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河野デジタル大臣がフランス、ベルギー、アメリカ、イギリス、ドイツへ出張しました

河野デジタル大臣は、2023年1月8日から1月16日にかけて、フランス共和国、ベルギー王国、アメリカ合衆国、英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)、ドイツ連邦共和国を訪問し、各国のデジタル関連閣僚や有識者と信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の具体的推進方法等について、意見交換を実施しました。

2023年4月29日及び4月30日に開催される、「G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合」に向けて、DFFTの具体化のための「国際枠組み」の構築について提唱し、その考えについて協力を得るべく対話をしたところ、多くの国から日本のリーダーシップに期待する声をいただきました。

また、産業界との意見交換を行ったほか、現地のデジタル分野と関係の深い企業・施設を訪問しました。
今回の出張で得られた知見や各国のデジタル関連閣僚と築いた信頼関係を活かして、継続的な対話を行いながら、G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合を成功に導いていきます。

1 フランス共和国訪問

1月8日から9日にかけてフランス共和国を訪問しました。

(1)経済・財務・産業・デジタル主権省 バロデジタル移行・電気通信担当大臣との会談

経済・財務・産業・デジタル主権省を訪問し、バロ大臣(H.E. Mr. Jean-Noël Barrot, Minister for Digital Transition and Telecommunications)と会談をしました。昨年12月にもオンラインでDFFT推進や、G7に向けた協力について対話をしており、今回のフランスでの対面会談ではより詳細で有意義な議論ができました。データ利活用やデータ連携の促進、クラウド活用、サイバーレジリエンス強化に向けて協力する必要性等を対話し、DFFTにおいては、規制の側面だけではなく技術の側面も重視して安全な国際的なデータ流通環境を整えていく必要性について意見が一致しました。

河野大臣とフランスのバロデジタル移行・電気通信担当大臣が握手をしている様子

(2)OECD(経済協力開発機構) クヌッセン事務次長との会談

OECD本部を訪問し、クヌッセン事務次長(Mr. Ulrik Vestergaard Knudsen, Deputy Secretary General)と会談をしました。昨年のG20デジタル経済大臣会合以来の再会となりましたが、今回は、双方に専門家も交え、DFFTの具体化に向け、官民の国際連携を含めた活発な意見交換ができ、AIやメタバース等新興技術の必要性等も対話をしました。
2019年の安倍元首相による提唱以降、DFFTの推進に取り組む日本のリーダーシップへの感謝の声、そして今年のG7議長国としてのその具体化に向けた仕組みづくりを推進する日本への期待の声を頂きました。

河野大臣とクヌッセン事務次長が握手をしている様子

2 欧州連合(EU)訪問

1月9日から10日にかけてベルギーにある欧州連合(EU)を訪問しました。

(1)欧州委員会 ヴェステアー欧州委員会副委員長との会談

欧州委員会を訪問し、ヴェステアー欧州委員会副委員長(H.E. Margrethe Vestager, Executive Vice-President, European Commission)と会談しました。デジタル市場に対する現状認識の共有や新興技術への対応、既存の課題解決につながるDFFT推進に向けた議論まで、幅広くデジタル関連政策について、意見交換をしました。昨年締結した日EUデジタルパートナーシップ(EUとのデジタルパートナーシップが立ち上げられました)に基づく連携、その成果をG7に繋げていければという意識合わせをすることができました。

河野大臣とヴェステアー欧州委員会副委員長が握手をしている様子

3 アメリカ合衆国訪問

1月10日から12日にかけてアメリカ合衆国を訪問しました。

(1)国務省サイバー空間・デジタル政策局 フィック大使との会談

国務省を訪問し、フィックサイバー大使(H.E. Ambassador at Large Nathaniel Fick, Beareau of Cyberspace and Digital Policy, U.S. Department of State)と会談をしました。デジタル庁の取り組みを紹介し、デジタルやサイバーセキュリティに関する双方の関心事を意見交換しました。各国が様々な規制を設ける中、技術的なアプローチで安全で信頼できる国際的なデータ流通を促進することについて、賛同の声をいただきました。今後の更なる関係の緊密化とG7 デジタル·技術大臣会合での再会を約束しました。

河野大臣とフィックサイバー大使が握手をしている様子

(2)商務省 グレーブス商務副長官との会談

商務省を訪問し、グレーブス副長官(Hon. Don Graves, Deputy Secretary, U.S. Department of Commerce)と会談をしました。デジタル大臣としてDFFTの具体的な推進に関する考えをお伝えし、両国の関係強化に向けた前向きな議論ができました。AI、量子コンピューター等新興技術や、Open RAN、サイバーセキュリティへの対応についても意見交換しました。

河野大臣とグレーブス商務副長官との会談が握手をしている様子

(3)国土安全保障省 シルバース次官との会談

国土安全保障省を訪問し、シルバース次官(Hon. Robert Silvers , Under Secretary for Strategy, Policy, and Plans, U.S. Department of Homeland Security)と会談をしました。サイバーセキュリティや主要な技術への対応について情報交換をしました。セキュリティの観点からもDFFT のトラスト(信頼性)が重要であること、特に今後ますます重要性が高まるeIDに関して、同様の認識をもっていること等を確認しました。

