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デジタル関係制度改革検討会(第2回)

概要

  • 日時:2023年12月5日(火)15時から17時まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. デジタル法制審査の今後及び法制事務デジタル化の取組状況
      2. 7項目のアナログ規制見直し工程表フォローアップ状況
      3. 地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルの改訂
      4. 行政手続のデジタル完結に向けた取組の状況
      5. AI 時代の官民データの整備・連携に向けたアクションプラン
    3. 閉会

資料

議事録

事務局(黛): それでは、時間になりましたので、第2回デジタル関係制度改革検討会を開始します。
今回も構成員の皆様にはオンラインで御参加いただいております。
 
また、本日の出欠状況ですが、落合構成員、増島構成員が途中で御退席と伺っております。
それでは、本日の議題につきまして御議論いただきたいと思います。
以降の議事進行につきましては座長にお願いしたいと存じます。
安念先生、よろしくお願いいたします。

安念座長: それでは、早速議論に入ります。本日のアジェンダは次の5つです。

第1、デジタル法制審査の今後及び法制事務デジタル化の取組状況。
第2、7項目のアナログ規制見直し工程表フォローアップ状況。
第3、地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルの改訂。
第4、行政手続のデジタル完結に向けた取組の状況。
第5、AI時代の官民データの整備・連携に向けたアクションプラン。

以上の5件です。

まず、第1、「デジタル法制審査の今後及び法制事務デジタル化の取組状況」について、事務局の中野企画官より御説明をお願いいたします。

事務局(中野): 中野でございます。私からデジタル法制審査の今後及び法制事務デジタル化の取組状況を御説明させていただきます。

法制事務のデジタル化等に関する検討経緯でございますが、デジタル臨時行政調査会が発展的に改組される前から御議論を頂戴しておりまして、このデジタル関係制度改革検討会の下でもデジタル法制ワーキンググループを10月27日、11月29日と開催させていただいて、御議論いただいております。

本日の御説明事項でございますが、デジタル法制審査の今後についてと、法制事務のデジタル化の取組状況について御説明させていただければと存じております。

まず、1つ目のデジタル法制審査の今後についてでございます。いわゆるデジタル法制局のプロセス、デジタル法制審査におけるこれまでの経緯でございます。こちらにつきましては2022年8月以降、各国会の会期ごとに提出予定法案を対象にアナログ規制の有無を点検してまいりました。その後、本年の通常国会提出予定法案、現在取りまとめ中の本年の臨時国会提出予定法案と、合計3回にわたって点検をしてきております。
 
また、本年6月にはデジタル社会形成基本法の改正、そして、閣議決定であります重点計画の改定におきまして、デジタル法制審査を国の方針として位置づけるということもしておりまして、この取組を継続的・自律的なものとして行っている状況になります。
 
5ページから、今後のデジタル法制審査についての案でございますけれども、これまでデジタル法制審査の指針につきましては、法案が提出される国会の会期ごとに改定してまいりましたが、御説明させていただきましたとおり、かなりこのプロセスが定着してきたと思われますので、今後は必要に応じて指針を改定することとしまして、引き続き、7項目の代表的なアナログ規制、フロッピーディスク等の記録媒体を指定する規定の確認、そして、情報システムの整備が見込まれる行政手続を定める規定に係る確認をさせていただければと考えております。
 
また、6ページですが、法案の所管省庁、そして、デジタル庁におきまして、アナログ規制に関係し得る条項の確認作業をやっております。こちらを効率化するために、デジタル庁で作成したアナログ規制点検ツールα版というものを各府省、デジタル庁でも活用できないかと考えております。現在デジタル法制審査におきましては、各府省、そして、デジタル庁の職員が指針に載っております「検査」ですとか「監査」ですとか「立ち入り」ですとか、こちらに書かせていただいているのは一部の例でございますけれども、複数のキーワードを各提出予定法案、それぞれの条文案のファイルにおいて検索しまして、キーワードを1つずつ検索して、目視で確認して、アナログ規制に関係する規定の有無について点検を実施しているような状況になってございます。
 
このアナログ規制点検ツールα版によりまして、これらの複数の検索ワードを一括で検索して、例えばこれは一つの例ですが、検査だと109か所あります、調査ですと27か所ありますという一覧が出てきて、かつ条文案に黄色でハイライトして、どこにアナログ規制に該当し得るものがあるかどうかというのを点検しやすくするというものを、今まさにデジタル庁の民間専門人材の方々、そして、行政人材が力を合わせてつくっておりまして、こちらを展開させていただければと考えております。かなり基本的な内容になっておりますが、今後必要に応じてツールを改良したいとも考えております。
 
次に、法制事務デジタル化の取組状況について御説明させていただきます。8ページですが、こちらは現在、第一法規株式会社様、FRAIM株式会社様にデジタル庁の事業として調査・実証事業に取り組んでいただいておりまして、こちらの6つの項目を主に取り組んでおります。こちらは年度末までの事業になっておりますので、本日御紹介させていただくのはあくまで中間報告ということになりますが、簡単に御紹介させていただければと存じます。
 
1つ目、9ページですが、法制事務の業務分析の概要でございまして、デジタルツールが色々と発展する中でも法制事務は、膨大な手作業ですとか人海戦術、紙を前提にするような作業が行われている状況があるのではないかという御指摘がございまして、現場の非効率な方法ですとか、負担の実態を把握・分析することに取り組んでいるところでございます。具体的にはヒアリングを実施しておりまして、ここに一覧で書かせていただいておりますけれども、計5つの法律、束ね法といわれているものですとか、税法ですとか、いろいろな法律、それぞれ特性があるのではないかといわれておりますので、こちらについてヒアリング等をして、現時点において、どういった課題があるかというのを取りまとめつつあるところになります。
 
