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河野大臣記者会見(令和5年3月24日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年3月24日(金)9時30分から9時58分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)

1.発言要旨

今日の閣議で不当寄附勧誘防止法の政令の決定がありました。行政措置及び罰則等に関する規定の施行日を、今年の4月1日とする政令、さらに施行に伴う関係政令の整備に関する政令を閣議決定したところでございます。

行政措置に関する規定を4月1日から施行することに伴って、消費者庁において行政措置の処分基準、あるいは適切な法運用のための「執行アドバイザー」の準備をしております。4月以降の体制をまた決めましたら、施行前にお知らせをしたいと思います。

2つ目、国民生活センターの理事長につきまして、3月31日付けで任期満了となります独立行政法人国民生活センターの理事長山田昭典さんを4月1日付けで再任することが閣議で了解されました。

消費者行政に関する深い知見・経験を活かし、消費者の安全・安心に向けてセンターの業務をしっかり引っ張っていただきたいと思います。

次に、デジタル庁からですが、新しいマイナポータルの機能の追加を行います。

利用者が、少ない情報でもわかりやすく、簡単に手続きが行えるように、マイナポータルの改修を進めておりますが、去年12月からアルファ版として改修予定の機能の一部を提供して、利用者からの声を集めているところです。ご自身のスマートフォンから、マイナポータルの一番上にあります「新しいマイナポータルを体験できます」というバナーをクリックしていただくと、アルファ版に入れるようになっておりますが、昨日付でこのアルファ版のバージョン2として、必要な行政手続、何を今やらないといけないのか、あるいは申請状況を管理することができる「やること」というタブを追加いたしました。それから医療費の金額をグラフで直感的に表示することができるようになりました。また、予防接種、母子の健康診断、税の情報、これを見やすく表示する機能を追加いたしましたので、ぜひ体験していただいて、アルファ版のそれぞれのページの下の方にご意見を寄せていただける機能を付けておりますので、ぜひ積極的にご利用いただいて、ご意見をお寄せいただきたいと思っております。

夏にはベータ版を出す予定でおりますので、皆様の声を聞きながらしっかり利便性を向上していきたいと思います。

今月27日(月)から、マイナポータルからパスポートのオンライン申請ができる機能をリリースいたします。有効期限が近づいてきたパスポート、それから査証欄の余白が少なくなってきたパスポートについて、それぞれ皆さんのスマホからマイナポータルを経由して、切替申請ができるようになりました。

これまでは申請時と受取時の2回、窓口に行っていただいていたかと思いますが、マイナポータルからの申請で窓口に行く回数はとりあえず受取1回で済むようになります。また、16の府県では、戸籍謄本を別途郵送いただくことで、パスポートの新規申請、それから記載事項の変更もマイナポータルから申請することができるようになっております。2024年度から戸籍の情報連携システムが動きますので、郵送を不要とする完全オンラインの新規申請を可能とする予定でおります。

このパスポートの申請システム、私も見てみましたが、やはりまだ改修の余地があるなと思いますので、リリースを月曜日からするわけですが、ここはアジャイルにすぐ改修できるところは改修しろという指示を出しました。若干当初面倒だなと思われるところがあるかもしれませんが、お許しをいただいて、なるべくしっかりとしたシステムを提供できるように順次改修をしていきたいと思っております。

最後に、マイナンバーカードの交付申請数9,550万枚に達しております。

このマイナンバーカードを使った本人確認機能、これは行政だけでなく、民間事業者にもお使いいただいて、国民にとっての利便性が様々な場面で向上する、これを期待しているところでございます。デジタル庁では大串副大臣をリーダーに、民間事業者にも具体的な活用をしていただきたいということで、大串副大臣から様々な業界にお声がけをいただいてまいりましたが、今般エンタメの分野での取組の方向性がまとまりましたので、副大臣からご説明をさせていただきたいと思います。

大串副大臣
それでは説明させて頂きます。今大臣からお話がありましたように、マイナンバーカードの民間での利用場面の拡大に取り組んでいるところでありますけれども、このうちライブとかエンタメにおける活用について、デジタル庁と関係団体とで連携して取り組んでいくこととしましたので、ご紹介をさせていただきます。

