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令和7年(2025年)第3回政策評価・行政事業レビュー有識者会議【公開プロセス】(2025年7月4日(金)開催)

概要

  • 日時:令和7年(2025年)7月4日(金)13時00分から14時30分まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事概要:
    1. 開会
    2. 議事
      • 統括・監理支援システム
        • (1)事業説明
        • (2)質疑・議論
        • (3)意見とりまとめ
    3. 閉会

資料

関連資料

会議動画

後日掲載予定です

議事録

陶山企画官: それでは、定刻となりましたので、そろそろ開始したいと思います。

令和7年デジタル庁政策評価・行政事業レビュー公開プロセスを開催いたします。

本日の進行は、デジタル庁企画官の陶山が務めさせていただきます。

最初に、本日のご出席の外部有識者をご紹介させていただきます。

本日の公開プロセスには、デジタル庁選任の外部有識者3名、内閣官房行革推進本部事務局選任の外部有識者4名、合計7名の外部有識者の先生方にご出席をいただいております。

最初に、本政策評価・行政事業レビュー有識者会議において座長をお願いしております、国立情報学研究所情報社会相関研究系教授、佐藤一郎委員です。佐藤委員には、座長として議論の進行、最後にご意見の取りまとめ役をお願いしております。

続いて、委員の皆様方をご紹介いたします。

早稲田大学電子政府・自治体研究所教授、岩﨑尚子委員。

関西学院大学経済学部教授、上村敏之委員。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社政策研究事業本部経済政策部主任研究員、独立行政法人経済産業

研究所コンサルティングフェロー、小林庸平委員。

兵庫県立大学情報科学研究科教授、笹嶋宗彦委員。

名古屋商科大学経済学部教授、永久寿夫委員。

TMI総合法律事務所パートナー弁護士、水戸重之委員。

なお、武蔵大学経済学部教授の神林龍委員におかれましては、本日所用のためご欠席でございますが、事前に書面にてご意見を頂戴しておりますので、追ってご紹介させていただきます。

以上7名の外部有識者の先生方、本日はよろしくお願いいたします。

開会に当たりまして、前・デジタル庁戦略組織グループ統括官の冨安デジタル審議官からご挨拶をさせていただきます。

冨安デジタル審議官、よろしくお願いいたします。

冨安デジタル審議官: 今ご紹介いただきました冨安でございます。

7月1日付でデジタル審議官を拝命いたしました。これまで大変お世話になりました。引き続きどうぞよろしくお願いします。

行政事業レビューでは、有識者の皆様からいろいろ有意義なご意見をいただきまして、我々に叱咤激励をいただきながら、より効率的に成果が上がる業務、事業をやっていくようにということで常々ご指摘をいただいていますけれども、このたびもどうぞよろしくお願いいたします。

本日取り上げていただきます統括・監理支援システムは、もともとデジタル庁ができたときにつくり始めたシステムです。デジタル庁は、各府省のシステムにつきまして統括・監理をしていくということで、より効率的あるいは制度的なものにしていくことを目指しておりますが、統括・監理システムはまさに各府省のいろいろなシステム、情報につきまして見える化を図っていくということで取り組み始めたものでございます。

その過程におきまして、やはりデジタル庁としてのシステムが、まずはユーザーが使うものとか、あるいはフロントのものと違いまして、使うのが役人ですからどうしても焦点が当たりにくい業務でありまして、そういうところでもしっかり役所の業務の効率化、ひいては目的としてはそれぞれのシステムを見える化して、いいものにしていくということでございますので、なかなか焦点とか皆さんの関心が集まりにくいシステムではあるのですけれども、ぜひとも有識者の皆様からいろいろご意見をいただきまして、各府省の負担をなるべく小さく、効率的に成果があるものにしていきたいと思っておりますので、いろいろと忌憚ないご意見をいただければと思っております。

また、本日は、私の後任で森田というものがこの行政事業レビューの関係のデジタル庁の統括責任者として、総括審議官として着任しておりますので、この後、一言ご挨拶をさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

陶山企画官: それでは、総括審議官のほうから。

音声のトラブルがございまして、大変申し訳ございません。

もし改善いたしましたら、後ほど会議の終わりに改めてご挨拶申し上げるという形にさせていただきたいと思います。

続きまして、本日の進行につきましてご説明をさせていただきます。

本日の公開プロセスでは、統括・監理支援システムを対象事業といたしましてご議論いただくこととしております。

まず、事業担当者から事業の説明をさせていただきます。その後、委員の皆様方から当該事業に対する忌憚のないご意見、ご質問等を頂戴いたしたいと思います。議論の終了8分程度前を目安にアナウンスをさせていただきますので、各委員それぞれの最終コメントを述べていただくようにお願いをいたします。その後、委員を代表いたしまして佐藤座長からコメントを取りまとめていただき、委員の皆様にご承認いただいた上で確定させていただきます。

議事進行でございますけれども、ノイズ・ハウリング防止のため、マイクは通常オフ設定にしていただきまして、ご発言の際には挙手あるいはシステムの挙手ボタンを押していただきましたら、座長から指名させていただきますので、その際にマイクをオンにして発言していただきまして、ご発言が終わりましたらまたオフに戻していただきますようにお願いいたします。

それでは、議論を開始いたします。

最初に、事業担当から事業説明をお願いいたします。

北間審議官: 統括・監理を担当しております審議官の北間と申します。皆様、今日はどうぞよろしくお願いいたします。

最初に、私のほうからに少しご説明を差し上げたいと思います。よろしくお願いします。

統括・監理支援システムのご説明をするに当たり、「統括・監理とは」に入らないといけないと思いまして、ここを少しご説明させてください。「監理」という言葉や「レビュー」という言葉を非常に広い意味がございますので、我々が言っている「統括・監理」とはどういうことかというところをまずご説明差し上げたいと思います。

今映していただいているパワポにあるとおり、デジタル庁設置法におきまして、令和3年法律第36号になるのですけれども、デジタル庁の所掌事務の一つとしまして、国の情報システムを統括・監理するということが規定されております。

この「統括・監理とは」というところになるのですけれども、下の絵を見ていただくと、一番右から行きますと「PJMO」とありますが、これがいわゆる原課とされるシステム開発、各府省の中にもありますけれども、実際実行している原課になります。そこを「PJMO」という呼び方をしておりまして、個々のシステムを開発している人たちがおります。

その上に、各府省には、これはデジタル庁にもあるのですけれども、「各府省PMO」と位置づけられているところがございまして、ここはシステム部門として、計画管理、予算管理、情報資産管理等、省内にたくさんあるシステムのプロジェクトマネジメントをしているというところが各省にあるPMOです。

