古川大臣就任記者会見(令和8年9月18日)

古川デジタル大臣就任記者会見要旨

(令和8年9月18日(金)13時00分から13時27分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)

1.発言要旨

デジタル大臣、AI・デジタル改革推進担当大臣、サイバー安全保障担当大臣、コンテンツ戦略担当大臣、並びに、人工知能戦略、サイバー安全保障、科学技術政策、宇宙政策、海洋政策、知的財産戦略を担当する内閣府特命担当大臣を拝命いたしました。
また、個人情報保護委員会に関する事務、原子力政策に関する事務、サイバーセキュリティ戦略本部に関する事務、認知症施策本部、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想に関する事務についても担当をいたしてまいります。
高市総理からは、社会全体のデジタル化の司令塔として、関係大臣と協力して、全ての国民にAX/DXの恩恵が行き渡る社会の構築をするように指示を受けております。
また、AI戦略につきましては、日本を強く、豊かにする「日本AX」の柱となるバーティカルAIとフィジカルAIへの官民投資を「強く豊かな日本」投資枠を活用して、強力に推進してまいります。
デジタル化の進展により様々な恩恵が求められている一方、サイバー攻撃による脅威は深刻化しており、サイバーセキュリティの確保は極めて重要と考えております。関係大臣と緊密な連携を図り、サイバー安全保障の分野での対応能力の向上や人材育成、各国との連携強化など、サイバーセキュリティ対策の強化に積極的に取り組んでまいります。
科学技術・イノベーション政策について、本年3月に閣議決定された第7期科学技術・イノベーション基本計画に基づき、今後5年間は科学技術・イノベーション政策を推進していくこととしており、我が国の研究力を抜本的に強化するとともに、「日本成長戦略」の17の戦略分野にも掲げている、AI・量子技術・フュージョンエネルギー、創薬といった重要分野でのイノベーションを一層推進すべく、検討を深めてまいります。
フュージョンエネルギーにつきましては、政府としては、昨年6月に改定いたしました「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」に基づき、内閣府が司令塔となり、関係省庁が一丸となって、フュージョンエネルギーの早期実現に向けて取組を推進してまいります。
宇宙政策について、近年、世界的に、官民による宇宙の開発・利用が活発化し、宇宙ビジネスが大きな広がりを見せております。また、既に日常生活、経済活動、安全保障で不可欠な国家インフラとなってきており、予算・法制度など様々な政策を総合的に活用しまして、関係省庁と緊密に連携して、国力の維持・強化に向けて宇宙政策を力強く推進してまいります。
海洋政策について、「海洋基本計画」に基づき、「総合的な海洋の安全保障」及び「持続可能な海洋の構築」を実現するため、関係省庁と密接に連携をして海洋政策を推進してまいる所存であります。また、国境離島につきましては、関係する自治体と緊密に連携して、その保全・管理、地域社会の維持に関する施策を、今般の法改正も踏まえ、引き続き強力に推進してまいる所存でございます。
知的財産戦略について、イノベーションの活性化や、国際競争力の強化に向けて、内閣府が司令塔となって「知的財産推進計画」の着実な実行や、国際標準戦略の推進に取り組んでまいります。コンテンツ戦略について、2033年までに海外売上20兆円という目標の達成に向け、予算配分の全体最適化や予算執行の一元化、官民の叡智の結集に向けて一気通貫の新たな支援体制を構築するなど「官民投資ロードマップ」や「知的財産推進計画」に位置付けられた政策を着実に実施してまいりたいと考えております。
遺棄化学兵器処理について、化学兵器禁止条約上の我が国の義務を履行するため、引き続き処理事業を着実に進めてまいります。
日本学術会議につきまして、昨年の通常国会において新たな「日本学術会議法」が成立したことを受け、この10月に新法人として発足することになっております。日本学術会議が法人化を機に世界最高のナショナルアカデミーを目指し、学術に関する知見を活用した国民及び社会への貢献、課題解決への寄与という新しい法律の趣旨を実現していくことを期待をしております。
健康・医療戦略につきましては、国民が健康な生活と長寿を享受できる社会を実現しなければなりません。また、2025年から2029年を期間とする第3期健康・医療戦略を踏まえ、出口志向の研究マネジメントの強化、創薬エコシステムの構築、感染症対応の充実、国際展開の推進、医療データ利活用の推進等、健康・医療に関する研究開発と新事業創出により、健康長寿社会の実現に向けた施策を着実に進めてまいります。
医師でございます、また、弁護士でもございます、私の経験を活かしながら、誰一人取り残されない、人にやさしいデジタル世界の実現に向けて力を尽くしてまいります。
その他にも、様々な重要な職務を拝命いたしましたことを非常に強く受け止め、直面する課題に着実に取り組み、国民にとって必要な成果を出してまいりたいと存じます。

