第10回デジタル社会構想会議
- 最終更新日:
概要
- 日時:令和7年(2025年)4月22日(火)12時00分から13時30分まで
- 場所:オンライン開催
- 議事次第
- 1. 開会
- 2. 議事
- 1. 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の改定に向けて
- 3. 閉会
資料
- 議事次第(PDF/45KB)
- 資料1:「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の改定に向けて(PDF/2,294KB)
- 資料2:池田構成員提出資料(PDF/200KB)
- 参考資料1:デジタル社会構想会の開催について(一部改正)(PDF/132KB)
- 議事録(PDF/470KB)
議事録
事務局: それでは、時間になりましたので、ただいまから、第10回「デジタル社会構想会議」を開催いたします。
本日はオンラインにて開催しております。
本日の会議は、村井座長とご相談をいたしまして、一般の皆様、それから報道機関の皆様に公開する形で開催することとしております。また、Teamsのライブイベントを通じましてライブ中継をしております。
本日のご出席者でございますけれども、9名の構成員の方がご出席いただいておりまして、池田構成員、上野山構成員、越塚構成員、谷口構成員はご欠席でございます。また、三木谷構成員と村岡構成員は途中で退席されると伺っております。
デジタル庁からは、平大臣、穂坂副大臣、岸政務官が出席しております。また、平大臣、穂坂副大臣は、公務の都合上、途中で退席をいたします。
資料につきましてはデジタル庁ウェブサイトに掲載をしておりまして、一部の資料につきましては投影のみとさせていただいております。
それでは、村井座長、よろしくお願いいたします。
村井座長 : 皆さん、こんにちは。座長を務めさせていただきます村井でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、「デジタル社会構想会議」ですけれども、デジタル社会の実現に向けた重点計画を改定するというのがミッションでございます。原案、それから皆さんからいただいたご意見等々をベースに今日議論していただいて、この後の幾つかのプロセスを経て最終版にして、連休過ぎ、5月半ばを目途にまとめていきたいというのが流れでございますので、今日は構成員のご意見をいただいて、それを反映させながら作っていくということになると思います。よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入りたいと思います。
平大臣、ご挨拶をいただいてよろしいでしょうか。
平デジタル大臣: 分かりました。
皆さん、こんにちは。デジタル大臣の平将明です。
本日は、お忙しい中、「デジタル社会構想会議」にご参加いただき、村井座長をはじめとする構成員の皆様には深く御礼を申し上げます。
新しく構成員になられた方もおられますので改めて申し上げると、デジタル庁は、社会全体のデジタル化を推進するための司令塔として、政府全体を牽引する役割を担っております。このため、政府全体のデジタル化に関する実行計画として、毎年、重点計画を定めております。
デジタル庁はこの1年間、昨年の重点計画に沿って、マイナンバーカードの普及・利活用の促進などデジタル共通基盤の整備、国・地方自治体のアナログ規制の見直しのための取組、ガバメントクラウドの整備などのデジタルガバメントの推進、医療・防災などの準公共分野におけるデータ連携基盤の整備、防災分野におけるデジタルマーケットプレイスの利活用の促進、OECDの下の国際的な枠組みIAP等での信頼性のある自由なデータ流通、いわゆるDFFTの具体化に向けた取組などの取組を推進してまいりました。その上で、大臣就任直後からAIの利活用を念頭に、デジタル庁においてAIハッカソン・アイデアソンの実施等、中央省庁でのAIの利活用の取組を進めているところであります。
また、政策ダッシュボードの取組も継続をしています。マイナンバーカードの利活用やアナログ規制の見直し状況などをウェブサイトで公開しており、データに基づいた政策立案や執行管理を行う文化が広がるきっかけとなることを目指しております。
本日は、こうした取組を振り返らせていただきつつ、この夏の重点計画の取りまとめに向け、今、我が国がデジタル化によって対応すべき重点課題が何で、また、どのようにその課題を解決すべきなのか、あるいは将来どのようなことを想定していくべきなのか等について、忌憚のないご意見をいただきたいと思っております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
村井座長 : 平大臣、ありがとうございました。
それでは、資料1に基づいて、デジタル社会の実現に向けた重点計画案について、事務局から説明をお願いします。
冨安統括官: デジタル庁統括官の冨安でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
資料1に基づきまして説明いたします。
ページを開いていただいて、3ページでございます。
まず、昨年策定いたしました「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の進捗を簡単にご紹介いたします。
まず、主な取組と成果ということで5ページでございます。
マイナンバーカードの利活用を推進し、真ん中の現在のところをご覧いただきますと、データが取得できる、あるいは正確な情報や重複投薬の回避ができるということで、病院はもちろん、救急等でもしっかり活用が期待されるところでございます。
続きまして、次のページ、6ページでございます。
マイナポータルを活用したいろいろなオンライン化・ワンストップ化でございまして、真ん中のところ、例示でございますけれども、転出時に転出届をオンラインから提出可能ということで、約78万件がこれで行われているところでございます。
続きまして、7ページでございます。
アナログ的手法を前提としているルールの見直しを行うということで、右側に現在がございますけれども、道路橋梁点検、代表例でご説明いたします。これまで人が近接目視による点検をしなければいけなかったものを、ドローン等を活用し、作業負担や費用の効率化等が向上するということで、アナログからデジタルに変えることによりまして、人材不足への対応を進めております。
8ページでございます。
デジタルマーケットプレイスの活用について、クラウドソフトウェアサービスに登録していただきまして、行政機関、事業者等がここから選ぶということで、非常に簡便なものを用意させていただいております。3月にリリースいたしまして、200以上のSaaSデータを登録いただいているところでございます。
9ページでございます。
マイナポータルを活用した書かない確定申告の推進ということで、ご案内のようにe-Taxにおきまして自動で申告に必要なデータが入力されるということで、時間の短縮、負担軽減を実感していただいているところでございます。
続きまして、2-2、10ページ、データから見た成果ということで、これもデジタル庁の活動報告の内容になりますけれども、重点計画に沿ってデジタル庁は活動してきておりますので、重点計画の進捗の一環としてご説明させていただきます。
11ページ、社会のデジタル化に対する意識ということで、これはこの構想会議でのご発案も受けて、定点観測ということで、毎年度データを取っております。主な結果ですが、デジタル化に賛同するものが5割程度。一番右側に行きまして、デジタルを利用している方のうち3割程度の人が満足しているということで、ここの数字を上げていくのが我々の使命かと思っております。
