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地方公共団体情報システムにおける文字要件の運用に関する検討会(第8回)

概要

  • 日時:令和6年3月28日(木)10時から12時
  • 場所:砂防会館 別館・オンライン
  • 議事次第
    1. 第7回検討会振り返り(文字要件の改定について)
    2. 文字要件の改定について
    3. 実証事業報告について
    4. 周知・広報について
    5. 3月末公開資料について
    6. その他

資料

議事概要

日時

令和6年3月28日(月)10時00分から12時00分

場所

砂防会館 別館B 3階 霧島/オンライン

出席者

※敬称略

座長
庄司昌彦(武蔵大学社会学部教授)

構成員

  • 荻野敦(地方公共団体情報システム機構有識者)
  • 小林龍生(一般社団法人文字情報技術促進協議会会長)
  • 後藤省二(株式会社地域情報化研究所代表取締役社長)
  • 笹原宏之(早稲田大学社会科学部教授)
  • 坪田充博(日野市企画部情報政策課長)
  • 林伸明(臼杵市保健健康課主幹)
  • 原田智(公益財団法人京都産業21DX推進監兼CISO)

準構成員

  • 鎌仲正大(株式会社アイネス)
  • 藤野正則(日本電気株式会社)
  • 青木弘明(株式会社日立システムズ)
  • 大村周久(富士通Japan株式会社)
  • 高岩亮太(富士フイルムシステムサービス株式会社(代理出席))
  • 早瀬悠樹(株式会社両備システムズ)
  • 吉田匡一(株式会社両毛システムズ)

オブザーバ

  • 小山内崇矩(総務省自治行政局住民制度課デジタル基盤推進室 課長補佐)
  • 須藤駿斗(総務省自治行政局住民制度課デジタル基盤推進室 係長)
  • 硲卓也(法務省民事局民事第一課 係長)
  • 岡崎天海(厚生労働省政策統括官付情報化担当参事官室 事務官)

議題

  1. 第7回検討会振り返り(文字要件の改定について)
  2. 文字要件の改定について
  3. 実証事業報告について
  4. 周知・広報について
  5. 3月末公開資料について
  6. その他

議事

  • 第8回目となる本会では、報告事項として第7回検討会を振り返り、文字要件の改定については、委員からの意見も踏まえて、「経過措置期間」「経過措置期間中の連携」「未登録文字の取扱い」「文字符号化方式」などの改正案を変更した旨の報告が事務局よりなされた。
  • 事務局より「文字要件の改定について」、「実証事業報告について」、「周知・広報について」「3月末公開資料について」に関する説明が資料1をもとになされた。

質疑

構成員: 改定案①経過措置期間について確認となる。元々、予想していたのは、何年何月、という出し方だったので、わかりにくいという感想を持った。結局、移行困難システムの完了期限が経過措置期間の終わりになるということだが、そうすると、移行困難システムにはいろんな移行困難システムがあって、ものによってはものすごく時間がかかるものも出てくるかもしれないが、最終ランナーに合わせるということになるのか。1,700を超える自治体もあると、経過措置が5年も10年も続いてしまうということになるのではないか、というところを確認させて欲しい。

事務局: 最終ランナーに合わせる、という形になる。ただ、これはあくまでも期限ということなので、我々としては、最終ランナーはしょうがないが、それ以外の自治体については、できるだけ早く移行していただこうと考えているし、場合によっては、状況を見ながら、前倒しも考えたいという趣旨である。

構成員: もう1つ確認したい。移行困難システムの完了期限と、文字に関する経過措置は、必ず一緒になるだろうか。つまり、移行困難システムではない、文字以外の部分では特に問題がないが、文字だけ問題である、というものがある場合、それは移行困難システムに今はなっていないと思うが、そういうものをどう扱うのか。

事務局: この辺については、我々の中でも今まさに整理中である。細かな点については、またFAQといったような中でお示しさせていただければと思っている。

構成員: おそらく今後、移行困難システムの完了期限は大きな話題になっていくと思うが、長期化するとどうだろうか。忘れ去られることはないかとは思うが、完了期限は明確に定めていくものでもないとのことなので、見えなくなっていきやすいと感じた。そこが気持ち悪さとして残っているので、「いつまでには完了しよう」というのをみんなで確認しながら進められればと思う。

