モビリティワーキンググループ(第15回)
- 最終更新日:
概要
日時
令和8年(2026年)3月24日(火)11時00分から13時00分まで
場所
オンライン
議事次第
- 1.開会
- 2.議事
- (1)「交通空白」解消 取組の進捗状況について (国土交通省 総合政策局)
- (2)「交通商社機能」の調査事業の報告等
- (3)物流分野における技術動向等
- 「次期「総合物流施策大綱」の策定に向けた対応状況」について (国土交通省 物流・自動車局)
- 「自動運転トラックのビジネス・エコシステム」について (根本構成員)
- 「自動運転トラックの社会実装」について (株式会社T2)
- (4)モビリティ・ロードマップ2026骨子案、及び今後のスケジュールについて
- (意見交換)
- (5)モビリティ・ロードマップ2025記載の各府省庁施策の進捗状況について
- (意見交換)
- 3.閉会
資料
- 議事次第(PDF/217KB)
- 資料1:構成員名簿(PDF/133KB)
- 資料2:「交通空白」解消 取組の進捗状況について(PDF/4,661KB)
- 資料3:「需給一体となったモビリティサービスの再設計に関する調査研究」の報告(PDF/2,226KB)
- 資料4:次期「総合物流施策大綱」の策定に向けた対応状況について(PDF/471KB)
- 資料5:自動運転トラックのビジネス・エコシステム ~海外商用化事例をふまえて~(PDF/1,757KB)
- 資料6:株式会社T2 発表資料(PDF/4,772KB)
- 資料7:モビリティ・ロードマップ2026骨子案(PDF/231KB)
- 資料8:モビリティ・ロードマップ2026策定に向けた今後のスケジュール(PDF/323KB)
- 資料9:自動運転の社会実装に向けた施策の取組状況、及び、今後の取組(PDF/16,551KB)
- 第15回モビリティワーキンググループ出席者一覧(PDF/240KB)
- 議事録(PDF/1,479KB)
議事録
三隅補佐: ただいまから、モビリティワーキンググループ第15回の会合を開催いたします。本日はお忙しいところ、ワーキンググループにご出席いただきありがとうございます。本日司会を務めます、事務局の三隅でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず事務連絡ですが、本日の会議はオンラインとのハイブリッド開催です。
オンライン参加の構成員の皆様は、会議中は常時カメラオンで、発言時にはマイクのミュート解除の上、ご発言をお願いいたします。他の方がご発言されている際は、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。また、傍聴者の方におかれましては、カメラ、マイクともオフにしていただきますようお願いいたします。なお、事務局内部での共有及び議事録作成のため、録音させていただきますので、予めご了承お願いいたします。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。事前にお送りさせていただいた議事次第に記載の通りで、資料1~9、ご出席者一覧となります。不足がございましたら、Teamsのチャット機能もしくは事務局までメールにてお問い合わせください。本日の出席者のご紹介につきましては、時間の制約もありますので、失礼ながらお手元の出席者一覧の配布にて代えさせていただきます。また、今枝デジタル副大臣が今回途中から参加される予定でございます。
それでは、ワーキンググループの開催にあたりまして、宇野主査よりご挨拶をいただきます。宇野主査よろしくお願いいたします。
宇野主査: おはようございます。本日はモビリティワーキンググループに、お忙しい中ご参加いただきまして誠にありがとうございます。開催にあたりまして、一言ご挨拶申し上げたいと思います。
前回、第14回モビリティワーキンググループにおいて、先行的事業化地域事業の選定案についてご審議をいただきました。
13カ所を選定地域として、3月6日に公表したところでございます。今後これらの地域につきましては、各府省庁の支援策を集中的に投入していき、成果を出していくというフェーズに入ると思います。
この選定にあたり皆様から貴重な意見いただきましたこと、改めて感謝申し上げたいと思います。本日は議事次第にありますように、まず国土交通省から交通空白解消取組の進捗状況についてご説明いただき、その後事務局の方から交通商社機能の調査事業の報告をいただきます。
その後、物流分野における技術動向等ということで、国土交通省、根本構成員、株式会社T2様からご説明いただきます。物流は産業の基盤になる分野だということで、人手不足など様々な課題を抱えている中の一つの解決策として、物流分野における自動運転の社会実装という非常に重要な課題だと思っておりますので、幅広い観点からご議論いただければと思っております。
さらに、モビリティ・ロードマップ2026の骨子案、そして今後のスケジュールについて、デジタル庁の方からご説明させていただき、加えまして、各府省庁の方からモビリティ・ロードマップ2025の施策の進捗状況についてご説明いただきます。
構成員の皆様におかれましては、忌憚ないご意見をいただくとともに、また関係府省庁におかれましても、構成員のご意見を踏まえて積極的に発言いただければと思っていますので、よろしくお願いいたします。以上です。
三隅補佐: ありがとうございました。
本日は議事次第に記載の通り、大きく5つの議事を予定しております。意見交換については、前半4つの議事終了後、最後の議事終了後の2回に分けて実施させていただければと思います。
それでは早速ですが、議事に移らせていただきます。資料2「交通空白」解消取組の進捗状況について、国土交通省総合政策局よりご説明いただきます。よろしくお願いいたします。
星モビリティサービス推進課長(国土交通省): 国土交通省総合政策局でございます。機会をいただきありがとうございます。本日はまず、交通空白の解消の取組進捗状況についてご紹介させていただきます。
地域交通を取り巻く状況、これまでもご紹介してまいりましたが、バス事業の運転者不足に起因しまして、路線の廃止が止まらない状況でございます。これまで生活の不便もありましたが、これから厚生労働省の方で、新たな地域医療構想の推進、そして文部科学省の方で小中学校の統廃合が進むという予定でございまして、これらはますます需要が高まる想定をしているところでございます。
国土交通省では、令和9年度までに交通空白解消に目途をつけようということで、官民連携プラットフォームを作り、そして様々な伴走支援を取り組みながら、持続可能な体制に移行していこうと努力をしております。
官民連携プラットフォームは、いずれ自動運転の方の官民連携プラットフォームにも成長していくことを想定しておりますが、これまでにおよそ全国の半数の自治体に参画いただき、色々な各地域の取り組みを、現場の運輸局も含めて応援させていただいているところでございます。
こちらの官民連携プラットフォームの方で、パイロットプロジェクトを進めながら、ナレッジの共有をしていこうということです。また、様々な事業者と自治体の方々とのマッチングをご支援させていただき、様々なソリューションの開発、そしてその成果を共有いただくことを進めております。
このプラットフォームの会員数は、おかげさまで順調に伸びており、こうした理念、取組が確実に浸透していることを実感しております。
このような状況を踏まえ、先ほど申し上げた通り、これからますます学校や病院の統廃合で状況が厳しくなるため、一層の仕組みづくりを進める必要があり、地域交通法の改正を念頭に、昨年、審議会の方で取りまとめをさせていただきました。
キーワードの1つ目は、共同化・協業化ということです。行政、市町村、あるいは都道府県の壁を越えて、共同化・協業化を進めていくことについて、一つの柱立てをさせていただきました。そして2つ目になりますが、財政が脆弱な自治体もあり、連携を促進する外部組織を活用いただくことを法定化しました。そして、広域輸送ニーズへの対応に向け、一部事務組合、広域連合、都道府県なども、公共ライドシェアの実施主体として一定の要件で参画できるようになる予定です。これらの共同化・協業化を進めるためにデータ利活用が大変重要で、今回法律で交通事業者からのデータ提供の義務付けをさせていただき、地方公共団体がルールを遵守しデータ活用した交通体系を実践していく体制とする予定でございます。
12月26日に取りまとめを公表しておりますが、早速実際の法律案として3月10日に閣議決定いただき、通常国会に提出する予定です。おそらく4月中旬頃からの国土交通委員会での審議になると思いますが、今お話したような事柄、共同化、協業化、そして地域資源についてセクターを超えてフル活用していく。あるいは相互に活用し、医療や学校の運営などをお支えしていくという、相互連携を図るための法改正をさせていただきます。
このように、共同化、協業化をするような仕組みについて法令で定め、データの応諾義務などについても規定させていただく予定ですので、ご承知おきいただければと思います。
今お話したような事柄が、A3ポンチ絵に記載・公表しておりますので、是非お目通しいただければと思います。左半分が地域資源をフル活用して共同化を進めようということ。
今回、地域交通法に病院、学校、商業施設などの主体に対しても協力について努力義務を課させていただき、従来はスクールバス、病院の送迎、介護等の送迎がバラバラに行われておりましたが、これを総括して需要を統合し、そして安定供給できるような最適な形に再構成をしていく方向で法定化させていただきます。
また、こうした仕組みを推進していく、行政を超えた連携を推進していくための連携促進団体というものを法定化させていただき、さらにデータ活用推進に向けた仕組みづくりをさせていただく予定です。是非、皆様もお目通しいただければと思います。
次のページは、参考資料、イメージ図でございますので、お時間があれば見ていただければと思います。様々な事例もご紹介させていただいているところでございます。
次のページですが、社会実装に向け、データ利活用関連のデジタルプラットフォームを整備することが必要です。そのような観点から地域交通DX「COMmmmONS(コモンズ)」というプロジェクトを昨年度から立ち上げており、今日はこの成果についても一部ご紹介させていただきます。様々な領域のデータ標準化、または業務自体の標準化を進め、自動運転時代に対応できる仕組みづくりを進めております。
次のページ、コモンズと呼んでおりますが、移動というものが社会全体の共有財産であるということを浸透させるために、デジタルの利活用を積極的に推進しているところです。このように、ベストプラクティスの創出、そして標準化を進めながら、過剰に細分化されてしまった、サイロ化と呼ばれるものが、ビジネス創出や市場拡大の阻害要因になっていると考えております。これをつなげていかないと自動運転社会への移行もできないため、サービス、データ等がバラバラに細分化されているところを標準化し、皆様で連携・共同できるような仕組みづくりを整備させていただきました。4領域21プロジェクトを推進しましたが、今日は主だったものだけご紹介させていただき、これがワーキングでも色々議論いただいている課題への一つの出口となります。地域施設送迎のリソースシェア推進プロジェクトですが、ドライバーも車両も、介護施設、病院、学校、観光施設などにバラバラに散在し、バラバラに輸送されておりました。そのような状況下で、ドライバーの確保を含む輸送の円滑な提供が非常に難しくなってきており、円滑な形で需要と供給を統合するためのシステムを開発し、全国5地域で実装して始めているところでございます。
このように、様々な分野の標準化を進めてデータ連携を実現し、自動化・省人化を図っていくことで、コストを下げていく。例えばバス事業では、人件費の4割がバックヤードの人件費に充てられています。これをAIにより自動化することができれば、交通事業の収益性、コスト構造も大きく変革し、サービス水準が変わってくると考えております。
今年度は、まずプロトタイプ、バージョン1.0のようなものをご用意し、実際に実装を進めながら品質向上を図るフェーズに移行しました。
次年度から関連予算も拡充し、補正予算から早速執行を進める予定です。
具体的には四本柱で交通空白の予算を用意しておりますが、特に「地域交通DX推進タイプ」というところを新設しました。全国の主要なバス事業者、タクシー事業者、ベンダーの方々が、非常に前向きに取り組んでいただいており、こうした領域から自動運転社会に向けた移行、そしてデータ化による近代化、または需給の総合調整が自動的に進むような仕組みづくりが実装されていくと思います。
お時間いただきありがとうございました。是非皆様と今後も議論を深めていければと思います。よろしくお願いいたします。
三隅補佐: ご説明ありがとうございました。続いて、資料3「交通商社機能」の調査事業の報告等について、KPMGコンサルティング社よりご説明いただきます。よろしくお願いいたします。
モビリティワーキンググループ事務局山中: KPMG山中からご説明申し上げます。
本資料の構成ですが、これまでの皆様からのご意見や議論の内容を踏まえ、今後のガイドラインとりまとめに向けた考え方を整理しておりますので、この流れに沿ってご説明申し上げます。
4ページ目、皆様から今までに頂戴したご意見や議論の内容を整理した表となります。
議論内容を簡単に振り返りますと、Aにあるような「交通商社機能の検討スコープや目的をより明確にすべき」というご意見に加え、Bに記載の「持続可能な事業モデルの実現のために、地域既存リソースの活用や需要創出」といった観点が重要である旨のご意見。
またCでは、「事業を支える人材育成や広域連携といった環境整備の視点」の重要性。
最後にDでは「交通商社機能の整理方法についても、要因分析や、人口以外の視点からの整理をしてはどうか」といったご意見を頂戴しました。
頂いたご意見を踏まえ、「交通商社機能ガイドラインのとりまとめの方向性案」を事務局案として検討しており、順にご説明させて頂きます。
5ページ目、まずこれまでの議論の全体像を整理しており、内容をご説明申し上げます。
6ページ目です。こちらのページでは、過年度までの交通商社機能に関わる議論内容および、今年度の調査における主な検討のポイントをお示ししております。
モビリティ・ロードマップ2025に示された「交通商社機能」の考え方をベースとして、本年度の主な検討ポイントとしては2点ございます。
1点目は、従来の「需要と供給を束ねる」という役割に加えて「原資を束ねる」という視点を新たに明確化しております。こちらは地域の交通を持続していくにあたり、多様な原資を求めていくことが今後より重要になっていくと考えているためです。
2点目は、そのように束ねることを実現するための具体的な交通商社機能等について詳細化の検討を行っております。こちらについては、デスクトップリサーチに加え、実際の事業者や自治体等へのヒアリングも行い、地域の現場で起きている事実をベースとして、整理体系化しております。
7ページ目では先に申し上げたような検討内容を踏まえ、地域交通を支える全体像を1枚絵で示しております。
ページ下段で示す多様な移動モードを束ね、限られた供給力を有効活用していく機能。また、ページ上段に示す多様なニーズを束ね、供給と需要を繋げていくような機能。これらの機能群を実行していくために必要な、お金を多面的な切り口から確保する機能。そして、今までの議論でも言及いただきました、地域交通を支えるための人材育成やデジタル化といった環境整備を左側に示しております。こういった機能群を地域に実装していくために、一体的な支援の必要があることを、全体像のコンセプト図として整理しました。
8ページ目ですが、本日のご議論のポイントを端的に示しております。
第13回モビリティワーキンググループにおいて事務局から交通商社機能の分類案等についてマッピングなども活用しながらご説明を行い、構成員の皆様からもご意見を頂戴いたしました。
今回の交通商社機能の整理においては、皆様からのご意見も踏まえながら、想定されるガイドラインの主な読者である自治体および関係者にとって、自身が抱える課題を解決するために分かりやすいガイドとなっているかどうか、を重要視しており、事例調査の整理にあたっては「他の自治体に対してどのようなアプローチをしたのか?」を参照できるような点を意識しております。
構成員の皆様からも、このような観点も踏まえつつ、多様なご意見を頂戴できれば大変ありがたく存じます。
続きまして、9ページ目からは、交通商社機能の類似事例調査の結果についてご説明させていただきます。
10ページ目です。今回の事例調査では、全国およそ1,700自治体を母集団とし、交通商社機能の具体例となり得る地域を段階的に絞り込みました。
3つの要件をもとに最終的にヒアリング等を行う深掘り調査対象として8地域を選定いたしました。
11ページ目でお示ししている8地域が選定地域となり、人口規模や公共交通が抱える課題も様々で、課題や取組のバリエーションを意識し、異なる条件下で交通商社機能がどのように実装されつつあるのかを比較可能としています。
12ページ目では、各地域の抱える課題を、需要・供給・資金の観点から整理しております。
先ほど申し上げた、ガイドラインの読者である自治体等の関係者が、自身の地域が抱える課題と近しい事例を参照してもらうことを想定した整理となっております。
13ページ目では、そういった各地域が抱える課題に対して、交通商社機能として需要面でどのようなアプローチを行っているかを整理しています。
例えば、需要に関しては高齢者の潜在需要を掘り起こすような取組が見られます。
14ページ目は、同様に資金面での工夫について整理しております。
多くの自治体で、自治体予算に加え、民間企業の共同出資、企業版ふるさと納税など、複数の財源を組み合わせるということ。また、自治体の交通以外の福祉等の事業予算を転用するなど様々な工夫をしている事例もございました。
15ページ目から19ページ目は、実際の地域調査事例を抜粋したものでございますので、こちらの詳細説明は割愛させて頂きます。
20ページ目からこれまでの事例調査を踏まえた整理結果をご説明します。
21ページ目をご覧ください。
今回の分類案では、交通商社機能を、自治体が抱える課題を起点に整理するという考え方を採用しています。これは、前回ワーキンググループでお示ししたような人口規模や人口密度といった軸では、限られた事例調査数ということもあり、厳密な傾向およびマッピングを網羅・定義することが難しいためです。
従って、自身の地域の状況を踏まえ、どの事例パターンを参照すれば良いかを判断するフローとして整理を用意しております。
具体的には、まず自治体の規模等を踏まえて、交通供給力の調整余地があるかを確認するフローとなっております。現実問題として、需給の最適化を検討する際に、供給力調整余地が少ない場合、交通商社機能にて対応できることが、ある程度限定的にならざるを得ない、という実情が事例調査の結果見えてきたためです。ただ、これは決してネガティブな分岐では無く、「地域の実情に合わせた交通商社機能の実装を目指す」という、あくまでも実効的な観点での分岐というような形となっております。そういった分岐でパターンAというような形になります。
次に、「誰の交通課題を解決したいのか」という観点での分岐を定義しております。高齢者など交通弱者の移動課題に対応したいのか、通勤・通学、観光需要などそういったところのガイドとなることを意図した分類としております。
この分類の考え方を用いて、自治体が自らの状況を客観的に整理し「自分たちはどのタイプに近いのか」、「どの事例をまず参照すべきか」を考えてもらうことを意図しておりますが、1つの自治体が複数の分類に当てはまる場合があることも前提としておりますので、柔軟に活用していただくことも想定しています。
最後のセクションですが、地域における交通商社機能の導入における成功要素についてご説明いたします。
23ページ目です。調査した自治体が抱える課題および対応アプローチを踏まえ、成功要因を抽出し、KSF(Key Success Factors)として体系化しています。
各調査事例において、ここで詳細をご説明することは割愛しますが、成功要因は決して単一ではなく、「組織・体制」、「ビジネスモデル」、「データ・デジタルツール」という複数の要素が重なることで地域の取組が成立しているというような背景がございます。
24ページ目では、先ほどのKSFを課題類型別に整理しています。
需要不足、需要過多、供給不足、資金不足といった課題ごとに、「どのKSFが特に重要か」を整理することで、自治体が自らの課題に応じて、まず何に注力すべきかを把握できる構成として意識しています。
最後の25ページ目で、交通商社機能の、先ほど分類したABCごとに、KSFの特徴を整理しています。
例えば、パターンAの地域住民等による共助等での解決志向型においては、地域課題に一緒に取り組んでくれるパートナーである事業者を獲得することで、取組が大きく進むことが事例調査を通じても重要なKSFであることが示唆されております。
このようにパターンB,C,Dにおいても、重要なKSFというところを整理しております。
最後に、繰り返しになりますが、今回のガイドラインでは、これらの整理を通じて、自治体等の関係者が「自身の地域は、どの課題に直面していて、どの類型に近く、どういう成功要素を意識すべきか」を、考えるための判断材料を分かりやすく提供し、交通商社機能の地域への実装を促進することを目的として今後取り纏めを行っていければと考えております。
以上で、事務局からの説明を終わります。
三隅補佐: 続いて、物流分野における技術情報等を共有いただくため、3名からご発表いただきます。まず、資料4「次期「総合物流施策大綱」の策定に向けた対応状況」について、国土交通省物流・自動車局からご説明いただきます。よろしくお願いいたします。
髙田物流政策課長(国土交通省): 国土交通省物流・自動車局でございます。次期「総合物流施策大綱」の策定に向けた対応状況ということで説明させていただきます。総理指示と記載ありますが、物流に関しましては2024年から、長時間の労働規制等に伴い物流の停滞が懸念されておりました。こういったことから、2023年3月に関係閣僚会議を設置しまして政策パッケージなどを検討してきました。令和7年3月の第6回閣僚会議で総理からご指示をいただき、輸送力不足が年々深刻化する2030年度までの期間を物流革新の「集中改革期間」と位置付けて、物流全体の適正化、生産性向上、自動運転等の抜本的なイノベーションに向けて総合物流施策大綱を策定すべく、早急に検討を開始するように指示をいただいております。このご指示を受けて令和7年5月に有識者検討会を設置し、9回ほどご議論いただき、3月3日の取りまとめを踏まえ、年度末の閣議決定を目指して現在最終的な調整をしているという段階です。総合物流施策大綱は平成9年が第1次ということで、今回8回目の計画で、任意の計画として5年に一度ほど改定をしているものです。この後ご説明いただく根本構成員に有識者検討会の座長をお務めいただき、議論を引っ張っていただいております。