今回、私たちはさらにもう一段上にありまして、一番左にある「デジタル庁統括・監理」、あえて「監督」の「監」にしているわけですけれども、ここの話です。この政府情報システムの統括・監理というところにつきましては、「一元的なプロジェクト監理」という言葉を使っているのですけれども、各情報システム関連のプロジェクトの企画段階や運用段階の各フェーズにおいて、予算要求や執行段階のそれぞれのタイミングにおいて、正しく予算が使われるかというところを主な観点として見ているというところにあります。

そういう意味で、世の中で言うプロジェクトマネジメントという世界は、どちらかというと各省やもうちょっと下にあるとご理解いただければと思います。

次のページをお願いします。

もう少しそれをかみ砕くと、この絵ではプロジェクトのシステム整備のライフサイクルが広く書いてあります。サービス・業務企画から要件定義をし、設計・開発を行い、運用・保守をしていくというような大きなライフサイクルがございます。

こういった中で、私たちは一元的プロジェクト監理とされる、先ほどの一番左です。予算要求や執行段階というのは、決められた予算を実際に執行するときに、適切に予算が要求されているのかどうかといったところを見ます。具体で言うと、必要性、効果、このシステムは本当に必要性があるものなのか、効果があるものか、あるいは緊急性があるのか、本当に今やらなければいけないものなのかどうか。予算なので積算根拠がありまして、見積もりが来まして、それがちゃんと妥当性があるものなのか、実現性があるものなのか、費用対効果があるものなのかということを観点としまして、予算要求の際にもレビューしますし、予算要求のときだけではなくて、予算要求をR8年度はまさに今やっているのですけれども、実際にそれを8年になって執行する段階で、大分工程が進んでおりますので、少し経った後でもう一回振り返って、ちゃんとこれが正しくなっているのか、予算要求のときにはまだふわっとしていて要件が固まり切らないものが固まった結果としてどうなのだみたいなところを見ているというのが一元的プロジェクト監理になります。

次のページをお願いします。

今のタイムラインになるのですけれども、おおよそ映しているものになります。ここにあるとおり、真ん中ぐらいの予算要求レビュー、6月、7月、8月というところで今まさに予算要求しているわけですけれども、それに先駆けて、実は1月、2月、3月あたりから各省におきましては予算要求に先駆けてどうするのだと、システムのアーキテクチャーとかいろいろな方向性を確認しながら、春ぐらいに予算要求という流れになっております。

今回、この後出てまいります統括・監理支援システムというものについては、年度末に参りますと、2月、3月、この方向性を確認しているあたりで、各情報システムのメタ情報といったほうがいいのか、基礎情報を収集しているところになりまして、その情報を使いながら予算要求あるいは執行段階レビューをこの後やっている、そういう大きな流れになっております。

そういう予算要求レビュー、執行段階レビューを一体どういうふうにやっていますかというと、プロジェクト計画書、民間でもいろいろあろうかと思いますが、プロジェクト計画書をメインにしまして、この表にあるとおり、概算要求額調整案とか費用対効果の資料をいただきながら、主にはプロジェクト計画書を提出いただいて、その具体は右側の細かい表にありますけれども、こういった内容を記載いただいたプロジェクト計画書をもらいながら、予算要求レビュー、執行段階レビューをやっているというのが一元的プロジェクト監理とされる担務というところになっています。

ここまでが前段の私たちがやっている「一元的プロジェクト監理とは」というところになります。

次をお願いします。

ここからは、統括・監理支援システムというところに入ります。

重点計画等々にも記載されておりますが、デジタル庁では統括・監理支援システムを整備・運用しております。各省が持っている情報システムを分かりやすく可視化するとともに、可視化された情報をデジタル庁内及び各府省に提供しているものであります。

ということで、デジタル庁の統括・監理、我々担当としましては、現時点では年に1回、2月、3月の年度末あたりに、その時点における各システムの基礎情報を入手してデータベース化している、そういったシステムでございます。

各府省のPMOあるいはPJMOももちろん参加・閲覧することができますし、プロジェクトの基礎情報、システムの基礎情報ですので、いろいろな立場、例えば幹部だろうが、いろいろな視点の者がこういったプロジェクトの基礎情報を参照し、いろいろな経営に役立てるとか、そういったことをやっております。

次をお願いします。

統括・監理支援システムは、情報システムごとに執行状況や共通機能の利用状況などを可視化するほか、府省ごとに執行実績等を集計して表示することも可能です。そういったことで、執行状況の集約を統括・監理支援システムで実施し、デジタル庁の情報システム予算の一括計上部門の業務の効率化とか、政府情報システムのソフトウエア等の情報、セキュリティ対応状況等を集約して、セキュリティ部門に提供したりというところがあります。

基礎情報、メタ情報がありますので、例えば、何とかセキュリティウエア、セキュリティソフトに何かがありましたみたいなときは、これを使っているのはどいつだみたいなことが分かったり、いろいろな使い方をそれぞれのアクターがやっているというところです。これをPowerApps、PowerBI等を使いながら、可視化して情報提供しているというところになっております。

次のページをお願いします。

ここは、こればかりではないのですけれども、統括・監理支援システムというところでどういったデータを管理しているかというところを大きくまとめました。項目レベルでいきますと300、400という項目があるのですけれども、システム利用情報とか、共通機能を使っている、使っていないとか、利用実績がどうだとか、セキュリティ、設計・開発事業者がどうですとか、そういったところで、右側のほうの事業者に書いていただいていますけれども、システム開発・運用情報、システム構成、セキュリティ情報、もっと言いますと、どういう契約で、単価はお幾らで契約していますか、そういった情報まで取りそろえていて、これが政府システム全体を一元的というか、1つにまとめているデータベースというところになっております。

次をお願いします。

先ほど出てきた絵ですけれども、こういったメタ情報を用いながら、いろいろな各種レビュー等々の段階で、また「レビュー」という言葉ですけれども、これは政策レビュー等ではなくてシステムレビューになります。先ほど来申し上げたとおり、これは本当に予算要求していいのだろうか、これは執行していいのだろうかというプロジェクト計画書をレビューする。ここで言う「レビュー」はそういった言葉ですけれども、そういったレビューをやる際に、このメタ情報等々をしっかり使っていますというところです。

加えて、プロジェクト計画書は出してくださいと言っているので、プロジェクト計画書と見積もり等々、そういった2~3月に集めた情報をプラスし、新しい事業者からの見積もりであるとか、そういったものを用いながらレビューをしているところであります。

次をお願いします。

そういった中で、課題感というところです。各府省からデジタル庁への提出資料について、プロジェクト計画書等々を求めているわけですけれども、こういった内容について記載してくださいと言っているものの、現時点では、パワポだったり、ワードだったり、いろいろな様式で提示いただいています。