続きまして、12ページでございます。
国民にやさしいサービスの提供ということで、まずマイナンバーカードでございます。4分の3、国民の78%、約8割の方が保有するに至っております。
続きまして、13ページでございます。
国民がオンライン手続をしていただくものの代表例として、マイナポータルを挙げさせていただきます。真ん中に利用満足度がございますけれども、マイナポータル利用満足度は約5割でございまして、これを引き続き上げていくべく努力したいと思っております。
14ページでございます。
今後は、国民の皆様が添付書類を省略するためには、行政機関間でデータ連携をする必要がございます。そういったデータ連携が可能な手続を増やしておりますし、左下にございますように、情報連携数が2.1億回ということで、要するに住民の皆さんが資料添付をしなくて済んだ数とイコールでございます。
一番右側に共通サービス数がございます。今度は、各自治体がいろいろなサービスをつくり込む必要がないように、デジタル庁が、各自治体が使えるサービスを提供しているものであります。筆頭はマイナポータルでございますけれども、共通決済基盤とか、窓口で使えるサービスとか、そういったものを用意させていただいております。
続きまして、15ページでございます。
今度は、また行政手続における国民や職員の負担軽減でございますけれども、真ん中をご覧いただきますと、コンビニ交付サービスにおける住民票の写しの交付回数ということで年間1,707万回、それから右側に参りまして、パスポートの申請、これは更新だけではなくて申請もできるようになりましたけれども、年間30万回、これはますます増えていくと思っております。また、右側に国家資格も申請が可能ということで、両方とも戸籍の添付とかを省略することが可能になっておりますので、国民の皆様には便利に使っていただいているものでございます。これも順次拡大させていただきたいと思っております。
続きまして、16ページでございます。
同じく行政手続における国民や職員の負担軽減ということで、確定申告や年金も毎年確実に利用が伸びているところでございます。
続きまして、17ページでございます。
今度は国民が安心してデジタル手続を進めていただく上での基盤となるデジタル本人確認手続の利用でございます。
左側、JPKI(公的個人認証サービス)を導入している事業者も増えておりますし、右側の本人確認の回数も増えているところでございます。また、デジタル庁が提供するデジタル認証アプリのダウンロードも10万を超えているところでございます。
続きまして18ページ、今度は同じ国民でも事業者のほうの負担軽減でございます。
代表例としまして、左側にGビズIDを載せさせていただいております。これはまさに各自治体ないし各省がばらばらにIDを付すよりは、GビズIDを共通のIDとして使っていただくという取組でございますけれども、これも着実に登録者数が増えているところでございます。
続きまして、19ページでございます。
今度は成長戦略の推進ということで、先ほども申し上げましたアナログ規制の見直しでございますけれども、代表的な7項目のアナログ規制につきまして、見直すべきとされたものの97%の見直しが完了して、6,219条項が完了したということです。
続きまして、20ページでございます。
今度は準公共のデジタル基盤整備ということで、自治体と医療機関をつなぐPMHの取組、あるいは校務DXも着実に進めているところでございます。
21ページでございます。
今度は安全安心なデジタル基盤の構築ということで、まずはデジタル庁が提供するガバメントクラウドを利用していただいているシステム数も確実に増えております。
また、GSSの導入でありますけれども、各府省のLANをばらばらにするのではなくて、デジタル庁に提供するものに統合していく取組でございます。これも更新のタイミングで入っていただいていますけれども、着実に増えているところでございます。
続きまして、防災DX、これも安全安心の基盤ということで、防災DX官民共創協議会の会員数も着実に増えていますし、防災DXのサービスをカタログに載せておりますけれども、この数も着実に増えているところでございます。
続きまして、デジタル庁の組織づくりでございますけれども、デジタル庁はおかげさまで右側にございますように2025年2月時点で約1,200人規模となっております。
また、大臣のご挨拶にもございましたけれども、AIにつきまして、まずはデジタル庁内でAIをしっかり利活用しまして、職員の負担軽減につながるようなユースケースを開発いたしまして、安全性と安定性を確認した上で各省に展開していく。それをもってさらにAIの実装を引っ張っていくということをやりたいと考えているところでございます。
続きまして、25ページでございます。
これも安全性・透明性確保の取組ということで、代表的に右側でダッシュボードの数を掲げさせていただいております。事前のご説明でダッシュボードが話題になりましたので、例示を26ページ、27ページでお示ししております。26ページはマイナンバーカードの普及に関するダッシュボード、27ページは都道府県別の自治体での子育て・介護関係26手続のオンライン化に関するダッシュボードということで、事前のご説明でもいろいろご議論がございまして、財政力格差とかが現れるのではないかとか、そういったことを考慮する必要があるというご意見をいただきましたが、取りあえず裸の数字でございますけれども掲載させていただきます。濃い青のところが100%、それから薄い青のゾーンが上位で8割とか9割というところでございます。自治体間にいろいろなばらつきがあるところでございます。
続きまして、28ページでございます。
デジタル庁の組織づくりということで、情報公開をいろいろさせていただいておりますけれども、左下のデジタル庁ニュース制作数が47件、デジタル庁はオウンドメディアを開始しておりまして、職員が登場して2分間ぐらいでデジタル庁のプロジェクトを紹介するというような取組もさせていただいております。
29ページ、デジタル庁は多様な人材で構成されておりますので、職員エンゲージメントをしっかり毎年確認しております。
続きまして、2ということで令和7年度の重点計画に向けてでございます。
31ページ、重点計画の編集方針でございますけれども、我が国のデジタル化の現在地をまず確認します。重点計画をつくりまして約3年たちましたので、まずこの現在地を確認させていただければと思っております。
2番目、さらに現在直面している課題、あるいは国内外の情勢変化を確認させていただいています。
3番目で、どういう社会を目指すのかという究極的な姿。
4番目で、それぞれの課題や、成果を目指してどういう取組をしていくのか、方向性、重点的な取組、こういった構成を考えております。
32ページ以下は先ほども簡単に触れましたが、この構想会議で従来データを見える化して観測していくべきだというご議論がございましたので、それもしっかり取らせていただいているというご紹介でございます。
続きまして、ワードの縦の紙になりますけれども、骨子と言えるかどうか分かりませんが、簡単にこちらのほうでご紹介させていただきます。事前のご説明でいろいろと貴重なご意見をいただきました。この骨子にはまだそれは十分反映できておりませんが、本日いただきました議論と併せまして、本文全体を作成する際には反映させていただきたいと考えております。