構成員: 事務局のコメントに補足をすると、文字コードの移行はものすごく時間がかかる。昔に新・旧JIS問題というのがあった。それは1978年に7ビット2つの漢字のコードができて、83年にそれを改正した。その時に、今から見ると非互換な字体の入れ替えをして、それが新・旧JIS問題として自治体もそうだがマーケットでも大きな混乱が起こって、それの解決ができたのが、2000年に、JISのX0213という大きな漢字集合ができて、それで初めてその新・旧JIS問題は制度としては改訂できた。ところが、その時に、Extension Bと言っているが、16ビットに収まらず、16ビットを2つ使ったサロゲートペアとUnicodeでは表現している、それを使わないと表現できないJISの符号位置が出てきた。そのお話を伺っていると、今に至るまでその地方自治体で実際に使われているシステムで実現できないものもあるようだ。ということは83年からすると、半世紀経っても実現が出来ていないことになる。というわけで、この移行措置っていうのはすごく時間がかかると思う。ただ、事務局が言ったようにたゆまぬ努力、本来はこうあるべきだっていう姿を常に見せながら、それぞれの自治体がそれぞれの状況とか予算とかに応じて、キャッチアップしやすいような環境を作っていただくっていうのが大切ではないかなと思う。一方で、国際標準との整合性というのは我々も含めてになるが、可能な限り急いで、こうあるべきだ、こうなるのが国際標準に合致した姿だ、っていうのは一刻も早くお見せできるように、努力をしたいと思う。

事務局: ありがとうございます。サロゲートペアは、以前の検討会で、標準化でサロゲートペアに対応できないベンダーが3分の1ほどあるという課題を提示させて頂いた。それに対しては、協議会の皆さんにもご協力もいただき、対応案を示させていただいている。対応案も踏まえて、一気に進めていきたいと思っているので、引き続きよろしくお願いしたい。

構成員: 1点、確認事項となる。ポイントとしては、この(1)の②経過措置期間中の連携について、といったところの適合基準日の確認になる。文字要件に関わらず全ての標準仕様が同様と認識しているが、自治体から色々問い合わせがある中での改めての確認ということで、お話しさせていただく。他の標準仕様もだが、適合基準日があり、基本としては2025年度末、26年の4月1日という適合基準が設定されているのが各業務の機能要件にある。この経過措置期間中の連携を行政事務標準文字で行う、といったところの言わば適合基準日というのは、移行困難団体は置いておいて、基本的には他と同様、25年度末、26年の4月1日という考え方でよろしいのかという確認になる。この背景としては、もうすでに導入が始まっている自治体とかがある中で、その各自治体の導入においては、当然、その移行期限の手前で、稼働を迎える自治体が多数いる。その稼働の段階で、行政事務標準字で絶対に稼働していなければいけないのかというと、もうすぐ稼働しようとする自治体では現実的に無理なところもあったりして、そこの問い合わせがあるので、行うこととする、というものの、適合している時点というのが、いわゆる移行期限と呼ばれているのが適合基準日という考え方であっていのるか、といったところの確認をさせていただきたい。

事務局: 適合基準日は、2026年の4月1日ということになる。経過措置は、それ以降ということで設けさせていただいているので、その経過措置の関係と、適合基準日の関係といったようなものは改めて、整理をさせていただいて、FAQなりでご提示させていただく形になるかと思う。

準構成員: 基本的には26年4月1日にはなっているという理解で承知した。引き続き、情報共有をお願いしたい。

構成員: そもそもの話に戻って大変恐縮だが、この文字要件そのものの規定について大きく根拠を言うと、おそらく標準化法、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律というところが根拠になるという理解をしている。その中で例えば法律で細かいところについて言うと、13条で政令への委任が決められているので、具体的なところは政令で定めるものもあるのかなと思う。私はいくつか他の標準化の検討会にも参加をさせていただいており、個別業務の標準化の検討会では、標準仕様書という形のアウトプットがかなり文書として出てきて、取りまとめをしているので、それはある程度イメージがしやすい。一方で、今回のこの文字要件の規定について、あるいはその計画期間の考え方、あるいはそれをどういう風に連携をするのかというのは、まさに先ほどの説明のところになるが、これがどのような形で、具体的にオフィシャルに出てくるのかということを、イメージができるように教えていただけるとありがたい。そこまでまだ準備ができていないということであれば、いつ頃はアナウンスができますというような、そういう形でも結構だが、教えていただけるとありがたい。