大綱の中身について、概要を説明します。左の上の箱は、我が国の社会経済全体が直面する現状・課題ということで、人口減少、担い手不足、デジタル化やイノベーションということです。その上での物流を取り巻く現状・課題ということで、右側の赤いポツの2つ目になりますが、2030年度までの物流革新の「集中改革期間」において、今後担い手不足が深刻化する中で、必要な物流の機能を維持するための施策の具体化・深度化が必要であること。そして、これらを踏まえての政策の方向性ということで、下の段になります。将来にわたって物流の持続可能性を確保していくとともに、我が国の成長エンジンや公共性の高いサービスとしての物流のポテンシャルを最大限に引き出すということが求められております。また次のポツでは、こうした認識のもと5つの観点に分類をして、すべての関係者が一致団結して物流の未来を切り開き、さらなる飛躍の5年間となるよう責任と覚悟を持って施策を推進していこうということで、決意の方も述べております。物流はどうしてもコストとして捉えられがちですが、新たな価値を創造するサービスとして捉え直して、より上質で魅力ある産業へと転換させていこうという趣旨でございます。今後取り組むべき政策として5つの柱を挙げています。1つはサービスの供給制約です。ドライバー不足や運送業の生産性向上を図るという観点での徹底的な物流効率化が重要となります。2つ目としては、トラック関係の様々な法律改正を念頭においた商慣行の見直し、荷主・消費者の行動変容。また3つ目の大きな柱として、物流人材の地位・能力の向上と労働環境の改善等、人材に係る項目が挙げられます。4つ目として物流標準化、物流DX・GXの推進。そして5つ目として、厳しさを増す国際情勢や自然災害等に対応した、サプライチェーンの高度化・強靭化という、この5本が柱になります。自動運転に関しては、トップバッターとして、色をつけていますが、物流ネットワークの自動化・省人化の推進ということで、自動運転トラック、さらには自動物流道路などについてしっかり記載いただいております。こうしたものを見据えて、令和7年度の補正予算として、自動運転トラック実装支援事業をご用意しております。事業目的としては、高速道路におけるLV4自動運転トラックを活用した貨物運送について、一対多の遠隔監視等の実証経費や早期の社会実装に向けた初年度の運行経費の一部を支援する、ということで車両の導入経費や、物流拠点の整備・改修費用、またシステム構築・改修費等が挙げられます。補助率1/2以内ということで、支援メニューをご用意しております。こういったものを活用しながら、早期の社会実装を進めていくということで取り組んでまいりたいと思います。以上です。
三隅補佐: ありがとうございました。次に、資料5「自動運転トラックのビジネス・エコシステム」について自動運転トラックのビジネスモデル、エコシステムについて、根本構成員よりご説明いただきます。よろしくお願いします。
根本構成員: 敬愛大学の根本です。自動運転トラックのビジネス・エコシステムということで、話題提供をさせていただきます。ただいま説明がありましたように、総合物流施策大綱で自動運転トラックについて言及いたしました。前回の総合物流施策大綱では、自動運転トラックに関してほんの数行出てくるのですが、今回は半ページ以上割いてどのような政策を展開していくべきか、ということを書き込みました。
その中で重要なキーワードをあげますと、「①セミトレーラー等での自動運転の実用化も検討すべき」、「②ビジネスモデルに関する官民での検討を行うべき」、「③制度の見直しが必要ではないか」、「④高速道路外の物流施設までの区間におけるLV4自動運転の走行方法を確立したい」、「⑤自動運転トラックと貨物、港湾、空港等の輸送モードとの円滑な連携を図るべき」、「⑥合流支援・先読み情報等の路車協調システムの基準を策定すべき」、「⑦遠隔監視による一対多運行や複数事業者間での一元的な動態管理を実現するため、自動運転車両やデジタル式運行記録計等に記録されたトラックデータの利活用・連携を促す標準的なデータ形式を整理すべき」となります。
まず海外の事例を紹介したいと思います。中国のPony.ai社は、後続無人隊列走行のライセンスを取得し、商用化を目指しています。中国の長距離トラック輸送は魅力的な市場ということで自ら物流会社を設立し、運送の受託も検討しています。また、AIによる自律走行戦略を採用しており、高価な三次元地図に頼らず、安全性の高い運転を実現しました。また、AIにより低コストセンサー、すなわち性能の低いセンサーを用いて人間と同程度の判断を実現しました。
次に、アメリカのAurora社は世界で初めて、昨年4月に公道でのLV4自動運行に成功したと言われています。現在、Aurora社がトラクターを所有し運行管理していますが、2年後に自動運転技術の開発提供サービスに専念する予定です。自動運転技術開発方針としては、ルールベースの制約と機械学習を融合したVerifiable AIを採用しています。また、非常にわかりやすい安全性レポートを公開しています。
自動運転トラックのビジネス・エコシステムを考える上で、1つ目の要素となる自動運転ソフト会社のビジネスモデルを整理しました。現在Aurora社はこの中心に書いてある「Transportation as a Service(TaaS)」というモデルを採用し、商用化しています。すなわち、物流事業者に手動運転トラクターでトレーラーをAurora社のターミナルに運んでもらい、Aurora社が自動運転トラクターに交換し自動運転で長距離輸送をして、そして物流事業者にトレーラーを取りに来てもらうという仕組みです。また、2年後にはこの「Driver as a Service(DaaS)」に変えようとしています。すなわち、自動運転トラクターをできるだけ安く作り、物流会社に自動運転トラクターを保有してもらう予定です。これにより、物流会社は自社の自動運転トラクターで集荷・配達できるようになります。Aurora社は、遠隔監視、自動運転トラクターの定期メンテナンスに専念するということを考えています。
一方Pony.ai社は、DaaSも検討しておりますが、中国の長距離トラック輸送が魅力的ということで、自ら荷主と運送契約を結び、自ら荷物を集荷し、配達するということも考えております。物流事業者がいらない仕組みを考えています。
今説明したように、Aurora社は、①の切り替え拠点でトラクター交換をせざるを得ないというのは、Aurora社がトラクターを所有しているということと、三次元地図が未整備のところは走れないという要因で、交換ということが必要になります。その意味では、Pony.ai社が実現している直結の自動運転は、一歩進んだ、より進化した形態だと思います。また③の例として、中国のTRUNK社が、天津港ターミナルで、コンテナ船から無人ガントリークレーンで荷物を下ろし集荷に来たトラックに自動で積載する、自動化の進んだターミナルですが、そこに自動運転トラックを導入しています。そういう意味で、自動運転トラックと貨物、港湾、空港等の輸送モードとの円滑な連携は重要だと思います。要するに、もし物流事業者にトラクターを所有させ、二次元地図で自動運転が実現できるように進化し、Operational Design Domain(ODD)として、高速道路外も走れるようになれば、究極的に切替拠点がいらなくなるということになります。
また、制度の見直しも必要だと思います。現在、道路運送車両法、道路交通法、道路運送法の3つの法律で、少し観点は異なるものの類似の安全性の審査をして、安全保証体制を構築するように要請しています。しかしトラックはバス・タクシーと異なり、複数の県・地方運輸局を跨って運行するため、各県の公安委員会、各地方運輸局に申請が必要となるわけですが、再検討が必要ではないでしょうか。
次に、ビジネス・エコシステムですが、長距離トラックはヤマト運輸のような事業者のトラックと、特定の荷主を輸送する貸切便タイプのものがあります。時間の関係もあり、前者のケースについてビジネス・エコシステムを説明します。ポイントとなるのは、自動運転トラックの運行管理を一括受託する自動運転支援サービス会社の設立です。多くのトラック事業者が、異なるトラックメーカーのトラックを使って新東名高速道路上を走っていきますが、トラック事業者が単独で複数県に跨る運行管理、遠隔監視、駆け付け支援をするのは難しいのではないだろうか、と思っています。また、手動運転から自動運転への切替拠点も、当面は必要になってきます。日本では高速道路を基本的にODDとして認める、ということから当面必要になります。その場合も、それぞれの物流事業者が単独で拠点を整備するのは難しいので、多くの物流事業者が共同利用する公共ターミナルとして、整備すべきではないかと思います。バスタ新宿はバス会社が共同利用する施設ですが、1日1,500台以上のバスが行ったり来たりしており、その程度の規模の共同ターミナルが10年後ぐらいには必要になるのではないかと思います。
次は、遠隔監視するためのデータの標準化・公開です。中段に記載の通り、欧州ではOriginal Equipment Manufacturer(OEM)6社がFleet Management System(FMS)標準を策定しました。その後、デジタコが義務化されたこともあり、インターネット経由でFMSが使えるremote FMS(rFMS)標準ができ、サードパーティーによる運行管理サービスの市場が形成されました。トラック事業者は、A社のトラックでも、B社のトラックでも、そのデータをサードパーティーに託し、色々な運行管理サービスを受けることができます。アメリカは、FMS標準は無いものの、排ガス検査制度によりトラックデータ、ソケットが標準化されました。そしてElectronic Logging Device(ELD)という、日本のデジタコに相当する運転時間を管理する機械を義務化した関係で、そのELDメーカーがサードパーティーの役割を果たし、「色々なOEMのデータを取り込み、運行管理サービスします、健康管理サービスをします」ということで市場が形成されつつあります。両地域とも、トラックデータが公開されています。自動運転の遠隔監視サービスはまだ実現していないものの、データは容易に利用可能だということです。ところが日本は、自動運転の遠隔監視というユースケースに向け、何とかしなければという問題意識はあるものの、それに必要な最低限の項目だけ標準化するということで進んでいます。例えば、私が一番大事だと思う燃料消費量、「荷物をそんなに積んでない、タイヤの空気圧も正常、だけど燃費が1割悪い」と、一番重要な車両の健康管理につながるデータは公開しないという予定になっています。
加えて、日本は路車協調システムを構築して、高速道路の本線上の合流を支援する仕組みを開発しようとしています。ただ、アメリカ・中国を見る限り、路側からの情報提供なしで実現できています。路車協調システムの有用性を否定するわけではないですが、インフラ側で相当程度の投資が必要になるので、費用対効果を明らかにすること、また自動運転車両にどのように費用負担させるのかという仕組みを考えることが重要になっていきます。
最後のスライドでは、商用化に向けた制度的・技術的課題ということで、現状の日本のビジネス上の制約条件、ビジネス・エコシステムの課題を整理しております。この右側の課題の赤字部分はこれまで説明してきたもので繰り返しませんが、2つ目のサービス供給体制にて、「特積」は高速道路近傍の自社ターミナルから別のターミナルまで行ったり来たり、24時間自動運転トラックを利用できるため自社保有も想定されます(DaaS)。「貸切」は発荷主から集荷して一般道路を走って高速道路を使うということで、自動運転トラックを稼働率高く使えるかどうか少し疑問になるところもあり、トレーラーの高速道路上の運転を第三者に委託するということもあり得るのではないかと考えております(TaaS)。
私からの発表は以上です。どうもありがとうございました。
三隅補佐: ありがとうございました。資料6「自動運転トラックの社会実装」について、T2株式会社代表取締役CEO熊部様よりご説明いただきます。
T2株式会社 熊部氏: T2の熊部と申します。本日は説明の機会をいただき、ありがとうございます。まず会社概要ですが、当社は2022年に三井物産とAI開発を手掛けるPreferred Networksの共同出資にて設立しております。自動運転関連企業は国内でもいくつかありますが、当社の特徴としては、自動運転システムの開発のみならず、システムを搭載した車両を用いた幹線輸送サービスを提供しております。技術と事業の両輪をなしているという点にあると考えております。現在社員が224名になり、そのうちの約6割、約130名がエンジニアになります。株主はこちらに記載されている各業界を代表するような21企業に参加いただくとともに、それぞれのご知見やノウハウを持ち寄って事業パートナーとしてご支援いただいております。
続いて、事業開発・技術開発の説明をさせていただきます。当社のビジョンは、LV4の自動運転技術を活用し、世界最高水準である日本の物流を共に支えるというものです。LV4の限定領域として、我々の場合では高速道路が対象となり、通常時も緊急時も、人ではなくシステムが運転対応主体となるレベルになります。こうしたLV4の自動運転トラックを用いた輸送を実現し、輸送力の確保、また脱炭素化等の物流の改革に取り組もうとしております。もちろん、こうした変革は当社単体で成就できるわけではなく、先ほどご紹介した株主企業様、物流業界の既存のプレイヤーの方々、政府、そしてトラックメーカーの方々と強力に連携をして、まさしくこの国の物流を共に支えていきたいと考えております。次のページが、当社が実現したい事業のイメージになります。先ほど根本構成員のお話にありましたが、我々が描いているのは、まず荷主様各社の荷物の集約拠点に当社のトラックが有人運転で荷物の集荷に伺います。その後、切替拠点に向かいます。切替拠点とは、有人運転と無人運転を切り替える場所であり、ドライバーがトラックから下りる場所です。そこから高速道路上は無人で、LV4の自動運転で輸送します。到着地の切替拠点では再びドライバーがトラックに乗車し、お客様の集約拠点まで有人運転で輸送します。こうした幹線輸送のサービスを2027年度に関東-関西間で開始すべく、現在準備を進めております。究極の形としては、切替拠点と集約拠点が一体になるということです。つまり、現在開発中の高速道路インターチェンジ直結の物流施設が完成しますと、下道を走行することなく、高速道路上を自動運転車両が周回する、といったことが可能になります。次のページですが、当社は昨年よりLV2の商用運行を開始しており、2027年度にはLV4での幹線輸送を開始予定です。以降は、台数やエリアを拡大していき、2032年には2,000台規模のオペレーションを実施したいと考えております。LV2の自動運転トラックを用いて、当社はこれまでに多種多様な業界の約40社と実証実験を重ねてまいりました。飲料、食品、建材、化学品、ロール紙といった様々な形状の積載物を輸送する実証に取り組み、LV4に向けた準備を進めております。こうした実証と並行して、昨年からLV2の自動運転トラックによる幹線輸送サービスを国内で初めて事業化し、「商用運行」として関東-関西間で開始しております。実際に、平日は毎日3便、お客様のお荷物をお預かりし、運賃をいただきながら運行しております。大手の物流事業者5社をユーザーにスタートし、現在この定期便のご利用が9社まで拡大しております。この自動運転トラックを活用して輸送事業を行うためには、拠点の設置、遠隔監視、あるいは整備といった機能が必要になり、当社は各業界を代表する企業様とともに新しい物流の形を作り上げたいと考えております。一例として、先ほどご覧いただいたインターチェンジ直結の物流施設は三菱地所と東急不動産が開発をしており、異常時の対応としてKDDIが遠隔監視、三井住友海上が駆けつけ対応といった体制を構築しております。次のページのこちらの写真が、当社で開発している自動運転車両になります。LiDAR(ライダー)やレーダーといったセンサーを計25個配置しており、自動運転に必要な認識・判断・制御を行うソフトウェアを自社で開発しております。昨年には、国内最長となる神奈川から神戸までの約500キロの走破に成功しており、関東-関西間の輸送実績を作れたと思っております。足元では、これまで高速道路上の工事区間等、一時的にドライバーがハンドルを握って手動運転に切り替えざるを得ない場面がわずかながらありましたが、こうしたシーンにも対応できるような自動運転技術を新たに開発し、実装を進めております。
次のページから、自動運転トラックの社会実装に向けてですが、先ほど根本構成員のお話にもあった通り、海外では自動運転技術の開発、社会実装が進んでいます。こちらの地図は、公表されている一部の数値を当社で集計した海外企業の資金調達の金額になります。かなり大きな金額が記載されておりますが、社会実装においてアメリカと中国が先行しているのが現状です。タクシーとトラックで多少状況は異なりますが、数千億円規模の投資がされており、アメリカで自動運転タクシーは一部地域で既に事業化されています。トラックについては、2027年からLV4の無人の商用サービスが開始される予定になっています。当社は日本の関東-関西間の高速道路に領域を限定していますが、それでも技術・事業開発には相応の資金が必要となってきています。現在は、事業パートナーである企業様を中心に出資をいただいていますが、今後他の企業やベンチャーキャピタルからの出資を継続して募る上でも、「政府にサポートいただいている」ということが出資決断における大きな判断材料にもなりますので、今後ともご支援をお願いしたいと思っております。資金調達につきましては、これまでに事業パートナーを中心に合計115億円のご出資をいただいております。シリーズAから始まり、現在はシリーズBの資金調達として、各企業との協議を行っている段階にあります。最後のスライドになりますが、自動運転の幹線輸送の実現に向けて、これまでも政府と密に連携をさせていただいており、各省庁からのご支援をいただいております。自動運転システム自体や通信技術の開発や、許認可取得に向けた協議、そして事業化に向けた切替拠点の活用など、多くのテーマにわたります。今後は自動運転車両の技術開発へのご支援、自動運転車両が走行する環境の整備を継続いただきたいということに加え、具体的な事業開始のタイミングにおいてもご支援をお願いしたいと考えております。特に初期段階では台数も少なく収益面でも厳しい状況となることが予想されますので、燃料や高速道路の料金等、オペレーションのコスト面でもご支援をいただけると大変助かります。また、当社はこの自動運転技術を活用して日本の物流を支えたいという志のもと、パートナー企業と共に取り組んでおり、社会に対しても自社の広報活動を通じて発信をしております。しかし、やはり社会的受容性を向上させるためにも、例えば政府が掲げていらっしゃるような「2030年に自動運転サービス車両が1万台」といった目標を、広く社会の多くの方に知っていただけると大変ありがたいと思っております。私の説明は以上になります。ありがとうございました。
三隅補佐: 次の議題に入らせていただきます。資料7をご覧ください。
岡田審議官: デジタル庁から資料7についてご説明をさせていただきます。モビリティ・ロードマップ2026の骨子案ということでございます。まず、第1として、現状と課題をまとめさせていただければと思っております。1.として、モビリティ・ロードマップ2026策定の背景、他国における自動運転技術の状況ということで、先ほどもありましたけれども、米中をはじめとする海外の状況について紹介をさせていただければと思っています。それから、我が国における自動運転の技術の状況、モビリティサービスの現在の状況ということで、L4の現状や、実証の状況というのを説明させていただいた後、将来の自動運転の見通しについても、ここで述べさせていただければと思います。それから、2.としてモビリティサービスの全体の課題ということで、足元、交通商社機能にかかる内容につながっていきますけれども、需要面・供給面の課題と、それから技術的な課題というところを整理させていただければと思います。
それから大きな塊の第2として、2025年度の主な取り組みということで、今まで、様々紹介させていただいておりますが、最初に1.交通商社機能といたしまして、優良事例調査結果の報告等の内容をこの辺りに盛り込ませていただければと思います。それから、2.として自動運転サービスの事業化ということで、こちらもワーキンググループで紹介させていただきました。先行的事業化地域、こちら13カ所選定いただきましたが、まだ実際に動いているわけではございません。様々な取り組み事例、それから事業化に向けた課題、盛り込まれておりますので、こういった提案書の中から、事業化に向けた取り組み内容について、ここで触れさせていただきたいと思っております。それから3.として、自動運転に係るその他の取り組み状況として、国土交通省の方で自動運転社会実現本部を立ち上げて検討している点は、前回のワーキンググループでも紹介いたしました。それから、総務省の方で、自動運転時代の"次世代のITS通信"研究会の取り組みについても、前回ワーキンググループで紹介させていただきました。それから数年にわたってRoad to the L4の取り組みも進んでおりますので、こういった中身についてここで触れさせていただければと思っています。
それから、大きな塊の第3として必要な施策ということです。1.が交通商社機能の普及に向けた課題への対応ということで、今後取り組んでいくべき中身について、説明をしたいと思っています。それから2.が自動運転サービスの事業化ということで、こちらについては、先行的事業化地域の取り組みがこれにつながっていくかと思いますので、こういった点について、今後やっていくことをまとめていきたいと思います。それから、3.として、自動運転技術の実装に向けた様々な支援策ということです。各省庁の今後取り組みということで、ビジネスモデルの普及、それから必要な技術の開発、それから先ほどT2様からもありましたが、社会的受容性の向上について、やっていけることをまとめていきたいと考えております。以上です。
三隅補佐: 続きまして、今後のスケジュールについてご説明いたします。資料8をご覧ください。
