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第11回デジタル社会構想会議

概要

  • 日時:令和7年(2025年)12月4日(木)8時00分から9時30分まで​
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. 次期「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の策定に向けて
    3. 閉会

会議動画

会議の様子はYouTube(デジタル庁公式チャンネル)にて公開しています。

資料

議事録

事務局: それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第11回「デジタル社会構想会議」を開催いたします。

本日の会議は、運営要領に基づき、村井座長ともご相談の上、一般の皆様、報道関係の皆様に公開する形で開催することとしておりますので、Teamsライブイベントを通じてライブ中継をいたします。

本日は、8名の構成員にご出席いただいています。

なお、池田構成員、上野山構成員、越塚構成員、三木谷構成員、村岡構成員はご欠席と伺っております。

また、デジタル庁からは、松本大臣、今枝副大臣、川崎大臣政務官が出席いたします。

資料につきましては、会議後にデジタル庁ウェブサイトに掲載させていただきます。なお、一部の資料につきましては投映のみとさせていただきます。

それでは、村井座長、よろしくお願いいたします。

村井座長: 皆さん、おはようございます。座長を仰せつかっている村井でございます。よろしくお願いいたします。

本日の会議、構成員の皆様にはお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。本日は、次期「デジタル社会の実現に向けた重点計画」ということで、来年に向けた、5年間たったデジタル庁の活動の中で、5年先を見据えた取りまとめをしていくという方向で、そのベースとなる議論を構成員の方にしていただきたいと思います。いろいろな幅広い視点、皆さんの思っていること、それから、ご提案ということをお話しいただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

議事に先立ちまして、まず、松本デジタル大臣よりご挨拶をいただきます。大臣、よろしくお願いいたします。

松本大臣: 皆さん、おはようございます。

10月にデジタル大臣を拝命いたしました松本でございます。

本日はご多忙の折、第11回デジタル社会構想会議にご参加いただき、誠にありがとうございます。村井座長にも座長の労をお取りいただきまして感謝申し上げます。

今、座長からもお話がありましたように、デジタル庁は現在5年目を迎えております。これまでに、マイナンバーカードの普及とか、あるいは政府のアナログ規制の大幅な点検・見直し、GビズID、電子カルテの標準化、災害派遣デジタル支援チームの創設、DFFTの具体化に向けた取組、生成AIの活用等々に取り組んでまいりました。

今後5年間、次の5年後である2030年を見据えて、より一層社会のデジタル化を進めてまいりたいと思いますけれども、今、就任以来いろいろとこの仕事の中身をお話しいただいているのですけれども、まだまだ進んでないなというのが正直な実感でございます。そういった前提で、今後の構想について、ぜひ皆さんにご議論いただきたいと思います。

1点だけ確認しておきたいというか、ぜひ私からのお願いなのですけれども、こうやって毎年重点計画の題目を改定している作業をやっているのですけれども、何ができていて何が遅れているかということを、いま一度明確にしながら議論を進めていただきたいと思うのが1点。それから、遅れている部分を前に進めるための具体案を、ぜひ議論していただきたいと思います。

何かお題目だけが毎年変わっているようなことをやっていてもよくないと思いますし、ついついそういうことになりがちだと、私も今までいろいろな会議に出てきましたけれども、そういう傾向も時々感じることがございますので、今回の改定がDXの変曲点になるということを期待していきたいと思います。

私からは以上です。よろしくお願い申し上げます。

村井座長: ありがとうございました。

それでは、引き続きまして、今年の11月に三角育生さんが新たにデジタル監に就任されましたので、ご挨拶をいただいてよろしいでしょうか。

三角デジタル監: 先月、デジタル監に着任しました三角と申します。よろしくお願いします。

着任以来、いろいろな地方の知人と話すと、デジタル庁はどのようなことをやっているのか、デジタル政策とは何か問われ、うまく伝わっていないところをすごく感じます。そこで、こういった重点を考えながら、しっかりと哲学とかナラティブとか、政策の柱を骨太にするとか、そういうことをして、しっかりとした案をつくっていきたいなと思いますので、ぜひともいろいろご協力いただければと思います。よろしくお願いいたします。

村井座長: ありがとうございました。

それでは、早速議事に入りたいと思います。

先ほど申し上げましたが、本日の、次期「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の策定に向けての委員の皆様からのご意見やご提案ということですけれども、今、大臣からお話がありましたように、具体的な課題だけではなくて、具体的なアクション、あるいはそのソリューション、そういった提案も含めた議論をしてほしいということをいただきましたので、ぜひ委員の皆さんには、そういったことを念頭に議論をしていただきたいと思います。

まず、事務局からの資料と、それから、欠席の構成員の方から意見書をいただいておりますので、併せて紹介をお願いします。

事務局: ありがとうございます。

事務局より、資料を順にご説明いたします。

資料1は、本日の会議における議論のために事務局で用意した資料となります。

左側には、令和7年度重点計画にも記載した、我が国が直面する大きな課題を。その隣には、それらに対応する社会課題のうち、デジタルで解決すべきもの、または、デジタルの活用に当たって解決すべきものの例を示しております。

例えば、人口減少や労働力不足への対応として、AIを活用した政府機能の強化、医療など地域の生活を支えるサービスの維持などが重要なテーマであると考えられます。

また、デジタル競争力の向上、災害対応、サイバーセキュリティの確保、さらには、デジタル人材の育成やデジタルリテラシーの向上についても必要があろうかと存じます。

本日は、ここに掲載している社会課題について、どのような解決策が考えられるか。また、ここには掲載していないが、解決すべき社会課題があれば、それはどのようなものか。政府としてどのように取り組むべきかについて、忌憚のないご意見を賜りたいと存じます。

続きまして、本日ご出席がかなわなかった構成員のうち、3名から事前にご意見を資料としてご提出いただいておりますので、当方から要点をご紹介させていただきます。

まず、資料2で、宮崎県都城市の池田市長より5点意見をいただいております。

1点目に、デジタル人材が不足する現状を踏まえた柔軟な採用・育成制度の導入。

2点目に、ガバメントクラウドの運用経費について、国主体での料金低減、為替リスク対応及び十分な財政措置。

3点目に、基礎自治体への照会や統計事務の増大に対する公共サービスメッシュ等を活用した効率化。

4点目に、全国一律給付を行う際の公金受取口座の活用、受領意思確認の不要化を含む国による一元的な給付制度の設計。

5点目に、「マイナンバーカード対面確認アプリ」の実装において、自治体窓口で混乱が生じた事例を踏まえ、デジタル庁による関係省庁との事前調整を含めたサービス全体のデザインの必要性。

以上、5点に関するご意見でございます。

次に、資料3をご覧ください。

こちらは、三木谷構成員からご提出された資料となります。大きく2点のご意見を頂戴しております。

1点目は、スマートフォンでのイノベーション創出についてでございます。

12月18日に全面施行される「スマートフォンソフトウェア競争促進法」について、アプリ外決済の柔軟な構築や、第三者提供の音声/メッセージングアプリへのOS機能開放など、具体的な問題解決を目指した運用を求める内容となっております。

2点目は、AIの利用強化についてとなります。

現在、AIの利用においては、日本は、米国を100とした場合、20程度と大きく後れを取っており、生成AIからAIエージェントへと急速に進化する中、スピード感を持った政策展開が必要とのご指摘でございます。

具体的には、AIエージェントを前提とした制度設計や、ソブリンAI確立に向けた支援、政府保有の日本語データの民間開放などを求めておられます。

続いて、資料4をご覧ください。

山口県、村岡知事より大きく2点、ご意見を頂戴しております。

1点目に、生成AIの利活用につきまして、自治体においても、比較的リスクの低い業務での活用は進む一方、専門人材不足や情報漏えいへの懸念が課題となっており、国による人材育成、財政支援、国産LLM開発等の基盤への投資加速が必要であるという点。

また、差別の助長や犯罪リスク等のリスク対策と、サイバーセキュリティ強化の必要性を指摘されております。

2点目に、自治体システムの標準化につきまして、移行期限内までに完了しないシステムの残存や、運用経費の大幅増加が懸念されており、DXによる行政改革として重要な取組であるため、短期・中長期の対策実施と、特に運用経費への十分な財政措置を求めるご意見でございます。

