令和7年(2025年)第4回政策評価・行政事業レビュー有識者会議
概要
- 日時:令和7年(2025年)8月4日(月)10時30分から12時00分まで
- 場所:ハイブリッド開催(対面およびオンライン)
- 議事次第:
- 開会
- 議事
- (1)これまでの議論の報告
- (2)各事業の改善の方向性について
- ①統括・監理支援システム
- ②電子決裁システム(EASY)
- その他
- 閉会
資料
議事概要
事務局から開会宣言の後、平デジタル大臣より本会議開催にあたっての挨拶を行った後、事務局の司会により会議が進められた。
まず、有識者会議座長より、第2回政策評価・行政事業レビュー有識者会議において取りまとめた報告書及び第3回政策評価・行政事業レビュー有識者会議(公開プロセス)での議論を踏まえ、事業改善に向けた提言について説明があった。その後、各事業担当者より、報告書及び公開プロセスを踏まえた事業改善の方向性について報告があり、有識者より各事業担当者からの報告に対して所感があった。最後に、岸デジタル大臣政務官より全体に対しての所感があり、森田総括審議官より閉会の挨拶を行った。
日時
令和7年(2025年)8月4日(月)10時30分から12時00分まで
場所
ハイブリッド開催(対面およびオンライン)
出席者
委員
佐藤座長、岩﨑委員、上村委員、神林委員、小林委員、永久委員、水戸委員
※笹嶋委員は書面により審査
議事
事務局: それでは、定刻となりましたので、第4回政策評価・行政事業レビュー有識者会議を開催いたします。
本日はウェブ会議システムを用いて開催させていただいております。
まず、開会に当たりまして、平デジタル大臣からご挨拶させていただきます。
平デジタル大臣: 皆さん、おはようございます。お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
デジタル大臣の平将明です。私は行革の担当大臣もしておりますので、両方の立場ということでありますが、この行政事業レビューについては、実は自民党時代の2008年に無駄撲滅プロジェクトチーム、河野太郎さんが主査となって実施したときからのメンバーでありますので、大変思い入れのある事業であります。どうぞよろしくお願いをいたします。
有識者の先生方におかれましては、これまで3回にわたる議論にご参加をいただくとともに、本日、本当にお忙しい中ご出席をいただきまして、感謝を申し上げます。
本会合は、デジタル庁の実施する事業について必要性・効率性・有効性の観点から有識者の皆様によるご議論をいただくことで、より効率的な、そして効果的な取組となるよう点検を行い、質の高い行政を実現することを目的としております。
これまでの議論において、統括・監理支援システム、電子決裁システム(EASY)という2つの事業について改善に向けたご提案をいただきました。
本日は、これまでの議論の内容をまとめた報告書を頂戴するとともに、有識者の皆様からのご提案を踏まえた事業の改善の方向性につき、担当者から報告を行います。
皆様からのご意見を踏まえ、事業全体の点検、改善を進めていくことで、効率的かつ効果的なデジタル政策を展開し、政府及び社会全体の生産性の向上を目指してまいります。
デジタル庁においても、政府等のAI利活用の推進に取り組んでおり、これにより、事業の効率化や効果的な実施が実現すると考えております。
本日も活発なご議論をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
事務局: 平大臣におかれましては、ご所用のため、本日はこれにてご退席されます。
(平デジタル大臣退室)
事務局: それでは、本日の会議の流れについてご説明いたします。
まず、有識者の皆様に取りまとめていただいた報告書を、有識者を代表して座長からご報告いただきます。次に、各事業担当者から事業改善の措置・検討状況について報告いたします。この報告を受けまして、有識者の委員の皆様からご所感をいただきまして、最後に岸政務官から所感をいただければと思っております。
なお、若干補足説明をさせていただきますけれども、この後にご報告いただく報告書につきましては、デジタル庁の取組の中から統括・監理支援システム、電子決裁システム(EASY)の2事業を選び、事業改善の方向性等について有識者の皆様でご議論いただきまして、5月の段階で暫定版の報告書を作成いただいておりました。その後、先月7月4日に統括・監理支援システムを対象に公開プロセスを開催いたしまして、そこで有識者の委員からいただいた意見等を加えて、報告書の最終版となっているということでございます。