2ポチ目に書いているのは、統括・監理支援システムに入れているものとしては、原則今は年に1回ということで、要は情報鮮度としては3月末の情報鮮度なわけでして、例えば夏ぐらいに執行段階レビューをするとなれば、半年ぐらい進行していますので、その中でプロジェクト計画書をもう一回もらっています。新しい情報としてプロジェクト計画書をもらっていますので、統括・監理支援システムだけでは情報の精度が低いというところもあります。ここら辺が課題感としてあります。

レビュー活動に当たり、プロジェクト計画書をはじめとする提出資料が多岐にわたっています。統括・監理支援システムとプラス、何種類かをインプット情報をいただきながらやっています。統括・監理支援システムの情報そのものは年に1回更新なので、それ以降に更新されているような情報があれば、情報が古いものですから、例えばガバメントクラウドに乗っているシステムは何かということがありますと、半年間ずれていると、半年後はどうですかみたいなことを今はその都度調べないといけないということが問題かなと思っております。

次をお願いします。

そういったことから、方向性ですけれども、プロジェクト計画書に書かれている、もともと統括・監理支援システムを使っているデータ、プラス、かぶっているところもあるのですけれども、プロジェクト計画書を一元的に統括・監理支援システムの中で管理する。なおかつ、年に1回ではなくて都度更新するというふうにすると、原課の皆さんは負荷がかかるというか、原課の皆さんもプロジェクト計画書を毎回更新しておりますので、それをちゃんと統括・監理支援システムに年に1度ではなく取り込むということをするとよいのではないかと。

加えて、いろいろな様式があるのですけれども、統一されたデータにすることで機械可読性が高まりますので、行く行くAIを使って判定するとか、人がやらなくていいところは機械化することもできるのではないかというところです。

というところで、②番ですけれども、各種の情報を年に1回ではなくて随時更新を可能とするようなデータベース設計に改善しまして、常に最新情報をデジタル庁や各府省のPMO等が閲覧可能な、同じレコードを見ていれば常に最新だよねということをすることで、よりITガバナンスの向上に寄与するのではないかというところです。

これにより、そもそも各府省のITガバナンスに関する工数を削減することもできますし、私たちレビュアーとしても削減できますし、各府省のITガバナンスの範囲拡大・詳細化が可能となるというところです。もともと所期の目的であるQCDや効果の確保に貢献できるのではないかと考えております。

ひとまず説明とさせていただきます。ぜひ前向きな形でご意見をいただければと思います。

陶山企画官: ありがとうございました。

それでは、ここからは外部有識者の方々による議論となりますので、進行を佐藤座長にお願いさせていただきます。

座長、お願いします。

佐藤座長: 座長の国立情報学研究所の佐藤一郎でございます。

早速、議論を始めたいと思いますけれども、前置きを何点か申し上げます。

今日は公開レビューということなので、関係者以外の方は今回初めてこの話を聞くことになりますが、我々は今日が3回目、つまり過去2回、非公開でレビューをさせていただき、今日ご説明いただいた案件以外の事業に関してもご説明いただいていたところです。その議論は密にやらせていただいておりますので、既に構成員の方々におかれましてはかなり理解が高まっていて、今日また北間審議官にご説明いただいて、さらに理解が深まったところだと思います。

この後、今日のご説明、また過去にもいろいろいただいた説明も含めて、皆様に忌憚のないご意見をいただければと思っております。論点のスライドを用意させていただいているのですけれども、それに縛られなくても構いませんので、皆さんのご意見をいただければと思っております。

それで、この後、皆様にご意見をいただきたいのですけれども、今日ご欠席の武蔵大学の神林委員から書面で意見をいただいておりますので、それを私のほうで要約をしながら読み上げさせていただきます。

行政事業レビューシートの中、アウトプットの活動指標として記載されている「情報資産管理標準シート」の提出率の目標値が100パーセントとされていないが、シートなしでは済ませることができるプロジェクトがあるとはにわかに想定し難いが、100パーセントを目標としていない理由をご教示いただきたいというのが1点目。

2点目が、行政事業レビューシートの中期アウトカムの成果目標が「統括・監理の高度化に寄与する」とされながら、成果指標が「アクセス件数」となっている。統括・監理の高度化がアクセス件数によって捉えることが本当に妥当なのかどうかというところをご説明いただいたほうがいいのではないかという旨のご意見をいただいております。

ほかの委員にご議論いただきたいのですけれども、原課のほうで今の2点に対して。

北間審議官: 今の2点について、まずお答えしたいと思います。

100パーセントを目標値としないというのは、実はタイムラグがあるというだけの理由です。事前にシート提出対象システムを指定するときに、当初は出しますと言っていた件数がベースであるものの、幾つか辞退といいますか、結局、そのシステムをつくるのをやめます、あるいは延期しますということがございまして、そういう意味で、最終的に必ずしも毎回100にはならないということです。

ただ、言い換えると、本当にやることになったものについては全てやっていますということになります。これが1つ目のお答えです。

2つ目のアクセス件数のところです。統括・監理の高度化の核となるのは、個々のシステムにしっかりと踏み込んだレビューを実施することであると考えておりますが、資料の整理、検索に割く時間を統括・監理支援システムのアクセスにより削減しているというのもまた事実でして、その分、レビュー活動に取り込むことができるようになっております。

アクセス件数を増加させるということにおいても、すなわちレビュー活動を高度化させることにつながると考えておりまして、アクセス件数というところも指標の一つと捉えて実施しているところでございます。

佐藤座長: ありがとうございます。

神林委員の意図としては、1つ目の100パーセント云々に関しては、実際に提出されたもので1回補正をかければちゃんと100パーセントでできるので、されていないというのがおかしいということと、2番目の成果指標がアクセス件数になっているというのは、これは僕も理解し難いといいましょうか、何か情報を得て参考にしたというものとアクセス件数は必ずしも相関しないので、やや疑問なところはあるかなということはこちらで申し上げます。

それでは、各委員からご意見をいただきたいと思います。皆さん、ご自由に、オンライン、または今日物理的にご参加していただいている方からいただければと思います。よろしくお願いします。

上村委員、最初に手を挙げられたのでお願いいたします。

上村委員: ありがとうございます。関西学院大学の上村です。

神林委員が言われたことと結構似ているのですけれども、論点にあるように、2つ目、改善の進め方ですよね。今、座長も言われたように、基本的な目的は、一元的なプロジェクト監理で改善をしていくことが目的なので、QCDの効果測定が目的ですから、ここを捉えていく成果指標が必要ではないかなと思います。

アクセス数件数もありましたけれども、その次の長期アウトカムも利用府省数になっているのですけれども、これは利用していただいている府省が増えるということだと思いますが、よりもっとプロジェクトベースで改善の程度を測る指標が必要ではないかと思いました。これが1点目です。

2点目が、論点の1つ目の費用対効果です。もともとレビューシートには、なぜこういうものが必要なのかという現状と課題のところに、データベースの入力に係る事務負担が非常に多かったということが書かれているわけですけれども、事務負担がどういうふうに軽減されて、より経済的になっているかというところを測定していく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

