ガバメントAI 源内 利用状況アンケート調査(第1回)の結果を公表しました
1. 概要
デジタル庁は、政府職員向けの生成AI利用環境「ガバメントAI 源内」(以下「源内」という。)について、今年度、政府職員18万人を対象とした大規模実証を行っています。この実証における導入効果及び課題を把握するため、源内を利用する各府省庁等の職員を対象に「利用状況アンケート調査(第1回)」を実施し、6,439人から回答を得ました。
調査の結果、利用者の71.7%が源内への満足度について「満足」と回答し、利用者の過半数(54.4%)が、源内を導入した業務において、1週間当たり1時間以上の業務時間の短縮を実感していることが分かりました。AI導入による業務時間の短縮効果は、利用者1人当たり週平均約1.83時間(約110分※)と推計されます。また、全体の業務時間に大きな変化がない場合でも、源内の活用で節約できた時間を、より踏み込んだ検討や従来対応できなかった業務に振り向けることで、業務の質や働き方が改善したとの声が寄せられました。他方、AIの回答精度や信頼性の面で不十分な点が見られた、具体的な使い方が分からないなど、率直な声も寄せられています。
デジタル庁は、AIの導入そのものを目的とするのではなく、職員の業務負担を軽減し、職員がより重要で付加価値の高い業務に力を注げるようにするための手段と位置付けています。今回寄せられた職員からの声を真摯に受け止め、源内の機能改善と利用者支援に取り組みます。あわせて、AIの活用によって高めた業務の質を、より良い行政サービスとして、国民の皆様に還元できるよう努めていきます。
- ※業務時間の増減に関するレンジ回答は、原則中央値を採用(例:「1~3時間削減」=2時間)。上限のない回答は保守的に設定(例:「3時間以上削減」=3時間)。「時間増加」の回答は、マイナスの削減効果とする。
2. 今後の取組
デジタル庁では、今回の調査結果を踏まえ、次の考え方に立って取組を進めます。
第一に、AIを使いこなしたい職員に寄り添う環境づくりです。源内の利用者の7割以上が「満足」と回答しており、政府におけるAI利活用の効果が確認できました。今後、令和8年10月20日から提供開始したAIエージェント利用環境において、回答精度やファイルの入出力等に関して寄せられた要望に応えていきます。また、職員が作成したスキルやデータを組織横断的に共有・活用できる「源内ライブラリ」を年度内に提供し、利用省庁における源内の優れた活用事例(ユースケース)やプロンプトの共有を通じて、活用の裾野を広げていきます。デジタル庁として引き続き職員の「声」に耳を傾け、源内の改善・強化を進めます。
第二に、AIの徹底活用と利用の定着を推進します。今回の調査では、回答者の31.2%が源内をほとんど、または全く利用していないことが分かりました。業務上の理由から利用していない職員だけでなく、特段の理由なく利用していない職員や、利用のきっかけがなかった職員もいると考えられます。こうした職員への働きかけを進め、利用率の底上げを図ります。AIを使いこなすことで職員の能力が大きく引き出される可能性がある一方、AIを使う職員と使わない職員との間で、業務の成果や生産性に差が生じるおそれもあります。政府が率先して日本全体のAI利活用をけん引していくためにも、政府職員による源内の徹底活用を進め、行政の現場でAIが当たり前に使われる状態を目指します。
第三に、AIに振り回されない働き方の確保です。AIは職員の業務負担を軽減するための手段ですが、その出力は量・速度ともに人間の認知能力をはるかに超えます。AIが生み出す膨大な出力に職員が追われ、かえって負担が増えるようでは本末転倒です。自由記述の回答の中には、AIによって業務時間は増加したものの、その理由として「これまでの業務レベルからさらに上の取組を目指せるようになり業務時間が増加した」とのポジティブな回答があった一方、「AIを使えない、使おうとしない職員の業務が、AIを使える職員に回されて仕事が増える」と懸念を示す職員もいました。
このため、職員がAIの回答を効率的に確認・修正できるよう、回答の根拠を確認しやすい仕組みやデータセットを整えます。また、「ガバメントAI 源内 ガバナンス・セキュリティ・セーフティに関する基準(PDF/3,905KB)」(令和8年10月デジタル庁源内班。通称「源内基準」)等を通じて、適切な利用方法や注意点の周知を図ります。源内の利用登録をしていない職員や利用頻度の低い職員に対しては、基本的な使い方の研修等による導入支援を行います。
令和9年1月頃には第2回の調査を実施し、上述の取組及びAIエージェント利用環境の導入後の変化を検証しつつ、今年度の大規模実証事業の成果を総合的にとりまとめる予定です。