本文へ移動

平井大臣記者会見(令和3年9月10日)

平井デジタル大臣記者会見要旨

(令和3年9月10日(金)11時02分から11時15分まで 於:紀尾井町20階 記者会見室)

1.発言要旨

私からは、9月7日にエストニアで開催されたタリン・デジタルサミット2021に、オンラインで参加したことについてご報告させていただきたいと思います。

このタリン・デジタルサミットには、2018年に安倍総理の代理としてIT担当大臣としてエストニアを訪問して、一度参加したことがあります。今回が2回目ということです。

本イベントでは、公共部門におけるテストベッドとオープンイノベーションというパネルディスカッションに参加しまして、官民連携の在り方とか、オープンイノベーションの促進等について議論をさせていただきました。

私からは日本のデジタル庁について紹介をしたということと、日本の官民連携の取組であるとか、デジタル庁による官僚主義の克服であるとか、調達環境の整備等について説明させていただきまして、各国からの賛同も得ることができました。

また、困った人を放っておかない、デジタルによって人助けをする、日本流のデジタル化である、私と村井先生しか言ってないですが、この「デジ道」の紹介をさせていただきました。

パネルディスカッションを通じて印象的だったのは、デジタル化を進める上で透明性の確保とか信頼の獲得というような問題は各国共通であるということです。

日本のデジタル化を進めていく上でも、各国の取組を参考にし、目標と課題と価値観を共有する国々と協力しながら取り組んでいくことが極めて重要であるというふうに認識できた点で、非常に有意義な会合であったというふうに思います。

今後とも誰もがデジタル化の恩恵を受けることができる日本流のデジタル化を、諸外国の事例も参考にしながら進めてまいりたいというふうに思います。

私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先日公表された、デジタル社会構想会議の人選についてお尋ねします。
メンバーの中にデジタルガレージ共同創業者の伊藤穰一さんが含まれていました。伊藤さんの経験や知見に期待されたということは理解できるのですが、伊藤さんの過去の経歴に関して起用自体に批判的な声も出ています。それでもあえて起用された理由について丁寧な説明が必要だと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
また、その伊藤さん本人から過去の問題について聞き取りなどをし、問題がないと判断した上での起用なのかどうか大臣のお話をお伺いさせていただきます。

(答)伊藤穰一さんについては、インターネット草創期からデジタル分野の第一線で活躍されておりますし、インターネット関連企業の起業家として多彩な知識、専門性や豊富な国際経験を有していることから、デジタル社会構想会議のメンバーとして議論に参画していただき、知見をいただくということです。

過去の伊藤氏の個人に関する事項については、私からコメントすることは差し控えたいと思いますが、今回は民間の有識者として構想会議に参加いただくということと、これまでもいろいろとアドバイスはいただいておりました。非常に我々にとって有意義なアドバイスもいただいているということから、引き続き伊藤さんに協力をしていただきたいということだと思います。

その話とは別に、いろいろと報道されている話については、私も報道ベースの話は知っております。しかし、もう少し私自身で調べてみても、報道ベースの話だけが事実なのかどうなのかというのは、さらに確認の必要があるなというふうに思っております。これは私からの提案ですが、伊藤さんに直接聞いてみるのも1つの方法ではないかと、そのように思っております。

(問)今の有識者会合の人選について、もう1つお伺いしたいんですが、その他にも、ヤフーの川邊さん、あるいは楽天の三木谷さん、民間企業ではこの2人の経営者、別のIT団体の会長でもいらっしゃいますが、採用された一方で、経団連などの、例えば従来の企業が多く所属している団体からの採用がなかったのはなぜか。そのお2人の人選も含めて、どのような人選をされているかをお聞かせください。

(答)川邊さんと三木谷さんの話だと思うんですけれども、これはそれぞれIT連と新経連で人選していただき、こちらがそういうふうにしたと。実は今回、経団連からも同じく推薦をしていただきまして、野田由美子さん、これもこちらが指名したわけではありませんので、それぞれの団体から構想会議にふさわしい方ということで、ご推薦をいただいたということでございます。

(問)同じ構想会議についてですけれども、政府のデジタル社会推進会議と並ぶ会議体に位置付けられていると思うんですけれども、これは具体的にどう連携していくのでしょうか。例えば何か答申のようなものを出していくということがあるのでしょうか、お聞かせください。

(答)まず、デジタル社会推進会議はデジタル庁設置法に基づいて、デジタル社会形成のための施策の実施の推進及び必要な関係行政機関相互の調整を行う会議であって、総理を議長として全閣僚等から構成されています。

一方、デジタル社会構想会議は、有識者を構成員としてデジタル大臣の決定により設置したものであり、あるべきデジタル社会の形成に向けて総合的な検討を行うことを目的にしています。

両会議が連携しつつ、それぞれの役割を果たすことが重要であり、例えば新重点計画の策定については、最初に、推進会議において主な項目を審議し、この間、そうさせていただきました。続いて構想会議において有識者にご議論をいただいた後に、最後に、推進会議において決定するというふうに、いわばキャッチボールをしながら進めていくということだと思います。

これが、IT総合戦略本部がなくなって、あの場は閣僚と有識者が一緒だったんですが、今回それが分かれたと。分かれたけれども、これは連携しながら進んでいくというふうにご理解をいただければと思います。

(問)同じような質問になって恐縮ですけれども、構想会議の方は、いつぐらいに開かれるのか。それぞれ有識者の方が、1つ1つ、例の4項目、推進会議で示された4項目などについて少しずつプレゼンしていって、それですり合わせするようなイメージなのか。もう少しイメージをお聞かせください。

(答)できれば今月にも構想会議は開きたいというふうに思っていますし、この構想会議の中に、私もさることながら、テーマによっては閣僚にも入っていただこうというふうに思っています。

ですから、IT総合戦略本部のように、そういう民間の有識者と、それぞれの組織の責任のある立場の人間が忌憚のない意見交換をする中で、今、改革ということが非常に重要な局面において、やっぱり、今までではない考え方も導入をしていかなければいけないというものは、例えばいろいろあると思うんです。

重点分野で言われています防災であるとか、医療とか、教育であるとか、資金決済への問題であるとか、こういうところは結局幅広く、今すごく状況が変わりつつあるいろいろな問題に関して、やはり、過去に囚われずに有意義な意見交換をする場が必要だろうということで設けたものです。ですから、最終的に閣僚で構成する推進会議とうまく連携をして進めていくということが必要になるのだろうというふうに考えております。

デジタル庁の組織のトップも、総理大臣なんです。私が今回、構想会議を私のもとにつくりましたが、政府としての方針を作るに当たって、民間有識者の意見を非常に有効に使っていこうということは、今までともあまり変わりはないというふうに思っています。

ただ、このやり方がうまくいくかどうかというのも、やってみなければ分からないところもありますが、最終的によりよい政策決定ができるように頑張っていきたいと、そんなふうに思います。

(以上)

シェアする: