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事業者のデジタル化等に係る関係省庁等連絡会議(第2回)

概要

  • 日時:2023年12月18日(月)14時から14時45分まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. 公的手続等のデジタル化に関する対応状況等について
      2. 事業者の業務プロセスのデジタル化に活用できるツール等について
        • デジタルインボイス、ZEDI、Jグランツ
      3. 地域における事業者のデジタル化等を促進する取組について
        • 地方支分部局、地方自治体等の取組例
      4. その他
    3. 閉会

資料

議事録等

出席構成員

議長

  • 蓮井智哉(デジタル庁戦略・組織グループ審議官)

構成員

  • 中島朗洋(内閣官房内閣審議官(内閣官房副長官補付))
  • 中村広樹(内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議 事務局審議官)
  • 吉田宏平(内閣官房 デジタル行財政改革会議 事務局審議官)
  • 伊藤誠一(内閣府 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 谷滋行(警察庁 総括審議官)
    ※代理出席:塩野亜由美(警察庁 長官官房企画課 課長補佐)
  • 尾﨑有(金融庁 監督局審議官)
  • 近藤玲子(総務省 大臣官房 企画課長)
  • 中村功一(法務省 大臣官房 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 今福孝男(外務省 サイバーセキュリティ・情報化参事官)
    ※代理出席:森田光枝(外務省 大臣官房 情報通信課長)
  • 植松利夫(財務省・国税庁 長官官房審議官)
  • 豊岡宏規(文部科学省 大臣官房総括審議官)
    ※代理出席:小久保智史(文部科学省大臣官房総務課 行政改革推進室長)
  • 三田一博(厚生労働省 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 菅家秀人(農林水産省 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 牛山智弘(経済産業省 大臣官房審議官(IT戦略担当))
  • 松浦哲哉(中小企業庁 経営支援部長)
  • 岡本裕豪(国土交通省 大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 神谷洋一(環境省 大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 中西礎之(防衛省 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 上口洋司(日本銀行 業務局長)

議事録

蓮井審議官: それでは、時間となりましたので、第2回「事業者のデジタル化等に係る関係省庁等連絡会議」を開催いたします。

会議進行を担当いたしますデジタル庁の蓮井でございます。よろしくお願いいたします。

本日の会議ですが、構成員の皆様にはオンラインでご参加をいただいております。お忙しい中ご出席をいただきまして、ありがとうございます。

最初に資料1をご覧ください。

今回から、新たに内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局審議官に構成員として本連絡会議にご参加いただくことになりましたので、関係省庁等申合せを一部改正してございます。ご了承いただければと存じますが、特段ご意見等ございますでしょうか。

それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

議事に入ります。

本日の議事は、1つ目「公的手続等のデジタル化に関する対応状況等について」、2つ目「事業者の業務プロセスのデジタル化に活用できるツール等について」、3つ目「地域における事業者のデジタル化等を促進する取組について」、4つ目「その他」となってございます。

まず、議事1つ目の「公的手続等のデジタル化に関する対応状況等について」、初めに、デジタル庁の吉田企画官、土岐プロダクトマネージャー、ご説明をお願いいたします。

吉田企画官: デジタル庁の吉田でございます。

前回も若干ご説明しましたが、事業者向けの行政手続システムの整備の調査について、本日も今後どのように進めていくかというところをお話しさせていただきたいと考えております。

現在デジタル庁では、事業者向けの行政手続をシステム整備していく上で、共通機能や手続処理のシステム、利用体験の整理というところで取組を進めているところでございます。その現状把握として各省庁の行政手続の状況を把握させていただきたいと考えております。デジタル庁で整備している共通機能をどのような形で活用すれば各省庁の皆様が行政手続システムのデジタル化を進めていけるかを整理できるのではないかと考えております。

3ページです。前回ご説明した調査でどういったことをやっていこうと考えているかのご説明でございます。R3年にも旧IT室の時代に行政手続の棚卸しということで、どこまで手続がオンライン化されているかという調査がございました。こういったところの成果も踏まえまして、今後行政手続及び補助金申請のデジタル化がどこまで進んでいるかを確認していきたいと考えております。

4ページです。具体的には「主な質問内容」と書いてあるようなところについて確認させていただきたいと考えておりますが、行政手続であればどういった手続類型なのかであったりとか、本人確認、例えばGビズIDが使えるかどうかであったり、あとは決済ということで手数料等お金を扱う手続はあるのか等を順次確認させていただきたいと考えております。補助金に関しましても同様に、毎年補助金は予算事業として行われている中で、既存のシステム化がどういった形で進められているのかをご照会させていただきたいということでございます。

前回もご説明しましたが、オンラインの調査ツールを利用して、なるべく簡便に調査が実施できるようにしていきたいと考えております。

5ページです。具体的な実施時期でございますが、今後1月第3週のデジタル庁を中心に行っているPMOの実務担当者会合において、本調査に係る詳細な流れをご説明したいと考えております。その上で、第3週をめどに先ほど申し上げたような調査を開始していきます。可能であれば3月末、年度末のお忙しい時期になって恐縮ではございますが、まとめられればというところで考えているところでございます。

では、どういった調査ツールになるのかを、前回も若干お見せしましたが、アップデートしているところを土岐からお見せしたいと思います。よろしくお願いします。

土岐プロダクトマネージャー: PdMの土岐でございます。

今、まだ整理を進めているところでございますけれども、前回お見せしたものから少し修正等をさせていただいております。これはトップ画面になりますけれども、今回ぜひPMOの皆様であるとか、ユーザーの皆様と直接つながりたいというところもありますので、こういったサポートに連絡というところを設けたり、行政手続に関しても、入力に関してウェブだとなかなか入力が難しいという声もお聞きしたところでございますので、例えばこういったエクセル風に簡単にレコードを複製したりであるとか、コピー・ペースト等で簡単にこういった「実施済」といったところをコピーしてアップデートできるような仕組みを考えているところでございます。

ほかに、補助金に関しても同じようなUIで入力をできるようにしたり、詳細な内容も分かりやすいように入力するように整理を進めている状況です。

あとは、少なくとも各府省庁のPMOの皆様には、実施省庁におけるダッシュボードなども見えるようにしたいと改善を進めているところです。実際には1月にPMOの皆様にご案内をさしあげて、ぜひ意見も収集させていただきながら、こちらを修正して進めさせていただければと思っております。

以上になります。

蓮井審議官: ありがとうございました。

続きまして、国税庁の植松審議官、ご説明をお願いいたします。

国税庁(植松審議官): 国税庁の植松です。ありがとうございます。

前回国税庁からご説明いたしました4つの公的手続のデジタル化に関する案件がございましたけれども、それらの対応状況についてご説明したいと思います。

スライドの2ページ目でございますけれども、まず「給与所得情報のマイナポータル連携等の推進」と、2番目の「マイナポータル連携の対応事業者の拡大」のうち年末調整手続の電子化の呼びかけに関しましては、この赤字で書いてございますように、12月7日付で各府省庁等へ協力依頼を発出させていただいてございます。既に対応いただいている省庁の皆様には、本当にありがとうございます。また引き続きご協力をお願いします。特に給与所得情報のマイナポータル連携の関係で、源泉徴収票の提出期限が来年1月末ということになってございますので、時期を逸することなくご対応いただければ大変ありがたいと考えてございます。

3番目の「申請における納税情報の添付自動化の推進」の関係でございますけれども、1番目の矢羽根に書いてございます関係省庁において、納税情報が必要な申請システムの改修の可否・時期等を検討することにつきまして、各府省庁等へ作業依頼を12月14日付で発出させていただいてございます。お手数ですけれども、ご検討、ご対応いただければと思ってございます。