もう一つ、10ページですが、こちらはアジャイルにシステムを開発していきたいと我々は考えておりまして、エディタのプロトタイピングを行ってユーザーテストを繰り返すということで、早速9月に一度、実際の法制事務で用いるような改め文をつくるですとか、そういったエディタのプロトタイプを使ってユーザーテストを実施しておりまして、こちらは法制執務の経験を有する各省庁の職員等が参加して、今後の開発に生かしたいと考えているところでございます。
 
もう一つ、11ページですが、法令等データの公開APIということでございます。我々はe-Gov法令検索において、国民の方々にアクセスいただけるベースレジストリとして法令データを公開しておりますけれども、これの公開API、機能拡張をやっているということでございまして、こちらは後ほどハッカソンのところで御説明をさせていただければと存じます。
 
もう一つは、13ページですが、法令等データの公開UIということでございまして、法令データがただずらっと文字列が並んでいるのでなくて、どうすればそれがビューワーでより分かりやすく見ていただけるかというところで、公開UIについて検討するものになります。
 
もう一つは、14ページですが、アーキテクチャ、データ構造の検証の概要ということでございまして、現在ソフトウェアの開発においてバージョン管理で広く利用されておりますGitという仕組みがございますけれども、これを例えば法令で未施行の条文について、バージョン管理等に活用できないかといった検証を行ってございます。
 
最後、15ページですが、デジタル法制の現状・未来に関する調査研究ということでございまして、こちらは諸外国の状況でございますとか、デジタル法制ロードマップ、我々は最終的にはデジタルツインで、法令が改正されればどのように世の中が変わるのかというのがシミュレーションできるような世界を目指せないかと考えているわけですけれども、こちらについてロードマップの精緻化を図っていくといった取組をしております。
 
最後は法令APIハッカソンという取組をこの中でやっておりますので御紹介させていただきます。17ぺージですが、こちらは11月10日から17日まで実施いたしまして、14チーム56人の方に参加いただいたことになります。17日には各チームの代表者が集まっていただいて発表、そして、表彰式を開催いたしました。賞は合計3つございまして、本日も御出席いただいております増島先生にもビジネス・法務賞の審査員になっていただいたところになります。
 
3つの賞をそれぞれ簡単に御紹介させていただければと思います。
 
18ページですが、1つ目が法令の普及・研究促進賞でございます。こちらは右下、妻と離婚になりそうな状況、子供2人の養育費について心配、アドバイスをいただけないだろうかといった質問をした場合に、生成AIを活用しまして、こういうユーザーの質問を基に検索すべき法令ですとかキーワードを判断して回答を生成するというところで、この法令APIプロトタイプを活用した御提案を法令の普及・研究促進賞として表彰させていただいたというものであります。
 
19ページですが、2つ目はビジネス・法務賞ということでして、こちらはまさに増島先生にも御評価いただいたものでございます。我々は法令の参照先の条文を頻繁に閲覧することがあるわけですけれども、こちらは実務家の方々のためにe-Gov法令検索の画面に参照先条文のポップアップ表示機能を追加する、このようにカーソルを当てるとポップアップされるというものでございまして、既存のUIや検索機能を生かせるように、独立したサイトを構築するのではなくて、ブラウザ拡張機能として開発したといった工夫がされているものになります。
 
20ページですが、最後は技術利活用賞ということでございまして、こちらは建築物の設計が建築基準法に適合しているかの審査というのを法令の条文の段階から自動化するということでございまして、生成AIを用いて法令の条文から審査プログラムを生成、自動審査に用いるものとなってございます。法令の条文から審査プログラム生成するAIというのは建築関係法規に対する性能向上を行うためにファインチューニングを実施しているということで、建築物の3D構造ですとか、素材などを表現するBIMモデルや可視化のためのUIを組み合わせて作成されたものでございます。
 
21ページですが、この法令APIハッカソンの成果と今後でございますけれども、今後、法令API機能拡張に向けたニーズの把握ということでございまして、我々もこれは把握してはいなかったのですけれども、法令データをXML、JSONではなくて、プレーンテキストで取得したいといったニーズというのが実際にハッカソンで開発いただいた中で把握することができたということでございまして、今後の調査・実証事業における法令APIプロトタイプ開発に反映して、可能なものから今後の法令API機能拡張実装につなげて、利便性の高い法令データの利活用環境の実現を目指したいと考えております。
 
あと、2つ目、3つ目でございますけれども、この法令データを利活用した民間サービスの後押し、技術開発の後押しといったものを引き続きオープンな議論等を通じて醸成したいと考えてございます。
以上、簡単ではございますけれども、私からの御説明とさせていただきます。

安念座長: ありがとうございました。
ただいまの御説明について御意見・御質問等がありましたら、どうぞお願いいたします。
それでは、稲谷構成員、上野山構成員の順で御発言をお願いいたします。

稲谷構成員: 大変貴重かつ重要な取組が非常に順調に進んでいるということがよく分かってとてもよかったと思います。
 
素人考えなのですけれども、ハッカソンはすごく大事だなと思っています。私も自分が法学者だからこそ思うところがあるのですけれども、日本の法律を運用する人たちは、結構パンデクテンとか、法律家独特の読み方みたいなものに慣れてしまっているところがきっとあるような気がするのです。そういったところについて、素人目でデータとして法令をもう1回見たときに、これは実は結構使いにくいのではというのが見えてきたりするというのは、今後の法律のつくり方みたいなものをまさにデジタル化で進めていく上でどうするのかみたいなことを考えるときに、一つ重要なヒントになるようなものが生まれてくる可能性があるのかなと思っています。ぜひこの取組は、そういった視点からも進めていだきたいと思います。
 
