令和8年(2026年)第1回政策評価・行政事業レビュー有識者会議(2026年4月24日(金)開催)

概要

開催日時
令和8年4月24日(金)14時00分から15時30分まで
場所
ハイブリッド開催
出席委員
佐藤(一)座長、岩﨑委員、太田委員、神林委員、笹嶋委員、佐藤(主)委員、中空委員

議事次第

  • 1.デジタル庁政策評価・行政事業レビュー有識者会議の開催について
  • 2.座長の選出、座長代理の指名
  • 3.デジタル庁政策評価・行政事業レビュー有識者会議の運営について
  • 4.事業の見直し改善に向けた議論(各事業の説明)について
    • ① デジタルマーケットプレイス(DMP)カタログサイト
    • ② 国家資格等情報連携・活用システム

資料

議事概要

事務局から開会宣言の後、委員互選による座長・座長代理の選出が行われ、その後、事務局から本会の設立の背景と位置付け及び今後の進め方について説明があった後、担当からの事業説明とそれに対する委員からのコメント・質疑応答があった。
主なコメント・質疑については以下のとおり。

①デジタルマーケットプレイス(DMP)カタログサイト

委員: 初回の確認事項として、本事業が2023年からの事業であること、及び2024年度の予算執行額4億9,500万の妥当性について確認させてください。
また、調達件数が6件というのは累計で6件という理解でよろしいのですか。補正予算の影響等で件数が伸びてない可能性も考えられるものの、全体としては少ない印象があります。特に中央官庁では結局デジタル庁のみの実績とのことですが、他省庁の反応はどのような状況なのでしょうか。
さらに、自治体は約1,700ある中で4件という実績は少ないと考えられますが、現在どのような自治体が利用しているのかについてお聞きします。

担当: 本事業は2023年から開始していますが、新しい仕組みであることから、リリースの約2年前から検証・実証を行ってきました。その上で、2024年度から25年度にかけて実証的にカタログサイトのシステムを構築し、実際にベンダーの方にソフトウェアを登録していただいておりました。2024年度の予算執行額4億9,500万円については、実証用カタログサイトの運用と本番用カタログサイトの開発を並行して実施していたため、一時的にコストが重複した時期があり、仕組みの検証といったところに時間とコストをかけてしまったところでございます。
また、調達件数6件は昨年度の累計数です。件数が少ない背景としては、調達・選定システムのリリースが2024年度末であったため、翌年度当初契約(2025年4月契約開始)の調達手続の多くが、既に完了していた状況があり、執行残予算を活用した調達が中心となりました。
中央官庁についてはデジタル庁が中心に利用していますが、他省庁への周知が十分でなかったことを認識しており、今後は活用促進に向けた取組を強化する必要があると考えています。自治体については、都城市をはじめ、中小規模の地方都市が主に利用しています。

委員: 開発費を含めた4億9,500万円という数字の他に、今年度のランニングコストはどの程度と見込んでいますか。

担当: 運用経費としましては、1.1億程度です。

委員: 最後にもう一つ、支出先がシンプレクス株式会社となっており、開発および運用を担っていると理解しているのですが、今後も同社が運用を継続するのですか。

担当: 一般競争入札で調達しており、コストと技術力の評価に基づいて選定します。その上で、昨年度の正式版開発はシンプレクス社が担当し、今年度の運用もシンプレクス社となっています。

委員: 地方自治体を含めた政府全体のソフトウェア調達件数はどの程度あるのでしょうか。

担当: 自治体のシステム数については、中規模自治体で約100システム程度と推定すると、1,700自治体で単純計算すると約17万件規模と推計されます。
中央官庁についても正確な数値は手元にありませんが、おおよそ1,000件程度ではないかと考えています。

委員: つまり、全体で約17万件のうち、現在6件ということですね。今後どの程度までシェアを拡大することをKPIとして想定しているのか、またその達成に向けた見通しや戦略、ロードマップについて教えてください。

担当: 先行的なユースケースとして、まずは今年度中に2桁程度まで増やすことを目標としています。一方で、その後どの程度の成長率で拡大していくかは、今後さらに検討していく必要があると認識しています。