ライブやエンタメの公演でのマイナンバーカード活用による来場ファンの利便性の向上や、公演事業者の業務効率化に向けて、一般社団法人日本音楽制作者連盟(音制連)、一般社団法人日本音楽事業者協会(音事協)、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(ACPC)など、音楽団体との情報交換を進めているところでございます。

活用シーンといたしましては、例えば、音楽イベント会場での酒類の販売における年齢確認や、メタバースでのイベント参加、親子のための特設エリアの運営等にカードを活用するなどが考えられますが、今後、音楽団体と連携して、事業者の意見も聞きながら、具体的な活用シーンとともに導入・運用にかかる経費負担や実効性について検討した上で、今年、実証実験を実施したいと考えております。

また、先ほどお話がありましたとおり、マイナンバーカードの交付申請が9,500万枚を超えましたので、運転免許証の保有者数を超えて、最も多くの国民が持つ顔写真付きの本人確認書類となっております。以前は民間団体、民間企業にお話しすると、「まだカードの普及率が低いので、使えないお客様が多いんではないか」といった声が非常に強かったんですけれども、ここまで普及してきた中で、年齢確認の用途をはじめ、マイナンバーカード、それぞれのサービスに導入したいとの声が聞かれてきたところでございます。そういった状況が変わってきたということもありまして、エンタメ領域に限らず、色々な分野で民間での活用のアイディアの公募を本日から行いまして、実証実験のニーズをヒアリングしていきたいと考えております。

多くの方に取得いただいたマイナンバーカードの利用シーンの拡大というのは、非常に重要でありまして、当初からお話をさせていただいたとおり、カードの機能を活用した民間利用について引き続き進めてまいりたいと考えております。

2.質疑応答

(問)不当寄附勧誘防止法の件で、4月1日に罰則等の規定施行が決まったんですが、改めて期待される効果とか、意義というものを大臣の口から教えていただいてもよろしいでしょうか。

(答)昨年末、与野党で様々議論をしていただきまして、国会で成立をさせていただきました。行政措置、罰則、その他入ることで問題になっているような不当な寄附の抑制につながるのではないかと思っております。一部NPO団体をはじめ、様々、懸念の声も寄せられておりますので、そこはそうしたご心配が要らなくなるようにしっかりとした基準を作って運用してまいりたいと思います。

(問)その懸念の声というのは、具体的にどういった感じの声になっておられるのでしょうか。

(答)今まで行われていた正当な寄附が、この法律に抵触するのではないか、というようなことで行われなくなるようなことがないようにしてほしいということもございますので、そういうことがないように、そこはしっかりやっていきたいと思います。

(問)パスポートの新規申請も含めて、今後オンラインでというご説明もありましたけれども、大臣、ご覧になって幾つか課題というか、使いにくさを感じられたということだったんですが、具体的にどういったところを感じられたのかっていうのを、まだちょっと見てないので、大臣のご感想でまず伺えればと思います。

(答)申請のシステムのフローが「やや重複しとるやないか」と、「何でこんなことになってんの?」というところがありましたので、そこは重複と思われるところはしっかり簡素化できるように、あまり負担にならないように、そこはすぐに改修させたいと思います。それから、もう一つは、本当にそこまでやる必要があるのかという、ややオーバーになっているところがあるのではないかと思いますので、そこについてはもう少し議論をしっかり詰めていきたいと思っております。

(問)大串副大臣からありました、イベント等でのマイナンバーカードの活用に関してなんですけれども、まず一つ、今まで政府が検討されてきたのは、マイナカードを利用して、例えば高額転売を防ぐとか、そういったところでの活用だったと思うんですけれども、今回の具体的な活用シーンの中にはそういったご説明がなかったんですが、この点に関しては現在の検討状況はいかがなんでしょうか。

(答(副大臣))チケットに限らず転売防止に使えるという点で、色々な民間の団体とか、企業とかと話をさせていただく中で、先ほどお話ししたとおり、転売防止に使うチケットの販売とか、入場のときに使うにはまだまだ普及率が低かったというのが一つ大きなハードルであったのではないかなと思いますので、今回のこういった実験的な取組を通じて、コンサート会場でも色々な利用場面があるということを皆さんに体験をしていただく。イベントの主催者側にしても、お客様あっての話なので、お客様がこういう使い方があるんだねっていうふうに慣れていただくところから始めて、他にもこんな場面で使えるというのが出てくれば、それはそれでいいのかなということで、色々な場面での取組、お酒類を提供するようなイベントで年齢確認に使うとか、実際に使っていただく場面をこれから具体的に増やしていくというところから始めていくというのが、今回の取組の趣旨でございます。

