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松本大臣記者会見(令和7年11月25日)

松本デジタル大臣記者会見要旨

(令和7年11月25日(火) 9時13分から9時31分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)

1. 発言要旨

私からは今日は2件、1点は総合経済対策から始めたいと思います。先週金曜日21日に閣議決定しました「「強い経済」を実現する総合経済対策」に盛り込んだデジタル庁関係の施策についてお話させていただきます。
高市政権は、「責任ある積極財政」の下で、「生活の安全保障・物価高への対応」、それから「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」、3つ目に「防衛力と外交力の強化」を柱としております。これらに関連しまして、デジタル庁の施策についても必要なものを盛り込んだところでございます。
例示をいたしますと、第1には、「生活安全保障・物価高への対応」ということで、「暮らし等に関わるDXの推進」としまして、地方公共団体の情報システムの標準化・共通化、ガバメントクラウドへの移行後の運用経費について、自治体の皆様のご懸念があるということを承知しております。これをしっかり受け止めて、安定的な運用のために必要な措置を講ずるとしております。
2つ目として、「危機管理投資・成長投資関連による強い経済の実現」ですけれども、AIの社会実装を起点として、行政現場でのガバメントAIの実装に向けた検証を実施したいと思っています。AIについては、まさに成長投資の大きな柱になり得るものでありまして、これを地方自治体、あるいは行政だけではなくて、行政現場全体のところに実装していくということを目指しているわけであります。
もう1点、同じ2番目の柱として、医療DXの一環で、自治体と医療機関をつなぐ情報連携基盤(Public Medical Hub(PMH))の構築を進めていきたいと思っています。これ医療DXの大きな全国共通の情報プラットフォームの中にこれから組み込まれていくと思っています。いわゆる国民一人一人の健康データというものを、いろいろなところで共通化、共有できるということは、総理の言っている攻める予防医療、こういったことにも繋がっていくのだろうと私なりに理解しております。故に、今回の総合経済対策の中でも、このPMHの部分をしっかりと進めていきたいと思っているところでございます。総合経済対策について、デジタル庁関係の施策に関してお話しさせて頂きました。

2点目はいつも毎回話をしているマイナ保険証の移行についてお話しさせていただきます。
これまでも、この場を通じて国民の皆さんにお伝えしているところでございますけれども、いよいよあと10日、もう切ってしまいましたかね、健康保険証については、この12月2日から使用できないということになります。今、健康保険証を持っていらっしゃる方の有効期限が12月1日をもって終了するということでございます。
以降は、保険証が使えなくなりますので、マイナンバーカードに保険証を紐付けていただいて、マイナ保険証を使っていただきたいと思っています。もちろん、マイナンバーカードを持っていない方については、資格確認書が保険者から送られてまいりますけれども、一応国としてはマイナ保険証への移行を推進しておりますので、資格確認書を持っていけば医療機関は今までどおり受診できることは間違いがございませんが、でき得る限りマイナ保険証に転換していただきたいということを、私からも、だんだん言いぶりが強くなるのですけども、強くお願いをしたいと思います。マイナ保険証の保持率、保有率というのは、今国民の皆さんの中では10人に7人まで来ました。これをできるだけ全員に持って頂きたいのですけれども、任意でございますから強制はできませんけれども、これをできるだけ多くの人に持っていただきたいと思います。これを使うことによって、これまでのいろいろな二度手間になるような検査とか、あるいは問診とか、そういったことが格段に減ってくると思います。それから、マイナ救急と言って、これ1枚持っていれば万に一つ家族とか誰もいない時に、それから皆さん一人一人が意識がないような状態で救急搬送になった時に、救急隊はこのマイナ保険証から皆さんのいろいろな情報を取って、そしてそれを搬送する医療機関に伝えるということが、今全国でできるようになっています。私のような医師の側からしたら、搬送前にいろいろな患者さんの情報がきちんと入ってきているということは、極めてその後の診療を楽にするということになって、最終的には患者さん一人一人の大きなメリットになるということもございます。恐らく、救急車に乗ったことのある人は何人いるか、僕は分かりませんけれども、非常に便利だと思います。そういった万が一のことも含めて、このマイナ保険証への切り替えを、従来の健康保険証が使えなくなるということをきっかけに、こちらのマイナ保険証に切り替えていただきたいということをお願いしたいと思います。

2. 質疑応答

(問)冒頭ご発言ありました総合経済対策と自治体のシステム標準化に関してお聞きします。経済対策では、子育て応援手当として、子供1人当たり2万円の給付が盛り込まれ、児童手当の支給口座に振り込む方針としています。この児童手当システムが標準化対象業務の1つで、原則今年度末としている移行期限に向けて、各自治体ですとかベンダーが作業を進めている中ですけども、自治体にとって今回の経済対策への対応が標準化に影響があるのかどうか、デジタル庁として自治体をどう支援するのか教えてください。合わせて、移行後の運用経費の増加への対応について必要な措置を講じるということですけども、現在の検討状況についてお話しできることがあればお聞かせください。

