河野大臣記者会見(令和5年7月28日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和5年7月28日(金)10時32分から10時52分まで 於:オンライン)
1.発言要旨
7月11日から16日にかけて、フィンランド、スウェーデン、エストニアを訪問し、その後、17日から22日にかけて、ヨルダン、パレスチナ、イスラエルを訪問いたしました。
それぞれの訪問先でG7広島サミット及びG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合で合意されたDFFT、信頼性のある自由なデータ流通の具体化に向けた国際的な枠組みの設立にとって重要な、ユースケースにおける連携について議論を行い、それぞれ各国の共感と賛同を得ることができました。引き続きDFFTに関する国際的な議論をリードするとともに、国際的な枠組みの設立に向けた準備をしっかりやっていきたいと思います。
また北欧諸国では、世界に先駆けて社会全体のデジタル化が進んでいる先進国として知られておりますが、かなりそこに至るまで歴史的な試行錯誤を経てデジタル文化が社会に根付いていった様子あるいはデジタル行政サービスについて、様々な関連機関と意見交換を実施してまいりました。トラストの基盤となるデジタルIDの相互連携を始めとする将来的なサービス・機能の連携について議論し、協働していく具体化に向けてデジタル化の知見の共有あるいは専門家の交流などを継続的に行うことを約束いたしました。
中東では、ヨルダンで、ハナーニデ デジタル経済・起業大臣と会談し、また、デジタル分野における協力覚書に署名いたしました。ヨルダン、イスラエル及びパレスチナ、いずれもデジタル分野の人材への投資、あるいはスタートアップ企業の強化、IT投資を呼び込むための仕掛けづくりといったものを推進している、そういう様子を視察すると同時に、キャッシュレスあるいはプライバシーを守った上での医療データの利活用に極めて積極的に取り組んでいるということから、これもDFFTに関するプロジェクト推進のヒントを得ることができました。
また、医療DX、世界的にどういう水準になっているのかというのを生で見ることができたのは非常によかったと思っております。今後のデジタル庁のより良いサービスの提供に向けて、今回の出張の成果を活かしていきたいと思っております。
マイナンバーの情報総点検についてお知らせいたします。
まず、各制度の現場におけるマイナンバーの紐付けがどのように行われているかという確認の作業を行うために、今月7日に厚生労働省から、今月12日にこども家庭庁、総務省、文部科学省から、都道府県・市区町村・関係機関に対して調査表を発出いたしました。
21日に厚生労働省分が締め切られ、それ以外は25日が回答期限となっており、いただいた調査表を点検しているところです。この点検を経て、個別データの点検が必要なケースはどういうところかということを整理した上で、8月上旬に中間報告を行いたいと思っております。
個別データの点検が必要と整理されたケースについては、個別のデータ点検の実施を行って結果の公表を求めることとしておりますが、点検作業を行う自治体・関係機関に丁寧に点検をしてもらえるように、点検手法についても関係省庁と調整しながら、丁寧に行っていただきたいと思っておりますので、それぞれの機関といつまでにという目安を今後調整していきたいと思っております。各自治体や関係者の皆様におかれては、お手数おかけいたしますが、引き続き、総点検へのご協力をお願いしたいと思います。
消費者教育の教材の良いものを表彰する「消費者教育教材資料表彰」というものがありますが、この受賞団体の皆様をお招きして懇談したいと思っております。
この表彰では、地方自治体をはじめ、企業・業界団体、消費者団体等の皆様が作られた消費者教育の教材の中から優秀なものを選び、学校の先生方が実際に使った評価も踏まえて選考が行われております。その結果、内閣府特命担当大臣賞に「横浜銀行」、消費者庁長官賞に「愛知県」と「開発教育協会」、消費者教育支援センター理事長賞に「第一生命保険」が選ばれました。この皆様方には8月2日に4号館にお越しいただいて、お話を伺いたいと思っております。
学校の教育現場で消費者教育を充実するために、いろいろご努力くださった皆様と、意見交換できることを楽しみにしております。
2.質疑応答
(問)個人情報保護委員会の特命担当大臣を兼ねられていることについてお尋ねなのですけれども、就任会見の時に、「私が特に何か業務をするということではない」というふうにおっしゃっていたのですけれども、これまで、現在の立入検査に関連して何か報告を受けてきたりとか、どのような範囲・役割を果たしてこられたのか、それとも、ほとんど本当に何もないようなものなのか、そこを教えていただければと思います。