まず全体でございますけれども、第1のところで「我が国のデジタル化の現在地」ということで、特に2つ目のポツで3つに分けて書かせていただいております。我が国の強みということで、デジタルインフラ基盤が充実しているという話、それから先ほどのマイナンバーカードも約1億人が保有しているということでございます。
2つ目は、既存のアナログ規制をしっかりと7項目、ブルドーザー的に一気に各省の協力で見直していったという話でございます。
3つ目は、我が国が国際的に主導してDFFTというコンセプトでまとめるということで、OECDにも委員会をつくってしっかり進めていこうというような状況があるということでございます。
次のページ、2ページでございます。
利用者視点の取組ということで、マイナポータル、先ほどから出てきておりますけれども、UI/UXのデザイナーに入っていただいてしっかり向上させて、いろいろできる手続も増やしていくということで利便性の向上を図っております。
また、事業者向け行政サービス、先ほどGビズIDを例に申し上げましたけれども、事業者ポータルを構築していくような方向性も今、示しているところでございます。
準公共分野におけるデジタル化の推進、これも個々には申し上げませんけれども、各省所管がありますが、そこをしっかりデジタル庁がお手伝いして、それぞれに今までできていなかったことで我々のデータを使ってしっかりいろいろな新しい必要なサービスを構築していくといったことを推進しているところであります。
それから、中長期的、地道な政府機能の強化ということで、地方公共団体情報システムの統一・標準化、これは地方自治体の皆さんに大変ご苦労いただいておりますけれども、将来のためにしっかりやっていきたいと思っています。
それから、国・地方のガバメントクラウドへの移行ということで、これもシステムを最適化する過程で必要になる話でございます。
それから、先ほど申したGSSへの移行、ただ、これもまだ不十分でございますので、しっかりこれらもやっていかなければいけませんけれども、さらに課題があろうかと思っています。
3ページでございます。
まず、我々が認識しなければいけない直面する課題といたしまして、やはり人口減少につきましては、DXで今すぐ何か取り組んでも成果が上がるものではありません。10年、20年先を考えると、今こそ官民がDXに投資しなければという危機を持つべきではないかと思っております。
それから、前回いろいろご意見をお伺いしたときにもございましたように、自然災害に対する意識、自然災害への脅威をどれだけ緩和できるかといったことも我々の課題だと思います。2行目にございますように、復旧・復興のみならず、電源や通信の確保、デジタルツインを活用したシミュレーション等、平時・発災時・発災後のあらゆる段階で考えていく必要があるのだろうということでございます。
3つ目はサイバー攻撃の質・量両面での脅威の増大への対応。
4つ目、自治体におけるデジタル対応人材の不足。これをあえて書かせていただいておりますのは、今申し上げた3つのポイントとも関わる部分がございますけれども、今後、自治体におきましてもデジタル、AIあるいはデータの活用がされていく必要があろうと思いますが、特に小規模自治体において、これらの活用に当たりまして制度的検討を行う人材が不足しているというのは認識しておかなければいけない課題かなと思って書かせていただいております。
(2)は情勢変化として、やはり大臣がおっしゃいましたAIでございまして、我々もここに書いている「物知りなAI」をどうやって使いこなしていくかということが課題でございますけれども、さらにその先「行動するAI」あるいは「科学するAI」も想定しておく必要があるのだろうということでございます。
また、「3.目指す社会の姿」でございますけれども、ここは重点計画を最初につくったときと変えておりませんが、我が国が直面する課題を解決しつつ、誰一人取り残されない、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことのできる社会の実現を目指すということかなと思っております。
続きまして、「4.取組の方向性と重点的な取組」でございます。
細かくはご説明しませんけれども、(1)はAI・テクノロジーを徹底活用して、利用者起点で社会全体のデジタル化を推進するのだということ。
(2)はAI-Friendlyな環境の整備ということで、AIを徹底的に活用するために必要な制度の見直し、行政データの整備等でございます。
(3)は競争・成長のための協調ということで、リソースが限られておりますので、協調領域を明確にしまして、協調と競争をそれぞれしっかりと進めていくということなのかなと思っております。
(4)で情報システムのモダン化ということで、これも私どもはリソースの限界がございますので、重複投資や古いテクノロジーにリソースを張りつけることを避けて、リソース育成に資する取組ということで、モダン化を進めていくということでございます。
続きまして、(5)でございます。やはりデジタルについてアクセルを踏ませる。一方で、安全・安心は意識していかなければいけないということで、ここに書いています包摂的な社会、もう一つはサイバーセキュリティの対策ということでございます。
(6)がデジタル人材の確保・育成と体制整備でございます。
(7)で防災・減災と書かせていただきましたけれども、事前のご説明の際にも、防災・減災はやはり重要なテーマなので、再掲になる部分があるかもしれないですけれども、ここは一つ段落を作ってしっかり書くべきではないかということで、そういうことを試行しようと思っています。
事前のご説明の際に、短期・中期・長期ということがあるよねというお話がございまして、実は4.というのが取組の方向性と重点的な取組なのですけれども、その後ろに重点的な取組を具体化していく個別の施策を各省から取り寄せ、デジタル庁の施策と合わせて施策集として貼り付けようと思っております。これは工程表もつけますので、短期から5年というイメージにもなっています。ただ、ここの方向性につきましては、そういう具体的な施策が張りつくものばかりではないと思っておりますので、中長期的な取組ということで、4.のところで検討課題あるいはこういう方向性を志向すべきではないかといった形で中長期のものにつきましては触れていきたいと思っております。
以上でございます。
村井座長 : ありがとうございます。
それでは、ご意見に移りたいと思うのですけれども、今日ご欠席の池田構成員から資料を提出していただいているということで、ご紹介をお願いしてよろしいですか。
事務局: 事務局でございます。
それでは、池田構成員からご提出いただきました資料につきましてご紹介をいたします。
資料2をご覧ください。6点のご意見をいただいております。
1点目でございますが、デジタル人材につきまして、安定的に多様な人材を確保するための方策の検討を進めていただきたいというご意見。
2点目でございますが、基幹業務システムの標準化について、引き続きの寄り添った支援を実施していただきたいという意見。
3点目でございますが、ガバメントクラウドの利用料の最適化への支援、それから障害発生時の体制の構築をお願いしたいというご意見。
4点目でございますが、デジタルサービスの満足度・信頼度の向上のために、サービスデザイン思考の実践が重要であるというご意見。
5点目でございますが、我が国が直面する課題に対し、官民が連携して革新的な事業構想を創出できる環境の整備をお願いしたいというご意見。
6点目でございますが、AIによる自治体の業務革新について先行的なモデル事業の実施と横展開をお願いしたいといったご意見をいただいております。
以上でございます。
