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地方公共団体情報システムにおける文字要件の運用に関する検討会(第4回)

概要

  • 日時:令和5年9月29日(金)13時00分から15時00分まで

  • 場所:全国町村会館及びオンライン会議

  • 議事次第:

  1. 開会
  2. 議題
    1. 第3回検討会振り返り
    2. 「データ要件・連携要件標準仕様書【第3.0版】案」について
    3. 文字要件に関する関係資料等の公開について
    4. 同定支援ツール(β版)を用いた実証事業について
    5. 検討会の延長について
  3. その他
  4. 閉会

資料

関連政策

議事概要

日時

令和5年9月29日(金)13時00分から15時00分まで

場所

全国町村会館・オンライン

出席者

※敬称略

座長
庄司昌彦(武蔵大学社会学部教授)

構成員

  • 荻野敦(地方公共団体情報システム機構有識者)
  • 小林龍生(一般社団法人文字情報技術促進協議会会長)
  • 後藤省二(株式会社地域情報化研究所代表取締役社長)
  • 笹原宏之(早稲田大学社会科学部教授)
  • 林伸明(臼杵市保健健康課主幹)
  • 原田智(公益財団法人京都産業21DX推進監兼CISO)

準構成員

  • 鎌仲正大(株式会社アイネス)
  • 藤野正則(日本電気株式会社)
  • 青木弘明(株式会社日立システムズ)
  • 四方英輔(富士通Japan株式会社)代理出席
  • 向井章(富士フイルムシステムサービス株式会社)代理出席
  • 早瀬悠樹(株式会社両備システムズ)
  • 吉田匡一(株式会社両毛システムズ)

オブザーバ

  • 丸尾豊(総務省 自治行政局住民制度課デジタル基盤推進室 課長補佐)
  • 小山内崇矩(総務省 自治行政局住民制度課デジタル基盤推進室 課長補佐)
  • 棚橋邦晃(総務省 自治行政局選挙部管理課 課長補佐)
  • 内山弾(総務省 自治行政局選挙部管理課 係長)
  • 山田翔平(総務省 自治税務局企画課電子化推進室 課長補佐)
  • 青野洋(総務省 自治税務局企画課電子化推進室 係長)
  • 硲卓也(法務省 民事局民事第一課 係長)
  • 田中貴大(法務省 民事局民事第一課 事務官)
  • 名取瑞樹(文部科学省 初等中等教育局修学支援・教材課 課長補佐)
  • 大谷朋宏(文部科学省 初等中等教育局修学支援・教材課 就学支援係 係長)
  • 巣瀬博臣(厚生労働省 大臣官房情報化担当参事官室 室長補佐)

議題

  1. 第3回検討会振り返り
  2. 「データ要件・連携要件標準仕様書【第3.0 版】案」について
  3. 文字要件に関する関係資料等の公開について
  4. 同定支援ツール(β版)を用いた実証事業について
  5. 検討会の延長について
  6. その他

議事

  • 第4回目となる本会では、報告事項として第3回検討会を振り返り、「データ要件・連携要件標準仕様書」のうち、戸籍事務における、文字セットの置き換えは国民からの意見を尊重しながら慎重に進めるべきであり、技術的な面も含めて対応に時間がかかることが見込まれる旨の報告が法務省からなされた。
  • 事務局より「「データ要件・連携要件標準仕様書【第3.0版】案」について」、「文字要件に関する関係資料等の公開について」、「同定支援ツール(β版)を用いた実証事業について」、「検討会の延長について」に関する説明が資料1をもとになされた。

配布資料

  • 資料1 地方公共団体情報システムにおける文字要件の運用に関する検討会資料
  • 資料2 地方公共団体情報システムにおける文字要件の運用に関する検討会資料開催要綱

質疑

構成員: 資料1の11ページ以降の「データ要件・連携要件標準仕様書」の改定については、今までの議論がよく反映されていると思う。

1点だけ、11ページの※のあとに「外字」についての説明があり、3行目に「文字コード」とあるが、「文字セット」に変更したほうが良いと思う。コードという単語を使うと、Unicodeに引きずられて誤解されかねないので、文字セットという言葉を使用したほうが適切かと考える。

構成員: 大変に的を射たご指摘かと思うが、本件は厳密に言えば、デジタル庁が定める文字セットの中のUnique identifierになる。

本件は名前自体が重要なのであり、コードとの関係が重要なわけではない。よって、文字コードが分かりにくいということであれば文章を、外字を別の「文字名」(デジタル庁が指定したものに限る。)としていただいても問題は無いかと思う。

