属性証明の課題整理に関する有識者会議(第2回)

概要

日時

令和8年(2026年)2月26日(木)10時00分から12時00分まで

場所

  • オンライン(Microsoft Teams)
    • ※ライブ配信は終了しました

議事次第

  • 1.開会
  • 2.議事:「VC及びDIWの利活用実現に向けた取組事項の協議」
  • 3.閉会・諸連絡

資料

議事録

デジタル庁(北井上): それでは、定刻になりましたので、ただいまより「属性証明の課題整理に関する有識者会議(第2回)」を開始いたします。皆様、本日はお忙しいところ、お時間をいただきましてありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。時間も限られておりますので、早速ではございますが議事に移りたいと思います。議論に先立ちまして、事務局から資料説明をさせていただきます。資料説明の後、議論に関する進行を國領座長にお願いいたします。それでは、事務局から資料1に基づいて説明いたします。

デジタル庁(澤田): 11月の第1回会議から時間も経っておりますので、その振り返りから始めたいと思います。改めてですが、本会議の目的は、行政手続等で残る紙や単純なPDFの証明書に対し、VC・DIWを用いて利用者を介した情報連携をすることで、さらなる電子化や高度化を模索するものです。その行政におけるVC・DIWの活用の実現には、まず、技術的な課題・実現性・制約事項の整理や、署名鍵やWalletといった利用環境やインフラの整理、そして、公的証明書をVCとするための法令制度上の整備、これらをデジタル庁はもとよりステークホルダーと、課題解決していくことが必要、このような認識の下でこの会議を始めました。その中で、第1回の本体会議では、まずは行政で安心して新しい技術であるVC・DIWを活用する方法から議論を始めるべく、公的ユースケースの実現に向けたリスク対策等を示したガイドラインなどを作成する、このような提案をいたしまして、おおむね賛同いただき、技術ワーキンググループで、この技術対策の内容や基準を議論する、このように予定しておりました。その技術ワーキンググループの状況について、簡単にお伝えさせていただきます。技術ワーキンググループを12月と1月に開催いたしましたが、事務局からガイドラインなどを検討してはどうかと提示したところ、より広範な項目、例えばプロトコル層や鍵のライフサイクル、デジタルアイデンティティ全体のライフサイクル、こういった視点で見たほうが良いのではないかといったご意見、提示されているユースケースは抽象度が高く、技術的に踏み込んだ議論は難しいのではないかといった、議論の前提や方向性についてのご意見を頂戴いたしました。そこで、今年度はリスク対策のガイドラインの骨子作成は時期尚早ではないかと判断いたしまして、この点は、前提条件や詳細を整理した上で次年度以降に継続検討することとさせていただきます。また、技術ワーキンググループの議論の中では、特に発行方法やWalletの在り方について、本体会議や次年度以降でも幅広く継続議論を行う必要性が示唆されました。具体的には、VCを発行するシステムについて、事務局の提示した仮説の下では、VCを使う必要性に疑問があるとの意見を頂戴したり、それによって発行の在り方については再度、継続的に検討することとしたり、また、発行機能の代行における署名鍵のトラストチェーンの課題のご意見もありました。また、Walletについては様々な主体が提供可能である必要があるとのご意見や、複数の異なるクレデンシャルを同時に提示するユースケースを考える必要があるとのご意見、また、スマートフォンを使えない人をどの程度想定するかが重要であるといった論点も示唆されました。簡単ではありますが、技術ワーキンググループでこのような意見がありましたところ、技術ワーキンググループ座長の中村委員より端的に振り返りのコメントをお願いしたいと思います。中村委員、よろしくお願いいたします。

中村委員: 技術ワーキンググループの座長をさせていただいておりました京都大学の中村でございます。簡単にご説明いただきましたが、より詳しい記録は、資料2のサマリーのほうにまとめていただいておりますので、時間があるときに見ていただければと思います。限られた2回という時間の中で、できるだけ委員の皆さんからのご意見をいただくということで、進め方としてまずかったというのも多々あったかなと思いますけれども、いっぱい課題をご指摘いただきましたので、その課題を見ながら、引き続き議論ができると良いかなと思っております。簡単ですが以上でございます。

デジタル庁(澤田): ありがとうございます。それでは続きまして、本日の会議の議論のスコープについてお話をさせていただきます。本日の議論では、早期に議論が必要な論点として、利用環境やそれを維持するためのエコシステムの在り方の議論をすることとさせていただきます。資料の図の右側にありますとおり、リスクを含めた各種の対策基準の要件の具体化や、本体会議第1回で議論した、その実施をどう促進していくかといった在り方は、次年度以降の継続論点とさせていただきたいと思います。議論内容の説明に入ります。本日の具体の議論の進め方としては、Issuer、Holder、VerifierのそれぞれがVCを活用する際に必要な利用環境の提供や、エコシステム形成のために行政が早期に取り組むべき事項が何かについて議論いたします。具体的には、下の図のとおり行政が発行した証明書を個人が受け取り民間に提出する場合についてと、民間が発行した証明書を行政に提出する場合、このそれぞれについて議論いただきます。そして、この議論のイメージを委員の皆様にそろえて議論しやすくするための題材として、2つのユースケースをご提示いたします。なお、こちらはあくまで議論用の仮説であり、実際のユースケースの仕様ではないことと、この妥当性自体を議論するものではない点、ご承知いただきますようお願いいたします。1つ目の、行政が発行する証明書の例は、住民票の写しのVC化です。これは、世帯情報などを証明するために、住民本人がオンラインで取得し、オンラインや窓口で提出をする、その際に、選択的開示等も利用できる、このような想定のユースケースであります。2つ目は、民間が発行し行政に提示される証明書の例として、就労証明書です。これは、例えば、認可保育所の入所審査などで使用するために、就労者の所属企業から発行され、それを自治体に対してオンラインや窓口等で提示をする、といったユースケースの仮定になっております。

デジタル庁(石井): それでは、まず「官→民での利活用実現に向けた取組事項」について説明いたします。官から民のユースケースとは、行政機関がVCを発行し、そのVCを個人の利用者がWalletに保有し、民間企業に提示するIHVモデルのユースケースを想定しており、具体的には行政機関が発行する公的証明書、例えば住民票の写しなどをVC化する場合を想定しています。従来、自治体の窓口に出向いて書面で発行していた公的証明書がVCとして電子交付され、スマートフォン上のWalletに格納し、民間企業に対して即座に提示できるようになるため、様々な民間手続における国民の利便性が大きく向上することが期待されます。その一方、公的証明書は既存の法令・制度に基づく高い信頼性が求められることや、そのためのエコシステムが未確立であること、また、前例となる国内の取組が限られているため、それらの課題に起因した検討コストや開発コストなどの懸念が生じやすく、導入の意思決定が難しい側面がございます。これらの問題を解決するため、本スライドにおけるそれぞれのボックスでは、各主体における数年後の目指す姿を定義しています。また、その実現に向けて、次年度以降に優先的に取り組む短期的な取組事項と、社会実装と普及に向けて将来的に取り組む中長期的な取組事項の事務局案を記載しておりまして、次のページ以降で各取組事項の詳細をまとめておりますので、ご説明させていただきます。まず「VCの発行に関する取組事項」について説明します。ここで言う「目指す姿」とは、Issuerとなる各行政機関が、ばらばらな独自仕様ではなく、互換性のある共通仕様に準拠したVCを発行し、証明書の発行業務を効率化している状態のことを指しております。それを実現するための「短期的な取組事項」として2つ挙げており、1つ目は、①-1のVC発行要件の整理です。具体的には、VCの署名鍵に何を使うべきか、その署名鍵はどのように管理すべきか、公開鍵はどのように公開すべきかなど、行政機関がどのようにVCを発行すべきかの要件を整理した文書を策定するとともに、それを、制度所管省庁に示し、地方公共団体他が参照できるようにする必要があると考えています。2つ目は、①-2の実証実験です。証明書の発行主体である各省庁や自治体が単独でVC化の検討を進めるのは難しいため、デジタル庁と連携しながら技術的に実現ができるか、また、どのような価値があるか、実証実験することが事例創出のために必要であると考えています。そのほか、「中長期的な取組事項」の一つとして、例えば①-5では、Issuerとなる行政機関が効率的にVC発行環境を準備できるよう、リファレンス実装をはじめとしたアセットやツールの整備が必要であると考えています。続いて「Walletに関する取組事項」について説明いたします。ここで言う「目指す姿」とは、利用者が安心して自身の公的証明書VCをスマートフォンなどで保有・管理するに当たり、高い信頼性と互換性を備えたWalletが利用できる状態を指しております。それを実現するための「短期的な取組事項」として、②-1のWallet要件の明確化を挙げております。多くのWallet ProviderがWalletを提供しているものの、公的証明書VCを格納すべきWalletの選択指針や判断基準が不明瞭であることから、公的証明書VCを取り扱うWalletが具備すべき要件、具体的にはVCの発行・提示プロトコル、セキュリティー対策、鍵管理方式、相互運用性などの要件を整理する必要があると考えています。そのほか、「中長期的な取組事項」の一つとして、例えば②-3では、②-1で整理したWallet要件の適合性をどこまで求めるべきか、その適合性をどこまで担保すべきか、担保する場合に、その適合性をどのように評価すべきか、あるいは、行政自ら提供すべきかなどについて検討する必要があると考えています。続いて「VCの検証に関する取組事項」について説明します。ここで言う「目指す姿」とは、従前から担当職員が目視で記載内容の真正性を確認し、手作業でシステムに転記していた公的証明書をVC形式で受け取ることにより、それら一連の業務を機械的に自動化ないしは効率化している状態のことを指しています。それを実現するための「短期的な取組事項」として、③-1の実証実験を挙げております。VCの発行に関する取組事項でも実証実験を挙げておりましたが、VCを発行できたとしても、提示ができなければエコシステムとして成立しないため、Verifierとなる民間企業まで巻き込み、実際に業務を効率化できるか、証明書の信頼性は高まるかなどといった、Verifierのインセンティブにまで踏み込んだ実証実験が必要だと考えています。そのほか、「中長期的な検討事項」の一つとして、例えば③-4では、Verifierとなる民間企業が、効率的にVCの検証環境を整備できるような手当として、行政機関から簡易的なVCのビューアーを提供することも必要であると考えています。最後に、議論いただきたいポイントについて説明いたします。ただいま説明した「短期的に取組む事項」と「中長期的な検討事項」の事務局案を一覧としてまとめていますので、このうち、青色でハイライトした「短期的に取組む事項」の方向性の妥当性について、ご意見いただきますようお願いいたします。また、その実効性を高めるために必要なことや、ほかに優先すべき取組事項などあれば、あわせてご意見いただきたく存じます。事務局からの説明は以上となりますが、本日欠席している瀧委員のコメントを初めにご紹介させていただきます。「短期的な取組事項の事務局案は妥当と考えております。マイナンバーカード自体のユースケースは、コンビニで住民票発行ができるといった点が、結局は国民の認知向上に役立ったものと理解しております。コンビニ住民票は、本来の政府DXではないかもしれませんが、非常に認知度の高いキーワードです。従来は本人確認に住民票が用いられていることも多かったですが、そちらは、カード自体を用いた認証に社会がシフトしている途中ですので、住民票のそれ以外の、しかも、早く実装が見込めるユースケースに着目することに賛成です。」瀧委員からのコメントは以上です。以降の進行は、國領座長にお渡しさせていただきます。よろしくお願いいたします。