あと、今の生成AIは、まだ結構法令の条文とかのターミノロジーが正確に使えないというのを私も使っていて思うときがあるのですけれども、学習をうまく追加することによって、将来的には条文のような言葉も使える可能性もあると思います。それが先ほど申し上げた意味でいいのかという点も含めて検討しなくては駄目なのですけれども、この点についても検討できると、さらに自動化が進んでいくところになるのかなと思っていますので、ぜひそういったところについても取り組んでいただければと思いました。
以上です。ありがとうございました。

安念座長: ありがとうございました。
それでは、御発言を一わたりいただいてから、事務局からのレスポンスをいただきましょう。上野山構成員、お願いします。

上野山構成員: 上野山でございます。非常に重要かつ複雑な取組がこんなに進んでいるのだということで、かつ先ほどのハッカソンの事例とかも非常に先進的な取組が起こっているなと、正直驚いて、かつうれしく思いました。ここを広報とかもされるのであれば、よりやっていくといいのではないかなというのが前段です。

あと、これは私が追いついていないだけではあるのですけれども、これを見てほしいみたいなものを教えていただきたいなと思ったのが、いわゆる法令事務の全体において、今、どこの部分を実施していて、全体と今やっている取組との位置関係が分かるような資料がもしあれば、ぜひ別途でもいいのでいただけると非常に助かると思っております。これは取組を始めたときとか、かなりステークホルダーが多くて、いろいろ複雑なワークフローがあったと記憶しているのですけれども、そのどの部分が今進んでいて、今後どの部分がチャレンジになるのかというところが分かるとうれしいと思ったのが背景でございます。
私からは以上でございます。

安念座長: ありがとうございました。
確かに見取り図というか、現在地が分かればいいですね。
それでは、増島構成員、落合構成員の順でお願いします。

増島構成員: それぞれ取組を見せていただきまして、非常に大事な取組で、しかも、今まで政府であまりやったことがないような取組が非常によく進んでいるところが、デジタル庁さんの本領発揮ということなのではないかと思いました。そのアプローチの仕方も非常にアジャイルな形で、とにかく実装ファーストでどんどん早く回すというやり方をしていただけている点が、とてもすばらしいと感じているところでございます。

多分、デジタル庁さんはいろいろな省庁がオーナーシップを持っている取組などを一緒に手伝うコンサル機能といいますか、そういう活動をしていくと承知していますので、ぜひそのカルチャーとか、進め方とか、例えば総務省さんですとか、国交省さんですとか、金融庁さんですとか、そういうところにきちんと伝播していくような取組をしていっていただけると、大変ありがたいというのが1点でございます。
 
2点目は、ハッカソンのところを非常に皆様に御評価いただいて、大変喜ばしいことだと思っています。ある意味、ハッカソンを回すというのも一つのノウハウだと思っておりまして、今回、非常にうまくプロジェクトを集めて運営ができていたように拝見いたしましたので、このフォーマットをいろいろなところで使っていただくといいのではないかという感じがしています。

先ほどの生成AI掛ける法令のところ、今回、法令APIのところで組みましたけれども、それ以外にもこのデータをどのように使っていくかというテーマはたくさんあると思いますし、もしかすると、開発というところまでいくハッカソンでなくてもアイデアソンでもいいと思いますし、いろいろなところで外のユーザー側のリアクションをもらうことで、このようにやればいいのだと気づくものというのは、デジタルの世界ではすごくたくさんあると思います。ぜひこのフォーマットを大事に引き継いでいただきながら、いろいろなところで施策の応用としてハッカソン、アイデアソン、この類いのものを使っていただくと、すごくいい成果が出るのではないかなと思いました。

以上です。

安念座長: 審査のお仕事、お疲れさまでございます。

増島構成員: ありがとうございます。非常に楽しかったです。

安念座長: それはよかったです。本当に楽しい感じがしました。
落合構成員、いかがでしょう。

落合構成員: 法令APIハッカソンの辺りは非常に重要です。増島先生のほうでもいろいろニーズを踏まえて御評価いただいたと思っておりますが、最終的に使い手がどういうことに使えるのか、それによって何が楽になるのか、また、使い手にとってよいような形で自動化であったり、いろいろな作業のリアルタイム化につながるようなことができるかを考えながら取り組めると、非常にいいのではないかと思います。これはどうしても役所の中ですとか、法律家の中で議論していると、そういうところはどうしても弱いところがあります。デジタル原則の中でも民間と連携していることは、重要な原則でもあり、GtoBtoXという原則で書いていたとは思います。単純にAPIでつなぐとか、そういうのだけでもなく、民間の力を取り入れていくことはデジタル庁の取組の中でも一つ肝になると思いますので、ぜひこういった取組は続けていただきたいと思います。
 
もう1点、デジタルに関する点検であったり、本当に使い勝手の向上のようなものはデジタル法制審査の中でも、今後、各省庁にできる限り自主的に実施していただくようになることが最大の目標ではないかと思っています。規制改革推進会議などで議論していて一個一個叩いていっても、年間に叩ける個数は幾つなのでしょうみたいな感じになると思いますので、叩いていると、多分1,000とか1万とか、そういう数は絶対処理できないと思っています。そういう意味で、先ほど増島先生も言われていたような各省庁側のカルチャーというか、それに積極的に取り組む必要があることをうまく分かっていただけるように運用として進めていただけるといいと思っております。行政改革がデジ臨から続く最大の目標だと思いますので、ぜひ引き続きよろしくお願いいたします。