事務局: 「文字名」に変えさせていただきたいと思う。

準構成員: 資料1の10ページ、「デジタル庁で作成するフォントは参考フォントとしておりますが、統一的なフォントファイルについても検討してまいります」とあるが、こちらの詳細を教えていただきたい。

前回の検討会でフォントファイルの課題として、行政事務標準文字が7万文字程度になるために2つのフォントファイルを使わなければならない、という話もありながらも、今後は1つのフォントファイルにすることも検討を行う方向性も示されていたかと思う。

事務局: 1つの行政事務標準文字の参考フォントの検討を今後行っていく必要があると認識している。

しかし、それをどのように1つにしていくのか、具体的にどのような体制で進めていくかなどについては、申し訳ないが、現時点ではまだ様々な案が挙がっており、デジタル庁としても案を集約しきれたわけではない。本件は、様々なニーズや技術的な課題なども踏まえて進めていかなければいけないと思う。

準構成員で構成されたワーキングチームの中で議論を始めているが、そのような形で引き続き議論の場を設けていきたいと考えており、現時点で決まった方向性などはお答えが出来ない状況である。

準構成員: 2つのフォントファイルを使う場合でも課題が挙げられていたと思う。引き続き、ワーキングチームにて議論をしていければと思う。

構成員: 自治体の現場からも、1つのフォントファイルに統一していくことを強くお願いしたい。実際には使われていない文字が含まれているのであれば、それらを取り除き、参考ファイルの扱いでも構わないので、実務上問題が無いか、検証して進ませていただきたい。できるだけ早期に1つのフォントファイルとして提供することは検討してほしい。

事務局: デジタル庁の中でも整理させていただき、ご提示できるものは早期に提示をしていきたい。

準構成員: ベンダの立場で心配をしているのはスケジュールである。
パッケージとして、標準準拠システムをリリースしようとしている段階に来ているので、フォントファイルについてはどうなっていくのか、統一的なものが示されるのであればいつになるのか、いつ検討をされるのかなどの情報をいただければと思う。

事務局: ご指摘の点は重々承知している。デジタル庁としてもどのような進め方が良いのかという話と、スケジュールの話はセットで考えていきたいので、もうしばらくお時間をいただきたい。

また、経過措置として、システム対応の時間を設けさせていただくことを前回の検討会で説明させていただいた。経過措置がある間は、データベース上では今ある外字を使えるので、今回のフォントファイル、新しい行政事務標準文字のフォントファイルを使わなくても対応可能となる。ただし、経過措置が終われば、フォントファイルの対応は避けられない問題である。経過措置もうまく使っていただきながら、パッケージ等の計画もご検討いただければと思う。

準構成員: 今のお話は、2025年には間に合わないのでその間は経過措置で乗り切っていただきたい、という話と理解したがよろしいだろうか。

事務局: 現在のところ、来年度末を考えているが、経過措置で乗り切ることも選択肢の1つとして、各社、判断いただければと思う。

準構成員: 我々が心配しているのは帳票である。帳票については、オブジェクトごとにフォント名を指定するような作りになるので、経過措置で既存フォントを使って、という時には、自治体ごとに異なるフォントが使われているので、自治体ごとにフィッティング作業が発生する。

その後、統一フォントが出てきたら、再度統一フォントに対してのリリースが発生する。再度対応が必要となることとフォントの切り替え間違いによるリスクも出てくるので、質問をさせていただいた。2025年までは独自に考えながら、進めさせていただきたいと思う。

構成員: 法務省の説明の通り、文字集合ごとに性質を異にする部分があるため、注意が必要な点があると考えている。

構成員: 先ほどの議論にもあった通り、重要なのは文字セットである。

文字セットが決まると、相互の関連の中で、私は字体分別粒度と呼んでいるが、分け方が変わってくる。Unicodeには、Unicodeのルール、JISコードにはJISコードのルールがある。当然、戸籍には戸籍文字など、実際で運用されている戸籍体系のなかで、文字を区別するためのルールがある。これは文字情報基盤も行政事務標準文字も同様である。

いわゆる文字セットと文字セットの間の移行というのは性質が異なり、実を言うと非常に大変なので注意が必要、というご指摘である。

構成員: 同定支援ツール(β版)を用いた実証事業について、200の自治体にご協力をいただいて、標準化対象システムで管理する文字と戸籍システム文字の同定を進めるという話をしていただいた。