2. 質疑応答

(問)大きく2点お伺いできればと思います。昨日、デジタル大臣に就任して閣僚の呼び込みが行われて、高市総理とも直接お会いされたと思います。どのような指示を受けられたのか、また、どのような点を期待されてデジタル大臣に起用されたと御自身としては思うか教えていただければと思います。2点目ですけれども、今回、AI戦略の担当大臣とデジタル政策全般の担当大臣、これまでバラバラだったものが古川大臣に一元化されました。担務が再編されたことの意義、これをどのように考えているのか。そして、今回高市総理から手渡された指示書の中でも最初に、先ほど言及もありましたが、AIの徹底活用ということが盛り込まれていました。今後、AI時代に必要な規制や制度の見直しなど、AI政策についてどのように進めていきたいのか、お考えを伺えればと思います。

(答)高市総理からは、社会全体のデジタル化の司令塔として関係大臣と協力をして、全ての国民にAX/DXの恩恵が行き渡る社会の構築をするように指示を受けております。デジタル大臣として、今回AI/DXという2つの分野が融合したということでございますけれども、ここはやはりAIとかAIエージェント、こうしたAI技術というものをデジタルの推進とともに繰り広げていく、ここが非常に重要なこれからの課題だと考えておりまして、そこで集中をして、この司令塔たるデジタル大臣と人工知能戦略、この大臣を一緒に担うことになったと理解をしております。

(問)今後、AIの時代に合わせて制度の見直しですとか、そういったことを考えられていくのかなと思うのですけど、AI政策全般を大臣としてはどう進めていきたいか意気込みを。

(答)やはりAIは、もちろん利点及びリスクがございますので、そのバランスをはかりながら国民ができるだけ安全で付き合いやすいAIを、コストパフォーマンスの観点も踏まえながら、どうやって普及をさせていくか、これがこれからの重要な観点だと思っております。ただ、大変に変化が激しい分野でもございますから、そのスピードに乗り遅れないように、また、我々がうまく先頭に行って情報を集め、これからの開発方針、そういったものを今後構築していく、こういったことも手掛けたいと考えております。

(問)これまで自民党で科学技術政策に取り組んでこられたかと思うのですけども、その経験も踏まえて、日本の科学技術の現状を今どのように見ていらっしゃるのか、また、そこにある課題をどのように認識して、どう解決しようとお考えなのか教えてください。

(答)1つがやはりグローバル化に十分対応してきたかということがまずあると思います。日本人、私もそうですけど、研究者ですけれども、英語はネイティブではない、そういうことによって、やはり今までネイティブの方々とは違った環境に置かれてきたというのが現状でございます。ただ、やはり様々な論文のインパクトファクターと研究分野の非常に最先端のところは、やはり今国際共同でやっていくというのがスタンダードになりつつございまして、そこにおいては英語という共通の言語が使われているという状況でございます。まず、これについて国際化を進展していくと、ここは科学技術政策においても主要な点として今までもやってまいりましたし、今後、生成AIというものができて、言葉のギャップというものがかなり解消されてきていますので、その活用もしながら、是非日本もトップの国に遅れないように頑張っていく必要があると思っております。第2点としましては、やはり今までは大学では基礎的なことをやって、産業界に届けられていたかというとそこが十分ではなかったと思っております。私が主としてやってまいりました健康・医療分野におきましても、そういったAMEDの改革等も今まで進めてまいりまして、最終的に研究を支えていただいている国民の皆様に早くその成果が届く、ここに民間の皆様のお力がどうしても必要になりますから、そういったことを見据えて科学技術というものを舵取りができるように今後も尽力をしていきたいと存じております。

(問)サイバー安全保障大臣も兼ねるということで、先日GSSへの不正アクセスも発表されたばかりですけれども、高度化するサイバー攻撃への脅威、こちらへの対応についてはどのように進めていかれるお考えでしょうか。

(答)お尋ねのように、先日ガバメントソリューションサービスを利用する各省庁の職員、及びGSSの利用機関の業務に関わった公務員の皆さん、あるいは事業者、個人の皆さんの個人情報が流出した可能性があるといわれております。これは非常に大臣として重く認識をしております。今やはり現時点で本事案と同様の被害につながる事象は確認されていない、そういう状況でございますけれども、サイバー攻撃の手法というのは非常に今高度化をしていて、対応もなかなか難しい状況でございますけれども、引き続き必要な再発防止策を講じるとともに、それらの方法についても不断に見直していく必要があると思っております。現在は、まずは個人情報が漏洩した可能性がある方々に対しまして、専用の問合せ窓口を設置いたしまして対応しておりまして、また、外部専門事業者の皆様方と協同しながら徹底的なまず原因究明、これをする必要がございます。また、脆弱性の管理方法の見直し、また、外部からの接続方法の改善、こういったことがやはり不正な侵入を防ぐためには肝要だと思っております。また、もう1点、仮に侵入があった場合でも影響を最小限に食い止める、このための対策も強化をしまして、できる限り徹底的なセキュリティの強化、これについて尽力をしていきたいと思っております。