安念座長: ありがとうございました。
カテゴリーバスターでないと、発布の時期が来ていても、いつになっても終わらない、それはそのとおりです。

中野企画官、一通り御発言をいただきましたが、事務局からレスポンスをお願いします。

事務局(中野): 貴重な御意見を数多くありがとうございます。
稲谷先生のまさにハッカソン、いわゆる民間の方、法令にあまり触れていない方々の御意見等、非常にヒントになるという、まさにおっしゃるとおりでございます。今我々がデータ構造とか項目、公開していたと思っていたものも条項とか別表とはそもそも何でしょうというところから、まだ御説明が足りなかったようなところがありまして、こちらとしても非常に勉強になっておりますので、まさに法令にあまり専門知識がない方との交流等を通じて、我々も学んでいきたいと思っております。
 
あと、条文をつくるのは生成AIではなかなか難しいというのも我々も実は実験している中で、要約とか図をつくるのは意外にできるのですが、条文をつくるというのはなかなか難しいところがありまして、これはまさにAPIで法令データと連携させて、そういった条文作成等ができるようなものが考えられないかといったところも、中長期的な検討になるかもしれませんけれども、検討できればと思っております。
 
あと、上野山構成員からいただきましたけれども、全体像につきましては、実は印刷局が最後に法令を公布する官報の作成をやっておるわけですけれども、そちらとも連携してやっているところもありまして、この全体像に関しまして資料を追ってお送りさせていただければと考えているところでございます。
 
あと、増島先生、本当に御審査をありがとうございました。アジャイルですとかハッカソンのやり方、これらのフォーマットを引き継いでというのは、まさに我々自身もこういうやり方は続けたいと思いますし、デジタル庁の中でもハッカソンをほかにもやっているところがありますけれども、各府省ともこの取組、法制事務のデジタル化も一緒に総務省ですとか、印刷局ですとか、法制局とやっておりますので、こういう取組を一緒に、普及するようなやり方をやっていきたいと思っております。
 
最後に、落合構成員からいただきました民間の力を使うのが重要というのは、まさにおっしゃるとおりでございまして、デジタル庁内の民間人材の方々を含めて引き続き連携してやらせていただきたいというところと、まさに面の改革が重要だというのもおっしゃるとおりでございますので、各府省で自律的に取組をしていただくということも我々は思いも込めて、今回、自動審査のツールを導入させていただいたわけです。指針上も各省が自律的に取り組むことを我々は求めているところでありますけれども、まさにこういうツールを使って簡単に、業務負荷を下げた上で各府省にやっていただけるような環境を醸成していきたいと思っておりますので、引き続き御指導いただければと思います。
 
簡単ではございますけれども、私からの発言とさせていただきます。

安念座長: ありがとうございました。

増島構成員: 1点教えていただきたくて、先ほど忘れてしまっていたのですけれども、デジタル庁さんがやるべきことがありつつも、デジタル庁さんがやるべきではないこと、もしくは民間にやっていただくべきことみたいなものが本来はあるのではないかという目線がありました。例えばAPIを出しましたというのはとてもすばらしいのですが、UIをもっとよくするみたいな話というのは、本当はAPIが出ていれば、それは民間側がどんどんできるのではないかみたいな話になるはずなのです。そこのUIをよくするところにデジタル庁さんなり省庁がリソースを割くのが正しいことなのか、こちら側の検討も本来はしなくてはいけないのではという点が問題意識としてあるのですけれども、この辺は何かお考えがありますでしょうか。

事務局(中野): ありがとうございます。もし、よろしければ御説明させていただければと存じます。

まさに先生おっしゃるとおりでして、まずもって、法令APIを実は既に公開しておりまして、これを基に法令のデータを閲覧するようなブラウザのシステムを開発している民間の方がたくさんいらっしゃると承知しております。
 
他方で、我々はe-Gov法令検索という形で、まさに国のベースレジストリとして法令データを無料で、かつできるだけ速やかに公開するということをやっておりまして、こちらは現状、検索エンジン等で民法ですとか刑法ですとかを検索いただきますと、基本的にe-Gov法令検索につながることが多いと思っておりまして、我々はまさに政府として国民の皆様に提供しているe-Gov法令検索のUIを向上させるというところは、もちろん民間の方々のUIに関する御知見、テクノロジーをお力添えいただいてということになりますけれども、ここは政府の役割として一つあるのではないかというところで取組をしているところにもなります。
 
以上、回答になっているか分かりませんけれども、御説明とさせていただきます。

増島構成員: UIをやっている人たちは色々いまして、正確なデータを広く出す、例えばハッカソンのときに建築関係のテーマで出てきたものですと、この仕組みは何とか条例まで手が伸びませんかという切実な要望があったのです。こういうところは民間ではできなくて、まさに政府の働きかけで地方自治体に頑張ってもらったり、必要なツールを提供したりという、ここがきっとデジタル庁さんとか政府がやってほしいことと、民間側が思っているのだろうというのが1点です。
 
UIのところでいろいろと便利になるサービスは民間の人たちがやっていて、これは有料で提供するのか、無料で提供してそこで集客して別の課金モデルを展開するのかというのは、民間側が考えることだと思うのですけれども、例えば法令APIを使ってこういうサービスをやっている人がいますというところの橋渡しは、政府側でやって、powered by法令APIみたいな話ではないですけれども、民間側につないであげるようなことをするようなやり方は多分喜ばれる反面、俺が俺がで政府側のものがどんどん機能がよくなっていくというのは、もしかすると違うのではないかという感覚もあります。もちろんユーザーである国民に無料で高品質なものを提供するという総論はそうなのですけれどでも、民間がやることとどこかで線を引かなくてはいけない。結構謙抑的に考えなくてはいけない部分があるのではないかという気がしておりましたものですから、問題提起をさせていただいた次第です。

