松本大臣記者会見(令和8年7月31日)
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松本デジタル大臣記者会見要旨
(令和8年7月31日(金) 10時43分から11時5分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)
1. 発言要旨
まず、令和8年熊本地震に係る対応についてでございます。7月28日に発生しました令和8年熊本地震。まずは、お亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を表したいと思います。お悔やみ申し上げます。また、被災に遭われた皆様には心よりお見舞いを申し上げたいと思います。今、被災地において救援活動、復旧活動に尽力されているすべての方々に深く敬意を表したいと思います。
デジタル庁では、災害発生直後にデジタル庁災害対策本部を設置しました。所管する政府情報システムについて、優先的に安定稼働を確保すべき重要システムを中心として稼働状況を確認しました。現在のところ、ガバメントソリューションサービス(GSS)の被災地周辺の1拠点で障害が発生しているほかは、正常に稼働しております。
マイナポータルなど国民向けサービスへの影響はありませんので、被災された皆様におかれましては、対応している自治体において、マイナンバーカードを活用していただくことでマイナポータルからの罹災証明書、これがこれから被災された方には重要なポイントになると思いますが、この罹災証明書のオンライン申請をはじめ、避難先等からでも各種行政手続を行うことが可能であります。
また、7月29日には、昨年8月に創設しました官民連携の災害派遣デジタル支援チーム「D-CERT」、これの先遣班として5名の職員、これはデジタル庁の職員2名、それから民間から3名でございますが、熊本県庁に派遣いたしました。被災地へのD-CERTの派遣は初めてとなりますが、現地での被災状況、そしてデジタル支援ニーズに関する情報収集を開始しており、地元の被災自治体のご要望を丁寧に伺いながら、必要な支援を進めてまいります。
さらに、被災自治体等における災害対応業務の負担軽減に資するため、政府職員向け生成AIである「ガバメントAI源内」を緊急に無償提供することといたしました。この源内の活用を通じて、災害情報の調査・整理・分析や住民支援に関する各種業務の効率化を支援していきたいと思っております。昨日19時の時点では、熊本県内の3つの被災自治体から源内の利用希望が寄せられ、また、災害支援を行う他の自治体からも利用に関する相談が寄せられているところで、デジタル庁としては順次対応しているところであります。
引き続き、デジタル庁としては、所管する政府情報システムの安定稼働に努めること、そして、被災地の早い復旧・復興に向けて、デジタル面で支援できることは最大限やっていく所存でございます。
2点目です。昨日の閣議におきまして、「令和9年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針」が了解されました。これに関して、国家公務員制度担当大臣として発言をしましたので報告いたします。
具体的には、機構、定員及び級別定数に関する要求については、総理決定をしました「令和9年度人件費予算の配分の方針」に沿って、適切にご対応いただくこと。人手不足が深刻化する中、必要な行政サービスを確実に提供できるよう、AXを始めとする行政DXを推進すること。内閣の重要政策に迅速かつ的確に対応するための体制整備について要求の重点化を図ることについて各大臣に要請をしたところでございます。
また、今回同方針の前提となります「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」等の一部を変更いたしました。これによって、柔軟な組織再編が可能であることを明確化し、政策目的に応じた効果的な体制整備に資するものと考えております。
3つ目になります。昨日、行政改革推進会議が持ち回りで開催されました。「経済財政運営と改革の基本方針2026」に基づき、今後の基金への予算措置について、長期投資に必要な予見可能性と柔軟で効率的な資金管理を両立させる観点から、いわゆる「三年ルール」を適用しないこととするとしました。また、執行段階における政策・投資効果の最大化のための実行性ある仕組みを構築することといたしました。
閣議では、行政担当大臣として、私から各大臣に対して、概算要求にあたっては、補助金等の見直しの取組の一環として実施していただいた、自己点検の結果を踏まえた検討を行い、要求段階から査定段階まで一貫した見直しに取り組むとともに、先ほど申し上げました基金ルールの見直しについても踏まえていただけるよう要請をしたところでございます。
引き続き、高市政権の「責任ある積極財政」の推進に一層寄与できるように対応していきたいと思っております。
4点目になります。サイバー安全保障担当大臣として、サイバーセキュリティ戦略本部の開催が先程官邸で行われました。
