古川大臣記者会見(令和8年10月6日)
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古川デジタル大臣記者会見要旨
(令和8年10月6日(火)10時45分から10時58分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)
1. 発言要旨
近年、企業や行政機関を標的とした不正アクセスが相次いでおりまして、大量の個人情報が流出する事案が発生をしております。流出した情報は、氏名や住所、電話番号、メールアドレスだけではなくて、ID・パスワードや、クレジットカード情報、運転免許証等に及ぶ場合がございます。こうした情報がひとたび流出すると、なりすましやあるいは不正送金、詐欺等の二次被害につながるおそれがございます。サイバー攻撃は、企業や組織だけの問題ではございません。国民のお一人お一人の対策が、被害の防止につながるということであります。
そのため、国民の皆様に3つの対策をお願い申し上げます。まず、パスワードの使いまわしをやめる。同じパスワードが複数のサービスで利用されると、一つのサービスから情報が流出した場合に他のサービスにおいても不正ログインされるリスクがあります。サービスごとに異なるパスワードを設定していただきたいと思っております。それから多要素認証、これを利用していただきたいと思っております。IDとパスワードが漏えいしても、スマートフォン認証やワンタイムパスワードなどの多要素認証を設定することで、不正なログインを防止できる可能性が高くなります。自ら設定が可能なサービスでは、積極的に設定をお願いしたいと思っております。また、不審なメールやSMSに注意をお願いいたします。実在する企業や行政機関を装ったメールやSMSによりまして、IDやパスワード等を盗み取る、いわゆるフィッシング被害が増加をしております。記載されたリンクを安易に開くことなく、必ず公式ウェブサイトや公式のアプリからアクセスをしていただきたい、これをお願いしたいと思っております。
サイバー攻撃の手口は日々巧妙化をしております。しかしながら、基本的な対策を徹底することで、多くの被害は防ぐことができます。「自分の情報は自分で守る」この意識を持って、被害の防止に向けた取組への御理解と御協力をよろしくお願い申し上げたいと思います。
科学技術政策担当大臣として御報告をいたします。一昨日、10月4日、京都におきまして、第23回国際科学技術関係大臣会合を開催いたしました。23の国・地域の科学技術大臣等の参加を得まして、私が議長を務めることになりました。
会合では、「社会・地政学・技術が交差する転換点における科学技術の社会実装」をテーマとしまして、基礎研究から社会実装に至るまでの科学技術の支援や、あるいは国際連携の必要性について議論を行いました。
また、大臣会合に続きまして、米国が主催をいたしました「京都ビジョン」の発表イベントに参加をいたしました。「京都ビジョン」は科学を取り巻くエコシステムを刷新し、科学の黄金時代の実現を目指す文書でありまして、私から日本として賛同する立場を表明いたしました。
その後、米国科学技術政策局のクラツィオス局長と会談を行いまして、日米間の科学技術分野における強固な協力の基盤を確認するとともに、昨年10月に署名をいたしました「日米技術繁栄ディール」の進捗を確認する共同声明を取りまとめたところでございます。
今回の京都出張による一連の成果を、我が国における科学技術・イノベーション政策にしっかりと活かしたいと思っております。
AI戦略専門調査会の開催について御報告いたします。
本年7月に開催いたしましたAI戦略本部では、高市総理より、本基本計画に掲げる「日本AX」の具体像の提示、バーティカルAIの開発・実装を強力に進める「領域別戦略」の具体化、「AI法」を含む関連制度の能動的な見直し等について、検討を加速するように御指示いただきました。
このため、今月下旬頃にAI戦略専門調査会を開催いたしまして、こうした諸課題につきまして、具体化に向けた議論に着手をします。
とりわけ、AI法を含む関連制度の能動的な見直しについては、AIガバナンスを巡って国際的にも様々な議論がなされていることを踏まえ、本専門調査会の下に、新たなワーキンググループを設置しまして、速やかに議論を開始いたします。
2. 質疑応答
(問)冒頭御発言ありましたけれども、個人情報の漏えいの問題について伺えればと思います。昨日も大和証券ですとか、あと焼肉きんぐの運営会社、こういったところで情報漏えいをしたという発表がありました。先週には、タイムズカーで運転免許証の画像の漏えいなどもあったばかりでして、大手企業でこういった大規模な個人情報の漏えいという事案が相次いでいます。このことについて、まず大臣どのように受止めているのかお聞かせいただければと思います。また、政府として事業者に対してどういった対応を求めるのか、あわせてこうした不正アクセスに対する政府の対応方針を改めて伺えればと思います。