村井座長 : ありがとうございます。
手を挙げていただいている構成員がいらっしゃいますけれども、ありがとうございます。途中で退席をする予定の構成員に最初お願いして、それから手を挙げていらっしゃる方にお願いをしていきたいと思います。
まず早期退席予定の三木谷構成員、お願いしてよろしいでしょうか。
三木谷構成員: お配りいただいている資料はすばらしいプレゼンテーションだと思うのですけれども、やはり具体性が必要であり、1番目は、AI化によってどういうことを目指すのかという数値目標を設定していただきたい。ちなみに楽天グループでは、AIの活用によってマーケティング効率、オペレーティング効率、それからクライアント効率をそれぞれ20%上げる、これでかなり大きな利益向上になるのですけれども、そういう目標を立てて、大体半分ぐらい来ているかなと思っています。
2番目は、これからAIエージェントというものが出てきて、本当に世の中は大きく変わるだろうなと思っています。人間がやっていたことをAIがやる、ロボティクスもそうですけれども、それに対してどういうふうに政策を考えるのかが重要です。
3番目は、AIに投げているプロンプトが全部海外の企業に流れていくということになるが、これについてどういうふうに考えるのかという経済安全保障上の対策が弱いかなと思っています。
4番目は、アナログ規制の見直しについて、ライドシェアの実現も必要ですし、医療費を下げるという面では、セルフメディケーションを普及させるとともに、処方薬を市販薬に変えていかなければ、この経済はもたないと考えています。ところが、一部の風邪薬の販売を対面的なことでやりなさいといったことになっている。まさしく逆行しているので、このような逆行を防ぐのも、デジタル庁の大きな役割なのではないかなと思っております。
最後に、私の会社でもそうですが、AI人材の95%ぐらいは外国人でございます。アメリカ人、中国人、インド人、ヨーロッパ人も含めて、日本のAIエンジニアは、質・量ともに極めて厳しい状況にあるというのが本当のところかなと思っています。
一方、アメリカは今いろいろどたばたしていますけれども、これから法人税、それから個人の税金も下げることによって、世界のタレントをさらに集めていこうという方向に行くだろうと考えています。そうすると、結局AIのアルゴリズムあるいはプラットフォームを押さえられてしまい、そこに全部情報が抜かれていくということになります。いかに日本に優秀な人材を本当に集めていくか。その一番大きな問題は、税金が非常に高いということではないかと思っています。残念ながら、我々のエンジニア採用の場面でも、楽天では働きたいのだけれども税金が高いから日本には行きたくないという人が、実際に出てきています。デジタル化というテーマとしては間接的ですけれども、これは非常に大きな問題だと思いますので、税の問題を含めた外国の超優秀人材の引込みということを入れていただければありがたいです。
以上です。
村井座長 : ありがとうございました。
それでは、村岡構成員、お願いします。
村岡構成員: ありがとうございます。山口県知事の村岡でございます。
今日は、全国知事会を代表して発言させていただきたいと思います。
まず、生成AIの関係はとても重要だと思っておりまして、これは自治体の行政サービス等において、また、教育の面でも、あるいは内部のシステムを改善していく面でも大変重要でありますので、しっかりと取り組んでいくべきテーマだと思っております。
人材の育成につきましては、今、県内でも、国立、公立、私立、全て情報関係の学部や学科がどんどんできてきているのですけれども、特に生成AI等の分野についての専門的な人材といったところの育成というのはこれからますます課題になってくると思います。先ほど話があったトップクラスの人材もそうですけれども、もう少し幅広い人材をたくさん増やしていかなければいけないと思いますので、そうした面について、国には、地方の取組を支援する専門人材の確保や育成、あるいは財政支援の充実等について、しっかりと盛り込んでいただきたいと思っています。
もう一つは、最近、SNSのデマとかフェイクニュースとかが非常に多く、どんどんと拡大をしてきております。例えば災害発生時の救命・救助の関係が妨げられたりですとか、あるいは選挙に大きな影響を与えるようなことが起きていて、これがさらに拡大することを懸念しております。そうしたものが個人や社会全体に大きな影響、悪い影響を与えかねない状況ですので、今いろいろと検討も進められているようですけれども、SNS事業者等と連携したファクトチェック用のツールの開発や、犯罪行為への法的な対処、あるいは教育面で言うとリテラシー教育、子供たちのことも含めた内容の拡充、そうした安心してSNS等を利用できる環境整備について特に重点計画に盛り込んでいただきたいということを思っております。
最後に、自治体の基幹業務システムの関係でありまして、先ほど池田構成員からの指摘もありましたけれども、特に市町村で今、自治体の基幹業務システムの標準化が進められています。20業務のシステムへの移行期限が本年度末までとなっておりまして、今後、運用が本格的に始まってきます。この情報システムの運用経費は当初、少なくとも3割削減を目指すということで始まっているわけですが、移行後、運用経費が従前よりも大幅に増えることが見込まれる自治体の懸念が非常に大きくなっています。本県におきましても、試算の段階ですけれども、市町の運用経費の平均が従前と比べて3倍強に増えるということがあります。こうした増え方は全国的に起きているものでありまして、それぞれの県でも市町から、ぜひ国に対して対策の強化を求めるよう、強く要請されている状況です。
この検討に当たりましては、本県もメンバーになっております国・地方デジタル共通基盤推進連絡協議会のワーキングチームの場で地方の意見を申し上げることにしておりますけれども、ぜひ国において正確な分析・検証をしっかり行っていただいて、自治体の負担増とならないように適切な対応をお願いしたいと、このことを強くお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
私からは以上です。
村井座長 : ありがとうございました。
村岡知事、今の3倍というのはコストの話ですか。それとも、時間とかコストとかトータルな分析なのですか。その分析の仕方というのはどこかにあるのですか。
村岡構成員: コストの面です。国のほうから要件が示されていますので、これに沿ってつくった場合にどうなるかということを分析すると、従来かかっていたコストに比べて3倍以上に増えるという結果になっております。だんだんと要件が随時に追加されていくというところがありまして、こういったことを積み上げていくと、そうしたことが起きております。全体としてこれが以前よりも下がるというところでスタートしているので、そうなるように実現してほしいというところが自治体のほうからの切実な声でございます。
村井座長 : ありがとうございます。大変重要なポイントだと思います。
それでは、川邊さん、お願いします。
川邊構成員: まず、ここまでのところのデジタル庁の行政のデジタル化に関しての努力、ご尽力は本当に評価に値するなと思っております。当社でもPayPayというサービスがありますけれども、それの本人確認なんかはマイナポータルとの連携が大半になってきましたし、あるいはパスポートがマイナポータル経由で取得できるようになったりですとか、具体的なところでの行政のデジタル化が進んでいると評価できると思います。
