アジャイル開発に関する有識者検討会(第8回)

概要

本検討会の概要は、アジャイル開発に関する有識者検討会をご覧ください。

開催情報

日時:
令和8年(2026年)2月13日(金)14時00分から16時00分まで
場所:
オンライン(Microsoft Teams)
出席委員:
狩野座長、杉井委員、岡島委員、佐野委員、木村アドバイザー

議事次第

  • 開会
  • 座長の挨拶
  • 議事
    • 前回の有識者検討会の振り返り
    • 論点と仮説の共有及び議論
    • 今後のスケジュール
  • 閉会・諸連絡

資料

議事要旨

事務局から前回の検討会の振り返り、今回の検討会での論点と仮説について説明があった後、討議が行われた。各委員からの主な意見は以下のとおり。

アジャイル開発のパイロットプロジェクトとして適切と考えられる要件

  • 案件を募集する場合は、パイロットプロジェクト(アジャイル開発を採用する環境を本格的に整備前に小規模で試験運用し、実行可能性や課題を検証するプロジェクト)を実施するメリットや意義をアピールした方が、多くの応募が集まるのではないか。
  • 東京都におけるアジャイル開発のパイロットプロジェクトは、各部署の予算ではなく、全体統括の立場であるデジタルサービス局の予算で簡易な情報システムやツールを構築できる枠組みとして設計したことで、多くの応募があった。このように現場が参加しやすい枠組みを設計することがパイロットプロジェクトでは重要である。
  • パイロットとして実施するプロジェクトを募集するのではなく、アジャイル開発に関わりたい人を募集するのもやり方の一つである。また、資料2のP.14の仮説の開発対象に「半年以内で少なくとも1回以上のリリースを予定していること」とあるが、「半年以内でリリースする機会があること」といった建付けにするのが望ましい。状況に応じてリリースを先送りできる柔軟性のあるプロジェクトの方がパイロットプロジェクトとしては適していると考えられるためである。
  • 民間では、パイロットプロジェクトを探すのに2、3年経過してしまうことがあるので、長くかかりすぎないよう注意が必要である。パイロットプロジェクトの1件目はうまくいくが、2から3件目で失敗するパターンがあるため引き続きサポートがあると良い。また、サブプロジェクトでパイロットプロジェクトを進める場合、他のチームとの依存関係には留意する必要がある(依存関係があれば、選ばない方が良い)。
  • 対象となるプロジェクトではなく、対象とならないプロジェクトを挙げ、絶対にNGな条件でなければ、とにかくチャレンジしてみようという姿勢のほうが、熱意のある人が集まりやすいと考える。
  • ミーティングや面談を通して、プロジェクトで何がやりたいかをヒアリングすることでやる気を判断し、熱意のある人を選ぶことは重要。過去に所属していた組織でのパイロットプロジェクトの対象は、大規模ではないもので、影響の少ない内部向けのシステムやデータ分析ツール等が望ましいとされていた。
  • パイロットプロジェクトを募集する担当者が、自分たちでアジャイル開発を実践して体感するのも重要だと考える。また、パイロットプロジェクトが新規案件だと準備期間に時間がかかるため、新規案件にはこだわりすぎず、既存の開発環境が整っている改修案件から実践するのもよいかと考える。
  • パイロットプロジェクトからフィードバックを経て、作成予定のアジャイル開発採用基準ガイドブック(案)を改善していく目的であれば、新規案件でなくても問題ないと考える。プロジェクトが失敗したとしても、それをガイドブックに反映させられると捉えることもできる。
  • 過去に所属していた組織では、1年目は所属部署が所管しているポータルサイトの簡単な改修をパイロットプロジェクトとして1件実践したが、2年目からは半期に分けて4件のプロジェクトを並行して実施していた。大変だが、推進する立場としては学びも多く、プロジェクト同士を比較して検証することができる点はメリットである。
  • 作成予定のアジャイル開発採用基準ガイドブック(案)に沿って進めるだけでなく、プロダクトの成功に導ける人を関わらせることが重要。それが結果的に当該ガイドブック(案)の向上にもつながると考えている。

アジャイル開発に関する組織のナレッジ蓄積・活用

  • 民間での事例で、別々のアジャイル開発を行っている4チームの各スクラムマスターが定期的に集まり、ダブルループ学習として、ノウハウ共有や振り返りをしていた。デジタル庁の場合では、プロダクトオーナーの共有会があると有効だと考える。
  • 振り返りやOpen Space Technology、社内Wikiの作成等といった社内情報の共有とナレッジ管理を効率化するための取組を導入するのは有効だと考えるが、新しい仕事が増えることになるため、同時に業務量を減らす工夫をしなければ、疲弊してしまい継続できないのではないかと懸念する。新しい取組を始める際には、この点も検討いただくとよい。
  • デジタル庁内で既にナレッジを共有、蓄積するような仕組みがあるならば、それを活用すれば負担の軽減になるのではないか。
  • スモールスタートなナレッジ蓄積の取組として、東京都のプレイブックのようなアジャイル開発の有効性をまとめた記事があると、アジャイル開発の良さを共感してもらえて、多くの職員に広めることができるのではないか。内容は難しくせず、アウトカムを中心にするのが効果的である。
  • 熱意を持った人を集めるために、コミュニティ作り、共同化から始めることが多い。また、興味を持ってもらえるよう実務に関連した内容の研修にするなど、研修内容を充実させることも有効である。
  • コミュニティを作ってイベントを開催することは有効である。また、アジャイルCoEが、生成AIを活用して記事や動画等の複数のメディアを作成するような仕組みを作っておくと、継続もしやすく、様々な媒体を介してアジャイル開発が広がりやすくなるのではないかと考える。
  • アジャイル開発に興味を持ってもらうためのフックとなり得る研修内容について、効率化を体験してもらう体感型の研修は、参加者にインパクトを与えることができ効果的だと考える。
  • スタートダッシュのためには、現場の人向けではなく、上層部や開発に入らない人も一緒に受けることが可能な、アジャイル開発を理解できる研修があると、現場の人が説明しても理解されにくい専門的な内容への理解が深まると考える。
  • 調達関係で会計制度との調整で、会計担当部署と認識の齟齬が生じないように、調達と開発の方法にはアジャイル開発という方法があるということを、デジタル庁内へアナウンスし、ひな形も準備して、滞りなく手続きできる状態にしておくと普及しやすい。

以上