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河野大臣記者会見(令和6年2月22日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和6年2月22日(木)8時55分から9時08分まで 於:オンライン)

1. 発言要旨

デジタル庁は、来週28日(水)に今年度2回目となります避難所支援業務のデジタル化の実証実験を、神奈川県の協力を得て横浜市内で行います。
昨年10月に実施した前回の実証実験では、避難所への入所手続について、手書きで行う従来の手法と比べて、マイナンバーカードを利用した場合は10分の1の時間で実施できた、あるいは避難所の状況を対策本部へ報告するための報告書の作成も5割の業務削減効果がみられたということがありました。
今回は、前回の参加者の意見を踏まえ、マイナンバーカードの暗証番号を忘れた場合を想定して、顔認証を利用する場合、あるいはマイナンバーカード機能を搭載したスマホを利用する場合の入所手続についても検証したいと思います。
今回の実証実験では、それらに加えて新たに、避難者向けのアプリに多くの方に馴染みのあるLINEのミニアプリを使った利用の検証、あるいは避難に活用できる民間のサービスや製品との連携の検証、あるいは今回の能登半島地震の知見を踏まえて、避難アプリなどによる避難者の位置情報把握の機能検証を行いたいと思います。
実証実験を通じて、自治体の防災業務のデジタル化による効果を明らかにして、防災DXをしっかり推進してまいりたいと思います。

能登半島の地震の件ですが、現在、Suicaを活用した避難者情報の把握に取り組んでおります。
被災状況のうち、志賀町について全8箇所の指定避難所においてカードリーダーの設置とSuicaの配布が行われ、避難所利用データの把握が始まっております。これによって、カードリーダーの設置場所に、いつ誰が来たのかを把握できるようになりました。具体的にどういう場所に設置することが効果的かも含めて、更なる検討が行われていると聞いております。また、取得したデータについて、年齢・性別などの属性分析を容易にできるシステム対応も行っております。
また今日から、能登町の「ホテルのと きんぷら」において、無料入浴支援の受付にこの仕組みを導入して、被災者の利用状況の把握、被災者の利便性の向上、施設の省力化などに活用を始める予定になっております。
先ほど申し上げた実証実験と合わせて、今回の能登でのSuicaの取組の知見を踏まえて、全国での防災DXを進めてまいりたいと思います。

3つ目、マイナポータルのAPIを利用した民間サービスについてお知らせいたします。
障害のある方を対象にした鉄道運賃割引の申請について、今月26日(月)からJR東日本の「えきねっと」、今月27日(火)からJR西日本の「e5489」、それぞれでオンライン申請サービスを提供開始いたします。
これまで、割引の適用を受けるためには、窓口で障害者手帳を提示する必要がありましたが、今回、マイナポータルAPIを利用して、障害者手帳の情報を連携し、窓口に行くことなくオンラインで割引を受けるための手続を行うことができます。障害のある方の利便性の向上に寄与することになると期待しております。
マイナポータルAPIを利用した障害者向け割引のオンライン申請サービスは順次拡大していて、来月にはNHKでも障害のある方を対象とした受信料免除のオンライン申請サービスが提供開始される予定です。
マイナンバーカードの利用率向上・利便性向上のためにも、今後ともマイナポータルAPIを活用した利便性の高いサービスを拡大していきたいと思っております。デジタル庁としてもAPIで取得できるデータの拡充やAPIに関する相談の対応など最大限の支援をしてまいります。

2. 質疑応答

(問)防災DXの関連の実証実験のところで、先程ご発言で避難者向けのアプリということでおっしゃったと思うのですが、少し詳しく教えていただけますでしょうか。

(答)今回はLINEを使って、LINE上のアプリが通常のアプリと比較して使い勝手がどれぐらい良いのか悪いのかということを評価・検証してみようということも入れたいと思っております。いろいろな防災用のアプリが開発されてスマホにダウンロードしていくということになると思いますが、通常のアプリをダウンロードするだけでなく、このLINE上のミニアプリという、多くの方がLINEを使われてますから馴染みのあるものでどうなのというところも見てみたいと思っております。

(問)避難者業務の実証実験についてお伺いしたいのですけれども、今回はアプリやミニアプリを使ったり、それから暗証番号を忘れた場合を想定されているということですけれども、前回は5割の業務削減効果があったということですけれども、今回は前回よりも業務削減効果が得られるとお考えでしょうか。何か数値目標のようなものがあれば教えてください。

(答)これはやってみてどうなのっていうところを検証するものですから、別に何か目標を持ってやるわけではありません。今あるものを実際に、午前中にアナログで対応してもらって、同じことをデジタルで午後やるというもので、アナログとデジタルを同じようにやってみてどうだったという比較検証するものですから、別に何か目標を持ってやるというわけではありません。

(問)今日、今年最初のデジタル行財政改革会議が予定されているかと思いますけれども、個別分野ではこれまでも進展があると思うのですが、6月の取りまとめに向けて、会議としての大きな改革の方向性について、大臣どのようにお考えかお聞かせいただけますでしょうか。

(答)別に6月を目指して何かやっているわけではありません。できるものはどんどん導入して、素早くやりたいと思っております。地方分権ということが言われていますが、地方分権だからといって書類の書き方から手続からシステムから全部地方にお任せします、というのでは効率がよくないということがわかってきておりますので、国がしっかりまとめて提供する部分、それに基づいて、政策的なところは地方のご判断でそれぞれ決めていただく部分、国と地方の役割分担、あるいは一緒にやるべきところ、そういうものをはっきりして進めていきたいと思います。

(問)引越しワンストップサービスについて伺います。4月に近づくにつれて転勤とかで引っ越しされる方も増えてくると思うのですけれども、改めてこのサービスが使われるようになるために促進していく策みたいなことをお考えでしょうか。民間の企業と連携していろんな住所登録をしているものは自動で変更が反映されるみたいな、そういった取組を広げていくにあたって、どんな取組を考えていますでしょうか。今、転出届に関しては、自治体の窓口まで行かなくてもいいということになっていると思うのですけども、転入の方のところも行かなくても手続は済むみたいなところをお考えのことありますでしょうか。

(答)引越しワンストップサービス、こういうサービスが提供開始されていますよということをまずしっかりお知らせしなければいけないと思っております。まだまだこうしたサービスがあることを知らない方がいらっしゃるようですので、広報をしっかりやってまいりたいと思っております。転入については対面で本人確認せよということに、今これは総務省の方から言われているのだと思います。例えば、福岡市のようにもう全部手続をやっておいて、ご本人の顔を一回見るだけ、もう本当に2~3分でOKというような、だから土日でもいいですよということもできています。将来的には選挙の移動投票所ではないですけども、ショッピングセンターに何か場を設けて、本人ですと言ってそこで確認ができるとか、あるいはもっといけばオンラインでもできるのではないかと私は思っておりますので、いずれデジタル庁と総務省でそういうやり方について、例えば、市役所に来なくてショッピングセンターでいいんだったらオンラインでもいいんじゃないかというようなことができるのではないかと思います。転入について本人確認をどういうふうにやったらいいのかという検討はさせたいと思っております。

(以上)