委員: ゴールとして何%ぐらいのシェアを目指していますか。

担当: 当該点についてはこれまでKPIとして設定していませんでしたが、今後検討の上で改めて回答します。

委員: スクラッチ開発が必要なシステムや本プラットフォームになじまないものもあると考えられるため、どの程度のシステムが適合するのかを分析することが重要です。
また、その結果としてどれだけ統合が進み、コストダウン効果が見込めるのかを検討する必要があります。
さらに、ベンダー側に十分なメリットがある場合に、約1.1億円の運用経費を賄うため、利用フィーの徴収も考えられますが、この点について見通しはあるのでしょうか。

担当: 初期段階ではフィーを取ると事業者の登録が進まず、呼び水という観点からも難しいと考えています。調達実績が積み上がらないとフィー徴収も打ち出しにくいため、状況を見ながら適切なタイミングで検討していきたいと考えています。

委員: 検索実行数や成約を増やすための具体的な施策は実施されていますか。

担当: イベント登壇によるDMPのPR時に事業者登録や行政ユーザー登録が増加することを観測しています。
また、デジタルマーケットプレイス掲載マークを新たに作成し、ベンダーの製品紹介に付与することで認知拡大を図ります。

委員: 市場全体の競争相手といいますか、民間の同じようなサービスがあるのかないのかということと、もしあるのであれば、すみ分けみたいなものを考えるのではないかと思うのですけれども、先ほど量的なシェアをどれぐらい取るかという話があったのですが、どの辺の質を持ったソフトウェアを狙っていくという青写真というのはあるのでしょうか。

担当: まず、競合するようなサービスがあるかといったところについて、公共調達の実績を紹介するサイトや、民間企業向けのSaaS検索サービスは存在しますが、行政業務に特化してSaaSを検索できるサービスは現時点ではないと認識しています。また、サプライチェーンリスクの確認を関係省庁と連携して実施したうえで製品を掲載している点は、本プラットフォームならではの強み(安心感の担保)と考えています。

委員: その区切りでマーケットを定義できるということですね。

座長: 委員のご専門は労働経済なので、ハローワークと民間との労働あっせん等のすみ分けでいろいろ問題を踏まえたご質問だったのかなと思っております。

委員: 1点目は、根本的な疑問として、このマーケットプレイスの意義が十分理解できていません。利用を促したいのであれば、国が一定のパターンを提示した方が効率的ではないかとも考えられますが、なぜ選択型の仕組みとしているのかについて説明いただきたいと思います。
2点目は、諸外国における同様の取組事例があれば教えてください。

担当: 1点目について、現在は自治体ごとにシステムをテーラーメイドで開発するケースが中心となっており、委員のご指摘は、国が共通のシステムを提供する方向を想定されているものと理解しています。

委員: 使う人が増えるという意味ではそうかなと。

担当: ただ、国が全自治体向けに共通システムを全ての分野で整備するのは負担が大きく難しい面があると考えます。一方で、行政業務の一部には民間と共通する分野があり、チャットやBIツールなどについては民間SaaSの活用が効率的で、SaaSはユーザー数が増えるほど利用者が便益を受けるため、スクラッチ開発より各行政機関のコストが低くなります。そのため、パッケージ化されたサービスを選択できるマーケットプレイスの仕組みが有効と考えています。
また2点目については、本取組は英国のデジタルマーケットプレイスを参考にしており、同様の仕組みによりクラウドサービスの利用が促進された事例を踏まえています。

委員: 現時点では十分に納得できていないため、改めて趣旨が理解できるような説明をお願いします。また、英国における浸透状況についても改めて共有いただければと思います。

委員: 生成AIの進展によりソフトウェア開発が容易になる中で、運用段階での不具合やメンテナンスコスト増といった課題も想定されますが、こうした点を踏まえ、登録事業者の質を適切に評価し、良い事業者を残しながら適切に選別していくための仕組みについて、工夫や見通し等、既に実施している取組はありますでしょうか。

担当: 評価を通じて特定の製品を推進する形を取ると、公共調達の公平性が損なわれると考えており、その代替としてDMPにおける調達実績を公開する仕組みを設けています。調達実績が蓄積されることで、よく調達される事業者とそうでない事業者が自然に可視化され、その結果として、より選ばれる事業者が利用されていくと考えています。