國領座長: 皆様、おはようございます。お忙しい中、ありがとうございます。まず、座長として技術ワーキンググループの皆様にお礼と若干のおわびを申し上げたいと思います。私も全部ではなかったのですけれども議論を拝聴しまして、やはり、なぜ利用者を介した連携というのが、どんなことについて大事なのか、具体的には何をやりたいかというところの定義が本体会議であまりはっきりしていなかったので、いろいろな論点が噴出してしまったと認識しております。ただ、その中でも非常に重要な個々のテーマの話がたくさん出てきましたので、それを極力、どうやって最後構造化して、重要なことにはめていくかという作業が、今日はすごく大事ではないか。この短期的取組というところについても、本当はものすごく急いだほうが良いと思うのですけれども、ただ、急ぎ過ぎるとこのようになるということが今回の学習だったと思うので、しっかり、なぜやりたいのか、何をやりたいのかという点について定義して、早くそこを整理して、その先が加速できるようにするというのが、今日、最後、着陸させる上でのミッションかと思いますので、そのような感じで議論を進められたらと思います。短期というのは、まさにその方向性をきちんと定めて、必要な作業というのを来年度にもちゃんと進められるというところに持っていけるというところかと思います。そういう前置きをさせていただいて、今映していただいているページよりも22ページのほうが分かりやすいでしょうか。

デジタル庁(澤田): 22ページは次の議論となります。15ページが、行政が発行する場合の課題のサマリーになっていて、その後ろが3ページ、Issuer、Wallet、Verifierと続いております。今のお時間は、行政が発行するユースケースについての議論の時間で、特にIssuer、Wallet、Verifierというのは議論時間を区切っておりません。

國領座長: 分かりました。では、このページをベースとしながら、短期的な取組として、この辺のことでどうでしょうかということについてご意見をいただけたらと思います。よろしくお願いします。

﨑村委員: 﨑村でございます。大変短期間の中、取りまとめいただきありがとうございます。事務局の方々に御礼申し上げます。その上で、この手のことを考えるときに、VCの発行を促進していくということがどういう意味を社会に対して持つのかということをしっかり認識することが重要なのではないかなと思っていて、その上で、官民とか民官とかを考えることになるかと思います。VCの発行を促進していくというのは、構造化したデータを発行者の正当性とデータの非改ざん性、提示者の正当性などを併せた検証可能性を、データ最小化原則に則った形で流通、自動処理することによって、経済の効率化、生産性の向上、すなわち、経済成長を狙うものだと認識しております。行政内のバックエンド連携が難しいからフロントエンドというような、もちろんそういう側面もあるのですけれども、それは、バイプロダクトというか1つのユースケースでしかなくて、そこに矮小化して議論をして、それをまた全体に広げていくというのは間違う可能性があると思うので、全体感をきちんと持つことは重要だと思います。そのためには、官民広く発行・利用が進む形にしなければならないわけですけれども、そのためには、まず隗より始めよということで、まず官が証明書や処分通知を検証可能なデジタルクレデンシャルとして発行していくというのが、昨年度の「DIWアドバイザリーボード」の結論の1つであったと認識しています。このアプローチはいまだに正しいと思います。それを汲んでいただいて、第1のユースケースとして官から民にということをおっしゃっているのだと思うのです。そのときにVCの活用に関して、やはり検証ルールを徹底するというところが重要です。受け取ったデータをVCっぽいからといって署名検証もせずに受け入れてしまうというようなことがよくありがちだと思います。間違って使われないようにするということが非常に重要で、例えば諸外国では各種手続に利用する個人の識別番号を、あたかもクレデンシャルのような形で使って多く事故になるということを我々は経験済みです。あれは検証可能性がないものを検証可能みたいに扱った例ですけれども、同じように、署名がついているものでも、署名を検証しないとか、あるいは署名に使った鍵が正しいところから提供されていることを確認しないとか、そういったことが非常に多く散見されます。なので、受け取ったデータが改ざんされておらず、正しいフォーマットにのっとっているということだけではなくて、もちろん、それをチェックするのは第1段階として重要なのですが、正しいプロセスにのっとって発行している=信頼できる発行者に至るトラストチェーンをつくって、信頼できる鍵であることを検証していくということが重要です。ここで発行者が信頼できるというのは、発行プロセスも、当該保証レベルに該当するということを第三者評価にたえる形で検証可能になっているということです。これは後半にかかってくるのですけれども、民間発行のものになるのですが、これだけで不当な発行者が発行したVCを受け入れてしまうというリスクはほとんど消せるはずです。なので、こういう全体感を持った上で個別を議論するという形がよろしいのではないかと思うのです。ほとんど「DIWアドバイザリーボード」からの遺言ですけれども、最初に申し上げさせていただきました。

國領座長: ありがとうございます。笠井委員、どうぞ。

笠井委員: 笠井でございます。今、ご議論、論点としてあるのが、短期的に取組む事項ということかなと思っているのですけれども、官から民の場合の例で挙げている住民票の写しVCを真剣に検討することは、瀧さんと同様に賛成です。一方、ちょっと足りていないなと思うのが、最初から実証をというような形になっていますけれども、今、アナログと皆さんが言っているコピー機も、それなりの歴史と利用頻度の高いもので、その部分のステークホルダー、例えば自治体や、私どものコンビニ交付の機械、利用者目線みたいなことを、しっかりとその現状と課題を洗い出した上で、それをVCとする場合にはどうなのかということを比較されたほうが良いのではないかなと思います。そこに加えてですけれども、12ページのところで、今、想定で多分書かれている店舗のところでも、コンビニとかほかのところでも提示するとか、例えば、どこか住宅ローンを申し込むときの金融機関とかだと思うのですけれども、やはりVCの導入を検討していく中で非常に重要なのが、読み取りの端末機器のところでして、デジタル庁さんはSDKを提供する、とおっしゃっているのですけれども、では、そのタブレットとか、ほかの機械と複合的にするみたいなところは結構コストがかかり、事業者側としては止まるケースもよくあります。なので、現状のアナログでやっているというか、コンビニ交付でやっている費用負担のところもしっかりと把握した上で、今後、いろいろなVCを使うには、読み取り機器がどんな機能があればいいのか、QRとかNFCとかBluetoothとか、どの機能があれば、大体のVCを共通化できるのかというのはしっかりと見据えた上で、どうしてもVCは発行の議論になりがちなのですけれども、検証のところで結局できないと使われないので、その点も並行して議論が必要かなと思います。あとは、先々のためにも、コンビニ交付がVCの住民票の写しに変わったときに二重運用を認めるのかどうか、その際に法制度が必要なのかどうかというところは、併せて、水面下というか、実証とは別で議論していってもよいのではないかなというところです。以上です。

國領座長: ありがとうございます。富士榮委員、お願いします。

富士榮委員: 富士榮です。取りまとめ、本当にありがとうございました。今表示されている15ページ、こちらをベースにお話しさせていただくと、まず、疑問として浮かんでくるのが、官民におけるVC活用の促進というところの背景にあるのは、その前提として、民間のWalletに政府が発行するVCを格納するということが前提となっているのかどうか、まず、この部分を1点目として確認しておきたいなと思っています。仮に、それがYesであった場合にという話になりますけれども、真ん中の2番のところに、信頼性と互換性の高いWalletの要件を整理するということが書かれているのですが、今、既にマイナンバーカードはApple Walletに対して発行されているということに鑑みると、要するに、信頼性・互換性が高いWalletの要件を満たしたものとしてApple Walletというものを既に政府は認めていると判断をして良いのかどうか。それが認められているという判断をしているのであれば、既に要件は出ているのではないだろうかという推論も成り立つのではないかなと思うのです。そうすると、言い換えると、Apple Walletと同じレベルであれば、民間Walletがあったとしても、それは要件を満たしているということに自動的になるのではないかと。つまり、ここで要件を明らかにするということは、短期的施策と書かれていますけれども、これは既に要件が出ているのではないのか、出ていなければマイナンバーカードはApple Walletに載っていないのではないのかということも言えるのではないかなと感じていますが、この点については教えていただきたい。あと2つですが、1つは、実証実験の話が書かれていますけれども、これは、それこそTrusted Webの時代とか、マイナンバーカードの利活用の国民サービスグループがやっているような実証実験を含めて言うと、かなりの実証実験を既にやられているのではないかなと認識しています。その上でまた実証実験をさらにやるのですという話が書かれていますが、これは今までの実証実験と何が違うのだろうなと思います。こう考えると、﨑村さんが先ほどおっしゃっていた、まず隗より始めよということで、行政機関で、技術が変化するという前提はあるものの、実際の実業務に使うということをまず始めるということのほうが、実は短期的にはやるべきことなのではないだろうかと感じていると。あとはコンビニ交付の話が出ていましたけれども、これは蛇足になりますが、住民票の写しは確かにコンビニで発行できるようになってすごく便利だよねという話はあるものの、これは最終ゴールなのでしたかという話については、個人的にはかなり疑問があります。もともと紙をなくしていくという話を含めてやるという話だったのであれば、今使えていて便利だから、利用者が多いからそれが成功例ですと言われても、すごく納得性が低いというのが個人的な感想です。最後はコメントでした。今、4点お話しさせていただきましたので、コメントをいただければと思います。