その上で4点ほど申し上げたいのですけれども、1個目は、三木谷さんもおっしゃっていましたけれども、とはいえまだアナログ規制がかなりいっぱいあるのではないかなと。別途、規制改革会議の委員をやっておりまして、平大臣の下、AIのワーキンググループなんかも始まっていますけれども、そこでも例えば今期のテーマは建設事業者におけるAI化みたいなところなのですけれども、AI以前に、アナログ規制があるためにAI化まで行けないみたいなところが点検等の分野でいっぱいまだまだあって、恐らくほかの分野でも枚挙にいとまがない状態かなと思っています。ですから、まずこれのデジタル化を進めることがAI化につながる第一歩だなと思っています。これが1点目です。
2点目は、進みつつある行政のデジタル化のところで、今、発表いただいたものにも数字がかなりたくさん出てきていて、数字で捉えると対応されつつあるということなのですけれども、もうちょっとユーザー体験で見ていく必要があるかなと思っています。先ほどどなたかもデザイン思考を持ってやってほしいということをおっしゃっていましたけれども、全く同じ意見です。対応している数も大事ですけれども、一方でユーザー体験に基づいた行政サービスのデジタル化がちゃんとつくられているかというのをデジタル庁が各省庁のデジタル化を確認するということが大事ですし、その次に来るのがユーザー満足度の調査です。ユーザー満足度はKGIになっても僕はいいと思いますけれども、対応数よりは最終的な利用者の満足度がどうなのかというのは、デジタル庁がほかの省庁のデジタルサービスを含めてアンケートを取るのがいいのではないかなと思っています。
この場合のユーザーというのは2種類いて、まさに行政側がまず一つある。これはBtoBtoCみたいなサービスですから、行政側の満足度があると思います。もう一つは、その先にいるいわゆる住民の満足度、両方を取ってそのスコアを出すべきであると。スコアが低い場合はデザイン思考が足りていないということになるので、この辺りをうまくやれるようになると、より日本社会のデジタル化が本当に使われる中で進んでいくと考えていますので、その辺りがもうちょっと提案にも盛り込まれるようにしていってもらえればなと思います。
最後、4点目ですけれども、ユーザーの概念が変わる可能性が急激に出てきています。三木谷さん等も言及されていましたけれども、AIエージェントというのが今後、一般の事業者を中心にどんどん増えていって、自分の代わりにAIがいろいろなネット上での作業をしてくれるという時代になっていく方向感です。行政のサービスを受けるというのは、今の我々人間の感覚でも最もAIエージェントにぶん投げたい分野の一つであることは間違いありませんので、AIエージェントが恐らく行政サービスを人間の代わりに代理して受けていくという状態に早晩なると思いますので、先ほどのデザイン思考というのは、それも視野に含めたデザイン思考でやっていっていただけると、いきなり世界最先端のデジタル化された、あるいはAI化された行政サービスに衣替えすることができますので、人間が使うと同時に、AIエージェントが使う際に使い勝手がいいものにしていくという思考をあらかじめデジタル庁は持って、各省庁に対してもそういう指示をしていただければなと、そのように考えます。それらがスコアとしてきちんと測定されるように持っていってもらえればなと思います。
私からは以上となります。
村井座長 : ありがとうございます。
川邊さん、今の点も重要だと思うのだけれども、BtoBtoCなのか、ユーザー視点というのもあったし、それから、実際の生活をしているときのアナログの残り度みたいなものを見ていくと、いろいろ行政サービスの根っこになるところがデジタル化されても、そこで本当にサービスをしている民間の業者が例えばいて、そこの部分がなかなか変わらないというところがあると思うのです。
要するにアナログが残っているところに民間のサービスがあって、結構オーソドックスなサービス、建築であるとか、自動車であるとか、それは民間なんだよね。昔は後ろ側に行政の手続があったから、それで全部できてしまっているわけです。こういうところがハンコ、紙ということをすごくロングテールで残してしまうのです。こういうのをどうすればいいと思いますか。
川邊構成員: まさにそれが今、規制改革会議でやっている建設のテーマでして、話し合って十把ひとからげにやるしかないのではないですか。
村井座長 : そうすると、要するに分野ごとにアプローチするということですね。
川邊構成員: そうです。分野ごとに、今期はこれ、今期はこれとやっていくしかないのではないですか。
村井座長 : 僕もそう思うのだけれども、それを少し体系的にやって、しらみ潰しにやっていかないといけないということだとすると、その体制をどこかでつくって、やり方が決まればそれでやるということなのかなと、さっきの川邊さんの話を聞いて思いましたので、これもデジタル庁の仕事ではないということにもなるけれども、一応デジタル社会の司令塔としては、どこがちゃんとやっていてくれるからこの問題は解決する方向にあるのかということは把握する。これはデジタル庁が考えなければいけないと思うのです。そういう意味で今のお話を伺って思いました。どうもありがとうございました。
渡辺さん、お待たせしました。
渡辺構成員: 渡辺創太と申します。ふだんはWeb3とかブロックチェーンとかのスタートアップをやっております。今回から入っております。よろしくお願いいたします。
3点ありまして、1点目が、まずデジタル庁さんが進めている数値がありましたけれども、すばらしいなと考えております。その中で一つご提案があるのが、我々のミッションである誰一人取り残さず一人一人のニーズに合ったデジタル社会を実現するのかというのを何年までにみたいなところを合わせたほうがいいかなと思っています。いろいろ数字が出てきて、いろいろ戦略がありましたけれども、例えば2100年までにマイナンバーの普及
率を100%にするのであれば、すごくいい進捗だと思うのです。ただ、2030年までに100%にするのであれば、ちょっとまずいと思うのです。そこのタイムラインが合っていないと戦略、戦術が全部ずれてしまうので、まずそこの何年までにこれを目指すというセンターピンがあったほうがいいかなと思いました。
2個目は情勢の部分です。ペーパーにありましたけれども、AIが進化してきている。テクノロジーの文脈もそうなのですけれども、管轄外かもしれないですが、政治とか経済的な情勢も目まぐるしく進化していますので、そちらも含めた内容をこのペーパーの中で出していけるといいかなと思います。
例えば今、新自由主義的な文脈が終わりつつある中で、分断の時代と言われるようになったりだとか、地政学的に日本がすごく重要になってきたりすると思います。その中で、日本としてテクノロジー×例えば文化とかの側面でどういった発信を国際的にできているのかというのがすごく重要になるなと思います。例えばロボットのところとか、AI×ロボットみたいな文脈だと、アメリカの人たちは特に征服するのか、征服されるのかみたいな
議論をしていますけれども、例えば日本はドラえもんとかアトムとか、AIとかロボットと自然と共生している世界が歴史的に描けている。そういったものを世界的に発信していくというのも面白い取組になるのではないかなと思います。
最後は補足なのですけれども、川邊さんや三木谷さんもおっしゃっていましたが、やはりAIエージェントのところが非常に重要になってくると思いまして、AIだけではなくてそこに量子コンピューターとかブロックチェーンとかが関わってくることによって、今度、AIエージェント同士で会話とか金銭的やり取りがブロックチェーンに入ってくるとできたりするので、人間対AIではなくて、人間がAIにプロンプトを入れて、AIとAIのコミュニケーションまで含めた行政サービスというところ、システム設計が非常に重要になるなと思いました。