以上、事務局からの資料説明となります。村井先生にお返しいたします。

村井座長: ありがとうございました。

それでは、構成員の方からご意見を賜りたいと思いますので、取りあえず、あいうえお順ということで。

皆さん、参加されていますでしょうか。ありがとうございます。それでは、伊藤構成員からご発言いただけますでしょうか。

伊藤構成員: 私も、特にこれというポイントはないのですけれども、一番大きいレイヤーで、特に人材育成のところで言うと、ちょうど村井先生と昨日もやりましたが、AIの波が来ていて、まだどのぐらい、どんなインパクトがあるかというのが分からないと思うのです。とても変わりそうな感じがしながら、意外にみんな使っていてまだ役に立っていないという、結構割れていると思うのです。

うちも大学でプログラムをいろいろ教えているのですけれども、その教え方、教える内容、それと、職場の変革に合わせたどういう人材を育成していくかという、多分すごく重要な課題で、これは、教育現場もそうなのですけれども、働く現場もそうで、特に、よく若宮さんもおっしゃっているアクセシビリティが低いところにすごく貢献もあるかと思いますが、ただ、どういうシナリオが起きるかという幅が広いので、今すぐ決めることはできないけれども何かやらなくてはいけないという、とても対応しづらい状況に今あるということを認識しながらやっていかなくてはいけないと考えます。

アメリカはかなり過剰に投資して、それがバブルだったという話も出てきているので、ただ単にお金をかければいいという問題ではないので、だから、ここはかなりアクティブに議論しながら、いろいろシナリオがプレイアウトする中で、我々が決めた計画を機敏に変えていかなくてはならないかもしれないというので、だから、いつものゆっくりしたパターンでは難しいのではないかなということだけです。ありがとうございます。

村井座長: ありがとうございます。

AIはこの2~3年で物すごい勢いで普及しており、業務システムの背景には相当AIがもう入り込んでいるということで、だんだん気がつかない中でも使っている状態ではありますけれども、それだけにいろいろなリスク、精度の向上という課題もあると思うのです。この問題をどうするかというのは考えなくてはいけないということだと思います。

では、岩﨑先生、お願いします。

岩﨑構成員: 岩﨑です。

ご説明、どうもありがとうございました。

まず、2025年に設立5年目を迎えたデジタル庁のこれまでの実績を鑑みますと、この成果というのは非常に大きいと拝察しています。

これまで、早稲田大電子政府・自治体研究所が20年にわたって分析してまいりました世界のデジタル政府ランキングの潮流から見ますと、今年、日本は、世界のデジタル先進国66か国中、昨年11位から9位にランクアップしています。また、世界のデジタル政府は、AI、そして、データの重視型政府にシフトする可能性が見られますし、AI開発競争が本格化していて、行政サービスの質とか、あるいは業務の効率化には貢献するものの、社会変革を牽引するまでの成果というのはまだ不十分な状況かなと思っております。今後もAI活用の政府機能の維持強化というのは重要だと思いますので、まず、海外に後塵を拝すことのないようにしっかりと進めたいと思います。

次期デジタル社会の実現に向けた今回の重点計画の策定案については、大きな異論はないのですけれども、政府が進める重点分野とのリンケージを強化して、成長投資分野のデジタルやグリーン、イノベーション分野を促進するような計画に期待したいと思っています。

今後、課題と重点計画の進め方についてですが、AIの活用とか、日本が得意とする量子開発、その他関連人材の育成では、まず、民間企業が一歩進んでいると思いますので、企業との官民連携で総合的に取り組んでいただくということが大事かと思っています。

中央政府と地方自治体、地方自治体間の格差の縮小を、広域範囲で対処していく必要や、実装面の標準化などにもまだ課題が見られると思います。特に、地方自治体では、成功事例を導入するということで、横展開して効果が見られたところも、数は多くないものの実績が出ていると思いますので、今後、サステナブルに地方自治体が、自立した経済を構築できる仕組みづくりにDXを活用していただきたいと思います。

デジタル政府の最大の使命は行財政改革だと思っていまして、日本版DOGEによる財政改善も進むだろうと思いますが、デジタル政府の確立により貢献できるものと考えています。

具体的には、省庁間の縦割りの構造、アナログ、紙ベースの分散処理によるデータ統合の困難さ、透明性と行政の信頼性の確保、そして、補助金といったような一過性のものではなくて、継続性というサステナビリティートランスフォーメーション(SX)につなげられるかどうかという課題もあるかと思っています。

海外では、エストニアやデンマーク、シンガポールなど、技術や法規制を推進してきたということで、行財政改革に即応できた国もありますので、2030年に世界最先端のデジタル政府をぜひ目指していただいて、国民目線のウェルビーイングを実感できるように、デジタル政府の構築に期待したいと思います。

以上です。

村井座長: ありがとうございます。

それでは、川邊さん、お願いします。

川邊構成員: 川邊です。おはようございます。

まず、この間のデジタル庁のやってきたことに関しては、先ほどの岩﨑先生と同じで、着実に成果が出てきているかなと評価をしています。実際、マイナンバーカードの普及及びマイナポータルの充実、利用している人、あるいは、前提となるサービス、対応しているサービスが増えてきていて、私も一住民として暮らしていく中で、役所まで行かないでできることが増えてきたなと実感をしております。なので、このことに関しては、本当に皆さんにお礼を申し上げたいと思います。

その上で、今後やることで言うと、「今後デジタルで解決すべき社会課題(例)」という資料は1枚でよくまとまっているので、これを粛々とやっていくということだと思いますけれども、特に、私としては「デジタル競争力向上の必要性」というところを今日強調したいなと思っております。

今から言うことは、デジタル庁の課題というか政府全体の課題だとは思いますけれども、いわゆるデジタル赤字というのがどんどん拡大していっていて、今後も拡大の一途をたどることになると思うのです。経産省の試算ですと、いわゆる、その隠れデジタル赤字みたいなものを含めると、2030年、2040年で45兆円ぐらいのデジタル赤字に日本は陥ってしまうのではないかと言われておりますので、やはり、国内でできるデジタルの基盤は国内で整えて、資金が海外に流出しないようにするというのは、かなり大事なことかなと、最近問題意識を高めております。内心は、国内プラットフォーマーである我々が、海外輸出力がないからこういうことになっているのだという反省も含めて問題意識を高めております。

その中で言いますと、やはりガバメントクラウド。今も結構ガバメントクラウドに移行しつつありまして、自治体の方とお話をする機会が増えましたけれども、より一層強力に推進していくべきですし、ガバメントクラウドの基盤があるからこそ、優秀なエンジニアが、そういう海外の企業に行かず国内の企業にとどまる効果もありますから、きっちりと推進していく必要があるかなと思っています。

もう一つが、国内における生成AI基盤モデルの開発力強化という項目です。

これは、GENIACの話ですけれども、いわゆるソブリンAIというものですが、当初、正直言って私はどうかなと思っていました。世界最先端の性能を持った生成AIの基盤というのは、アメリカの会社を中心として物すごい投資額ですごいものをつくっていっていますから、それに、いわゆる日本のものをつくっても何の意味があるのだと、正直、最初は思っていたのですけれども、今、AIの用途が大分分かってきている中で言うと、必ずしも世界最先端の生成AIの基盤を使わなくてもできるような定型的業務というものをAIに取って代わらせるというのはいっぱい起きているわけです。

例えばカスタマーサポートなどは非常に定型的な業務で、それを何もOpenAIとかGeminiだとか、世界最先端のAIを使ってやる必要も必ずしもないのだと思うのです。それよりかは、「2位じゃ駄目なのですか」という議論がかつてありましたけれども、2位でも3位でも、その性能のものでも国内でつくって、利用料が国内で環流していくというようなものを、生成AI基盤モデルの開発力強化を行うことによってやっていくというのは、デジタル赤字解消という観点ですごく重要だなと、最近、問題意識をアップデートしましたので、このあたりは、ぜひデジタル庁も音頭を取ってやっていっていただければと。

それによって、優秀な人材がこういった国内基盤の強化に使われていって、さらなるスキル増ということが起きるということも、これはさくらインターネットの田中社長などがよく言っていることですけれども、起きると思いますので、このあたりを行うことによって、最終的には、日本に住む人の行政サービスのデジタル化がさらによくなっていくという全体感だと思いますので、今日はこのあたりを強調させていただければと思います。

私からは以上となります。

村井座長: ありがとうございました。

ここはデジタル庁での会議だけれども、この国のデジタル化全般を見通した重点計画を考えていくので、最初に言っていただいたように、あまり気にしないで皆さんも発言していただいたほうがいいと思います。この国はどうするのかということは大事なテーマでございます。ありがとうございました。

それでは、谷口さん、お願いします。

谷口構成員: おはようございます。

今日の最初のお話にもあったように、これまでのデジタル庁のお取組は、着実に進んでいるという印象がありますし、掲げられていたいずれの社会課題も重要で、取組をもっと推進しなければいけないと思いました。今後ともデジタル庁が主導的に進めていくべきという印象をまず持ちました。