(問)先ほど冒頭のAIに絡む質問に重複しつつなのですけれども。改めて、今回、経済安保大臣が担ってきたAI戦略や科学技術政策を一元的にやられて担当範囲がかなり広がります。そうした中で、1つAIとデジタルというのは国益と経済安保と、あと産業を含めた経済成長、全てに直結するテーマだと思うのですけれども。弁護士、医師といろいろな御経験されていますけども、そういうバックグラウンドの御経験や強みを生かして、今後、特に個人的にどういうテーマに関心があって、どういう取組にまずより注力していきたいのか、その辺の現時点での考えみたいなところを。

(答)私自身はそういった研究の現場で今までやってきた人間ですので、特にAIのインパクトというのはものすごく感じています。私が今まで中心的にやらせていただいたことでCOVID-19の時の対応がございました。あのときは、もう研究者の間ではいうのですけども、まず全部の世界的な論文を毎朝チェックして、皆さんに発信をして、対応に生かしていただくということをずっとやり続けました。ものすごい数の論文です。ちょうど政治家として会合が暇になってしまって、それでできるようになりました。その時に時間を使ってやったのですけれども、その時にやはり今各国でAIを使って技術進展、このCOVIDの間でも各国ものすごく投資をしましたので、この間に進展したということがよく分かりまして、これが次の創薬等に非常にうまく使われているわけですね。その効果というのを目の当たりにしまして、今後、やはり各科学技術の分野、AI技術、デジタルはもちろんですけど、デジタルを推進するとともにAI、これがもちろん社会の維持、発展、ここは人口減少ですから我が国にとって非常に重要ですけれども、同時に、今、高市総理の大きな17の投資分野、これが強く豊かな日本を作っていくということでは、やはりこの科学技術を伸ばしてイノベーションを加速していくことが必要だと考えておりまして、その分野でもこのAI、そして同時に成長戦略の元である科学技術を一体的に推進するというのは非常に理にかなったことであると。先端分野も一括して私にやれという御指示を受けたと理解しておりますので、その意味では、今まで弁護士として様々な規制の改革というものもやってきましたし、法律というのは、やはりそのメリットとそれからリスクをどうバランスをしていくか、こういう観点から作られているものでございますから、その観点で今までの実務を生かして頑張っていきたい。同時に実践分野というところでございますと、AIの出口としては、極めて医療というのは非常に幅広いし、実験的にやってみるという意味では非常に導入がしやすい、成果が早くみやすいところでございますから、その意味で、今進めている医療DX、これを医療AXに、今世界的にも関心がございますけれども、そういったものにいくつかできればという思いは今持っております。その意味で、今までのバックグラウンド、医療の研究者並びに医師、そして弁護士として進めてきたことをここで、それは科学イノベーションの部分でありますけれども、そしてサイバー、デジタル、そしてAIをのせていくという意味では、できる限り今までの経験を生かせると認識しております。

(問)冒頭、フュージョンエネルギーの早期実現に向けて取組を推進するとおっしゃっていましたが、科学技術政策担当大臣として、フュージョンエネルギーや原子力の政策に関する課題認識と特に注力したい取組があれば、お聞かせください。

(答)フュージョンエネルギーは、やはりエネルギー問題と地球環境問題、これを同時に解決するだけではなくて、資源の偏在性、これに起因する問題を解消し、世界平和にも貢献できる、非常に極めて重要な夢のある技術だと考えております。政府としましては、昨年6月に改定いたしましたフュージョンエネルギー・イノベーション戦略に基づいて、内閣府を司令塔といたしまして関係の省庁が一丸となってフュージョンエネルギーの早期実現に向かって取組を推進していく、これが方針でございます。具体的には、本年の7月に策定いたしました官民投資ロードマップのもとに2030年代の発電実証を実現することで、競争力のあるフュージョンエネルギー発電システムの世界に先駆けた開発を目指していきたいと考えております。

(問)宇宙分野でお尋ねがございます。高市総理から、来年の宇宙基本計画の改定が指示されているかと思います。人材確保や業務が拡大しているJAXAの体制のあり方などの課題が指摘されていますが、宇宙政策担当大臣として、今後重点的に議論していきたいポイントがあればお聞かせください。