それから、各事業担当者からの報告についてでございますけれども、暫定版の報告書が作成された時点以降、つまり5月以降において各事業について指摘があった課題に対して、現在までに事業改善に向けて検討を行ってもらっている状況でございます。その意味で、現時点での事業改善の方向性の措置・検討状況についての報告ということになりますので、その点、ご承知おきをいただければと思っております。
それでは、座長から報告書について概要をご説明いただきます。
1. これまでの議論の報告
有識者会議座長: 今年度なのですけれども、2つの事業を対象とさせていただきました。統括・監理支援システム、電子決裁システム(EASY)でございます。公開プロセスに関しては、統括・監理支援システムを対象とさせていただきました。
統括・監理支援システム
有識者会議座長: 各府省庁におけるシステム開発において、デジタル庁は個別にそのレビューを行っていく立場にあるわけですけれども、それと同時に、そのシステムに関して一元的な監理が必要ということで、その情報の入力などをこの府省庁にお願いをしているところになります。
また、デジタル庁としては、そのためのシステムを提供しているところになります。
今回議論させていただいたところで、我々からの改善提案としては、幾つかあるわけなのですけれども、まず目標設定でございます。こういう場合、ある種、KPIは重要になってくるのですけれども、現状想定されているKPIが「各ビューへのアクセス件数」です。これは府省庁がデジタル庁が集めた情報にアクセスする回数ということになります。ただ、これはレビューの効果とアクセス件数は必ずしも一致しませんし、デジタル庁のこの案件では、各省庁がデジタル庁側で集めたシステムで見られるのは、その府省庁の範囲内だけになります。ですから、自府省庁内のシステムをあまり監理していない府省庁に関しては有効性はあるにしても、府省庁側できっちりどういう府省庁内のシステムがあるかを監理しているところは実際にあまりメリットもないところがあって、そういう意味で、レビューの成果というところに目標を設定してほしいということが、まず1つ目のコメントでございます。
政策の手段、その実施の内情としましては、府省庁からこの一元的にシステム監理するためのシステムの登録が年1回になっているところがあります。これは何をもってこれを行っているかによるのですけれども、きめ細かいレビューを行うという観点からすると、1年に1回はなかなか長いところがあって、ここに関しては前の会議でももう少し短くしたほうがいいのではないか、もう少し最新の情報を見られる形にしたほうがいいのではないかという指摘がある一方で、このシステムへの入力は府省庁側の担当者によるところが多いので、その更新回数が増えてくると当然府省庁の負担も大きくなるので、そこに関してはよく考えて、5ページの最後に書かせていただきましたように、回数を増やすことによって各省庁の負担が高まってしまって、あまり煩雑にならないように、その更新によって得られる効果とのバランスを取りながらやってくださいということが我々の意見でございます。
政策手段、やり方なのですけれども、デジタル庁としては各府省庁に対して個別にレビューするという立場を取りながら情報を集めているというところでも負担がありますし、また集める方法として、現状は書類ベースであったり、メールというところもあって、ここは最新のIT技術、AIも含めた形でよりよくしていただけるといいのではないかというところを書かせていただいています。ただ、ここも最後に書いてありますけれども、府省庁の負担にならない程度にというところが前提でございます。
政策手段の3つ目でございます。6ページの後ろのところでございますけれども、セキュリティの観点から一元的に集めることがいいのかというところは、このセキュリティの議論ではよく出てくるところでございます。確かにばらばらでやるよりは1か所でやったほうがセキュリティは強固になるという考え方もあるのですけれども、逆に何らかの敵などにセキュリティを破られたときの損害は大きくなります。ですから、ビフォー&アフターをちゃんと取ってどう改善されているかを見なければいけないのですけれども、それと同時にセキュリティの観点も見なければいけないし、ここに書かせていただいていますけれども、セキュリティとユーザビリティー、コストは相反することが多い。概してセキュリティをきつくするとユーザビリティーが下がりますし、コストもかかりますので、そこをうまくバランスを取ってやっていただければと思っております。
予算と体制のところです。7ページのところでございますけれども、今、この案件で使っているシステムは、ある種データベースにはなっているのですけれども、比較的簡易なデータベースを使われています。ですから、仮に府省庁が1年に1回ではなくて随時変更があるたびに更新をしたりすると、恐らく対応できないということになってきます。そうすると、今のデータベースの延長ではうまくいかなくて、データベースを一新しないといけないはずなので、それもご検討いただければと思うのです。ただ、先ほど言った更新頻度の問題と関わりますが、府省庁の負担もあり、データベースもそれに合わせていかなければいけないので、もう少し予算的なものの裏づけをしないとデータベースを更新することができないので、結果として情報の更新も難しいということになるのかと思っております。