國領座長: これについては、事務局から何か。

デジタル庁(澤田): Walletのところを事務局から少し補足させていただきますと、まず、行政が発行する証明書を民間のWalletに入れるということかという点については、必ず入れるとか全部入れるとか、そういうことではありませんが、入れるという可能性を、今回含めて議論をしたいということであります。また、OSのWalletのところにマイナンバーカードのスマートフォン搭載が始まっていて、この要件が既にあるというこの点については、おっしゃるとおりです。そこの要件をいろいろと決めた上で、そのとおりスマートフォンへの搭載を進めているところですけれども、ただ、その要件と、ほかの各種の行政が扱う証明書の要件が果たしてイコールであるべきなのか、ここについては議論が必要な点であると考えています。おっしゃるとおり、住民票の写しなどを含めた様々な議論を進めるときに、マイナンバーカードのほうの仕様がどうなっているかというのは考慮した上で、それに何か、例えば追加で必要なのかとか、あるいは、逆にマイナンバーカードの方の要件が重過ぎるのかとか、そういうことを踏まえて考えていくものかなと考えております。

富士榮委員: ありがとうございます。

國領座長: 今の確認は結構大事かなと思うので、今のお答えは、Apple WalletにマイナンバーカードをApple Walletに格納するときにある程度の整理はされているが、そこまで厳格ではないものがあってもよい、というお返事だったという理解で大丈夫でしょうか。もう1回改めて、要件が何なのかということを整理したほうが良いのではないか、という。

富士榮委員: そのように私も受け取りました。

デジタル庁(澤田): マイナンバーカードのときの要件を、ほかの証明書等でも全く同じものを求める、で良いのかとか、あるいは、ほかのWalletでもその要件で良いのかという点は議論が必要かなと考えております。

國領座長: ただ、住民票の写しを載せるという意味においては、ほとんど同じですよね。

デジタル庁(楠): 住民票の写しをIdentity Documentと取るべきなのか、Attributes Documentと取るべきかというのはなかなか難しい論点がありまして、見ようによっては、今、住民票の写し単体での本人確認は、例えば銀行口座をはじめ認められていないので、写真もついていないですし、恐らく、性質としては納税証明書とかと似たような、居住関係証明書としての側面と、一方で、総務省の検討会においても、歴史的に本人確認書類として利用されてきたことから、これが複製できるということには大きな問題がある。両面がある。ちょっとマージナルなケースなのかなと思うのです。ある意味、スマートフォン搭載という文脈でApple Wallet、Google Walletで良いという判断をしたのは、利用者はマイナンバーカードをスマートフォンに入れたいのであるというところで、日本のスマートフォンというのは、おおむねiPhoneかAndroidであって、この両方で動けばよいのであるとして、ここは割り切ったのです。今後、AIエージェントがいろいろなAttributes Documentをハンドリングしながら様々な手続を自動化する、そのためには、身分証明書だけではなくて、様々な公文書、私文書を束で扱って手続が行える必要がある、そこのところを、Apple、Googleだけがエージェントを提供できるという状況で良いのかというと、そういう判断はしていないという理解はあります。言ってみれば、パソコンの時代であれば、どんな環境であってもダウンロードしてアップロードしてということはできて、特に何らかの制限というのはつけなかったわけですけれども、そういう意味で、エージェントが書類をハンドリングしていく世界というのは、恐らく、今のAndroid、iPhoneのWalletと比べると、相当多くのプレイヤーが入ってこられるようにならないと、日本は不戦敗になってしまう、エージェントを全部海外のビッグテックに渡すということを今の時点でできるかというと、そうではないということかなと思います。

國領座長: そうすると、ユースケースとして住民票の写しだけで良いかというのは、ちょっと検討しなくてはいけない。

デジタル庁(楠): もちろん、様々な書類について検討すべきだと思いますし、特に、たまたま制度原課のほうでこういった要件を満たしてほしいということを出していただいていたのが住民票の写しだったので、これらをきちんと目途を立てる検討はしていく必要があるという背景があって、検討しているということになります。

富士榮委員: 今の楠さんのご説明はすごく分かりやすくて、やはり、身分証明書は互換性だとかセキュリティーとか、セキュリティーはもちろんあれかもしれませんけれども、そういうところよりも、みんなが使える状態というのが一番だよねという前提があったので、みんなが持っているものに入るようにしようよというのが最優先だったと。これは非常にロジックとして分かりやすいと思います。なので、一方で、その他のものを、どうやって利便性を維持しつつ広く使えるようにするかというのは違う議論なのだなというところについても理解をしたので、その中でも、なるべく広く使えそうなもので、かつ、技術的にもちゃんと要件が出てきそうなものというものをチョイスして、これも、先ほどの﨑村さんの話にもつながりますけれども、実証からではなくて、まずやってみようよというところに何とか持っていってもらえると、僕は良いのかなと思いましたけれどもね。

﨑村委員: 補足なのですけれども、ちょっとやってみろと言いやすいのは、実は、セレクティブディスクロージャーができるからなのです。どさっと出しておいても、削って提示するということができるということがあるので、細かくここまでに最初から絞って出さなければいけないということはないので、その辺は、新しいテクノロジーによって検討に幅が出るところではないかと思っています。

國領座長: セレクティブディスクロージャーが、なぜWallet方式が良いのかというものの1つの有力な根拠ですよね。板倉委員、お願いします。

板倉委員: 板倉です。よろしくお願いします。私からは1つ、今後、この住民票の写しというか、その一部の情報を出すということが極めて重要になるという話と、出口として、もう1つ、やってみるというのが実証実験ですけれども、あるのではないかというお話をしたいと思います。1つは、この国会で恐らく個人情報保護法が改正されて、16歳未満について、個人情報関係、個人情報保護法上の同意を得るときは、法定代理人にも同意を得なければいけない、通知する場合には法定代理人にも通知しなければいけないというルールが入ります。同時に、そこまでは日本では入っていませんが、海外では16歳未満はそもそもSNS禁止だというようなルールが割と流行りになりつつあります。オーストラリアは既に成功されています。これは極めて影響が大きい話でありまして、今でもお金が絡む場合は、当然、民法の未成年のルールが適用されますので、そこは、各サービス提供者は適宜やられているわけですが、個人情報保護上で法定されるということは、何らかの形で法定代理人の同意ないし法定代理人への通知を担保しないといけないわけです。何も考えないでこれをほったらかしておくとどうなるかというと、みんなが戸籍の写しを取るようになるわけでありまして、それは地獄であります。最低限必要な情報は、法定代理人かどうかということでありますが、必ずしも親子であることが法定代理人とも限りませんが、99.9%ぐらいはそれで大丈夫ですので、住民票の写しの一部の情報、この人とこの人が親子であるという情報だけ出せれば、そこはかなりカバーできるので、これは個人情報保護法が施行されるまでの喫緊のお話ということになるわけであります。なので、最初、この話に入ったときは、そんなに住民票の写しの話が重要かな、と思っていましたが、子供が、個人情報保護法だと16歳が個人情報成年ということになりますけれども、子供が使うサービスを提供する事業者は、全てこの法定代理人かどうかを確認しなければいけないわけです。あまりそれを強調する必要は、私はないと思っていて、子供が良いと言っています、のチェックボックスで良いのではないのとは言っていますが、しかし、日本の事業者は法定されると非常に過剰に反応して、戸籍のコピーを送らせる可能性がかなり高いわけであります。それは最低の話でありますから、このような、親子関係を最小限証明できる端末が2つあるというような状態を、個人情報保護法が施行されるまでに用意しなくてはいけないというタイムラインがほぼ切られてしまっているわけです。改正法が国会で成立することを前提にしていますが。なので、この話は、もう実証実験とか言っている場合ではなくて、個人情報保護法の未成年のところが施行されるまでには、かなり簡単に導入できるようにしておかなければいけないという問題があります。その際に、出口のほうも実は法改正で用意されていて、デジタル庁さんの隣ですので、恐らくどうやってやられているか把握されていると思いますが、デジ行のほうで用意されている改正のお話で、デジタル行政推進法の一部を改正して、一種のサンドボックス的なものにOKを出すというのが想定されているわけであります。例の1つは、行政が持っている事業者の情報について、APIで出すというようなスキームについてOKをして、法改正しなくてもそれでやるというような例が書いてありました。ということは同様に、住民票の一部の情報を、ある要件を満たした場合には出して、みんなが使うというスキームも、必ずしも住基法を改正しなくても、そのスキームを出口にして、最終的には改正したほうが良いのかもしれませんが、みんなでその要件を満たした場合はやっていいよというので、しばらくやるという出口も考えられるということで、実証実験というのかどうか、今、富士榮先生とかの議論もありましたが、私は一旦のゴールとしては、デジタル行政推進法のスキーム認定を想定して進めていくといいのではないかと思います。以上です。

國領座長: ありがとうございます。若江委員はお聞きになられていますか。もしよかったら全ての委員に。この後、官から民をやった後に、民から官のほうも一通り発言いただきたいので、このタイミングでいかがでしょうか。