3点ほど感じましたのは、まず、参加している内閣府の地方分権の委員会の議論に関連することです。今日のお話にもありましたとおり、地方における行政のコストが増していく中で、分権化もさることながら、地方の仕事の省力化や効率化を進めたいという意向があります。国ができることは国が直接やってほしい、そこでデジタル化やシステム化を期待していると。住民が地方自治体の窓口に行って手続をするのではなく、国作成の一括したシステムで直接手続きができると良い。そういった要望があると思います。

その中で、どういうシステムがあれば地方の仕事を省力化できるか、具体的なシステム要求を出してもらったらどうかということを提案しました。その上で、国が構築できるものは進めていくことができれば良い。

今後も、地方自治体の厳しさは続くと予想されるので、デジタル化によって行政の支援ができればと思いました。これが1点です。

2点目は、前回の会議で若宮委員がおっしゃっていたように、社会のデジタル化を進めていくためには、課題解決だけでなく、楽しさを伴う、エンターテインメントを伴うという点が非常に重要だと気づかされました。

日本は、エンターテインメント全般にわたって国際的な競争力があると思います。先ほどご指摘もあったように、ともすれば海外のシステムやアプリケーションを利用することによって、その使用料が海外に取られていく。では、日本が、それに伍するような標準的な、あるいは汎用型のシステムやアプリケーションを普及させているかといえば、なかなか難しそうです。しかし、そういったものがなくても、エンターテインメント・コンテンツは強いなと。諸外国から利益を得るためにも、デジタルエンターテインメントの分野の発展を促すような支援の在り方も進めていけたらいいのではないかという点があります。

この点については、「日本らしいデジタル化」とは何だろうと考えていきますと、日本のよさは、実はアナログにあると思います。海外においては、恐らく人々の種類が多彩で、能力も多彩で、要求も多彩なので、システムでさばかないとやっていけないところがある。ところが日本は、人の質が高いので、人の要求を人が実現できてしまう。つまり、「人海戦術」でできてしまうために、むしろシステム化を遅らせてしまったという側面があると思います。逆に言うと、そういったアナログのよさというものが残っているので、デジタルとアナログが融合するような形で、日本らしいデジタル化というものを追求していくと良いのではと思いました。

この点で言うと、最後の点なのですけれども、マイナンバーカード等を中心としたプラットフォームによって、人々の暮らしや社会が便利になっていくのはよいことだと思うのですが、一方で、高齢化社会というものは避けがたく進んでいくことを考えますと、最近の保険証の問題もありましたが、私の母とかも、いわゆる認知症でして、そういう認知症になる方々が非常に多くなったり、家族がいなくて独身で暮らす、1人で暮らす、誰でも最後は1人になると思います。そうなると、正直、認知症の方は、暗証番号を覚えることとか、いろいろな数字、どの数字、どのIDだったか管理できなくなってしまうのです。

なので、生体認証とか、要するに、ご本人がいればデジタル機器が使えるような形の設計というか、数字と仕組みと更新という、いわゆる通常の、そういったデジタル手続に慣れた人ではないとできないようなやり方だけではなく、その人がいればできるというような、そういう在り方というのを追求していかないと、正直、私自身も使いこなせていく自信がないと思いますので、その辺、ぜひ将来に向けて考えていっていただければと思いました。

以上です。

村井座長: どうもありがとうございました。大変重要なお話もいただいていて、地方の件も、後で谷口先生から伺おうと思いますので、よろしくお願いします。

それでは、村上さん、お願いいたします。

村上構成員: 村上です。よろしくお願いいたします。

まず、デジタル庁のこれまでの5年間の歩み、皆様、委員の方も述べられておりますけれども、非常に大いなる進捗をしていると思います。特に、マイナンバーの普及、そして、アプリの充実といったものは、本当に国民一人一人、そして、どなたかの先生もおっしゃっていましたけれども、私も実感するところであると思います。

今、ご存じのように、日本の政府としても、AIを中心としたデジタル重点計画の中にも盛り込んできており、また、より一層、世の中がAIをきっかけにしてデジタル化というのが進んでいくという中で、皆様の築かれてきたこの5年間のものが礎となって、さらなる進化をしていくもの、そして、デジタル庁が、ますます日本政府の中で横串の機能として重要な役目を果たされるのではないかと思っています。

私からは4点ございます。

まず1つは、さらなる日本政府のDXというものを考えていくときに、今、国民接点であるとか、パーツのところのDXというのは、かなり皆様進められてきたと思います。ただ、私も民間でDXを経営していた経験から、DXの本来の効果というのは、例えば、AIが入ってきた、その最先端の技術を使ってプロセス自体、民間企業ですとビジネスプロセス自体をどうするのかというところを考え直してやらないと、真の効率化というものにはつながらないと考えています。

例えば、そのパーツ、パーツを入れると、5%、10%という効率化は行えるのですけれども、これを、30%、40%にしていこうとすると、やはり全体のビジネスプロセスを、AIの到来によって変えないと実現しないというのが、私、実体験としてございますので、日本政府の中でのDX、さらなる加速のために、今慣習的に行われている日本政府の中のプロセスというものの見直しも含めて、これは恐らくですけれども、デジタル庁だけでは難しいと思うので、皆様政府の方、あと、官僚の方も一体となって進めていただくようにお願いできたらと思います。

2つ目ですけれども、これはイノベーションに対する進化がかなり速くなってきておりますので、これへの対応というものを、人材も含めた観点でどのように進めていくかという点でございます。

特に2点あって、国民の方のリテラシーをどう上げていくか。これは、先ほどのユーザーの方、高齢者の方も含むような、取りこぼしのない世界を目指すとするならば、どういったリテラシーが国民の中に必要で、それをどのように広めていくのかというところを、しっかり見極めていただければと思います。

また、つくるほうとしては、デジタル庁の人材もそうですけれども、日本国全体としてAIやデジタル人材というものをどのように増やしていくのか。これも、しっかりデジタル庁の方に試みていただきたい課題でございます。

デジタル人材も、デジタル人材の以前に人口が減ってきて、どんどんと若い人口が減っていく中で、どれだけ技術に貢献できる人材を確保し続けられるのか、今までと同じポーションでは足りないというところで、私、いろいろなところで言っていますけれども、ここのところ、今まで自然にデジタル、あるいは社会的に何となく男性のほうが。今日も、そちらの会場は全員男性なのですけれども、男の方が多いような、そういう時代を、ぜひ多様化していただいて、日本人だけではなく外国の方、それから、男性だけではなく女性の方に、どんどんとデジタル人材としての参画をお願いできるような、そういうことを考えていただければと思っております。

3点目、データの話です。

これは、AIは、ガベッジイン、ガベッジアウトと言われているように、いいデータがないといいAIとして動かないというものがございます。そのためには、今、データガバナンスだということが叫ばれておりますけれども、やはり、AIというものが、これからAIエージェントに進化していくと、今まで予期していなかったようなデータに対する不備とか、データのアクセスコントロールの不備に対する情報漏えいみたいなものも心配になってきます。ですので、しっかりとしたデータのガバナンスというものを、まずは日本政府内でやっていく。そのデータのガバナンスというのは、マイナスの面ではございませんで、しっかりとした資産化というのができるのです。

よく言っているのは、経営層の中では、今、ヒト・モノ・カネではなくて、ヒト・モノ・カネ・データと考える経営者の方が多くございますけれども、まず、日本政府が政府内で持っているデータというのをぜひ資産として認識していただいて、それを管理していただく。チーフAIオフィサーが各省庁に配置されるという計画もあると聞いておりますけれども、私は、ぜひ、チーフデータオフィサーも備えていただきたいなと思っています。

そして、次は民間です。

民間の中でのデータ活用、これは、本当に会社をまたいだデータの活用やコンソーシアムというのが、日本は非常に苦手でございますので、私も一企業として、そういったところを。データがなぜ苦手なのかというと、自社内でもガバナンスが効いていないものを、外に出すのは怖くてできないというのが日本企業の実情だと思っておりますので、そのあたりのことを、まず日本政府で見本をお示しになって、ぜひ広めていただきたいと考えております。

最後、4点目は、今日も話題が何回か出ているAIソブリンティの話です。

これは、ガバメントクラウドでしっかりと進めていただきたいと思うのですけれども、ソブリンティとかソブリンAIというと、全部を日本製でとかそういうことを考えられると思うのですけれども、どこが肝になって、日本、私たちのコントロール下でやるべきか、どこまで海外の進んでいる技術を取り込むべきかというところは、冷静になって考えるべきだと思います。

