松本大臣記者会見(令和8年3月6日)
- 最終更新日:
松本デジタル大臣記者会見要旨
(令和8年3月6日(月) 9時11分から9時41分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)
1. 発言要旨
まず、最初にガバメントAI「源内」の大規模実証事業の開始についてお話をします。まず、昨年12月にAI基本計画が閣議決定されています。AIの活用というものをまず政府から始めましょうということで、積極的に、あるいは先導的にAIを利活用するということとしております。デジタル庁では、これまでガバメントAIの取組の一環として、デジタル庁の全職員が利用できる生成AIの利用環境「源内」を内製してきたわけですけれども、この度5月より正式開始をしようということになりました。最終的には、全府省庁約18万人の政府職員が源内を通じて生成AIを利用できる環境を展開していく、その大規模実証事業を開始するということにしております。今日プレスリリースするということになりました。
少子化、高齢化でございますので、人手不足はよく言われている話ですが、この霞が関の中でも人手不足をいかにカバーしていくかということで、AIの利用をどんどん政府自ら先んじて進めて、最終的には民間のAI投資を喚起するとか、そういったところに繋げていきたいと思っているわけでございます。
重要なのは、単に政府内でAIを導入することが目的ではないということで、業務プロセス、働き方、そして組織文化の変革、こういったものを最終的には狙っていきたいと、そのために職員への周知、啓発、それから利活用の推進、リスク管理に係る適切な対応、こういったことを進めていきたいと思いますし、各府省庁のAI統括責任者、CAIOによるガバナンスも強化していきたいと思っています。そして何よりも幹部職員が率先して生成AIを使っていくということも重要だとしています。
この大規模実証事業をやって、フィードバックを踏まえてAIアプリの開発、強化も同時に進めていきたいと思いますし、それが国産AIモデルの活用、これに繋げていきたいと思っていますし、また、最近の流行りになってきているエージェントAI、これの導入にも繋げていきたいと思っています。
政府が率先してこの「信頼できるAI」というものを、国民の皆様にお見せしていくということを進めたいと思っています。
2点目はまたAIの話なのですけど、ガバメントAIで試用、試し使いですね、試用する国内大規模言語モデル、LLMの公募の結果についてお話をしたいと思います。昨年の12月から今年の1月末まで、国内企業が開発して提供するAIモデルを政府が積極的に利用しようということで、国内開発のAIモデルを公募してきたところでございます。おかげさまで15件の応募をいただきまして、厳正に審査をしました結果、7件を選定することとしました。7つの会社は、株式会社NTTデータ、カスタマークラウド株式会社、そしてKDDI株式会社と株式会社ELYZAの共同応募体、ソフトバンク株式会社、日本電気株式会社、富士通株式会社、それで最後に株式会社Preferred Networksの7社ということになります。本日、プレスリリースでも発表いたしますので、またご確認いただきたいと思います。
まずは、15件多くの応募いただきましたことに感謝を申し上げますとともに、国内でAI開発の活発さと、政府との連携に対する期待の高さということを感じたわけでございます。今後、国産のAIを開発していくにあたり、我々のガバメントAIがその闡明をつけていきたいと思っているのですけども、大事な重要な一歩だと思います。
これなぜ国産かというと、やはり特に日本語の語彙・表現にまず適合することが必要だ、そして日本の文化・価値観を尊重した国産のAIモデルを作るということは、行政の面においては1番親和性が高いと思いますし、信頼性も当然政府の使うAIですから高くなければいけませんし、国民の皆さんが1番信頼していただけるのは、やはり国産だろうと私個人的にも思いますので、そういう点でこの国産のAIをこれからどんどん使って育てていくということをしたいと思っております。
書類審査と評価テスト、非常に厳正に、私もその内容について詳細に説明を受けましたけど、非常に厳正な審査をした結果ということで、実用性と安全性については、我々としては十分高いレベルであると判断をしております。今後、令和8年度中に政府職員向けのガバメントAI「源内」の中で使ってもらって評価を実施して、更にこの適合性を高めていきたいと思っていますし、次々年度、令和9年度には、これらの評価結果を踏まえて、今度はいよいよ有償で、我々予算を取って、実際にもっと広く、長く使っていきたいと思っております。
こういったことが国産のAIモデルを活用して、育てて強化する、そしてそれがまた民間にも広がっていくように好循環を生み出すというところを狙っているので、デジタル庁としても引き続き力を入れていきたいと思っております。