事務局: 実は、先ほど、意見照会中と話しをしたが、今週の月曜日、データ要件・連携要件の総論の文字要件として、今回改定になっている部分はこの部分です、ということがわかる形で新・旧の全文をご提示させていただいている。自治体の方には、一斉照会システムで月曜日に発出させていただいているので、それを見ていただくと、2番は変わっていないので、1番、3番、4番は、現状はこうだけど、このように改定しようとしている。ということがわかる。ぜひそれを見ていただいて、ご意見とかいただければありがたい。

構成員: 同定支援ツールの機能が向上しているということで、結構なことと感じた。ただ、伺う中でAIが基本的にまず同定作業を行い、それを役所の実務の方や実務経験者の方が有識者として文字同定を進めたということと理解した。文字同定では、途中でお話があったように、その属性情報を色々吟味しながら、この字の異体字であるとか、どの字の異体字でもなく独立した文字であるといったことを、推測を重ねながら判断していくわけだが、ある文字同定が完了したとか、この字については完了しなかったなど、今回は何をもってそういう振り分けができたのかということが気になる。というのは、包摂規準のようなものを当てはめて機械的に行うということをされたのだと思うが、現実には、例えば漢字のトメハネはデザイン差とされることがほとんどだが、読みや用法によっては別の字となる。要するに、トメハネが差を示すための機能を果たすような文字も固有名詞にはあり、専門家の知見も通した方が良いのではないか。文字同定の完了というからには、ということでまず意見として申し上げた。続けて、今の話題に関連して、戸籍システムで約70万字ある中に、雪という字にこれらのバリエーションが含まれているということがあった。ここではしばしば私どもが法務省の委員会でそれを同定したと説明されてきたが、実際には初めて見るものも多々あり、ある程度整理されたものを対象に、法務省の委員会の委員は同定を進めてきたというのが現実である。どれもデザイン差と言えそうに直感的には思うのだが、漢字のデザイン差やJISの包摂規準などを定めてきた経験から見ると微妙なものも正直含まれている。続けて、対応の検討、というところに移るが、②で屋号などについて、というものがあった。その屋号や企業名というものも重要な情報であり、そこに使われている文字は簡単に代替ということをしていいのか、と疑問に思うところである。MJ+に追加するという方向性もあると以前聞いていたが、この代替という方向、同定という方向に向かっているのかという点が気になるので、これは後で教えていただければと思う。登記統一文字は私も中身を見ていたが、固定資産税等で扱われる各地の地名、つまりJIS第3、第4水準にも入っていないような細かな地名の字が随分入っていて、それらには各地の文字、方言漢字などとも呼ばれるものもあり、戸籍統一文字においても一部が独立した文字として扱われている。こういうものをきちんと扱わないで先に進んでしまうと、また後で禍根となって問題が現れてくることを懸念している。あとは③・⑥の辺りで、外国人の氏名、住所に関して、中国、香港、台湾、韓国などの方々の名、特に下の名前には、今その個人だけの文字というものが見られる。かなり頑張ってそういうものがUCSに登録されているわけだが、MJでは十分に対応できていないのも現実である。こういうものを強制的に別の字に代替していくという方向で進むならば、何かしらの問題が後で生じてしまうことを懸念する。ほとんどが意見となったが、一部お尋ねしたいことが含まれていたので、よろしくお願いしたい。

構成員: ポイントとしては4つほど話題があったかと思うが、事務局からお願いしたい。

事務局: 本同定支援ツールは、法務省の文字整備事業で、70万の戸籍システムの文字を行政事務標準文字の7万文字に対応付けいただいた変換表を、ベースに開発している。今回は、その変換表の前処理として、入力文字を戸籍システムの70万文字にマッチングするところを、AIを用いて行っているのだが、ここでおっしゃる通り、ハネの微妙なところとか、テンの微妙なところとか色々でてきている。今回は、実証事業を通して、細かなチユーニングを行っており、もちろんAIなので、100%の同定率ではないが、十分実用に耐えうる同定率となっており、全国の自治体の皆さんの同定作業を支援するツールとしては、最もふさわしいツールではないかというようなことで、ご提示させていただくものである。それから屋号とか企業名といったようなところ、まさに、登記統一文字といったようなものも踏まえて、ここは MJ+に例えば追加するのであればというようなことも踏まえた論点になる。一方で、標準化というところでは、令和7年度を意識しないと、自治体の皆さん、あるいはベンダーの皆さんが迷われてしまうことになりかねない。令和7年度に向けて登記統一文字がどのような状況になっているのかということを、早急に確認をさせていただいた上で、この登記統一文字を含めるのか、あるいは、現実的にはやはりこの期間では無理なのでどうすべきなのかを、お示しさせていただこうと思っている。それから③・⑥について。住所とか氏名があった場合に、そのシステムの中でどういうような取り決めになっているのか、何らかのルールが存在しているのかどうなのかということをまず省庁と詰めた上で、何らかのルールがあるのであればそれをMJ+に同定してもいいのかというようなことを検討させていただこうと思うし、ルールがないということであれば、じゃあMJ+に同定するのが可能なのかどうなのかということを、各府省と検討させていただく。要は、原則MJ+に同定と書かせていただいたが、しっかりとした裏付けといったようなものを取らせていただいて、その上で自治体の皆さんに手順としてご提示させていただきたいと考えている。

