河野大臣就任記者会見(令和5年9月14日)
河野デジタル大臣就任記者会見要旨
(令和5年9月14日(木)11時15分から11時40分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)
1. 発言要旨
この度、デジタル大臣、デジタル行財政改革担当大臣、デジタル田園都市国家構想担当大臣、行政改革担当大臣、国家公務員制度担当大臣、内閣府特命担当大臣(規制改革)を拝命することになりました。
全てのデジタルと改革の機能を集中して担当することになりましたので、デジタルツールを活用した国民の利便性の向上と行政の効率化を一体的に一気に進めるということができるだろうと思います。岸田内閣で改革のスピードを一気に上げていこうという(総理の)改革志向の強い表れだと思いますので、変化を実感していただけるように頑張っていきます。
行政改革・規制改革はこれまで安倍内閣・菅内閣でも担当してまいりましたが、財政改革というのが入ったのは初めてでございます。デジタル行財政改革ということで、コロナがありましたから、ある面、致し方なかったところはあると思いますが、国も地方も財政が水膨れし、コロナ禍が終わって平常化と言いつつもなかなか財政は戻らないという状況がありますので、「行政事業レビューシート」などもしっかり活用しながらこのコロナで膨らんだ歳出の効率化を目指していかないといけないと思っております。
また、規制改革では、先日G20でオランダのデジタル大臣と会談したときに、オランダも社会の高齢化が進んでいる、だから高齢化が一番進んでいる日本の色々なサービス、その他技術をオランダもしっかりフォローしていきたいというような話がありました。本来、高齢化が一番進んでいる、しかも、人口減少・高齢化という二重の課題に早くからさらされてきた日本が、それを克服するための技術やサービスを提供し、それが日本に続いて高齢化が進む諸外国に出ていくというのがあるべき姿だと思っております。ほとんどそういうことが起きていないのは、これはもう我が国の規制が時代遅れになっていて、この現実的な社会の要請に対応できていないところにあると思います。規制改革とさまざまなデジタルの導入をしながら、この人口減少・高齢化・過疎化の中でも国民の皆様が便利に、快適に、豊かに暮らせるような技術・サービスがいち早く導入できる、いち早くといってももう遅れている部分がありますが、そこはリープフロッグしていかなければいけないのだろうと思います。さまざまな分野で世界水準から後れをとっているものというのがあると思いますが、世界水準にまずは合わせるあるいはリープフロッグして先に行くことが(規制改革によって)できなければいけないと思っています。国民の皆様の多くが、特に行政の関係で「面倒くさい」と思っているものをなるべく一掃できるような規制改革もやらなければいけないと思っております。
デジタル行財政改革という観点からいうと、多くの行政サービスは市区町村が最前線で色々とやってくださっております。基礎自治体と国民の皆様が行政サービスというところでは非常に強い結び付きがあるわけですが、これは以前から申し上げているように、地方分権というかけ声のもと、様式・手続きが自治体ごとにばらばらになっているというのは、これは地方分権でも何でもなくて、地方分権というのは政策をどうするかというのが地方分権であって、その手前のさまざまな書類の様式や手続きのあり方というのは一つになっている方が便利なことが多いわけですから、統一していくべきものと地方分権で自治体が選択するものは明確に分けていかないといけないと思っております。
私がワクチンをやっていたときは、かなり頻繁に数百の自治体の首長さんと電話やオンラインで直接会話をしながらご要望・ご意見を承っていましたので、1,741の市区町村の首長さんとできれば定期的にオンラインでやりたいと思っております。1,741を一気にやれるかというと、なかなかデジタル庁のシステムでも双方向のやりとりは厳しいものもありますし、1,741人もいると1時間ではとても終わらないと思いますので、幾つかのブロックに分けるなどを考えていかなければいけないと思います。全ての自治体の首長さんとオンラインでつながる、あるいは担当同士それぞれの分野で直接つながれるということはやっていきたいと思います。またシステムの標準化などは、デジタル庁で各都道府県の担当のリエゾンを決めて、都道府県に取りまとめをしていただいている部分もありますので、47都道府県の知事さんとは緊密に連携させていただきたいと思っております。知事会・市長会・町村会には、それぞれワクチンのときに大変お世話になりましたので、もう一回、関係を深くさせていただきたいと思っております。
行政改革、公務員制度担当大臣として、霞が関の働き方改革は、どんどん進めていかなければならないと思っております。