岡田審議官: 資料8でございます。本日ご議論いただいた後、次回は第16回になりますが、5月の中旬ごろを予定しております。1つの議題は、サブワーキンググループ関係の進捗状況ということで、AI時代における自動運転車の社会的ルールの在り方検討サブワーキンググループが立ち上がっておりますが、こちらでの取り組み状況についてご説明をさせていただければと思っています。それから、モビリティ・ロードマップ2026、先ほど、骨子についてご紹介しましたが、具体的な中身を充実させて、次回お諮りさせていただければと思っています。それから、第7回デジタル社会推進会議につきまして、6月上旬ぐらいになると思います。昨年モビリティ・ロードマップ2025が6月13日に公表でしたので、この辺りをターゲットにしてモビリティ・ロードマップの最終的な案をご議論いただいて、公表に結びつけていきたいと考えております。以上です。
三隅補佐: ありがとうございました。次に意見交換に移ります。まず、本日ご欠席の岡本構成員、森構成員、若菜構成員からコメントをいただいておりますので、紹介に移ります。
岡本構成員からです。
(資料3 P.8/P.25について)
モビリティ・ロードマップ2025に示された交通商社機能を軸に、需要と供給力だけでなく「原資を束ねる」という考え方の追加と機能等の詳細分化が行われ、大変有益な内容であると思料します。25ページに掲載のKSFについては8地域の個別事例で上手くいった事例を集約されています。KSF②の収益性については、8地域の事例でのKSF・課題を共通化し、「移動需要創出」と「供給オペレーション」の型化によって、「コストダウン」をはかるという観点が今後のモビリティWGの論点になりうるのでないかと考えます。
8ページの関係性コンセプト図では、原資・需要・供給力を束ねる必要性が理解できますが、それ以外にも地域で共通的に活用できる「リソース」が分散して存在しており、これらの「リソースを束ねる」ことも有益ではないかと思料します。ここでいう「リソース」とは、例えばコンビニなど人が集まる場所、変電所やガソリンスタンドなどエネルギーと情報が集まる場所、車両の運用やメンテナンスに関わる人財、地域に関わる様々なデータなどを意味します。今後は、「原資」「需要」「供給力」に加えて、これら地域に分散して存在する「リソース」を束ねることも考慮されてはいかがかと思います。
続きまして、森構成員からです。
(資料3)
交通商社機能について、事務局案の「原資を束ねる」という考え方を追加することに違和感はないが、一方で、いわゆる「商社」が持つ機能とはイメージが異なってきているのではないか。
モビリティ・ロードマップ2026の検討に当たっては、「交通商社」という名称にこだわらず、地方自治体や交通事業者等の関係者がイメージしやすい名称にしていくことも検討いただきたい。
(資料4~6)
<自動運転にかかる許認可>
トラックの自動運転サービスを行う場合、運行地域が比較的限定的なバス・タクシー等と比較して、運行地域が多数の都道府県を跨ぐことが想定される。
例えば、「公安委員会ごとに対応方針が異なる」などと事業者から相談が来ないよう、警察庁や国土交通省(地方運輸局関係)においては、許認可の対応方針に揺らぎがでないように本省庁レベルでもしっかり対応いただきたい。
<セミトレーラータイプでの自動運転技術の開発>
根本構成員が指摘しているように、日本で自動運転トラックのビジネス・エコシステムが成り立つかは、セミトレーラータイプの自動運転トラックが日本で開発されることが重要であり、実現に向けて必要な支援をお願いしたい。
<自動運転/手動運転の結節点の重要性>
自動運転トラックが社会実装されるためには、自動運転/手動運転トラックのハブ、荷物の集荷・積替え機能を持つ結節点の整備が重要となるのではないか。例えば、自動運転トラックは高速道路等の幹線道路での運行が中心となると想定されるが、自動運転/手動のトラクターヘッドの切替拠点、搭載する荷物の集約・配送拠点としての「陸の港」機能を持つ拠点が幹線道路沿いに必要。また、中国の天津港では、港湾荷役設備、トラックでの水平搬送、統合AIシステムを組み合わせて、ほぼ自動のコンテナ物流を実現していると承知。モビリティ・ロードマップ2026のとりまとめにあたっては、結節点に求められる機能や要件を整理したうえで、それを官民で役割分担しながらいかに整備・実現していくのか、ぜひご検討いただきたい。
<デジタコデータの標準化>
トラック・デジタコデータについて、欧州・米国ではデータが標準化され運行管理サービス市場が形成されている中、世界的にみても日本で情報が共有される仕組みが形成されていないことは異様ではないか。標準化にあたっては、トラック事業者も効率的な運航に利用できることが重要。
若菜構成員からです。
(資料3 P.4について)
交通商社機能の議論の目的が「自動運転の事業化」にあるということを明記いただき、交通商社機能位置づけが明確になったと思います。それであれば、ここでの分析は、"交通商社機能の成功要因"を分析整理するのではなく、"交通商社型地域における自動運転車両の導入の可能性"や"自動運転車両導入における交通商社の効果と課題"のような立て付けでの分析が適すると考えます。各事例の分析で「成功要因」として交通商社の成立要因を記載していると思いますが、このような特徴を持った交通商社において自動運転車を導入した場合のメリットと課題をモビリティ・ロードマップ2026ではさらに加筆していただくのが望ましいと思います。
(資料3 P.8について)
「原資を束ねる」は、需要ではなく、供給の方に掛かってくると思われます。また、「需要と供給力のマッチング」自体もAI等活用して自動化することが期待されます。なので、むしろ「需要と供給のマッチング」のところに"自動運転車両とマッチングの自動化(効率化?)"を入れて、上から下に流れるのではなく、自動運転とマッチングの自動化を真ん中に置くような概念の方が適します。需要と供給をマッチングすることによる"価値の共創サイクル"のようなものを描くところまで行けるといいなと思います。
三隅補佐: ご出席者の皆様からご意見をいただきたいと思います。お一人様3分程度にてお願いいたします。なお、発言の際は、Teamsの挙手ボタンもしくは、チャット機能でその旨お知らせ頂き、発言時にはマイクミュートの解除をお願いいたします。では秋本様、よろしくお願いいたします。
鈴木構成員(代理:秋本氏): 日本無人機運行管理コンソーシアムの秋本と申します。ご説明ありがとうございました。2件、ご質問等させていただければと思います。資料2ですが、国土交通省さんからの交通空白のご説明、本当にありがとうございました。交通空白への対応として、共同化・協業化の法制化というのは非常に素晴らしい取り組みだと思っております。これができることによって、今後の交通商社の機能も十分発揮できるのではないかと思っております。その資料の中で、スライド10ページ目ですが、同じ車両を色々な用途で使っていくとなりますと、一般客、幼児、要介護者等、そういう人々を乗せていくことになるという絵がありました。そうなると、車両の共同利用をするということで、色々な課題が出てくるのではないかなと思います。効率化を追求する場合においても、乗っている方、つまり利用者の安全性の確保などについて、利用者の特徴に応じて車両の改善が当然必要になってくるのかなと思います。そういうリスクアセスメントも一緒にやっていただけると、利用が進むのではないかなと思いました。
2点目、資料3のKPMGさんのご説明ですが、交通商社についての説明について、先ほど森構成員のご意見にもありましたが、事業形態についてどのような形態を想定されているのか、ご教示いただければと思います。特に、収益性と公共性から事業形態が検討されていくと思います。本当に収益が出るのであれば株式会社でもいいし、全くダメなら公共事業でやっていく、その中間みたいなものがあるのかなと思います。その中で、協同組合みたいなものなのか、コンセッション方式なのか、指定管理制度にするのか。その辺りは、各自治体でこれから考えていくことだと思いますが、どのような業態が望ましいか想定される業態があれば、ご教示いただければと思います。以上でございます。
モビリティワーキンググループ事務局山中: ありがとうございます。KPMGの山中でございます。ご意見、ご質問ありがとうございます。まさにこの事業形態というところを、どういうふうに捉えていくかというのが、実際の先行事例の調査の中でも、大きな課題として上がっております。ご指摘いただいたように、収益性というのは、自治体によって非常に厳しい側面ありますので、なかなか純粋な民間のという形だけではなく、公共性を高めたコンソーシアムのような多様な形をこれから模索していくフェーズになるかと思っております。そういった点を留意して、今後さらに検討を進めていければと考えております。以上でございます。
三隅補佐: ありがとうございました。続きまして、日高構成員、お願いいたします。
日高構成員: 本日ご発表いただいた皆様、ありがとうございました。一つ一つに触れられず、交通商社のところに特化しますが、先ほどの物流の皆様方のお話も含めて共通かなと思っております。事前レビューの際に、デジタル庁様にも申し上げましたが、交通商社もそうですし、自動運転技術についても、何らかの社会的な機能の生産性を上げるという要素はあると思っています。これから産業として地域に社会実装する中で言うと、何が良くなるから交通商社を入れるのか、何が良くなるから自動運転車両を入れるのか、という定義付けを、これから色々な地域ごとに判断をしていかなければいけないと思います。自動運転という括りはその通りだと思いますし、交通商社も含め両者とても広い概念です。従って調査結果や次のモビリティ・ロードマップの資料の中に、何の課題を解決するためにこの技術があるのか、もしくはこの技術は何のために技術開発を続けて社会実装されるのか、という線引きがない限り、よくわからず流行っているものだから入れます、入らなくなったらやりません、ということが繰り返される可能性があります。それを明確にするのが、このような有識者の皆様や、ゲストスピーカーの方々の知見を使える機会なのだろうと思っています。例えば輸送で考えた時、先ほど物流のお話もありましたが、ドライバーが不足しているということであれば、物流の目安となる色々な指標があるかもしれませんが、基本kmベース、どのぐらいの大きさ、どのぐらいのものを、どのぐらいの距離運べたかどうかということ。一概にそれが大きければよいというわけではなく、日本、アメリカ、中国で数字も変わると思いますが、低いよりは高い方が生産性は高く、ドライバーが少ないということであれば、一人当たりで1日に100(t・km)しか運べなかったところ、荷物の取り運びを解消することによって200(t・km)可能になった。今のドライバー不足であれば、そういう取り組みが政策的に有効だろう、という非常にシンプルな説明ができて、交通商社についても、供給側を統合することでドライバー不足を解消するという要素もあります。KPMGさんも本当に深い調査だと思いますが、医療機関と連携することにより、医療機関の利用者とモビリティサービスの需給の一致をすることによって、無駄なく提供ができる、その需給のギャップを埋める話なのか、供給側を統合して、今のリソースで地域あたりの輸送力を増やす話なのか、それとも需要をもっと掘り起こして活性化する話なのか。本当に色々な事例を調べていただいたと思いますが、そのモデル式が不明瞭だと、誰がどうすべきか、複雑性を生んでしまうと思います。小学生、中学生でもわかるように、人が足りないから遠隔監視して無人走行を目指す取り組みがあります、その時に荷物を取り下ろす手間があると人手が介入してしまうため、そこを分離してこのような事業形態にします、など。本日は物流の話が多かったですが、交通商社にあたっても、モデル意識が作れるタイミングだと思います。星課長からの交通空白解消の取り組みも、そこと一致している話だと思い、残り期間は少ないかもしれませんが、その部分の積み増しをお願いしたいなと思っております。以上でございます。
