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地方公共団体情報システムにおける文字要件の運用に関する検討会(第2回)

概要

  • 日時:令和5年3月29日(水)10時00分から12時00分まで

  • 場所:全国町村会館及びオンライン会議

  • 議事次第:

  1. 開会
  2. 議題
    1. 第1回検討会でのご意見及び「データ要件・連携要件標準仕様書(文字要件)【第2.0版】案」に係る全国意見照会の結果について
    2. 「データ要件・連携要件標準仕様書(文字要件)【第2.0版】案」について
    3. 「MJ+の全体像」案について
    4. 令和5年度の取組に向けた課題整理について
  3. その他
  4. 閉会

資料

関連政策

議事概要

日時

令和5年3月29日(水)10時00分から12時00分まで

場所

全国町村会館・オンライン

出席者

※敬称略

座長
庄司昌彦(武蔵大学社会学部教授)

構成員

  • 荻野敦(地方公共団体情報システム機構有識者)
  • 小林龍生(一般社団法人文字情報技術促進協議会会長)
  • 後藤省二(株式会社地域情報化研究所代表取締役社長)
  • 笹原宏之(早稲田大学社会科学部教授)
  • 坪田充博(日野市企画部情報政策課長)
  • 林伸明(臼杵市保健健康課主幹)
  • 原田智(公益財団法人京都産業21DX推進監兼CISO)

準構成員

  • 青木弘明(株式会社日立システムズ)
  • 早瀬悠樹(株式会社両備システムズ)
  • 川口真人(富士フイルムシステムサービス株式会社)
  • 大村周久(富士通Japan株式会社)
  • 吉田匡一(株式会社両毛システムズ)
  • 藤野正則(日本電気株式会社)
  • 鎌仲正大(株式会社アイネス)

オブザーバ

  • 田丸健三郎(デジタル庁 プリンシパル・ソリューションズ・アーキテクト)
  • 鈴木洋平(総務省自治税務局企画課電子化推進室 課長補佐)
  • 佐久間信彰(総務省自治税務局企画課電子化推進室 係長)
  • 長谷川翔平(総務省自治税務局企画課電子化推進室 事務官)
  • 寺田雅一(総務省自治行政局住民制度課 課長)
  • 奥田隆則(総務省自治行政局住民制度課デジタル基盤推進室 室長)
  • 羽田翔(総務省自治行政局住民制度課デジタル基盤推進室 理事官)
  • 棚橋邦晃(総務省自治行政局選挙部管理課 課長補佐)
  • 内山弾(総務省自治行政局選挙部管理課 係長)
  • 硲卓也(法務省民事局民事第一課 係長)
  • 堤優弥(法務省民事局民事第一課 事務官)
  • 白井美由紀(文部科学省 初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室 室長補佐)
  • 渡邊康尊(文部科学省 初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室 専門職)
  • 島添悟亨(厚生労働省政策統括官付情報化担当参事官室 室長補佐)
  • 巣瀬博臣 (厚生労働省政策統括官付情報化担当参事官室 室長補佐)
  • 名取瑞樹(文部科学省初等中等教育局修学支援・教材課 専門官)

議題

  1. 第1回検討会でのご意見及び「データ要件・連携要件標準仕様書(文字要件)【第2.0版】案」に係る全国意見照会の結果について
  2. 「データ要件・連携要件標準仕様書(文字要件)【第2.0版】案」について
  3. 「MJ+の全体像」案について
  4. 令和5年度の取組に向けた課題整理について

議事

  • 第2回目となる本会では、第1回開催の結果を受けて得られた構成員からの意見及び、全国意見照会の結果を受けて、事務局よりその結果のとりまとめ及び課題の整理、並びに、「データ要件・連携要件標準仕様書(文字要件)【第2.0版】案」、「MJ+の全体像」案、令和5年度の取組に向けた課題整理に関する説明がなされた。
  • 小林構成員より、「MJ+国際化プロセス」について、資料2をもとに解説がなされた。

質疑

構成員: ベンタ等からMJ+への文字の追加はなるべく避けてほしいという意見、また事務局からは全体像を提示したいという説明があった。戸籍統一文字に関するワーキンググループにも関わっているため、現状について補足したい。

戸籍統一文字に関する文字の追加は、ワーキンググループで継続中である。私や他の委員は、JIS X 0213の開発に携わった経験があり、文字情報を踏まえた上で同定作業を行った。