以上です。

佐藤座長: 原課のほうでお答えいただければと思います。

北間審議官: 2つ目ですけれども、費用対効果のところはおっしゃるとおりだと理解しております。1個目に近いかも分かりませんけれども、QCDに直結するのは実はPJMOやPMOというところが近いわけで、とはいえ、私たちは最上位にいながらも、各原課の皆さんのQCDをより高めていくというところも、もちろんKPI、KGIとして設定すべきというのは理解できるところかと思っております。

ここをうまく僕たちの指標でどう表現するかというところは工夫が必要なのかなと思っていまして、現時点では、私たちのレイヤーだと、アクセスをして、アクセスした人がどれほど効果があったかというのはいろいろ揺れがあるかも分かりませんが、そこを上げて有効活用していただくというところで目標設定させていただいています。

担当班: 今のQCDのところについて補足します。

ご指摘のとおり、QCDを考えたときに、統括・監理支援システムは、究極の目標はいろいろな政府情報システム全体で、費用の面でも効率化させる、あるいは使い勝手のよいものになる、データも効率的にさばけるとか、そういったことを各システムにおいて実現するというのが究極の目標であるところだと考えております。

では、どういう目標を設定して統括・監理システムをよりよいものにしていくのかというところを考えたときに、あまりにも大上段みたいな目標を立て過ぎると、何をどうして統括・監理支援システムを改善していったらいいのかというのがやや遠くなるという悩みもございまして、現状は統括・監理支援システムのアクセス数というところを設定しておりますけれども、ご指摘はごもっともでございますので、どういった指標が考えられるかというのは検討するべき話だと理解しております。

それから、費用対効果のところにつきましても、費用対効果は今いろいろ取っていて、必ずしも統括・監理支援システムだけのところではないのですけれども、財政当局も含めて、各システムの費用対効果について可視化をするというところについては、デジタル庁の閣議決定した重点計画の中でも記載しているところでございますけれども、可視化をするという取組を進めております。

これも、統括・監理支援システム自体は割と内部管理向けのものですので、世の中に対する可視化という位置づけではございませんけれども、例えば、行革事務局で持っているレビューシートシステムでRSシステムというのがございますけれども、あれなどは可視化をするためのシステムでございますので、そういったものも用いながら可視化の取組を進めることを今行っているところでございます。

佐藤座長: 上村委員、今の回答で大丈夫ですか。2番目のほうは、費用対効果に関して明確に分かるように求めていたと思うのですけれども、ご説明としてはほかの関連する政策と可視化があればいいねというレベルなのですけれども、大丈夫ですか。

上村委員: ありがとうございます。

導入する前の状態と比較して、導入したらどのように人手も含めたコストが下がったのかというところは、推計でいいので示していくべきかなと思っています。

取りあえず以上です。

北間審議官: ありがとうございます。そのとおりだと思います。

佐藤座長: 小林委員、お願いいたします。

小林委員: ありがとうございます。

神林先生、上村先生のところとも若干重複するところがあって恐縮なのですけれども、幾つか気になった点を申し上げたいと思います。

細かいところからですけれども、今議論になっている中期アウトカムの「各ビューへのアクセス件数」というのが、目標値が毎年1万4400件で、活動実績も1万4400件で、こんなに実績と目標がぴたっと一致するということがあるのかというのはよく分からなかったので、そこを1つ、まず細かいところを教えていただければというのが1点目です。

その上で、これは測定コストとの問題もあるのですけれども、上村先生、神林先生がおっしゃるように、もう少しここはロジックモデルを組み直したほうがいいのかなと思っています。

恐らくアクセス件数自体はアウトプットっぽい数字だと思うのですよね。アクセス件数が増えるということは、今までメールとかで提出されてきたものがシステムになるので時間が短縮されますと。時間が短縮されるのでレビューに割く時間が増えますとか、逆に各省庁の側での空いた工数を別に使えますということになると思いますので、ここは推計がある程度入ってもいいと思うのですけれども、究極的には時間を空けてレビューの質を上げていくということだとすると、そこをロジックモデル上、もしくは指標上もできるだけ書いていくというのが大事ではないかなと思います。ただ、一々全部労働時間を測定しろという意味ではないのですけれども、測定の費用対効果を見ながら、きちんとこの趣旨に合う指標にしていく必要があるのかなと思っています。

3つ目が、今までは基本的には1年に1回の更新だったということですけれども、これが都度更新になっていくということは、逆に言うと費用と効果が両方発生するのかなと思っていまして、そこのところも知りたいなと思います。

つまり、都度更新しなければいけないということは、各省庁にとってはもしかしたらコストが上がることになるかもしれないので、そこの費用は負の効果としてどれぐらい発生し得るのかということは考えておかなければいけないのかなと思いました。

最後4点目が、今まで統括・監理システム自体は予算や執行のレビューをしていくものだと理解したのですけれども、よりリアルタイムにデータが更新されていくとなれば、それは各省庁がそれぞれやっているシステムの進捗管理と限りなく近くなっていたときに、各省庁のシステムではなくて、デジ庁の統一システムを使うことによって効率化できる側面が行く行くは出てくるのかとか、そういったところまで含めたものは見据えられるのかというところをお聞きできればと思います。

多くなってしまって恐縮ですけれども、4点になります。

佐藤座長: お願いいたします。

担当班: 数字のところは、100単位に丸めているところもあるのですが、実数値としては実は目標値と違っている数値が出ているところです。細かく数字を出すと、実際には1万4500数件です。全く同じ数字をただ転記しているものではなくて、実際は数字が違っているというところです。

北間審議官: 続いて、ロジックモデルのお話をいただきました。おっしゃるとおりだと思います。アクセス件数が増えることによってお互いの時間が減りますので、レビュアーの時間も減るので、狙いとしてはそのレビュアーにとってみると、本質的なレビューにかけられる時間が増えるというところでございまして、質を上げるというお言葉があったとおり、そういったところがおっしゃるとおりのロジックモデルになろうかなと思っております。

あと、費用対効果のところですけれども、各省は増える部分もあるのではないかというところでございましたけれども、若干増えるところがあろうかと思っています。

ただ、3月だけではなくて、予算要求レビュー、執行段階レビューの都度、プロジェクト計画書を更新していただいておりますので、そこにつきましてはやってなかったものをもう一回つくってくださいという意味ではなくて、今までワードあるいはパワーポイントでいただいていたプロジェクト計画書を同じようにシステムにインプットしてくださいということで、そこまで負荷が増えるものではないかなと思っています。

最後、リアルタイムの話です。これは確かに構想がありまして、今は1年に1回という前提でつくられているものですから、情報鮮度としては年に1回のものと。これは、この後、半年に1回、クオーターに1回、あるいは進捗となりますと、まさに週次とか2週間に1回みたいなことで入れられると思います。