ソブリンAIとかAIソブリンティと言うと、少し感情的になってお話をされる方も多く、全て日本製なのだ、日本が一番なのだと考えられる方も多いのですけれども、そのあたりは、実を取るということを考えていただきたいと思います。こちらは、日本の政府の安全保障にもつながると思っておりますので、ぜひこのあたりを、デジタル庁のしっかりとした役割としてご認識いただければと思っております。

最後に要点を述べさせていただきますが、私も民間の保険会社の一人として、マイナンバーの普及というのは非常に感謝しております。マイナンバーは災害時にも活用できるというところを、デジタル庁さんは進めていただいておりますけれども、さらなる民間サービス、国民の利益になるところにつながるような、民間企業が利用できるようなマイナンバーの普及というのを、さらなる加速というのを企業としては期待するところでございますので、そこのところを、再度になりますけれども、お願いできればと存じます。

私からは以上でございます。

村井座長: ありがとうございました。

コンピューター、ネットワーク、それに加えてデジタルデータは重要なデジタルインフラストラクチャーであり、そのガバナンスは、特にデータの部分はなかなかはっきり決まっていないというお声は、いろいろな方から伺っており、それについても触れていただきました。これも、後で議論をさせていただきたいと思います。

それでは、若宮さん、お願いいたします。

若宮構成員: 若宮でございます。よろしくお願いいたします。

私が一番びっくりしたのは、この間の国勢調査です。あれをオンラインでやった方が45%ぐらいしかいらっしゃらなかったと。あれは紙でやるのは結構大変だと思うのですけれども、それだけの数字であるということが、国民目線の、何というか、そういう発想からいうと、これはちょっと問題ではないかという気がいたします。

全然そういうことに私とは関係ないと思っているという人が、結構高齢ばかりではなくて、若い人とか熟年の人などにもおられるようでございます。それで、もっともっと、それが、そうではないということを知ってもらいたいというのが私の思いでございます。

画面を共有させてください。

それで、やはり、もっと広報を大事に。しかも、デジタルについて何も知らない人にやらないと、このパーセントは上がっていかないわけです。

私、シンガポールにお邪魔したとき、そのときに言ったのですけれども、やはり広報が物すごく大事だと思うのです。見てください。高齢の方がすごく楽しそうな感じで捉えられているのでしょう。これはすごいなと思いました。

それから、高齢の人は、多民族国家ですからいろいろな方がいらっしゃるのですけれども、そういう方に向けた、明るく楽しいような広報をやっておられるということ。

そして、日本では、おばあさんはいいのだけれども、おじいさんがなかなかそういうイベントに来てくださらないということですけれども、男性も来てくださっているということはすごいと思いました。

それから、国を挙げてやって、これはセキュリティのコーナーなのですけれども、セキュリティのコーナーにいるロボットがこんなにかわいいのです。それで、クイズがあって、誰でも解けるようなセキュリティに関するクイズで、全部できると政府から、安いものですけれども、そういうことでご褒美が出ると。だから、こういうような、デジタルと関係ないと思っている人とか、やる気がないと思っている人を、何とかもっとこちらに呼び寄せる必要があるのではないかと思います。

そのためには、広報をもっともっと。だけれども、政府広報の中で、デジタルがどんな広報をやっているかということも、皆さんで見ていただいてと思います。うさぎさんみたいなのが出てきて、きゃっきゃっきゃっなどというのも、それも高齢者には不向きですし、むしろ広報という目で見ていただければと思います。

それから、私は、AIについては、将来は万年初心者の味方だと思っているのです。ですから、ああいう形でもって、誰でもが取っつきやすいということでは、やはり、これからはAIにもっと助けてもらえばと思いますけれども、とにかく、45%という数字がかなり厳しいものだと思っております。

10月にやったのだけれども、その結果を使えるのは来年だと。だけれども、今の移り変わりの激しい世の中でもって3か月もかかる。オンラインだったらそんなにかからないはずなのですけれども、紙を全部読み込んでとかをやるのはやはり時間がかかる。そういう意味でも、国民全体のITリテラシーの底上げというのを、私は重点施策の一つにしていただきたいと思います。

以上です。ありがとうございました。

村井座長: ありがとうございました。

若宮さんには、いつも国民目線のお話をしていただいて、そこからのチェックが入ってこそ、デジタル社会がどうやって進捗しているのかということが分かる側面があります。サプライサイドだけではなくて国民目線で見てみるのはとても大事なところでございます。どうもありがとうございました。

それでは、渡辺さん、お願いします。

渡辺構成員: おはようございます。よろしくお願いします。

僕からは、AIに特化してお話ししたいなと思っていまして、カテゴリーで言うと「デジタル競争力向上の必要性」のところかなと思います。

この資料を見させていただいて思ったのは、既に起こっていることに対して事後療法的なアプローチが多いなと思っていて、これからAIでできるようになってくること、未来が変わってくるところに対して、どう予防的なアプローチ、未来をどうプロトタイピングして、そこに対してどう積極的にプロアクティブに関わっていけるかというような政府的なアプローチが重要かなと思いました。

その中で、もうちょっと具体化してお話しすると、AI時代に追いつくとか、ほかの国に遅れないというわけではなくて、日本がどうやって世界の中でリードを取っていくのかというところが一番重要だと思っています。

例えば、日本で言うと、多分、汎用モデルは、ほかの委員の方もおっしゃっていますけれども、かなり難しいと思っていて、アメリカが強過ぎるというのはありますし、ただ、日本での、例えばリアルなデータ、製造業だとか実際の工場とか医療の現場で取れるデータというのが大量にあると思っていて、このリアルなデータをどうやって吸い上げて使っていくのかみたいなところが1点。

あと、もう一個は、コンテンツIPです。

例えば、昨今だといろいろなモデルが出てきていて、ディズニーのIPはオプトインモデルなのに、日本のIPはみんなオプトアウトモデルで、『ドラゴンボール』VS『ONE PIECE』みたいなものが勝手につくれますみたいな状態になっていると。すごくなめられているなと思っていて、ただ、いろいろな企業さんも、今、お話をしていると、やはり知的財産の保護をしたいけれども、なかなかやり方がないと。インターネットでクローリングしてしまうと勝手に使ってしまうみたいなところもあると思うので、例えば、生成AI企業が安心して合法的にIPを使用できる横断的なIPのレジストレーションのプラットフォームをつくるとか、その方向性を打ち出すだとか、そういったスタンスをちゃんと取っていく、もしくは、そこの技術開発をしていくというのが、今、もう既に技術上できるようになってきていると思いますし、重要なのかなと思います。

やはり、SF的なプロトタイピングをしていくというのがすごく重要だと思っていて、こういった有識者の場で話すと、過去のファクトに基づいてこういうデータが出て、こうですよねと議論するのは多分得意だと思うのですけれども、未来がこうなっていくよねという、この不確実な未来に対して、コンセンサスはそもそも取れないと思うので、こういった議論をもっとしていくべきだと思います。

その話だと、例えばAIエージェントだと、AIエージェントがいっぱい出てきて、国とか企業とかいろいろなものをまたいでAIエージェント同士でやり取りをするようになりますと。そこにブロックチェーンみたいなのが入ってくると、例えばAIがウォレットを持てるようになるので、異なるAIエージェントという、国をまたぐステーブルコインとかがAIエージェント間で使えるようになるでしょうと。今、あらゆるものがトークン化されて、金とか株式とかいろいろなものがプログラマブルになってくるので、AIエージェントがステーブルコインを使ってめちゃくちゃ富を稼ぎ出すみたいなこととかも出てくる未来だと思っています。その中で、誰がそのAIエージェントに対してタックスをするのか。AIエージェントに対するIDの付与はどうするのか。または、そのスコアリング。これはいいエージェント、これは悪いAIエージェントみたいなスコアリングはどうするのかみたいな、かなりプロアクティブな話というのをできればもっといいかなと思いました。

一旦以上です。

村井座長: ありがとうございます。

AIエージェントのIDの問題、評価の問題は大変難しい、新しい課題ですので、民間の中でどう発展していくのか、それに国がどのように取り組んでいくのか、協調していくのか、大きな課題だと思いました。どうもありがとうございました。

そうすると、少し議論のほうに移りたいと思うので、お願いしたいのですけれども、まず、皆さんのご意見の中で、「デジタル人材」という言葉が出てきたかなと思います。確かに、人が減ってきて、今、大学の現場でもデジタル化、AIをどのように使うのか、事前に雑談で話したのだけれども、大学の新学部というのは、全てハイブリッドな、かなりデータサイエンスとAIを前提にした新学部をつくるということに、どの大学も移ってきていると思います。