河野大臣とシルバース次官が並んで映っている写真

(4)USTR(米通商代表部) タイ通商代表との会談

USTRを訪問し、タイ通商代表(H.E. Ambassador Katherine Tai, United States Trade Representative)と会談をしました。昨年12月にオンラインで対話をして以来の再会となり、国際的なデータ流通においてどのようにプライバシーやトラスト(信頼性)を確保できるか、PETs(プライバシー強化技術)等をどのように活用できるか等意見交換をしました。世界全体のデジタリゼーションが経済にもたらす影響がますます重要になる中、グローバルサウスも巻き込み、今後もどのように両国で連携ができるか議論をすることができました。

河野大臣とタイ通商代表が並んで映っている写真

(5)USDS(米国デジタルサービス) マトゥールCDOとの会談

USDSを訪問し、マトゥールCDO(Mr. Ankit Mathur, Chief Delivery Officer, U.S. Digital Service)と会談をしました。高度デジタル人材の直接雇用や契約を通じて、活発に民間のノウハウを政府のDXに生かしている組織です。またガバナンス強化として調達改革等にも取り組んでおり、同じ政府のデジタル化を担う組織として、双方の取り組みについて有意義な情報交換をしました。今後も継続的に双方のベストプラクティス等を交換することを約束しました。

河野大臣とマトゥールCDO

会談の様子

(6)CSIS(戦略国際問題研究所)での講演

CSISにて、講演・ハムレ所長との対談を行いました。世界と日本のデジタル社会の状況への見解、デジタル庁がリードするDXの紹介、DFFT推進の国際枠組み設立を提唱しG7や有志国を巻き込んでいきたいというビジョンを英語で発信。活気ある議論が行われました。
講演の様子は以下よりご覧ください。
Leading Japan's Digital Transformation: A Discussion with Kono Taro | CSIS Events

講演の様子

ハムレ所長との対談の様子

(7)ジョージタウン大学での講演

河野デジタル大臣の母校ジョージタウン大学にてデジタル庁の取り組みや、”TrustedWeb”について講演をしました。信頼性のある自由なデータ流通のために、どのように「技術でトラストを確保するか」すなわち、分散技術やプライバシー強化技術の活用によって国際的なデータ流通の信頼性を確保するアプローチについてお話し、学生や教授からも積極的な質問を受けユーモアも交えながら和やかに議論が行われました。

大学での講演の様子

河野大臣と教授、学生の集合写真

4 英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)訪問

1月13日から15日にかけて英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)を訪問しました。

(1)DCMS(デジタル・文化・メディア・スポーツ省) ドネラン大臣との会談

ウィルトシャーを訪問し、DCMSのドネラン大臣(H.E. Ms. Michelle Donelan, Secretary of State for Digital, Culture, Media and Sport)と会談をしました。DFFTの具体化や、オンライン安全性、AI等新興技術の推進について意見交換をし、詳細に踏み込んだ議論によって相互理解を深めました。
イギリスは2年前のG7議長国であり、成果文書の付属書として「DFFTロードマップ」を発表していますので、その成果を継続して実行に移せるよう連携を約束しました。

河野大臣とDCMSのドネラン大臣

会談の様子

(2)GDS(政府デジタルサービス)オフィス見学

英国GDSを訪問。GDSとは昨年12月にデジタル庁にて協力覚書を締結しました。(英国とデジタル分野における協力覚書(MoC)の署名式を行いました)視察訪問に加え、トムリード長官(Mr. Tom Read, the Chief Executive Officer of the Government Digital Service)をはじめとしたチームとマイナンバーカード等公的個人認証や公共機関のデジタル人材の採用・活躍等について意見交換をしました。GDSが提供している政府への手数料等のオンライン支払いシステムのその日の支払い件数や金額をオフィス内のダッシュボードでリアルタイムに見ることができる等、オフィス環境づくりもインスピレーションをもらいました。引き続き定期的なワークショップの開催や人材交流を進めることを約束しました。

オフィス見学をする河野大臣

GDS(政府デジタルサービス)職員との集合写真

5 ドイツ連邦共和国訪問

1月15日から16日にかけてドイツ連邦共和国を訪問しました。

(1)連邦デジタル・交通省 ヴィッシング連邦デジタル・交通大臣との会談

連邦デジタル・交通省を訪問し、ヴィッシング大臣と会談をしました。昨年と今年のG7議長国同士、DFFTの推進、データ連携、相互運用性の重要性等を議論し、またAIやOpenRAN等の利活用推進について議論をしました。日本のリーダーシップへの感謝の声も頂き、昨年の議長国ドイツがもたらした成果を日本が継承、推進していくこと、そして4月のG7 デジタル·技術大臣会合での再会を約束しました。さらに社会全体のDXに向けたアナログ規制の撤廃等の共通課題についても意見交換をしました。

河野大臣と ヴィッシング連邦デジタル・交通大臣

会談の様子

6 デジタル関連企業訪問・産業界対話

今回の出張を機に、産業界との対話も積極的に行い、グローバルにビジネスをしている多くの企業から、DFFTの推進を強く期待する声を頂きました。高い技術力を持つスタートアップ企業(主にデータ分析、AI、画像解析)の視察も行い、国から案件を受注し、技術力を高めながら、グローバルな企業に成長している例なども目の当たりにしました。政府調達におけるスタートアップ企業の技術活用の機会を今後増やす方法も検討していければと思います。

企業訪問の様子

企業訪問の様子

企業訪問の様子

企業訪問の様子

集合写真

集合写真

連絡先

デジタル庁戦略・組織グループ国際担当
担当:矢端、松尾
電話:070-7416-9903(矢端)、070-7416-9940(松尾)

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