安念座長: ありがとうございました。
 
政府だけでやり切れる仕事ではないことは確かだろうし、対象者などの仕事は、今、増島構成員がおっしゃったこととつながっているのではないかという気はします。
 
中野企画官、非常に大きなテーマだけれども、何か御意見があればお願いします。

事務局(中野): ありがとうございます。
 
まさにおっしゃるとおりだと思っておりまして、まずもって、現状、デジタル庁のリソースで言いますと、なかなか民間の方々が展開されている、もしくは今回のハッカソンで出てきたようなものを我々自身が提供するというのは、難しいというのがまずありまして、我々としましては、少なくとも法令として官報に掲載されて公布されているものが改め文になっているところ、溶け込みの条文を提供するというのは、国としての役割なのではないかというところで、法令データそのものを国民の方々に提供するという点で、このe-Gov法令検索をやっております。この場合に、例えば過去のものが見られないとか、そういったものをどこまで対応するかという問題があるのですけれども、一定のニーズもあろうかと思います。
 
他方で、bSJの方々に御提案いただいたようなところになりますと、ベースレジストリの整備という我々が取り組んでいる事業というよりは、それを活用した民間の方々のリーガルテックといわれるような分野の市場でやっていただくことなのかなというところで、我々はまさにこの法令データを正確なもの、かつできるだけ速やかに更新することを通じて、こういった民間の方々でやっていただいている分野が生まれるのというのも一つの目的としておりますので、そこはまさに民間の方々を中心にやっていただければと私自身は思っておりまして、まさに先生の御指摘のとおり、そこは役割分担をしてやっていければと思っているところでございます。

安念座長: ありがとうございました。
 
落合構成員、お願いいたします。

落合構成員: 先ほど増島先生から条例の話もあって、多分現実の運用に落とすにはそこまで必要だと思います。その前の上野山構成員のほうからもあった全体のロードマップという意味では、まず、法令のほうを対応してといいますか、法令、政省令を適宜整備していって、その後どういう形で整備するのかはありますが、通達などの類いの文書をどう整理するかがあり、また別なレベルで条例があると思うので、どこまでできるかは大変難しいところではあるとは思うのです。
 
ただ、世の中のレベル感がどのくらいにあるかといえば、消防法の例とかを規制改革会議で議論すると、条例といいますか、自治体の実施要領が分からないとか、そういう話になっていて、何が基準なのか、情報公開がそもそもないというレベルではあったりするので、全部さらに構造化するのに大変な部分があれば、まずは見える化をしたりすること自体も相当意味がある気もします。デジタル庁の中で生成AIを使われていくのも検討されていると思いますが、そういう中で構造化が本当にどのくらい必要なのかも、もしかすると多少変わってくることも期待できないのかと思います。
 
そうすると、完全に構造化できないまでも、しっかり見える化までしていって、それだけでも何らかの形で提供できるようにしていく。そこをさらに加工するのも場所によっては民間側の工夫に委ねざるを得ないというか、特にニッチなところだと、そうならざるを得ないこともあるかもしれないので、そういうのも含めて次第に順次拡張していっていただけるといいかと思います。

安念座長: ありがとうございました。
 
私もユーザーの側にあるのだけれども、国のレベルで言えば、少なくとも告示まで、それから、地方の段階で言えば、条例及び行政機関の規則まで、ここまでないと、恐らく実務的には使い勝手がよいものにならないという印象はありまして、落合構成員のおっしゃることがよく分かりました。
 
どうもありがとうございました。いろいろ貴重な御意見をいただきました。
 
それでは、次の議題に移ります。議題の2と3です。事務局の黛参事官から続けて御説明をいただいて、その後、質疑応答とさせていただきます。
 
「7項目のアナログ規制見直し工程表フォローアップ状況」及び「地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルの改訂」についてです。よろしくお願いいたします。

事務局(黛): 黛でございます。御説明させていただきます。こちらの2つの議題ですけれども、アナログ規制見直しの作業に関する御報告といった類いのものとなります。時間の都合もありますので、この2件はまとめて御説明させていただきます。
 
まず、7項目のアナログ規制見直し工程表フォローアップ状況でございます。
 
1ページです。今回9月末の時点でフォローアップを行ったのですが、その直前の時点の状況ですけれども、これは皆様御承知のとおり、昨年末のところで、いわゆる工程表を確定させました。それに基づいて各府省庁に作業していただいたところで、そこのフォローアップの直前の時点で完了済になっているものが991件あって、今回2023年9月までということでお尻を切られていた工程表が614ほどあったということで、こちらのほうが今回のフォローアップ対象ということで、その実施状況について調査をかけたところでございます。
 
続きまして、2ページです。その結果ですけれども、614件のうち見直しが完了したということで報告のあったものが559件、間に合わなかったということで報告があったものに関しては新たにいつになれば終わるのかということを一つ一つ確認して調整いたしまして、それで新たに完了時期を設定したものが55件になってございます。あと、このときに合わせて、これよりも後に工程表上は見直し完了という予定となっていたものについて、見直しが予定を前倒しして完了したということで報告があったものが51件ほどございました。
 