構成員: ご説明としては理解した。

構成員: 今の話に付け加えると、継続課題・検討課題リスト、みたいな一覧があった方がいいかと感じた。国際標準化もそうだが、今年度で区切りにならない話題とかはたくさんあるので、それは一旦整理していただくといいのかと思った。

構成員: この検討会は、明治期に発散してしまった漢字を、コード、コンピューターの世界に落とし込むためにはどうするのか検討する場であると考えている。当然のことながら全ての国民が満足いただける答えはないので、一定の限界があることを前提にまとめられたものが行政事務標準文字であり、それを定めることでどのような問題が発生するのか議論して、できるだけ多くの方が満足いただける落としどころを探るべきだと考えている。
であるならば過去の由来はあまり関係がなく、モニターを募集するなどして、今生きている人間がどう思っているのか、どう使っているのかという観点で判断するべきではないか。また、こうした方がああした方がと言い出すとキリがないので、いちいち戸籍に立ち戻る必要があるのか疑問である。戸籍は戸籍で学術的にじっくりやっていただいたらよいので、この検討会ではどうしても整理しないといけない問題だけ拾うべきではないか。
行政事務において、今生きているできるだけ多くの日本人が同じ文字とすることに満足いただける接点を探すことになればありがたいと思う。

事務局: まさにおっしゃる通りである。まず、この検討会でも議論されてきたように、アイデンティティとしての文字の重要性を否定するものではないし、しばらくはどうしてもその文字が必要ということは理解しているところである。とはいえ、やはり私たちが考えなければいけないのは、まさにこの文字の名前の通り、行政の事務で、標準的に使う文字はどうあるべきかであり、公共性や合理性の観点から考えていくことが重要であるということである。次に、皆さんのアイデンティティを確保するためには、当初の1万文字ではなく、6万文字でもなく、7万文字の行政事務標準文字が必要というところに行き着いている。よって、7万文字あれば、アイデンティティを確保した形で、文字同定できるというのが、この検討会での全体合意かと思っている。なお、その上で、今回最後に確認させて頂こうとしているのは、それぞれの業務システムで、文字に関するルールがどうきめられているかである。実際に自治体の皆さんにMJ+に同定をするということを手順書としてお示しするにあたっては、そもそも制度はこうなっているので、MJ+に同定をするということを各業務の所管省庁と合意させていただいた上で、皆さんにお示しさせていただく予定である。この辺の各省調整については、我々としても何ヶ月もかけてこれをやっていこうと思っているのではなくて、できれば1ヶ月以内にケリがつくものはケリをつけて、MJ+に同定という形で皆さんに手順として示していこうと思っている。どうしても調整が取れないところに関しては、別途、引き続き各省庁と調整を取るべく、議論をして、結論を導き出したいと思っている。

構成員: これをまとめるのはすごく大変だったと察する。私も現場にいた時に、自身の自治体の中だけでも整理するのは大変だったので、よく整理いただいたと思っている。そのなか、12ページの1番上に、29万3514文字というのがありながら、右側に質問を1つ降りると、対象外フラグの文字、この約4万と言われている文字は使ってはいけなと理解した。更にその下の同定先の有無でこの2番目のフラグがついてない文字については、絞っていくと、20万文字とそれ以外の文字ということで、その4万8452文字も同定先を設定してはならない文字なので、使ってはいけませんよ、という方向に行くのかなと理解した。間違えていたら後でご指摘いただきたいが、その対象フラグの文字というのは、どんな具体で文字なのかということと、その下の、3番目の同定先を設定してならない文字、というのはどんな文字なのかはお聞きしたかった。この理解でまず合っているのかご見解いただきたい。また、10ページに戻らせていただきたいが、今まで委員の皆さんのお話を聞く中で、シンプルに自治体の方の作業、手足の作業として表現すると、左側の雪という字を持っていた住民がいらっしゃったら、ゆくゆくはこの右側の雪っていう字に変えてきますよと。そして、この資料の中にも所々出てくる、使えない文字っていう表現、制度上使用できない文字っていう言い方は随所でしてくるが、おそらくそれは戸籍の正字で使えるか使えないのか、っていう判断を私はした。今も自治体で悩んでいるのが、出生して新たに生まれてくる方、お子さんに対しては当然ナビゲートできるが、住民の方で前からこの左側を使っていて、今度右側になりますよ、というある意味で大きく鉈を振っていくと、そういうことになりましたということで今回お示しいただいたと理解した。その辺の考え方に相違がないかどうか、お聞きできればと思う。