総理の強いご意思でデジタル行財政改革会議を立ち上げます。大きなドームをかけるようなものですから、ドームがかかったら下の屋根は要らないわけで、それは整理したいと思っております。デジタル庁の中にデジタル臨時行政調査会がありますが、これも上に屋根がかかったらいらないと思いましたので、さまざまな会議体の整理というのは年内にどんどん進めていきたいと思っております。何か新しいものをつくったら、やっぱり古いものは捨てるということをやらないと、どんどん物が溜まっていって、「これ何だっけ?」というようなことになりますので、まずはそういうものの整理をやって、まず自分の庭先を掃いて、そこからやっていきたいと思っております。岸田総理の強い思いでこのデジタル行財政改革というのを担当することになりましたので、総理にはお忙しいとは思いますが、なるべく時間をとっていただいて、緊密に連携しながら進めていきたいと思っています。
2. 質疑応答
(問)先ほどデジタル行財政改革について、意気込みを語られましたが、変化を実感していただけるようにしたいということですが、具体的にどういったテーマをやっていきたいということがお持ちであったら教えてください。もう一点、財政の改革が入ったのも初めてという話だったんですが、ここに特化して特に取り組みたい事項がありましたら教えていただけませんか。
(答)規制改革を始め、やらなければいけない改革のメニューというのはたくさんあると思いますので、もう少々お待ちいただければ順次やっていきたいと思っております。財政のところについても、今まで行政改革の中でレビューシートというものを使ってやってきたりしましたが、レビューシートをしっかり使いながら、なかなかレビューシートが予算編成に反映されていなかったり、予算執行と合っているのかというような声も聞いたりしたことがありますので、色々な道具を使いながら、きっちりやっていきたいと思います。霞が関のEBPMという話は、特にこども家庭庁は小倉大臣がEBPMをやるというかなり強い意気込みでやられていたと聞いておりますので、どういうことをやるのか話を聞いてみたいと思います。
(問)消費者担当大臣として、大手電力の規制料金に切り込むなどをされてきました。今回、規制改革の担当となりましたけど、例えば内外無差別の問題など、電力会社の業界の改革に取り組む考えがあるのかということと、大臣が以前設置した再エネタスクフォースとどのように協力していくお考えかというのを教えてください。
(答)個別にどういう規制改革をやるかというのは、色々なメニューがあると思いますのでこれから順次やっていきたいと思っております。再エネタスクフォースというのは規制改革の中のタスクフォースですので、それは必要なら続けていくということになるだろうと思います。
(問)今回続投されるにあたって、岸田総理からどのような指示があったのかを伺いたいのと、デジタル行財政改革会議なのですけれども、これまでデジタル庁でもデジタルを活用した行政サービスの向上というのは取り組んでこられたと思うのですが、この新しい会議ができることによって、今までと何が変わると大臣は期待されてますでしょうか。
(答)総理からはデジタル関係を今まで以上に中心になってやってほしいということと、改革をしっかり進めてくださいということがございました。改革・デジタル関係を一つに集中したというのが総理の思いの表れだと思います。今までの行革・規制改革に加えて、今度は行財政改革ということでございますから、行政改革と財政改革しっかりつなげてやれるように努力していきたいと思います。
(問)デジタル行財政改革会議についてお伺いしたいのですが、先ほどさまざまな会議体の整理を進めていきたいというお話がありましたが、デジ臨にデジ田とかデジタルという名がつく政府内の会議体ってけっこうありますが、今大臣の中で具体的にどういうふうな整理を進めていきたいとか、何か構想みたいなありますか。
(答)これから具体的に進めていきたいと思いますが、大きなドームがかかったら下は要らないだろうと思っています。
(問)年内にですか。
(答)はい。
(問)マイナンバーとマイナンバーカードについて伺いたいのですけれども、デジタル行財政改革の中でこれらをどう活かしていけるのか、行政改革・財政改革にどうつなげていくのかみたいなイメージがありましたら伺いたいです。これまで大臣も度々ご説明されてきましたけれども、11月末までのマイナンバーの総点検と、国民の不安払拭に向けた取組というところ、改めてご留任されたというタイミングで、どうやって進めていきたいのかということを伺いたいです。
(答)マイナンバーはそれぞれの自治体でさまざまな業務に使われておりますので、行政改革の中でこれをしっかり活用していかなければいけないと思っております。また、マイナンバーカードを使って国民の生活の利便性の向上というものもデジタル庁が取り組んできた課題ですので、これは引き続きしっかりやっていきたいと思っております。総点検で紐付け誤りは限りなくゼロに近くできると思っておりますので、今後はこの紐付け誤りが起きないように、各省庁で省令改正などをやっていただいているところでございますので、そこはしっかり元々のところで問題を起こさないように、しっかりやっていただきたいと思います。