委員: 省庁からの評価や調達実績が簡単に見えるインターフェースの設計が望ましいと考えます。

座長: 次回説明いただきたい点として、2点あります。
1点目は、中小企業に資する効果を強調されていますが、受注6件のうち中小企業の比率はどの程度か、実績の数字で示していただきたいと考えます。ポータル型サービスは参入障壁が下がる一方で、大手に受注が偏る可能性もあるため、中小企業に係る実績の数字を提示することが必要です。
2点目に、検索件数1,200件に対して契約6件といった状況について、提供側と需要側のミスマッチによるものか、あるいは制度的要因や調達ルールの制約によるものか、次回説明をお願いします。

②国家資格等情報連携・活用システム

委員: 利用実績の規模感について把握したいのですが、資格更新や証明に活用できるとの中で、現時点でどの程度利用されているのでしょうか。また、約30億円のコストに見合う利用実績となっているのかについても教えてください。
あわせて、今後どの程度の国家資格を対象としていく想定なのか、全ての国家資格を一元的に取り入れていく方向なのかも含め、どのくらいの範囲をカバーしていく見通しなのか、相場感があればお聞かせください。

担当: 令和7年度のオンライン申請件数は、当初目標3万6,000件に対して、21資格合計で4万7,680件となっています。
全体的な利用実績の把握は十分ではありませんが、利用件数の多い上位資格を対象に見ると、申請全体のうち約5割がこのシステムを介したオンライン申請となっています。
また、今後の導入については、現在の21資格に対し、全体で128資格への拡大を目指しており、令和8年4月以降に予定している107資格を含めて導入を進めていく考えです。

委員: 最後に1点、対象資格が増えることで予算は増加するのでしょうか。また、30億円規模の費用は固定費と考えてよいのか、それとも今後、増加する可能性があるのかについて教えてください。

担当: 導入資格が増えると対応する改修等が必要となるため、整備費等は増加します。

委員: コスト増加額の詳細を把握していますか。している場合、固定費と整備費の内訳も教えてください。

担当: 詳細に把握できていないため、追加で確認させていただきます。固定費と整備費の内訳についても整理いたします。

委員: 先ほどの委員のご指摘とも関連しますが、コストビヘービアについて把握されているのかお伺いしたい。例えば申請1件当たりのトランザクションごとにどの程度のコストが発生するのか、あるいは時間経過によるコストなど、コスト構造の整理が必要です。
年間約40億円規模で申請件数が約4万件という前提に立つと、1件当たり約10万円程度のコストとなる理解でよいのか確認させてください。

担当: 現時点ではそのような理解です。

委員: 電子申請1件当たり約10万円のコストがかかるという点についてはやや高い印象がありますが、今後の拡大に伴ってどの程度まで単価を下げていける見込みなのか教えてください。

担当: 資格数が21から128に増加することを想定しておりますが、申請件数ベースでの拡大見込みやそれに伴うオンライン申請1件当たりのコストに係る詳細な想定はできていません。

委員: 5倍程度の資格数増加で、申請件数1件当たり数万円の国民負担が見込まれるということですね。

担当: 初期基盤整備には共通基盤としてマイナンバー連携基盤や電子納付も利用できる仕組みが含まれており、個別資格での整備より一定のコスト削減効果が期待できます。具体的な年限や削減額については次回提示いたします。

委員: 分かりました。詳細な数字と将来の見通しを次回提出してください。

委員: 2点ございまして、まず1点目は、このシステムは実務的に非常に有用であり、外国人労働政策の観点から、来年の育成就労制度開始に伴い資格提示の重要性が高まる中で、技能士や技能講習の等級が短期間で変化することも踏まえると、信用できる形で即時に提示できる点は利便性向上に資すると考えます。そのため、育成就労や特定技能で想定される80万~100万人規模の利用も見込まれるのではないかと思います。
2点目として、資料の線表に「令和8年2月~3月開始」とある点について、既に4月となっていますが、対象資格を所管する省庁との調整には着手している中で何らかの理由により未実現なのか、それともあくまで将来の予定ということでしょうか。