(答)自治体の行政システムの標準化については、今どんどんと各自治体にお願いをして、進めていただいているところでございます。運用経費や維持経費、あるいは改修のための費用等々で、今、物価高騰の煽りを受けて、いろいろと苦労されていることについては十分承知をしておりますし、今回の総合経済対策の中においてもできる限りの支援をしていきたいと思っているところでございます。お尋ねの児童手当の2万円の給付、追加給付についてのお話でございますけれども、こども家庭庁にも問い合わせをしたところです。児童手当システムに登録している受給者情報、これをそのまま活用して2万円の追加給付を行うということでございます。ただ、現状においては、今の児童手当にそのまま2万円をプラスして給付するのではなくて、2万円は別途支給するという方向で、今考えているとお答えをいただいているところでございます。そのため、この児童手当のシステムに係る標準仕様の改定とか、それから児童手当システムの改修とか、これが必要だということは現状想定をしておりませんので、今そのままその方針でいくということになれば、別途進めているシステムの標準化には、直接の影響が現状及ばないのではないかと、今我々としては考えているところでございます。それから、運用経費増加の問題については、先ほど申し上げたとおり、総合的な対策に基づく取組を進めているところです。今回の経済対策においては、地方自治体情報システムの標準化・ガバメントクラウドへの移行、これらの運用経費の増加について、これは今までどおり安定的に進めていくために必要な措置を講ずると決定しているわけで、これは関係省庁、それから地方自治体と連携しながら、これから具体的にそのお金をどうやって使っていこうかというような話を進めてまいりたいと思っております。

(問)先ほどお話にありました医療DXの関係でお伺いします。健康データの共通化によって予防医療につながるというメリットの面は先ほどご説明にもありましたけれども、他方で、例えば情報漏洩のリスクですとか、病歴等の個人情報の部分が、例えばサイバー攻撃等によって漏れてしまうといったような懸念、不安も国民の中にはあると思います。そうしたところに対して、どのように向き合っていくか、ご懸念に対して、どう解消していくかお考えがあれば、よろしくお願いします。

(答)非常に重要な質問だと思います。まず第一に、原則的に、このマイナンバーカードで国民の皆さんが持っている健康情報、あるいは医療情報、いろいろなものがマイナンバーカードから直接に引き出せるものではないということを、まず確認をしておきたいと思います。これはあくまでもそういった情報が入っているシステムへの入り口であって、この中にその情報が、全て個人の情報が入っているわけではありませんから、そこをまず1点確認しておきたいと思います。その上で、いろいろなシステムのセキュリティをしっかりとセキュリティを高めていくことは非常に重要なことだと思います。今後、そういったシステムがどういう位置付けになるかということについては、これからいろいろと議論はされるものと承知をしておりますけれども、その重要性に応じたセキュリティシステムの構築が必要になってくると思います。例えば、オンライン資格確認システムというのは、全国の診療報酬等々、仕切っている大きなシステムがあるわけですけど、これがサイバー攻撃を受けると非常に大変な影響を受けるから、やはりそういったものについては極めて高いレベルでセキュリティを設定しなければいけないと思いますし、そこにいろいろとアクセスするための周辺のシステムについては、その次の段階で重要性があるというように層別になっていますから、階層になっていますから、そういった階層に合わせた、いわゆるサイバーセキュリティの対応ということがこれから必要になってくると思っています。いずれにしても、国民の皆さん一人一人の情報ですから、これはしっかり国も、それから関係する団体とか、そういったことも含めて、きちんとセキュリティを確保していくということは重要なことだと思いますし、私も担当の大臣として、そこはしっかりウォッチしていきたいと思っているわけでございます。

(問)地域防災のデジタル化についてお伺いしたいのですが、以前、レジリエンスフォーラムの役員も大臣がやってらっしゃったので、そのあたりの観点で地域防災について、郵便局に何か期待できるようなことがあればお話しいただければ幸いです。

(答)今、ニューレジリエンスフォーラムのお話がございましたけれども、大臣としてのコメント等はなかなかできないので難しいです。いわゆる地域防災においてニューレジリエンスフォーラムは、例えばこれからやらなければいけない問題として、いろいろな団体がいらっしゃいますよね。建設団体とか、運輸団体とか、もちろん郵便局も同じですけども。そういった団体さんが各被災地に対して、どういうボランティア活動ができるかというようなことを各自治体がばらばらで協定を結ぶのではなくて、もっとまとまった形で協定を結ぶということが必要だと考えています。すなわち、ある市町村はいくつかの団体と協定を結んでいる、別の市町に行くとまた別の団体さんと協定を結んでいる。そういうモザイクになっていると、どこで災害が起こっても同じようなサービスを提供できなくなりますから、これは出来る限りどこの町へ行っても、どの団体と同じように協定を結んでいるということが必要になってくるだろうと。そういった形で地域防災を進めていくのがよろしいのではないかというのは、ニューレジリエンスフォーラムでも提案しているところです。ですので、そういった形でこれからもフォーラムは提案・提言を進めていこうという話合いを今しているところだというところまではお話ができると思います。それから郵便局については、これはもう全国に地方局がきちんとあって、そういったところが今までの郵便業務だけではなくて、多くが防災士、防災士の局長さんが資格を持って、地域防災に貢献しようという動きが結構進んでいると思います。地域の防災拠点として、郵便局がこれから使えないかというような議論は、確かにフォーラムの中でもしているところでして、それを具体的にどのように実施していくかは、これからの話し合いになるのではないかと思っています。

(以上)