若江委員: ありがとうございます。実は、私も板倉先生と同じように、個情法改正や、子供のSNS利用制限の文脈で年齢の選択的開示の必要性は高まっているので、そこにDIWを使うのは良いアイデアなのではないかなと思っていたところなので、板倉先生の前半部分に同意見です。ただ、ちょっと心配しているのは、では、実証実験ではなくて今すぐやるとなったときに、今あるApple Wallet、Google Walletの中に入たいな形で進んでいって、新しく独立系のWalletが入り込む余地がなくなってしまうのかなというのを心配しています。それを考えると、短期的であっても実証実験をやって、どのようにしたら独立系のWalletが参入する余地があるのかというのを、どのようなビジネスモデルがあればできるのかというのを検証するのもあってもいいのかなと思っていたところです。以上です。

國領座長: ありがとうございます。横田委員。

横田委員: 横田です。今の2人の意見の補足というかコメントなのですが、短期的か長期的かは難しいものの、こういう方向性で考えているのだというビジョンの打ち出しと、その場合に、現在あるものが使えるかということの検討、あるいは、これに限らない形でどういう形で利用ができるかという、その土台を考えますというのが、多分短期的にやるべきことです。それをセットで1回打ち出して、分かりやすい資料を提示して、いろいろなアクターから話を聞くというのを短期的なミッションにも入れておかないと、多分我々だけで話してもどうしようもないところがあるので、今みたいな話を聞いてどう思いますかという話を、それこそ自治体もそうですし、消費者、ユーザー側も含めて出してもらう。次の大きな話としては、これに限らない使い方としてどんなものがあるかということを引き出すか、あるいは、それに応じた社会実装の在り方を検討するのはまた次の課題になるというのは、認識できると思うのです。よく分からないものだから使いたくないという反応をどれだけ避けられるかというのが、多分短期的ミッションとして非常に重要で、そこの1つの突破口として、板倉委員のおっしゃったような、すぐ迫っていますという話と、それが、選択的開示ができるとみんながハッピーになるのです、という絵を描けるかというのが一番大きいのかなと思います。これは、そのように促さないと、行政側は重い腰を上げてくれませんので、官から民のところで1個成功例ができると、次のWalletも考えやすいと思います。以上です。

國領座長: 本当は、それをこの半年ぐらいでやっておけばよかったという反省ですよね。

横田委員: ある意味、個人情報保護法改正とか社会実装に追いつかれてしまったところがあるので、ここはもう喫緊ですよというところまでは言えるのではないかと思います。

國領座長: 中村先生、どうぞ。

中村委員: 中村ですけれども、技術検討という視点からすると、今日の短期的に取り組む事項のうちの①-1というところで、VC発行方法の考え方を各省庁等に示すというのがありますけれども、先ほど﨑村委員からもありましたように、全体の設計をちゃんと明確にするということが必要だとすると、「発行方法の考え方」という表現が若干曖昧な気がしていて、Verifierも含めてどういうユースケースというか、技術的な信頼性の仕組みなのですよということをまずは理解してもらった上で、それが、そちらの手続に対してどのように当てはめることができますかというのが、ちゃんと検討できるような資料が最初に必要だろうと。実証実験についても、その想定があってこその実験になると思いますので、最初の設計のところをしっかり明確にしないと、また次の技術検討も、では、来年、我々のやりたいことはこういうイメージだというのは分かったけれども、それを技術に落とし込んだときにどうなるのみたいなところが、結局誰も決めていないということでは議論ができないのかなと思いますので、そのあたり、準備をよろしくお願いしたいなと思います。以上です。

國領座長: ありがとうございます。それでは、最後にまた全体討議をやりますので、一旦、ここで官から民への議論は終わらせて、民から官への議論に移りたいと思います。これは、また事務局から説明いただけるのですね。

デジタル庁(石井): 説明させていただきます。それでは、続いて「民→官での利活用実現に向けた取組事項」について説明いたします。民から官のユースケースとは、民間企業がVCを発行し、そのVCを個人の利用者がWalletに保有し、行政機関に提示するIHVモデルのユースケースを想定しており、具体的には民間企業が発行する文書、例えば就労証明書などをVC化する場合を想定しております。従来、民間企業に申請して書面やPDFで発行していた文書がVCとして電子交付され、スマートフォン上のWalletに格納し、自治体をはじめとした行政機関に対して即座に提示できるようになるため、様々な行政手続における国民の利便性を大きく向上することが期待されます。その一方、自治体をはじめとした行政機関が受け取り可能なVCの要件が定められておらず、行政機関がVCを受け取るための環境なども未整備であるため、それらの課題に起因した検討コストや開発コストなどの懸念が生じやすく、導入の意思決定が難しい側面がございます。これらの課題を解決するため、本スライドでは、官から民のユースケースと同様に、各主体における数年後の目指す姿と、その実現に向けた短期的な取組事項と中長期的な取組事項の事務局案を記載しております。次のページ以降で各取組事項の詳細をご説明させていただきます。まず「VCの発行に関する取組事項」について説明いたします。ここで言う「目指す姿」とは、行政機関が定める技術要件や信頼基準に準拠した形式でVCを発行できる民間企業が一定数存在し、従来、紙やPDFで発行していた私文書をVCとして発行する状態を指しています。それを実現するための「短期的な取組事項」として、①-1のVC発行要件の整理を挙げております。行政機関がVCによる申請を受け付けるに当たっては、民間事業者が発行するVCが行政機関において適切に受理・検証できるよう、一定の要件を定める必要があると考えております。具体的には、データフォーマットやスキーマ、また、技術ワーキンググループでも議論した署名方式などの要件をどのように定義すべきか、民間企業の開発コストや運用コストも踏まえて整理する必要があると考えています。そのほか、「中長期的な検討事項」の1つとして、例えば①-2では、行政手続における検証可能性や機械可読性のメリットを訴求するとともに、現行の紙を用いた事務において、提出された私文書の記載内容を1件1件確認していないか、発行元企業の実在性の調査に時間を要していないかなど、現行事務の課題や、その解決策の1つであるVCの活用可能性について検討することで、民間事業者によるVC発行を促すことができると考えております。続いて「Walletに関する取組事項」について説明します。ここで言う「目指す姿」とは、民間事業者が発行した資格証明や属性証明などのVCを格納することができ、かつ、様々な行政手続において、そのVCを行政機関に提示できるWalletを利用できる状態のことを指しています。それを実現するための「短期的な取組事項」として、②-1のWallet要件の明確化を挙げております。官から民のユースケースでも、公的証明書VCを格納するためのWalletの要件の明確化が必要であるという事務局案を提示いたしましたが、それと同様に、行政機関が検証者となる場合においても、行政機関が安心して信頼できるVCを受け入れるためには、そのVCを格納するWalletが一定の要件を満たしていることが求められる可能性があるため、まずはそれらの要件を定める必要があると考えています。そのほか「中長期的な検討事項」の一つとして、例えば②-3では、官から民のユースケースと同様に、②-1で整理したWallet要件の適合性をどこまで求めるべきか、その適合性をどこまで担保すべきか、その適合性をどのように評価すべきか、などについて検討する必要があると考えています。続いて「VCの検証に関する取組事項」について説明いたします。ここで言う「目指す姿」とは、行政手続において、目視による記載内容の真偽確認や、手作業による転記作業に多くの時間を費やしている添付書類などをVCとして受け取ることで、機械的な真正性検証や自動入力を実現し、窓口となる行政職員が業務を効率化している状態を指しています。それを実現するための「短期的な取組事項」として、③-1の実証実験を挙げています。行政手続によっては、三層分離などのシステム上の課題や、窓口となる行政職員の運用上の課題などが伴うため、制度所管省庁や自治体が単独でVCの検証環境を整備するのは難しい場合があります。そのため、デジタル庁と連携しながら、「どの程度行政機関の業務を効率化できるか」、「民間証明書の信頼性が高まるか」といったインセンティブにまで踏み込んだ実証実験が必要だと考えています。そのほか「中長期的な検討事項」として、これまでご説明したような検証環境の「リファレンス実装・試験ツール等の提供」や「簡易的なVCのビューアーの提供」などが必要であると考えています。最後に、議論いただきたいポイントについて説明いたします。このページでは、先ほどの官から民のユースケースと同様に、ただいま説明した「短期的に取組む事項」と「中長期的な検討事項」の事務局案を一覧としてまとめていますので、このうち、青色でハイライトした「短期的に取組む事項」の方向性の妥当性についてご意見をいただきますよう、お願いいたします。また、その実効性を高めるために必要なことや、ほかに優先すべき取組事項、官から民のユースケースと、民から官のユースケースで異なる観点などあれば、併せてご意見をいただきたく存じます。事務局からの説明は以上となりますが、本日欠席している瀧委員のコメントを初めにご紹介させていただきます。「短期的な取組事項の事務局案は妥当と考えております。就労証明書は、利用する人たちの時間や移動制約の厳しさから、共感を得られるナンバーワントピックであり、架空と言わず実装の参考となると思われるユースケースと思います。既に規制改革推進会議などでもローカルルールを減らし、標準的な書式を出したものでもあります。情報連携を行うための土壌が整っています。勤務時間などはやや複雑なデータでもありますので、それらを確実に渡せる実績ができることは、次にもつながりやすいと考えています。給与計算や勤怠管理のサービスを展開する当社としても、実際に運用に入ったときに、お客様に案内しやすい・認知が得やすい機能であると考えています。このような民間企業連携は、既に記載もありますが重要です。」瀧委員からのコメントは以上です。改めて、進行は國領座長にお渡しさせていただきます。よろしくお願いいたします。

國領座長: ありがとうございます。それでは、民から官へのことについて、特に短期的取組、何が一番取り組みたいかというところを中心に、もう既に手が挙がっているので、笠井委員、どうぞ。