3つ目です。「自動運転社会実装先行的事業化地域事業」の公募結果についての報告でございます。ありていに言うと自動運転レベル4の社会実装・事業化を早期に実現することを目的としたこの事業ですけども、公募をしておりました。10ヶ所程度ということで公募したのですけれども、本日それを公表したいと思います。
これはデジタル社会推進会議モビリティワーキンググループで昨年6月に策定した「モビリティ・ロードマップ2025」において決定したもので、令和9年度を目途に自動運転レベル4による事業化を実現する地域を選定し、関係府省庁の施策を集中的に投入する、我々デジタル庁はそれを伴走支援しようということでございます。選定地域は最終的に全国13ヶ所となりました。
この13ヶ所については、具体的な数値に基づく根拠、実績、所有する資格等から選ばせていただいたわけでございます。これ実は大きく分けると3つで、最新の技術の活用型という場所、それから現在やっているところの運行エリアを拡大していこうというところ、そしてこれまでのいくつかの技術的な課題を今度は解決するために実証しましょうということで、この最新技術活用型では3ヶ所、運行エリア拡大型は2ヶ所、残りの8ヶ所については技術的課題解決型ということで決めさせていただきました。引き続き、令和9年度を目途に本格的に事業化ができるように我々としても支援をしていきたいと思っております。
4つ目です。中小企業向けサイバーセキュリティのセミナーについてです。サイバー安全保障担当大臣としての報告になりますが、「サイバーセキュリティ月間」の一環として開催する「中小企業向けサイバーセキュリティセミナー」ということで、これは国家サイバー統括室が主催して3月12日の午後2時から中小企業の方を主な対象としてウェブセミナーを開催します。
セミナーでは、私もメッセージ出すのですけれど、政府の最新のサイバーセキュリティ政策動向、企業が取るべき対策、そして最新のサイバー空間の脅威情勢、実際に被害を受けた組織の方の体験談、これが一番刺さるのではないかと思いますけれども、こういったものを是非皆さんに知っていただくというところをポイントとしております。
これは3月9日、来週月曜日の18時までウェブで募集しておりますので、是非、中小企業の方には多くご参加をいただき、サイバーセキュリティについての知見を獲得していただきたいと思います。いずれにしても、今、サイバーセキュリティの要は、実は大きな企業もそうなのですけれども、中小企業の皆さんのところがポイントだと思っています。このフロントラインで支える中小企業の皆さんがサイバーセキュリティをしっかりやっていっていただかないと、結局そこからたどられて大企業のところまで行くと社会的にも大きな影響を及ぼしてしまうということですから、これは大・中・小企業の大きさ関わらず、サイバーセキュリティについて高い関心だけではなくて、防御能力を取っていただく、獲得していただきたいと思います。
5つ目、これはゆるいお話で悪いのですけど、マイナポータルと連携した確定申告について松本がやりましたという話でございます。マイナポータルではe-Taxで確定申告できるように各種の控除証明書のデータ等を一括取得し、自動で入力できるような準備をしているのですけれども、私も担当大臣として今年は携帯電話でもって、マイナポータル経由で確定申告をしましたけれども、きちんとできました。意外と便利です。いつものようにいろいろ書類を広げてやるのが結構楽になりましたので、是非多くの皆様、活用していただきたいと思います。iPhoneでマイナンバーカードを登録しておくと顔認証でできます。何度もアクセスしなければいけないので、非常に便利でしたので、是非、確定申告をいかに便利にしていくかということは非常に大事なことで、今後、給付付き税額控除の議論になると、そういったベーシックなデータを収集するということも議論に当然なってくると思います。これはこれからの議論の問題なのですけど、もしそういったデータの収集が必要になった時にベースラインとして非常に便利になりますので、是非多くの人にマイナポータルと連携した確定申告を進めていただきたいと思うわけでございます。よろしくお願いします。
2. 質疑応答
(問)自治体のシステム標準化に関して伺います。デジタル庁が先日発表した原則今年度末としている移行期限に間に合わない特定移行支援システムについてです。1つでも該当するシステムを持つ自治体が半数を超える見込みということで、システム数で見ても増加し続けているという傾向にあります。改めてになりますけども、デジタル庁として自治体に対して費用面も含めてどう支援していくのかを教えてください。あわせて、当初の期限に間に合わせるために作業を進めたものの期限が近づくにつれて間に合わないという判断した自治体が増えているという現状です。自治体を取材していると期限設定に無理があったのではないかですとか、国の想定が甘かったのではないかという厳しい指摘や声も聞いているところなのですが、この現状をどのように見ているのか、大臣のご所感をお聞かせください。