残りの部分は、主に地方自治体関係、金融機関団体関係でございますけれども、現在関係省庁と対応を検討中でございます。改めてご相談するところもございますけれども、引き続きご協力のほどお願いしたいと思います。

私からは以上です。

蓮井審議官: ありがとうございました。

以上のご説明につきまして、ご意見やご質問等ございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

ちなみに、植松審議官からご説明がありました給与所得情報のマイナポータル連携、大臣も非常に関心が強く、発信しておりますので、引き続きこちらにつきましてもご協力のほどよろしくお願いいたします。

では、次の議事「事業者の業務プロセスのデジタル化に活用できるツール等について」に移ります。

初めに、デジタル庁の加藤企画官、ご説明をお願いいたします。

加藤企画官: デジタル庁でデジタルインボイスを担当しております加藤と申します。よろしくお願いします。

1ページです。最初に皆さんにお伝えしておきたいことは、Peppolやデジタルインボイスというものが一体何なのかということです。その上で、その文脈において、それを普及させるとか定着させるということがどういうことなのかを簡単に整理させていただこうかと思っています。

よくある誤解なのですが、マスコミも含め、Peppolについて「全然認知度が進んでいない」、「理解が進んでいない」、「デジタルインボイスについて認知されていない」という意見も散見されますが、そもそもPeppolそのものはサービスやプロダクトではございません。ユーザーが目の前で自分が使うサービス、プロダクトの「材料」でしかありませんので、ユーザーはその「材料」を本来知ることも必要はなく、目の前のサービスが自分にとって使いやすいものになっていればいい、そのための「材料」がPeppolでしかないということですので、ここは今日ご出席いただいている関係省庁等の皆様にも理解していただきたいと思います。

では、Peppolの普及や定着はどういう意味なのかというと、普及というのは、Peppolネットワークでデータをやり取りできる事業者、サービスプロバイダーが増えることだと思っています。その上で、定着というのは、実際にユーザーがPeppole-invoiceを扱えるシステム、ソフトウエアを使うようになる、そして、そのベネフィットを享受するようになる、こういうことだと思っています。

この話をしてよく誤解されることなのですけれども、右側の絵のところに書いています。ヨーロッパでも最初はPeppolという難しいものをユーザーもしっかり分かっていないといけないのだみたいな話が3年前ぐらいにはあったのですけれども、最近はもうはっきりSMEはこうだと。
「Wedon’tneedatechnology.Weneedaservice」。結局テクノロジーとか難しいことは理解せずとも、サービスだけちょうだいというようなスタンスに変わってきましたので、そういう意味では定着する土壌はできてきたのかと思っています。

もう一つ、この絵の中の「itdoesn’thavetobecheap....itmustbeFAIR!」、ヨーロッパ人的な考え方ですね。日本ですとどうしてもこういうサービスは価格が低価格であることが問われますが、いろいろな機能が備わっていて、そもそもe-invoiceをやり取りするだけにお金を払うということではなく、例えば、そのやり取りされたデータの自動処理、自動処理された結果の活用といったものも含めて考えれば、必ずしもチープである必要はないのではないかというのが今の世界の動きですが、若干まだ日本のベンダーの皆さんの話を聞いていると、チープであるべきだという考え方はあるようです。

ベンダーサイドだけでなく、今、日本各地でいろいろな普及・定着に向けた取組が進んでおります。1つ目は、もう報道もされているので実名でいくと「岐阜モデル」ですね。岐阜県が主導している取組でございます。県内の中小100者でPeppolのサーティファイドサービスプロバイダーが中心になってイニシアチブをやっています。24年、来年の夏ぐらいから本格稼働すると聞いておりますので、今、準備をしていただいている、そういう状況でございます。