笠井委員: 前の議論とも関連するのですけれども、VCの皆さんの議論を聞いていて、やはり難しいなと思ったのが、今までは登場人物が2人だけでよかった、例えば、官から発行するものは本人に渡すというところだけ見ていればどう使われようが、前のケースは関係なくて、こちらのケースにおいても、官が最後受け取るという中で、どのような過程でVCが発行されたかは、多分、今まであまり見ていないというか、実態の把握ができていないのではないかなと思っています。なので、繰り返しになるのですけれども、今回のこのVCになることで、登場人物が3か所、3人になるということで、抜けているところをしっかり調査する、今まで接点がないところをしっかり調査する必要があるかなと思いました。ただ、受け取るときのケースというのは、このケースで言うと比較的調査しやすいと思うのですけれども、どう発行されているのかという、民がやっているところというのは、もしかしたら官からすると見えにくいのではないかなと思いますし、前のケースでいっても、どう使われているのかというのは、コピー機、コンビニ交付とかで発行した後、どう使われているのか、多分把握ができているのかとかもしっかり、そこを多分初期的にやらないと、誰がステークホルダーになっているのかというのが分からないのではないかなと思い、それを、どうやってボリュームからスイッチングしていくのかという議論にもならないかなと思いますので、どちらのケースにしろ、2人が3人になったときの足りないところの調査は必要かなと思います。

國領座長: だから、トラストチェーンとか、単なるチェーンではなくてネットワークだとおっしゃっているのですよね。

笠井委員: 一方、検証するところの機械の負担とか、あと、前のケースと今回のケースで違うのは、利用者側が有料なのか無料なのかとか、結構そういうところの違いがあるので、本当の具体的なケースをどう置いて、費用負担をどうするのかというのは検討が必要かなと思いました。

國領座長: ありがとうございます。そこは現実的に普及させようとすると大きなポイントですよね。ほかにいかがでしょうか。

横田委員: ちょっとメタな話として、民間発行のものは、多分いろいろなものがあり得るところで、そのうちの1つ、ユースケースとしての就労証明書という話なのですけれども、いろいろなものがあり得るので、受入れ側がどのように捉えていいか分からないというのが多分発生しやすいのが、こちら側のケースだと思います。それについてどこに書かれているのかなというのが気になったのですが、つまり、A社とB社とC社で発行の仕方が全然違うとか、受け取る側も、A市とB市とC市で受け取り方が違うみたいなことを何とかしたいというのも、多分、今回のVCの範囲に入っていると思うのですけれども、それを調整するというのはどこに入っているかよく分からなかったのですが、これは、発行方法の標準的な様式で何とかなるのですか。

國領座長: これが、今映していただいているもののVCの発行方法というところに書いてあると言いたいのですよね。

横田委員: それで何とかなるかどうかというのがよく分からなくて、つまり、今、笠井委員がおっしゃられたように、こちら側のパターンの場合はアクターがめちゃくちゃ増えますので。例えば、それで受け取れなかった、そのせいで保育所の申込みができなかったなどが発生したときに、責任は誰が取るのみたいな話になりかねないので、揃えなくてはいけないところというのがちゃんと揃いますかという、発行方法と提示方法の標準化という話は強めに書いておかないと、同じ目的、同じ仕組みでやる以上は、どこの自治体でもどこの会社から出るものでも使えますとならないと、紙に比べてVCのほうが良いよねという話になりにくいかなと思うので、ここは強めに言っておきたいと思います。もう制度設計の段階でこういう理想があるのだということを入れておくと良いかなと思っています。

國領座長: これは、どこかで誰かが考えているのですか。例えば、就労証明書について、どういう項目が記載されていないと手続ができないかみたいなこと、これは、国が標準化すべきだと書いてありますよね。それは誰かが考えているのでしょうか。

デジタル庁(澤田): ここの就労証明書の様式の標準化は、こども家庭庁のほうでいろいろと進めていて、詳細は把握していないのですけれども、標準的な様式みたいなものを作って出している一方で、まだ全て実際の現場が統一されているわけではないと聞いています。

横田委員: 行政法的なことを申し上げれば、恐らくは、自治体の自治事務で行われている確認作業の、どこが標準ラインなのかを、どこかの省庁が旗振りをして統一化するという作業が一方であり、それにちゃんと見合うだけの技術的要件を提供できるような仕組みにしておくというのが、こちら側の話になろうかと思いますので、そういうことが必要なのですよということまではこちら側でも書いておかないと、制度設計上の指針という意味で必要かなと思った次第です。

中村委員: 今の観点で言いますと、例えば、先ほどの22ページの①-1というところが、行政が受け入れ可能なVCの要件の明確化というところに当たるのだと思うのですけれども、その中で、キーワードとしては、「信頼基準等の要件をどう定義すべきか」というところで表現されているのかなと一瞬思ったのですが、「委託関係がある際の」というのがついているので、委託関係がない場合でも、そもそも企業が発行した証明書がどういう技術要件を満たしていれば受け入れると考えられるのかというところをまず明確にしないといけないという課題なのかなと私は理解しましたけれども、いかがでしょうか。

﨑村委員: それの補足で良いですか。技術ワーキンググループでも申し上げたのですけれども、正当な発行者という話が出てくるのですけれども、それは、そこに至るトラストチェーンをどう作るかの話で、この委託の場合だけではないです。全ての場合に対して必要です。なので、トラストチェーンが、この委託のところに押し込められてしまっているのはいかがなものかなと思います。

國領座長: 結構それは大きなインフラを構築する話ですね。

﨑村委員: 必ずしもそんなに高コストなインフラではないとは思うのですけれどもね。でも、提示も発行もメタデータの発見も全て標準的なプロトコルに乗っていないと、コストは爆発します。

デジタル庁(楠): どのレベルでやるかいろいろありまして、民事訴訟法で求めている要件というのはかなりシンプルで、ちゃんとそれが公的に発行されたものであるか確認ができて、発行しましたかと聞かれたら答えられるようになっているということで、実際に技術的にどこまで安全管理措置を取るかというところは、その事務の性質や脅威モデルに基づいて個別のご判断もあり得るのかなとは思います。いずれにしても、就労証明書を例に取ると2つのレイヤーでそれぞれあって、中身の項目をどう揃えるかという話と、足回りのところの確認方法、技術方式、技術的なインターオペラビリティー、それぞれきちんと揃って受け取れるようになっていないと機能しませんといったご指摘をいただいたのかなと。

﨑村委員: 特にトラストチェーンを作るのが重要なのは、民間が発行する場合です。

デジタル庁(楠): そこは大きな違いですね。公文書にならなくなるので。

國領座長: 板倉委員、今の論点に関連しているご発言ですか。そうでなければ、関連質問を先にさせていただきたいのですが、いかがでしょうか。

板倉委員: 関連しているといえば関連しているので。ここでも、今、コストの話がありましたが、「発行ツールやアプリの配布」と書いてあるように、それぞれの事業者が何か開発するなどということは恐らくなくて、SaaSなり、今まで使っているSaaSのセットで会社が登録して発行するようになるのでしょうから、議論もされていましたが、そんなに高コストになるものでもないのかなと。1つ、先ほどの公的なものと違うのは、中身が正しいかどうかの証明は当然ですが、VCはしないわけです。しかし、VCで行われることによって、受け取る方が正しいのだと思ってしまうという危険は割とあるのではないかなと思います。というのは、私、個人事業主ですので、青色の専従者には就労証明書を出して保育園に行ったり、放課後クラブに出したりしているわけですが、私が簡単に書けてしまうわけでありまして、これでやったからといって中身が正しいわけではないということを理解しながらみんなが使うというのが重要。結構そこは言わないと、これになった瞬間に中身も正しいと思い込みかねないなと思いました。これは多分、結構デジタルでそういう傾向があるのですけれども、この間、刑事訴訟法の先生に教えてもらったのは、今でも令状は割と簡単に審査をしているのではないかと昔から都市伝説的に言われているのですが、電子令状請求になったら3秒ぐらいで本当に令状が出てしまっているという海外の論文があると。原文を読んでいなくて聞き書きですけれども。つまり、電子で来てしまうことに逆に信頼し過ぎて、いいかげんな就労証明でもどんどんやってしまうとなると、保育園、一時期どっと増やしてくれましたので、今のところ待機ですごく困っているというほど社会問題にはなっていませんが、結構みんなの人生に関わるところで安易に嘘が増えるとなると、これはそれこそトラストのインフラが破壊されることにもなりかねないので、やるのはもちろんやったほうがいいと思いますし、今申し上げたようにSaaSが出るでしょうから、そんなにコストでもないとは思いますが、そこの中身の話ですよね。中身は知らないと放っておけないなと思った次第です。

國領座長: これは古いけれども新しい問題ですね。ありがとうございます。

松本委員: 先ほどの企業のトラストチェーンの話なのだけれども、ここの話題ではない話で、もう1つDigital Identity Walletの話がEUにあって、Business Walletがある。個人が自分の属性を証明したいのと同様に、企業も自分の属性を証明したい。それをVerifiable CredentialでやるというのがビジネスIdentity Walletで、多分、そこまで含めると双方の関係性が見えてくるのではないかなと思います。ただ、ここの範疇外なのですけれども、仕様的にはかなり近い。同じ仕組みを目指しているというのがあります。それから、もう1つ、官から民と民から官が大分違うだろうというのは、もちろんよく分かるのだけれども、EUの中でのeIDASでは、割とそこは同じ、官も民も同じ。それはGDPRなどと同じで、官も無条件に信じるわけではないというのが根底にあるのです。日本の場合は、電子署名法自身が民に対する法律で官には適用されないのです。そこも、ある意味では同じではない仕組みになっているのだけれども、本当にそれで良いのかという問題はもともとあるのです。それも含めて、要は信頼性とか信頼をどう見るかというのは、官も民も同じではなくてはいけないというのは、もしかしたらあるかもしれなくて、そこも含めて考える必要があるのではないかと思います。繰り返しますけれども、電子署名法は民ですよね。なので、本来は電子署名法の、そういったものを利用した信頼の枠組みを考えなくてはいけなくて、それは、本来は官も同じような仕組みが適用されるべきではないかというのが、多分EUの考えかと思います。EUの中では、民から官、官から民という考えはあまり強くないのです。最近、EAAでもパブリックEAAというものが出てきたので、実際にオーソリティーが明確になったのは官ですから、あるかと思いますけれども、もう1つは、では、日本の官と海外の官でどうするのだというのも、その上のレイヤーの議論もあってしかるべきなので、そこも含めて、官であっても第三者証明みたいな仕組みが必要になってくるのではないかなというのが私の感触でございます。