事務局: ここは説明を省略したが、113自治体の皆さんから文字を収集させていただき、その収集した文字が大体30万文字ほどあった。収集した時に、自治体の皆さんには、記号に関しては同定の対象外なので、対象外フラグを付けてください、とお願いをして文字を収集した。その4万文字というものは記号だったので、対象外フラグを自治体の皆さんが、この文字は記号です、ということでつけていただいた文字が4万文字あったので、このフラグのついていない文字を同定しようということでこのシステムに放り込んだ。しかし、必ずしも全ての記号に対して対象外フラグをつけていただいたかというと、そうではなかった。同定作業を続けていったら、記号に対象外フラグが付いていないものが紛れ込んでいた。実は、自治体の皆さんに外字を出してくださいとお願いした時に、本来は対象外フラグをつけていただけるとありがたかったが、それをやると非常にお手間だというようなことも伺ったので、私たちからも、対象外フラグは必ずしも全部ついていなくても結構ですよ、と言っていたのである。そのため、フラグがついていない記号が混ざっており、それがここで言うところの、同定先を設定してはならない文字、大体5万文字というような形になっている。よって、これはざっくり言ってしまえば、記号を除いたもの、漢字として認識していただいているものを、そもそも入力値として我々は認識していると、というようなことになる。これが第1点目の回答になる。それから、第2点目についてはおっしゃる通り、この雪の文字を例えば実際に住民記録とかでお使いになられているとして、その雪の文字を入れていただくと、結果として、このMJ+のこの雪に同定されるというようなことになる。まさにここは様々な文字が入っていると思う。雪に限らず、様々な文字で何種類あるかというのは最終的に見てはいないが、その文字を入れるとMJ+の文字に置き換わっていますよ、ということをここではお示ししている。

構成員: 今まで私もそういう形でご説明いただいたように解釈していたが、連携で文字を変えていくのか。 住民票自体のMJ+を採用する団体というのは、具体で考えれば、右側の文字になっていくだろうと思う。連携だけじゃなく、データベースもそのような形にしていきます、という話であれば、右側になるし、文字も変わる。であれば、住民への説明をしっかりしなきゃダメだよね、という話になる時に、住民の説明というのは、さっき言っていた制度上使用できる文字に変えていきますよ、ということをやっぱり我々も腹をくくって進めなければいけないのだろうと、今日改めて思った。そういう強い意思で標準準拠のシステム自体の文字セットを変えていくということで理解をした。理解があっていれば以上となる。

事務局: まさにその通りで、住民の皆様へのご説明もしていかなければいけないなと改めて思っているところである。

構成員: もうMJ+という言葉をやめませんか、と提案をしたい。何かというと、今日の皆さんの議論、それからデジタル庁の今までの様々な調査を踏まえても、ものすごい作業を今までしてきた。行政事務用の文字セットはいかにあるべきか、ということを実証も含めて追求なさっているわけです。その過程の中で、かつて戸籍統一文字に含まれていて、なおかつ、文字情報基盤にも含まれている、現代の日本の社会では、まず使われることがない、中国の古典籍のみに典拠を持つ文字というのが、大量に入っていることもわかり、それを除いて実際の標準フォント作ろうという話になっている。色々と個人的に言いたいこともあるなか、可能な限りご協力させていただきたいということになっているが、実は文字情報基盤で作った文字セットとは全く別の、まさに行政事務用の新しい、非常に実証的な裏付けのある、説得力のある文字セットを作ろうとされている。だとすれば、もうMJ+はやめて、文字セットとしての行政用標準文字集合、それをデジタル庁で作りましたよ、と。若干変更しなければならないこともあるかもしれないし、追加もあるかもしれない。しかし、それは実態を踏まれてやっていきますよ、ということでいいと思う。何かと言うと、それをやってくれたらあとがラクになる。それで、行政事務用標準文字セットというものが、できればそのまま、国際符号化文字集合に符号位置を要求することができる。何の前提条件もなく。私が以前にこだわっていた、典拠が欲しいであるとか、使われているエビデンスがあるのか、そういう風なこと一切なしに、日本の行政事務で必要とされている文字セットなのだ、と強く言える。よって、MJ+という呼び方は止めていただいてもよいのではないかと思う。今新たに、その行政事務用の標準的な文字セットをデジタル庁の方で開発をしているのだということで、良いのではないかと思うが、いかがだろうか。