(答)まずはこの移行作業に関わる自治体や、あるいは事業者の皆様、大変なご尽力をいただいたということに対しては感謝を申し上げたいと思いますし、これからまだまだこの作業が続く実態も、あるいは事業者の皆さんたくさんあるので、これからも感謝を申し上げるとともに、頑張って前に進めていただきたいということを私からもお願いを申し上げたいと思います。まずそれが1点ですね。
この特定移行支援システムについては、ご承知のとおり昨年の12月末時点で8,956システム・標準化対象の全システムのうち25.9%が該当すると見込まれているのですが、今後この標準準拠システムの移行については、まずデジタル基盤改革支援補助金による財政支援、それから次期事業者の選定に至っていない自治体に対しては事業者情報の提供、それから標準化PMO、Project Management Officeツール上での助言の充実などで、円滑かつ安全に移行ができるように、我々としても支援をしていきたいと思っています。
今年の1月末で1,188団体の約1万3千システムが標準準拠システムに移行しております。まだのところに目を向けて支援していくことは大事な一方で、現状そこまで移行が出来上がったということに関しては、ある意味目標をきちんと決めて示したということでここまで取組が進んだという見方も一方でできると思います。これはどこに視点を移すかによって、この評価の仕方というのは違うのですけれども、最終的には最初の目標を達成できなかったのは、もちろんこれは事実でございますけれども、これが、では3年先に目標を設定していたら、今の時点でここまでの数字になったかどうかというのはわかりません。もっとゆっくりやっていたかもしれませんから。どこかで目標を設定することによって、少しでもその目標に近づける努力を我々はしてきたということは、ある意味それは評価をしてもいいだろうと思います。一方で、足りなかった、そこに届かなかったところについては、それなりのいろいろな理由があると思います。何よりも、とにかく事業者側、ベンダー側のリソースが十分ではなかったということはあると思います。そうすると、リソースが足りないのはわかっていたのだからそもそも目標がという、またそんな話になるので、もうそういうネガティブな話をあれこれやられても、やっても詮無いことですから、事業者のリソース不足もこれから少し考慮しながら残った作業を進めていくということが大事だと思います。もちろん地方自治体の皆さんから、そもそも目標がおかしいのではないかというようなご批判については、もう当然出ると思いますけれども、我々としては、目標期限をある程度どこかでしっかり決めたからここまで進んだのだということはきちんと考えていかなければいけないということは、我々としても思っています。繰り返しになりますけど、一方で遅れているところがそういった事業者側のリソース不足等々ありますから、我々としては遅れている自治体をけしからんと言っているつもりは全くありませんので、しっかりとこれからも支援を続けていきたいと思っております。
(問)アメリカ司法省が公開したいわゆるエプスタイン文書をめぐって伊藤穰一氏がデジタル庁のデジタル社会構想会議の構成員を今月末で退任する意向を示しました。デジタル庁として本人から説明を受けられているか、その退任を受け入れるのか伺います。また、伊藤氏は政府のグローバル・スタートアップ・キャンパス構想の運営委員も務めていますが、小野田大臣は先日の会見で、伊藤氏への聞き取りなどの検討を事務方に指示したと明らかにしましたが、昨日、鈴木内閣副大臣が退任の意向が示されたとして聞き取りを行わない旨を述べられました。デジタル庁として伊藤氏への聞き取りをご検討されているかあわせて伺います。
(答)先般のこの前の閣議後会見でもその質問、関連した質問を受けまして。私、あまり承知をしていないというような内容のご返答をしているのですけども、少なくともエプスタインの問題についてはよく理解をしています。それからデジタル社会構想会議の委員であったということも当然理解をしています。ただ、今般この問題がまた表に出ているということは、あの時点では承知していませんでしたので詳細をまた確認して今日ここに立っているということを、まず申し述べたいと思います。その上で、先般、伊藤氏が最近の報道等に関する声明を3月3日に発表されまして、ここには何が書いてあるかというと学長職、千葉工業大学の学長職に専念するため、デジタル社会構想会議の構成員とグローバル・スタートアップ・キャンパスの方も含めて3月31日で退任をしたいということを、意向を示されたわけでございまして、我々デジタル庁としては、ご本人の意向を尊重したいと考えております。なお、本人の声明において事実関係を整理して説明されていると思います。私も読みましたけれども。したがって、デジタル庁として何らかの対応、調査、聞き取り等々含めて行う予定というのはありません。昨日の鈴木副大臣が答弁した通りの内容でございます。