﨑村委員: 松本先生が今おっしゃったことは、私が冒頭に申し上げたことと全く一緒でありまして、発行の正当性を第三者が検査して、それを示すことができるようになっている、これがトラストを確保する上で極めて重要だと思います。EUの場合は、PIDとQEAA、PubEAAとあって、それぞれ何をしなければいけないかということは決まってきているので、そういったものは参考になるかなと思いました。あと、ヨーロッパだと行政機関がやっているものでも、認証(Certification)が失効(lapse)すると平気で(トラストフレームワークから)蹴り出される。

國領座長: 今の話は、最終的にはやはり国際的なインターオペラビリティーを確保したようなものにしないとガラパゴスになってしまうよという議論の範疇の話と考えて大丈夫かなと。だから、つまり、日本だと、官に対するトラストがすごく強いので、それに対して民はちゃんとVerifyしろみたいな話なのだけれども、その先を考えると、日本国政府が発行しているからといって信じてもらえない世界の中でやらないとインターオペラビリティーが出てこないよというご懸念だと。

横田委員: 別の側面で言えば、在外国民の保護も考えてくださいという、いつもの論点ですけれども。

國領座長: だから、それはパスポートを信じる、信じないみたいな話。

横田委員: 今、民発行の話で議論していますけれども、これは、多分、官民両方同じ話で、日本はこういう仕組みを構築したことを相互に承認してもらうという未来まで長期的に見ておかないといけなくて、少なくとも、日本に来た外国人が使いやすいとか、あるいは、外国に住んでいる日本人が、日本で取得したものを海外で使う場合どうなるかみたいな議論も、DIWアドバイザリーボードの議論のほうではしていたはず。今回、短期的な話ということなので、あまり言っても仕方がないかなと思っていたのですけれども、いま一度、その辺の話は意識しておいたほうがよいと思います。ただ、短期的にそこまで議論するかは外そうということなので、多分、今回の報告書で外れると思うのだけれども、一般論として、日本の官庁は海外に対して日本のことを信用させるということに無頓着過ぎるので、それで個人情報保護法だって苦労したわけですから、それを我々は意識しておく必要があると思います。

國領座長: 今回の報告書も、中長期というか、それは意識しなくては駄目よというのは書けるというか、書いておいたほうがよい。

横田委員: はい。そこに入れてよい話だという気もしております。

デジタル庁(楠): そこはぜひ忌憚なくご議論いただいて、やるべきことはやっていくという話ではないかと思いますし、日本政府が必ずしもそういった海外とのインターオペラビリティーに無頓着であるわけではなくて、例えば、GPKIの日本政府認証局においてはWebTrustの認定を取るなど、外部の監査も含めてしっかりと入れているわけなので、必要とあればやっていくと。一方で、ご指摘のあったヨーロッパの枠組みというのは、もともとヨーロッパというのは地域であって、この地域の中に複数の国々があるところを、どうやってデジタルシングルマーケットにしていくか、という欧州固有の事情が非常にあります。それが本当に世界のルールなのか、欧州の地域事情に基づいた取組なのかというところは精緻にご議論いただいて、我が国とお付き合いがあるのはヨーロッパだけではなくて、アメリカやアジアも含めて多くの国々と接点があり、現時点でヨーロッパの中でさえDigital Identity Walletのインターオペラビリティーが実現していないというような状況もある中で、地に足のついたご議論をいただければ、それをしっかりと受け止めていければと思います。

國領座長: この辺は、欧州の考え方を入れるかどうかというような言い方ではなく、やはり国際的な環境の中でインターオペラビリティーを図っていかなければいけないと。

デジタル庁(楠): 現状見えているのが、国境管理と運転免許証の国際的な枠組みに関して、これは国連なりICAOでしっかりと仕組みがあり、ここは我が国も当然入っていると。では、それ以外でクロスボーダーのユースケースがどういうものがあるかということで、日・EUのデジタルパートナーシップにおいては、いわゆる学修歴の問題に取り組んでいるのですけれども、なかなかその具体的なユースケースを見ていくのが難しいですし、それを国際的にどう担保していくかというのも、各論でしっかりと詰めていく必要があるテーマであるのかなと思います。

國領座長: それをきちんとアジェンダの上に載せるということで、とりあえず。ありがとうございます。これで、論点2についても大体皆さんにご発言いただいたかなと。民から官についても大丈夫ですか。分かりました。そうすると、ここまでの議論を中間的にまとめると、官から民については、独立系Walletみたいなものを想定したときに、何を要件として考えたほうが良いか、やりたい理由というので選択的開示みたいなものを独立系Walletから実現するということを考えたいので、少しスピード感を持って考えていきたいのだということだったかなと。民から官については、個人の事業者みたいな方も含め、非常に多様なプレイヤーがいろいろな種類のものを出してくる中で、プロトコルレベルでの標準化もそうだし、セマンティックなところでの標準化もどう考えていくのか、それから、多くのプレイヤーが関わってくるようになったときのトラストチェーンみたいなものをどうやって確立していくのか、この辺のことができないと、これは全体両方に関わる話だったかと思うのですけれども、コストが爆発して結局使い物にならないような状態になる。そうならないようにしたいし、現実的に誰がどう負担していくのかといった点もモデル化していかないと駄目ではないか。それから、もう1つは、最後に出てきた論点で、最終的にこの話はボーダーを越える話になってくるので、そこら辺をちゃんと念頭に入れたものをやっていかなくてはいけない。いずれにしても、代理権みたいな問題が、もう結構喫緊の課題として出てきてしまっているので、この話はあまり悠長にやっていられない、今回は急ぎ過ぎてかえって遅れたところがあるので、急げというばかりではないけれども、スピード感を持ってやらないと、現実に動かない話が出てきてしまうよという危機感を本体会議として共有して書かせていただきたいというような感じかなと。こんな感じのまとめで良いかどうかも含め、ここから先、来年以降のアジェンダとしてどのように考えれば良いかというようなことについて、皆さんから自由な議論をいただきたい。もう次へ行ってしまって良いですか。行ってしまって良いですね。

デジタル庁(澤田): それでは最後に、その他、今まで出たご意見や次年度以降の取組について、少し事務局から紹介させていただきます。まず、先ほどは短期的な取組事項とお願いいたしましたが、当然、中長期的な取組も検討していく必要がある中で、P27の左の表は、これまでのページで挙げた取組案の再掲であります。また、今年度の各回の会議で取り上げた論点以外にも、委員から様々論点をご提示いただいておりまして、右に主要な論点を記載しております。例えば、先ほども既にご議論が上がりました国際相互運用性をどう担保するのかであったり、カード代替電磁的記録、マイナンバーカードのスマートフォン搭載との関係を整理することであったり、あるいは、派生したVCに関する論点、こういったことは次年度以降、継続的に議論をしていく予定であります。その中で、デジタル庁が次年度以降取り組む事項としては、現在3つ検討しております。1つ目が、今年度の議論からの継続で、リスク対策や、行政ユースケースのVC、Walletに求める要件、ここの具体化・文書化をしていくこと。それとともに、その実証をどう関係者に働きかけていくのか。これがまず1つ目であります。2つ目が、個別のユースケースを実際のプレイヤーを巻き込んで、業務や機能要件の具体化、仕様検討を進めていく。当然、相互運用性も踏まえながらですが、まさに実際に作ってみるというところをやってみる。これが2つ目であります。さらに3つ目に、先ほども申し上げたとおり、今年度取り上げることができなかった、議論し切れなかったトピックなど、ここについてのそれぞれの議論を進めていく。このような形で現状考えているところであります。事務局からの紹介の内容は以上となりますが、今回、年度末の会ということで、ここの中長期的な取組や、次年度以降のデジタル庁の取組予定も踏まえて、今後の取組の進展及びその中での行政の役割の期待などについて、お1人2分程度でマイク回しをしながらご発言いただきたいと考えております。最初に欠席の瀧委員より頂戴しておりますご意見を代読させていただきます。「『中長期的な検討事項』の事務局案は妥当と考えております。次年度及びその先の取組に向けて、行政への期待については、全体感として、本日の2つの取組を含めてアーリーウィンを意識することが非常に重要と考えております。また、アーリーウィンを意識するあまり技術的負債を生まないために、先立って展開されている検討事項リストの網羅性によって、現時点で可能な努力をされているものと理解しております。リストの網羅性は、本検討に限らず、今後参考にされるドキュメントになるのではと考えております。」以上であります。それでは、順番にマイク回しをさせていただければと思います。そのまま席順で大丈夫かと思いますので、2分程度で笠井委員からお願いできればと思います。よろしくお願いします。

笠井委員: 私は、比較的利用者側というか、Verifier側の意見ですけれども、どうしても消費者の方とか本人が、こういう今まであるやり方があったとしても、何かを変えると抵抗しますので、しっかり法制度なり、どのようにあるべきかというのは、デジタル庁だけでなくもうちょっと大きい傘の下で、所管省庁をちゃんと含めながら、場合によっては所管省庁側が課題となっていることをしっかり彼らが出す。例えば、先ほどの住民票の写しVCは、先ほど言いましたように、どう利用されているか分からないので、逆に金融機関とかそちらのほうの調査も必要みたいになると。これは個別最適では全然できなくて、政府全体として考えないと結構失敗するリスクがあるなと思っています。横田先生からもありましたとおり、やはりグランドデザインを先にしっかり定めて、あとは国民理解、事業者理解を得るためにも、成功事例をつくるとか頻度が高いもので理解を得るとか、そういうところが必要かなと思います。正直、就労証明書の頻度がどれぐらいなのかなとか、本当にどこからやるべきなのかというのは、その後の運命を結構分けられるのかなと思いますので、VCはいいよね、こういうことで使えるよねというのが、OSのマイナンバーカードももちろんですけれども、含めまして、しっかり国民の皆さんが受け入れてもらえる、そのWalletに入れてもらえるように、最後はそこなので、それがちゃんと使える仕組みが回るようなところかなと思います。どうしても、こういうところだと発行の議論になってしまうのですけれども、利用全体を含めた議論をこれからも期待します。