ステークホルダーのところは、既に申し上げたところですけれども、府省庁のシステム担当者が入力をしなければいけない、それもどちらかというと府省庁はそれぞれ独立性があって、独自の形でそのシステムをつくっている中で、デジタル庁側の用意したフォーマットに合わせて入力をしなければいけないというところがあって、そうしたところを当然ご理解いただきながら、なおかつ負担をかけない形で集めることとしない限り、ステークホルダー、この場合はユーザーとしては府省庁の理解が得にくいのかとなっております。
電子決裁システム(EASY)
有識者会議座長: こちらは既に稼働している文書管理システムのEASYの更新という形になります。公文書管理に関しましては、制度官庁は内閣府でございまして、デジタル庁の立場としては公文書管理に関するシステム整備のところになってまいります。ですから、制度的な変更という部分だとデジタル庁ではなくて内閣府になってしまって、デジタル庁側でやれる範囲は少ないのかということを思いながらレビューをさせていただいたところでございます。
政策手段の1つ目でございますけれども、このシステムはほぼ全府省庁が使っている、通常に使っているものでございます。ですから、これのシステムの使い勝手が悪いとほかの業務に差し障りがありますので、その辺は考えていただいて、使いやすいシステムをつくっていただきたいというところでございます。そのためには、まずは各府省庁に使っていただく前に、この新しくつくる新文書管理システムを、まずは公文書を管理する内閣府とシステム開発を担うデジタル庁から先行導入をしていただいて、申し訳ないのですけれども、そこでいろいろ不具合や使い勝手の悪いところは直しながら、府省庁に展開していただくといいのかと思っております。
アプローチ2、政策手段2ですが、ここもかなり使い勝手に関わるところでございます。UI(ユーザーインターフェース)、UX(ユーザーエクスペリエンス)というのは、民間では比較的いろいろノウハウが蓄積しているところですけれども、政府は必ずしもそういうわけではない中で、デジタル庁は率先してその分野に取り組まれているので、デジタル庁の知見を使っていただいて、より使いやすいユーザビリティーの高いシステムをつくっていただきたいということが2つ目の政策手段です。
予算・体制に関しましては、ここにも少し書かせていただいているように、必ずしも予算が潤沢であるとは言えないところがあります。特に、昨今はいろいろシステム費も上がっていますし、その中で新システムで予定されているいろいろな機能、新しい機能、便利な機能があるところですけれども、現状の予算では全部つくり込めないのではないかというご指摘を原課からいただいていて、それは確かにあり得ることなので、府省庁全体の仕事の効率性に関わるシステムでございますので、予算面に関してはいろいろご検討いただけるといいのかと思っております。
2番目の最後のところですけれども、仮に予算に限りがあった場合も、なるべく使う方にとって利便性を失わない形で工夫をしていただきたい。それは実装する機能を絞り込むということもありますけれども、なるべくAIなどの最新の技術を使いながら、利便性を高めながら、検討を進めていただければよいのかと思っております。
全体として報告は以上となります。
事務局: それでは、事業担当者から報告書を踏まえた事業改善の方向性の措置、それから検討状況について報告をさせていただきます。
2. 各事業の改善の方向性について
統括・監理支援システム
事業者担当者: それでは、統括・監理支援システムのご指摘を踏まえた改善の方向性について説明さしあげたいと思います。大きく6点ご指摘いただいております。
まず、1点目でございます。費用対効果を明確にすべきというところでございますけれども、ご指摘のとおり、現状はアクセス件数のみというところがございますが、こちらにつきましては、当然各府省庁の入力コスト、この存在を前提にした上で、当該システムを活用することによる行政事務の効率化効果といったところも明確にした上で、費用対効果の指標を新たに設定していきたいと考えております。
2点目でございます。各情報システムの入力の頻度でございますけれども、年に1回、この頻度を高めていくべきであるというご指摘と同時に、とはいえ各府省庁の負担を軽減するというこのバランスを取ることが大切だというご指摘でございます。こちらにつきましては、各府省庁のPMOやPJMOもステークホルダーになってまいりますので、情報更新の頻度や方法についてはデジタル庁側で一方的に決定していくことではなくて、きちんと各府省庁の意見も聴取しながら業務設計・システム設計を実施していきたいと考えております。