担当: 線表中の赤線が本日時点です。2月~3月開始の10資格は既に導入済みです。

委員: 既にシステムに搭載されているということですね。

担当: ご認識の通りです。技能士や技能講習についても所管省庁と調整済みで利用開始しています。ただし、技能講習や技能士には多くの種別があるため、順次追加される予定です。

委員: マイナンバーへのひもづけにこれほどコストがかかる点は私の想像以上であり、ガバメントデータハブの議論に関わる立場からすると、より簡易に実現できるのではないかという認識もあったため、コストの内訳やデータ統合のあり方等について整理いただきたいと考えています。
また、利用している人数の規模について教えていただきたいのに加え、受益者については資格保有者とそれを活用する側の双方が想定される一方で、それ以外の者に税負担を求めることの妥当性についてどのように考えるのか、費用負担のあり方も含めて見解があればお聞かせください。

担当: 申請の人数ベースのところに関しましては、先ほど資格数と併せて申し上げた申請のオンライン件数については、一人が複数の申請を行った場合も含まれることから、実際の利用人数よりも多く出ているのではないかと考えられます。

委員: (申請者が)重複しているということですね。

担当: そうです。なので、そこは把握できるかどうかは確認をさせていただきたいと思います。
また、受益の範囲に関しましてもご指摘があったとおりどこまで捉えるかというところで、一番狭く捉えますとそれぞれの資格を利用している国民の中の一部の方ということになろうかと思いますけれども、あとそれを運営している資格管理団体ということになろうかと、その辺りが直接的な受益の範囲になるのかなとは思いますけれども、この辺りはどのようにどこまで受益者というところを捉えるのかというのはご指摘も踏まえてもう少し整理させていただきたいと思います。

委員: 政策的には資格情報連携による利便性向上に異論はありません。一方で、費用についてはこれまで個人が負担してきた経緯がある中で、今後誰がどの程度・どの範囲で負担するのかという、負担と受益のバランスを踏まえた制度設計が必要と考えます。
また、デジタル化の推進により構造全体の透明性を確保するとともに、国・自治体・民間の役割分担や、資格ごとの差異を踏まえた標準化の在り方についても検討が求められます。
さらに、国家資格は個人の利益にとどまらず、社会全体の安全や品質を支える側面もあるため、公共的な基盤として税負担で支えることも一定の合理性があると考えます。あわせて、リスキリングやリカレント教育の推進の観点からも、こうした基盤整備は重要ではないかなと拝察しています。
海外ではデンマークなどで教育・資格情報を閲覧できる仕組みが国家ポータルで構築されているようなケースもあるようですので参考になるのではないかと考えます。

座長: 次回以降の説明をお願いしたい点として、3点あります。
1点目は、受益者の定義です。資格提示が必須でない資格も多く、複数資格保有者にとっては利便性が高い一方、それ以外の者には利益が限定的であることから、税負担との関係で受益者の範囲を明確にする必要があります。
2点目に、KPIについて、対象資格数ではなく実際の利用状況を重視する観点から、指標の見直しが必要と考えます。
3点目に、高頻度利用資格だけでなく、低頻度利用資格の課題を分析することが重要であり、全体のオンライン率だけでなく資格別の状況も整理いただきたいと思います。

全体を通してご質問・ご意見

委員: 1点、個別事業との直接の関係ではありませんが、システム開発には多額の費用がかかり、デジタル庁全体としての調達規模も今後拡大が見込まれる中で、プライムコントラクターが限定される点など、防衛調達と類似の課題が生じる可能性があります。
防衛調達では、業者が官庁よりも情報優位にあることを踏まえ、初期見積の妥当性確保や過大請求の抑制のため、事前・事後の監査を行う仕組みが整備されています。こうした点を踏まえると、今後の調達拡大を見据え、開発コストを適切に抑制するための監査の仕組みについても検討していくことが望ましいのではないかと考えます。

委員: 政府としてはデジタル関連業務費用の3割削減を目標としているため、各事業においても、これとの整合性は担保する必要があります。例えば、国家資格のオンライン化や、マーケットプレイス構築によるコスト削減効果など、サービス向上によるコスト増も踏まえつつ、全体としての予算抑制との比較衡量を示すことが重要と考えます。

以上