松本大臣記者会見(令和8年7月21日)
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松本デジタル大臣記者会見要旨
(令和8年7月21日(火) 9時50分から10時13分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)
1. 発言要旨
「デジタル社会の実現に向けた重点計画」、本日の閣議において、これの変更の決定がなされました。
我が国は、医療、運送など生活を支える多くの業種で深刻な人手不足になっています。AIエージェントなどAI技術が急速に進展して、社会のあらゆる領域にものすごい勢いで入り込んできていて、人手不足とAIやAIエージェントの進展とがうまく噛み合わさると新しい社会の有り様というのが出てくるだろうと思っています。そういったことを見据えながら重点計画を今回変更したということでございます。同時に、また、そういったサイバー攻撃に対する防御というのもやっていかなければいけませんので、そういった内容を、今回この重点計画の変更点として入れ込ませていただいたわけでございます。
大きく分けると4つ柱をつけました。まず、国のAX/DX基盤の高度化、強靭化ということで、政府におけるAX/DXを進めることを、まず挙げました。「源内」を使って業務の効率化、まずは、とにかく政府が率先してこのAX/DXを進めるという意味では、これを進めていきたいと思います。同時に、公正、公平、迅速な給付、これが可能なインフラを作っていくというのも、このデジタル社会の中では極めて重要だと思っています。社会保障国民会議の議論の中でも、きめ細やかな給付というのを2年後にスタートするという計画というか、意見、案が出されているところです。これはまだ決定をしているわけではございませんけれども、国民の皆さんに迅速に、公平に給付が行われるインフラの仕組み、これをデジタルを使ってしっかりやっていくということは、これはデジタル庁としては、非常に重要なこれからの仕事になると思います。具体的には、マイナンバーと、それから公金受取口座の紐付けをやっていかなければいけません。まだ国民の半分ですから。それから、国が給付するためのADAMSというシステムの改修をしなければいけませんし、地方自治体が持っている様々なデータ、特にいわゆる課税のデータ、税金のデータというのを国と紐付けるためのネットワークシステムを作り上げていくことも重要です。この3点を中心として、公平、公正な、迅速な給付に向けてデジタル庁としても作業を進めていきたいと思っております。それから、自治体が更にAX/DXを進める基盤を作っていかなければなりません。AIエージェントを利用した自立型、提案型の行政サービスができるように、この計画の中でも1つ柱を立てて書いてあるということでございます。3つ目が国民の暮らしのAX/DXの推進ということです。マイナンバーカードの普及も、当然、今まで通り更に加速していくことになりますけれども、その他準公共サービスとして、医療DX、あるいは自動運転、教育DX、こういったものを優先的に進めていかなければいけないと思います。医療DXはかねてより作業を進めているところでございますのでいいのですけど、E2Eなど自動運転の社会実装をとにかく早く進めていくということです。特に、公共のバス、タクシーなどの、あるいは物流などのところ人手不足が強いですので、そこが先になると思いますけれども、そういったところに自動運転を従来のモジュール型のAIを使った自動運転、あるいはE2Eを使ったもの、こういったものを早く社会実装をしていくための制度的な問題、技術的な問題、そういったものを早く解決するための計画変更というような位置付けでございます。それから教育DXについても子どもたちが使うよう、教育現場で使うAI、これを早く国産のAIを使って、それを学んでいくような状況にしていきたいと思っています。4つ目がAX/DXの徹底的推進による経済成長の加速でございまして、特に大規模言語モデルとか、あるいはクラウドとか、あるいはバーティカル、フィジカルAIだとか、そういったものをいかに国産にしていくかということに少し注力をしなければいけないと思っております。また、特定の国に依存しないようなAI等々の環境を作っていかなければいけませんから、我が国が率先して国際戦略の中で自由なデータ移動、DFFTだとか、あるいは個人情報保護、PETsの技術の推進など、あるいはガバメントAIの国際展開とか、そういった我が国が今少し強みを持っているところを国際戦略のある意味ツールとして使っていくことも大事だと思います。
最後に、これらを横串で通すようにサイバーセキュリティを強化するということは当然でございまして、高性能のAIを重層的に使いながらサイバーセキュリティを高めていくことと同時に、それらを操っていく人材の確保というものが必要になりますから、人材の育成を官民協力しながら進めていく、あるいは教育の面において、これからの人材を育て上げていく、短期と中長期的に少し分けながら人材育成を進めていくことが求められる。こういった個別の政策が今回の重点の変更の中に入っているということでございます。
引き続き、デジタル庁としては、それらを先頭に立って進めていくという非常に強い決意で今回の計画変更をさせていただいたわけでございます。
2点目です。「令和8年度デジタル改革共創プラットフォーム アンバサダー就任式」を行います。