(問)先ほどの自治体システムの標準化に関連した質問を追加でさせてください。いわゆる移行後の運用経費の増加について、3月3日のデジタル行財政改革会議のワーキングチームで2026年度末に標準化システム移行後の運用経費が1.8倍という数字を出されていらっしゃいました。その運用経費のコストの最適化について、国の政策によるものなのに自治体から意見を聞くと、自治体がその運用経費を減らす計画をまず自分で作って、それから国が補助するという流れと理解している方は結構いらっしゃいます。そういう理解で正しいものか教えていただけないでしょうか。
(答)これについては令和7年度の補正予算で計上した地方公共団体情報システム運用最適化支援事業についてのお話になろうと思います。ここで何書いてあるかと言ったら、自治体情報システムの標準化・ガバクラ移行後の運用経費に係る総合的な対策に基づく各種施策を講じてもなお一時的に増加する運用経費となっています。これを財政措置するには、我々の支援のもと地方公共団体情報システム運用最適化計画を策定していただいた上で支援をしますということになっていますから、それだけ読めば、今おっしゃったように自治体が運用経費を減らす計画を作れとは一言も言っていません。ただ、我々も支援をしますので、計画を作る上で。そういったところに一定程度削減できるものがあれば、それはそういうような計画になろうと思いますし、それをもって、今おっしゃったような運用経費を減らすという計画には形上なりますけれども、最初から減らすことを目的でこの計画を立てろと言っているわけでは決してございませんので、我々は少しでも節約するのは大事ですから、そういったことも含めて、我々も支援しながらこの計画を作っていただこうと思っています。計画様式の作成を今やっているところなので、3月末には地方に提供したいと思いますので、それを見ていただいて、そして我々の支援と合わせて計画を立てていただき、財政執行していくというような手順になろうかと思います。
(問)一部報道で出ていたのですけれども、日本とカナダの間でサイバーセキュリティに関する政策協議を立ち上げるという方針であるという話が出ていました。他国による攻撃の手口など担当部局の幹部などが定期的に情報共有をするとの内容ですが、サイバー安全保障を所管される大臣として、協議立ち上げの意義ですとか、協議体に対してどのようなことを期待されているかについてお伺いできたらと思います。
(答)この件については非常に僕も関心を高く持っています。我々がサイバー対処能力強化法を昨年作った時のいろいろな叩き台を考える上で、いろいろな国、アメリカやイギリスあるいはEUもそうです。ドイツもそうです。カナダもその中に入っています。そういったいろいろな各国の先行事例というか各国の状況というのを確認して我々法律作ったわけですけれども、カナダは非常にそういう点では先行している国ですから、いろいろなノウハウをこれから得たいと思っています。したがって、このタイミングで、今まさにこのサイバー対処能力強化法をいかに確実に執行できるようにしていくか準備をしている真っ最中ですけども、そういったこの時期にカナダとサイバーセキュリティに対するやり取りを深めましょうというような文言がこれから入ってくるというのは、非常に時期を得た内容だと思っています。我々としても実務者レベルでカナダにアクセスしていろいろなノウハウをお互いに共有していきたいと思っています。非常に大事なポイントだと思いますね。
(問)自動運転の関連で伺います。この3類型それぞれの参加自治体にどのようなことをご期待されているかということを教えてください。
(答)この13選んだ自治体に対する期待ですかね。先ほど申しました通り、令和9年度を目途に事業化を実現したいと思っているわけですよ。ですから、単に今回の先行的事業というのは実証ではないのだという思いを持ってやっていただければなと思っています。やはりいつまでも実証を繰り返しているというのは1番良くなくて、きちんとその先があって、その先の基盤を作っているのは自分たちだよという境地みたいなものを持ってやっていただければと。もちろんそれがあるから応募をしてこられたのだろうということは思っていますけれども、是非、そこは力強くやっていただきたいなというのが私の率直な思いでございます。
(問)改めて効果というか、どういう利点があるかということについてもご言及いただいてもよろしいですか。
(答)この事業をやることの利点ですか。
(問)そうです。レベル4を導入することによって、各自治体どのような利点、効果があるかということ。
(答)おそらくずっと先にレベル4がもう全国至るところでできるようになった時に、今回新しくこの事業を進めているところは更にレベルの高いことをやっているに違いないと僕は思っているんですね。だって先行しているわけですから。ですので、そこの自治体にとっての利点というのは、常にこの自動運転の事業に対してフロントラインを走っているというメリットはあるのではないかなと思いますね。
(以上)