【幹部活用事例】冨安デジタル審議官が語る「源内は相棒」
「相棒」としてのガバメントAI 源内
デジタル庁のデジタル審議官・冨安泰一郎は、デジタル庁が担う重要政策の統括や、組織全体のマネジメントを担っています。ガバメントAI 源内をどう活用しているのかを聞くと、冨安はこう答えました。
冨安デジタル審議官(以下、冨安):「一言で言うと相棒です。源内があるとないとでは、仕事の質、量が変わってくると考えております」
重要政策の統括からマネジメントまで、冨安が従事する幅広い業務において欠かせない存在となっているものが「ガバメントAI 源内」です。
冨安:「生成AIの利用は、業務の質の向上、効率化の実現の観点から日常のことになっていくと考えています。デジタル庁は、生成AIについて政府内で実装を推進していく役割を担っており、令和8年度においては、生成AIの利用環境である源内が実証事業として全府省庁に展開されます。昨年末に閣議決定されたAI基本計画でも、『隗より始めよ』と政府職員が先導的に利用していくことが規定され、幹部職員も積極的に利用していくことが謳われています」
冨安デジタル審議官のAI活用(チャット編)
冨安が源内を使って効率化している業務の一つが、外部講演における英語原稿の作成です。
冨安:「昨年、ちょうどデジタル庁職員に源内が活用され始めた時に、アジア各国の政府関係者が集まる会議で、デジタル時代の公共行財政システムの方向性について基調講演をしないかとの依頼がございました。デジタル庁の取組よりも広いテーマであり、一から原稿を作らなければいけないので、自分でやるしかないなと思いましたが、展開されたばかりの『源内』を活用してみたいとも思いました。」

パートナーとして選んだ源内で、まず開いたのはチャットでした。
冨安:「テーマや趣旨、自分の立場や誰を対象に話すかをインプットし、まず柱建てとそれに沿った内容を提案してもらいました。趣旨を少し変えると、違う柱建てや内容の提案が出てくるので、それを何度も繰り返して、フィットするものを組み合わせていきました。具体的な事例は、源内でデジタル庁や各省での関係しそうなDXの取組を前広にあぶりだして、事実関係などを精査しつつ、ブラッシュアップしていきました。」

源内を使って便利だと感じた点について、冨安はこう語ります。
冨安:「切り口や字数などを変更すれば、それに合わせた提案をすぐに出してくれることです。考えていく途中で色々と切り口や構成を変えたいなと思うんですけれども、それに対して素早く対応してくれました。(出力結果は)素材として活用しました。構成や内容はその素材を見ながら丁寧に考えました。事実関係も確認しました。【課題を5つ挙げてください。で、それぞれについての方向性を示してください】という風にお願いしました。もうちょっと深掘りしたいなと思ったら、その課題だけを取り出して、さらに分析してくれますので、深掘っていくのが大変便利です。」
冨安デジタル審議官のAI活用(翻訳アプリ編)

日本語で構成を整えた後、続いて活用したのは翻訳アプリでした。
冨安:「源内がなければ30分もの原稿の英語翻訳は作れませんでした」
この時、冨安はAIならではの使い方を駆使しました。
冨安:「日本人が喋るので、『日本人がよく使う英語で翻訳してください』と指示をしました。講演の場合は、はっきり言葉を伝えたいので、日本人が使うような英単語を使った方が伝わるかなと思いまして。」
源内の翻訳アプリなら、カジュアルさ、場面設定など出力する際に考慮してほしい条件なども入力できます。
冨安:「一つ一つ英語表現は確認し、修正は重ねましたが、これがあるとないとでは全然効率が違いますので、大変便利でした。」

さらにハプニングもありました。
冨安:「実は直前になってアジェンダを確認した際に自分の話す内容として少し予定と違うことが紹介されていたことに気が付きました。これは参ったと思ったのですが、『源内』を駆使してリカバリーをしました。非常に単純なチャットや翻訳を中心とした使い方でしたが、『源内』により、材料集めから最後まで自分が作業できることで、部下に負担をかけることなく新しいことができたと考えております。」
行政業務全体に広がる活用
幹部職員にとっても欠かせない存在となっている源内。以下では、行政業務における具体的な活用事例を紹介します。
SEABISでの活用

膨大な文書を扱い、ち密さや正確さが求められる行政実務。その事例の1つが旅費等内部管理業務共通システム・SEABIS(シービス)です。冨安はこう説明します。
冨安:「行政事務は文書で整理されていることが多いので、Q&Aなどには活用しやすいと思います。例えば、源内の中のアプリとして、SEABIS(旅費等内部管理業務共通システム)の質問応答用のアプリを提供しています」
SEABISは、各府省庁で導入している旅費精算などに関するシステムですが、マニュアルは数百ページに上り、課題を解決するまでに時間がかかっていました。そこで、SEABISの操作マニュアルやよくある質問を読み込ませたAIアプリが、源内に搭載されました。
昨年度、デジタル庁内で行った調査ではSEABISのAIアプリによって担当課への問い合わせ件数がおよそ1割削減され、初級者へのレクチャー時間もおよそ3割減るなど作業負担軽減の効果が見られました。
冨安:「これまで膨大なマニュアルを職員が読み込んだり、不明な点を会計職員に確認していたりしたのですが、これを源内上で簡単に操作できるようにしています。旅費と会計担当職員双方にとって事務負担の軽減だけでなく時間の短縮にもつながり、事務の効率化につながると考えております。」
引継ぎ資料作成での活用
数年ごとに異動することが多い各府省庁の職員にとって、引継ぎ資料の作成は大きな負担となっています。詳細で正確な記載が求められる上、機密情報の慎重な扱いも伴うためです。
源内に業務内容のメモや過去の資料を読み込ませれば、散らばった情報を整理・構造化することが可能です。セキュリティも確保されており、機密性2情報((編集注)源内で取り扱える情報の範囲はそれぞれの府省庁のルールを確認してください。)まで取り扱うことができます
さらに、マニュアルなどを読み込ませたAIアプリと組み合わせることで、引継ぎ先の職員が不明点を自ら源内に質問できる環境を整えることもできます。出典や細かい説明を資料に逐一記載する手間が省け、引継ぎ資料作成の効率化につながります。
Lawsyでの活用
政策立案や法制度調査の場面でも、源内の活用が広がっています。その一例が、Lawsy(法制度に関する調査)です。
Lawsyは、デジタル庁が主催したハッカソンで若手公務員が提案し、最優秀賞を獲得したアプリで、政策に関する法制度の根拠を示す機能を持っています。冨安は、こうしたAIアプリの活用可能性についてこう語ります。
冨安:「政策立案や分析においても、これまでは対処が困難であった大量のデータの分析・活用ができるようになりますので、大いに活用が見込まれています。まさに公務員のペインを緩和するものだと考えております」
将来の展望と今後の検討事項
中央省庁は、膨大な資料の収集、調査分析、処理速度と正確性の両立など、多くの業務課題を抱えています。源内はこうした課題の解決にも貢献できると、冨安は将来の展望を語ります。
冨安:「源内につきましては、まずは各府省庁の皆さんに使ってもらい、便利さを実感してもらいたいと考えています。さらに、その先として、業務の質の向上・効率化に取り組んでいただきたいと考えています。この源内につきましては、今後、AIアプリをさらに充実させるとともに、AIエージェントの利用環境の導入に向けて検討をしてまいります。また、国産LLMの試験的な利用を開始します。」
最後に、冨安はこう呼びかけました。
冨安:「源内で、行政の未来を切り拓きましょう!」