三隅補佐: ありがとうございました。続きまして、川端構成員、お願いいたします。
川端構成員: ありがとうございます。丁寧なご説明と、私たちの散漫な意見を取りまとめていただいて大変助かります。
資料3の7ページ目ですが、KPMGさんがまとめてくださった部分、すごく重要なことをおっしゃっており、まさにここに尽きると思っています。需要を束ねるということ自体、日本だとあまり馴染みのない言葉ですが、Ride poolingという考えは、ヨーロッパでは浸透しております。需要について、潜在需要も含めて束ねていくことと、日本のようなある程度インフラが整っている場所も含めて考える場合は、二次交通の需要が重要となり、そういった領域のマッチングの試みは非常に重要だと思っています。また、供給力の部分は、今日は物流の話が多かったと思いますが、2035年頃の人口配分を見ると、確か総務省様だと思いますが、地域によっては労働人口が公務員の人数より足りないような試算も出ており、供給力の部分、現状遊んでいるとは言わないですが、供給と需要がマッチングできず、供給力がどこかにダブつくということが無いように、将来を目指してやっていくという意味で非常に重要な示唆となるページと思って拝見していました。先ほど構成員の方も仰っていましたが、それを誰にでもわかるように説明していかないと、お上から言われたから現場でやっている、という事態になりかねないと思います。そのためこの議論の場では、こういった目的のためにこういった技術を入れていく、こういった目的ためにこういった制度を入れていく、ということを明確にお話ししているつもりではありますが、伝播していく中で自動運転を導入することだけが目的になってしまったり、交通商社を設立することが目的になってしまったり、ということがあり得ます。何の目的のためにやるのか、結局のところ基礎自治体ごとに抱える課題も異なると思いますが、個別にコンサルティング対応することは人件費的にできない可能性があり、交通、建設・建築の現場の人材も非常に限りがあるので、この目的のためにこういったものを推奨していくというところを、わかりやすい形で伝えるということが重要かと思います。デジタル庁様との別の会議体で、テクノロジーの導入に関して、それを阻害するような法規制をどう改善していくか、そのための技術カタログを作る委員会におります。そちらでは、レグテック(RegTech)と言って、レギュレーションとテクノロジーをどのようにつなげていくかというカンファレンスをやった結果、基礎自治体のエース級の方が参加してくださり、中央省庁での議論が基礎自治体の現場まで伝わるという画期的なことが起こっており、そういった努力も今後必要になってくるのではないかなと思います。デジタルは人々の生活に直接インパクトを与え、法整備だけでは済まないと思います。今までのまとめとして、今回の資料は大変よくできていると思っており、今後の進め方としては、そういった浸透に関わる部分を、加えていただければと思いました。以上です。
三隅補佐: 川端構成員、ありがとうございました。その他、ご意見はございますか。須田構成員お願いいたします。
須田構成員: 現地に参加しております、東京工科大学の須田でございます。ご説明いろいろありがとうございました。非常に盛り沢山でいくつかコメントさせていただきます。まず1番初めの資料3、KPMG様の話で、人口以外の部分の具体的な視点を含めるべきとコメントさせていただき、そういった方向で進められるということで非常に分かりやすくなったと思います。一方で、逆に人口の話が見えなくなってきてしまったと思い、人口とモデルを上手くコンバインしていただければと思います。
また物流の方について、根本構成員から物流のビジネスのエコシステムについてご紹介いただき、非常に参考になりました。そこで根本構成員へご質問ですが、隊列走行についてアメリカと中国のご紹介でしたが、元々ヨーロッパの方が当初熱心にやっていたと認識しており、もしお分かりでしたらヨーロッパの状況について教えていただければと思います。またアメリカにしても中国にしてもやはりトラクター・トレーラーが主体で、私もトラクター・トレーラーの自動化が重要と考えておりますが、T2様はどのようなお考えかお伺いしたいと思いました。最後に、骨子についてコメントさせていただきますと、私、先週の日経新聞の経済教室というところで「エコシステムの構築をする」という記事を書かせていただき、自動運転のエコシステムが重要であると言い続けていますが、根本構成員もビジネス・エコシステムと提言いただき、新しいフェーズになったエコシステムをどう見つけていくかが見える形がよいのではと思っています。前回、国土交通省の久保田次長からEnd to Endでビジネスが変わる、そういったお話があったと思いますが、このEnd to Endを使ったエコシステムを考えていかなければならないと思っています。モビリティ・ロードマップを新しく作るのであれば、そういうところに焦点をあて、今すぐ答えを出すのではなく、そういったことを検討していくことを視点としてご紹介いただけるとよいのではないかと思います。私からは以上です。
三隅補佐: ありがとうございます。根本構成員、須田構成員より欧州の隊列走行についてご質問がございましたが、お答えいただけますでしょうか。
根本構成員: 根本です。ご質問ありがとうございます。隊列走行に関しては、それぞれのトラックが単独で走行できるのだからそれで充分ではないか、と相対的に隊列走行に対する関心が低くなっています。ヨーロッパをそこまで調べておりませんが、事例を見ると単独のものが多い印象です。一方、中国では隊列走行を進めています。一つの理由としてLV4隊列走行の実証実験時に、先頭車両に安全運転員の乗務を義務付けたわけですが、その運転員が隊列全体のお世話ができる。一番わかりやすく言えば、給油ができるということがあったと思います。中国の場合、1,000km、2,000km走ることがありますので、ヒト一人を先頭車両に乗せて隊列走行するというモデルというのは上手いやり方ではないかと、そのような理解があるのではないか、と思いました。
それから、私からもコメントしてよいでしょうか。
三隅補佐: はい。よろしくお願いします。
根本構成員: 交通商社機能に関しコメントします。旅客の場合はこれまでもMaaS等で色々な取り組みがなされてきて、需要と供給のマッチングは相対的に容易ではないかと思います。なぜかというと、公共交通が主体で、時刻表や運賃が公開されており、旅客も目的地を秘密にしたいということもないと思います。ところが物流の場合は、荷主は一般的に取引相手、貨物内容、取引量、運賃等は公開しませんし、物流会社もどこでトラックが余っているか、など公開したくない。物流では交通商社機能の需要と供給のマッチングは難しく、過去、インターネット・Webマッチングのような会社が設立され、ほとんど失敗となった。ただ、私がうまくいっていると思うモデルもいくつかあり、大きな荷主一社と多くの物流事業者の間の調整、大きな物流事業者一社と多くの荷主の間の荷物調整モデルといった、一対多、多対一の場合は上手くいっているケースがいくつかあると思う。多対多のように商流・物流データを集めて一度にマッチングすることは理屈上難しい気がしており、交通商社機能で物流も是非取り入れていただきたいものの、タクシー、バスとは前提が異なることをお伝えしておきます。以上です。
三隅補佐: ありがとうございます。それではT2熊部様より先ほどのご質問についてご回答いただけますでしょうか。
T2株式会社 熊部氏: トラクター・トレーラーの取組について、私としてもトラクター・トレーラーの積載量を考えましても有効な手段だと思っております。ただ、現状の日本における幹線輸送では単車が一番多いと思います。単車の開発を進めているのは、現在の物流の形からの移行にスムーズに入ることができる現状があるからです。セミトレーラーですと、拠点やルートが限定されるケースもございます。将来のインターチェンジ直結の大型拠点とか、そういったものが整備される段階においてはトラクター・トレーラーによる幹線輸送が進んでくるのではないかと考えており、そこに向けては当社もトラクター・トレーラーの自動運転車両を開発する計画であります。
三隅補佐: ご回答いただきありがとうございます。自動運転のエコシステムをどのように作っていくかにつきまして、審議官より回答お願いいたします。
岡田審議官: コメントにもありましたが、どうやって作るかを今すぐに答えられるわけではないですが、重要な視点だと思います。骨子案といいますか本体の方にそのあたりの観点を含めて盛り込んでいきたいと思います。
三隅補佐: その他ご意見ございますか。村松構成員お願いいたします。
村松構成員: ご説明いただきありがとうございます。資料3に関して、今後のガイドラインを取りまとめる際に、ユースケースをどのように実現するのかプロセスを記載いただければと思います。デジタルに不慣れな方々が多いという前提のもとどうやって進めるのか、一歩目としてどうするのか、どういった関係者を集めるのか等が基本的に分からないことが想定されます。ゴールを示したもののどのようなプロセスで実現できるのかが分からず、結果として進められないというケースが散見されると想定しております。虎の巻のように、どのような自治体様においても「なるほど、こう進めればよいのか」ということが分かるようなガイドラインにまとめていけると分かりやすいのかなと思っています。以上です。
三隅補佐: ありがとうございます。それでは山本構成員お願いいたします。
山本構成員: ITS Japanの山本です。資料全体ご説明ありがとうございました。私からは資料9の自動運転の社会実装に関してコメントをお伝えしたいと思います。資料にも大変分かりやすく全体ご説明いただいていると思いますが、自動運転の社会実装にはITSインフラの展開や新しい仕組みの導入が必要だと思っております。報告書の中にもその旨記載はされておりますが、スマートポールが一つの例ではあります。ただ、それを具体的に国の仕様として自動運転に向けた形に仕上げていかないといけないことが我々の直面している課題でもあり、特にメーカー側と官庁側で議論しないといけない大事なポイントだと思っています。先行的事業化地域が13カ所選ばれましたが、ここで自動運転の色々なトライアルについて、技術開発の観点、サービス、運用の観点と様々な観点で行われると思います。このトライアルを通して自動運転に必要なITSインフラとは何か、スマートポールに必要な要求諸元は何か、を具体化して、標準化に繋げていけるような活動にしていかないといけないと思っています。先行的事業化地域の中で、13カ所中4カ所がスマートポールもしくはITSインフラの技術開発に関わる地域だと思いますが、是非この場を上手く活用して、自動運転の実証の一つの成果として、自動運転が走る道路環境には最低限こういった仕組み・ITSインフラが必要だ、という最終的な答えが導き出せればよいなと考えています。最後に自動運転に必要なインフラとは、事故を起こさない予防・安全のインフラと、事故を起こした後の振り返り、もしくは責任分担、再発防止に寄与する意味のインフラと二つの側面があると思います。特に後者のところはカメラを上手く活用することにより、事故がどういった状態で起こったのか適切に記録するのもその一つですし、インフラの在り方に関してもいくつか目標を持ってスペックを決めていくという議論も産官学で高めていきたいと思っています。ITS Japanも汗をかきますが、皆様のご支援ご協力も是非お願いしたいと思っております。以上です。
