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デジタル庁コンプライアンス委員会(第2回)

デジタル庁は、我が国経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現を目的とするデジタル社会の形成の司令塔となります。デジタル庁に対する国民の期待は非常に大きく、デジタル庁は極めて重い職責を負っています。

デジタル庁がその職責を全うし、国民の期待に応えていくためには、デジタル庁で働く全ての者が、その有する専門的な知識又は技能を存分に発揮しながら、創造的かつ自律的に行動していくことが求められます。他方で、デジタル庁において、職務に関連して違法又は不適切な事務処理が行われるなど、国民の期待を裏切ったり、国民の疑念を招いたりすることは、絶対にあってはなりません。

そこで、デジタル庁には、外部の弁護士、公認会計士等からなるコンプライアンス委員会が設置されており、随時又は定期的に会議が開かれています。

本日行われたリモート方式での会議では、入札制限等制度の流れ、デジタル庁のコンプライアンスに関する体制等について、活発な議論や意見交換が行われました。

本日の議論等の結果については、デジタル庁における各種規範やルール等の策定にしっかりと反映させてまいります。

概要

  • 日時:令和3年9月29日(水)13時30分から14時30分まで

  • 場所:オンライン会議にて実施

委員会構成員

(五十音順、敬称略)

構成員

  • 名取俊也(ITN法律事務所 弁護士 パートナー):委員長

  • 遠藤紘一(デジタル庁参与)

  • 梶川融(太陽有限責任監査法人 代表社員 会長)

  • 國領二郎(慶応義塾大学総合政策学部 教授)

  • 芝昭彦(芝・田中経営法律事務所 弁護士)

  • 藤森恵子(ASIMOV ROBOTICS株式会社 代表取締役/公認会計士)

資料

関連政策

議事要旨

議事次第

  • 誓約書の提出状況等

  • 入札制限等制度の流れ(概要)

  • デジタル庁のコンプライアンスに関する体制

  • 行動指針の内容を具体化して周知する取組

  • その他

議事概要

各議事について、事務局から内容の説明がされた後、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。

誓約書の提出状況等

  • 誓約書の提出は、肝である。提出していない者について、理由を確認すべきではないか。

  • デジタル庁のコンプライアンスについては関心が高いため、十分説明し、理解した上で 全員から誓約書が提出されるよう、引き続き取り組んでほしいということを、当委員会としての意見にしたいと思うが、よろしいか。(一同異議なし)

入札制限等制度の流れ(概要)

  • 関係職員の登録や関係職員だけがアクセス可能なフォルダの作成に係る対応は、範囲を明確にするという点で良いと思う。

  • 特に、急きょ調達をしなければならない場合や特殊な技術を要する調達の場合は、民間企業に勤務する兼業職員の知識、経験が生かせるところ、現在の基準では、兼業職員に相談するとその親元企業が入札に参加できないこととなる。一定の場合には、事前手続の透明性を担保するメカニズムを入れた上で、入札に参加できるようにすることを検討してみてはどうか。

  • 今現在、具体的な解答を持っているわけではないが、民間の最先端の技術の活用とコンプライアンスの遵守が両立できる方法を、引き続き、検討していくことが必要かもしれない。

  • 適用除外について、性善説に立って制度を構築しているように思われるが、企業が本当に落札したい案件であれば、誰が誰とどのような接触したかは隠蔽するであろうし、容易にできてしまう。不公正性を疑われる状況を避けるため、入札に参加する可能性が高い企業の兼業職員は最初から携わらない、あるいは仕様書の作成開始から入札までの間は接触できないようにするなどの対応も考えられる。

  • 兼業職員とその親元企業が有する知識、経験及び技術を活かすことが良いシステムの構築につながるのであるが、それできないというのは確かに悩ましい問題である。

  • 親元企業に対し、兼業職員とどういった連絡を取ったかについて、しっかりと把握しておくようお願いするとともに、事後的なペナルティーも定めておくのが良いのではないか。

  • 民間の活力、ノウハウを活用することは、重要なテーマである。入札を考えている企業側に事前に情報が伝わると、本来の競争条件が崩れてしまうが、元々保有している技術的に優位な部分の競争条件は変わらない。企業側に伝わると公正な競争が崩れてしまうような情報とは、どのようなものなのかについて検討することが必要。事後検証的な形でもいいので、競争条件が損なわれることとなる情報はどのようなものなのか、運用しながら整理していくのが良いのではないか。

  • 最終的には、誰が関わったかではなく、価格が妥当か、利益誘導が行われていないかが 問題となる。形式的に連絡を取らないことも確かに必要かもしれないが、それにより技術 的に優位な調達が阻害されるのであれば、連絡を取ること自体は認めた上で、技術的な優位性や価格の妥当性を規制の対象となる者以外の案件の担当者により検証できるような体制を整備するといった対応も考えられるのではないか。

  • 公正な競争を害する不公正な情報共有は認められないが、技術的な検討を親元企業とすることは一切認めないというのは厳し過ぎるようにも思う。適用除外の制度に関連して、どこまでの情報共有なら許容されるのかについて範囲を明確にすべき。企業にとって予測可能性がないと混乱すると思う。

  • 入札制限の制度については、10 月1日から運用を始めていく中で、不具合等があれば、適宜見直しを図っていくべきということを、当委員会としての意見にしたいと思うが、よろしいか。(一同異議なし)

コンプライアンス体制

行動指針を具体化して周知する取組

  • コンプライアンスに取り組むに当たっては、しっかりとアクセスログを取ることが必要。ログの取り方があまり当事者の負荷にならないよう、インフラの整備を含めて検討してほしい。

  • 現在検討中の取組内容は良いと思う。研修に関しては、民間企業でもそうだが、研修の直後は理解や意識も高いが、時間が経つと忘れてしまい、意識も低下していく。そこで、例えば、コンプライアンス週間や月間といったものを設けて定期的に啓発をし、意識の低下を防いでいくのも一案。

  • プロジェクト監理とも関係してくるが、最先端の技術を審査する尺度を持っていないと、どの企業が技術的優位性を有しているのかを判断できないので、調達に関する審査を行う職員は、技術的な側面についても理解しておくべき。

  • 行動指針と関連して、デジタル庁では、国家公務員法等の規範をより厳しくした内規を定めていることが、国民からの信頼を得る上で肝になっていると思う。新規採用された兼業職員に対しては、公務員にとっては当たり前のようなルールや規範であっても、丁寧に分かりやすく説明をし、しっかりと理解させてもらいたい。公務員と兼業職員とでは、規範意識や行動原理に違いがあるかもしれないが、そういった点も考慮しつつ、何事も丁寧に進めていくことで、組織としての信頼感の向上につなげていってもらいたい。

その他

(事務方より、9月24日付懲戒処分案件について報告。)

以上