そこで同定できなかった文字の取扱いの検討は3自治体にご協力いただく、ということだが、3自治体でこれは足りるのだろうか。同定出来ない文字を3自治体にお渡ししても「これはうちの自治体では使ってないです」とならないだろうか。

事務局: 説明が不十分で申し訳なかった。本実証事業で検証をしていきたいことは、同定できなかった文字がこれだけありました、とリストアップすることではなく、例えば、その文字が標準準拠システムで使用されていない文字であればどのように取扱うのか、というパターン毎の取扱いを検討していただくのが3自治体というイメージである。

構成員: 本取組はまさに「こういうことをやって欲しかった」と思えるものである。今まで出来ていなかったことに挑戦することになるので期待をしたい。特に今後の議論にはなるが、国際規格化を行っていくこと考えると、このパターン分けという作業は特に重要で、肝になっていくだろう。また、22・23ページに、同定できなかった文字のパターン別取扱いがあるが、同定不要、という言葉の意味は、放置をしておいて良いということだろうか。要するに、同定できなかったけれども制度上許されている文字については国際標準に持って行く必要がある、という理解でよろしいか。

事務局: どう取扱うか、についての詳細はワーキンググループ(仮)で決めていきたいと思うが、まずは場合分けをしていきたいと考えている。

構成員: その場合分けについては、ワーキンググループ(仮)でも話題に挙がってくるかと想像しているが、国際標準に持っていく時には、どこに持っていくかという議論になる。

今後の議論の参考にして欲しい点としては、1つは漢字、もう1つは行政事務標準文字でも散見されているが、いわゆる変体仮名である。また、構成員も頭を抱えるのは、漢字でも仮名でもない、文字ではないけれども、どうやら文字と同じような形で、個人若しくは家などを同定するために使われていたのではないかというもの、である。

例えば、戦国時代の武将の家紋はidentifier(アイデンティファイア)となる。それに類するものであるとか、識字率の非常に低い民族文字もそうである。要は、文字ではないが個人もしくはグループの特定に必要なものを分けていただけると、後が楽になるだろうと思う。

事務局: ご意見を踏まえたうえで、今後検討していきたい。

1点補足をすると、今後同定作業を進めていくと行政事務標準文字の範囲外のものも出てくると考えている。先ほど例に挙げていただいた屋号については、国際化を目指したいとはデジタル庁として考えていないので、そのような文字をまずは除外をしていく作業になるのではないかと思う。

構成員: 本件はデジタル庁の取組なので、文字コードや文字フォントは、オープンデータとして詳細に公表されるとすると、作業のどこかの段階でパブリックコメント等をされる予定はあるのか。

事務局: 同定支援ツールの利用は義務ではなく、デジタル庁としては、同じ手順・基準で同定を行っていけばコストも安くなるので、同定を支援するといったことで同定支援ツールを整備し、自治体の方に利用いただきたいと考えている。

このような考え方からデジタル庁としては同定の結果についてパブリックコメントをしていくことは考えていない。

構成員: あくまで行政事務で使用するものであり、使用を強制はしないという位置づけならば、パブリックコメントは実施しなくても良いと思う。

構成員: このプロジェクトの最終的なゴールは国際標準化と考えている。

国際標準になるということは、まさにパブリックなアセットなので、世界的な共有財産になるということである。それは必ずオープンになるべきだし、必ず皆さんの意見を反映させるプロセスが必要となる。国際標準化を行っていく過程のなかでは、いずれパブリックコメントを行う必要があると考えている。

構成員: 国際標準になるためには必要な作業だとしても、自治体システム標準化というゴールに影響を与えてしまうことについて危惧している。

構成員: タイミングはしっかりと図ったうえで、パブリックコメントは実施すべきであると考えている。

資料1の24ページについて、フォント形式の標準はない、デファクトスタンダードらしきものはあるが様々である。なおかつ、資料内のような「外字の文字コードがUnicodeで実装されていること」ということはないのではないか。

また、資料1の25ページについて、正字・異体字と書いてあるが、これも避けた方がよい。書体的な公平性や平等に対する配慮は気にされたほうがよいと考えている。

事務局: ご指摘の点については承知をした。ご意見を踏まえて修正し、文書を発出いたしたい。

構成員: 関係資料の公表からしばらく時間は経ったが、何か反響はあったのだろうか。

事務局: 記載内容について質問等いただいた。

構成員: ワーキンググループ(仮)が出来るということだが、そこでの検討結果の承認等は本検討会とは別の場でされるのか。

事務局: ワーキンググループ(仮)の結果については、実証事業のなかでワーキンググループ(仮)を作り、その内部だけで検討をしていただくので、本検討会で正式な承認をする、といったプロセスは想定していない。