事務局: 私もまさにそのように思っていたところである。行政事務標準文字という名前もこの中で定義をさせていただいており、行政事務の中で使っていく文字表したとてもよい名前だと思っている。できればこの文字でやらせていただくというのがいいかと思う。MJ+というのは、略号としてはこれを使うと言ってきたが、例えば、MJ+ではなくて、例えば行政事務ならGJとか、別の略号をセットするのもよいと思う。

構成員: 行政事務標準文字というのはあくまでも字体セットで符号位置を持たないもの。符号位置については関係なく、そういう字体のセットがあるという前提で進めていただきたい。その中で、すでにUCSであるとかIVDに対応できるものはそれでいいが、対応付けできないものはそのままにする。そして、それの対応付けを要求するという、アプローチになると思うというのが1点。それと、今のことと関係するが、IVDとサロゲートペアも避けたフォントを作られると思うが、それに関しては、あくまでもそれは暫定的なフォントだ、という立場とは変わっていない。絶対変えられない。この2つだけ確認しておきたいと思う。

事務局: 後ほど触れようと思っていたが、その暫定というような表し方で、今は、仮称・基本フォントというような形にさせていただいているが、実際に作る、半年後は、その時においては、暫定的だというようなことが分かるような名前も検討させていただく。

構成員: もう1回申し上げるが、文字セットというものと、それを使うためのフォントは別の話である。そこを混ぜると厄介なことになるので、はっきり分けて議論を進めていただきたい。

構成員: 先ほどの説明の中で気になっているのが、今までMJの背景というか、これを作られてきた経緯があって、私の理解は、経産省の政策の元にIPAが作られた。で、それを今は協議会でマネージメントをする形になっておられる。で、先ほどの事務局の説明だと、新たな考え方でデジタル庁という言葉があったが、そういう流れで、一旦何か元に戻るような形になるという、理解でよろしいのか。

構成員: 協議会で今管理されているのはMJ。今ここデジタル庁で議論をしているのはMJ+というかGJという方で、つまり組織的にもそういう切り分けで間違いないか、という確認と理解した。つまり「+(プラス)」の部分だけをデジタル庁がずっとマネージしますよ、とするのか。もしくはMJ+全体を新しい一体的なものとしてデジタル庁が引き取るのか、という話になるだろうか。事務局からの回答をお願いしたい。

事務局: そのような切り分けとなる。旧来のところはIPAで作られて、今は協議会の方で信託を受けてやられているという整理になっている。その上で、我々もプラスをして、追加の部分となるが、約1万字を追加させていただいてGJをセットするというような形で、整理は今のところ進めている。今のお話は、2つのところで分けて管理をすると色々不都合があるのではないか、ということであれば、改めて、そこは今後整理をするということが必要かと思う。

構成員: 先ほどの発言は、もうMJにプラスするのをやめて、いらないものは初めから入れないで、現在の行政事務に必要な文字のセットを新たに作られたらいかがですかという意図だった。それだけのことを我々は今までしてきた。

事務局: 細かい部分は今後になる。今はまさに分割で進めているが、今後整理をしたいと思う。

構成員: 資料21ページの左側については、住民の方々に「基幹業務システム」と言っても分からないので、それよりもデジタル庁の取組がスっと入ってくるような、誰もが反対しにくいキャッチコピーにされるべきではないか。 例えば「現在、全国の自治体ごとにバラバラな漢字、フォントを統一します」とだけ大書して、「まずは基幹系から始まります」などと小さく書いておいたらよいのではないか。まず住民の方々にとってこの取組が有意義であることを示された方がよいと考えている。
もう1点確認したいのは「今後あなたの氏名漢字は全てこうなります」という表現になっているが、あくまでも「この文字でお知らせが行きます」ということではなかったのか。「戸籍の文字を変えるのではなく、この文字でお知らせするだけですよ」という趣旨の表現に変えるなど、そこまで悲壮な話ではないことを広報されたらよいと思うのだがいかがか。

事務局: どうしても私たちは標準化を推進する部分でやっているので、そういう表現になってしまう。その方にどのような影響があるのかというようなことをまず主体にしつつ、少なくとも今のところは戸籍については変わらない、ということを我々も整理をさせていただいて、その上で、それ以外の事務、あるいは戸籍から出る部分もそうなのかもしれないが、それらについては、事務処理としてまさに合理的にやっていこうというようなことで、このような形にお知らせの文はなりますよ、とさせていただこうと思う。今日の広報資料イメージはあくまでもサンプルなので、来年度、これをしっかりと作っていこうと思う。そして、再来年にかけて、これらをデジタル庁の方から、皆さんの方にお示しするという形になるので、またよろしくお願いしたい。

構成員: 26ページ。この文字情報基盤、というのはやめて、UCSにしていただきたい。それから、この右側に、U+なんとかとコードが書かれているが、実際に今進めている暫定フォントで使われる符号位置を、変な誤解を招かないために入れた方がいい。あくまでもこれは標準化するまでの暫定的な符号位置ですよ、っていうことを、広報資料でも示しておいた方がいいと思う。

構成員: 小林構成員がおっしゃるように、専門家筋にどう受け取られるかというのも重要なので、そういった観点での広報も大事だと思われる。

構成員: 資料の21ページに、これは表現だけのことだが、文字の標準化という記載が右上にある。今までの議論を踏まえると、文字の行政事務云々での標準化みたいに、行政事務云々は入れておかないと文科省の政策などとも整合が取れなくなる可能性がある。また今回の事業の性質がよりはっきりすると思うので、そのようにされるとよいのでは、というのが提案である。あと、24ページで、文字包摂という言葉が使われていて、※2に説明も出ている。これによるとデザインレベルのものは包摂するということになっているようだが、今回のその文字の変更というのは全てデザインレベルを指しているのか、それとも、ちょっとした差をもつ字体もこの際変えてしまうということを含むのかどうか、という点について確認させていただきたい。細かなことに聞こえるかもしれないが、私も文字コード政策に関わって30年ぐらいになるが、JISなどでは学問的な裏付けが希薄なままに進められたために後で運用で困惑する事態が散見される。この大規模な、しかもデジタル庁が行う事業であるので、そういう二の舞を踏むようなことがないようにと懸念してのことである。最後に、戸籍だけでなく住民基本台帳の文字も変わると資料では読めたが、このページでも※1の2行目、この標準化の対象となるものに住民基本台帳等が挙がっているので、戸籍だけの話ではないという風に読み取ることができると思う。ここで、直接関係ないかとは思うが、先日、マイナンバーカードのデザインが変わるということが報道され、その券面に住基文字が使われているとして一部で話題となった。住基文字については総務省がかつて報告書を出していて、外字が画像として116万文字も出まわっている、しかもこれが全数調査の結果ではないとあった。総務省においては、こういうものの文字同定をされているのかをお伺いしたい。戸籍の文字は、私も今回の法務省の事業で一応全て見たはずではあるが、そこに見られないもの、要するに住基にあって戸籍にないような文字が相当あるということがこの報告書に出てくる例からも分かる。外国の人の氏名ばかりではないようである。その辺りのことがはっきりしないまま進んでいくことで今後について心配があるということを申し上げる。

事務局: 今回ここでやっているのがデザイン差というようなことだけなのか、ということだったと思う。基本的には、法務省の方の事業で同定をしたというところがベースなので、そこの中では、我々が伺っているのは、ある程度確認させていただいたのは、字形の違いといったような部分で、字体の違いではないですよと。字体が違うようなものについては、新たに約9,000文字というようなことで追加させていただいているというようなことですので、ここについては、基本字形の差、まさにデザイン差ということに今回やらせていただいているというのが、我々の見解というようなことになる。

構成員: 私もデザインレベルのものはあまり細かく気にしない方がいいとは思うし、一般の方もそういう風に認識してくれるといいと思っているので、よい方向だと思う。あと、標準化に関しては、行政事務云々を書き加えた方がいいと思うが、そのあたりはどうだろうか。

事務局: それは書き加えたいと思う。

構成員: 総務省からの説明はいかがだろうか。

オブザーバ: 外字のイメージについては確認して回答をしたい。

構成員: では、改めてご回答をいただき、事務局経由で共有いただければと思う。

構成員: 最後のところに出てきた、強制代替ということに関して教えていただきたい。法務省の委員会でも、その元になるのかということに対して検討をしていたが、そこでの説明では、行政情報処理の処理系の中で代替をするものであって、これを名前に持つ本人が、例えばこの命令のレイの、リットウの取れているものを何かの書類で見かけることはないというような説明もあった。今回の話の中でも、そのような扱いだと理解してよろしいのか。

