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平井大臣記者会見(令和3年5月28日)

平井デジタル改革担当大臣記者会見要旨

(令和3年5月28日(金)9時07分から9時22分まで 於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

データ戦略の取りまとめの状況についてご報告します。26日にデータ戦略タスクフォースを開催して、包括的データ戦略の案が取りまとまりました。今後、政府として正式に決定しようと考えています。

データ戦略については、昨年末に一次取りまとめが行われまして、課題の頭出しをしました。今回はこれらの課題に対して、具体的な対応と実装に向けた方向性を取りまとめたものでございます。具体的には、安心・安全なデータの流通を担保するトラスト基盤として認定スキルの創設が提言され、認定基準の在り方などの論点を整理しました。

データを連携するためのプラットフォームについては、民間のデータのやりとりを阻害する要因を払拭するためのルールについて整理するとともに、医療・教育・防災などの重点的に取り組むべき分野についてプラットフォームの方向性を提示しました。

ベース・レジストリについては、具体のデータを指定して、課題の整理を行うということになりました。

いずれにしましても、今後デジタル庁はデータのオーソリティとしてデータ戦略を推進し、新たな価値を創造していきたいと考えています。

次は「ワクチン接種記録システム(VRS)」への接種記録のデータのダッシュボードの公開についてであります。

VRSは4月12日の運用開始から約1カ月半が経過して、直近では1日30万回前後は入力され、日々数字は着実に積み上がっています。昨日よりVRSの接種記録のデータについて、足元の接種の進捗状況を知っていただくことや、データの分析等をしやすくすることを目的としてダッシュボード化しまして、政府CIOポータルや官邸ホームページに、これは一部ですけれども掲載させていただいております。記者の皆さんにはリンクを送付していると思うのでご覧いただければと思います。

特に、IT総合戦略室の政府CIOポータルでは、マシンリーダブルなデータ形式でデータのダウンロードも可能になっておりますので、研究者とか技術者にもお使いいただけるのではないかと考えております。これはまず、皆さんがご覧になっていただければと思います。

私からは以上です。

2.質疑応答

(問)冒頭に御発言があったVRSのダッシュボードなんですけれども、大臣としては具体的にデータを公開することによって、どういうふうに活用してほしいというか、期待感があればお伺いします。

(答)今、国民の一番の関心事はやはりワクチンの接種の状況だと思います。地域的な特徴もありますし、それぞれの自治体が積極的に大規模接種会場を整備したり、いろんな取組がある中で、自分の住んでいるところはどうなのか、そして、どのような状況にあるのかというのを公開していくということが非常に重要だと思っています。

そして、総理も非常に野心的な目標を掲げてワクチン接種、ありとあらゆる方策を今、進めているところですが、その正確な状況というものを、刻一刻と変わっていくわけですから、それを国民に知っていただくというのは非常に重要だと思っています。

また、このデータは、人流のデータであるとか、その他いろいろな他のデータとの関連性等々は研究者の皆さんにとっても非常に関心のあるものだと思っておりますので、正確なデータをできるだけ早くお出しをしたいと考えています。

そして、このワクチン接種の記録がデータベースに各自治体の管理の下残っているということで、これは非常に次のワクチン接種に向けて基礎的な、いわばベース・レジストリになると我々は考えています。

(問)富士通のシステムに対する不正アクセス、省庁の内部情報漏えいについて伺います。

デジタル庁に関しては、これから民間の持つ最新の技術や知見、これらを相当量取り込みながらシステム開発を進めていくことになると思うんですけれども、そういった点を踏まえると、システムの穴というのを完全に防ぐことは不可能と思うんですけれども、例えばゼロトラストなどという、いろいろな手法があると思うんですが、どういったセキュリティ強化策というのが一番リスク軽減に有効だと、効果的だとお考えでしょうか。

(答)NISCの情報システム関係業務の委託先である富士通が管理する「ProjectWEB」、これは業務管理の情報共有ソフトですが、これに対して第三者から不正アクセスがあり、NISCの情報システムに関する情報が一部流出したということは聞いています。

原因や情報流出の範囲については、今、調査中であると聞いておりますが、同ツールの利用を既に停止するなど、被害拡大防止対策が講じられて、5月27日時点においてNISCの情報システムへの不正アクセスは確認されていないと承知しています。

