今後のデジタル人材育成政策に関する検討会(第1回)

概要

本検討会の概要は、今後のデジタル人材育成政策に関する検討会をご覧ください。

開催情報

日時:
2026年9月9日(水) 16時30分から18時00分
場所:
デジタル庁 庁議室

議事次第

  • 1. 開会
  • 2. 議事
    • (1)今後のデジタル人材育成政策に関する検討会の開催について
    • (2)これまでのデジタル人材育成政策(230万人目標)について
    • (3)AX/DX推進のプロセス・視点とスキルについて
    • (4)自由討議
  • 3. 閉会

資料

議事概要

冒頭、松本デジタル大臣から、以下の挨拶があった。

  • デジタル田園都市国家構想における、デジタル人材を230万人育成するという目標については前倒しで達成した。ただし、育成された人材がどのような成果を生み出しているのかという質的な評価については十分に検証されているとはいえない。AIの進展等を踏まえ、今後は量のみならず質も重視し、社会や産業のニーズを踏まえた人材像やスキルセットについて具体的に議論していただきたい。

続けて、西尾座長から、以下の挨拶があった。

  • これまでの取組により230万人目標の前倒し達成という成果が得られた一方、生成AI等の技術革新によりデジタル人材に求められる能力や役割は大きく変化している。今後は社会課題の解決や我が国の国際競争力強化につながる人材育成を進めていくことが重要であり、本検討会において幅広い視点から議論を行いたい。

事務局から、以下の説明があった。

  • 本検討会の運営に関する事項等について、資料1に基づき、座長と相談の上、会議資料は原則公開、議事は非公開とし、構成員の皆様の確認を経て議事概要を公開すること、また、本検討会に、副座長を置くこととし、矢田構成員にお願いする。

続けて事務局から、議事(1)~(3)について、資料1~4に基づき、説明を行った。

議事(4)自由討議において、主に以下のような意見があった。

  • 1. 今後求められるデジタル人材像

    • エージェンティックAIの登場、サイバーセキュリティの高まりなども踏まえると、求められる人材像は大きく変わりつつある。
    • 「デジタル人材」という概念は解像度が粗く、例えば、研究開発を担う人材と利活用を担う人材を区別するなどして議論する必要がある。利活用側では、技術の理解だけでなく、自組織の業務やワークフローを理解し、業務改革につなげる能力が重要。
    • AIを利用できる人材ではなく、AIを活用して組織や事業を変革できる人材が重要になっている。また、業務改革や組織変革を担う人材を改めて定義し、役割やレベルを整理する必要がある。
    • AIエージェントの活用が進展する中で、人間には構想力や意思決定能力、マネジメント能力がより求められるようになる。また、AIを使って大きな成果を上げる人材とそうでない人材との二極化が進む可能性があるが、大きな成果を上げ、社会をリードする人材の働き方を類型化・知識化し、教科書にして、速やかに多くの人がキャッチアップできる環境を整備するのがよい。
    • セキュリティ人材やデジタル人材を増やすこと自体が目的ではなく、DXや業務改革を実現することが本来の目的である。そのため、本来の業務に加えてデジタル等の知識・能力を有する「プラス・セキュリティ人材」や「プラス・デジタル人材」という考え方で人材を整理する必要がある。
    • 今後求められるのは単にツールを利用できる人材ではなく、問いを立て、業務を再設計し、組織を変革できる人材である。
    • 「デジタル人材」という概念は幅広く、求められる人材像や果たすべき役割ごとに整理する必要がある。さらに、どの分野や組織で活躍する人材を育成するのかについても整理する必要がある。
  • 2. 必要なスキルセットと人材育成の在り方

    • 生成AIの普及により求められるスキルが大きく変化しており、スキル標準についても継続的に更新していく必要がある。
    • 組織や社会で活躍するためには、デジタルスキルだけでなく、コミュニケーション能力やマネジメント能力なども重要。デジタルAIの進歩を踏まえて、それらとAIやデジタルに関する知識やテクニカルなスキルをどのようにしてスキルセットに組み混んでいくかが課題である。
    • AI時代には、技術的知識やスキルに加え、構想力、言語化能力及びマネジメント能力等が重要となる。
    • AIを適切に活用するためには、技術的知識に加え、歴史、経済、法学等の人文社会科学を含む幅広い知見が必要であり、文系・理系という区分にとらわれない人材育成が重要である。
  • 3. スキルの可視化と活躍機会の創出

    • 地方における人材需要と、女性を含む社会人の学び直し需要とのミスマッチを解消するとともに、学び直しの成果が就労やキャリア形成につながるよう、スキルや資格を正当に評価し可視化する仕組みが重要である。
    • スキルの可視化は重要であるものの、それが賃金や雇用等に結び付かなければ十分に機能しないので、日本社会においてどう実現していくか検討する必要がある。
    • 人材育成においては、スキルや資格の習得から出発するのではなく、配置転換やプロジェクトへの参画等の「出口」をあらかじめ設計することが重要。まず活躍の機会を設け、その過程を通じて必要な能力や人材像を整理することが重要。
    • 海外ではスキルや資格と市場価値が結びついた仕組みが存在しており、我が国でも参考にしてはどうか。
  • 4. 「230万人目標」の振返りと次の目標の在り方

    • 230万人目標の成果や国際競争力指標を踏まえ、我が国の国際競争力向上に資する人材像について整理する必要がある。
    • 情報系人材の育成を進めるに当たっては、情報系の知識やスキルの習得のみに偏ることなく、産業界が求める人材像とのマッチングを意識した人材育成を進める必要がある。

閉会に当たり、西尾座長から、以下の挨拶があった。

  • 本日の議論を通じて、これまでの目標設定は受講や資格取得などの量的な指標に重点が置かれていた一方、今後はそれらを活用してどのように変革やイノベーションを生み出すかという観点が重要である。
  • また、単なるデジタルスキルやAIスキルのみならず、AX/DXによる変革を実現できる人材について、人材像やレベル、果たすべき役割、さらには活躍する場などを整理した上で目標設定を行う必要がある。
  • さらに、今後AX/DXの内容自体が変化していくことも見据えながら、その中で本質的に必要となる能力や人材像を整理し、それらを備えた人材の育成について議論していく必要がある。

最後に、松本デジタル大臣から以下の挨拶があった。

  • 本日の議論を通じて多くの有益な示唆が得られたことに感謝する。本検討会は非常に重要かつ難易度の高いテーマであり、今後も引き続き積極的な議論をお願いしたい。