もう一つ、地方自治体のB2Gの取引、要するに、地方自治体の公共調達の請求の場面でのPeppole-invoice対応ということでございます。これもサービスプロバイダー、事業者の一つが政令指定都市のB2GにおけるPeppole-invoice対応を目指すということで、実は来月からキックオフして本格的に始まっていくプロジェクトがございます。ちなみに、政府のほうはGEPS等の対応は令和5年10月に済んでおりますので、Peppole-invoiceを受け取れる状況になっています。これからは地方自治体のB2Gでどう進めていくか、こういうイニシアチブが必要になります。

最終的には、先ほど申し上げたとおり、サービスプロバイダーや地方自治体など、官がリードするのではなくてユーザー自身がベネフィットを感じて自分たちのコミュニティーの中でPeppole-invoiceを活用していくことも重要になってまいりますので、そういう意味ではユーザーが中心となるイニシアチブな取組をこれからどんどん起こしていかないといけないのですが、そのようなイニシアチブの中では、地銀さんなどの役割も大きいのではないかと思っており、その辺もうまくサポートできればと思っています。これも実は来月、結構大きな政令指定都市のY市の地元の事業者の皆さんが、地元の金融機関、地銀と一緒になってイニシアチブを始めていくということもありますので、こういった動きが来年の上半期で日本全国で面的に行っていくと、その流れの中で普及・定着は進んでいくのかと思っておりますので、こういったことをうまくサポートできればと思っております。

私からの説明は以上となります。

蓮井審議官: 加藤企画官、ありがとうございました。

今までのご説明につきまして、ご質問、ご意見等がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

続きまして、金融庁の尾﨑審議官、ご説明をお願いいたします。

金融庁(尾﨑審議官): 金融庁の尾﨑です。

全銀EDIシステム(ZEDI)について簡単にご説明したいと思います。

1ページですが、資料の一番上にありますように、企業間の送金電文のXML化を実現するために、2018年の12月に銀行界が企業間のデータ連携基盤となる全銀EDIシステム(ZEDI)を構築しました。XML化の実現により、送金電文の長さや電文上のデータの関係や意味づけを、自由に設計・変更可能にできるということで、現在の通常の全銀システムで行う電文は固定的な長さしかないのですが、これが自由に設計できる点でXML化はメリットがあります。ZEDI導入についてどのようなメリットがあるかというと、次のとおり、支払企業から受取企業への送金(決済)を行うときに、請求書番号や請求書発行日などの請求情報を添付し連携することで、支払いと請求の対応関係が明らかになりますので、入金消込業務の自動化等、決済・経理業務の効率化と生産性向上に寄与するということです。

もう少し詳しく説明しますと、資料の左下に「入金消込業務における課題」とありますが、現在、企業においては、売掛金の入金消込業務に多くの時間と手間・コストを要しています。受注企業はお金を受け取るほうの企業であり、複数の取引分が合算された金額で受け取る場合、売掛金の明細が合わないと、個々の請求書の控えを細かくチェックするなどして、その差額の原因を探る必要があります。そのため下の図表にありますように、半数以上の中小企業が入金消込業務に月5時間以上の手間をかけています。

これに対して、右の図にありますように、このZEDIを利用しますと、振込に情報を添付できるということになります。つまり、先ほどの請求書の番号や請求書の発行日などを添付できますので、どの請求書に対応した支払いなのかが分かるということで、入金消込業務が格段に効率化します。例えば1か月分の売上がまとめて振り込まれた場合でも、明細が一目瞭然になるということです。

2ページに行きまして、ZEDIはそういう目的を持って導入されたものですが、残念ながら今まで十分に普及していない状況にあります。その理由の一つとして、このZEDIを使う際の仕様が標準化されていないという問題があったのですが、ここに来て、デジタル庁からお話がありましたように、デジタルインボイスの標準仕様が公開されたということがございますので、これを受けまして、全銀ネットにおきましても、このデジタルインボイスに特化した、これに対応した金融EDI情報の標準、DI-ZEDIを策定しました。

