松本大臣記者会見(令和8年4月7日)

松本デジタル大臣記者会見要旨

(令和8年4月7日(火) 9時9分から9時32分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)

1. 発言要旨

まず1件目です。昨日、参議院の予算委員会で、総理が、給付付き税額控除の検討が進められる中で必要な取組として何ができるかということで、更に議論が深まると思います、松本デジタル大臣もおりますので、しっかりと検討を進めさせます、というご発言がございました。それを受けまして、デジタル庁からも今回「公金受取口座登録制度」と、それから「預貯金口座付番制度」について、改めて周知しておこうと思います。結論から言うと、給付付き税額控除については、まだ議論の真っ最中ですから、それと紐付けた話ではなくて、今ある登録制度と付番制度についての周知を改めてやりましょうということでございます。
「公金受取口座登録制度」というのは、マイナンバーとともにデジタル庁に口座番号を登録いただけますと、給付金等の受取手続きの時に、申請書に口座情報を記載してまた自治体に返すとか、あるいは、通帳の写しを添付して出すとか、そういうことが不要になります。行政機関側としても口座情報、誰がどんな口座を持っているか確認する必要がなくなりますから、非常にスムーズに給付金を給付、あるいは受取りができるということでございます。これは既に、昨日も総理がお話しになりました国民の半数、正確には51%ですが、登録をいただいておりますが、まだ半分ですので、是非これについては国民の皆さんにもマイナンバーと、それから公金受取口座の紐付け、これを是非やっておいていただきたいなと思います。年齢層でいくと、比較的成人については大体50%前後のところで、特段若い人が多い少ない、お年寄りの方が多い少ないという話ではないのですが、小さなお子さんのマイナンバーと口座の紐付けがまだ率としては少なくなっておりますので、これは例えば出生の時に作るとか、それが1番良いのですけれども、あるいは幼稚園に入った時に記念に作るとか、いろいろあると思うんですね。ですから、節目の時に作っていただいてもいいかと思いますけれども、是非、公金受取口座登録制度というのは前に進めていきたいと思っています。
それから「預貯金口座付番制度」というのは、国民の皆さんの意思に基づいて、1人1人のご意思でもって金融機関にマイナンバーを届け出ていただきますと、預貯金口座にそれぞれ1人1人が持っている口座のところにその人のマイナンバーを付番していくということができるようになっています。これやっていただきますと、相続とか、あるいは災害の時に、どこにどんな口座があるかということがわかるということになります。例えば、災害の時に通帳とか全部無くして、どこの銀行にどれぐらいの口座、いくつの口座があるかというのが全くわからなくなるようなケースもあると思いますし、相続する時に亡くなられた人がどこにどんな口座を持っていたかわからない時に、亡くなられた人のマイナンバーを使えば、それがすぐに照会できるようになります。そうすると相続される方が非常に便利になると。総理はこれの時に非常に苦労したということを、ご自分の経験の中でおっしゃっていますけれども、そういったことができるようになりますので、預貯金の口座の所在の確認が可能になるという点で、非常に便利だと思いますから、これも国民の皆さんには、是非、口座付番というのをやっておいていただきたいなと思います。
ちなみにそれをやるからといって、これらのことで預貯金の残高が、誰がいくら持っているという話をすぐにわかるような話ではありませんので、そこは誤解の無きようお願いをしたいと思っているところです。昨日の総理の発言を受けまして、この公金受取口座登録制度と、それから預貯金口座付番制度、この2つございますので、是非、国民の皆さんにはご理解をいただいて、この制度を活用して、準備をしておいていただきたいなと思います。