こういう結果が分かりまして、見直しが完了したものを前回までのものと合わせると、これまでに1,601条項に関する見直しが完了したことになってございます。
 
続きまして、3ページです。今後、この見直しに関してどういう進め方になるのかということですけれども、これが全体を見渡した数字の表になりまして、今回までに見直しが完了したものが赤枠のところで1,601ということで、そこから右側のところ、下の青い枠で入っているものは見直しを要するものの合計の数字ですけれども、それが2023年中というものが、いわゆるフロッピー等の媒体を規制しているもののお尻が基本的に全部ここに来ているということで、1,000件ちょっとあります。それから、来年の3月末まで、それから、規制を一掃するということで我々が目標としております来年の6月までというのが、それぞれ1,800件前後となっておりまして、こちらについて、今各府省庁に取り組んでいただいている状況ですので、こちらについて引き続きフォローアップを行っていくことになってございます。
 
資料の最後のページですけれども、今回見直しが行われたものの規制の例です。こちらのほうは御説明していると時間がかかりますので、今回は省略させていただきます。全体を見渡していただきますと、我々の想定どおりなのですけれども、事務連絡ですとか通知といったもの、こういうものを発出することによって、それまでアナログ的な手法というのをデジタルでやっても別に構わなかったところについて、それをはっきりさせることができたということ、そういうことによって対応がされているものが見直しの作業において行われたものの大半を占めているという状況でございました。
 
1件目についての説明は以上でございます。
 
続きまして、2件目、地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルの改訂でございます。こちらにつきましては前回の検討会で、地方公共団体におけるアナログ規制の見直しに係る課題調査の結果について御報告させていただいたところです。その時にも申し上げたとおりですけれども、その結果を踏まえましてマニュアルの改訂という作業を今やっておりまして、年内目途で公表ということですので、その状況、その内容についての御報告ということでございます。
 
1ページ目の上の箱に書いてあるとおりなのですが、昨年11月にマニュアルの第1.0版ということで、地方自治体の方に自主的にアナログ規制見直しを行っていただくに当たって、参考となるものということでマニュアルを公表しました。これにつきまして、具体的に見直す条例等を整理してほしいですとか、先行団体における具体的な見直しの事例を共有してほしいといったような意見を頂戴いたしまして、そういうことも踏まえまして、前回御報告させていただきました調査を行いまして、今回全国に共有、横展開したいということで、この改訂にその内容を盛り込んでいったということを行っております。
 
それから、工程表の策定ですとか、一括法の成立・公布、テクノロジーマップの公表ですとか、マニュアルを昨年11月に公表して以降の国の取組状況も反映させた内容にするということで、記述の修正とか追加を行っていると、全体的にざっくり言いますと、そういう改訂を行ったということでございます。
 
下のところに改訂のポイントが4つほどあります。
 
1つ目に、モデル自治体における洗い出し結果の一覧、それから、見直し事例の共有ということ、2つ目に洗い出し作業を行っていく際に使っていただくような検索キーワードの整理・充実、アナログ規制か否かというのを判断する基準、判断の考え方、それから、観点の整備・充実を行ったということ。
 
3つ目、技術代替による効果試算の共有ということで、これは国のほうでも試算を行って中間の報告をさせていただいているところですけれども、それと同じ手法を使いまして、アナログ規制見直しを行ったときにどういう効果が期待できるかという試算を行って、その内容について共有させていただくという記載をしているところでございます。
 
4つ目に、国の取組状況、新たに行ったところを反映させるという内容の改訂を行っております。
 
こういうことを通じまして、全国の地方公共団体におけるアナログ規制見直しの取組をさらに推し進めていくことにつなげていきたいと考えてございます。
 
2ページ目ですけれども、これは全体として2.0版はどういう概要になるかというところ、赤字のところが追加修正した部分ということでまとめさせていただいたものです。こちらのほうは、もし、お時間がありましたら御覧いただければと存じます。
 
私のほうからの説明は以上でございます。

安念座長: ありがとうございました。
 
黛参事官、モデル自治体の方々はもちろん積極的に読んで活用していただいているだろうと思うのだけれども、それでも15です。1,700あって、漠然とした言い方なのですが、どれくらい読んでくださって活用していただいているものか、また、それに対して国として、デジタル庁として、どういう働きかけをしていけばいいものか、どんな感じですか。

事務局(黛): 正直、本当にどれくらい見ていただいているか、それほど多く、例えば千何百とかが見てくださっているとはなかなか思えないところではあるのですけれども、さりとて関心を持って見ていただいているところがそんなに少数ということもないとは思っています。そこをどう広げていくのかということで、単に作りましたということだけではなくて、どうしたらこれを見ていただけるというか、見た上で活用していただくか、それぞれの自治体の状況に合わせてではあるのですけれども、それでアナログ規制見直しをやっていただくか、どのように達成していくのか、これをつくった後、考えていきたい、その時には、まさに我々のほうから周知の活動をしつつ、それらに対するレスポンスをよくよく聞き取った上で、実際の自治体の活動につなげていくということ、その辺を意識的にやっていく必要があるのではないかと考えてございます。

安念座長: ごもっともです。ありがとうございます。

落合構成員、稲谷構成員の順に御発言ください。

落合構成員: 自治体での取組に落としていくということは非常に重要だと思いますし、規制改革推進会議のほうでもローカルルールの見直しという意見書をつくって、今年もそれに関する論点とかが幾つか出ておりまして、ドローンの関係などでもそういう議論になったこともあります。
 
そういう意味では、これをどのように徹底するのかというのは、こういう方向でやっていこうということは確立しきっていないような気がしております。どうしても地方自治の壁というような部分があったことを乗り越えて、ある程度システムであったり様式までこだわることは、あまり地方自治の本旨ではないのではないかという辺りまで要約したようなところかと思っています。これからさらに実効性を高める手段をつくっていかないといけないのではという、そんなタイミングだと思っております。
 