(答)宇宙というのは、既に日常生活、あるいは経済活動、安全保障で非常に重要な国家インフラとなっておりまして、日本成長戦略におきましても戦略17分野の1つに位置づけられる非常に重要な分野であると認識をしております。宇宙政策の担当大臣として、宇宙における日本の国際競争力の強化、これが重要でございまして、まず宇宙基本計画の改定、これをしなければいけませんので、まずこれに向けた議論を加速化していくこと、そして宇宙戦略基金などの宇宙関係予算、これを確保していくこと、同時に宇宙開発戦略推進事務局における司令塔機能の強化、これ非常に重要だと思っております。我が国の宇宙活動の自立性を、これを維持強化していくためには宇宙先進国の一角として世界をリードしていくため、官民の力を結集しながら、引き続き宇宙政策を力強く推進をしていきたいと考えております。

(問)医療等情報の利活用について検討会が進んでいるかと思うのですけども、今、取りまとめ間近ですけども、法制化に向けたスケジュールがどうなっているのか。また、一方で、今年の4月にUKバイオバンクで提供情報の不正利用が発覚しました。今後検討する法案では、医療等情報の不正利用とか漏洩などに対しての罰則などは検討されているのでしょうか。

(答)医療情報の利活用、これは医薬品や医療機器の開発におきまして極めて重要だと思っておりまして、この医療情報の利活用をさらに円滑にするための法制度の枠組み、これは検討会を作って、次世代医療基盤法の改正を視野に入れて今議論を進めているという状況でございます。できれば今月中に取りまとめに向けて今議論を行っておりますから、来年の通常国会を目指して取りまとめをしていくということでございます。患者の権利、利益を保護した上で、治療のために得た医療情報というものが2次利用で適切に活用されて、そして成果としてそれが国民に還元されていく。今、不正情報に対してどのように対応していくかという御質問もございましたけれど、今でも次世代医療基盤法の中でそうした認定事業者は、非常に厳しい環境のチェックのもとにやっておりますので、あわせて、今UKバイオバンクの事例のお話がございました、そういったものも含めて検討がなされているものと考えております。

(問)もともと大学の現場にいた先生として、今回文科省は科研費倍増だとか、運営費交付金大幅増の概算要求をしていますけども、これで十分なのか、研究現場を活性化させるためにどうしたらいいのか、大臣のお考えを教えてください。

(答)やはり1つ私が今考えておりますのは、特に研究現場ということで申し上げますと、私の今までの個人の経験に基づいてでありますと、やはり正直申し上げますと、今まで大学の人は大学に残ろうとする、あるいは国研の研究機関だとずっとそこにいると。民間企業ですとずっと民間企業にいるというのが、各国と比べた場合に非常に人材交流が進んでいないと、これはかなり問題。今の、例えばポスドク問題なども、皆さんなぜか研究者を目指すと、本当は非常にバラ色といいますか自分が活躍できてより実業という分野で活躍できる、そういう道があるのに、そこを逆に言うと知らずにやっているような方々もいらっしゃいましたので、私としましては、大学そして国研、民間というものがより各国と同じぐらい人材交流が研究者の間でなされていくと、これをまず1つ目指していきたいなと考えております。その意味で、今まで研究メンバー、なかなか日本はそこの、今、少しずつ競争力も落ちているし、論文誌も出てないとずっと言われてきておりますけど、ここはお金はもちろんそれは投資重要ですけれども、ここにはおそらく財源ということでリミットもありますから、これをなるべく研究者のモチベーションを高めながら、それを運用していくような、実用化によって研究者というものが豊かに、さらにその研究のための資財を得ていくような、そういった環境を、これがイノベーションエコシステムでありますから、作るべく努力をしていきたいと思っております。

(問)2点、教えてください。1点目が、大臣は参議院議員のため首相アンケートは実施されていなかったと思いますけども、今回、大臣就任はいつ頃に打診があって、率直にそれを受けた時はどう思われたでしょうかというのが1点目です。

(答)参議院はアンケートはやっておりません。打診というものは前日に高市総理からお話をいただきました。明日きちんとモーニングを用意してくるようにという御指示でございました。実は、所管は、所掌は、1時に、昨日その直前まで知りませんでした。その場にいた皆さん、どれが所掌なのだろうという、そこの中で話題にしていましたので、それが事実でございます。

(問)2点目で、先ほどもお話ありましたけども、弁護士や医師というバックグラウンドをお持ちでいらっしゃっていて、改めて、大臣にデジタル大臣の職が任されたというのはどういう意味合いがあるとか、何が期待されていると思われていらっしゃるのか教えてください。

(答)今出てきていらっしゃる閣僚の皆さん、新任も含めてですけども、理系の方は極めて少ないということだと思っております。高市総理、今サイバーセキュリティあるいはAIというものについて非常に思いが強いと理解をしておりまして、今までのバックグラウンドを生かして、この分野一番重要だからやりなさいと、こういう命題をいただいたと理解をしております。できる限りの努力をしていきたいと思っています。

(以上)