デジタル庁では、デジタル改革共創プラットフォーム、共創PFと呼んでいますが、これを運営しています。何かといえば、地方公共団体と政府の職員が役割とか組織を超えて、行政のデジタル化等々について意見交換を常に行うものでございまして、現在、全国の地方公共団体のうち8割以上の団体がこのプラットフォームに参加をしている状態です。「実務者たちの知恵が結集した場」ということでございます。
この中で、地方のデジタル化に個人的に非常に貢献して周りを牽引していただいている地方公共団体の職員の方々を、この共創プラットフォームのアンバサダーとして委嘱して、政府、そして地方が一緒になって開催する勉強会などに登壇してもらったり、細かくいろいろな個人を指導いただいたりするというような活動をしていただいているわけです。この度、7月22日(水)に令和8年度の共創プラットフォームアンバサダーの就任式を行うことになりました。私も出席させていただきます。
今回は、北海道から沖縄まで幅広く12名を新たに選定しました。得意分野がありますね。DX推進、マイナンバー、あるいは生成AIの利活用、いろいろな得意分野がそれぞれあるので、そういった人たちを12名新しく選ばせていただいたことになります。出身母体は政令市から町まで、所属組織の規模も多様であります。おそらく大きな町の人は大きな町のことが分かるし、小さな町のところは小さな町の人がよく分かるというようなこともあると思いますから、多様なメンバーを選んで、それぞれの強みや特徴を活かしながらデジタル化を進める旗振り役となっていただきたいと思っております。
2. 質疑応答
(問)マイナンバーカードの普及、促進について伺います。自民党の提言では、マイナカードの罰則なしの取得義務化の検討が盛り込まれていましたが、今回決定した重点計画で義務化の記載を見送った理由を教えてください。また、今後、取得義務化の検討を政府として進めるお考えはあるのか、大臣のご見解をお願いします。
(答)ご指摘のとおり、自民党の提言、デジタル・ニッポン2026の中では、デジタルの恩恵を全ての国民が感じることができる社会を目指すべきと、その上でマイナンバーカードの社会実装の進展状況を踏まえつつ、法的にカード取得を義務付ける必要性や実効性を検討すべきというような内容でございました。党からのご意見というのは、我々としても重要なものと受け止めております。その上で、我々としては、今回、重点計画の中には義務化の話は入れなかったのですけども、その理由というか我々としての現状の考え方としては、通告がありましたので準備をさせていただきましたが、マイナンバーカードの保有状況が、一番端が令和3年3月で、これが今年度、令和8年の6月ですから先月までなのですけれども、大方順調に緩やかな右肩上がりの傾向というのはずっと続いているのですね。ポイントを付けてみんな持ってねとやったのはこの時期なのですけど、ポイントを付けなくてもその後ずっとこのように順調に増えてきている。既に1億人を超える方が保有していて国民全体の83.4%にまでなっているということです。これはただ持っているだけではなくて、デジタル庁としてはマイナンバーカードをどんなところに利用できるかという利用シーンの拡大をどんどん今やっているところで、そういったことも影響しているのだろうと思っています。特に、スマートフォン搭載を更に進めようと、今年おそらくAndroidが使えるようになると思いますが、そういったことになりますと、ますます利用シーンの拡大に貢献していくと思いますから、その時点で社会実装の進展状況を踏まえつつというデジタル・ニッポンに書いてあるところは確実に進んでいるので、少なくとも今現在、今までやってきたマイナンバーカードの信頼を維持できるということ、そしてこの傾向が順調に右肩上がりになっているということを踏まえれば、今現在すぐに義務化するというところには至らなかったという説明になるかなと思っています。いずれにしても、我々としては最初から義務化せずに、みんなできちんと持ってもらおうねという非常にソフトな進め方をしているので、時間がかかっているのは否めないのですけれども、ここまで来ましたからあと少しという状況になっていますし、できるだけ利用シーンの拡大をしていく中で国民全員が、全員までいけるか、大変なことだと思うのですけども、そこを目指して進めていくのが、今適切ではないかと考えているところでございます。
(問)今の質問の関連ですが、17日の会議の、会議名出てこないのですけど、マイナンバーの普及促進の会議の議事録を見ると、持って無い人の中で一番多い理由は、特に無い、という理由だったと思うのですけど。そうするとここからの普及、促進というと、理由無いというところにどうやって攻めていくのかというのがちょっと分からないのですけど、基本的な考え方を教えてください。