3点目でございます。いわゆる予算要求等レビューで各府省庁との間で統括・監理支援システムだけではなくて、結果的に随時各種メール等のコミュニケーションが発生してしまっているので、そういったことがないように一元的にシステム内で完結するようシステム設計を行うべきではないかというご指摘でございます。こちらについては、現状はご指摘のとおり、非常に都度のコミュニケーションが発生して各府省庁の負担が増大していることを認識しておりますので、そういったことを極力排除できるように、きちんとシステム上で情報更新できるように、データベースの一元的な設計の見直しですとか、一部AI等の活用も行って、システム刷新を行っていきたいと考えているところでございます。
4点目のセキュリティに関しましては、まさに次期システムにおいてはガバメントクラウド上での運用も想定しているところでございますので、そちらも視野に、アクセス権限の管理については現在と同水準の厳格さをきちんと維持できるように、ただ、ご指摘いただいたとおり、ユーザビリティーやコストの兼ね合いもきちんと念頭に置いて万全の対策を講じていきたいと考えております。
5点目でございます。予算につきましては、ご指摘のとおり、中途半端なシステムをつくってかえって各府省庁の負担を増大させてしまっては意味がございませんので、こちらについては、デジタル庁の予算担当等とも一層意思疎通を図っていきながら、必要な予算確保に努めてまいります。
最後、6点目ですけれども、再三にわたってご指摘いただいているとおり、このシステムは各府省庁とのコミュニケーションといいますか、この負担があってのシステムでございますので、過度な負担が生じないように各府省のコストについて留意すべきだというご指摘につきましては、まさにそのとおりでございまして、冒頭でも申し上げましたとおり、単純にアクセス件数だけで測るのではなくて、このシステムを導入、活用することによって生じる行政事務の効率化効果と各府省庁の負担のバランスをきちんと見た上で、費用対効果を意識しながらシステムの開発をやっていきたいと考えております。
電子決裁システム(EASY)
事業者担当者: 今回4つの改善提案をいただいております。
1つ目の各府省におけます新文書管理システムの着実な利用を推進するための方策を幅広く検討し、実行すべきである、この点につきましては、この新文書管理システムの操作方法の事前周知や研修といった着実な利用の推進に必要な施策を幅広く検討してまいりたいと考えておりまして、まずは今年度から実施しております新文書管理システムの設計開発の事業の中でも、この操作方法等の研修の実施計画の検討に着手しており、今後の検討の中で着実な利用の推進につながるよう進めていきたいと考えております。
2つ目の新文書管理システムの開発、特にUI/UX関連については、デジタル庁が主導していくべきであるということにつきまして、こちらは公文書管理制度を所管する内閣府と、システムの画面や帳票の文言等につきましては合意の形成を図っていく必要があり、調整は適切に進めていきたいと考えておりますけれども、UI/UXの部分、いわゆる使いやすさの点につきましては、デジタル庁の中にサービスデザインユニットといいますUI/UXの知見を有する専門のチームがございますので、そちらとも連携することでデジタル庁の強みを生かしていけるものと考えており、サービスデザインユニットと連携して、より良いUI/UXの実現を目指してまいります。
3つ目の事業の目的を達成可能なシステムを構築するために必要な予算の確保に努めるべきという点につきましては、新文書管理システムが文書管理業務を一貫して電子的に処理可能とする重要なシステムであることを踏まえ、デジタル庁の予算担当とも密に連携をしていきたいと考えております。
一方で、4つ目にご指摘いただきましたとおり、この予算の制約を免れない場合には段階的に整備を進めていくべきであるという点、当方としましても予算事情はなかなか厳しいと認識しており、そういった現状も踏まえ、この新文書管理システムの中核的な機能である保存期間表の作成、e-Govでの公表、行政文書のメタデータ管理等と、その他の機能との優先順位を整理しまして、前者につきましては令和8年度内の実装を目指すなど、段階的な整備を進めていく計画を策定し、予算の制約も踏まえた対応をできるようにと考えています。
事務局: 次に、有識者の先生方から事業担当者からの説明に対する所感をいただければと思いますが、その前に、本日ご欠席されております委員から書面で所感をいただいておりますので、簡単にでございますけれども、ご紹介させていただきます。