そこまで含めたデータの一元管理ができるようになると、将来、確かに各府省も含めて、1システム、簡単に言うと1レコードを見ておけば、1年周期のものもあれば、なんなら1週間周期のものも含めて、全部情報を一元的に管理できるよねというのは未来の絵としてはおっしゃるとおりかなと思います。すぐにそこまで行き着けるかはありますけれども、そこまで行き着けると全府省全て、進捗管理も同じデータに乗りますよねというところかと。ご意見としてはいただいておきます。ありがとうございます。我々もそこまで行けたらいいなと思っております。

以上です。

佐藤座長: 小林委員、大丈夫ですか。

小林委員: 一旦大丈夫です。ありがとうございます。

佐藤座長: そうしましたら、笹嶋委員、お願いいたします。

笹嶋委員: ありがとうございます。笹嶋でございます。

説明資料の13ページのところで、今後のお話で、まだ検討が具体的に始まっているかどうか分からないところなのですけれども、AIを活用したレビュー活動の効率化ということをもしお考えで、こういう項目についてはAIも活用してチェックをしていったほうが今後効率が上がるのではないかという具体的なところがもし分かっておられるのでしたら、こういうことを始めるときに併せて、各省庁の材料というか、レビュー対象となるプロジェクトの提案を出してくるところに対して、こういう項目については生成AIを使ってあらかじめ壁打ちといいますか、レビューといいますか、それをしてみてくださいといったような、将来をにらんだ生成AIの利用の啓蒙を始めたらいいのではないかと思いました。

実際に大学とかでもそうなのですけれども、我々は学生の生成AIの使い方を検討する立場にあるのですが、先生方がしっかり使っておられないので、なかなか業務の効率化というところにつながっていないという似たような問題があります。もしもこういうところをもう生成AIが使えそうだ、先ほど質問とかご意見の中にあった簡単な数値の一致だとか、経年の人間が見落としそうな数字の細かい変化とか、提案書に書かれているロジックの一貫性とか、生成AIにやらせても問題がなさそうな項目が幾つかあると思うのですけれども、そういうことについてはやってみてはどうでしょうということ。もし必要でしたら、情報流出に関するセキュリティのところを担保したような、使っていい生成AIをカスタムして用意するとか、そういうことも考えたらいいのかなと思いました。

以上です。

佐藤座長: ありがとうございます。

今のご意見はAIを使えるところがあったら使ってくださいということで、原課としては、もし既に具体的なプランがあればお話しいただいて、そうでなければ、使うことを検討いたします、で済むと思うのですけれども、具体的に何かあればご回答をお願いします。

北間審議官: これから積極的に使いたいと思っています。

佐藤座長: そういう段階ですね。

北間審議官: その前に、データとしてちゃんと管理されていないから、まずはちゃんとデータとして管理されることが先決で、その上で十分AI活用の道があるかなと理解しています。

笹嶋委員: ありがとうございます。

佐藤座長: そうしましたら、岩﨑委員、お願いいたします。

岩﨑委員: 岩﨑です。

ご説明どうもありがとうございました。

座長からも冒頭お話しいただいたように、これまでもいろいろと説明を伺っていて、その際の質問にもご丁寧にご回答いただいていますし、また、対応についても改善点も今回の説明事項に盛り込まれていると判断しております。その上で、多少繰り返しになるかもしれませんが、コメントと質問をさせていただきたいと思います。

委員のご意見と少し重複する点もありますけれども、まず情報の精度についてです。必要な情報データが適切な時期にタイムリーにアップデートされていることが大事なことになると思うのですけれども、そのために必要なことがあれば現時点での課題について教えていただきたい。それが仮に予算上の問題があるならば、その点についても伺えればと思います。

また、冒頭、冨安デジタル審議官がご指摘のように、システムの利用者視点というところで見た場合に、実際に利用者から最も高い要求があるとすればどういった点かというところについて伺えればと思います。

あと、生成AIの利用についてですけれども、これは先ほど笹嶋先生がおっしゃったことと全く同じ意見でして、例えば、今の時点で格納されているデータ項目を拝見しますと、機微情報も取り扱っていると承知していますが、今後、リアルタイムデータを取り扱うといった場合に、データの選別、どこにそれを活用していくかという選別についても今後の課題かと思っております。それに加えて、セキュリティや権限管理など取扱いや対応が必要になってくるかと思いますが、ぜひその点もご考慮いただければなと思っております。

以上です。

佐藤座長: いかがでしょうか。ご回答があれば。

北間審議官: タイムリーにアップデートされているべきということは、まさに我々が持っている課題感でして、いろいろな情報において、年度でアップデートされるもの、クオーターぐらいでアップデートされるもの、いろいろあろうかと思います。

今、年に1回という前提がございますので、本当は早く欲しい情報であっても、どうしても1年1回となっておりますので、ここももうちょっと短い周期でアップデートされるものというところで、これをデータ化するということで、ひとまず、先ほどからありましたプロジェクト計画書というところはまさにプロジェクトのバイブルになっておりますので、そういったものが更新の都度、反映されるということで、大きくまず第一歩の進化があるかなと思っております。

佐藤座長: 今の岩﨑委員のご質問は、タイムリーにすべきだという前提で、タイムリーにするために予算的な課題とか何かあるのですかという質問です。

担当班: システムの担当の者でございます。

今のシステムでは、エクセルで年1回取り込むというのをやっているところですが、随時情報を入力するとなった場合には、常に開け口をオープンにした状態でユーザーの方に提供することが必要になってくると思っています。

そういったシステムをつくるとなった場合には、現行のシステムでは技術的な限界もあるところで、そういった面では作り替えをしなければいけない部分もたくさんあると考えております。そういったところは、予算的なものを見ながら、どこまでできるのかというのを検討しなければならないというふうに思っています。

北間審議官: セキュリティのご指摘がありました。セキュリティにつきましては、現時点では、我々は全て情報を見られるのですけれども、各府省におきましては、各府省に閉じた、例えば厚労省PMOでは厚労省さんのシステムから見られる、そういったセキュリティ権限が具備されている今のシステムですので、これがさらにいろいろな立場のアクターが増えれば、いろいろなセキュリティ権限をつくっていかないといけないので、将来的にそういったところを拡張していかなければいけないと思っております。

佐藤座長: 岩﨑委員、追加はありますか。大丈夫ですか。

岩﨑委員: 大丈夫です。ありがとうございました。

佐藤座長: 今日、物理参加されているお二方からまだご意見をいただいていないのですけれども、お願いいたします。

永久委員: どうもありがとうございます。

同じワードを使っても違うのだなというところがあって、それが混乱していた中で、こうして今ご説明いただいてかなりクリアになったことをまずはお礼申し上げます。どうもありがとうございます。