以上です。
村井座長 : ありがとうございます。
渡辺さん、何年までという、さっき三木谷さんもおっしゃったけれども、いつまでに何ができるという今のような技術の方向性みたいなものも含めたことというのは、少し提案ベースというか、分かっている方が書いたほうがいいと思うので、またそれも教えていただけるとありがたいかなと思いました。どうもありがとうございます。
それでは、伊藤さん、お願いします。
伊藤構成員: ありがとうございます。
先ほどもちょこちょこ出てきていると思うのですけれども、ドキュメントを見ることと、最近のデジ庁の活動の中でも、結構ベーシックなDXをどんどん進めていこう、デジタル化に進んでいるというのはすごくすばらしいですし、進んでいることはすごくいいと思うのですけれども、さっきAIのところにも出てきたのですが、法律とか、レギュレーションだとか、あとそもそものアーキテクチャーで、せっかくデジタルが進んでいるのにちゃんと動かないことはよくあると思うのです。例えば個人情報とかいろいろなアーキテクチャーによって、DFFTの規則的な理論はあるのだけれども、実際に医療データを使ってモデルをつくろうとするといろいろな引っかかるところがあって、各省庁にいろいろなパーツがばらばらになっていると思うのです。例えば厚労省の中だったり、法務省の中だったり。
もともとデジ庁の中でも、政策とか、ポリシーとか、チーフアーキテクトもいると思うのですけれども、アーキテクチャーとかレギュレーションのところのコーディネーションをする必要があると思うのです。せっかくデジタル化が進んだので、技術的なアーキテクチャーとかレギュレーションでちゃんとインパクトが出ないのはもったいないなというので、ビジョンがあるのだけれどもできないことも、法律とか政策のナビゲーションで、デジ庁がやらないのであったらどこがやるのかという、そこが一つ、ドキュメントに入れるかはともかくとして、課題なのではないかなというのが1点。それはほかの省庁との連携というのはあると思うのです。
あと、先ほどエージェントの話も出てきたと思いますし、渡辺創太さんが得意、大臣もそうなのですけれども、Web3の話で、例えばマイナンバーが進んで、エージェントが進んで、ブロックチェーンが進んで、税のところが進むと、それを融合すると面白い、今まで想像できなかった、例えば地方の資金調達の手段だとか、いろいろなことが生まれてくるので、せっかくデジタル化したものを全部縦割りにして、税がもうちょっと効率よくなるとか、これが効率よくなるとかというふうにあるのですけれども、ブロックチェーンとエージェントとAIとIDとタックスが全部デジタル化すると、今までみんなが想像していなかった、こんなことができるのではないかなというビジョンのところも大事なのではないかなということで、これはばらばらにしないで、少し融合したビジョンというのも、技術者も含めて一回ブレストするとまた面白い未来が描けるのではないかなという気がします。
ありがとうございます。
村井座長 : ありがとうございます。
これも重要なポイントだと思います。2つの側面でやるべきだという議論を始めていまして、一つはデジタルデータが各部門にそれぞれもちろんあるわけで、それから、先ほどデジタル庁の報告にもありましたけれども、国自体のデジタルデータ、ベース・レジストリのようなもの、それから今、伊藤先生が指摘された例えば個人情報、あるいは医療データとか、電カルのデータとか、そういう個人情報保護法で押さえられているような話、それから各省庁の守備範囲のところにももちろんあらゆるデジタルデータがあって、デジタルデータを全体的に見て、どういう使いやすい社会にしようかみたいな話というのは、根っこにはさっきの個情法とかそういう法律があるのだけれども、デジタルデータをちゃんと使って、新しいAI社会の基盤にしようという、言わば新しいインフラの一部がデジタルデータだという考え方はまだちょっと希薄なので、それをやったらどうかという話は大変重要だと思います。
もう一つは、技術が横につながるというのも、社会の中のデジタル技術のアーキテクチャーが、全体像がどうやって見えるのかということをきちんと見て、デジタル庁の仕事あるいは国の仕事が進まなければいけないという話だと思うので、私もその点はとても大事だと思いますので、ぜひそういうアプローチができるようにしていったらいいなと思いました。どうもありがとうございました。
それでは、村上さん、お願いします。
村上構成員: では、私からお話しさせていただきます。
今回から参加させていただきました村上と申します。私は、損保ジャパンのほうでChief Data Officerをしておりまして、本日は経団連の立場で参加をさせていただいております。そのほか、政府のAIセーフティ・インスティテュートの所長もさせていただいております。
デジタル庁の皆様、このような形でしっかりとした提言にまとめていただいてありがとうございます。先日も確定申告をいたしましたけれども、私も一国民として非常にデジタルの恩恵を受けるということが進んでいて、皆さんやはりデジタル化と言うと、自分の生活が便利になるということを実感するとさらに加速していくということが本当に言えるのではないかと思います。これもひとえにデジタル庁というものが設定されたことによる効
果なのではないかなと思います。
まず経団連の立場として言わせていただきますと、産業界、先ほど省庁の中でのデータの連携というところも話題に上がりましたけれども、各企業もやはりデータをそれぞれで細部に持ってしまっております。そうしたところをしっかりデータの流通ということをさせることで、産業の活性化が見込めるのではないかと。この中で特に産業データスペースの構築に関しては、経団連として先週、第2次提言を公表したところでございます。この
辺りしっかりデジタル庁の方に司令塔として進めていただきたいと思っております。先ほども話題になっていますけれども、しっかりとした時間軸を持って、政府統一の戦略と工程表を策定して実行していただきたいと思っております。
そのほかのことでございますけれども、産業データスペースに限らず、各データをそろえるというときに、やはり必要になるのはデータの形である。専門用語で言いますとスキーマというものが統一されていないと、そこがかなりそごとなってしまうことがございますので、特に自治体間、今、デジタルツールの共有化というものも進めて効率化されていると思うのですけれども、強制できないというのは存じ上げておりますけれども、スキーマの統一というものも自治体あるいは業界団体で統一していくという動きもデジタル庁のリードによって進めていただければと思います。
また、何人かの方がAIの安全性について言及されておりましたけれども、偽・誤情報やセキュリティだけではなくて、特に政府あるいは自治体がAIを活用するときには、公平性・透明性といったものも大変必要になってくると思います。この辺りもぜひご指導して進めていただければと思います。
最後になりますけれども、このようなデジタルの時代でデータあるいはデジタルでつながっていくというところも、官民の協力が不可欠と感じております。この辺りもデジタル庁が、日本の国としてこのようなデジタルの方針でいくのだという司令塔としてしっかり進めていただきたいと思うとともに、デジタル庁のさらなる人員の確保と拡充に関しても切望いたします。
私からは以上でございます。
村井座長 : ありがとうございました。