ご所感は3点ございまして、1つは、評価指標の設定と測定は重要であるけれども、事業自体を始めることがもっと重要であるということ、2つ目としまして、各事業の実施と同時にそれを支えるスタッフの体制の充実が重要であること、最後3点目といたしまして、今年の対象事業とは直接関係ないかもしれないという前置きをいただいておりますけれども、デジタル基盤の役割がますます重要となってきたと感じるため、実施体制と予算の拡充を検討いただきたいという3点のご所感をいただいているところでございます。
それでは、順番にご発言いただきまして、最後に座長からも所感をいただくという形にさせていただきたいと思います。
有識者会議委員: 今回は2つの事業ということで、政府全体のシステムの統括・監理を目指すものであり、適切な行政文書、公文書管理・保存を効率的にするための管理システムという非常に重要なシステムに関する評価・レビューを行いました。行財政改革のために費用対効果を測定していくことは不可欠ですので、そのための評価項目が求められるわけですが、各省庁間の投資システムの重複感を排除するための取組も併せて取り組んでいただきたいと思います。
また、効率的かつ効果的な整備・運用を目指しながら、本日ご報告いただいた改善内容などを踏まえながら、利用者視点ということを忘れずにロードマップに従って実行していただければと思います。
また、本日冒頭の平大臣のコメントにございましたように、AIを活用することも現在デジタル庁で進めておられるということですので、各省庁の職員の皆様方の負担感を減らすために、引き続き各府省との連携を進めながら取り組んでいただきたいと思います。
有識者会議委員: 私からは、主に行政改革の観点からコメントします。まず、統括・監理システムですけれども、効率性に関する指標の設定が必要だということで、費用対効果の情報が重要だと思います。どうしても機能を強化するとコストが増えますので、コスト面のモニタリングは重要だと思いました。レビューシートの設計上、年1回の指標しか基本的に掲載できないのですけれども、運営上は可能な範囲で情報を更新していくことが重要かと思います。電子決裁システムについては、特にコメントはありません。
次に、今回のレビューの運営で感じたことなのですけれども、各府省庁にまたがるデジタル庁の特殊性もあるのかと思っているのですが、デジタル庁のレビューはほかの省庁のレビューと比べるとかなり特殊だと感じています。報告書によると評価される側と評価する側のウィン・ウィンを目指すということで、評価のための資料作成は極力行わないということなのですけれども、これは一定程度理解できますが、評価の過程で評価の視点が7つ示されました。この資料が7つの視点に沿って整理されていなかったので、視点ごとに評価の内容を探さないといけないので、評価側の負担がやや重いように感じています。
あと、私は書面審査をやったのですけれども、大量の事業の書類が送られてきて驚いたのですが、これは53事業あったのですけれども、これだけの数の事業を書面で審査するのは慣れている有識者でも大変ですし、やっていても点検が粗くなると思います。事業が改善することが目的なので、書類審査をやることが目的ではないはずですので、制度上5年に1回有識者のチェックが必要だという立てつけになっているのですけれども、ローテーションを組んで負担がないような形で事業数を抑えるなどの工夫が必要かと思います。この点は事務局にはメールで伝えていますし、レビューの運営側の改善が必要かと思いました。
有識者会議委員: 私からは2点コメントがございまして、1点目は統括・監理支援システムに関することなのですけれども、これは重複になるのですが、UIをどうつくるのかが効率の要になると思います。ぜひこの辺りは注意しながら設計を進めていっていただければと思います。
電子決裁システムにつきましては、ユーザー側の研修の内容ですね。統括・監理システムに比べますとかなり広い範囲でユーザーが出てくると思います。ですから、なるべく簡潔に分かりやすい研修内容といいますか、研修ビデオみたいなものを作ると思うのですけれども、それを前提にした研修をして、広く素早く移行できるようにしていただければと思いました。
有識者会議委員: 2点ほどなのですけれども、1つは統括・監理システムのところで、ここは私が現場の運用をちゃんと分かっていないところがあるからの疑問かもしれないのですけれども、今回コミュニケーションのところはとても大事かと。アプローチの2のところですね。一方で、コミュニケーション手段が複線化すると、それはそれでまたコストがかかるというか、例えばふだん使っていないシステムでコミュニケーションをしていると、結局それを見に行くのにまた手間暇がかかるといったことがあるかと思いますので、そういう意味でいいますと、まさに今回頻度を上げていくメリット・デメリットがあると思いますが、同時にコミュニケーションのツールをここに入れ込むことにもメリット・デメリットが出てくるのかと思いますので、その辺り、常に費用と効果を意識してコミュニケーションのツールの整備についても進めていただけないかということが1つ目です。