その中で、今の岩﨑委員のお話と一緒になってしまうかもしれませんが、違う形でお話しさせていただくと、PJMOはまさに現場ですよね。現場の行動規範というのは、ユーザビリティというのを重視してシステムを考えていくのだろうと思います。一番てっぺんにあるデジタル庁の統括・監理は、ここに書いてありますように、予算の妥当性とかがきっちり発現されているかどうかというところが観点であると思います。

ユーザビリティと妥当性とか効果は対立することがあり得る話なので、その辺りはどのような方針で統括・監理されていくのかということがまずあります。

さらに、方針とか基準というのはどこで決まるのか。これは省庁横断的になっているわけですから、それを考えたときに、どのような決定の方法というかプロセスがあるかということを伺いたいと思います。

北間審議官: 方針というところにつきましては、ここだけではなくて、ガイドラインが各省には整備されております。ユーザビリティガイドラインもありまして、我々統括・監理もそのガイドラインにのっとっているわけですけれども、これは政府全体のガイドラインにのっとってやっていくというところがまず大きなところかなと思います。

確かに対立といいますか、それは難しいところかなというところは課題感かなと思います。

担当班: 幾つもソリューションがあると思うのですけれども、例えば1つの解ということで、デジタル庁が、各省もそうですし、別に民間の方に使っていただいても構わないのですけれども、デザインシステムというのを今準備しています。例えば、いわゆるユーザーインターフェースに使うための素材を準備しているので、それはデジタル庁のアクセシビリティに特に配慮した形でのソースコードも含めた素材等を準備しておりますので、例えばそういうものを使うといったことが一つのコストとユーザビリティの両立といったところから考えられるかと思います。

永久委員: つまり、コストとユーザビリティの両方が成り立つような解を求めていくというのが方針だと理解していいのですか。

担当班: そこは、例えば、使いやすいシステムのために莫大なコストをかけてもいいというふうには我々は考えていないので、そこはどうバランスさせるのか、あるいは両立を追求できるものなのかというところは、システムにもよるとは思うのですけれども、バランスを見ながらやっていきます。

永久委員: 最終的に、コストとユーザビリティの両立が不可能な場合、どういう方向に進むのかというのはどこが決定するのですか。

担当班: そのシステム自体がどちらを重視するべきシステムなのかということになりますので、最終的にはそこはもうPJMOが見ながらです。

永久委員: 承知しました。ありがとうございます。

佐藤座長: どうぞ。

水戸委員: それでは、水戸のほうからも少しお話しさせてください。

今日初めて視聴されている皆さんもいらっしゃると思いますので、若干一般的なことだけをお尋ねさせてください。

プロジェクト計画書を出してくるときに、フォーマットがエクセルであったり、パワーポイントであったり、いろいろあるというお話だったのですが、それを統一フォーマットに、今後エクセルに統一してくださいみたいなことを一元管理の視点からデジタル庁がやるということを考えていらっしゃるのか。いや、そこは、さっきから出ているAIを利用することで、フォーマットが何であれ、情報を吸い上げられるようなことを考えるのか、今の時点でお考えがあれば教えてくださいというのが1つです。

それと、先ほどから出ている生成AIもそうなのですけれども、ユーザビリティを上げる、効率化を上げるということを努力していただく中で、片やセキュリティの問題も当然ある中で、セキュリティとユーザビリティというのはトレードオフの関係にある。がちがちなセキュリティにしていけば使いにくくなるし、使いやすくすればセキュリティには目をつぶらなければいけない面もあって、そのバランスのあんばいをご苦労されると思うのですけれども、その辺のお考えももし現時点で伺えたらというのが2つ目。

もう一つ、今のところデジタル庁さんが一括管理されるということで、各省庁から上がってくるプロジェクトは全部同一性で語られていると思うのですが、省庁ごとの違いとか、各省庁の行政事業の特質に基づく違い、はっきり言えば、何々省はあまりこういうことに協力的でないとか、外務省はガードが堅いとか、これから直面されるのかもしれませんし、もう既に抱えていて、名前を出さなくてもいいですけれども、性質上プロジェクトの障害になるような事業を担当されているところもあるのかとか、そういうところを疑問に思ったので、素人っぽいですけれども、教えてください。

北間審議官: ありがとうございます。

まずフォーマットの点は、私は2段階だと思っていまして、ひとまず入力フォームとかを工夫することで、今はこういった内容について記載してくださいというふうになっていまして、これにも実は理由がありまして、入力フォームを提供しているのですけれども、これまでずっとエクセルでやってきたのだ、これが私たちの府省は一番楽なのですと言われるところもあれば、もちろん新しくつくる場合はフォームに入れたいですという形で、いろいろばらばらでして、現時点はまだそろっていないところかと思います。他方、フォーマットが統一されていき、ゴールラインとしてはAIみたいなところまで行き着くと非常に便利になるのではないかなと思います。

2つ目のユーザビリティは難しいので、最後にさせていただきます。

各府省はばらつきがありますかと。これは正直あります。どうしてもありまして、中には各府省の中でも、ここに映しているいろいろな資料を、うちのルールだとこれをさらにこうやってやりましょうみたいに積極的に分かりやすくしていただいている府省もいれば、正直、任せるというか、どうでもいいよという言い方はあれですが、もうそれでやってくださいみたいな府省もあるというのが現実でして、標準化されるにこしたことはないですけれども、現実的にはまだまだだと思います。

飛ばしました2つ目、ユーザビリティとセキュリティの両立は非常に難しいところです。ひとまず、我々は政府システムを監理する立場ですので、全体監理、あるいは各省単位の管理というところではしっかりセキュリティを守っていかないといけないと思っているものの、確かにトレードオフという中で、ここはちょっと難しいのですけれども、しっかり利用者目線というところを盛り込みつつシステム化していきたいと思います。

担当班: ユーザビリティとセキュリティを考えたときに、扱っている情報の質が各システムによって様々ですので、それに応じてどちらを重視するのかというのは、最終的にはPJMOが言う世界だと考えています。

水戸委員: ありがとうございます。

デジタル庁さんは、各省庁がやっていらっしゃるプロジェクトについての情報を管理されるというので、言ってみれば黒子的、かつ直接ご自身というよりも他の現にやられている省庁の情報を統括されるということで、すごいご苦労が多いだろうなと想像しますけれども、政策的には非常に意義のあるプロジェクトだと思いますので、ぜひ頑張っていただければと思います。ありがとうございます。