(問)今後は、ゆくゆくは、その身分証としての活用というのも、転売防止という部分での活用も視野にして、それの前段階として今回の実証実験という理解でよろしいですか。

(答(副大臣))そうですね、チケット以外のものに関しても転売防止に使えるのではないかという声もありますので、実際に使っていただきながら、また公募する中でもっと違うアイディアが出てきたら、その場面でも使っていただければいいかなと思いますので、まずは皆さんに実感していただく、便利に使えるものであるということを実感していただくことを始めていきたいと考えております。

(問)メタバースのイベントのご紹介もありましたけど、具体的にどういうイメージなのか。

(答(副大臣))ログインするときの入場の本人確認とかにも使えるのではないかなとか、色々な場面、まだまだメタバースの使い方自体が色々な可能性がありますので、その場面の中でどういったことができるかというのも併せて検討していけるのではないかというところです。

(問)消費者庁関連で電気料金、規制料金についてお伺いします。消費者庁のホームページ、私、色々見てましたら、2月末に消費者庁に電気料金アドバイザーなるものが設置されていて、発表はなかったもので知らなかったんですけれども、これどういう経緯で、どういう狙いで設置されたのかというのをお聞かせください。

(答)2月24日にホームページに出していると思いますので、もう1か月たちますので、ぜひホームページを見ていただきたいと思います。規制料金の議論などもありますので、この電力業界に詳しい方、あるいは規制料金の様々な分野において優れた知見を持っていらっしゃる方にアドバイザーになっていただいて、色々なご意見を伺いながら議論を深めていきたいと思っているところでございます。

(問)メンバーは2月末現在で8人いらっしゃいますけど、この方々の人選の狙いと、それからこの1か月間でどういう活動を実際されてきたかというのを教えていただけますか。

(答)この規制料金の算定のもとになります、それぞれの色々な費用がありますが、この費用の構成に詳しい方に具体的にこの規制料金の申請の算定が本当に効率化されたものを前提として申請されているのかどうか、これはなかなか消費者庁だけではわかりませんので、そういう分野に詳しい方、また調べられる方に入っていただいて、そういう方々のご意見をこれまでも電取委あるいは経済産業省に意見として出しているところでございます。

(問)総理のウクライナ行きに関してTwitterで、なんで我々メディアに対して総理が安全な地域に戻ってから報道しないのか、というようなことをおっしゃっていました。我々メディアに関することなので、ちょっとお伺いしたいんですけれども、実際、今回のその報道というか、一連の訪問含め、どこに問題があったとお考えでしょうか。その政府の情報管理も問題になったのか、それとも我々メディア側の姿勢に問題があるのかというところを教えていただけますか。

(答)政府の情報管理に足らざるところがあったかどうか。そうしたことは今政府内でレビューされていると思いますので、レビューされているところにお尋ねをいただきたいと思います。

(問)我々メディアに関してメディアの報道姿勢についてはどうでしょうか。

(答)メディアにも常識的な報道をお願いしたいと思います。報道すべきものはあると思いますが、時間帯がすべき時間帯より早くて何か社会的な意義があるのかどうか。そうしたことはこれまでも「発表前に教えてくれたら一面で掲げます」とか、「発表前に教えてくれたら大きなニュースとして扱います」みたいなお話をいただいたことがありますが、発表物が発表の前に発表・報道されることに社会的な意義があるとは、私は全く思っておりません。むしろ、そういうスピードを争うのではなくて、中身・質で競っていただきたいと思います。

(問)冒頭でマイナンバーカードの申請件数9,550万枚というところで、8割弱ぐらいにも達していると思うんですけれども、政府の目標としてほぼ全国民というところをずっと掲げてこられたものですけれども、運転免許証を超えたことで、ほぼ全国民というのは達成されたというご認識でしょうか。また、6月とかに重点計画とか策定するタイミングになってくると思うんですけれども、その辺で次の目標みたいなものは目指すお考えでしょうか。