これにより、デジタルインボイスに対応するような形で標準化されたフォーマットをもって金融EDIを使うことが可能になりますので、2ページの図にありますように、左側の赤字で書いてあるように、デジタルインボイスをインプットデータとしてXML電文を自動生成して、右側にありますように、インボイスデータ等と入出金の明細のひもづけによる入金消込の自動化ができるようになります。今回のこのデジタルインボイスの標準仕様の公開と、それに合わせたデジタルインボイスに特化したDI-ZEDIというものの策定を通じて、全銀EDIシステム(ZEDI)の利用が今後広がっていくことを期待しているところでございますし、金融庁としてもそのために支援を行っていきたいと思っています。

私からは以上です。

蓮井審議官: ご説明ありがとうございました。

ただいまのご説明につきまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いできますでしょうか。

デジタル庁の加藤企画官と金融庁の尾﨑審議官のご説明で、連携した形で取引から最終的に入金、消込までに至るところの一連がデジタル化されていくことによって、相当大幅な生産性向上や効率化が図れるようになってくるということでございます。ぜひこういったことについてもPRして広げていければと思ってございますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

続きまして、デジタル庁の吉田企画官、ご説明をお願いいたします。

吉田企画官: 吉田でございます。

私からはJグランツについてご説明さしあげます。

2ページです。Jグランツにつきましては、汎用的な補助金申請のシステムということで、まさに補助金事業は予算が成立すると同時に事業者に委託してシステム開発等をやるケースが多いかと思いますけれども、そういったことを不要にして、このJグランツという補助金申請のシステムを使っていただくことで補助金申請の電子化を簡易にしていこうと、ユーザーにとっても使いやすいものにしていこうというところで取組を進めているところでございます。補助金適化法で定められた手続をベースに、補助金の実績報告や支払いまで含めて全てのプロセスを電子化したものになっております。事業者に関しましては、GビズIDを使ってログインしていただいて、我々こちらの国・地方の補助金事務局が実際に補助金を申請するフォーム等をつくって、それを通じて申請していただき、その後のプロセスも進めていっていただくという形の仕組みになっているところでございます。

現状は年間60万件ぐらいの申請を処理する能力しかないところでございますが、来年度以降、大幅な改修を予定してございまして、こちらが完了しますと、年間1000万件近くの補助金申請を処理できるようになるというところがございます。こちらにつきましては、行政事業レビューの中でも河野大臣から持続化給付金の反省を踏まえて事業者向けの補助金申請をきちんとデジタルにしていく必要があるという話と、補助金申請から得られたデータをきちんと効果検証して使えるようにデータとして取っていく必要があるのではないかというところも発言がございますので、なるべくJグランツを使って補助金申請の電子化を進めていっていただきたいというところが、我々デジタル庁としても考えているところでございます。

3ページです。Jグランツに事業者の方がログインする際には、このGビズIDという認証のサービスを使ってございます。法人・個人事業主が1つのアカウントで様々な行政手続にログインできるシステムになっております。こちらもJグランツだけではなくていろいろな手続で利用されておりまして、既に100万者以上がこのアカウントを取っていると。そういった手続のシステムとしても172システムと既に連携しているという状況まで来ているところでございます。

4ページです。実際にJグランツでどういったことができるのかというところでございますけれども、まず、補助金事務局、これは各省庁の皆様で補助金を持っている場合には、その補助金をセットアップしていただいて、例えば補助金申請のフォームをここの上でつくっていただくという形になってまいります。一番右のところで、そういった補助金のフォームがきちんとオンライン上でできますと、事業者からそのフォームを通じて申請が来るという形になってまいります。その申請を受付、審査するというところが、また事務局の部分として機能としてはございます。例えば外部の審査員等に審査していただく場合も、同じシステム上にログインしていただいて、その審査を行っていただくことも可能になってございます。