佐藤座長: 後で時間があれば私のほうでもコメントしたいのですけれども、皆さん、どうしても言っておきたいことはありますか。大丈夫でしょうか。いいですか。

では、私のほうからコメントさせていただきます。

今回のこの案件は、統括・監理支援システムなわけですよ。ですから、どうしても情報を入力する、またその情報をどう見せるかというところに行ってしまいますけれども、原課でやられている、各府省のシステム開発を統括・監理するという立場からいくと、先ほどの指標としてアクセス件数がいいのかということに関わるのですけれども、本来はレビューをデジタル庁さんが行って、そのレビューの結果として、府省のシステムがよくなったとか、予算が有効利用になったとか、その結果を出していただかないといけなくて、そういう意味では、今回の情報システムに閉じずに、原課の活動の中で指標をつくっていただくと、よりよく分かるのかなと思います。

もう一つは、このシステムは、正直に言うとお客さんが見えないといいましょうか、当初、デジタル庁さんが各府省庁のシステムを一括監理すると想定したときがあって、それで開発をデジタル庁がやって、運用を府省庁に任せる。それが、方針が変わったわけですよね。その方針が変わったときに、この事業がどういうふうに変わったのかというところは僕もよく見えていないのですけれども、デジタル庁さんが各府省の情報システム開発を監理する、特に一元的に監理することと、各府省のシステム開発をよりよくするというのは、目標としては両立するのですね。実は、手段として一部相反するところがあって、デジタル庁さんがシステム監理をするという観点で言えば、正直言って、一元監理しなくてもいいはずです。デジタル庁さんがその省庁に行って状況をヒアリングしてコメントすればいいところであって、もちろんあまりにも多様だったら問題ですけれども、ある程度の多様性は人間技でやれるところがある。

一方で、各府省がほかの府省の案件、情報システムの状況を見るということになれば、それぞれ省によって入れ方が違うので、ほかの省が全然違う形式だったら分からないので、それは一元監理するのは意味があると思うのですけれども、今のご説明だと、比較的ほかの省庁には、見せないようにされています。セキュリティ的にはその通りですが、そもそも一元的監理をそこまでやらなければいけない案件だったのか大いに疑問があると思うのです。

やはり気になるのは、現状、システムの開発の監理は工程管理も含まれるわけですよ。実際、いただいた資料の3ページの左下には、運用保守の各フェーズにおいて行うと書いてあります。でも、実際には1年になっている。

そういうふうに粒度が空いてしまっていることが、システムの一元監理にこだわったために増えてしまっているのであれば、正直言うと、一元監理しなくて、府省ごとにデジタル庁さんでヒアリングをしてやっていただければいいところになるので、その辺りの何を目標とするのか。デジタル庁で全部監督したいというか、全部監理したいのだというのであれば一元監理でもいいと思いますけれども、そうでなければ、各府省のシステムがよりよくなるという観点で見直すのも一つの考え方かなと思っています。

以上でございます。

それでは、回答いただく時間もあまりないので、ほかに皆さん何かご意見とかはございますでしょうか。

今回は公開レビューということなので、進行表ではそろそろ終わらなければいけない時間なのですけれども、当初1時間半取っていたので、多少まだ余裕があるということなので、皆さん言い足りないこともあるかと思いますので、それも含めて皆さんに最終意見をいただいて、その上で僕のほうでこの後取りまとめをするということにさせていただきます。

それで、名簿順といいましょうか、あいうえお順でお願いをしたいと思っております。毎回岩﨑委員にいつも冒頭にお願いをしてしまって恐縮ですけれども、最終意見をお願いできますでしょうか。

岩﨑委員: 岩﨑です。

本日も大変丁寧なご回答をいただきましてありがとうございました。

先ほど座長からも少し言及がありましたけれども、私は専門が電子政府ですので、その点も踏まえて少しコメントさせていただきます。

今回の統括・監理システムにより一元的にプロジェクト監理を行うということが、それによって費用対効果を創出するというのはデジタル政府の一丁目一番地でもありまして、この実現は非常に大きな意味を持つと思っています。ただ、非常に難しい複雑な作業なども発生するかと思いますが、ぜひこれを実現するために、まずは利用者視点、ユーザー目線で、使い勝手のよいシステム設計を目指して、効率化とか生産性の向上を目指していただくことと、その上で必要なテクノロジーは、適切なタイミング、場所で活用すること、生成AIは一つの大きな役割を担っていくかと思っています。

バランス上難しい課題もあるかと思いますが、このシステムは非常に重要なシステムであることは間違いがありませんので、今後、期待したいと思います。

以上です。

佐藤座長: ありがとうございます。

上村委員、お願いいたします。

上村委員: いろいろありがとうございました。

私は行政事業レビューの行革事務局のほうからの委員なので、レビューシートの改善が重要だと思っています。特にロジックモデルは組み直したほうがいいかなと思っています。

論点の1つ目に沿ってですけれども、やはり効率性ですよね。一元監理によってどれほど時間や費用が効率化されたのか、推計でいいので示すべきではないかと思います。これはデジ庁だけではなくて、ほかの各府省を含めた効率化の程度は示すべきかなと思います。

2つ目ですけれども、これは論点の2つ目に合う形ですが、これは座長も他の委員もかなり言われたことですけれども、最終的な目標はレビュー結果がどうなったのか、そこがアウトカムですので、それを測定できるといいかなと思います。今のアウトカムの設定の仕方はアウトプット的になっているので、それをいかにアウトカムにしていくのかというところはとても重要な論点かなと思います。

以上です。

佐藤座長: ありがとうございます。

続きまして、小林委員、お願いいたします。

小林委員: どうもありがとうございます。

丁寧なご説明とご回答をありがとうございました。

先ほど申し上げたところとなるべく重複しないところで2点申し上げたいと思います。

私からの質問で、なるべくリアルタイム化していくのは構想としてあるということだったのですけれども、一方で、手間暇みたいなデメリットもあるかなと思いますので、ここの事業というよりは今後の展開だと思うのですが、どういう形で道筋をつけてそういうシステムにしていくのか、それがデジ庁さん側にとっても、各ユーザーの省庁さんにとっても、どういうステップでリアルタイム化していくのならしていくのか、それが究極的には各省庁にとっても役に立つようなものになるような道筋を描いていただけないかなというのが1点目です。

2つ目が、今回時間がかなり節約できるみたいなところが一つあると思うのですが、究極的にはレビューが高度化するというのが最後のアウトカムだとしたときに、高度化するというのが、私が素人だからなのかもしれませんけれども、あまり分からないところがあって、具体的にシステムがよくなった事例とか、具体的な効果みたいなところが究極的には見えてくるといいなと感じています。

以上2点です。

佐藤座長: ありがとうございます。

続きまして、笹嶋委員、お願いいたします。

笹嶋委員: 笹嶋でございます。

これまで丁寧に説明していただきましてありがとうございました。

私は、地方自治体、企業、いろいろなところのデータ化とかデジタル化の相談を受けることがありまして、先ほど生成AIについて意見を申しましたときに、データをそろえていただくのが先だ、みたいなご説明もあったのですけれども、データをユーザーがそろえるということと、生成AIを活用して業務を効率化していくことは、鶏と卵みたいな関係があります。