﨑村委員: ここに挙げていただいていることはどれも非常に重要なのですけれども、この中で取り上げるとすると、やはり委任、デリゲーションの話がどれに入っているのかなというのがあって、そこはすごく重要なのではないかなと思うのです。これは、年齢確認の先ほどの話もそうですし、あと、法人のときもそうですし、あと、AIエージェントもそうですし、今ホットなところはほとんどこのデリゲーションに関わっているので、そこをちゃんと、ぜひ入れていただきたいなというのがあります。あと、派生VCにおける留意点とあるのですけれども、これは多分、フォーマット変換とか、あるいは、原発行者が対応しないから、紙しかないので代わりに発行するというのは多分出てくると思うのです。そうすると、そういう公証人型というのですかね、その発行というのはあり得ると思うので、そういったことも考えると派生VCは必須になると思うので、そのときのあるべき姿のようなことを整理するというのは、普及の上でも、原発行者が対応しない限り、永遠にそれは発行されませんということになると、全く普及しなくなると思うので、重要かなと思います。あとは、できれば、みんな走っているところなので、民間を萎縮させないような形にしていただければと思います。以上3点です。

中村委員: 中村です。技術ワーキンググループの中でもいろいろ検討して、その中でもVC発行プラットフォームという話題も出てきたり、この27ページの一番下にも、「署名つきPDFとの棲み分け」みたいなことを書いていただいておりますけれども、そういうところも、そもそも何が問題なのかとか、そういうところをもうちょっとしっかり技術的な観点で整理した上で、だから我々はVCを今検討して、将来、VCをちゃんと使えるようにする必要があるのだという理論だった説明というのを最初にみんなで共有して、検討が進められると良いかなと思いました。あと、学術という立ち位置からいくと、大学でもVCの活用というのをそろそろ本気で考えないといけなくなってきている状況で、身分証というのもありますし、マイクロクレデンシャルというのもあります。マイクロクレデンシャルの議論も昔からずっとされているのですけれども、ここでの議論と同じように、やはり発行する立場で、こんなのが発行できますよというような話をして終わっているみたいなことが多くて、それをいかに、全体のエコシステムの中で、みんながそれを使って、例えば試験の免除ができますとか、いろいろ、発行を受けた側としてもメリットがあるようなところも含めて、どういうような使い道ができるとみんながハッピーになるのかというのが考えられると良いなということで、そういう意味では、議論として非常に近い話題でもあろうかと思いますので、そういったところも一緒に踏まえながら議論が進められると良いかなと思いました。以上です。

富士榮委員: 27ページに書いてある論点、意見というのは、どれも重要な取組だなと思っています。私が思うのは、消費者がどう混乱せずに利用できるかという話に加えて、民間が入ってくるということを考えると、民間事業者が混乱しないようなつくり方というのを恐らくしなくてはいけないと思います。そのためには、今、デジタル庁が考えていることとか行政が考えていることというのを、正しくメッセージを伝えていくということが恐らく必要になるだろうなと思います。例えば、先ほどからマイナンバーカードのスマートフォン搭載の話をしましたけれども、一方で、デジタル庁はデジタル認証アプリも出していて、これはOpenID Connectでつないでいるわけですよね。そして、今回、その他のVCのWalletの話をし始めるわけです。利用者や民間事業者からすると、何か同じようなことを違う名前で複数走っているよねと見えてしまうことによって、何を結局したら良いのか、話が分かりにくくなっているのではないかなと思います。これが、派生Wallet、派生VCみたいな話というのは去年から話をしていますけれども、派生マイナみたいなものが生まれてくることは問題だよねという話が、結構、去年も議論になりましたけれども、分かりにくいからそういうものをつくって、抽象化をしてサービスとして成り立たせてしまうのではないかというところにつながっているというのは事実だと思うのです。これは、みんなにとってそんなに幸せなことではないと思うので、消費者保護の観点からいっても、こういうところについては、正しいメッセージを正しく出していくというのを重要視して活動していただくと良いのかなと思います。同じように、相互運用性の話も重要だと思っていて、国際相互運用ということを考えていくと、どうしても国際で使うクレデンシャルとローカルで使うクレデンシャルというものが分かれてくる、用途ごとに分離されてくるというのは想定されるのですけれども、これも、下のほうの議論にありますが、複数のクレデンシャルを同時に提示するということを同時に考えないといけないわけです。そうなったときに、国際で提示するクレデンシャルと、ローカルでしか使わないクレデンシャルというのを、同じWalletから同時にするということを考えると、Walletをつくる人たちというのは、2つの標準をサポートしなければならないのかみたいな話になってくると、それはそれでまた不幸な話になってくると。なので、国際は国際でどこと、という話も含めてかなり難しい。どうしても最小公倍数みたいな話になってくると思うので難しい論点だとは思うのですけれども、あまりにもローカルなものというものと乖離をしないようなつくり方というのをしていかないといけないかなと思うので、この辺は、今回も論点の中にたくさん出てきましたけれども、要件の整理並びに技術の調査、それをどう実装するかという方針出し、こういうところにつなげていっていただくというのは非常に期待しているところでございます。以上です。

松本委員: 今日の議論にあった話よりも外縁、外側の話ですけれども、そういうことに興味を持ったのは2000年過ぎぐらいで、電子署名法ができた時代なのですけれども、当時、私、今もそうなのだけれども世間知らずで、紙文書を前提とした既存のビジネスモデルであるとか、そういったところのギャップが最初は理解できなかった。電子署名ができると、こんなことできる、あんなことできるといろいろ考えたのだけれども、それは、既存のビジネスモデルとは全く合わないというかギャップがあるというか。特に、その後感じたのは、署名はできるようになったのだけれども、署名対象の標準化は全く何も進まなかった。それも含めて、当時からそうなのだけれども、人の目視が前提の社会になっているので、そこがブレークできないというのがずっとあって、今回のDIW・VCは、そこをブレークする1つのトリガーになる可能性が高いと考えていまして、そうなのだけれども、私からするとDIWもVCも1つの手段でしかなくて、ほかの手段も含めて、目視ではなくていいところは目視ではなく自動化しなくてはいけない、そこにトラストチェーンがなくてはいけないとか、そういう社会を目指さなくてはいけないかなと思っていて、そういうTo-Be感は、何らかの形で共有したほうがいいのではないかなと思うのです。その上で、まずやってみるというのは良いのではないかと思うのです。複雑系なので、やらないと分からないことが多いので。デジタル庁は実行力もあるので、そこには期待する。なのだけれども、一方で、To-BeはTo-Beで、先ほどの国際相互運用性も含めて、やはり念頭に置いて、そこの次のフェーズの阻害にならないことも念頭に置いてやるというのが、今の現実ではないかなと思っています。以上です。

横田委員: 基本的に私も今の皆さんの意見に賛成で、特に今回のブレークスルーが何なのかということが中長期的には重要で、技術は変わるかもしれないのだけれども、変えたいのは、多分行政の現在のやり方を見直していくための技術的な積上げをしたいのだというのが、多分、このプロジェクトの非常に大きなところだと思います。それが目視であったり、アナログとデジタルが断絶してしまっている現状であるとか、そういうのを変えたいのだというのを、きちんと打ち出した上で、でも、それを変えるためには、下からのユースケースの積上げも必要なのだというのが基本的なポリシーなのだと思います。ただ、アジャイルにやっていくときに気をつけなくてはいけないのが、乗ってくれた人たちのはしごを外すようなことがあってはいけない。何を想定しているかというと、先進自治体が取り組んだときに、後から国が割っていってそのやり方を駄目にしてしまった例とかがありますから、そういうことの意味での、政策全体に対するトラストの確保も同時に図っていただきたいと。つまり、小さく始めて大きく育てるというのは、聞こえは良いのですけれども、枝葉を切るときに、その切られた枝葉にベットした人たちが損をするような仕組みになってしまうと誰も乗ってこないということが起きてしまうので、それは、あらゆるセクターにおける民間事業者もそうなのですが、自治体とか、あるいは国の中のアクターも同じでして、自分がやったことが結局つながらなかったと思う人が増えてしまうと難しいと。なので、そういう、どこがサンドボックスでどこが実装なのかという話や、アクターごとにそういう利益構造が違うので、そういうことも気をつけながら進めていただけるといいかなと思います。あとは、いかに行政側に乗り気にさせるかという観点も非常に重要で、似たような仕組みが走って、どれをやっていいか分からないのは、行政の中の人たちも多分同じなので、デジタルに詳しくない人たちが、皆さんを楽にするためですということにちゃんと乗れるような仕組みを考えていくというのが非常に重要ですし、実際に、自治体レベルでは、結構その辺でコミュニケーションできていることが、国のレベルではできていないというのを、この5年、強く感じているところがあるので、その辺をうまくできるといいかなと思っています。以上です。