確かにデジタル庁をつくられたときから、霞が関の官民の連携をどういうふうにすればいいかというデジタル分野ならではの需要、要求を実現するために取り組んできたという背景があって、今日の最初の説明には推移とか、その苦労とか、共有すべき知見が既に蓄積されていると思いますから、そのようなことも大変重要な側面として改めて表現するのが重要かなと思いました。
それでは、若宮さん、お願いいたします。
若宮構成員: 画面の共有をしてもいいですか。ありがとうございます。
私の場合、一般国民向けのサービスの推進ということを考えているのですけれども、一番あれなのは高齢者でありまして、デジタルなんて自分とは関係ないものだと思ってしまっている人をどうするか。
これは内閣府の資料なのですけれども、上の青っぽいところが男と女です。どこの国でも男と女の差はそんなにないのですけれども、日本の場合、男の半分ぐらいしか女がデジタルを使いこなしていない。それから、年齢格差も、少しずつはみんなどこの国でも高齢になると減るのですが、日本の場合はこれを見ますとがくっと減って、また70歳を過ぎるとがくがくっと減るというように、非常に差が激しいのです。
リテラシーの問題がどのぐらいかといいますと、マナーモードに設定するということをよく言うのですけれども、その設定の仕方が分かっているということになってしまっていて、みんな世の中やっているみたいですが、横須賀市なんかで講演会、老人クラブではないですよ、一般市民でやっていても、マナーモードはこういうふうにやるのですよということを画面に出してから講演会を始めているのです。このぐらいのことは常識だというこ
とです。それから、マナーモードと機内モードの違いが分かっていない人も結構おられます。
次をお願いします。
ところが、位置情報というのがこれから危機管理とか、避難情報が避難するときなんかにすごく大事なことで、位置情報はいいのですけれども、そこの解説にデバイスがと。何でそこにデバイスが出てくるのか。デバイスという言葉の分かる人は、位置情報は多分分かるのだと思うのです。
もう一つ、デジタルとかいうこと以前にライフスタイルが全然違うのです。私たち年寄りは、急いでする仕事をする必要はないし、大量の仕事を一度にしなくてもいいということで、効率というのをあまり考えないでいただきたいということです。
図書館でみんな本を借りられるのです。それはどうしてかというと、あいうえおを打っていくからなのです。ところが、文字入力で左手でこんなことをやっているのがあったりすると、とてもではないけれども近づけないと言われます。
最初は一本指でいいのです。ところが、デジタル推進委員さんは、正式な大人のやり方を教えてしまうものですから、その辺もご検討いただきたい。
もう一つ、どうしても忘れていってしまう。息子たちも、もうおばあちゃんに教えないでほしいんだよね、何回も同じことを聞かれてうざい。確かにうざいと思うのです。それをどうすればいいか。
文字で打ったら、そんな難しいあれではなくて、普通の話し言葉で、これはお互いのやり取りだけですから、方言でも何でもいいのですから、言葉で文字で答えてくれれば、後でもってあれは1週間前にやったから、スクロールなんていう言葉は使わないで、上にずっとやっていってみな、出てくるよとか、そういう形で対応しなければいけない。
このようなことになっていまして、高齢者とかそういう方たちは、知っている、分かっていると思わないでください。でないと、例えばGPSがオンになっていますかとか、避難するときには必ず位置情報が分からないと困りますから有効にしてくださいと言われても、それが有効になっているかどうかも分からないというようなことをぜひご理解いただきたいと思います。
以上です。
村井座長 : ありがとうございます。
若宮さんがあまりにすご過ぎて、我々もついつい気がつかない部分もあるかと思うのですけれども、デジタルお助け隊とかそういう人たちへの内容のことなんかにも大変参考になると思いました。ありがとうございます。
それでは、岩﨑さん、お願いいたします。
岩﨑構成員: 岩﨑です。ありがとうございました。
早稲田大学電子政府・自治体研究所の岩﨑と申します。今回から就任させていただきます。貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
ふだんは電子政府・自治体や、CIOをはじめとするIT人材の育成について研究をしております。
まず冒頭、冨安様にご説明いただいた内容なのですけれども、データを拝見いたしますと、社会のデジタル活用は着実に進歩してきているかなと思います。これに関しては本当に関係の皆様の尽力のたまものですし、引き続き成果を期待したいと思います。
ダッシュボードについては、自治体DXを推進する上での課題である予算ですとか人材格差の影響が顕在化しているという結果も理解できるのですが、一方、AIエージェントについても言及があったように、将来的には技術を活用すれば人はいなくても対応できるような行政サービスも将来実現可能になるかと思います。我々はAI創生政府などと言及しているのですけれども、格差の縮小ですとか全体最適を目指して技術のアップデートとデジタ
ル支援体制を構築していくことが大事かと思っています。
繰り返しになるのですけれども、早稲田大学電子政府・自治体研究所では、世界66か国を対象にデジタル政府の進捗度を10分野、37のベンチマークを使って分析・評価して、毎年発表しています。ランキングでは国連やOECDなどと議論を進めながらこれまで評価してまいりました。
グローバルなデジタル政府の現在地で言いますと、2024年の日本のランキングは66か国中11位、2年に一度発表される国連の電子政府世界ランキングの直近データでは193か国中13位となっています。早稲田のランキングは過去19年にわたって調査してきたのですが、日本が強みとするデジタルインフラ、デジタル戦略が貢献して、相対的には上位国に入っていると思います。光ファイバーですとか5G、データセンターなど総合的な評価も高いの
で、信頼性の高いデジタル政府を目指していると拝察しています。
参考までに、ランキングトップのシンガポールは昨年末にスマート国家構想の第2弾を発表しまして、AIへの巨額投資、それを活用してイノベーションをもたらす人材育成プログラムを強化する、さらにヘルスケアサイエンスへの革新的研究を支援するということを発表しています。デジタルインフラ法を導入して、信頼や成長、コミュニティーの将来変革を目指しているというわけですが、まず令和7年度の重点計画の骨子に大きな異論はご
ざいませんが、世界のデジタル戦略も参考に、日本の立ち位置と今後の重点計画の構築に期待したいと思っています。
今後の方向性と重点政策についてなのですが、我々のランキングは今年20年目を迎えますので、まず期限を決めて日本が世界のトップクラスになるということは最も期待したいところです。その上での課題として、グローバルも含めて3点申し上げたいと思います。
まず国内では、自治体DXの標準化、ガバメントクラウドの推進の当初の目的をまず評価・再考する時期かと考えています。その意味での重点計画の改正かと思うのですが、まずデジタル化の推進で地方のデジタル化がどれほど進んで、人手不足でも対応できるようになってきたのか、AIとイノベーションの活用で業務改革、生産性の向上、あるいは行財政の改革にどれほど寄与できてきたのか、それを基に今後の目標設定をアジャイルに再構築していくことも必要かと思います。