(答)まずは、今御指摘いただきましたように、私どもとしましても、日々このサイバー攻撃というのは、質、量ともに増加をしておりまして、手口も巧妙化している、そして国民生活に大変な影響を及ぼしている、もちろん企業活動にも大変な支障を与えていると、この認識は深く持っております。まずは、今連日のように御報道いただいていますけれども、企業の皆さん、そして個人の皆さんに基本的な安全対策、これを徹底していただきたいと考えております。同時に、起こった事案につきましては、各企業様において今調査を進めておられていると思います。その結果を見て、適切に判断をしていかなければいけないと思っております。国としましてもNCOを中心に関係省庁、あるいは被害をお届けになった企業の皆さんと連携をして、取組を進めていきたいと思っております。
(問)昨日、ノーベル生理学・医学賞の発表がありましたけども、光遺伝学の基礎を作ったカール・ダイセロス博士とペーター・ヘーゲマン博士、ゲオルグ・ナーゲル博士の3氏に決まりました。今回の生理学・医学賞、大臣としてどのように受け止めているか教えてください。
(答)日本人の研究者の方が受賞される可能性も大変高くあったと思っておりまして、その意味では残念という思いもありますけれども、この3氏、光遺伝学の方々、特にカール・ダイセロス先生については、私の母校も賞を送って、大変な研究であるということはよく存じております。神経が、光のオン、オフによって、外からの介入によってその調節ができると、新たな神経学の基礎ができたというのは素晴らしい、本当に革命的な発見だと思っておりまして、今これによって様々な脳の機構ですとか、あるいは視神経ですね、この病気での新しいアプローチが開発されているというように承知しておりますし、日本からも様々挑戦的な研究が出てきて、我々も支援をしております。その意味で素晴らしいノーベル賞であると思っておりますし、今後、それが患者さんのもとに新しい治療法として届けられる、こういう日を本当に楽しみにしております。
(問)科学技術大臣会合ですけども、いろいろな議論があったかと思うのですけども、大臣として特に印象に残ったこととか、今後の政策に活かせそうな、示唆を与えるようなことがあったら教えてください。
(答)一番共通ですごく盛り上がった話題が1つありまして、それは子供たちにどうやってサイエンス&テクノロジーの面白さを伝えるかという話でありました。やはり各国みんな結構苦労しておりまして、いわゆる理系教育、日本でも今重視をしているところですけれども、なかなか子供たちが興味を持ってくれないという話をほぼ全ての方々が共通して言っておりました。そこである国の女性の大臣からは、理系のキャリアが長すぎると、もう少しいろいろなキャリアを積みながらも最後Ph.D.を取れる、そういうキャリアに今変えていこうとしているとかですね。イギリスの大臣からは、もっと科学者がどんどん子供たちに語りかけなければいけないと、そういうレジェンドになった科学者のメッセージがあれば、子供たちももっとモチベーションが高まる、そういうお話もございましたし、いろいろ皆さんお考えだと思いましたけれども、やはり各国共通して、科学技術に興味を若い子に持ってもらうのはとても簡単ではないということがよく分かりました。それからもう1つ、基礎研究の大切さということも結構話題になっておりまして、ある国から、政府とかがやると必ず応用研究の方に行ってしまう、短期的な視野になるといった発言もあって、そこもいろいろ議論になりました。そういう意味では各国、科学技術財政と、そしてその成果という意味ではかなり悩んでいらっしゃるのだなと、これは同様だなと感じたところでございます。
(問)AI法の見直しについてお伺いしたいのですけども、先ほどワーキンググループの設置の発表がありましたが、このワーキンググループでどのような議論を期待するかということと、また、その結果をいつ頃までにまとめるか、そしてAI法の見直しを、例えば次の通常国会に提出する予定など、そういうスケジュール感について教えてください。
(答)AI法は、日本においてできる限りAIを活用しやすい国にしていこうと、同時にリスクにも備えていく、こういう考え方で作られているというわけでございまして。今まで事業者の皆さんに強制的な措置は取らないということで、努力義務というか御協力いただく形で進めてきましたけれども、今はそうしたものをどうしていくか、そういう議論があるということは承知していることでございます。これから専門有識者の皆さんに集まっていただいて議論が始まっていくところでございまして、何らかの法的な対応の必要性があるかどうか、これも含めて今後議論をしていきたいと思っています。ただ、ここに来ましてAIの進展がものすごく早くて、信頼性についてもそれぞれ様々世界的にも今議論になっているところですので、そうしたことを十二分に検討して次の法改正に活かしていただけたらと、法改正が必要かどうかも含めて、その議論に活かしていけたらと考えております。
(以上)