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河野大臣記者会見(令和5年5月23日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年5月23日(火)9時07分から9時24分まで 於:衆議院分館4階)

1.発言要旨

まず、公金受取口座の登録についてお知らせします。各自治体において、マイナポイント事業の手続支援の一環として、公金受取口座の登録についてもご協力いただいておりましたが、この公金受取口座の登録の支援窓口において、人為的なミスで、他人のアカウントに自分の預貯金口座を登録してしまう事例が少数ですが、発生しております。

具体的には、支援窓口の共用の端末で登録した後、ログアウトし忘れて、次に同じ端末で公金受取口座の登録を行った方が、前に行った方がログアウトしていないところへ、自分の預貯金口座を登録してしまったというケースがございました。

これらの事案につきましては、自治体において本人の了解のもと登録口座の訂正を既に行っておりますが、福島市において支援員の方が操作をして、ログアウトを忘れて、次の方の預貯金口座が前の人のマイナンバーに紐付けられるというケースが4件発生しました。本来、マニュアルではご本人が操作をするということになっていましたが、このケースでは、支援員の方が実際の操作まで利用者に代わって行って、ログアウトせず、次の方を登録してしまったということが発生しました。これを重く見て、デジタル庁として改めてログアウトの徹底を始めとするマニュアルの遵守の徹底を自治体にお願いをする通知を出しました。

また、手続支援を受けられる方は、操作が苦手であったり困難であったりする場合が多いわけですが、これまではマニュアルでご本人がやるということになっていたのを、実際は支援員の方がやっていた、ログアウトし忘れて次の方が前の方に預貯金口座を紐付けてしまったということが発生しておりましたので、マニュアル上、支援員が操作をすることを、利用者が困難な場合には例外的に認める代わりに、ログアウトをきちんとしたかどうかをご本人と支援員で確認することを留意点として明確にした上で認めることといたしました。

これまで誤って紐付けられた口座に誤入金があったということはありませんが、こうしたことが今後起きないようにデジタル庁と自治体で連携をして取り組んでいきたいと思います。

本来、こういうことは起こしてはならないわけですが、おそらくどうしても避けられない人為的なミスがあると思います。国民の皆様に安心をしていただく観点から、これまでに登録されている公金受取口座を総点検する、誤った紐付けがあれば直ちに修正する、これに着手いたしました。

また、人為的なミスは起こり得るということから、今回、これまで登録をしたものを総点検しますが、今後も継続的に、どれぐらいのタイミングかは検討を要しますが、引き続き継続的に点検をしていく、誤登録を見つけて登録を直すということをこれからやっていきたいと思います。

今回の法律で年金口座を一括登録する、これはシステムでやれますから、システムでなるべく人為的なミスが避けられるようにしていきたいと思っておりますし、今回、フリガナを付けていただくことになりますので、今は漢字氏名と口座のカナ氏名で、ここの紐付けができませんが、法律改正でフリガナが名前につくと、カナ同士で照会をすることもできますので、システムで当てていくということも、より簡単にできるようになります。信頼性の確保に向けてできることはしっかりやっていきたいと思います。

それから、マイナ保険証で情報の紐付けが誤っていたということがございました。

今回は届出書類にマイナンバーの記載がないものであり、また、登録する保険者が、本来の事務処理のやるべき手続から逸脱して手続を行ったということで起きたもので、誠に遺憾でございます。

再発防止のために、保険者が新たなデータを登録する際に、正確性を確保するため、まず届出書類にはマイナンバーを記載する義務があるということを法令上明確にいたします。また、保険者がデータ登録をするときに住民基本台帳と全件照会するという対策を講じましたが、今回それに加えて、全ての保険者に対して、これまで厚生労働省が示している方法で事務処理をしていなかったものがあれば、それを全部抽出して、改めて5情報、漢字氏名、カナ氏名、生年月日、住所、性別、これを当てていただいて正確になっているかどうかを確認していただくことにいたしました。また、現在までに登録されているデータ全体を住民基本台帳と照合して、5情報が全部正確にマッチしているかどうかを確認する、疑いがあるものについては、ご本人に確認を取るという作業をやっていただくことにいたしました。詳細は、今日、厚生労働省から公表されると思います。

マイナ保険証に関しては、医療の質の向上、医療機関における負担軽減など大きなメリットがありますので、引き続き厚生労働省と緊密に連携しながら、国民の皆様の信頼をしっかりと勝ち得るように努力をしてまいりたいと思っております。

2.質疑応答

(問)冒頭の発言のところ、もう少し詳細が知りたいのですけれども、複数発生したというのは、全て福島市の4件ですか。

(答)いくつかの自治体で、前の人がログアウトし忘れたところへ次の人が自分の口座を紐付けたというのが数件あったと思います。
全て福島市ではなく、別な自治体です。詳細は後程、事務方から詳しく説明いたします。