そして、グローバルに2点ですけれども、まず人口減少と高齢化問題の解決に向けたデジタル政府を構築し、海外への貢献戦略の一つとして捉えてほしいと思います。6兆円に上るデジタル赤字の解消にも寄与できるのではないかと思います。今、米中のデジタル覇権競争が勢いを増していると思いますが、米国は対外援助を縮小し始めています。日本はODAを減らそうとするのではなくて、間もなく他の国でも地球規模課題となる高齢化問題を解決するためのデジタル政府という認識で、世界の中の日本という発想を持ってグローバル展開していく必要があるのではないかと考えます。そのための仲間づくりですが、例えばシンガポールなど、ASEANの拠点としても期待できるかと思います。
2点目、デジタル政府の標準化についてです。私は地方制度調査会の委員もしています。中央と地方の連携は進んでいますが、まだ課題は残っています。標準化は国内で考えるということも大事ですが、将来的にグローバルに利用できて初めて標準化と言えると思います。逆に、ほかの国にできてなぜ日本でできないかという視点でもしっかり分析していく必要があって、海外のよいところを教訓に、日本で活用できるように、日本版にカスタマイズするということも考えたいと思います。
サービス、アプリケーションとしては、災害対策、そして防災分野が有効かと思っていまして、防災の知見に関しては、災害が多い日本のケースを海外も非常に必要としていることは私自身も実感しています。デジタル庁も設立4年目を迎えましたので、そろそろやるタイミングに来ているという期待を申し上げてコメントとさせていただきたいと思います。
以上です。
村井座長 : ありがとうございました。
効果での評価軸の話、あるいは人口減少の国のデジタル化というパッケージというか、そういう評価や、ほかの新しい国がそういうことに面したときに貢献できるようなパッケージ化のような話、それから標準化の話、どれも大変重要な課題だと思います。今の提案の中では表現できていないところがあると思うし、人口減少のデジタル政策というような、言わばテーマ化というのはどういうふうにすればいいのかちょっと分からないですけれど
も、大変重要な、言葉では何度も議論されているが、具体的にそれがテーマとしてどういうふうに捉えられるのかというのは議論していなかったと思いますので、大変貴重なご意見だったと思います。ありがとうございます。
村井座長 : 一通りご意見を伺ったと思うのですけれども、そのほかに何か、ほかの方のご意見を聞いて思ったことがあったらお聞かせいただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
大変貴重なご意見をいただいて、これをまたいろいろ今年度の重点計画のほうに盛り込んでいくということをやりますけれども、そのプロセスも、ここはデジタル庁ですので。
若宮さん、手を挙げていただいたということで、どうぞ。
若宮構成員: 今、岩﨑様がおっしゃっていた、日本でいい事例をつくって、それを海外にもご紹介するという件ですけれども、一番あれなのは高齢化社会にどう対応していくかということでございます。昨日も実は私、台湾の台北に行っておりまして、何で私にあれかというと、あそこもすごく高齢化しているのですけれども、高齢化社会の対策として、ITをどんなふうに使っていくかということを考えています。ですから、まず一番外国でニーズがあって超高齢大国の日本から教わりたいことは高齢化対策だと思います。
以上です。
村井座長 : ありがとうございます。
そういう特徴、それから、それが迫っている国がほかにもあるので、それが一つパッケージ化されると大変大きな貢献になるかと思います。ありがとうございました。
そのほかご意見よろしいでしょうか。
それでは、貴重なご意見をいただきましたので、これをまとめていくのですけれども、一方では時間が大変限られておりまして、このデジタル庁は霞が関のデジタル社会の司令塔みたいな期待が物すごくあり過ぎて、デジタル庁の方はデジタル社会の司令塔と言うとみんな複雑な顔をするというのがこの部屋の中の雰囲気なのですけれども、それはそれで、そうは言ってもやらなければいけないだろうということなので、今日初めにお伺いするときに、デジタル社会の推進という視点でお願いをしました。この文書自体もデジタル社会の推進という意味での使われ方、社会構想が表現されていきますので、そういう意味では、そこをひるむことなくおっしゃっていただくということでよろしいかと思います。
一方では、最初にご報告いただいたように、このデジタル庁も何年かやっていった中、それから人数も当初の目標人数にはまだ程遠いわけですけれども、一方では、それだけたくさんの官民の英知を集めるという体制で、かなり厳しい対応をしつつできてきて、その結果がこのダッシュボードにいろいろ出てきていると思いますので、前回の打合せのときもデジタル庁のダッシュボードを見てくださいということを私のほうからもお願いしました。そうやっていく中で、この国、あるいはこの国が世界の中でどういう役割を果たすのかということを、皆さんの知見を集めていただければと思います。
司令塔というぐらいですから、各省庁とそれを確認しつつ、この文書をまとめる必要があります。それから、与党のほうでもそういう構想をお持ちですので、それと言わばマージアップしていくことがこれから必要になって、5月の半ばをめどにまとめなければいけないということで、大変スピーディーな活動が必要でありますので、一応どういうふうな日程でいくかは微妙ですけれども、これからその大作業を皆さんのご意見を取りまとめたベースでしていただきまして、今申し上げたような幾つかのドメインでの回覧というかお披露目をして、そのインプットもいただきながらまとめていくと。その過程で、少なくとも回覧、メールベース、もし可能ならオンラインでの会合を計画させていただきたいと思いますけれども、その中で確認をして、最後デジタル庁から出ていきますので、デジタル庁から出ていくところは私と事務局に一任してくださいという場面が5月半ば以降に出てくると思います。そういうクオリティーになるまで、ぜひ構成員の皆さんのご意見を引き続き事務局のほうにお寄せいただきながら、あるいはそういうオンラインベースのインタラクションがあるときには、そこへコメントいただくということで協力をしていただくということを含めてお願いをして進めたいと思います。
私からは以上でございます。よろしくお願いします。
今日はどうもありがとうございます。
それでは、事務局にお返しいたします。
事務局: 事務局でございます。
それでは、最後になりますけれども、岸政務官からご挨拶をさせていただきたいと思います。
岸政務官、よろしくお願いいたします。
岸デジタル大臣政務官: 大臣、副大臣が退席されているため、代わりに一言申し上げます。
本日は、お忙しいところを大変活発な議論をいただきまして、本当にありがとうございました。
本日の議論では、現状認識の話ですとか、AIエージェントを含めた話、またデータ戦略、様々各論にわたる課題とか、あとはタイムライン、時間軸、ユーザー視点でのデザインとか、アナログ規制の改革がそもそも必要なのではないかとか、デジタル庁の司令塔機能、そういったところまでの言及をいただきまして、本当に様々参考になりました。
本日の会議でいただいた意見を含めまして、この夏の重点計画の策定に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。引き続き、構成員の皆様方におかれましてはご指導いただきまして、よろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。
村井座長 : どうもありがとうございました。
それでは、以上をもちまして本日の会議を終了したいと思います。
どうもありがとうございました。