5ページはもう少し具体的なイメージでございますけれども、事業者から見た場合には、事業者の自分のアカウントでログインして、自分の補助金申請の状況がどうなっているかであったりとか、補助金の一覧から自分が申し込みたい補助金を検索するところも可能になってございます。さらに、申請入力ということで、先ほど申し上げたとおり、各補助金事務局がつくった補助金申請フォームを埋めて、それを公募・交付段階両方とも申請ができるところになっています。さらに、各補助金事務局でどういう審査状況になっているかもマイページで確認できるというところが、事業者から見たときのJグランツの機能になってございます。

6ページです。逆に補助金事務局から見たときにはどういったことになってまいりますかと申しますと、まず、この補助金に関わる事務局であったりとか、外部審査員にアカウントを発行して、実際に補助金の申請フォーム等、あとは実際に補助金申請のワークフローですね。公募と交付を一体でする補助金など、様々な補助金の手続フローがございますので、そういったものにも対応できるようになっているところでございます。また、補助金申請、一度オープンしましたら各者から補助金申請が来るわけでございますけれども、その来た補助金申請の内容も一覧管理ができるようになるところで、紙でこれを管理している場合だと、どこまで審査したのかとか、そういったところを手作業での管理になるかと思いますが、そこがシステム上で一覧性を持ってステータスも含めて管理できるところになりますし、審査等もその上で行うことができるところになってまいります。

7ページです。利用実績としましても、現状、累計で申し上げると786の補助金で使っていただいていると。国については537、自治体では249というところで、全体の申請の年度累計としましては43万でございますけれども、こういった形で申請事業者数でいえば16万者というところで進んできております。実際に使っていただいている府省庁も14府省庁で、自治体に関しましては、どちらかというと都道府県レベル、あとは政令市が多くございますが、40自治体で利用していただいているという実績もございます。

8ページです。先ほど来年度改修を進めるというお話をさせていただきましたけれども、現状のJグランツのユーザーインターフェースも若干使いづらいというお声もございますので、そういったところを踏まえまして、来年度の改修ではこの事業者向けの申請のインターフェースや検索のインターフェースも、分かりやすく右側のように整理していく形になります。

9ページです。加えて、事務局につきましても、同じくユーザーインターフェースの改善というところ、これはデジタル庁のデザインシステムも生かしながら改善していくということを考えているところでございます。

こういったJグランツのご説明をさせていただいてございますのも、先ほど申し上げたとおり、今後補助金申請の電子化というところ、我々デジタル庁でも調査を進めさせていただくところでございますが、まだ補助金申請の電子化が進んでいない省庁の補助金がございましたら、ぜひこちらのご活用をご検討いただければというところでございます。

以上でございます。

蓮井審議官: ご説明ありがとうございました。

ただいまのご説明につきましてのご質問、ご意見がございましたらよろしくお願いいたします。

最初のご説明にありました行政手続の調査と併せて、この補助金の手続についての調査も行わせていただくことになると思いますけれども、そちらにつきましても併せてご協力いただければと存じます。1月以降の調査になるかと思いますが、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。

続きまして、3つ目の議事に移ります。「地域における事業者のデジタル化等を促進する取組について」ということでございますが、国税庁の植松審議官、ご説明をお願いいたします。

国税庁(植松審議官): 植松です。引き続きお願いします。

国税局・税務署における各種団体等との連携・協力につきまして、私から報告させていただきます。

資料7の2ページ目からスタートいたしますけれども、右側に取組事例のご紹介として7つ挙げてございます。あくまでも例でございますけれども、それぞれ簡単にご紹介したいと思います。

3ページございますが、1つ目は沖縄国税事務所で取り組んでおります、沖縄県内の経済取引や税務手続のデジタル化及びキャッシュレス化の推進でございます。構成団体としては、沖縄県の経済団体会議ということで、商工会議所でありますとか、経済同友会でありますとか、建設産業団体連合会、商工会、中小企業団体、農業協同組合、漁業協同組合等の連合会ということで、それと国税事務所が連携しまして、デジタル化に関する情報発信や講習会の共同開催等を計画しているものでございます。