2点目は、これは大事な話なのですが、デジタル行財政改革担当大臣、そして個人情報保護委員会に関する事務を担当する大臣として、お知らせをしたいと思います。まず、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案、長いのですが、いわゆる「デジタル行政推進法等改正案」と言いますけれども、これ及び、個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案、いわゆる「個人情報保護法等の改正案」、この2案が先ほど閣議決定をされたところでございます。
どんな内容だという話なのですけど、まず1番目の「デジタル行政推進法等改正案」については、民間事業者等が国等の保有するデータを活用した事業を行う場合の認定制度の創設等の措置を講ずるものということになります。言ってみれば、事業者が何かデータを活用したことをやろうとした時に、このデータを使うと個人情報保護法違反になるのではないかという心配がやはり常に付きまとうわけですね。そういった場合に、その事業そのものを認定するということで、そして場合によっては個人情報保護委員会に、これ大丈夫ですか、ということを確認しながら事業を進めることができるということです。認定しておけば安心してその事業を進められるということで、事業者にとっては非常にメリットのあるものだろうと思っています。
それから「個人情報保護法等の改正案」については、特に昨今AIにどんなデータを学習させるかというところが非常に大事になっていますから、この学習が滞るようなことがあっては我が国のAI開発、あるいは利活用に非常に大きな障害が生じますので、そうならないようにということも含めて、AI開発等を含む統計作成目的の取扱いの場合は、データを使う場合の本人の同意を不要とするという内容が1つあります。また、顔特徴のデータ、誰がどんな顔しているかみたいなデータですけど、あるいは子供の個人情報に係る規律を見直すということになりました。顔特徴データを使うという場合、そういったものに関しては、あらかじめきちんと使いますよということを周知しておくということが必要になりますし、子供の個人情報に関しての規律は、いろいろな子供のリスクが高まっていますので、例えば、意思決定が自分たちでできませんので、子供の場合は法定代理人をしっかり関わらせて、データの活用に役立てるというような内容になっております。もう1つは、課徴金制度を新しく導入することにしました。これはデータを悪用した場合に、この悪用した人たちが得た収入に相当する分だけを課徴金として課すということで、当然のことながら悪用できないような、そういう歯止めになるということを期待しているわけでございます。この2つの法案は、昨年6月に閣議決定されました「データ利活用制度の在り方に関する基本方針」に基づいて、データの利活用の需要、利活用したい側のことと、それから一方で個人情報の違法な取扱いによる権利利益侵害のリスク、これが当然高まるわけですから、両方に対応できるような、できる限り両方のバランスを取りながら、この両法律の改正案をこの度閣議決定して、審議に付するというものでございます。
世界で最もAIを開発・活用しやすい国にするために、データの信頼性とか、データの保護とか、そういったことをきちんと表に出しながらこの作業を進めていきたいと思っているわけでございます。

3点目は、デジタル庁のホームページの中でサイバーセキュリティ対策のページの更新をお知らせしたいと思います。新しく、マイナンバーカードやマイナポータルなどを安全に利用するための、セキュリティの基本習慣を紹介する動画でございます。
再三こういった場でもお話ししているのですけども、やはり国民の皆さん1人1人がデジタルを扱ったりする場合のセキュリティについての意識を高めていくということが必要だと思います。ですので、例えば、不正アクセスとかフィッシング詐欺に引っかかったりとか、あるいは個人情報がとられたりしないように、というような自分1人1人で皆さん防御してもらわなければいけないので、デジタル庁としては、そういったことをわかりやすく国民の皆さんに周知していかなければいけないと思っているので、この度10個のポイントをまとめて動画にしたものでございます。暗証番号やパスワードは誕生日や同じ数字の羅列などわかりやすいものは避ける。それから、アプリやOSは速やかにアップデートする。心当たりのないメールやSMSのリンクはクリックしない。そういったことのないようにしなければいけないと思っています。感染症対策と一緒で、前にもお話ししたと思いますが、コロナの時なんかみんなマスクをする、手洗いをする、うがいをする、あるいは換気をするとか、いろいろやったじゃないですか。あのような衛生観念を持つということはサイバーの、あるいはデジタルの世界でも非常に重要なことだと思いますので、ある意味、ハイジーン、衛生という言葉がありますけど、サイバーハイジーンということが今、世界でも結構だんだん広がりつつあるのですが、このサイバーハイジーンということを、是非、国民の皆さんにも知ってもらって、知るだけではなくて、実際に実行してもらうということが大事ではないかなと思っています。
ちなみに、今回公開する動画、QRコードを作りました。是非、私からのメッセージも入っておりますけれども、この動画を見ていただいて、広げていただきたいと思っております。記者の皆さんも記者会見終わったらすぐに見てください。2分間で見られます。よろしくお願いします。