このため、個別のテーマごとであれば、例えば見直しをしてもらうときに、このマニュアルに沿った形で直してくださいということを、何かの施策で例えば背中を押したりだとかという対応を行わざるを得ないような理由が存在する場合があると思います。個別施策の見直しのときなどに、各省のほうからもこれを使ってもらえるようにしていくことや、また、自治体のほうで漫然と何となく見直すということが多分、割とこれは省庁もそうだと思うのですが、それがなかなか得意ではないといいますか、何かないと見直しができないと思います。
 
個別施策の場合も当然ながらそうですが、1回、なぜ見直しをしないといけないのかを分かってもらうような、要するに自治体DXをしなければ、少し先には自治体として業務を続けていけなくなる可能性がありますという話をちゃんと分かっていただいて、それに対するソリューションの一部がここなのであるという話なども含めて出していったりすることがあるかと思います。もともとキャッシュレスの話もこのような論点の関係で以前議論させていただいておりました。
 
とはいえ、最終的には何らかのインセンティブをつけないと、キャッシュレスもそのタイミングで進んでしまったということもありました。そういうことも含めて、内容そのものをブラッシュアップしていくこと自体も、まだ、これは端緒についた取組なので重要だと思います。その後押しですとか、意思決定自体を自治体に働きかけるような取組も併せて実施していけるような形になるといいのかと思っております。
 
内容に取りまとめていただいていること自体は、今の時点で特にコメントがあるものではないので、さらに進めていくためにという観点で発言をさせていただきました。

安念座長: ありがとうございました。
後ほどコメントは事務局からまとめてやっていただきましょう。
稲谷構成員、お願いいたします。

稲谷構成員: 大変重要な取組だと私も理解しておりますし、大変丁寧に整理していただいたと理解しております。
 
私も安念先生と落合先生と同じようなコメントになってしまうのですが、他の先進的な取り組みを参照するのですかということもそうなのですけれども、そもそもできるのですかという問題もありそうな気もするのです。結局うまくいっている自治体の取り組みなりをコピペして回っていくのですという話になるのだとすると、それは本当の意味で地方自治の本旨に適うような状態といえるのか、むしろ、形式的に権限だけ残っているから貼りつけていく施策になってしまっているだけなのかというところは、より重要な問題になる気もします。
 
さらにもう少し大きな目で見ますと、誰一人取り残されないデジタル化という話をしているときに、特定の自治体だけ結局能力がなくてなかなか進まないとなりますと、住民の側から見てそもそも不便で不利益があるし、しかもその地域が例えばほかの地域とサイバー空間でうまくつながらない、うまく業務が展開できないという話になって不利益を受けるという話にもなりかねないかと思います。どこかのタイミングで、ある程度どこでも同じですという話になってきたものについては、まさに誰一人取り残されないという観点から、国として一気にやってしまうみたいなやり方を考えていく。その際、そうした取り組みとの関係で、デジタル時代の地方自治の在り方をもう1回見ていくみたいなこともフェーズとして出てこないと進まないところがあるのかなと思いました。少し何か乱暴な議論かもしれないですけれども、その点だけコメントさせていただければと思ったところです。
 
以上です。

安念座長: ありがとうございました。
増島構成員、お願いいたします。

増島構成員: 権限がない立場で、やってほしいことがあるものをどうやっていただくかという発想なわけですけれども、こういうのは基本的にマーケティングの発想でやるのです。要するに買う義務がない人に買わせるためにはどうしたらいいかという事業者がやっていることと基本的には同じことだと思っているのです。そうすると、全体が早くにアダプトしてくれる人と、その次の人と、レイトなマジョリティーがいて、ラガードがいるという話で、ここを丁寧に乗り越えていくという発想でやっていくのだと思っています。
 
もちろん交付金みたいなものとつなげて、欲しければやれみたいなのもあったりするのです。そっちはそっちで、もし、お金があれば、そういうことをやってもいいですけれども、そうではないときには、そういうマーケティングの考え方をして、正しいタイミングで正しい人とコミュニケーションをして進めていただくということをやるのだろうと思うのです。
 
ただ、デジタル庁さんに何でもかんでも、そういうのまでやってくださいというのもリソースもないし、どうすればいいのだろうというのが正直あるような気がしていて、多分同じようなことはたくさんあるのです。この見直しだけではなくて、デジタルの価値観を少し変えて新しいこういうことをやってほしいのだけれども、地方自治体にはなかなか手が届かないのもたくさんあって、マーケティング手法とかを応用して地方自治体に浸透させる手法の開発とか、省庁の中のどういうところがそれをどんなメカニズムでやっていったらいいのか。これをどこかで開発をしたいと感じたところでありました。それはデジタル庁さんではないのかもしれないのですけれども、同じ論点が違う場面で多く出ているという感じがするので、一遍に巻き取りたい気がしまして、僕も問題意識を持って、このようにやったらいいのではないかというのを少し考えてみたいなと思った次第です。
 
以上です。

安念座長: ありがとうございます。どうぞアイデアを提供してください。
 
黛参事官、いかがでしょうか。

事務局(黛): ありがとうございます。
 
先生方からの御指摘、それぞれ本当にごもっともなところで、結局、国のほうとしては、特にデジタル庁として、どれくらいの権限があり、リソースがありという、そこが足りていないところで、自治体にどういう形で実際に行動していただくのかというのは、正直、非常に難問だと思います。
 
ただ、国でそうは言いつつも推進するという目標を掲げている以上、何らかのことはやらなくてはいけないということで、その中の一つの取組として、我々としては、こういうマニュアルみたいなノウハウの共有ですとか、それから、実際に同じ自治体という立場でやられている方の優良事例の紹介ということ、そういうものである意味でお勧めしていく、場合によってはけしかけていくみたいな手法をやっているということです。
 