4ページが、福岡国税局・佐世保署でやってございますe-Taxの利用促進、キャッシュレス納付の利用拡大、インボイス制度の電子申請による早期登録ということで、これにつきましても、税理士等の関係民間団体と商工会議所、さらに佐世保税務署で、商店街等における横断幕の掲示やインボイスの登録に係る街頭広報を実施してございます。

続きまして、3つほどキャッシュレス納付の関係が続きますけれども、5ページは、熊本国税局におけます、熊本県におけるキャッシュレス納付の推進ということで、税理士会等の関係民間団体に加えまして、地方自治体、さらには日銀の熊本支店、銀行協会、地元金融機関等と国税局、県内税務署ということで、これは宣言式を開催しているわけでございますけれども、この宣言式の模様がテレビ4局、新聞5社、合計11社の取材を受けていろいろ広報されたということで、そうした意味での意識醸成にも寄与しているということでございます。

続きまして、6ページです。大阪国税局のキャッシュレス納付推進宣言でございますけれども、これにつきましても、税理士会、納税貯蓄組合等の関係民間団体に加えまして、地方自治体、さらには日本銀行の支店でありますとか、都市銀行、ゆうちょ銀行、地元金融機関と大阪国税局で、金融機関と協働によるダイレクト納付の操作体験会や、日本銀行の大阪支店からの提案でグループ討議などもやっているということでございます。

続きまして、7ページです。福岡国税局・佐賀県内の税務署5署の取組で、キャッシュレス納付の推進もやってございます。税理士会等の関係民間団体、商工会議所、商工会、中小企業団体に加えまして、地方自治体でありますとか、地元金融機関と佐賀県内の税務署で、取組としては、関係民間団体や金融機関の職員に対しまして、キャッシュレス納付の手順などの説明を実施したということでございます。

最後、8ページでございますけれども、こちらにつきましては、札幌国税局と北海道経済産業局、さらには北海道庁と連携いたしまして、共同セミナーをオンライン形式で3回実施してございます。3回のセミナーで延べ421名の個人・法人の事業者さんが参加したということで、中身としては、国税局からは制度面や経理のデジタル化の説明をしまして、経済産業局からはIT導入補助金の説明をしていただき、北海道庁からは道独自の中小企業支援策の説明を実施していただいてございます。

このように、例示でございますけれども、様々な取組をしてはいるのですけれども、まだまだこうした取組が限られてございまして、全国的にどのように展開していくのかが課題としてあります。また、中身としましても、ご紹介したように、広報や機運醸成が今のところメインになってございまして、事業者に対してもっと踏み込んで何ができるかということがございます。そのためにも、関係省庁の地方支分部局あるいは自治体や関係民間団体とよく連携する必要があると認識してございまして、この関係省庁等会議の枠組みの中でもご検討いただければありがたいと思いますし、ぜひ経産局等ほかの地方支分部局の取組についてもご紹介いただいて、そうしたものとも連携を進めていったらいいのではないかと考えてございます。

さらに、当面の対応として、国税庁におきましても、全国国税局長会議等におきまして、この関係省庁等会議の取組を共有しようと思ってございます。地方においてもぜひ横の連携ができればいいと考えてございますので、ご出席の省庁におかれましても、地方支分部局の方々と会議等で共有していただきまして、よりよい連携が図られますようお願いできればと思ってございます。