ただ、ワーキンググループ(仮)のなかで議論されていた内容は本検討会でも報告をさせていただき、ご意見あればいただきたいと思う。その意見を持ち帰って、ワーキンググループ(仮)内において検討会で出た意見を紹介させていただき、ワーキンググループ(仮)での意見をまとめていきたいと思う。

構成員: 第6回検討会で、ワーキンググループ(仮)での検討を含めた実証事業の中間報告なども予定されており、本検討会の報告は実証事業の結果を踏まえる必要があると思われるため、実証事業が終わるまでは、本検討会も存続させる必要があるのではないかと考える。

構成員: 検討会の延長については異論ないが、気になっている件がある。本件が本検討会の管轄でなければ申し訳ないが、20業務のシステムのなかで具体的に文字をどのようにしていくか、という本検討会の議論を受けて今後は更に、20業務それぞれで検討が行われるのであれば、後ろ倒しされてしまう可能性がある。

私が一番危惧しているのは、いつになったら本検討会に関連した議論が終了するのだろうということである。具体的な見通しや方向性は、誰かが考えておかなければならないと思ったので、問題意識として提起したい。

事務局: 当然、我々としても皆さんの思いをしっかりと受け止めて進めていきたい。フォントファイルの問題についても、当初、2つのフォントでお願いしたい、ということを提示したが、それでは難しいという意見が皆さんからあり、我々も1つのフォントに出来ないものかと考えた結果である。後手に回っているところもあるが、皆さんにとってより良い方向に変えようとしているということをご理解いただき、ぜひ皆さんと一緒に考えさせていただきたい。

構成員: 物事をしっかりと進めるには時間かかる、というのは認識しているつもりである。一方で、国やデジタル庁が期限を決めてやろうとしていることも認識している。
ただ結果的に、その過程で狭間に置かれてしまう部分があると、自治体現場にとっては非常に困る状況が起きてしまうのは一番危惧しているので、そのあたりは是非、丁寧に進めていってほしい。

構成員: 文字は本当に膨大な作業と大変な問題を抱えており、どうしても色々やることがあり、後手になってしまうのはよく理解している。一方で、基本方針によれば、令和7年度末という期限は、一部の特例を除いて守るべきだと記してある。また、データ要件・連携要件についても、絶対に間に合わせてくださいと記している。要は、データ要件・連携要件には間に合って欲しいが、文字要件は経過措置があるという構造なので、全体スケジュールのなかで、今はどこをいじっているのかは認識する必要ある。

基本的には、標準仕様書というのは令和5年3月末までに対応することになっているので、これは過ぎている状況にあるが、一方でデータ要件・連携要件はまた変わる可能性がある、という状況になっているのは怖い。

全体スケジュールが動くなかで、ここで何かが変わると20業務の仕様書にも影響していくこともあり得るなかで議論をしていることは、意識をしていかなければならないだろう。だからといって、タイトなスケジュールで無理をして決めてしまい、よくないものが最終的に出来てしまうのは良くないので、全体の中の一部としてこれをやっている、というのは意識する必要あるだろうと思った。

事務局: 当然、我々としてもしっかりと進めていきたい。経過措置はあるが、データ要件・連携要件としては、基本は変わっていない。フォントファイルの問題についても、皆さんにとってより良い方向に変えようとしているということはご理解いただきたい。2つのフォントでお願いしたい、ということも提示したが、それでは難しいという意見が皆さんからあり、我々もそれを受けて1つのフォントに出来ないものかと考えている。その歩みは難しいものもあるが、そこは一緒に考えさせていただきたい。少しでも、皆さんの負担を少なくしようと動いていることはご理解いただきたい。

構成員: オンラインで参加されている構成員の皆さんにおかれても異論はないか。

構成員: 異論はない。引き続き、円滑な会の進行に協力をしたいと思う。

構成員: 延長に関してはこちらも問題ない。今まで提示されていた期間内で本当に検討が完了するのか不安はあったが、今後は令和7年度末に向けて、対応を考えていきたいと思う。

構成員: 異議がないようなので本検討会は事務局案のとおり延長することとする。
他に意見が無ければ、議事をここまでとさせていただきたい。

以上