(答)ほぼ全ての国民の皆様に持っていただくという目標は引き続きあると思います。マイナンバーカードを持っていることを前提に、色々なものを組み立てるということが行政の効率化、あるいは効果の高い行政にもつながると思いますし、民間のよりよいサービスにもつながるんだろうと思います。さきほど大串副大臣から、やはり転売防止に関してはまだまだそういう交付率・取得率が足りてないのではないかというような話もありましたので、ほぼ全ての国民の皆様に持っていただくということになれば、今度はそれを前提として色々なサービスを導入することができるようになるだろうと思います。現時点でまだ交付については若干「取りに行けないよ」というような声もいただいておりますので、ここは少し自治体に頑張っていただこうと思いますし、国の方もそれにかかる費用については国が負担をするということで、今自治体にお願いをしているところでございます。例えば、高齢者の施設に入所されている方、あるいは寝たきりになっている高齢者の方をはじめ、今の申請のやり方、交付のやり方では取得できない、取得しにくいという方がまだまだいらっしゃいますので、今、政府部内でそういう方に関する本人確認をどうするのかという議論をしっかり詰めていこうとしているところです。申請をして取りに行ける、あるいは交付を受けられる方の中では、それなりに交付率が高くなってきたと思いますが、今の仕組みでは取得しづらい方への対応をこれからやっていかないといけないと思います。また、小さなお子さんをはじめ乳幼児は、まだまだ申請率・取得率が高くない部分があると思いますので、そうしたところについても政府内で次にどうするということをしっかり考えて、ほぼ全ての方に取っていただけるように努めてまいりたいと思っております。そこは変わっておりません。

(問)念のためなんですけど、ほぼ全国民というのはこれからも継続する目標という。

(答)私はそのとおりだと思います。3月末に8,900万枚と言っていたら、9,500万枚を超えましたので、そういう意味では本当に大勢の皆様に申請をしていただいてありがたく思っております。2月の最後の日に119万枚、システムに問題が発生しましたので、1日例外的に対応いたしましたが、そこでも100万枚を超える申請がありましたので、マイナポイントについては5月末というのは厳しいかなと正直思っていますので、今政府内で色々なことを検討しているところでございます。併せてご報告したいと思います。

(問)先ほどのライブイベントでのマイナンバーカードの活用に関してなんですけれども、これについては大臣も以前から導入に向けて前向きなご発言あったかと思いますが、今年から実証実験の第一歩として始まるということで、今のご感想といいますか、今後に向けての意気込みも含めてお伺いできますでしょうか。

(答)大串副大臣にこの分野、本当にリーダーシップを取って色々やっていただきました。今日から新たなアイディアの募集も始めておりますので、どうぞ手を挙げていただいて、デジタル庁もその実験をバックアップしていきたいと思っておりますので、可能性があるものはどんどんお寄せをいただきたいと思っております。またこれを皮切りに、民間の皆様にもこのマイナンバーカードを使った本人確認というものを便利なサービスとして提供していただければと思っております。引き続き大串副大臣にはこの分野でデジタル庁を引っ張っていっていただくことになると思いますので、色々なことができるように頑張りたいと思います。

(問)不当寄附勧誘防止法についてお伺いします。先ほどNPO法人からの懸念の声がというお話あったと思うんですけれども、宗教法人からも懸念の声というのはあるのではないでしょうか。今どういった状況か、具体的に伺えればと思います。

(答)色々な声をいただいております。どこからどんなというのを今全部私が分かっているわけではありませんが、そうした不安にしっかり応えられるように運用してまいりたいと思います。

(問)不当寄附勧誘防止法で教えてください。行政措置の規定の施行が7日後となって、執行部隊も現状では定員10人ということでできることも限られるというのもあり、優先順位としてどういうものから手をつけていくべきか、現場の大臣としての方針を教えてください。

(答)施行に向けて今様々な準備をしております。また体制についても4月1日に向けて検討をしているところでございますので、決まり次第色々なことを報告したいと思います。

(問)先程のNPO団体など様々なご意見というところで、そういった不安の声のバランスもあると思うんですけど、一方で新たな武器ができて、何もできなかったということにもならないかという一抹の不安もあり、そういう意見に対して執行する方向性に向けての意気込みといいますか、お伝えできることはありますでしょうか。

(答)4月1日からの施行に向けて、今、鋭意準備しているところでございます。

(以上)