大学生による政策提案プロジェクトについて
若い声から、未来のデジタル政策をつくる
デジタル庁では、学生のみなさんと一緒に「デジタル社会のこれから」を考えるリサーチ&政策提案プロジェクトに2023年度から取り組んでいます。
社会の仕組みをより良くしていくには、これからの時代を生きる皆さんが思い描く未来に耳を傾けることが欠かせません。学生ならではの発想や視点を政策の現場につなげ共に考える、それがこのプロジェクトの目的です。

プロジェクトに参加する学生たち
このプロジェクトには、公共政策、経済、情報、社会学など、多様な分野で学んでいる大学生が参加しています。
「普段の授業では触れないけど、実は気になっていた社会の課題を深掘りできる」、「同じ学生同士で議論しながら、行政と一緒にアイデアを形にしていける」、デジタル庁の職員や各領域の有識者と対話をし、学びながら政策提案につなげていきます。
松野 知紀(まつの ともき)
2025年にハーバード大学を卒業(環境科学·公共政策 学士)。関心は、日本におけるエネルギー安全保障、特に水素や天然ガス(LNG)政策。2022年にはハーバード大学日本政策ネットワーク (HUJPN)を設立。日本の政策課題に関する講演会等の運営に加え、デジタル庁を含む行政機関や地方自治体と連携し調査活動を実施。茨城県出身。
梅田 安菜(うめだ あんな)
ハーバード大学三年生、社会学・東アジア学専攻。関心は、ジェンダー問題、IT政策、植民地の歴史。日本人の母とスウェーデン人の父のもと東京で育ち、幼少期から英語、日本語、スウェーデン語を話す。多文化的な背景と語学力を活かし、将来は国際的な政策提言に携わることを志す。
鈴木 克崇(すずき かつたか)
2025年春ケンブリッジ大学工学部で情報工学・バイオエンジニアリングの学士と修士を修了し、秋よりマックスプランク研究所博士課程で生物学にAIを応用する研究を予定。テクノロジーの社会実装に伴う法整備に興味があり参画。埼玉県出身。
島宗 昂生(しまむね こうき)
ケンブリッジ大学三年生、経済学専攻。関心は政治・行政で、議員事務所でインターンを経験。
高校の先輩である鈴木よりプロジェクトを引き継ぎ、現在プロジェクトリーダーを務める。
取り組む政策テーマ
毎年閣議決定される「重点計画」の柱となる分野から「自分たちがユーザーであるからこそ気づける課題」を基準に学生リサーチャーが未来の暮らしや政策に関わるリサーチテーマを選定しています。
2024年度調査研究
- デジタルデバイド(情報格差)問題(ハーバード大学)(PDF/889KB)
- デバイスやインターネット環境が十分でない学生は、学びや成長の機会をどう確保できるのか。若年層が世界水準のデジタルリテラシーを身につけるために、デジタル庁が若者とできることは何か。
本リサーチは、デジタル時代における若年層のデジタル格差を是正するために、各国政府の人材育成政策等を分析し、デジタル庁が日本の若者と共に実行できる主体的なスキル獲得の仕組みについて検討を行いました。
- デバイスやインターネット環境が十分でない学生は、学びや成長の機会をどう確保できるのか。若年層が世界水準のデジタルリテラシーを身につけるために、デジタル庁が若者とできることは何か。
- 大学入試 × デジタル化(ケンブリッジ大学)(PDF/884KB)
- 入試手続きにマイナンバーカードを使ったらどうなる?利便性と公平性をどう両立した新しい大学入試手続きとは。
本リサーチは、諸外国に比べアナログな手続きが多く煩雑で複雑な日本の大学出願制度の格差を解消するために、各国の事例調査行い、日本に必要な仕組みについて分析。その結果をもとにマイナンバーカード等を利用した全国統一のオンライン出願プラットフォームについてプロトタイピングを行いました。
- 入試手続きにマイナンバーカードを使ったらどうなる?利便性と公平性をどう両立した新しい大学入試手続きとは。
2023年度調査研究
- データで政策はどう変わる?EBPMを効果的に実装するには(ハーバード大学)(PDF/962KB)
- EBPM(Evidence Based Policy Making)が政策立案をどう変えていくのか?
本リサーチは、各国のEBPM事例の比較調査を通して、日本においてデジタル庁がエビデンスに基づく政策立案(EBPM)を推進する上で整えられるべき枠組みについて、具体的な分析と提言を行いました。
- EBPM(Evidence Based Policy Making)が政策立案をどう変えていくのか?
- アルゴリズムによるデジタル格差の実態(ケンブリッジ大学)(PDF/670KB)
- 「誰一人取り残されないデジタル社会」を目指すためにデジタル格差の現状と対策を考える
本リサーチは、デジタル格差を生む新たな原因の一つとなっているアルゴリズムにフォーカスを当て、政府の意思決定におけるアルゴリズム利用に関する透明性基準を国際比較・分析し、デジタル庁に対する政策提言をまとめました。
- 「誰一人取り残されないデジタル社会」を目指すためにデジタル格差の現状と対策を考える
プロジェクト活動報告
2025年8月28日(木)に、学生リサーチャー4名がデジタル庁を訪れ、岸信千世デジタル大臣政務官と共にプロジェクトの2年間を振り返る対談を行いました。学生リサーチャーからは、リサーチを行ったきっかけ、リサーチ結果を踏まえたデジタル庁政策への前向きな提案等が話されました。岸政務官からは、意欲ある学生とデジタル庁によるリサーチ活動は続けていくべきこと、政策や組織を改革する上で重要なこと等を述べました。
これからの展望
本プロジェクトは今後、さらにテーマを広げていきます。
たとえば、AIの活用や個人情報の扱い方、デジタル公共サービスのデザインなど、日本の社会にとって重要となるテーマを若者の視点を交え、共に検討していきたいと考えています。
「学生だからまだ早い」ではなく、「学生だから見えること」が必ずあるはず。未来の社会を形づくるチャレンジにご期待ください。
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デジタル庁 調査企画班
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