もう一つ、EASYのほうですけれども、アプローチ1のところで、新文書管理システムの着実な利用を推進するための方策ということで、実際に今回の報告書の中でも研修や事前周知ということを盛り込んでいるかと思うのですけれども、まずそもそもとしてどういう形がこの周知としていいのか、皆さんの行動が変わりやすいというか、意義を理解してもらう方法としていいのかといった点も検討いただくといいのかと。研修や事前周知にとどまらず、よりよい方法を検討していただければと考えています。
有識者会議委員: 省庁横断的な仕事ですし、コスト、ユーザビリティー、セキュリティを成立させるのが難しいという問題とか、さらに技術の進展のスピードに対応するためにまた一時的な負担も増えるというような、極めて難しいお仕事だろうと理解しました。
そのような中で、こうした事業の正当性を確保していくためには、いろいろなお話がありましたけれども、費用対効果の部分だろうと思います。これに幾らかけたら何ができてどれぐらい節約されるのかがきっちりと明示されていたら、こうしたことの事業に対する評価といいますか、サポートがすごく強くなってくるのではないかと思います。その点を見据えながら進めていっていただけたらと思います。
有識者会議委員: 座長の整理のとおりでございますし、改善の方向性についてのお答えもありがとうございました。有意義なものだったと思います。
私からは、統括・監理支援システムのほうに一言だけお話ししたいと思います。この事業、各府省庁が既に監理・運営されているシステムの上に立ってのデジタル庁としての役割をどこに見いだすかというのは、今回何回か参加させていただいている中で私の認識を新たにしたところもあって、そもそも無駄がどうこうとか、KPIがどうこうというのももちろん大事なのですけれども、その前提としてのデジタル庁の役割といいますか、座長が最初におっしゃった政策評価の面と行政事業レビューの2つの面がありますというお話でいうと、もしかしたら政策評価のほうの面をブラッシュアップしていくことで、その後具体的にデジ庁の役割が何になるのかは決まってくるかということも思いましたという所感を述べさせてください。
全体としては、ユーザビリティー、セキュリティ、コストのバランスを取っていっていただきたいというのは、私も全く同意見です。
有識者会議座長: この会議では、先ほど申し上げたように政策評価と行政事業レビューの2つの観点ということで、いろいろご報告いただいたり、回答をいただいたところは、そもそも何を求めているのだろうというところで困られたと思いまして、そういう意味で原課の皆様には改めて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
それを踏まえて、やや座長としての所感というか、ある種感想的なことを申し上げると、まず統括・監理支援システムでございます。実は結構我々は聞いていて混乱をしました。いろいろ考えていくと、ここでいつも出てくるキーワードで、「一元的なプロジェクト監理」がミスリードだったのではないかと思います。デジタル庁と府省庁の関係性、この場合においては、デジタル庁は各省庁のシステム開発に関して個別にレビューをする立場です。個別にレビューする立場においては実は一元的にプロジェクト監理をする必要はなくて、個別ごとにやっていけばそれでいいわけです。先ほど申し上げたように、各府省庁で比較的きっちりシステム監理をしているところは、先ほど委員からもありましたけれども、そこにとっては結構負担になるところがございます。ですから、やや一元的システム監理というものは一体何なのだろうかというところはあります。
ただ、負担があるにしても、私はこの一元的システム監理と呼ぶかどうかは別にして、この事業が不要かというと全然そんなことはなくて、大切だと思っています。なぜなのかといいますと、国として各府省庁が開発したり保有しているシステムがどういうものなのか、またどういう経緯で開発されたのかは、しっかり把握しておくべきだと思うのです。
ですから、一元的システム監理という名称になっていますけれども、一元的なシステムの把握とシステム監理をちゃんと分けたほうがいい。把握のほうは、例えば政府保有情報システム調査事業でもいいですし、まず情報を集めるというところに置いていただいて、システム監理の監理に関しては、府省庁のそれぞれ違いがありますので、個別レビューを優先していただくしかなくて、個別レビューをするときに各府省庁のシステムで集めた情報をデジタル庁側で見て、予算的にここは無駄が多いねという形で使っていただくのがいいので、一度目的と中で使われている名称を見直されたほうがいいと思います。