私の質問は、言わば、もとはIT人材が足りないと言っていて、それから、だんだんデジタル人材を育成するという話になっていて、これは川邊さんも取り組まれたわけですけれども、今、データサイエンティストということも経ながら、AI人材をつくる。つまり、AIを使いこなせるような人材をつくらなくてはいけないのではないかということになっています。それぞれ教育の内容も変わってきますし、人材を増やす、あるいは、その力をつけていただきたいということだと、少し方法論が違うかなと思います。何人かの委員に人材に触れていただきましたが、まず、国内の人材とおっしゃっていた川邊さん、いかがですか。今は何の人材をどのようにつくっていくのが適切なのかという視点ではいかがですか。

川邊構成員: もちろん、最新のAIを使いこなせる人材を育成するとかそういうのも大事ですけれども、やはり、デジタル庁ができるところで言うと、いろいろな基盤をつくることによって、そういう人材をプールし、できれば、技術を研さんできる機会を提供するというのはすごく大事かなと思っています。

実際、LINEヤフー社、旧ヤフー社は、昔はクラウドを提供していて、システムは、それは今でもオンプレですけれども、やっていることによって、そういう基盤のものをつくれる技術者がまだ辛うじているのですが、既に、外販するクラウドをやめた時点で、そういった技術者は、かなりの程度、AWSとか海外の企業に転職をしました。ですから、これは、うちがオンプレをやめてしまって、米系のクラウドに基盤を切り替えたら、恐らくそういう基盤をつくれるような技術者は、うちの会社には少なくともいなくなってしまうかなと。

事程左様に、国内のどこかで、先ほど申し上げたような政府クラウドとか基盤AIみたいなものをやっていないと、そういう技術者はもう日本には根づかなくなってしまうと思いますので、デジタル庁みたいなところがやれるとしたら、そのあたりの基盤をつくれるような、本当のという言い方をしたら、AIエンジニアみたいな人たちに対してあまりいい言い方ではないと思いますけれども、ベースのところをつくれるエンジニアをプールし、育てておくことが必要で、何も、それは当然日本人だけに限った話ではなくて、海外のエンジニアもどんどん日本に来てもらえばいいなと思っています。

私としては、そのあたり、基盤のエンジニアのところに関して人材育成をもっとしないと、本当に何もつくれない、デジタル赤字がどんどん膨らんでいってしまう国になると理解しています。

村井座長: ありがとうございます。

伊藤さん、どうですか。今の川邊さんのお話では、アーキテクチャーをきちんとつくれるような人材が我が国に足りないのではないかということで、今後はAIのインフラストラクチャーの分散処理化が進むと思うので、たしかに、そこは発展途上だとは思います。伊藤さん、先ほどの質問は、IT人材、デジタル人材、AI人材のような流れを考えた上で、どういう人材育成のパターンが必要になるのでしょうか。

伊藤構成員: まず、アーキテクチャーは常に必要で、常に足りないと思うのです。これは、AIだけではなくて、このインターネット全体がアーキテクチャーの人がなかなか日本で育たない。特に、AIで多分、かなりアーキテクチャーが変わると思うのです。

細かく言うと各論に入ってしまうのですけれども、僕が心配していることが2つあって、アメリカは、大規模言語モデルの中央集権型の、アメリカのテック企業にすごく合ったAIのファウンデーションモデルのアーキテクチャーの開発に、投資家も全て特化しているのです。意外に、もう少し分散されるモデルだとか、プロバビリスティックプログラミングとか構造化されたAIとか、ほかのアーキテクチャーとほかのAIは、意外に今あまり積極的に進めていないのです。

僕がちょっと心配しているのは、このアメリカのアーキテクチャーも、ちゃんと勉強はしなくてはいけないと思うのだけれども、せっかくアメリカが、かなりお金がかかる優先的なモデルにがんがん行っているところで、もう少し違うアーキテクチャーに日本も投資して、村井先生がよく言う、1周遅れのフロントランナーならではのAIの投資というのもあると思うので、だから、あまりアメリカの今のアーキテクチャーに捉われないように頑張るというのは一つあると思う。

AIによって、かなりデベロップメントとか開発とか、そのアーキテクチャー自身が変わることがあるので、アメリカは、かなりサンクコストがあるので、スイッチングコストが高いのですけれども、もう少し日本はスイッチングコストが低いので、違うアーキテクチャーのインベスティゲーションもちゃんとやらなくてはいけないし、GENIACとかでやっていると思うのですけれども。

あと、もう一つ重要なのは、これも村井先生のWIDEプロジェクトのもので一番いい例だと思うのですけれども、政府主導で、中央集権型にエンジニアを育てたり開発するというよりも、オープンソースで、ボトムアップで、ベンチャーも含めたもう少しディセントラライズされた人材育成というのも重要だと思うのです。

そこで、かなりいろいろな多様性が出てきて、いろいろな新しい開発もやっていくというのも重要なので、今、政府もかなりスタートアップのほうも一生懸命やっていると思うのですけれども、やはり大企業と政府のお金で、どかんと真ん中で大きいプロジェクトをつくるというのは、何となくイメージからすると分かりやすいと思うのだけれども、村井先生ご存じのとおり、インターネットの開発はいろいろなところから出てくるので、大きい中央の会社もちゃんとサポートしていく必要があると思うのですが、それをやって、逆に、外から来るイノベーションとか、大学発のものとかが、ちゃんとアテンションをもらわないのは一つのリスクかなと思います。

村井座長: ありがとうございます。

今のAIの処理が分散化されるということと、それから、質のいいデータがあるというのは、ソブリンAIとも関係してくるのですけれども、だんだん技術も洗練されてきて、いいデータがきちんとあるところだと、かなり効率のいいモデルを使って作業できるようになる。分野を特定して、例えば政府の分野とか医療の分野とか、交通のインフラ分野であるとか、そういうところで蓄積されているデータをベースにしたAIというのは、かなり効果がある。使いやすくなってきているので、それはだんだん分散してくる。そういう処理体系のインフラもやはり必要だと思います。

こういう流れだとすると、今おっしゃったように、周回遅れの先頭ランナーかもしれないけれども、日本独自のAIスタイルというのは見えてくるかもしれない。こういうことだと思いますので、それも一つの考え方としてあるでしょう。

この話は、全て村上さんのお話なので、手を挙げていただいてありがとうございます。村上さんにはたくさん聞きたいことがあるのですけれども、まずお話ししたいことを言っていただき、その後、聞きたいことを伺えればと思います。村上さん、どうぞ。

村上構成員: ありがとうございます。

私は、伊藤さんの話の前にあった人材のところで発言したかったのですけれども、インフラの人材が大事だという川邊さんのお話はすごく大事だと思っている一方で、恐らく、バランスよくいろいろなところの人材というのも考えたほうがいいなと思っています。ただ、私も悩んでいて、分散化してしまうと、それだけ一つ一つのところも弱まるので、日本としてここなのだというところに全ベットするという方法もあるのですが、デジタル人材とかIT人材というのが広過ぎるので、これは、IT以外の方からすると、全部一緒くたに全部デジタル人材とかIT人材と呼ぶのですが、どこの人材がどれだけ足りていないかみたいなところは、少し冷静になって調査して、それをどのように増やすのかというようなことを順序立てて計画するのがよろしいかなと思っていました。

特に、インフラのところはまさにおっしゃるとおりで、やはりITは、仕事をしている人が育つのです。AIに関してもそうで、私は、もともと外資系の出身なのですけれども、日本の学生とか若い方が外資系に行くということをやみくもに悲観する必要はないと思っていて、そこに育ててもらって、将来、私みたいに日本企業に帰ってくる人というのを増やしてもいいのかなと思っています。

一方で、海外に行ってしまって二度と戻ってこない日本の優秀な方がいるのも事実で、それは、日本の社会というものの硬直性に対する絶望感みたいなところを皆さん一様におっしゃっているので、私、海外で日本のビジビリティーがどんどん下がってきているのはすごくゆゆしき問題だと思っているのです。

これはなぜかというと、諸外国で力を持って今進んでいる国、例えば中国とかインドというところは、非常に同郷の人たちと仲よくするのです。前職でおりましたところもかなり、一人エグゼクティブで何とか人の方が入ると、なぜかすごくわあっと同郷の方を引き上げるという現象がありました。それが、日本の方で海外に行っている方ではなかなかないので、そういった日本の方で海外にいる方の、日本に対する貢献をしたいと思うような、そういう日本というものも一つ必要なのではないかなと思います。