その結果、現在でもこのように運用してもらえるものとなっているため、それと同じくらいのレベルの同定作業を目指している。

来年度以降も、字数は減っていくと思われるが、継続されると聞いている。最近の事例では自分の氏名の漢字について、戸籍統一文字と比べると画数が少ないが、家庭裁判所において使用が認められ、戸籍統一文字に追加するといったケースがあった。

個人の氏名の漢字はアイデンティティに関わるセンシティブな問題でもあり、今後も同様の事例はあると考えられる。

総数を早く決めたいということはわかるが、現実にまだ字が存在する問題であり、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を」といった方針を踏まえると、戸籍統一文字の同定作業や文字の追加については今後も続くと考えられる。

事務局: 我々もそこは重々承知している。追加する場合の管理・運用フローを、令和5年度上期に整えていく必要があると考えている。

構成員: 構成員への質問となるが、9,433文字は、現存のMJに含まれないものとなるが、UCSの統合漢字の同定作業についてはされているのか。

今後は9,433文字のなかで、MJには含まれていないが、UCSの統合漢字に含まれているものについて、是非とも、明らかにするよう進めていだたきたい。

デジタル庁、法務省も、目指すべきゴールはMJではなくてUCSではないかと考える。
国際標準に準拠した形で、誰一人取り残されないシステムを作ること目指す必要がある。9,433文字についてどれだけ国際標準に同定ができ、国際標準と統合可能で、どれを新たに提案しないといけないか、ということが大事である。

構成員: 不確定のところもあるが確認する。

構成員: フォントシステムベンダからPUP(Private Use Plane)については、反対意見を聞いているが、国際標準化の観点ではPUPの使用は、今回のプロジェクトに関していえば、良いのではないかと思った。

企画書を改めてみたが、当事者間での合意があれば、それ以外については、使い方については規定されていない。

しかしながら、ベンダからの最も大きな反対は、資料1にも記載されているがデータベースシステムへの対応という点である。これに関してベンダは、現実的な対応は困難であると感じている。

ICU(International Components for Unicode)のなかに、ソーティングオーダーと呼ばれている、符号と符号の列をどのような順番に並べるか、それらを並べてくれるコンポーネントが用意されており、各社はそれを使ってオープンソースで作られて管理されている状態である。

MJでは、そのコンポーネントのなかにIVSという複数の文字符号域を重ねて表現するメカニズムも入っているために、それ含めた形でのソーティングや順番を決めることを協議会メンバーが現在行っている。

MJにおいても作業をしている段階でさらにPUPを追加することは疑問に感じる。

将来的にはPUPの使用をやめ、国際標準に移行することになると思われるが、その場合のコストは想像がつかないほど高い。また、完全移行自体は不可能であり、必ず規定されない文字は残り、残ったところで、国際標準との非整合ということも起こる。PUPを使用しないでほしいということが多くのベンダの意見であった。

したがって、MJ+で大事なことはフォントではなく、9,433文字にそれぞれの文字の形に一意の名称を付けて、その名称と形を明示することであると考える。

一意の名称があれば、自治体間での情報交換はできるため、フォント実装する必要はない。それぞれの自治体では、全てのMJ+を実装する必要なくなる。デジタル庁や法務省で、まずは名称を一意に定めるユニークな名称に決めて、その上でPUPのデータを用意して、SVGのようなアウトラインデータの情報も提供されてはいかがだろうか。

それにより、各自治体が自由に安いコストでフォントを作成することができる。自治体間で文字情報を交換するときには、デジタル庁が公開しているユニークな文字の名称をその手段として用いればよい。自治体間での文字交換のためのシステム、これに印刷も含めた、運用のためのシステムというように、レイヤーを分けて考えることが問題を解決につながるのではないかと考える。

構成員: 構成員の意見を踏まえて、文字要件の意見照会を踏まえた主な見直しの記載内容について確認をしたい。

また、MJ+の全体像については、今のご意見を含めて、修正が必要となるかもしれないと感じている。

No1、2は現状の記載でよいと思うが、No3は記載の変更を検討する必要があると思う。

資料に「文字セット」という言葉があるが、「文字セット」をどのようにするのかという話と、どのように実装をするのかという話は別である。その点さえ見間違えることがなければ、大丈夫であると思うがいかがか。