(答)はい、今まで持たない理由というのは、持って落としたりすると個人のいろいろなことが人に分かってしまうのではないかということがよく言われていましたよね。我々としては、かねてより、あの中にいろいろな情報が全部入っていて、それがすぐ人に分かってしまうようなことではないのだと、本人確認がきちんとできるためのカードであって、あのチップからいろいろな情報が結びついている、銀行なりどこなりというところには、すぐには情報がとられないようになっているのだということを、再三説明をしていく中で、最近では、特に無いが増えたのだろうと、僕はそういうように理解をしています。特に無いということは、持っている、持っていた時のメリットというのは無いよねといったところに多分言い換えられると思うのですよね。ですから、繰り返しになるかも分からないですけど、いかに利用シーンを増やしていくかというところが一番大事なのだと思います。それとあともう1つは、カードがいろいろな決済とかに使えると便利になるのですよね。ところが決済カードというのは、また別個に世の中たくさん出回っているわけで、そことうまく紐付けられないかみたいな議論はいつも大臣室の中では結構やっているのですけど、なかなかそこはいいアイディアが出ないと思ったりとか、とにかくカードを持っていることの便利さというのが、これからどれぐらい広がるかによって、特に無いを減らせるかどうかにかかっているのではないかと、僕なりにはそう理解をしています。
(問)先週、冷凍食品大手のニチレイグループがサイバー攻撃を受けて商品の入出庫や出荷が止まるということがあり、17日から一部業務を再開し、今週通常稼働を再開したいというふうにしています。この件に関する所感をお伺いしたいことと、今日の重点計画の変更にサイバーセキュリティが盛り込まれていると思うのですが、こういったことにどうやって対応していくのかという、その基本的な考え方をお伺いしたい。あと、こんなところまでデジタル技術が入ってくるのだなと驚きがあったので、そういうところにデジタル技術を噛ませないことはできないと思うのですけど、企業はどのように対応していくのか。セキュリティの規格化とか、標準化といったものが多分盛り込まれていると思うのですけれども、どのように対応していくのか。
(答)ニチレイの件は十分我々も承知をしているのですけれども。大事なことは、まず、これはどこの企業も一緒で、ニチレイみたいな大きな企業であれ、町中の小さな中小企業であれ、システムのバックアップを常に取っておいて新しいものに更新しておくということが大事ではないですか。そういった当たり前に、普通にできることをきちんとやっておけば、仮に攻撃を受けたとしてもその被害は最小限にとどめることができると思うのです。絶対100%防御するのだということが可能な時代ではもう既になくなっていて、どこかそこかの穴を使って侵入されることはもうこの時代、当然あるよねということを前提にスタートしなければいけないと思います。そのためには、今言ったように普段できることをきちんとやっておく。これはね、BCPなのです。Business Continuity Planというのが、各企業きちんとできているかどうかでかなり違うと思います。聞くところによると、ニチレイはそれが非常に今回機能したのではないか。したがって被害も、被害というか元に戻ることがかなり早くできた、できるのだというお話は伝わってきています。そういったことをやはり我々としては粘り強く各企業に言っていかなければいけないと思います。また、政府としては、特に重要インフラ、基幹インフラの下に重要インフラが大体2万社ぐらいあるのですけど、そういった重要インフラのところには、いわゆる統一基準というものを作らせていただいて、これを1つの目安にしてサイバー防御を進めていただくという方針にしておりますので、これをきっちりと広めていく、これが大事なことではないかなと思っています。
(問)今回の関係で大臣のお考えをお伺いしたいのですけども、前年度まであったWeb3.0とかメタバースが消えて、今回AIソブリンティとか新しい言葉が入っている。この狙いについて、もし大臣のお考えを反映したものがあればお伺いできないでしょうか。
(答)やはりAIの話というのは、この1年ぐらいで全然違っているのですよね。いくつかの会議とか、あるいはざっくばらんな雑談の中で、僕デジタル庁に来たのは去年の秋からですから、1年前にこんな話していたかという質問をよくするのですけど、していませんでしたというのはかなり多いのですよ。ということは、たった1年で我々の取り巻く環境ががらっと変わってしまっているのですね。AIの進展があまりにも早いから。ですから、今回も重点計画を今の時期に変更した、AI基本計画、あれも改定しましたよね、わずかの時間に。そうしていかないと間に合わないのですよね。ですので、今回は、Web3.0だとかなんだとかという話を今までずっとしてきたのですけど、まずそういったものを守るためのサイバー防御だとか、そういったものを更に前に進めるための、あるいはその他の今我々が社会課題としているような人手不足の問題だとか、そういったものを前に更に進めるためには、この重点計画を今改定して、そこにフォーカスを当てないともうついていけませんということだと思います。この後で、また夏にでも見に行きたいと思っていますけれども、アメリカなどの自動運転がどのように進んでいるかとか、いろいろなものがあると思うのですよね。そういったものを横目で見ていると、我が国の進み方はこのスピードで本当に間に合うのかと、世界に伍していけるのかと考えたら、やはりそこに相当今から注力して、ヒト・モノ・カネを集中しないといけないだろうということだと思います。もう既に産業革命が起こっていると、乗り遅れてしまえば、今までの産業革命に乗り遅れた国が、例えば第1次産業革命なんか典型だと思いますが、乗り遅れた国がどうなったかを考えたら、今我々がそれに乗り遅れるわけにはいかないだろう、ということを国を挙げてやらなければいけないという思いが今回の重点計画に込められているということだと思います。
(以上)