三隅補佐: ありがとうございました。それでは花見様お願いいたします。
齊藤構成員(代理:花見氏): IPA DADCの花見と申します。本日は齊藤に代わり代理で出席させていただいております。まず、全般にわたり資料のご説明や、進捗をご教示いただきありがとうございます。私の方からは、IPAとしてデータの利活用という視点で2点ほどコメントしたいと思います。
1点目は、色々な取り組みをされている中でオペレーションの共通化を狙っていくべきではないかと思っています。データ利活用という観点で所々ありましたが、やはり目的として人がどのようにオペレーションをするかの観点で共通化を図らないと様々な地域への普及実現が難しいと思います。交通商社機能の資料では各地域の困りごと等を調査されますが、各地域の共通項を整理すると良いと思います。国土交通省資料の中のコモンズの取組はデータ標準化だけでなくオペレーションの共通化も図られており良い取り組みだと思いました。2点目は、我々IPAとして貢献したい部分ですが、資料3の7ページにてデータを利活用してシステム同士を繋げて進化させていくような社会システムにしようとした場合、一つ一つのシステムはプレイヤーや型が異なることから、例えば需給のマッチングと配車管理のシステムがすぐ繋がるのかという課題が生じます。これは、それぞれのシステムが独立して別々の時間軸で作られることに起因します。ですので、後付けでそれぞれのデータプラットフォームが連携できるような仕掛けをIPAの方でデータスペースとして取り組んでいます。中々説明が難しいのですが、プラットフォームとプラットフォームが後付けでリーズナブルにつながりやすくする仕組み、というイメージでご理解いただきたいと思います。そういった部分の連携にしっかり貢献させていただきたく、また議論させてください。以上です。
三隅補佐: ありがとうございます。その他ご意見等はございますか。波多野構成員お願いいたします。
波多野構成員: 物流の領域で海外の最新の動向を根本構成員と熊部様からご紹介いただきました。特に自動運転の技術領域を担当しており印象に思ったのは、自動運転の単独な車が自立してやれることだけではなく、物流の領域は特にアウトカー領域という車外の様々な資源やオペレーションというものが技術的にも整備されていくことで、技術の進歩、社会実装が進んでいる印象を受けました。根本構成員からはFMSというオペレーションに関して共通の基盤等をご紹介いただきましたが、やはり今後の自動運転の社会実装をされていくということはインカーだけではなくアウトカーのテクノロジー、仕組み、これら全体をシステムとして捉えて、どのように共通基盤をつくっていくかというところは非常に重要な観点ではないかと思います。先ほどIPA様やITS様からもございましたが、デジタルネットワーク、共通基盤という観点でのルールメイキング、基盤づくりというところを、モビリティ・ロードマップの中に織り込んでいただけると、社会実装が加速できるのではないかと感じました。
また、今回資料9ということで、モビリティ・ロードマップ2025について、それぞれ関係省庁様と丁寧に進捗及び経緯を資料化いただき、全体の流れを非常に良く把握できる。こういった点も感謝申し上げたいと思います。私からは以上です。
三隅補佐: ありがとうございます。続いて次の議題に移らせていただきます。モビリティ・ロードマップ2025に記載した各施策の状況について各府省庁からご説明いただきます。各省庁2分以内でお願いします。
岡田審議官: 資料9について説明します。まずデジタル庁の部分ですが、2ページをご覧ください。「交通商社機能」確立、「先行的事業化地域の選定」については、このワーキンググループでも既に何度も議論していますので、ここでは省略します。今回新たに整理しているのは、「自動運転車両のリース・レンタルを促す仕組みの検討」についてです。4ページをご覧ください。ご承知のとおり、自動運転車両は非常に高価で、買い取りには大きなハードルがあります。そこで、リースのスキームを有効に活用できないか、という課題設定のもと、モビリティ・ロードマップ2025で論点整理を行うことになり、調査研究を進めてきました。リースの形としては、大きく二つあります。一つはリース事業者が関与するパターン、もう一つはOEM系のリース会社が行うパターンです。いずれの場合も、単年度契約では難しく長期契約を前提に、どのように資金調達を行うかが重要となります。補助金は基本的に単年度という場合が多いですが、補助金に依存せず、中期的に継続できる仕組みをどう構築するかがポイントです。また、サードパーティー事業者によるメンテナンスを可能とする仕組みも重要です。導入・運行支援事業者がメンテナンスを全て担うのは現実的に難しいため、この点についても検討が必要だという声が多くありました。こうした観点を踏まえ、先行的事業化地域13カ所における伴走支援の取り組みの中で、構築すべきモデルの方向性を見出していきたいと考えています。以上です。
三隅補佐: 内閣府様、お願いします。
川上審議官(内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局): 内閣府の施策は4件です。内閣府では、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)という研究開発の仕組みがございまして、民間企業、大学、関係団体が参画し、基礎研究から社会実装までを一気通貫で研究開発を進めているというものでございます。SIPは全部で14個の課題から構成されていますが、その一つが「スマートモビリティプラットフォームの構築」です。本ワーキンググループの構成員である石田構成員や越塚構成員のご指導をいただきながら検討を進めています。各種施策の取り組み状況及び今後の予定について説明します。まず、自動運転サービス等の導入を含めた地域交通のリ・デザインに関する指針の策定につきまして、地域のモビリティ課題への落とし込み、取組が進むように、自治体等の参考となる指針を作成しております。今年度は実証地域と連携しながらガイドラインの素案を作成しました。来年度以降は、関係省庁や関係団体とも連携し、現地実証や多数のユーザーとの議論を通じて、ガイドラインの品質向上とユーザー層の拡大を図っていきます。次に、主要技術の低コスト化です。自動運転における障害物の検知に使われているライダーシステムの、低コスト化・小型化・性能向上を目的とした研究開発を行っています。ライダーシステムは、照射したレーザー光が物体に当たって跳ね返ってくる時間を計測し、物体までの距離や方向を測定するというものです。一般的にレーザーを成形するレンズや回転ミラーなど多くの部品を使用しており、小型化が課題でした。本研究では、レンズと回転ミラーを無くし、ワンチップ化することで課題解決を目指しています。ピンポイントにレーザー照射と受光を行う技術、多角的にレーザーを照射できる技術、物体認識の照査技術の研究開発を進めておりまして、今年度は、ライダーの低コスト化等につながる要素技術の開発を進め、ライダーシステムの設計施策を実施しました。来年度以降は、関係省庁の研究プログラムとの連携をして、実証を進めながら研究開発に取り組むとともに、製品化を目指して、目標スペックの策定、需要調査を進めてまいります。続いて、データ統合・相互利活用基盤の検討です。データを活用したモビリティサービスの創出やモビリティ再設計の検討に役立つように、データの統合・相互利活用の基盤となる、ジャパン・モビリティ・データ・スペース(JMDS)を構築しております。昨年度までに、データを検索できる統合データカタログサービスや、サイバー空間でシミュレーションを行うなど、デジタルサンドボックスなどの一部の機能について提供しています。今年度はサービスの拡充検討によるデータ流通基盤を確立いたしまして、他組織と連携した実証実験実施による、サービス性・ビジネス性の検証・評価を実施しました。また2027年度以降のJMDSを継続的に運営できる体制構築に向け、ユーザー獲得や利用者の意見を反映した改善、ニーズ把握に取り組んで必要なサービスを拡充してまいります。最後に、モビリティサービスをけん引する人材の育成です。地域交通のリ・デザインの検討や、モビリティサービスの運営が持続的に取り組まれるよう牽引する専門人材やコミュニティに関する育成プログラムを作成しております。これまで関係者間でデータに基づいた議論を通じまして、信頼関係を醸成する手法を実践するとともに、組織内で閉じてしまうノウハウのナラティブ化を進め、一部はモビリティ知恵袋として一般公開を開始しております。今年度は育成プログラムの現地実証、自治体での試行結果の検証を通じ、育成プログラム素案を策定いたします。引き続き来年度はこれらの取り組みを進めまして、全国会議の開催、現地実証と結果検証を通じまして、研究開発の反映やユーザーの獲得を図ると同時に、育成プログラムを効果的に組み合わせた研修との仕組みを検討してまいります。今後これらの施策につきましては、本格的な社会実装を目指し、関係省庁やユーザー企業と、より連携の強化をしてまいりたいと考えております。ご報告は以上です。
三隅補佐: ありがとうございました。それでは、警察庁からお願いします。
伊藤理事官(警察庁 交通局 交通企画課 自動運転企画室): 警察庁からご説明します。次のページをご覧ください。先ほど内閣府から説明がありましたSIPの枠組みの中で、警察庁では信号情報の提供に関する研究開発を進めています。今年度は、信号情報を配信するための実証環境を構築し、その検証を行いました。来年度以降は、令和8年度から9年度にかけて予定している「多様なモビリティによる信号情報活用の総合実証実験」に向けて、具体的には自動車に対する安全運転支援や、電動キックボードに対する交差点横断支援等、多様なモビリティにおける信号情報の活用に関する研究開発を行っていきます。令和9年度までに総合実証実験を実施し、信号情報配信の高度化、交通安全確保に向けた信号情報の活用可能性を検討していきます。以上です。
三隅補佐: 総務省様、お願いします。