第6回の会合ということでございます。ここではサイバーセキュリティ2026、重要インフラ統一基準等、脅威ハンティングに係る基本方針、サイバーセキュリティ関係施策に関する令和9年度予算重点化方針、そしてサイバーセキュリティ対策推進会議の構成員の変更について決定されました。また、重要インフラ統一基準については、本日の決定を受けて、来週、詳細を記載しましたガイドラインのパブリックコメントを予定しているところでございます。
総理からは、AIの高度化への対応の一層の強化、本年10月1日の施行に向けたサイバー対処能力強化法等に基づく取組の加速、そして日本成長戦略の前提でもある社会全体のレジリエンス強化、以上3点について、私を含め関係大臣への指示があったところであります。
総理指示を踏まえまして、あらゆるサイバー脅威に切れ目なく対応できるよう、取組の不断の強化と見直しを行い、世界最高水準の強靭さの確保に向けて、引き続き、政府一丸となって取り組んでまいります。
5点目です。今年度新たに行う医療DXのモデル事業の取組についてお知らせします。
デジタル庁では、医療DXの全国展開を見据えて、モデル地域で医療DXの各種取組を総合的に実施する実証事業を行います。
先月まで事業者を公募しておりましたが、石川県・能登地域をモデル地域とする提案を採択し、今月から事業を開始することとしました。
具体的には、電子カルテにある患者の検査結果などの医療情報をスムーズに共有し、病病連携・病診連携に役立てるサービス。住民の皆さんが自身の医療情報をいつでも簡便に確認し日々の健康管理に利用するためのスマートフォン用アプリ。医療機関の業務効率化や医療の質向上のためのAIの活用、この3点について国で整備しました情報基盤を活用しながら、能登地方で点から線へ、線から面を作り出して全国への普及に向けた実証を行う予定をしております。
昨日、山野石川県知事が上京されました機会に私の元にお越しいただきました。石川県としても本事業に協力したいとのお話をいただいたところでございます。デジタル庁としては、石川県をはじめとした現地の関係者と緊密に連絡しまして、本事業が医療DXの全国展開における確かな布石となるように、医療DXというのは実際どんな姿をしているのかということが他の地域の国民の皆さんにも示すことができるような、こういう事業として進めてまいりたいと思っています。
6点目になります。来週8月3日から5日の日程で、シンガポールを、私、訪問致します。これは、サイバー安全保障担当大臣としての訪問となります。
シンガポールは、サイバーセキュリティ分野、デジタル分野における重要な我が国のパートナーでございまして、また、本年、日・シンガポール外交関係樹立60周年でもあります。本年3月に高市総理とウォン首相との間で合意しました両国間の戦略的パートナーシップでは、サイバーを含む「デジタル化と技術」が優先協力分野の一つに特定されています。
これらを進展させるため、今回の出張では、ジョセフィン・テオ・デジタル開発・情報大臣と会談をいたします。
また、両国2国間のサイバー分野、デジタル分野双方における取組を進展させるため、デジタル庁とシンガポール政府技術庁との間の協力覚書、MoCの締結のための署名式を執り行う予定としております。
7点目でございます。デジタル人材の育成に関する政府全体での取組について報告となります。
現在、デジタル人材の育成については、2022年度から26年度までの5年間で230万人を育成することを目標としておりましたが、配布の資料の通り、累計で、25年度末で244万人の育成となりました。目標を前倒しで達成することができたということでございます。
今後、2027年度以降の政府目標について、本年夏を目途にデジタル庁に有識者会議を設置いたします。本年度内を目途にして一定の結論を取りまとめて次の目標を立てていきたいと思っているところでございます。次は単なる数字だけにとどまらず、どこにどんな人材が必要かといった、もう少し突っ込んだ目標を立てるように、私からも指示をしているところでございます。
8つ目になります。本年度から運用を開始しました「デジタル大臣奨励賞」について、第1号となる授与案件を決定いたしました。
デジタル大臣奨励賞は、学生向けのハッカソン等の行事において優秀な成績を修めた方に対して、その成果を称えて、更なる活躍を奨励することを目標に本年3月に創設いたしました。
この第1案件として、8月7日に開催されます「教育AIサミット2026」の中で、高校生等の参加者が生成AIを活用した課題解決のアイデアを発表する「U-18 AIチャンピオンシップ」において、主催団体からの申請を受けて、奨励賞を交付することとしました。当日の審査結果に基づき、最優秀者に対してデジタル大臣奨励賞を授与することとなります。
私も都合がつけば当日の表彰式には、是非参加したいと思っております。
こういった取組がデジタル人材育成に向けた民間団体等による学生向け大会の開催を後押しし、また、その先に将来につながった優秀な人材を確保することにつながることを期待しております。