事務局: デジタル庁としては、実装についてはできるだけ規定せず、連携のための仕様をしっかり定めていきたいと考えている。

しかし、文字についてはフォントについての部分があり、どうしてもそこは実装に踏み込んだ記載になっていた。今回、できるだけ実装については規定しないよう修正したが、さらに記載を変更したほうがよいか。

構成員: 前回からの修正で良い方向に向かっていると思う。実装については可能な限り規定しないでいただきたい。

実装を規定しないということは怖いことであるが、それをうまくやらないと、実装に引きずられて、全体としてみると美しくないデザインになってしまう恐れがある。

構成員: 文字について、戸籍の制度的な位置づけがどうなっていくのかということについて確認したい。戸籍の文字を、ある規格のなかの文字に落とし込むということを明言するつもりなのか。それは国民への説明とも関連する。

自治体から集めた意見のフィードバックを丁寧にお願いしたいということである。自治体からの意見をデジタル庁で全て確認をしているかと思うが、回答を公開してほしい。自治体に対する回答案については、検討会でも議論することが出来れば、更に望ましい。

スケジュールの問題についてである。並行して自治体20業務の標準化が令和7年度末といわれていたが、文字要件についてはどのように併走するのかということについて、スケジュールを記載していただきたい。文字の同定、フォントの整理など、実装に踏み込まないとの説明があったが、自治体はこれらをクリアしないとシステム切り替えはできないため、どこで何をするかは明らかにするべきである。スケジュールは複雑化するほど実行するのが難しくなるので、望ましくない。

住基ネットとの統一文字との関係である。資料のなかでは具体的に述べられていない。制度的にも、令和7年度末では住基ネットの統一文字は残っていると思うが、そことの関係をどう整理していくかは、述べていく必要がある。

事務局: 1点目についてであるが、これがある意味一番難しいことであり、我々としても、経過措置という形を設けている。経過措置を無くして欲しいという意見もあり、我々も無くしたいと思いつつも標準化を進めている状況である。

2点目の意見照会での意見ついては、FAQで対応したい。できるだけ早く対応したい。

3点目のスケジュールについてであるが、システム移行は令和7年度末に集中しているようである。よって、文字の作業についても、できるだけ前倒し、分散化すべく、4月以降にスケジュールを検討させていただきたい。また、文字の同定等については、できるだけ早めに行っていただく形で、当初は1年後に提示する形にしていた同定マップを、ベータ版ではあるが、早めに夏から提示をさせていただきたいと考えている。

4点目の住基ネットと統一文字についても非常に重要な問題だが、我々だけで考える話ではないために、総務省とも議論をしたうえで、令和5年度上期に方向性をお示し出来ればと思う。

また、3月末に提示する「MJ+」の全文字については、全自治体に3月末に一斉照会システムで提示したい。

構成員: 1点目については、私は自治体からの理解を得られないのではないかと危惧をしている。
努力をされているのは承知しているが、現実的に難しいものは難しいものであり、検討いただきたい。

構成員: 戸籍の関係などについては、大変難しいと思うが、デジタル庁は総理直下の司令塔として作られた組織で、大きな方針を作る、示すのが役割である。司令塔機能を発揮していただきたい。

また、スケジュール全体を動かせるのはデジタル庁しかいないので、デジタル庁の立場として全体として目的を達成できるか、という立場で見てほしい。

事務局: ご指摘のとおり、デジタル庁が旗を振って進めなければならないので、関係府省とも連携し、しっかりと進めていきたい。

構成員: 自治体が今回のMJ+の取組に期待するのは、戸籍文字との統合で文字コードの議論に終止符が打たれることであり、外字管理から解放されることである。それにもかかわらず、フォントファイルが2つになったり、個別業務ごとに別になるというのは、ご容赦いただきたい。

また、国際標準が必要なことは理解しているが、構成員からレイヤーを分けるというお話があったように、国際標準の議論と自治体の実務を、レイヤーを分けて進めていただけるとありがたい。

なお、この検討会での議論は、データを連携させることが大事なので、文字のコード化を議論していると理解している。マイナンバーの普及に一定の目途が立ちつつある現在、自治体業務や自治体間の連携においては、マイナンバーでの連携が大半になるのではないか。マイナンバーではなく、文字コードで連携するシチュエーションとしては、警察、裁判、登記、叙勲等の業務が想定されるため、これらの外部システムとの連携についても、議論された方がよいのではないか。