ユーザーのほうに、例えばこういうふうにデータがそろっていればこういうふうに業務が効率化できますよ、こういうアウトプットが期待できますよ、こういう時間節約が期待できますよというものを示していけると、段々にデータもそろっていくこともあります。逆に、ユーザー側のほうから、こういうデータをそろえてくださいと上からのような感じでお願いすると、そうすると反発されるといいますか、それ自体が業務の方にとってストレスでもありますので、どちらを先にということはなく、くるくると行ったり来たりしながら、データもそろえていただくし、こちら側からもこういうことをしたらもっと効率化できる可能性がありますということをお示しすることを交互にやっていくのがいいのではないかなと思いました。

以上でございます。ありがとうございました。

佐藤座長: ありがとうございます。

続きまして、永久委員、お願いいたします。

永久委員: ありがとうございます。

皆さんのお話を伺って思ったことですけれども、この仕事は、ユーザビリティとコストとセキュリティという3つを改善していくと同時に成立させていくということなのだろうと思います。すごく難しいお仕事だと理解しながら、これの効果をきっちりと、さっき上村さんもおっしゃっていましたけれども、ロジックモデルとKPIというものをこの3つに即するような形で示していったら分かりやすいのではないかなと思います。

さらに、座長の話にもありましたけれども、一元的な監理の方法がこの3つの同時成立を成り立たせるのに一番いい方法なのかどうかというのは考えてみる必要があるのかなと思いました。

以上です。

佐藤座長: ありがとうございます。

続きまして、水戸委員、お願いいたします。

水戸委員: プロジェクトの効率化や費用の削減ということを目標にされていると思うのですが、今ほども申し上げましたとおり、ユーザビリティを上げていくこととセキュリティは時としてトレードオフになるかと思いますので、難しいと思うのですが、その辺のバランスを取っていただきたいなと。特に、生成AIなんかを使っていくことになると、取っていただきたいなというのが一つです。

もう一つは、先ほども質問しましたけれども、各省庁の個別性や特質によっては、このプロジェクト自体に前向きなところと、そうでもないかなというところは当然出てくると思う中で、デジタル庁さんのような立場でどの程度省庁と詰めていけるかというのは、難しい面もあると思うのですが、ぜひエールを送りたいと思います。

以上です。

佐藤座長: ありがとうございます。

各委員のこれまでのご議論と最終意見を踏まえまして、私のほうでざっくりとまとめをさせていただきたいと思います。

今日、いろいろなご意見をいただいて、まず、神林委員から指標としてアクセス件数がいいのかという問題がありました。その問題は、上村委員、小林委員からございましたけれども、こういった事業評価をするときのロジックモデルとしてこれが本当にいいのかどうか。アクセス件数というのはやや間接的な指標で、このレビューをしてシステムをよくするという観点でより適切な指標というものを考えていただきたいし、上村委員ほかからもございましたけれども、費用対効果という観点の指標が必ずしもないわけですよ。やはりそこを考えていただいたほうがいいのかなというところがありました。

あと、都度更新に関しては、小林委員と岩﨑委員ほかからもございましたけれども、やはり都度更新のほうがいいのは明らかなのですけれども、手間も増やすわけですよね。結果的に府省庁の負担が増えてしまったら元も子もないし、そもそもこの事業というのは、前の事業において、これはレビューシートのところを拝見すると、「旧政府情報システム管理データベース(旧ODB)では同様の事業を行っていたが、入力にかかる事務負担が多かったため」云々というところがあって、そこはすごい問題意識になっているわけでして、やはり省庁側にご負担をかける。負担が増えても、それによってよりよい効果があればいいのですけれども、効果と負担のバランスをまず取っていただくことが求められるかと思っております。また、個々のレビューを重視するのであれば、府省庁に手間を求める一元化が必要だったかも疑問といえます。

あと、永久委員と水戸委員からありましたけれども、幾つかのラインをコンフリクトするといいましょうか、統括・監理のときに、お二方から挙げられていただいたこととして、セキュリティとユーザビリティとコストが相反をするわけですよね。

水戸委員からありましたけれども、府省庁によっていろいろ考え方があって、最終的には原課のPJMOの判断だとお答えいただきましたけれども、監理をするという立場からすると、永久委員から方針や決め方をどうするのですかという質問が出ましたが、方針があった上で、つくられているシステムの方針と合っているかどうかというのを調べるのも監理です。システム監理の場合はちょっとそこは甘いですけれども、工事のほうの監理は、基本的に設計図どおりに造られているかどうかを見るのは工事監理ではないですかね。システム監理をする上でも、実際にそれが望まれたものにつくられているかどうかを比較する、それの目標となるものとして方針みたいものがあるはずなので、それが明確でないと、本来は監理ができないはずなのですよ。だって、何をもって正しいかと何も言えない状態ですよね。なので、永久委員のほうから、方針をどう決めるのですかという質問が出ましたが、まさにそのとおりで、そこが明確でないと見れないと思います。

あと、水戸委員がおっしゃられたように、そこで府省庁ごとに大分違いがあるので、やはりそこは考慮していただかないと、無理に一元的に監理することがいいとは限らない。

私のほうも言ってしまいましたけれども、各府省のシステムをよりよくするという観点からいうと、一元的な監理がいいのかどうかは再考したほうがいい。もちろん、あまりにもばらばらはよくないのですけれども、それによって、先ほど言った各府省の要件が満足できなくなる可能性もあるし、各府省のPMO、PJMOの負担が増える可能性もあるので、そこはよくお考えになっていただきたいと思います。

それから、笹嶋委員、岩﨑委員のほうからAIの活用に関してございました。お二方の意図としては、データを府省庁からもらっていったら、デジタル庁さんがお預かりした後にいろいろな情報を、府省庁側がデジタル庁のフォーマットに合わせなくても、AIを使ってうまくAI側のほうで合わせるとか、府省庁側が無理して情報をそろえなくても、AIがそこを解決してくれるということをお二方は意図したのかなと思っておりますので、そうした方向もご検討いただけるといいのかなと思っています。

大体網羅したつもりですけれども、これが抜けていたというがあれば、委員のほうからおっしゃっていただければと思います。大丈夫でしょうか。

ありがとうございます。

そうしましたら、この会議としての意見の取りまとめが終わったところなので、私の今日の役目は終わりということで、事務局のほうにお返しします。

陶山企画官: ありがとうございます。

佐藤座長、委員の皆様、活発なご議論をありがとうございました。

取りまとめさせていただきましたご意見や議事録でございますけれども、委員の皆様にご確認をいただいた後にデジタル庁のウェブサイトにて公表させていただくことにさせていただいております。

以上をもちまして、令和7年のデジタル庁政策評価・行政事業レビューの公開プロセスを終了いたします。本日はどうもありがとうございました。