最後になります。本日の閣議で、デジタル庁幹部人事の承認をいただきましたので報告します。統括官の三浦明が厚生労働省、荻原直彦が総務省にそれぞれ出向し、三浦の後任には統括官の楠正憲を、楠の後任には審議官の三橋一彦を、荻原の後任には審議官の井幡晃三をそれぞれあてることとしました。なお、デジタル審議官の冨安泰一郎、及び統括官の蓮井智哉は留任となります。発令日はいずれも令和8年8月4日となります。
2. 質疑応答
(問)源内の提供のことでお伺いします。今のところ3の自治体ということですけど、どこかご教示いただけるのでしょうか。
(答)熊本市、そして上天草市、そして山都町の3つの自治体となります。
(問)デジタル庁としてどういう目的で、災害対応とは分かるのですけど、詳細にどういう利用をしているかまでは把握はできないのでしょうか。
(答)我々としては、いろいろな被災状況によって、いろいろな行政サービスを継続していくための支援ツールとして使っていただければ良いと思います。ただ、例えば法制度はどうなっているかの確認であるとか、それから先ほども申し上げましたが、罹災に関するいろいろな業務もあると思います。また、外国の方がいらっしゃった場合、翻訳機能とかいろいろな使い方があると思うので、これは実際に被災をしてみないと分からない部分というのは多々あると思います。ですから、そういった時に、今D-CERTがいますので、デジタル庁にも直接連絡をしてD-CERTに見てもらっても良いと思います。いろいろなやり方がありますので、こういったものをどのように使えるかということを現地でどんどんアイデアを出して使っていただければと思っています。せっかく我々が持っているツールですから、こういった事態に1人でも人手が多くなればいいのですけれども、そういった人手代わりにAIを使っていくということも総論的には考えていいかなと思っています。
(問)加えまして、発災直後であることと、あと源内の稼働開始が直近だったということもあるのかと思いますが、熊本県内45自治体がある中で3自治体というと、もう少しこれから広がってもいいのかなと思いますが、現時点で広げる上での課題とか、見えているものがあれば教えてください。
(答)私はDMATの創設から関わっているのですけど、最初はやはり国の方でこういうサービス、ある意味DMATもサービスですけど、提供しますと言っても、実際に現場に行くとまだ理解をしていない人たちがたくさんいて、これは僕も経験しました。こちらは行くぞと言って行っても何しに来たのですか、あなたたち何者ですかという時期がやはりありました。そういった後にいろいろな災害の現場とか、あるいは研修とかも通じながらどんどん理解を深めていくことが必要で、D-CERTもその1つだろうと思います。今回は初めて被災地に行っているわけですから、なかなか向こうでのニーズを掘り起こしに行かなければいけないし、そういった経験が積み重なってくれば、今度は向こうから要求が来るようになる可能性も当然あると思います。源内の使い方も同じだと思います。ですから、今回どの程度こういったものが使ってもらえるかということはまだまだ未知数だと思いますけれども、そういった知識、経験を積み重ねて次に備えていくということも重要なことだと我々は考えています。今、目の前の被災状況については、今我々が持てるリソースを最大限にある意味使ってほしいということをアピールしながら、我々の経験値も増やしていく。そして現場の支援もしていくというような、そういう見方をしていただければと思います。
(問)地震対応について伺いたいのですけれども。冒頭、大臣からご紹介ありましたけれども、マイナポータルからのオンラインでの罹災証明書についてですけれども、これ能登の地震だったりとかでもかなり利用された方もいらっしゃったかと思うのですけど、今回も熊本関連で既に申請が来ているのか、ある場合件数がどのくらいなのかが現時点でありましたら。
(答)現状、まだマイナポータルがどれぐらい、普段どれぐらい使われているかはモニタリングできますが、その中の被災地からどれくらいかというのは数字としてはなかなか取り出せないので、これはおそらく、ある意味ひと段落がついた時点で、どれくらいの利用者があったかということは検証をする必要はあると思いますが、現時点では把握はできていません。
(問)話題変わりまして、今朝、官邸でサイバーセキュリティ戦略本部を開かれたかと思うのですけれども、こちら基本方針の中で脅威ハンティングと呼ばれる手法の活用が入っているかと思いますけれども、こちらを今回基本方針に盛り込んだ理由について、大臣のお考え伺えましたらお願いいたします。
(答)守るということが基準ですけども、重要インフラに対してどうやって守るかということを教えていかなければいけないし、守り方の中に脅威ハンティングというのは当然あって、しかも、その占める割合というのは多いわけです。ですから、ここを脅威ハンティングというところを1つ大きく取り出して、基本方針としたというそういう理解でよろしいのではないかと思います。脅威ハンティングだけが守るわけではないですけども、やはり積極的に守りに行こうと思うと、どういった脅威があるかということをきちんと探しに行かなければいけませんから、これについては守り方の大きな柱の1つとして基本方針に入れたということでございます。
(以上)