(問)これは人為的なミスとおっしゃいましたけれども、基本的にはシステム上の先日あったようなものとは違って、あくまでもログアウトし忘れたというところの人為的なミスで、システム上も問題ないという理解でいいですか。

(答)はい。これが起きているのは、本来ご自分の端末で操作をすればログアウトし忘れても別に問題はないわけですけれども、自治体などでマイナポイントを付ける支援をやっているときに、一つの共用端末で支援員の方が操作を横で教えながら本人にやってもらうというようなところで、最後本人が自分のマイナポータルをログアウトしないで帰られて、次の人がそこへ座って、その前の人のマイナポータルのところから入っていって、自分の口座を紐付けてしまったというようなことがあって、後で気付いて、前の方と後の方にお詫びをして訂正をしたというケースが何件かありました。今回、福島市は、ご本人ではなくて、本来マニュアルでは本人が操作をすることになっているのを、支援員の方がご本人に代わってやって、ログアウトし忘れて次ということで、福島市はそれが原因で4件発生しました。やはり自分で操作できないから助けてくださいと言って、そこの会場に来られているので、どうしても支援員がやってしまうケースがあるだろうというので、マニュアルを修正して、支援員がやるケースも認めるけれども、その際は1件ずつ確実にログアウトをしてください、それをご本人と支援員で確認をして、次の方にやってください。それも支援員は例外的にやるので、本人がやるのを原則とするというところは変えませんが、今までは何となくマニュアルから逸脱して支援員の方がやっていたので、ログアウトを明確にしろ、という注意が行われていなかったのを重く見て、ログアウトを確実に見てくださいということを周知徹底するようにしました。

(問)預貯金口座の総点検についてなのですけれども、そのやり方はどのようなものですか。

(答)同一口座に複数の人が紐付けられているものをまずシステム的にピックアップします。同一口座で、実はご家族で同じ口座を使っているケースがありますので、同じ名字で同じ住所の場合は同一家族のケースがあるというので、そこは後回しにして、まったく違う名字、まったく違う住所の方が同一口座に紐付けられているものを抽出して確認を取りたいと思います。

(問)それで誤った登録があった場合は。

(答)ご本人に確認して修正を直ちにしたいと思います。おそらく何らかの理由で入力の間違いとか紐付け間違いというのは起きると思いますので、今回はこれまでのものを総点検しますが、定期的に見ていきたいと思っておりますし、フリガナが名前に振られるようになると、システムで当てに行けるようになるのではないかと思います。

(問)福島市以外のケースでは支援員が原因ではない、自分で操作している。

(答)確認はできていませんが、おそらく本人がやられたものが多いと思っております。福島市の場合には、支援員がやられて複数件出ましたので、これはきちんと対応する必要があると思います。

(問)いつ発生した事案ですか。

(答)福島のはおそらく4月のどこかの時点だと思います。他のはその前後に起きています。詳細は後ほど事務方から詳細説明をいたします。

(問)発覚の経緯と、今審議中の法案審議への影響をお伺いできますでしょうか。

(答)今回、フリガナを氏名に付けますので、そうすると、こうした誤登録のシステムでのチェックが簡単にできるようになります。おそらく、何かしか登録するときにフリガナ同士を当てていくというようなことも、将来的には考えていかなければいけないなと思っております。また、入金口座を一括で登録させていただくのは、これはシステムでやりますから、誤入力はシステムでやれば減らせると思っております。

(問)発覚の経緯というのは。

(答)福島市から問い合わせがあったのだと思います。

(問)マイナ保険証の新たに取材して出てきたトラブルについてなのですけど、今回はそのマイナ保険証のオンライン資格確認システムで、保険証を持っているのに、無登録、無効と出てきてしまうというトラブルで、その実態や原因について大臣がどれだけ把握されているのかというと、来年の秋以降は一本化されるときに、そういうトラブルをどう対策してから検討していくかを教えてください。

(答)普通は保険証のデータ登録が行われると、マイナンバーと保険証情報が登録されますので、どうしてそういうことが起きているのかというのはこのケースではわかりません。保険者への届出、それから保険者のデータ登録、それぞれ5日、5日と制限を切っておりますので、今後は遅くとも10日以内にはデータが反映されることになります。また、保険者に申請が行けば、申請から5日以内には登録されますので、そこのところはスムーズにいくようになると思います。

(問)国土交通省の天下りに関して、昨日の委員会で、天下り規制に違反する天下りのあっせんが行われていないか、各府省に確認する方針をご答弁されました。それは確認なのか、それとも調査をするのか、調査の結果と確認の範囲はどれくらいになりますでしょうか。

(答)確認というのか調査というのか、内閣人事局のところで方法その他を詰めて各省に伝達するところです。

(問)対象は霞が関の全省庁。

(答)全省庁。そのつもりです。

(以上)