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平井大臣記者会見(令和3年6月22日)

平井デジタル改革担当大臣記者会見要旨

(令和3年6月22日(火)11時42分から12時11分まで 於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨

マイナンバーカードの普及状況について、皆さんにご報告したいと思います。直近の6月20日時点で約4,224万枚、交付率が約33.2%となりました。間もなく今週中には33.3%を超えていくと思います。まさに住民の3人に1人がマイナンバーカードを持つという状況になったということです。申請ベースではもう既に5,000万枚を超えていますが、これは、持っている方が3人に1人になったということで、一つの区切りになったと思います。

私も昨日、ワクチンの集団接種、職員の皆さんと一緒に打ちましたけれども、その時の本人確認にマイナンバーカードを使わせていただきました。いずれにせよ、先ほどお話しした本人確認という、アナログで使ったわけですけれども、自分自身をきちんと確認できる、本人確認できる「最高位の身分証明書」であるということだと思います。今後、子育てを始め、様々な行政手続きのオンライン申請とか、令和6年度末からの運転免許証との一体化というものとか、カードの利用拡大について、関係省庁と鋭意準備を進めていきます。

また、民間サービスにおいても、これまでオンライン証券やオンラインバンクの口座開設、住宅ローンのオンライン契約などにおいて、本人確認のためにマイナンバーカードの電子証明書が利用されています。加えて、「マイナンバーカードをキーにした、わたしの暮らしと行政との入り口」であるマイナポータルにおいて、税情報といった行政機関が保有している自分の情報を確認することも可能になります。ワクチン接種の記録等々も、来年以降マイナポータルから確認できるようになると、そのようにしていきたいと思っています。

さらに今後、カードの電子証明書機能を、令和4年度中を目指してスマホに搭載するということがもう決定しておりますが、そうなりますと、デジタル庁が目指す、スマートフォンを使ってあらゆる行政手続きを60秒以内に完結するという世界観の第一歩が踏み出せるのではないかなと思います。今後、マイナンバーカードのさらなる普及や利活用の促進に向けて、引き続き関係省庁一体となって頑張っていきたいと思います。

私も3人に1人が持つというのが一つの大きな分かれ目になるなと、ずっと前から思っておりまして、ここからが本当の勝負だろうと考えています。

もう一件。先週金曜日6月18日の会見において、一部報道で言われている会議の音声の公開について検討するということをお話させていただきました。あくまでも内部の打ち合わせであり、一般に公開すべきものではありませんが、一部報道において誤解を招く情報が含まれておりまして、正確な内容をお伝えする観点から、該当する部分において、本日夕刻にも事務方から音声を公開したいと考えています。ですから、その音声には、朝日新聞さんがお使いになった部分、そして文藝春秋さんがお使いになった部分、全部含まれて、これはMicrosoft Teamsを使っている会議ですので、そこは自動的にファイルが残るので、そのTeamsのファイルをコピーして公開するということになります。

これは、事務方から詳しく聞いていただきたいと思うんですけれども、音声データですから、その場で公開して皆さんに聞いていただいても、再生の仕方によっては聞き取りづらいかも分かりませんので、ファイルでコピーして、ご希望の方にはお出ししたいと思っております。ですから、是非報道ベースで使われた音声データと、Teamsで保管されていた音声ファイルを比べていただきたいと思います。

私がなぜ今回こういうことに、公開するという判断に至ったかということを少しお話しさせていただきますと、デジタル庁が9月1日にスタートするに当たって、多くの方々が疑問を持つといいますか、一番本当の気持ちは、誤解されたくないということがあると思います。一連の報道で、私の普段の言葉遣いの悪さから招いたことではありますが、私の人間性をも否定するような、最近、正直申し上げて、毎日ネットでもものすごく叩かれて、精神的にも私も本当に今、見ちゃいかんなと思うような状況になっているわけですけれども、私はもう本当に、全て皆さんに知っていただきたいと。全てオープンにしたいと。その上で、デジタル庁をピカピカの状態で船出させたいと本当に思っています。ですから、今回の音声ファイルの公開という異例中の異例の判断にはなりますが、これも今回そういう決断に至ったということでございます。そのファイルの公開に関しては、事務方が検討して、その方法等々も含めて考えてやるということでございますので、どうかその場に是非皆さんにお集まりいただいて、ご希望の方は音声ファイルを入手していただきたいと思います。

私からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、オフィスを移されたんですけれども、この会見でも何度か質問は出ているんですけれども、あそこを選んだ理由を改めて教えていただきたい。それと、他にも比較して選ばれたと思うんですけれども、どんな場所を比較されたかということをお聞きします。

(答)デジタル庁のオフィスについては、デジタル庁が官民の優秀な人材が働きやすく、また多岐にわたる各府省との調整業務を円滑に遂行するために、各種条件を総合的に勘案・選定したものと承知をしています。オフィスの契約額は、虎ノ門の旧IT総合戦略室と比べると約4倍でありますが、旧IT総合戦略室は、虎ノ門入居時点では約150人だったんですが、最近は250人以上に膨れ上がっておりました。デジタル庁始動に向けて体制を強化しておりまして、実は、虎ノ門オフィスには全くなかった大臣室、副大臣室、政務官室、そして官房機能ですね、IT室は全くそんなものはなかったんですが、そういうものも含めて、あと、番号制度担当室ですね、これも大きな一固まりですし、そういう皆さん方が合流することから、当初からやはり500人を超える体制になるわけです。ですから、デジタル庁として必要な機能を備えるためのフロア面積を確保したということなんですが、今のフロア面積でもテレワークと併用しないと、要するに手狭になると考えています。そういう意味で……

広さは5倍、契約額が4倍と。広いということではなくて、テレワーク前提じゃないとそれでも収まり切れないと考えています。

それと、今回一連の報道を見ていただいて分かるように、私、コストに相当厳しいんですよ。嫌われ役を買ってでもコストを下げるというタイプなので。私、今のIT担当大臣という立場では、契約の決裁はしていません。ですから、最終金額とかそういうものは決定してから報告ということです。

これは多くの皆さんご存じないんですが、IT担当大臣というのは決裁の中に入っていないんですよ。組織全体の長ではあるから、それがだめだということでデジタル庁を作り、デジタル大臣という全く今とは違う立場をお願いして作ってもらったんです。ですが、さりとて、組織を全部束ねるといいますか、comprehensiveな担当というか、責任を持っているわけで、コストの厳しさはスタッフの皆さん、よく分かっていると思いますので、私に対して説明できないような契約は絶対にやっていないはずだと思います。

(問)ほかとの比較はされたのかということは。

(答)それは分かりません。事務方に聞いてください。

(問)契約額が8億8,700万円だったかと思うんですけれども、この金額の水準について大臣はどういうようなご所感をお持ちなのか。ちょっとあそこにしては高いとか、あるいはあそこにしては手頃で借りられたとか、金額についてどういうご所感をお持ちですか。

(答)それも、是非事務方に聞いていただきたいんですけれども、広さが5倍、はっきり言って、報道ベースで、今回皆さんが言うまで私は契約額というのを知らなかったんです、申し訳ない。ただ、さっき言ったように、コストに厳しい目で全部チェックをしていますので、私に対して、ちゃんと説明できる内容になっていることと思います。広さが5倍になって、家賃が4倍になるというのは、よく分かりませんが、それは下がっているということになるんではないでしょうか。ただ、普通考えて、そんなに大きなスペースを私は借りたことがないので、金額的にどうなのかというようなことはよく分かりません。

(問)今日音声データを公開されるということですが、改めて、より広い部分を公開されるということで、当日に大臣はご立腹されていて、ある意味、職員の方を叱責したようにも捉えられるんですが。改めてどういうことに腹を立てて、職員に対してああいう二つの案件、デジタル庁の入退室の件に対する発言になったのか。

(答)今回、音声データの公開に併せて、こちらでテキストを書き起こしたものも、どなたがどう発言したかということも併せてお出しする予定です。ですから、それの全体を読んでいただいてから質問いただければと思います。

(問)改めて今日読みますが、趣旨としては例えば今日おっしゃったような発注に対する姿勢とか、職員の考え方に何か違和感を感じたとか。

(答)本当に皆さんね、ここはもうこれから多くの皆さんに関心を持って報道もしていただきたいんですが、今までのIT調達のやり方を根本的に変えないと、この国の未来はないと私は思っているんですよ。ですから、よく言われるベンダーロックインの問題も何とか解消しなきゃいけないと思っていて、それは今までのIT担当大臣のガバナンスでは全くできるものではありません。デジタル庁が今回できるに当たって、国全体のアーキテクチャーも見直す中で、初めてその方向がこれから見えてくるわけで、そういう意味で、基本的に今までの調達の在り方を否定する中から生まれてきたという発言だと思っていただければと思います。

(問)今の関連なんですけれども、冒頭で大臣は、音声を公開することで誤解を解きたいとおっしゃっていましたけれども、その誤解というのは、特定の企業を名指ししてはいないという点のことなんでしょうか。

(答)誤解というか、こういうのって最初の報道の在り方とかいろんなもので、やっぱり皆さん私に対する印象を持つじゃないですか。ですから、あそこまで怒るというのは私もめったにないというか、そんなに今までなかったんですよね。初めてあそこまで怒らざるを得ない状況ではあったということが一つ。私の不徳の致すところもあるんです、言葉遣いに関して言えば。ただ、内輪の会議で、外に出ると思っていないし、そういう意味で本音が出たということだと思います。

要するに、今までのやり方、調達というのに大きな問題があるので、やはりそこをみんなで変えようという気になってもらわないと何も変わらないぞということを。これは言葉遣いを別にして、それをもっとちゃんとしたレトリックでしゃべれば、もっと理解をしていただけたのではないかと思っています。しかし、そこを変えるというのは、実はデジタル庁にとって一番大きな仕事なので、今回全てをオープンにしたと考えていただければと思います。

(問)オリパラアプリについて何点か伺いたいんですけれども、6月中に稼働されるということでしたけれども、これは今日時点で稼働しているんでしょうか。

(答)これは、現場の担当に聞いていただければと思うんですが、テストも含めて順調に推移しているという報告を受けています。

(問)大会後の活用について伺いたいんですが、改めて一般向けのものを発注するということですけれども、トータルのコストというのはどの程度削減できる見通しなのかということと、水際対策では厚労省が運用するOELというアプリがありますけれども、それとの棲み分けというのはどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。

(答)今後の検討だと思います。

朝日新聞さん、いつも担当じゃないのに来ていただいているんですけれども、もう毎回来ていただくのは気の毒なので、全部何か聞きたいことがあったらどんどん聞いていただければと思いますが、どうですか。

(問)もう少し聞かせていただいても。

(答)どうぞ。その代わり、私からもちょっと聞かせてね。お互いにちょっとずつやりとりしましょう。

(問)さっき、「聞けば分かる」とおっしゃったのですけれども、NECを言ってみれば名指しにして、もう使わないようなことをおっしゃったんですが、そこまで怒った理由というのも、今回聞けば分かると理解していいんでしょうか。

(答)分かると思います。

(問)聞けと言われるかもしれないですが、敢えて今ここで説明していただくとしたら、どんなことが。

(答)それは、私が今何を説明しても、結局私の説明でしかないので、真実は一つなので、まずその音声をきっちり聞いてください。

要するに、全音声がある中で、朝日新聞さんが使ったところ、文春さんが使ったところ、これはもうはっきり分かるわけですよ。ですから、全部を聞いて、それぞれを聞いて、それぞれの報道を見て比べると分かると思います。