事務局: 外部システムとの連携はご意見いただいており、我々もまさにそこに標準化の意味があると思っているので、どの機関とどういう連携が考えられるかは、できるだけ詳細に調査検討したい。

準構成員: 外部委託に関して印刷業者に印刷を依頼される場合なども考慮されるべきである。

大型自治体では大量印刷を外部委託することは一般的だが、その際に大手に限らず地域の印刷業者に依頼することが多いと想定している。地域の印刷業者を含めて、技術的にもコスト的にも対応することができるか、参入障壁にならないかの検証は大事であると考える。そこは今後検証に含めてもらいたい。

今あがっている諸々の課題が確認できてはじめて、MJ+がいつから運用できるかが決定できると思うので、確認出来たうえでスケジュールを再度検討すべきだと思う。
MJ+は約7万文字という説明であったが、今後の文字数については拡張される可能性もあると説明があった。1つのフォントファイルに収められるかどうかという課題は、事業者からすると非常に重たい課題である。

ベンダの意見を聴く機会を設けるとのことであったが、1つのフォントファイルをどう技術的に実現できるかという裏付けを示していただいたうえで、議論の場を設けてほしい。

文字要件では「フォントについてはベンダの任意とする」との記載がある。フォントの世界では正しいと思うが、行政手続きを考えたとき、あるいは自治体職員から見たときに、各ベンダにおける文字の見た目の揺れをどの程度許容いただけるのかといったことがある。市民からの、これは私の正しい文字なのか、という問い合わせが自治体からの一番懸念される点との認識なので、そこを窓口で説明しやすくするためには、一つの考え方として、デジタル庁が作ったフォントを選択肢として用意することが考えられるのではないか。これは統一することが必要というわけではない。

事務局: 1点目について、検証のうえでスケジュールを立てる、というのは令和7年度末の状況を踏まえて経過措置の年度を検討する、という点と共通する点があると思う。時にはスケジュールを変更する勇気をもって、本実証事業には取り組みたい。

2点目について、おっしゃる通りである。案をいくつか示したうえで、話を決めていきたい。

3点目について、前の質問とも重なるが、ベンダとの検討結果も踏まえて、デジタル庁で作る、となれば頑張って作らせていただきたい。

構成員: 自治体が望んでいるのは、外字をこれ以上作らずに、その運用から解放されたいということである。過渡期においては仕方がないことであるが、外字をいかになくし、標準の文字として同定した知見は、運用に載せてほしい。

併せて、戸籍は確かに法務省の所管であるが、自治体の理解を得ることも必要であるため、期限を設けた上で、デジタル庁としてのビジョンを見せてほしい。

一方で、懸念をしているのは、戸籍は30年前から独自に持っている文字というものがある。デジタル庁がコードやフォントを作らないのではなく、字形の表し方のベースは示すべきである。それをどう使うかはお任せする、という考え方が成り立つのではないか。この考え方自体が、国際データ流通のなかで日本が世界とどう戦うかにもつながっていくと考える。

また、準構成員の意見にもあったが、色々な給付金制度などで委託をする中小企業印刷会社などについてである。令和5年度夏以降に実証事業を展開するとのことだが、仕様書や手順書を示したうえで、ここについては踏み込めるということを提示してもらいたい。

事務局: 今回作っているマップの考え方、構成員にもお示しいただいた部分もあるので、そこを運用に活かせるよう進めていきたい。
戸籍の進め方については、意見を伺いながら、再整理をしていきたい。
印刷業者等についても、我々の標準化を支えるベンダであり、実証事業を行っていきたい。

準構成員: 文字要件において「文字フォントを各ベンダで任意」に、という記述があるが、課題は、マルチベンダでシステムを構築している自治体である。住民記録システムはこのフォント、税システムはこのフォントというように異なっていると、運用や技術面において上手くいかない可能性がある。課題として加えていただきたい。

事務局: 頂いた意見も踏まえ、今後検討させていただきたい。

構成員: 議題2.「「データ要件・連携要件標準仕様書(文字要件)【第2.0版】案」について」及び、議題3.「「MJ+の全体像」案について」は、いただいた意見を踏まえ、私と事務局とで調整をしたうえで決定としたいと思うがいかがか。

(構成員からの異議はなし)

以上