翁長電波部長(総務省): 続いて、総務省から説明します。13ページをご覧ください。大きく二つの政策を掲載しています。一つ目はV2X、いわゆるITS通信で、5.9GHz帯の周波数に関する取り組みです。もう一つは、携帯網における5GSA化についてです。15ページをご覧ください。前回ご説明した通り、5.9GHz帯については、現在は他の放送用途で使用されていますが、ITS専用で使えるよう、順次周波数移行を進めています。右下の方、各管区にどのくらいの無線局数があり、どの年度の予算で周波数を移行していただくかという計画を立てているところでございます。上の箱の3ポツ目、周波数割当計画の改正等も進めており、5.9GHz帯をITS通信として活用できる環境整備を進めています。次のページです。こちらは遠隔監視などに必要となる、5GSA化に関する取り組みです。SA化により安定した通信が実現するため、自動運転が想定されている新東名高速道路等を対象に、補助金による支援を行い、携帯事業者によるSA化の促進に向け関係事業者と連携しながら進めているところです。次のページをご覧ください。こちらは、現在開催している研究会の状況です。5.9GHz帯や5GSA化に加え、山本構成員から指摘のあったスマートポールも含め、ITSに必要な通信環境、通信システムの標準化、規格化等を視野に検討を進めています。今後はこれらを取りまとめ、各政策に反映していきたいと考えています。以上です。
三隅補佐: 続きまして、経済産業省製造産業局様、お願いします。
田中審議官(経済産業省 製造産業局): 経済産業省製造産業局です。21ページをご覧ください。まず、①「事業採算性の検証」についてです。Road to the L4プロジェクトの取組等を踏まえ、事業採算性の検討に必要となる知見を「自動運転移動サービス社会実装・事業化の手引き」に取りまとめる予定です。来年度以降は、さらなる事業採算性向上を目指し、低コスト化に必要な無人自動運転バスの車内遠隔監視方法等を整理し、得られた知見をこの手引きに反映していきます。次に⑧「自動運転システムの開発支援」です。自動運転タクシーサービスの基本的なモデルの開発を支援しており、そこで得られた運行体制等の基礎的な知見を整理し、公表していく予定です。また、⑨「主要技術(高精度地図)の低コスト化」については、プローブカーデータを活用して得られた情報で高精度な3次元地図を更新するツールを本事業で確立しました。⑭「安全性評価環境の構築」については、仮想空間における安全性評価手法の確立と、シミュレーション精度の向上について、一定の成果を得たところです。⑮「混在空間における協調型システムの検討・確立」ですが、インフラ協調型の自動運転システムを活用した混在空間での実証走行を行ってきた結果、特定自動運転の運行許可を取得いたしました。その結果得られた情報を、先ほどの手引きに反映していきたいと思っております。⑳「社会的受容性の向上のための手引きの策定」は、先ほどから繰り返し申し上げている手引きについて、国土交通省、警察庁と連携し、第3版を作成し公表する予定です。以上、経済産業省製造産業局からの説明です。
三隅補佐: 続きまして、経済産業省商務情報政策局様、お願いします。
守谷課長(経済産業省 商務情報政策局 情報経済課): 経済産業省商務情報政策局でございます。28ページをご覧ください。⑰「乗換・積替等のための集約拠点の整備」についてですが、2025年度末の成果見込として、物流拠点間を結ぶ自動運転トラックの実装に向け、整備方法や機能等に関する検討を行いました。2026年度末に向けては、2025年度までの取組の結果を踏まえ、物流拠点の整備方法や機能等に関する検討を進め、今後は項目⑱の一環として検討を継続していきます。その⑱「デジタルライフライン(自動運転サービス支援道)の整備」ですが今年度末までに、車両情報を連携したV2N安全支援の実証や、デジタルライフラインの実装に向けた検討を行いました。これを受け、来年度末に向けては、2025年度の実証成果を踏まえ、車両情報を連携したV2N安全支援の仕様策定等、デジタルライフラインの実装に向けた検討を実施し、また2027年以降も車両の開発状況を踏まえ、全国へデジタルライフラインの実装を進めてまいります。以上です。
三隅補佐: それでは国土交通省物流・自動車局様、お願いいたします。
久保田次長(国土交通省 物流・自動車局): 国土交通省物流・自動車局次長の久保田です。物流・自動車局では、いわゆる車両の移動サービス実装化に向けた審査手続の透明性・公平性の確保と、実際の自動運転の社会実装に向けた事業効果の評価方法を明確にすることを重要な課題として整理してきました。「自動運転移動サービス社会実装・事業化の手引き」は、2024年3月に初版を作成し、昨年夏に第2版へ改訂しました。現在、第3版を今月中に公表する予定で整理を進めています。改訂にあたっては、自治体や実証実験を行ってきた現場の声を踏まえ、より使いやすい内容とし、実証実験を進める際にどこを重点的に検討すべきか、実証実験が継続できているところの成功事例や、地域特性(都市部・地方部)に応じた考え方などを整理し細分化したような手引きを作成しております。また、効果評価についても、自動運転が地域に与える直接的な効果や副次的効果を含め、指標を検討中というところです。以上です。
三隅補佐: ありがとうございました。それでは、国土交通省道路局様よりお願いします。
富山大臣官房審議官(国土交通省 道路局): 国土交通省道路局です。道路局では、自動運転の実現に向けて、道路インフラからの支援に関する取り組みを進めています。次のページをご覧ください。トラック、バス、タクシーの3つに分けて様々な取組を行っております。まず、トラックについてです。高速道路における合流支援技術について、新東名高速道路において実験を行ってきました。次のページが結果です。円グラフをご覧ください。64%はシステムがなくても自然に合流できたパターン、27%はシステムが機能し速度調整を行うことでスムーズに合流できたパターン、残り9%は本線側の条件等により、システムを使ってもスムーズに合流できず、運転者が介入したパターンです。全体としては、一定の効果が確認できたと考えています。トラックについては、今後、より条件の厳しい東北自動車道において実験を展開していく予定です。続いて、路線バスについてです。主にバスが右折する際の、周辺の交通状況等の情報提供に関する実験を行っています。今年度の成果ですが、右側の棒グラフをご覧いただくと、青色が「システムを使わない場合で人の介入が必要だった割合」、オレンジ色が「システム稼働時に人の介入が必要だった割合」を示しています。人の介入が必要となる割合が全体として14.5%から3.9%に減少しており、こちらも一定の効果が確認できています。次のページですが、走行空間、道路空間そのものについても、自動運転車両が走行しやすい環境を構築するための実証を進めています。今後の取り組みとしては、面的に走行するタクシー等についても、情報連携や道路空間の最適活用といった観点で検証を行い、インフラとの連携方法を検討していきたいと考えています。最後のページで、今後のスケジュールとしては、高速道路に必要となるインフラ支援機能を整理するとともに、一般道については、先行的事業化地域における実証を通じて、来年度中に路車協調や空間整備に関する技術基準・ガイドラインを作成していく予定です。以上です。
三隅補佐: 大変恐縮でございますが、お時間の関係で、各府省庁の進捗状況等に関するご意見がある場合は、会議終了後に事務局までメールでお知らせください。それでは、宇野主査より本ワーキンググループの総括をお願いします。
宇野主査: 本日は、皆様から貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。また、根本構成員、T2様、国土交通省様からのご説明にも感謝します。全体を簡単にまとめます。まず一つは、交通商社のガイドラインについて、色々なご意見をいただきました。端的に言うと、自治体で導入しやすいように分かりやすく整理をすべきということで、目的を明確にし、導入プロセス、事業形態も整理してほしい。また、リソースを束ねるという考え方も取り入れてほしい、という意見もありました。これらを踏まえて、是非ガイドライン作成も留意して進めていただきたいと思います。あと自動運転については、いわゆるアウトカー(車外)の、車両以外の環境整備が重要だという意見が多く出ました。自動運転と手動運転を切り替える拠点の整備、ITSインフラ、データプラットフォーム、ネットワーク構築。さらに複数の関係者に跨る許認可の整理など、外側の環境整備をしっかり進める必要がある、という点が指摘されました。また、モビリティ・ロードマップ2026については、「エコシステム」をどう進めていくのかについて丁寧に検討してほしい、という意見がありました。これらの意見をしっかり受け止め今後の検討に向け、各府省庁、デジタル庁も含めしっかり取り組んでいただければと思います。次回、モビリティ・ロードマップ2026の案を提示する予定ですので、本日いただいた意見も踏まえ各府省庁で検討いただき、モビリティ・ロードマップ2026に反映させていきたいと思いますので、よろしくお願いします。以上です。
三隅補佐: 本日は今枝副大臣にもご出席いただいておりますので、最後にご挨拶をいただきます。
今枝副大臣: デジタル副大臣の今枝宗一郎です。今回で15回目となるモビリティワーキンググループですが、大変長い時間お疲れ様でございました。ありがとうございました。宇野主査からお話ありましたように、様々な議論が行われ、モビリティ・ロードマップ2026の骨子についても、皆様から様々なご意見をいただいたと認識しています。本日の議論からも明らかなように、自動運転を取り巻く状況の変化、技術の進展は非常に目まぐるしく変化しています。社会実装や事業化に向けて、将来の技術進歩の状況や社会へのインパクト、実装に必要な環境整備等どのように考えていくべきか、具体的な姿を模索すべき段階に来ていると感じています。こうした変化が激しいからこそ、目先だけではなく、10年先、15年先を見据えた自動運転の将来像、大きな青写真を見通した上で、バックキャストの考え方により、取り組むべき施策や注力すべき技術領域を整理していく必要があると考えています。私が座長を務めるプロジェクトチームでも、自動運転に関する産業、技術、工学、法律など、様々な分野の有識者や、車両開発、システム開発、通信分野で活躍されている民間企業の皆様と意見交換を並行して進めております。そのプロジェクトチームでの成果についても、いずれこのワーキンググループでご紹介できればと考えています。また、本日は交通商社についても議論があったと伺っています。ガイドラインについての言及については、先ほど宇野主査からありましたが、さらに一歩進めて、全国に1,700以上ある自治体全てで取り組みを進められるような、伴走型のアドバイザー制度のような仕組みも必要ではないかと考えています。アドバイザーを多く発掘・活用し、交通商社への取組意向がある地域へ派遣し推進を図るものです。特に過疎地域では人材確保が難しい一方で、移動の必要性、交通の足の確保のニーズは高く、また比較的システム導入しやすい条件もあると考えられます。こうした地域に重点的にアドバイザーを派遣していくような政策を推進すべきではないかと思っています。次回は、モビリティ・ロードマップ2026の議論が中心になるかと思いますが、引き続き忌憚のないご意見をいただきながら、策定を力強く進めていただけたらと思いますのでご協力の程よろしくお願いします。本日は誠にありがとうございました。
三隅補佐: 本日も様々なご意見をいただき、ありがとうございました。追加のご意見がありましたら、今週末までに事務局までお寄せください。本日の議事録等につきましては、有識者の皆さまにご確認いただいた後、デジタル庁ホームページで公開予定です。第16回モビリティワーキンググループの開催日は現在調整中で、改めてご案内します。第15回モビリティワーキンググループはこれにて閉会とします。本日は誠にありがとうございました。
以上