今のまま行くと、府省庁からしてみると、特に比較的きっちりやっている府省庁からしてみると、何でこれをするのかは疑問を持つと思いますので、そこは見直しをされて、あくまでも集める情報はある意味で国として政府の情報システムのある種の国勢調査なのですね。府省庁の持っているシステム、だから、それは必要な事業だからやるという形にされたほうが進めやすいのかと思っております。
もう一つの電子決裁システム(EASY)でございます。これは現状は内閣府が制度官庁で、それに基づいてシステムをつくっているので、なかなかデジタル庁としては自由度がなくて大変なのだろうと思っているところです。
ただ、デジタル庁として、内閣府と比べると非常にデジタルに関する知見はあるわけですね。その観点から見てみると、今の公文書管理はよくも悪くも紙が前提、紙を捨てられない、紙が改ざんされないというところに行っています。でも、今は皆さんが使っているワープロや表計算も、皆さんが使っているパソコンで単体で動いているとは限らなくて、そのデータはクラウド上に置いてあったり、クラウド上のデータは皆さんが例えば何か編集する、何か入力をするたび、また別の方がそこを修正するたびに、かなり細かくというか、ほぼ全部にわたって記録は残せるわけです。ですから、紙の時代と違って、特にクラウドなどを使うようになって、保存できる情報の範囲はすごく広がっている。誰がいつ書き込んだのか、何を書いたのか、誰が消したのかも含めて全部記録ができるわけですから、デジタル庁としては今のITに合った形で公文書なり、まだ公文書になる前の文書も含めてですけれども、どう保持していくのかということをしていただきたいと思いますし、そういう公文書になる前の文書に関してまできっちり保存することができれば、これは結構画期的で、世界的にもそこまで行っている国はないので、ぜひ日本から新しい今のITを生かした公文書を内閣府側なり政府全体に対して提案をしていただけるとよりよくなるのかと思っております。
事務局: それでは、有識者会議で取りまとめられた報告書、それから各事業担当からの事業改善に向けての措置・検討状況の説明につきまして、岸大臣政務官より所感をお願いいたします。
岸デジタル大臣政務官: 平大臣がおられませんので、代わりに一言申し上げます。
はじめに、有識者の皆様方におかれましては、今回のデジタル庁の取組について、報告書の取りまとめ、またご議論を賜りまして、厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございます。
さて、来月9月にはデジタル庁が発足してから5年目に入ります。こうした節目のときに評価・レビューをいただいたこと、本当にありがたいことでありますし、今回対象になった2事業のように、各府省でしっかりとシステムを使っていただくことに意義があると思っておりますので、それを目指してしっかりと我々も取り組んでいきたいと、このように考えております。
法制度を踏まえたプロセスやセキュリティなどについてご議論をいただいたこと、またEBPMの観点をしっかりと取り入れて効果を検証していくということがシステムの改善に向けて重要なのだと、こういった機会にて認識をしました。
また、この2事業は各担当もその重要性は着実に認識をしておりまして、デジタル庁の中で対応していくことにも限りがあると思いますので、こうした節目において有識者の皆様方から客観的にご示唆をいただけるというのは本当にありがたいと思いますし、今後ともご指導いただければありがたいと思っております。
引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。
事務局: それでは、本日の議題は全て終わりました。
最後に、森田総括審議官より閉会のご挨拶をお願いいたします。
森田総括審議官: 7月1日付で総括審議官を拝命いたしました森田でございます。
本日を含めまして4回にわたっての活発なご議論をいただきましたこと、弊庁の政策評価・行政事業レビューの事務局責任者として感謝申し上げます。
先ほど政務官からもお話がございましたが、デジタル庁の取組が抱える課題について、有識者の先生方からのご指導等をいただきながら、そのご知見を取り入れていくことが重要だと考えてございます。
デジタル庁としても、引き続き政策評価・行政事業レビューを通じてEBPMの実現を図るとともに、事業のPDCAサイクルを回して絶え間ない事業の改善、それから運営面での改善についてもお話をいただきました。こういったレビュー作業そのものの回し方、こういったことの改善も含めて一層努めてまいりたいと思います。
事務局: これにて第4回政策評価・行政事業レビュー有識者会議を終了いたします。