海外での経験を日本に持ってきてもらえるためには、日本という国に対して絶望してしまわれるというものだと期待ができないので、そういうところをしっかりと進めていただければと思います。

すみません。話がそれましたけれども、人材のところに関して私が言いたかったことはそこの点でございます。

村井座長: ありがとうございます。

やはり、今、AI前提社会になって、そういう人材の期待値、あるいは育成の仕方、あるいは社会の中で、企業の中でどういう人材を育てていこうかということは、やはり変化していると感じられていますか。あるいは、そうすべきだと思われますか。

村上構成員: どちらかというと、すべきではないかなと思っています。どうしても日本の社会のキャリアパスを考えるときに、ジェネラリスト的な、全体を俯瞰できる人材というものに重きを置いているというところが、どうしても技術者という、一つにとんがった人を育てるというものと、キャリアパスとして相入れないと思っています。

両方必要なのです。全体を俯瞰できる人と、一つをすごく突き抜けて考えることのできる人と。なので、それがちょっと行き過ぎて、ジェネラリストに偏り過ぎてしまったものを、もう少し特化型の人材に。これは、恐らくAIとかデジタルだけではないところになってくるのではないかなと思いますので、そういったところの人材育成の方法も考えたほうがよろしいかなと思いました。

村井座長: ありがとうございます。

後でまたデータガバナンスのことをお聞きしたいです。

渡辺さん、お願いします。

渡辺構成員: ありがとうございます。

それで言うと、比較的最近まで学生をやっていて、今、海外に出ていて、日本に帰るのですけれども、まだ帰れていない人材なのですが、それで言うと、この世界観がすごく大事だなと思っていて、日本として、AI及びデジタルの領域でどこを目指すのかというのと、世界の中でどのようにそこを引っ張っていくのかというところを、スタンスを明確にしたいなと思います。

日本はすごく恵まれていると思っていて、アメリカとかだと、AIをやられるとターミネーターに行きますけれども、日本とかだとドラえもんとかアトムの世界に行くので、そういった世界観を日本から出していくというのは、日本人としての使命なのではないかなと思っています。

あと、今のシリコンバレーのビックテック企業内部とかを見ていて、例えば、中国系とかインド系とか同郷の方同士で、めちゃくちゃ集まっていることが多い。現場では中国語が飛び交っているけれど、マネジメントがアメリカ人とかのケースがすごく多いなと思います。なので、AIを使える人材を日本人が育成するというのもそうですけれども、そのレイヤーをちゃんとマネジメントできるレイヤーを育てるというのも、また同様に必要かなと思いました。

以上です。

村井座長: ありがとうございました。

では、若宮さん、そして、川邊さん。

若宮さん、どうぞ。

若宮構成員: 我々のところでは、AIというのは、高齢者とか初心者には結構役に立っているのです。ことに年寄りなどは、AIに何か聞くと、何度同じことを聞いてもうんざりした顔をしないし丁寧に教えてくれる、人を傷つけない、本当に優しいし、悲しんでいるときは励ましてくれたりする大事な友達みたいな存在なのです。

ですから、そういう意味でも、これから、高齢化社会になってきたら、ある程度の認知症であっても、AIはきっと慰めてくれると。対応してくれると思うのです。ですから、そういう面でもAIには私たちは期待しています。

以上です。

村井座長: ありがとうございます。

それでは、川邊さん。

川邊構成員: そういう、デジタル人材とか、私のところの基盤がつくれるような人材を、日本人もそうですし、海外からどう来てもらうか、育成するかというところの、最後はちょっと補足ですけれども、先ほど渡辺さんが最後におっしゃった世界観の話とか、あと、最初のときに谷口さんが多分おっしゃっていたと思うのですけれども、日本独自のアナログの強いところを生かしたとか、エンタメがというところが実はすごく関係していて、うちの海外から来ているエンジニアもそうですし、さくらインターネットの田中会長とかとも話していても、日本のエンターテインメント・コンテンツ、特にアニメが好きで、作品が好きでとか、その世界観が好きで、その日本の社会を見てみたくて来ましたみたいな人たちは実際すごく多いのです。

だから、世界あまたある国の中で、日本に行ってわざわざ働きたいという理由に、実はそういうエンターテインメントがむちゃくちゃ寄与している。あるいは、そういう世界観、あるいは社会の雰囲気みたいなのがむちゃくちゃ貢献しているというのはありますので、やはり、これもデジタル庁を超える話でありますけれども、そういったあたりを競争力にして、いい人材を確保するというのは、そこで実はすごくつながっている話ですので、ご理解いただければなということで補足させていただきました。

村井座長: ありがとうございます。

では、そのエンタメについて、先ほど言われた谷口さん、お願いします。

谷口構成員: ありがとうございます。

経済という領域と政治行政みたいな領域と社会一般という領域と、大きく3つステージというかフェーズがあると思います。自分の関心分野は、政治行政に関することでして、先ほど渡辺さんがおっしゃったような、AIエージェントを入れていくという議論は、多分、進むのではないかと思います。

というのも、日本のよいところとして、エンタメが魅力的といった点もあるのですけれども、他方で、すぱっと決断できなかったり、角が立つような議論をするのを嫌がったりみたいなところもありますね。最近、アバターを使った実験をやっていまして、面と向かって言いにくいことも、アバターにしたり、ボイスチェンジャーを使うことで本音を言えたりするようになったりするところがあります。これもよしあしですよね。

また、自治体の未来をシミュレーションすることが盛んに行われた時もありました。人口を維持したいのか、活性化させたいのか、豊かになりたいのか、いや、少なくてもいいから現時点で住んでいる人の幸せを重視するのか、目的ごとにマクロデータを使って最適な予算配分を計算できたりします。今、地方の議会や行政では、人手不足で大変だというのもあるのですけれども、計算で予測や計画を立てることも可能です。

それは行き過ぎると、民主主義の危機につながるかもしれません。様々な意見を持って議論するというところを省力化するような流れになると、これはこれでよくない。意見を言いにくいから改革が進まないというのもありますが、議論をしないで改革を行うのも危ういですね。

特に予算が厳しくなっていく中で、どの予算を切るのかという問題は、誰も言いたくない。地方であれ国であれ言えないから、借金がどんどん増えていく。その辺りは企業のほうがシビアで、潰れないようにやるべきことはやっていらっしゃるでしょう。

そのため、経営の場面ではAIエージェントを入れていると思うのですけれども、公的なところにも入れていく流れになるかもしれない。

シミュレーション結果を一つの参考情報にしていくということですね。そういったところもデジタル庁が支援できる部分はあると思います。

ただし、計算工学万能論になってしまうのは危険です。民主主義に基づいて議論しても対立が激化するばかりで、現実的でも効率的でもないから、計算結果こそが正義なのだという価値観になると、それはそれで極端な気がします。これは教育においても気にしなくてはいけないことで、健全な市民性みたいなものも育てながらデジタル教育をやっていかないと、悪用を生むリスクもあると思います。

関連して、教育界がデジタル人材の育成に対して積極的になるのはすごく時間がかかる。行政や社会が連携して、デジタル教育を促進していく必要があります。

村井座長: ありがとうございました。

岩﨑さん、お待たせしました。

岩﨑構成員: 岩﨑です。ありがとうございました。

人材育成については、これまでもかなり深刻な状況とずっと言われてきまして、我々も、2006年には国際CIO学会を立ち上げて、NPO法人化もしてきて、人材育成も進めてきたのですけれども、AI対応の人材というのは、CIOが担っていたりというのは、海外の傾向にも多く見られています。

この20年という歴史の中でも、IT人材とかDX人材、AI人材と今進化をしている中で、少し整理をしたいかなと思うところは、コア・コンピタンスが異なる点です。例えば2030年とか、あるいは、その先を見据えると、今後、バックキャストで何が必要かということを考えたときに、今、日本で進んでいるのは、学校教育と社会人教育では、AI教育を展開しているわけですが、今後、モジュールをどのようにアップデートしていくのか、個別最適化のAI教育なども、どう進めていくのか。また、イノベーションを促進していくようなAIの創造活動を進めるような人材育成が必要なのではないか。

世界のデジタル先進国で進んでいるような、AI人材の育成なのですけれども、国家戦略と連動したような教育モデルがつくられている国もありまして、例えば、シンガポールなどでは、政府主導で進められているような傾向もあります。一番今後強化していくべき必要があるのは、やはり行政分野の人材育成かなと思っています。