松浦さん、最初、来られましたよね、自宅に突然。お2人とも朝日の記者ですよね。あの時に、文春の話を言われましたよね。

(問)私ではないですけれども。

(答)でも言われたよね、もう1人の方が。

(問)まあ、そうですね。

(答)朝日の取材なのに、文春の名前が何であそこで出てくるのか、私は非常に分からなかったんですが、あの真意は何ですかね。

(問)私じゃないのですけれども、そういう動きもあるように聞いていたんだと思います、同僚が。

(答)文春さんが音声データを入手したと。同じなんですかね、入手の仕方は。

(問)それは分かりません。

(答)そうですか。しかし、私は本当は開けっ広げというか、何事も隠さないタイプの人間なので、敢えて質問させていただきましたが、今後のIT調達とかそういう、経済部にいい記事を書いてもらいたいので、私も敢えて変なわだかまりがない状態でやっていただきたいなという思いもあって、今日、こんなこと、ごめんなさい。大臣から記者に質問するというのはめったにないとは思うんだけど、そういうことです。

(問)今回、音声ファイルを公開されるということですけれども、大臣として音声ファイルの公開にはどういうリスクがあって、それを超えるメリットがあるから公開されると思うんですが、通常、内部の音声を公開するということは霞が関的には考えられないことだと思うので、どういうリスクがあるけど、それを上回るどういうメリットがあったのかというところをお願いします。

(答)まず、デジタル庁が目指しているのはフラットな組織、フラットな情報共有、今までのようなヒエラルキーを壊したやり方じゃないと、デジタル化はうまくいかないと思っています。ですから、私自身の会議での発言を、全ての職員の皆さんに、内輪の会議どこまで共有するかというのは今後コンプラ委員会が決めていくんだと思うんですけれども、試験的に今は情報共有をするようなTeamsを使っているということだと思うんですよね。

そういう中で、実は私のこの会議での発言は、若い職員の皆さんにも聞いていただくというのは、部内的にはとても評判がよかったと聞いています。ああ、大臣ってこんな発言をするんだということを、普通なかなか直接そういう職員とお話しする機会がないので。そういう意味で、デジタル化のプロセスの情報共有の在り方として、今回いろいろ学ぶことも多かったけれども、一つあると思います。

それと、今までの音声データの流出、いろんなところで音声データというのが報道されるケースがありますけれども、オリジナルデータがデジタルの時代にはちゃんと確保されているということで、そこはトレーサビリティーがあるというのが今までとは違うという意味では、これは新しいデジタル時代の一つの在り方ではないかなと思うんですね。

リスクに関していうと、今回どのような経緯で音声データが流出したか分かりませんが、外部に出てしまうと多くの影響があるようなものがあるので、そういうものに関してのリスクが、今回顕在化したと思います。

ですから、情報共有の段階のフレームワークをどのようにしていくか、これをデジタル庁が立ち上がるまでにきっちりとコンプライアンス委員会の方で検討して、我々にご提案いただきたいし。ここは試行錯誤のところがあると思います。リスクもあるし、メリットもあると。それをどのようにやっていくか。今回、サイバー攻撃に遭ってデータが流出したという話ではありませんので、これは内部のコンプライアンスを強化するという方向になるんだろうと思います。

(問)会議の内部の中身の音声データを出すということについて、反対の意見はなかったんですか。

(答)部内でいろいろ。この音声データというのは、野党の皆さんからも公開を要求されています。今後検討するんだろうと思いますが、そういうことも含めて、今回皆さんで協議した結果、出すということになったんだと思います。初めてのことについては賛否両論があるのは分かるんです。ただ、今回はそういういろいろな事情を鑑みた上で、デジタル庁を順調に船出させるためにも、ここで敢えてそういうものを公開するという判断に、皆さんと一致して至ったと思います。

(以上)

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