臣、長谷川総務大臣政務官、石井経済産業大臣政務官が参加しました。

15日の会合の主な成果は以下のとおりです。

  • 公的部門におけるAIツールキット
    公的部門における安全、安心で信頼できるAIのためのリスクと機会をマッピングし、有効な環境をサポートするためのガイダンスを提供するツールキットを開発することに合意しました。また、政府による安全、安心で信頼できるAI開発を支援するため、公的部門データの役割を検討することに合意しました。
  • 広島AIプロセスの成果の前進
    開発途上国・新興経済国を含む主要なパートナー国や企業等からの認知及び支持の拡大等を通じて、今後も広島AIプロセスの成果を前進させることに引き続きコミットすることを確認しました。国際指針と国際行動規範の普及促進・主要なパートナー国や企業等の関与拡大、行動規範の適用状況のモニタリングのツール・仕組開発、国際機関との連携等を行うことに合意しました。
  • デジタル政府
    G7加盟国のデジタル政府サービス及びデジタル・アイデンティティの取組をまとめたCompendium(大綱)を作成することに合意しました。

本会合では、昨年日本が議長国を務めたG7の成果を引き継ぎ、OECDの下に設立された DFFT具体化のための国際枠組み(IAP:Institutional Arrangement for Partnership)の進展を歓迎しつつ、今後もG7とIAPが協力することを求めるなど、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT:Data Free Flow with Trust)をさらに進捗させることが確認されたほか、国際データガバナンスの強化がさらに必要であるという認識を共有し、発信することができました。また、広島AIプロセスに引き続きコミットすることが確認され、成果物として、公的部門におけるAIツールキットの開発、年内にデジタル政府サービスの取組事例収集を行う大綱の作成を行なっていくことを確認しました。
AIツールキットでは、政府による安全で安心な信頼性のあるAI開発を支援するため、公的部門における関連データの役割を検討することに合意しました。関連データには国内外のデータが含まれ、その役割を検討する上では国境を超えるデータ流通についての考慮も必要となりますが、AIと相互関連性のあるデータやその流通について、G7として検討を進めることに合意が得られたことは、DFFTの推進にとっても大きな意義があります。

G7産業・技術・デジタル大臣会合の様子

宣言文書

参加閣僚等との会談

G7産業・技術・デジタル大臣会合の機会を捉えて、河野デジタル大臣は、参加した各国閣僚や国際機関の代表とのバイ会談を行いました。

1. カナダ

シャンパーニュ革新・科学・産業大臣と会談し、DFFT/IAPの進捗、G7での連携及び行政分野でのAIの活用と課題について意見交換しました。また、2024年5月に日本が議長国となるOECD閣僚理事会に向けた協力について対話を行いました。

フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ革新・科学・産業大臣との会談の様子
(フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ革新・科学・産業大臣との会談)

2. イタリア

ブッティ政務次官との会談では、DFFT/IAPの進展や国際データガバナンスの推進、及びイタリアが進めるAIツールキットやデジタル公共インフラについて議論を行いました。また、広島AIプロセスのフォローアップについても意見交換しました。

アレッシオ・ブッティ政務次官(技術革新担当)との会談の様子
(アレッシオ・ブッティ政務次官(技術革新担当)との会談)

3. 韓国

高デジタルプラットフォーム政府委員会委員長と会談し、DFFT/IAPの協力や国際データガバナンスの推進について協議しました。また、韓国においてもデジタル庁にあたる組織の設立を検討中であり、日本のデジタル庁が設立された経緯や現在の取組について共有しました。

コ・ジン(高晋)デジタルプラットフォーム政府委員会委員長との会談の様子
(高晋(コ・ジン)デジタルプラットフォーム政府委員会委員長との会談)

4. 米国

フィック サイバー空間・デジタル政策局大使と会談し、DFFT/IAPの進捗、デジタルガバメントの活用及びデータセキュリティについて意見交換を行いました。また、OECDとアジア地域の国際データガバナンスに関する今後の協力について議論しました。

ナサニエル・C・フィック サイバー空間・デジタル政策局(CDP)大使との会談の様子
(ナサニエル・C・フィック サイバー空間・デジタル政策局(CDP)大使との会談)

5. 欧州連合(EU)

ベステアー欧州委員会上級副委員長との会談では、DFFT/IAPの推進、AIガバナンスの強化、及びデジタルIDにおける連携可能性について意見交換しました。また、2024年5月のOECD閣僚理事会に向けた国際データガバナンスに関する協力について議論しました。

マルグレーテ・ベステアー欧州委員会上級副委員長との会談の様子
(マルグレーテ・ベステアー欧州委員会上級副委員長との会談)

また、英国のバッディ科学・イノベーション・技術政務次官(デジタル技術担当)、ドイツのウィッシング デジタル・交通大臣、国際連合 (UN)のギル技術特使とG7閣僚会合の合間に簡単な意見交換を行いました。

連絡先

デジタル庁 国際戦略
担当:矢端
電話:070-7416-9903

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