2. 質疑応答

(問)先ほど冒頭でもご発言のあった個人情報保護法等の改正について伺います。改正案、本日閣議決定された案では25年3月時点の制度課題に対する考え方の中で、継続議論となっていた被害者救済のための団体訴訟の制度、こちら導入が見送られております。見送りとなった背景と今後の議論方針に関して、どのようにお考えになっているか教えてください。

(答)団体訴訟制度の導入が今回見送られたという内容でございますけれども、個人がより確実に救済を受けられる環境をまず整えていくということが必要で、その際、既存のいわゆる適格消費者団体の活用を念頭にしまして、この団体を通して、個人情報の取扱いに対する差止請求権を付与するとか、慰謝料等を一括して請求できるということを検討していたわけです。この件は非常に重要な件で長くいろいろと議論があったと承知をしておりますけれども、今回は、個人情報保護法というのは、まず個人の権利利益を保護するものという法律でございます。一方で、適格消費者団体が擁護する利益、擁護する対象というのは消費者なんですね。ですから、個人情報保護法という法律の趣旨に沿っていくと、そこに消費者というのが今度は入ってくる。消費者を対象として活動する適格消費者団体というのを、そこと入れ合わせることが、整合性がきちんと取れているのかという議論があったと承知をしています。そういった法律と団体との関係性というのは、もう少しきちんと整理する必要があるだろうということで、今回は見送られたということでございます。ただし、これは団体側の方も、是非そうして欲しいという意見もかなりあったと聞いておりますので、これで終わりというわけでは決してなくて、今後も違法な個人情報の取扱いのうち、どういったものが消費者団体訴訟制度の対象とするか、それが可能になるかどうかということは、もう少し丁寧に議論をしていく必要があるということで、今回導入を見送ったわけでございますけども、この先も議論を続けていく可能性は、否定はこの段階ではできないなと思っております。

(問)今、質問の中でも出ていた同じことなのですが、個人情報保護法などの改正案についてお伺いいたします。特に今回の個人情報保護法の改正案のところについて、改めて、どういった意義がある改正案になっているのかというのを教えていただければと思います。特に個人情報保護法の改正案については、要配慮個人情報の取得ですとか、第三者提供の際の個人情報の取扱いについて規制が一部緩和されるということが盛り込まれておりますので、今後、国会審議の中でこの個人情報の取扱いについて、懸念の声も出てくることが予想されると思います。どういうような形で説明していくのかも合わせてお伺いできればと思います。

(答)今回の改定にあたりましては、デジタル技術がものすごい勢いで進行していて、特にAI領域については、もう日進月歩の状態でございます。いかにAIにデータをたくさん、正確なデータですが、学習をさせるかということが我が国のAIの利活用、特に国産のAIを開発していく上では非常に重要なことになっていると思います。また、そういった問題が1番大きいのかなと思いますけれども、一方で、他の分野においては、例えば悪質なデータを集めて利用する、そういった事案というのも後を絶たないということもございますし、それから判断能力が十分でない子供の権利利益の保護、これもやらなければいけないということで、いろいろと案件があって、今回はそれを1つ1つ対応策として整理をして、今般の改正に至ったということでございます。先ほど申しましたように、AIを開発するためにはできる限りデータの利活用がやりやすいようにしましょうというような改正、一方で子供の個人情報の取扱いについて規律を整備したり、悪質な違反行為に対しては課徴金の制度を設けるなど、利活用を推進する部分と、一方で個人情報全体について厳しくしていくと、厳しくというかハードルを上げるというか、そういった部分とバランスを考慮しながら今回の改正が行われていると思っております。したがって、今回の意義としては、規律を緩めるばかりではなくて、締めるところはきちんと締めているということも両方見ながら、この法律の改正についてご理解をいただければなと思っております。

(以上)