デジタル庁では、NISCとも連携して、情報システムに関する整備方針において、サイバーセキュリティについて基本的な方針を示し、その実装を推進するとともに、デジタル庁にセキュリティの専門チームを置いて、デジタル庁が整備運用するシステムを中心に検証、監査するということになっています。

その中で委託業務先との緊密かつセキュアに連携して整備・運用を推進する必要があると考えておりまして、委託先における情報セキュリティ対策の履行状況を確認するとともに、委託業務においてインシデントが発生した場合は速やかに報告を受けて対策を講じる等、委託先を含めた情報セキュリティ対策を強化していきたいと考えています。

(問)もう1点お伺いします。大臣は22日のオンラインの会合で、デジタル庁の人材に関して、人間的なセキュリティ・クリアランスの必要性に言及されていました。どの程度のレベルを求めようとお考えなのでしょうか。

(答)セキュリティ・クリアランス制度が日本にないという状況の中で、それでもきちんと業務に支障のない人材を集めていくという問題意識を私自身がお話しさせていただいたわけですが、重要な情報を取り扱うというデジタル庁において、適切な情報管理を実現するためには、デジタル庁で働く全ての職員が、その職務の内容に応じて適切に定められた情報の取扱いに関するルールをしっかりと理解して、それを順守していくということが何よりも重要だと思います。

そのためにデジタル庁の発足に合わせて、庁内に設置することとしているコンプライアンス委員会において、幹部を含む全職員を対象に国家公務員法上の守秘義務の内容や情報の取扱いに関する研修を計画的にやっていきたいと考えています。

そして、ある程度の人間的なセキュリティ・クリアランスがないといけないと思っているというのも私の本音でございまして、全ての職員がその職務の内容に応じて適切に定められた情報の取扱いに関するルールをしっかりと理解して順守していくことが重要で、先ほどもお話ししたような研修等をやっていこうと思っています。

そして、採用に当たっては、履歴書等を出してもらうということで、経歴をしっかりと確認するということと、幹部人材による面接、これも複数人による面接できっちりとまたコミュニケーションを図るということで、できる限りのことはやっていこうと考えています。

新しいセキュリティ・クリアランスの制度を作るというのは、これは別にどこかで議論をされる話かと思いますが、今、我々がそれを検討しているということではございません。

(問)採用についてお伺いしたいんですが、今、第2弾の採用が進んでいるところだと思うんですけれども、第1弾の採用は1,400件の応募があったということが話題にもなりましたが、第2弾の応募状況というのはどうなっているのかというのを教えてください。

あと、先日オンラインイベントで、デジタル庁が一番人気だというお話しもありましたけれども、優秀なデジタル人材の確保という面で現時点での手応えについてお聞かせください、お願いします。

(答)これは事務方に具体的な数字は聞いていただきたいのですが、前回よりもさらに幹部に近い方々を今回は募集していますので、人数は前回よりは減っていると思います、全体の数は。しかし、相当数の皆さんが応募してきていただけるので、面接の方も大変だと思うんですが、今、正確な数字を持っているわけではないので、10倍以上、40人程度の募集に対して500件程度の応募はあるということでございます。

(問)オリパラアプリ、「統合型入国者健康等管理システム」、4月16日の記者会見で大臣は機能縮減によって圧縮できる予算額について精査中ということでしたけれども、1カ月半ぐらい経ちましたけれども、その後このアプリの現状はどうなっているのでしょうか。

(答)今、契約変更の最終調整をやっているということで、基本的な話合いはもう大体終わりましたので、契約変更ができたら、その詳細を発表するということで、来週の頭には具体的に、金額も相当下がりましたし、余分な機能をそぎ落として、何を残して何を捨てたかというようなこともはっきりさせたので、あとは契約変更をして納品をいただくということだと思います。

(問)オリンピック後の活用についてはインバウンドで使うというのが当初ありましたが。

(答)要するに、オリンピック後に使うと想定しているのは情報連携基盤、これはCIQ等々で使うところと、そのアプリのソースコード、アプリの一部です、これを将来の日本の査証システムとの連携も含めたインバウンドのシステムとして、その基盤に使えるだろうと考えています。

(問)全くやめるというわけではなくて、一部を……。

(答)オリンピックのためだけに作っているものはオリンピックだけで終わってしまいますが、当初からオリンピック後も視野に入れたものに関して言えば、その後、恐らくそこはデジタル庁が中心となってシステム改修ということになると思っています。

(以上)

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