将来、AIエージェントと共創社会が出てくるとするならば、求められるコア・コンピタンスなども変わってくるかと思いますので、目指す未来に、どういう人材、AI人材も含めて必要なのかということを考えながら、今後のモデルやモジュールなどを考えていく必要があるのかなと思います。

以上です。

村井座長: ありがとうございました。

それでは、若宮さん、もう一度。

若宮構成員: この前、私が、非常事態のときの対応をということをお願いしておいたら、今度、それが入っていたということについて、ありがとうございました。

そうであっても、私は、講演会などのときに、必ず、「あなた、スマートフォンの位置情報、GPSが有効になっているかどうか分かりますか」と聞くと、分かっていない人がたくさんいるのです。それで、ひどいときは半分ぐらいの人が分かっていない。「それが、有効になっているか、オンになっているかどうか、どうやって調べればいいか分かりますか」と。それも分かっていない。だけれども、あれが、避難したりするときは非常に、これから吹雪などのときには大事なのですけれども、そういうような、やはり生命に関わることなどをすごく重点的にやっていただくということは、随分よくしていただいたのですけれども、さらに、それはお願いしたいと思います。

国の政治というのは、やはり一番大事なのは、死ななくても済む人が死んでしまうことがないようにというのが、私は基本だと思っておりますので、その点はよろしくお願いいたします。

以上です。

村井座長: ありがとうございました。

時間が押してきましたけれども、もう1つお話したいことがあります。村上さんが先ほどデータガバナンスの話をされましたが、その話をぜひしたいなと思っていました。

今、デジタルインフラストラクチャーというと、コンピューター、CPU、データセンター、それから、ネットワーク。最近はワットビットという電力との融合の中で、このインフラストラクチャーを考えようという議論を進めているのですけれども、デジタルデータというのは大変重要なリソースで、これが、どこまでがプライバシーでどこまでがプライバシーではないかとか、どういう空間で共有できるのかとか、そういう話があって、それこそがデータガバナンスだと思うのです。これはあちらこちらで議論されて、実効的にやっていると思うのです。また、個人情報保護法の見直しなども、来年起こってくる可能性があると思うのです。

それで、村上さんにお伺いしたかったのは、先ほど、欠席している三木谷さんの意見書には、政府のデータにアクセスできるようにしてくださいということが書いてありました。これも大事なことです。一方、たくさんのインフラストラクチャーや、重要な国民の情報というのは民間側にあるのです。保険会社もたくさんお持ちだと思うのですけれども。それらをどのように安全に共有できて、安全に利用できるのかという、この構造を考えていくというのはとても重要だと思うのですけれども、どうお考えですか。

村上構成員: ありがとうございます。

私も三木谷委員の意見には賛成で、国が持っているデータというのは国民の資産だと思っているので、それをどんどんアクセスできるようにするというのは考えたほうがいいと思っています。ただ、恐らく、今の政府がそのままデータを公開するというのは非常に難しいと思います。なぜかというと、誰がアクセスするべきデータなのか、誰が見ていいデータなのか、あるいは、誰が見てもいいように匿名化ができているかというと、なかなか、今、日本政府が持っているデータというものが、そういう整理された状態にはないからだと考えています。そういった意味でも、各省庁がどのようなデータを。省庁間ですら恐らく利用がなかなか難しいというのが現実なのではないかなと思っています。

なので、まず、ステップ・バイ・ステップで考えるとすると、それでスピード感が間に合うのかどうかというところもあるのですが、恐らくは、省庁間での共有というものをまずできるような形にして、その後、民間というところなのですけれども、これは、多分、ステップで考えていると、私、今話しながら思っていたのがちょっと遅いので、データの共有というのを、データというか、データを棚卸しして、資産化して、それを共有化してというステップはあるのですが、かなり遅れているとするならば、有効なユースケースのところで、ユースケースをベースにして、だから、このデータは整備しなくてはいけないので、だとしたら、この省庁とこの省庁とこのデータを結び合わせてみたいなところを考えてもいいのかなと思っています。これが国のデータを公開するというところです。

民間のデータも全く一緒で、例えば、ご指摘いただいたように、保険会社は事故のデータは非常にたくさん持っています。事故の支払いのデータを持っていて、どの地域に国家的に脆弱性があるのかみたいなものもあるので。ただ、これはやみくもに公開してしまうと、例えば、土地の値段に影響を与えたり、そういう社会的な影響もあるので、一般公開、いわゆるオープンデータにするというのは非常に危険です。

そうだとすれば、誰が、どういう理由で公開したときに使っていいのか、そして、そのときに保険会社としての重要なところは、人のプライバシーを侵害するようなデータになっていないようにというので、しっかり公開していくというのが必要なのですけれども、民間企業としては、他人が使うためのデータを整備するということにかけるコスト、これが、正直モチベーションがないわけです。なので、民間の人は、民間の立場からいうと、データを公開してくださいと言っても、そのデータを公開するモチベーションというのをしっかりとその会社に持たせてあげるということも重要なので、これも、またユースケースをどうやってつくっていくのかということに依存すると思います。

なので、両方とも恐らくユースケースベースで考えなくてはいけなくて、民間だと、例えば、市民団体の方、オープンデータの方たちがよくやっているような、ハッカソンみたいなところでアイデアをもらって、そのユースケースに基づいて、国と自治体と一緒になってやっていくということも考えられますし、民間の場合は、やはり同業他社の中での非競争領域のところから始めるコンソーシアムのようなところでユースケースを話し合ってというところを考えていくとよろしいのかなと思います。

私が知っているだけでも、例えば経済団体とか、国だと、省庁の中でデータ活用のワーキンググループというのが多く起こっているので、そういったところが主題になっていくといいと思うのですが、まずは、そこを整えるためにも、各会社や各省庁がチーフデータオフィサーを置くといったようなこと。そして、チーフデータオフィサーが、どういう役割をして、何をそのデータに対して責任を持つのかというところを明確にしていくといいのかというところを、議論されるとよろしいのかなと思いました。

村井座長: ありがとうございました。

歴史的には、個人情報保護法をつくるときも、例えば、携帯電話会社が持っている民間のデータが、どれだけ災害のときに役に立つのか、それに対して、プライバシーはどのように定義をすればいいのかという議論がありました。医療関係のデータなども、分野が明確だと、データの構造と目的と使い方も明確になり、先ほどの、安全で安心して使える体制というのは、つくりやすいところもあると思うのです。

行政は行政で、データの枠の中で共有するのが前提だという考え方はあるのだけれども、民間の中での責任というところから、やはり少し複雑なデータの構造を考えないと、今までの、公開かそうではないかということから、今度は、AIが利用すると思う、AI前提社会をつくろうとすると、改めてデータの構造と、その在り方ということをしっかりと議論しなくてはいけない。

これに対する民間の役割は大変大きいとは思いますので、まさに官民で議論をして、そういう特定の領域から動いていくということができると、そういう共有の質のようなものは、日本は結構うまくいくかもしれないです。マーケットがすごく、そういうサービス等に対しては厳しいので、こういうところにはほかの国にない点をできるのかなと思いました。

時間が押してまいりましたので、人材、データの関係、AIの関係、それから、セキュリティの問題も大きく発展していく2026年に向けて、あるいは5年先ということで、人材の話も出ましたけれども、川崎さん、何かありますか。ほかのことでも結構ですけれども。

川崎政務官: それでは、大臣、副大臣を差し置いてお話しさせていただくことをご容赦いただきたいと思います。

本当に皆様、ありがとうございます。

私、前任は、総務省のほうで総務大臣政務官をやっていましたので、お話の内容を聞いていると、この場に総務省もいてほしいなと思っているのが正直な感想です。

これはなぜこう思っているかというと、まず1点目の人材の関係でいうと、何名かの先生方からリテラシー向上の話も同時に出たと思っているのですけれども、私、このお話を聞いていて、かつてこの委員にもなっている都城市が、マイナンバーカードを普及させるスピードが非常に早かったと。その理由は何ですかとヒアリングをしたら、DXを進めるには(リテラシー向上のための)アナログな対応が必要なのですと。いわゆる、人海戦術的にやらなくてはいけないのですというようなお話がありました。

その観点にて、政府でかつて取り組んだのは、デジタル庁主導だったと思うのですけれども、デジタル支援員というのを増やしたと思っているのです。ところが、デジタル支援員を、例えば地元の日本青年会議所とか商工会議所青年部とかいろいろなところで増やしたのだけれども、そこはワークしているのだっけというところに非常に疑問を感じています。