(問)行財政改革でお伺いしたのですけれども、人的な部分を中心にお伺いしたいのですけど、事務方の体制を今後どのように進めていく考えでしょうか。
(答)これから考えます。
(問)準備室の立ち上げというのを今されているのでしょうか。
(答)大臣が決まっていないから準備室だったんじゃないかと思います。
(問)規制改革についてお伺いします。発言の中で、日本をリープフロッグさせたいという趣旨のご発言がありましたが、まさに日本を推し進めるという意味で象徴的に取り組みたい分野・テーマがございますでしょうか。加えて菅前総理大臣がライドシェアについて解禁の議論を進めるべきではないかという話がありました。ライドシェアの解禁について、大臣のお考えを伺えますでしょうか。
(答)先ほど申し上げましたように、これだけ高齢化が進んでいる中で、本来はこの高齢化の痛みを和らげる・乗り越えるさまざまな事業・サービス・技術というのが日本発で世界に出ていかなければいけなかったのだと思いますけれども、なかなかそういうものがなくて、逆に外から入っている、あるいは外でそういうものが行われているという現状はこれを何とかしないといけない。そうした我々が直面している社会課題を解決することが、日本経済を再起動して前へ進めるための実は材料なのではないのかなと思っています。そういうニーズはたくさん国内にあるわけですし、諸外国がこれからそういうニーズに直面していくということを考えると、我が国が直面している社会課題というのは、今後、色々な国で同じようなことを経験することになりますので、それは我が国の企業がどんどん外へ出ていって発展する飯の種ということだろうと思います。そういうものをしっかりやっていきたいと思います。個別のメニューについては、これからおいおいやっていきますので、順次見ていていただきたいと思います。
(問)冒頭で高齢化ですとか、人口減少という課題について触れられていましたけれども、規制改革の中でも医療分野は一つの大きな柱だと思います。医療分野の規制改革について、課題感や大臣の意気込みがあれば教えてください。
(答)高齢化の中で、医療や介護は非常に大きなテーマだと思いますし、諸外国もそういう分野をどうするのかというのは、デジタル大臣のレベルでも話題になっておりますから、諸外国もそういうところに着目しており、重要なテーマなのだろうと思います。(医療分野については)今週中に一回、厚生労働大臣のところへ相談に行きたいと思っています。
(問)デジタル行財政改革会議について教えてください。内閣官房で準備室が昨日発足したとお伺いしたのですけれども、先ほど大臣の方、会議体を整理されるというお話があったのですが、このデジタル行財政改革会議についてはデジタル庁の中でやられるのか、内閣官房と分かれてやられているのか、どのような形が考えられているのかをお伺いしたいのと、その人員体制、進める内容、スケジュールももし可能でしたら教えてください。
(答)細かいことはこれから決めていきます。岸田総理のこの分野の改革への強い思いというのがあってこういうことになりましたので、岸田総理の改革への思いをしっかり実現していけるような体制にしたいと思います。
(問)デジタル臨時行政調査会は、端的に一旦廃止するという理解をしてよろしいのでしょうかということと、財政の方の改革、予算の単年度主義とか、硬直的な予算編成の在り方とか、そういった根本のところも視野に入れつつ、議論を展開していくようなお考えがあるのでしょうか。
(答)さっき申し上げましたように大きな屋根をかけたら下の方は要らないと思っていますので、何らかの形で小さい屋根は整理していこうと思っております。財政についてもデジタル行財政ということでございますから、何らかの形で財政改革はやっていかなければいけないと思います。具体的なメニューはこれから申し上げていきたいと思います。
(問)今回、所掌の幅が広がったと思います。これまで以上に幅広い省庁が関わって横断的にいろんな改革を進めていかなくてはいけないということだと思うのですけれども、その調整とか折衝とか、他省庁と絡み合うところでこうどういうふうにやっていきたいのかというのと、冒頭ありましたけれども、改めてご自身の強みみたいなのを今回どう活かせるのかということを改めてお願いできますでしょうか。
(答)今までも行政改革・規制改革というのは担当していましたし、デジタル庁というのはそもそも横串を通すということですから、あまり変わりはないのかなと思っております。(強みについては)自分で俺はここが強いと言うのではなくて、周りが言うことだと思います。
以上