デジタル庁コンプライアンス委員会(第11回)
デジタル庁は、我が国経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現を目的とするデジタル社会の形成の司令塔となります。デジタル庁に対する国民の期待は非常に大きく、デジタル庁は極めて重い職責を負っています。
本日の会議では、「デジタル庁における『兼業』及び『テレワーク』に関する施策」、「コンプライアンス確保に関する調査結果報告書」、「令和7年度公益通報等の状況」などについて、活発な議論や意見交換が行われました。
本日の議論等の結果については、デジタル庁における各種規範やルール等の策定にしっかりと反映させてまいります。
概要
日時
令和8年(2026年)3月24日(火)10時00分から11時45分まで
場所
デジタル庁20階共用中会議室
委員会構成員
(五十音順、敬称略)
構成員
- 名取俊也(新丸の内総合法律事務所 代表弁護士):委員長
- 遠藤紘一(デジタル庁元顧問)
- 梶川融(太陽有限責任監査法人 代表社員 会長)
- 國領二郎(慶應義塾大学名誉教授)
- 芝昭彦(芝・田中経営法律事務所 弁護士)
- 藤森恵子(ASIMOV ROBOTICS株式会社 代表取締役/公認会計士)
資料
議事要旨
議事次第
- デジタル庁における「兼業」及び「テレワーク」に関する施策
- コンプライアンス確保に関する調査結果報告書
- 令和7年度公益通報等の状況
- その他
議事概要
事務局から各議事を説明した後、各委員から以下のとおり、意見等があった。
デジタル庁における「兼業」及び「テレワーク」に関する施策
- 職員による勤怠打刻だけの管理では、自動でPC操作し打刻する機能を使った不正が起きる可能性もあり、管理が不十分となるおそれがある。
- IT関係の民間企業では、成果物に瑕疵を生じさせないという観点で、従業員の端末の画面を上長が確認しているケースもあり、「教育」という観点では勤務内容の管理は必要と考える。従業員が「監視」と受け取るか、あるいは「教育」と考えるかは伝え方が大切であり、両者間(上司と部下)で適切なコミュニケーションが取れていれば、部下職員も納得するのではないか。
- 「職員が仕事をしているのか」の確認も必要であるが、「職員がどのようなパフォーマンス発揮しているのか」もあわせて管理し、勤務時間とそのパフォーマンスを評価するのが本来の勤務管理である。業務についての計画に沿ったパフォーマンスを上げているかなどを考慮した管理方針を検討する必要がある。
- 今後は、AIによる勤怠管理も検討した方が良い。プライバシーの懸念はあるが、「勤務場所」は問わない代わりに、「仕事の内容をモニタリング」し、その内容をAIを通じて解析し、職員の支援や勤怠管理に繋げていく方法もあるのではないか。
- どのような場合にテレワークを行えるのか基本的な理念(考え方)を整理すれば、上長も勤怠管理をしやすくなるのではないか。テレワークの管理は主として上長の管理責任の問題であり、上長の管理能力も問われている。上長自身が仕事内容の全体像を把握していないと、非常に形式的な管理になってしまうので、上長が「自身の管理パフォーマンスを問われる」ということを認識すべきである。
- 民間企業であっても、雇用契約上、労務提供の義務はあるので、「勤務時間中はしっかり仕事をすること」は当然である。職員の勤怠に問題が生じるケースは、その職員の「モラルの問題」に帰結すると思うが、デジタル庁の場合、テレワークの管理以上に兼業職員についての管理の在り方は課題であると認識している。
コンプライアンス確保に関する調査結果報告書
- デジタル庁は、技術や経験を持っている人材を外部から集めているので、仕様書等を作成する職員は、そういった人材に相談をするケースは想定される。せっかくノウハウを持つ人材がいるのに、何も相談もせずに仕様書等の作成を進めるのは良くないので、そういった状況も踏まえ、ルールや運用を検討していくべきである。
- 制限フォルダについては、透明性を確保した上で問題のあるやり取りがないよう歯止めを効かせつつ、後から利益誘導の有無をレビューするという考え方であり、情報漏洩の防止だけではなく、透明性を確保した上での必要な情報共有が十分に行われているかという観点についても留意すべきである。
- 職員の兼業先の最先端技術や特許を用いることに関して、AIを活用してスペックを技術に置き換えるなども含めて、仕様書作成のプロセスを透明化することも考えるべきではないか。
- 職員の兼業先がデジタル庁の調達に参加するケースにおける透明性の確保については、今後も検討していく必要がある。
令和7年度公益通報等の状況
(事務局より、令和7年度において外部通報の件数は0件、内部通報の件数は10件で、うち1件は取り下げられた旨説明)
その他
- 「コンプライアンス研修」の未受講者に対しては、上長も責任を持って受講を促すべきである。
- 民間人材の親元企業を対象にしたセミナーなどを実施することも、コンプライアンス遵守の醸成の観点から有効ではないか。
- 各議事のコンプライアンス委員からの意見や改善点については、デジタル庁で引き続き検討等を行うこととする。
以上