ただし、ここから先ということでありますと、旧デジ臨の枠を飛び越えるかもしれないのですけれども、何らかのインセンティブというところで予算的なものも一つ考えられるでしょうし、あとはお勧めするのも、最後に増島先生にもおっしゃっていただきましたけれども、マーケティング手法みたいなものを活用して、全省庁的に自治体をこうやって動かしていきたいという、今回の我々の面の改革と同じようにやってみたらどうですかということです。当然そういう場合であれば、個々の具体的な行政事務に関して同じようにやってみてはどうですかというところも含めてになるのですけれども、そういうのを全省庁的に、どこがそれをやるべきなのか、にわかに分からないところではあるのですけれども、そのような手法を全政府的に開発していくこともあるのかなと思われます。
 
その辺に関して、まず、我々デジタル庁でデジ臨の活動を引き継いだところとしては、そこで今まで培ってきたものをなるべく共有して使っていただくというところから入りつつ、そこでの限界を逆に明らかにして、その限界、それから、実際にやっていただいたところの地方の声をまとめて、次なる打ち手につなげていく。そういうことで、必要であれば、他の部署なり、他省庁を巻き込んでいくようなことを着実にやっていくということ、それぐらいしか私には考えが思いつかないもので、そういう形で進めていければいいのではないかと考えてございます。

安念座長: ありがとうございました。
 
それは全政府的に取り組む以外の手はないでしょう。
 
それでは、続いて、アジェンダの第4に移りましょう。「行政手続のデジタル完結に向けた取組の状況」について、こちらも黛参事官から御説明をいただきます。

【「行政手続のデジタル完結に向けた取組の状況」は、非公開】

安念座長: ありがとうございます。
 
それでは、最後のアジェンダの第5に移ります。「AI時代の官民データの整備・連携に向けたアクションプラン」についてです。事務局の向井企画官より御説明をお願いいたします。

【「AI 時代の官民データの整備・連携に向けたアクションプラン」は、非公開】

安念座長: それでは、5つ、どれも非常に大きなアイテムを扱っていただきまして、本当にありがとうございました。
 
最後に、冨安統括官より一言いただきたいと存じます。

冨安統括官: 構成員の皆様、本日はどうもありがとうございました。我々の気づきの足りない部分もございましたけれども、いろいろな知見をいただいたと思います。
 
まず、議題1「デジタル法制審査の今後及び法制事務デジタル化の取組状況」につきまして、おかげさまで、昨年の臨時国会から始めまして、通常国会、臨時国会と3回の国会をやってまいりまして、ある程度定着してきたのかなと思います。引き続きこれをデジタル庁の業務として、しっかりやっていきたいと思います。
 
また、法令APIハッカソン、増島先生には審査員にもなっていただきましたけれども、これを新たな試みとしてやってきまして、いろいろと評判もよかったのかなと思っております。本日もございましたけれども、この内容の充実、この手法の普及とか、いろいろ発展性のある話かなと思いましたので、そこをしっかり取り組んでいきたいと思います。
 
2つ目の議題「7項目のアナログ規制見直し工程表フォローアップ状況」で、昨年取りまとめていただきました約1万個のアナログ規制の工程表の進捗の確認でございますけれども、9月末の状況ということで御報告いたしました。本年末、来年3月、それから、来年6月に期限が来るものがまだまだございます。前回の検討会でも御説明いたしました技術実証、そういったものの成否に左右され得るものも出てまいりますし、調整が難しくなるものもあろうかと思いますので、ここは引き続きしっかりやっていきたいと思います。また、委員の皆様の御支援を賜ることになるかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 
また、議題3「地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルの改訂」につきまして、今回マニュアルを改訂するということで、これを先生方からも、どうやって実行していくのか、これが課題だということで、まさにそうだと思っております。これは我々も頭を悩ませて考えたいと思いますので、また色々と御相談させていただければと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
 
4つ目が「行政手続のデジタル完結に向けた取組の状況」です。こちらのほうも年末までに取りまとめるということで一応ここまで来ました。今日御議論がありましたように、有体物の交付の問題は一応今は一体不可分という整理をしておりますが、デジタル化のほうで解決していくのか、あるいは法律のほうの検討で解決していくのか、そこは今後の課題として我々も認識してやっていきたいと思います。
 
最後の「AI 時代の官民データの整備・連携に向けたアクションプラン」につきましては、今後取りまとめるということで、今日、方向性について御相談させていただきました。本日いただいた議論を踏まえましてアクションプランをさらに精査して取りまとめていきたいと思いますので、皆様の御助言をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
本日はどうもありがとうございました。

安念座長: 統括官、どうもありがとうございました。
それでは、事務局から事務的なアナウンスをお願いいたします。

事務局(黛): では、最後に、次回の検討会の日程、議事録の取扱いについて御説明いたします。
次回の検討会の日程につきましては、事務局より追って御連絡させていただきます。
 
また、本日の議題4「行政手続のデジタル完結に向けた取組の状況」と、議題5「AI時代の官民データの整備・連携に向けたアクションプラン」につきましては、御異議がないようでしたら議事を非公開といたしまして、それ以外の議事につきましては後ほど議事録を作成しまして、皆様に御確認いただいた上で公開することといたします。
 
資料につきましても議題4及び議題5に関するものを除いて、デジタル関係制度改革検討会のホームページに公開することといたします。
 
御説明は以上でございます。本日は御参加いただきましてありがとうございました。

安念座長: それでは、以上で第2回デジタル関係制度改革検討会を終了いたします。ありがとうございました。

以上