事務局: そもそも代替文字がなぜ必要なのかというところになるが、20の業務の間では、代替文字ではなく、行政事務標準文字を使って連携をしている。一方、現在のところはないが、各業務システムから、例えばスマホにデータを連携するというようなことが、今後電子申請等々でありうるかなと思っている。スマホは、今のところ約1万文字しか表示できないので、そのような時には、この代替を使って、スマホには表示させていただこうというところである。

構成員: 先ほどのやり取りの中で、もうMJ+の「+(プラス)」部分だけではなく全体をGJと呼んだらいいのではないか、という話があったが、 例えば29ページの表の中の②の2列目にGJ文字一覧が出ている。それから、29ページのその下の表にもGJ文字一覧1.0版というのがある。これはMJ+全体を GJと呼ぶようにする、という前提で書かれているものなのか。仮にそうだとすると、MJ+という言葉も資料には入っているので統一感がなく、これはなんだろうということになるかと思った。

事務局: 一部、我々の作業の中で追加文字の部分を他と識別するために、追加文字の部分をGJと呼んでいた。

構成員: ①はMJで、 ②が今まで「+(プラス)」と呼んでいた部分をGJと呼んでいたと理解した。先ほどの話では、プラス部分だけでなくMJと「+(プラス)」をひっくるめた全体をGJと呼んだらどうかという話がちょっと出ていたわけだが、そこはまだである状況ということも理解した。いずれにしても呼び方と対象を整理する必要はあると思う。

構成員: 近似文字の強制代替についてだが、ここだけ「強制」と入れなければいけないのか。公開されるのであれば、強圧的なイメージがあるので外されてもよいのではないか。

事務局: 私たちとしては、通常の一般的な代替よりは大きな代替なので、強制というのを入れさせていただいていたが、そこまでということであれば外させていただこうと思う。

構成員: システム代替でいかがだろうか。

構成員: より大きな言葉で、自動化、強制化という意味合いは含めておけばいいのではないかと思った。そのような形でよいか。

構成員: 質問となるが、実際の当事者が、かな書きでいいよ、と言ったらどうなるのか。下手に変えてしまうよりも、ない文字をひらがな書きとかにした方がずっと社会との親和性も高いと思う。

事務局: そういう個別対応もあるかと思うが、個別対応にするとシステム的にとても複雑になる上、その個別対応をする自治体の皆さんのお手間もかかるので、行政事務標準文字としては代替で進めていくことになると思う。

構成員: 個人的な意見としても、変な漢字にされるぐらいならば、ゲタ文字やクロマルにしてもらった方がずっと気分は良いと思う。実際に進めていくと、反発は出て来るものかと思う。

事務局: 今回の標準準拠システムで即スマホに出そう、という機能が備わっているわけではないので、まずはこういうのを出して実際に、標準準拠システムの機能として、そういうようなものが整備された時に、改めて、周りのご意見も踏まえながら検討させていただければと思う。

準構成員: 32ページの公開サイトの運用サイクルの説明の中で、 100自治体を1か月、という閾値があるが、これは今後、見直しは発生するのか。今日の場での回答ではなくてもいいと思うが、ご検討をお願いしたいと思うのが、この資料が世の中に出た途端に、各自治体さんが、もうとりあえずエントリーしとけ、という状態になることを危惧している。そうすると、本来この時期に同定結果が欲しいという、各導入作業の話とは別軸でこの枠が埋まっていった結果、本来必要な時期に必要な自治体様に同定結果が渡らないっていうことも、あくまでも想定だが、ありうると感じた。これもフィックスの団体数ということになるのか。

事務局: 100というのはミニマムの値である。というのがまず第1点。やはり同じようなことを我々もご指摘はいただいており、なるべくこの数字は上げていきたいというのがもう1点目である。 その上で、自治体にいつ頃使う可能性がありますか、というようなアンケートを3月に取ったところ、大半が、まだ利用時期まで決まっていませんというようなところだった。よって、まずは4月とか5月は様子見させていただき、その間に、100の増強を図れるのかの検討や移行計画を踏まえた計画的な同定スケジュールの検討を行っていく。

構成員: 他に意見が無ければ、議事をここまでとさせていただきたい。

以上