最後に、9ページでございます。地方支分部局の取組とは直接関係ないのですけれども、最近の動きとしまして、令和6年度与党税制改正大綱のご紹介をしたいと思います。12月14日に取りまとめられたものでございますけれども、「税務手続のデジタル化・キャッシュレス化による利便性の向上」としまして、下線部のところにございますように、近年のクラウド会計ソフト等の普及に伴う事業者のデジタル化の進展等を踏まえ、デジタルを最大限に活用し、納税者の事務負担の軽減等及び適正・公平な課税・徴収の実現を図る観点から、取引に係るやり取りから会計・税務までのデジタル化について中長期的に検討していく、また、デジタル化やキャッシュレス化に対応した税制の在り方や納付方法の多様化についても引き続き検討していく旨が掲載されてございます。こうした制度面からの検討と併せて取組を進めていく必要があると思いますので、引き続きこの関係省庁等会議でも連携のほどよろしくお願いしたいと考えてございます。

私からは以上でございます。

蓮井審議官: ありがとうございました。

ただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見等がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

植松審議官からお話がございましたけれども、各府省の皆様方にも地方支分部局等がおありのところもございますので、そういったところでこうした取組をされているというご紹介などがもし可能でしたらと思いますし、必要でしたら私どもも汗をかきたいと思っております。何か機会を捉まえてできればと思っておりますので、ぜひご協力のほどよろしくお願いしたいと思います。

それでは、最後の議題「その他」に移ります。

厚生労働省からご発言をご要望いただいております。ありがとうございます。厚生労働省の三田審議官、よろしくお願いいたします。

厚生労働省(三田審議官): 厚生労働省からは、雇用関係助成金に関するDX化の検討について口頭で紹介をさせていただきます。

現在、事業主からの雇用保険料を財源とする事業主向けの助成金は、コロナ特例分を除いても14種類52コースで、年間約40万件の支給決定が行われている状況です。今年の4月以降、GビズIDを活用した雇用保険関係助成金の専用ポータルによる電子申請を順次開始しましたが、申請に当たって事業主に求めている添付書類、例えば賃金台帳や出勤簿などですが、このような書類は企業によって作成方法や管理方法が異なっていて、現状では紙やPDFによる添付が大半となっているため、これらを職員が目視で確認している状況です。

そこで、申請者の利便性の向上や審査業務などの行政事務の効率化、そして、スピーディーな給付の実現の観点から、こうした現状を打開するための検討を進めていきたいと考えているところです。また、既存業務の棚卸しも行い、業務改善を含めた形でのデジタル化を進めていく必要もあると考えています。

なお、部分最適より全体最適を追求したデジタル化を進めることで、国民の利便性はより向上すると見込まれますので、関係省庁等の皆様のご知見もいただきながら、適宜連携・協力して進めていければと思っております。

今後省内に検討チームを発足させて、申請項目や添付書類の簡素化、賃金台帳等のデジタル化などについて検討を進めていく予定です。検討の進捗状況につきましては、この連絡会議でも共有させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

蓮井審議官: ご説明どうもありがとうございました。
今、ご説明いただいた件につきましても、我々としても当然ながら様々な知見の共有などご協力できるところはご協力したいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

以上で議事全てでございますが、本日は、国税庁から国税局・税務署が地域の経済団体等と連携して事業者のデジタル化を促進している取組、また、厚労省からも雇用関係助成金のDX化に向けた取組をご紹介いただいたところでございます。各府省等におかれましても、このような地方支分部局における取組や所掌分野におけるDX化の取組がございましたら、ぜひ次回以降の会議におきましてご紹介をいただきまして、関係省庁等の連携・協力を様々な形で進め、深めていければと考えておりますので、何とぞよろしくお願いします。
以上で本日予定しておりました議事は終了となりますが、最後に皆様方からコメント等がございましたらと思いますけれども、いかがでございましょうか。

それでは、本日の議事は以上でございます。

最後に事務連絡でございますけれども、次回会合の日程につきましては、後日、事務局よりご連絡をいたします。

それでは、以上をもちまして、事業者のデジタル化等に係る関係省庁等連絡会議を終了いたします。本日は、皆様、お忙しい中ご参加いただきまして、誠にありがとうございました。