板倉委員: 私は、最初に発言させていただいたことの繰り返しになりますが、想像以上に住民票の写しの一部、特に、法定代理関係を出すということが、割と真面目に事業者はちゃんと確認してしまいそうなので、そこを1つ、要するに、個人情報保護法の施行のタイミングを締切りだと思って進めていただくのかなと思いました。就労証明書のほうは、途中で、そこまでのニーズがあるのかというのはありましたが、あちらはやっていただくということで、離職票とかにも応用できますし、それはやっていただくとして、とにかく親子関係というか、法定代理を出せとなったときに、紙の住民票の写しのコピーや戸籍のコピーが出回るようになったら敗北だと思って進めていただく。もちろん、それは、そこまでやらなくていいというのが私の意見であって、大体のサービスは、子供のほうに、親が良いと言っています、のチェックボックスで良いと思っていますが、個人情報保護法の改正の解説を頼まれてやってみると、どうもそれでは心配だという事業者が多そうなので、非常に簡易なシステムで親子関係だけを証明するというのは、かなり喫緊の課題で、とにかく我々は、戸籍のコピーが出回るようになったら負けだという意識でやらないといけないと思います。それは最悪の事態でありまして、オーストラリアは年齢制限を入れたというのは先ほど言いましたが、そこでは年齢だけをチェックすべきであって、そもそも公的個人認証すら使うなというのが基本方針で彼らはやっています。余計な情報は取らないほうが良いというのは当たり前の話です。戸籍が出回るようになるのは本当に敗北ですので、そうならないように進めていただければ、もちろんお手伝いをしますが、進めていきましょうというところであります。以上です。

若江委員: ありがとうございます。消費者としては、この制度に非常に期待をしているところがあると思っていまして、子どものSNS利用の際の法定代理人の同意取得などをする際に完璧な認証を求めて不必要な情報を提供させることになるのは望ましくないとは思っているのですけれども、その意味で、年齢の選択的開示というのがSNSでできるようになったら、本当に利用者が求めるものを提供することになり、ブーストとなって普及するのではないかなと思っています。消費者として期待するのは、DIWの分散型で非媒介性という性質です。前回の技術ワーキンググループの発行プラットフォームみたいな議論とか、なくなったのだとは思うのですけれども、分散型である、非媒介性を重視するというところを忘れずに進めていってもらいたいなと思います。あと、消費者としては、選択ができるということはすごく重要なので、そういう意味では、将来的にはエコシステム、どのようにビジネスにしていくのかという観点は、結構重要だなと思っています。AppleやGoogleは、無料でやっても自分たちのサービスを引き込むということでうまく回ると思いますけれども、独立系が生き残っていくためには、どういうビジネスモデルがあるのかということは考えていかなくてはいけないなと思っているのです。実は今も、本人確認で高いコストをかけてやっているものはあるのではないのかなと思うのです。マネロンの銀行の確認とか。そういうのも、もちろん国際的な話なので、日本だけで勝手に法律のルールを変えるということはできないかもしれないのですけれども、今、本人確認コストがかかっているようなところでこの仕組みを導入していくことができたら良いみたいな、そういうところも考えて長期的にビジネスモデルを探していくというのが良いのかなと思っています。独立系を支えていくのだと。その選択をちゃんとできるようにしていくのだということを考えると、Wallet事業者とかOS事業者に対する一定の法律のルールみたいなものも重要になってくると思うので、中長期的にはそういうのを考えていってもらいたいなと思います。以上です。

國領座長: そういうことで、この話は、ある程度の切迫感を持ってちゃんと進めないと、デジタル化が進んでいかないし、利用者を介した手続みたいな、この世界はやはり考えていかないと駄目だし、関連して、これを支えてくれそうな事業者、先ほど横田さんがおっしゃってくださった、いろいろな事業者がいろいろ考えてくれるようなところの不確実性をきちんと取り除いていって、こういう方向でこの話を進めていこうということについて、かなり早期に明確な方針を打ち出していきながら、実証実験などはやっている暇はないでしょうという意見も分からないではないけれども、多分、行政はそういうことにはならないのです。ならないのですが、ある程度の手順はきちんと踏みながら、意見集約はきちんとしていきながら、でも速やかに動いていくというようなことが大事なのではないか。その中で、本当は27ページにお示しいただいたような、技術検討部会で本当にいろいろ論点を出していただいて、それぞれすごく重要なのですけれども、今のところ、まだ洗濯物リストになっているのを、全体の中でやはりきちんと位置づけていくというような作業を、来年度どういう体制でおやりになるのか分からないですが、切迫感を持ってきちんとまとめて進めていただけるようにするといいのではないかなという、そんなトーンで報告書の原案をおまとめいただけるのだと思うので、それはお示しできるのですよね。このリアルでの会議というのがこれで最後になってしまうのですけれども、それをまた委員の皆さんにもんでいただいて、ちょっと乱暴ですけれども、信じて預けていただけますかと。今までいろいろな座長引取りをやったけれども、これはその中でも一番すごいレベルに近い座長預かりなのですが、でも、この年度でそのアウトプットを出していくというのは、ある程度、来年度につなげていくために重要だと思うので、もちろん原案をお見せして、いろいろ議論いただくようなこともあるし、場合によっては、私からここの部分、意見を特に聞かせてというようなことを申し上げるかもしれませんけれども、その辺、お力添えをいただきながら、何とか年度内着陸をやらせていただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか。<異議なし>ありがとうございます。では、ここから事務局からの話と、それから楠統括官にお話しいただくのとで終わろうと思うのですが、まず事務局、どうぞ。お返しします。

デジタル庁(北井上): ありがとうございます。ただいまご指摘いただきました報告書でございますけれども、報告書については、本日の議論の結果もしっかりと反映させた上でつくっていきたいと思っております。現時点でまだ事務局にて案を作成中というステータスでございます。一応、今のところこのような形での目次ということで考えておりまして、会議の背景、目的、具体的な議論の結果と最後のまとめという、大きくはこういった構成でつくっていきたいと思っております。本日いただいたご意見などは、主にこの2番目のところに基本的に中心として入っていくということになるかなと認識をしてございます。いずれにせよ、しっかりとした報告書といった形で事務局にて準備をいたしまして、3月の第2週頃には委員の皆様に送付できるようにということで取り組ませていただきますので、その際、書面でご確認及びご指摘をいただければと考えております。そこでいただいたご指摘というのは真摯に受け止め、反映をした上で、最後は、今、委員の皆様にお決めいただいたとおり、座長一任ということを伺っておりますので、そのとおりにさせていただければと認識してございますので、よろしくお願いいたします。報告書については以上でございます。また、報告書に限らず、閉会に先立ちということでの事務局からの事務連絡を続けてさせていただきますけれども、本有識者会議は、今年度は本日が最終回ということになってございます。次年度につきましては、決まり次第お伝えできればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。また、本日の議事録につきましては、後日、委員の皆様にご確認いただいた後、デジタル庁のウェブサイトにて公表させていただく予定となっております。当然、報告書につきましても、最後、セットされましたら、デジタル庁のウェブサイトにて公表させていただければと思っておりますので、会議の後もいろいろとご確認等いただくということになりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。それでは最後に、閉会に当たりまして、事務局を代表してデジタル庁デジタル社会共通機能グループ長の楠より一言ご挨拶申し上げます。

デジタル庁(楠): 本当に皆様、自由闊達にご議論いただきまして、ありがとうございました。今年度、大変駆け足ではございましたけれども、当初、リスク対策の手法であったり、また、実現に向けて取り組むべき事項をはじめとして、実際にVC・DIW等の利活用を進めていく上でも多くのご示唆をいただいたと考えております。デジタル庁も5年目も後半ぐらいに入ってまいりまして、Walletに関しての検討というのもかれこれ4年近く形を変えて行ってきたところでございます。日本が政府として最初にVCを発行したのは、2021年のワクチン接種証明書だったと思うのですけれども、そのときは結構軽く考えていて、えいやで1年もかけずに証明書を出せたので、もう今頃、世の中ではあちこちでWalletが使われていて、標準化されて、国際的なインターオペラビリティーがあるぐらい、2026年ですからね、もう5年もあればそれぐらいできていたのではないかというような期待もありました。一方で、ただ、これは別に、結構困っているのは我々だけではなくて、デジタル庁ができてから、本当に専門家に、ISOの委員会をはじめ、いろいろ有識者に話を聞くだけではなくて、生の情報を大分昔よりは取りに行くようになったと思うのですけれども、結構世界中で困っているのかなと思います。多分、ヨーロッパのラージスケールパイロットよりは、マイナンバーカードのスマートフォン搭載のほうが、はるかにラージスケールに実際に運用しているところですし、アメリカも、州レベルではいろいろな運転免許証の取組とかがありますけれども、国レベルでできているかというと、結構世界中、やはり同じように苦しんでいるのかなと思います。似たように、ここ数年、難産だったものに「行政手続等での本人確認におけるデジタルアイデンティティの取扱いに関するガイドライン」もありましたけれども、こちらも、今年度というか昨年というか、おかげさまで我々もリリースをしましたし、その直前にNIST SP 800-63もずっとパブリックドラフトだったものが正式版になった。そもそも難しいことをやっているというような自覚もある中で、本当に少ない回数での開催になってしまって大変申し訳なかったと思っております。次年度以降、行政ユースケースに求められる要件の具体化や、個別ユースケースの実現に向けた推進を始め、デジタル庁として短期的に取り組むべきことから着手をしてまいりたいと考えております。実証実験をやっている場合ではないというご意見もいただきつつ、とはいえ、役所だから実証実験はやるのでしょう。ただ、民事訴訟法は割とよくできた法律で、官がVCを発行するのは意外とシンプルに、現行のルールの中でもできるのではないかと思うので、実証実験といって逃げるのではなくて、ちゃんとできることから本番としてやっていくということを真面目に考えていかなくてはいけないのかなと思います。今、デジタル監が三角さんになって、大変セキュリティーやトラストにもご関心が深い中で、とりあえず手を動かして試してみることが大事で、議論ばかりやっていないでちゃんと手を動かせと発破をかけられているところでもありますので、ちゃんとしたことを素早くやりながら、走りながら考えていくということができれば理想的ではないかと。さておき、こうした内容につきまして、後日、公開予定の取りまとめ資料にも今日のご意見をしっかりと反映させていただきたいと考えておりますので、引き続き委員の皆様には最後までご助力を賜れればと考えております。本当にありがとうございました。

デジタル庁(北井上): それでは、以上をもちまして「属性証明の課題整理に関する有識者会議」を閉会いたします。ありがとうございました。

以上