(答)個人情報保護委員会は独立委員会ですので、大臣として閣議請議があるときに何か行うというようなことで、個人情報保護委員会の業務にタッチすることはございません。
(問)消費者担当大臣としてお聞きしたいのですけれども、ビッグモーターに関してなのですけれども、これまで社内で不正を訴えていた内部通報をもみ消したとされる問題で、昨日、新井長官も事実関係を確認中とおっしゃっていたのですけども、このビッグモーター社内の内部通報制度の体制について、大臣としてどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)今回、委員会の報告書が出されていると思いますが、職員の内部通報を結果的に握り潰した、あるいは内部の公益通報対応体制が構築されていないというような指摘があったと認識しておりますので、消費者庁としてこの公益通報者保護法の違反がないか、事実関係を確認しているところでございます。300人超の従業員のいる企業は、この体制の構築が必要ですので、そうした視点から今事実確認をしているところでございます。
(問)新しいGDPの国際基準を作る議論が始まりましたけれども、日本政府もそういう方向で進んでいると思うのですが、3つのポイントの中にウェルビーイングの概念も入っているようで、デジタル上でも取り組まれていることだと思いますので、地域の幸福度とデジタル化の観点をどのように大臣はお考えでいらっしゃいますか。国民経済計算の新たな国際基準が策定される予定を踏まえて内閣府とかもフォーラムをやっているみたいで、それは内閣府の話ですけども、日本政府としてのこの大きな動きというのが出てきたのかなと思ったのです。
(答)すみません。おそらく後藤大臣が担当されるのだと思いますので、確認の上、後藤大臣にお尋ねいただきたいと思います。
(問)マイナ保険証の1本化の時期についてなのですけれども、2024年秋としていることについて、昨日総理が「現場の意見を聞きながら対応を考えていきたい」と発言されました。改めてなのですが、マイナ保険証への1本化の時期について、河野大臣のお考えと、また与党内からも健康保険証の廃止時期の延期論が出ていることについて、大臣の受け止めを教えてください。
(答)国民の皆様の不安を払拭するための措置を行っていくということで、変わりはございません。
(問)先程の質問に関連して、今のところは、大臣は延期ということは考えていないという認識でよろしいのでしょうか。
(答)はい。
(問)昨日、マイクロソフトが、自民党の部会で、生成型AIに関するデータセンターをアジアで初めて整備したということを明らかにされました。これを受けて、GPT-4などの最新の技術を政府に提供するとマイクロソフト側が言っていますけれども、政府としてそのような技術を今後どのように活用していくか、そしてどういうふうに検討していくか、大臣のお考えを教えてください。
(答)政府のAIの利用につきましては、内閣人事局でワークショップを開催するなどしてまいりました。デジタル庁としても、AI利用のユースケースの開拓に取り組んでいるところです。更に利用環境が整備されてくれば、当然使途拡大ということになると思いますので、そこは内閣人事局あるいはデジタル庁AI戦略チーム、いろいろと検討していきたいと思っております。
(問)先ほどの質問の関連で、与党内から延期論が出ていることの受け止めについてお答えがなかったかなと思うので、その分についても、大臣のお考えをお伺いできますでしょうか。
(答)国民の皆様からの不安を払拭するための措置をしっかりやってまいります。
(問)ビッグモーターについてお伺いしたいのですけれども、そもそも今回のように大規模で組織的な消費者の利益を損なうようなことが行われたことについて、大臣の受け止めといいますか、考えを教えてください。
(答)所管する国土交通省あるいは保険を所管する金融庁が今必要な調査を行っていると承知しておりますので、まず一義的には所管省庁の調査の結果というのを見てまいりたいと思っております。消費者庁としては、先ほどもお尋ねがありました公益通報者保護法に関しまして、必要な調査を行ってまいりたいと思います。
(問)岸田総理が意見を聞くと語った医療現場の不安が十分に払拭されていなくても、マイナ保険証一本化は延期しないと、国民全体に対しては世論調査等で不安払拭が進んだか調査しないとおっしゃいましたが、医療現場についてもアンケート調査はせずに医療現場の不安で残っていても、一本化はそのまま進めると、単に聞くだけというふうに理解してよろしいのでしょうか。
(答)国民の皆様、医療現場の不安を払拭するための措置をしっかりと行ってまいります。
(問)国会の対応状況の調査は、今国会でされていたと思うのですが、そちらはまだしばらく公表までは時間がかかりそうでしょうか。
(答)まとまり次第ご報告はさせていただこうと思っております。確認しておきます。
(以上)