片や、一方で、総務省主管の、例えば郵政は、全国に2万4,000局もあるところ、彼らは、いわゆるボランティア的な活動はできないということを理由に、このデジタルの支援をするということができないという回答だったのです。かつて楽天さんと契約していたときにはそれができたのだけれども、今は楽天さんと組んでないから、そういうサポートができないというお話があって、これは非常にもったいないなと思っているので、改めて、ここは、そういった全国にネットワークがある部分のアナログを生かしてやっていくべきなのではないかなと思っていますというのが1点。

そして、2点目。

データ利活用に関しても、先生方からお話があったとおりだと思っているのですけれども、一方で、日本でデータをつくっているところは情報通信研究機構(以下「NICT」)があるのだけれども、果たして、NICTがつくっているデータは、本当に民間のAI事業者は必要としているのだろうかというところが、やはりグレーになってしまっているのです。

よく先生方から言われるのは、NHKのデータを使わせてくれとか、そういうようなお話があるのですけれども、NICTのデータをもっとこうしてくれみたいな要望は一回も上がってきたことがないのです。では、NICTのやっていることは何だというところに疑問を感じているので、ここをちゃんと示し合わせなくてはいけないのではないかなと思っています。

デジタル人材についても、これも、私、かつて村井先生と一緒にやらせていただきましたけれども、情報処理推進機構(以下「IPA」)を中心にデジタルスキル標準(以下「DSS」)というのをつくっているのだけれども、この内容が古いものになっているのではないかということを2023年に申し上げたのに、いまだにこのDSSが基準としてなっていて、その中で、デザインという項目など、もはやAIが出てきてしまったら、今でもこれを5つの柱のうちの1本に立てておいていいのかと思われるので、せっかくデジタル庁が、今回、デジタル人材の項目、IPAの主管となる権利をようやく得られたので、ここもデジタル庁で見直すべきなのではないかと思っています。

最後ですけれども、デジタル人材、AI人材を民間で普及させるというところにおいて、毎回、私、AIエキスポに行かせてもらうのですけれども、AI人材を増やしますというコンサルのような人はたくさんいるのですが、正直に言って、どの会社がどういう優位性を持って、どこを選べばいいのか私ですら分からないので、民間会社などはもっと分からないと思うのです。なので、ここの接続点をうまく政府側でつけてあげるといいのではないかなと思っています。つまり、政府お墨つきのデジタル人材育成コンサルですと名乗れることができれば、もっと信頼してそこに発注できるのではないかなと改めて思いました。

そして、若宮先生がおっしゃった国勢調査の件については、今、総務省で統計の部門が一生懸命やっているのですけれども、ネックとなってしまっているのは、マイナンバーカードは世帯主が分からないという問題があって、マイナンバーカードでできると思われる方が多いと思うのですけれども、これだと世帯主からの情報が得られないというところで、今つまずいてしまっているという状況なので、あと5年あるので、そこをしっかりやってもらえばいいのではないかと思います。

というように、皆様から出てきた意見というのは、冒頭、松本大臣がお話しいただいたように、これまで皆様が積み上げていただいた部分をより具体化する良いフェーズだと思っているので、そういう形でやればいいのではないかと改めて感じました。

以上です。

村井座長: ありがとうございました。

副大臣、お願いいたします。

今枝副大臣: 今枝でございます。

今日は活発な議論をいただきまして、誠にありがとうございます。

いろいろなご意見をいただきましたけれども、三木谷委員の意見書でもありましたAIエージェントなど、やはり、先進技術を前提とした社会、そして、政策、こういったものをしっかりつくっていかないといけないということは強く思いました。

あと、川邊委員から、デジタル赤字の問題意識を初めにいただきました。官民調達の国産化、これは一様のものではなくてもいいから、いわゆる、国内で調達をしていくということがデジタル赤字を減らしていくのはそのとおりだと思いますので、しっかりと進めていけるように、調達改革というところもしていきたいと思っております。

AI人材のところがかなり議論になりまして、私も非常にいろいろ思っていて、今、短期的に言えば非常にチャンスでありまして、トランプ政権の中で、特に、シリコンバレーもそうでありますけれども、アメリカでの、いわゆる様々なデジタル人材が、かなりレイオフに遭っていて、この人の行き場をどうするのかと。例えば、優秀なインド人の方々も、インドに戻ると我が国の7掛けぐらいの収入になるので、我が国も、今、注目が集まっているところなのです。そこに、先ほど話もあったアニメとか、もう一つ、寿司とか和食というのは、物すごく彼らにとって魅力になるので、そういったものを活用して、デジタル人材を引っ張ってくるような、何かしらプロジェクトみたいなものをやっていくというのは、足元のAI・デジタル人材を引っ張ってくる。もちろん、そのためには仕事が必要なわけでありますけれども、プロモーションとして非常にいいのではないかなと、こんなことも思っております。

そして、今日の構想会議を聞いて全体的に思ったのですけれども、いろいろなご意見を専門家の先生方からいただいて、非常にすばらしいものであるのですが、私ずっと、このデジタル庁が、やはり国民の皆さんがどういうようなデジタル社会にしていってほしいのか。具体的な大臣の話も冒頭にありましたけれども、具体的なペインとか、逆にこういうのがあったらいいのではないかとか、そういう経験値、体験値みたいなものというか、そういうご意見みたいなものを、本当にAIがなければ、大量の意見が来てもパブコメのように処理できませんという話になるのですけれども、今、AIありますから、源内もありますので、そういったものも活用して、デジタル庁がこれから目指していくというか、日本が目指していくデジタル社会をどのように構築していくのか、どういう意見があるのか、こういったペインはどこにあるのか、どういう解決策を持っているのか、こういったことを、何か目安箱みたいなものをAIで活用してやっていくことによって結構できるのではないかなと。

河野大臣時代は、河野さんが自分のXで、それこそ人海戦術的にやっていたわけなのですけれども、これ組織としてAIを活用しながらやっていくということで、この構想会議の前段階でいろいろな意見をいただいて、それを整理した形で皆様にお届けしていって、さらに専門家の先生方にご議論いただくと、デジタル庁のさらに、2.0というか5年後の姿、政府の姿、デジタル社会の姿、こういったものも、より直接民主主義的ではありますけれども、そういったやり方というのも面白いのではないかなということは思っていて、ぜひ今後の検討課題として、皆さんと一緒に考えていければなと思っていますので、またよろしくお願いをしたいと思っております。

村井座長: ありがとうございました。

それでは、松本大臣。

松本大臣: 今日は委員の皆様、ありがとうございました。

お話を聞いていて、すぐにやらなくてはいけないこと、あるいはできることと、少し時間をかけることと、今日の議論は整理しなくてはいけないと思いますけれども、すぐにできることというと、若宮委員がおっしゃった広報が足りないというのは、全くおっしゃるとおりで、これは、来年度、あるいは次年度の予算をしっかりつけて、デジ庁として、もう少し国民のデジタルリテラシーを増やしていくという意味でやっていかなくてはいけないなと思いました。

それから、ソブリンティの話がありまして、必ずしも、世界最先端である必要があるかとか、あるいは、どこまで国産で行くのかというのは、これは、大きな方針として我々も早めに決めないと、どうするのという議論ばかりいつまでやっても何の進展もないので、これについては、皆さんのもうちょっと深いご意見をいただきながら、別個に意見をいただきながら進めてみたいと思います。これについて言及されたのは、村上委員と川邊委員が言及されたのですけれども、ぜひ、もうちょっと具体的なお話を伺いたいと思います。

それから、谷口委員の日本らしいDXをという話は、僕の中では結構刺さりまして、では、その日本らしいDXは何かというのは、また別途ご意見を寄せていただければいいかなと思います。

人材育成については、分野別にデータを使って人を育てるというのは全くそのとおりだと思っていて、これは、ぜひそういう方向性で我々も人材育成に関わっていきたいなということは感じました。

今日のお話を伺っていて、何を先にやればいいかと優先順位をしっかり決めて、我々としても取り組んでいくのがよろしいのではないかと。そういう印象を持ちました。ありがとうございました。

村井座長: どうもありがとうございました。

それでは、事務局からの連絡事項をお願いいたします。

事務局: 事務局から2点ご連絡いたします。

1点目ですが、本日の会議資料等は、デジタル庁ウェブサイトで公開を予定しております。一部資料のみとしております。
2点目ですが、次回以降のデジタル社会構想会議の開催につきましては、村井座長とご相談の上でお知らせいたします。

村井座長: ありがとうございました。

それでは、以上をもちまして、本日の第11回「デジタル社会構想会議」を閉会とさせていただきます。お忙しい中、活発な議論をしていただきまして、どうもありがとうございました。