本文へ移動

マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ(第5回)

概要

  • 日時:令和4年8月25日(木)15時00分から16時30分まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      • 利用者目線の行政サービス実現に向けたトータルデザインとマイナンバー法改正の検討について
      • マイナポータルAPI・マイナンバーカードの普及利活用に係る検討について
    3. 閉会

資料

参考資料

議事録

日時

令和4年8月25日(木)15時00分から16時30分まで

場所

オンライン会議

出席者

  • 河野太郎(デジタル大臣)
  • 赤石浩一(デジタル審議官)
  • 安宅和人(慶應義塾大学環境情報学部教授/ヤフー株式会社 CSO)※当日は所用によりご欠席
  • 太田直樹(株式会社 New Stories 代表取締役)
  • 齋藤洋平(フューチャー株式会社取締役 CTO)※当日は所用によりご欠席
  • 庄司昌彦(武蔵大学社会学部教授)
  • 森信茂樹(東京財団政策研究所研究主幹)
  • 浅沼尚(デジタル監)※当日は所用によりご欠席
  • 江崎浩(デジタル庁CA)
  • 水島壮太(デジタル庁CPO)
  • 冨安泰一郎(デジタル庁統括官)
  • 楠正憲(デジタル庁統括官)
  • 吉川浩民(総務省自治行政局長)
  • 上原哲太郎(立命館大学情報理工学部教授)
  • 大谷和子(株式会社日本総合研究所執行役員法務部長)
  • 後藤 省二(株式会社地域情報化研究所代表取締役社長)
  • 宍戸常寿(東京大学大学院法学政治学研究科教授)※当日は所用によりご欠席
  • 菅原晶子(経済同友会常務理事・政策統括)

議事録

木村参事官: 定刻となりましたので、ただいまから、第5回「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキング・グループ」を開催いたします。
お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本会議の司会は、デジタル庁参事官の木村が務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

冒頭に事務局からお知らせいたします。本日の会議はオンラインにて一般公開という形で開催しております。報道関係者も含めオンラインにて傍聴しております。
本ワーキング・グループの構成員、特別構成員の方は、画面をオンにして、音声は発言時のみオンにしていただければと思います。それ以外のオンラインで傍聴される皆様におかれましては、画面をオフ、音声をミュートとしていただければと思います。

それでは、本日は河野デジタル大臣、有識者の構成員、関係省庁のオブザーバーの方々に参加いただいておりますが、まず、河野デジタル大臣からご挨拶をいただければと思います。大臣、よろしくお願いいたします。

河野大臣: 今日はお忙しい中、マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキング・グループにご参加をいただきまして感謝申し上げたいと思います。

これまで、このワーキング・グループでは、国と地方公共団体、それと民間を通じたシステムのトータルデザインということから、スマホ60秒で手続が完結、これの実現に向けた情報連携基盤の在り方、あるいはマイナンバーの利用とその情報連携の範囲の拡大といったことについてご議論をいただいてまいりました。

前回は、正確な情報に基づいて支援を必要とする方に手を差し伸べ、また、適切な支援などが迅速に受けられるような環境が重要になってくる、そういったご意見をいただいたと承っております。そうしたこれまでの議論を踏まえまして、今日は実現に向けたシステム面の環境整備、あるいはマイナンバーの利活用に関する方向性、そうしたものを具体的にお示しをさせていただこうと思います。

6月に閣議決定をいたしました重点計画のとおり、令和5年、来年、通常国会に必要な法案を提出するように、システム、法制度、両方の観点からご議論をいただきたいと思っております。

マイナポータルのAPI、それからマイナンバーカードの普及、その利活用に係る検討につきまして、現状あるいは今後の取組についてもお示しをしたいと思いますので、忌憚のないご意見を頂戴したいと思っております。

住民あるいは行政機関の皆様の両方にとって利便性の高いサービスを実現できるように、今日も有識者の皆様には活発なご議論をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

木村参事官: 河野大臣、ありがとうございました。
それでは、早速ですが、議題1に入らせていただきます。議題1については、まず、デジタル庁の楠統括官、国土交通省よりご説明させていただければと思います。
それでは、まず、楠統括官、資料のご説明をお願いいたします。

楠統括官: 楠です。
「利用者目線の行政サービス実現へ向けたトータルデザインとマイナンバー法の検討」、資料1に基づきましてご説明をさせていただきます。

重点計画におきまして、スマートフォンで60秒で手続が完結する、7日間で行政サービスを立ち上げられる、これを民間並みのコストでということを、2025年を当面の実装ターゲットとして検討を進めることにしております。

これらを実現していくために共通機能の部品化を進めて、きちんとシステムを疎結合する、依存関係を減らしていき、機能の重複等を避けながら柔軟性の高いアーキテクチャを実現していく必要がある。

また、制度面におきましても、2023年にマイナンバー法改正を含む必要な法案提出といった整備を実施するということを考えており、これらによって2025年度までに新たな制度を施行するということを目指しているところでございます。

具体的なシステムの今後の検討というところで、3段階、①、②、③ということで、フロントサイドにおいては、自治体内の住民情報の活用、また、本人を介した官民の情報の活用、さらに、これまでもマイナンバー制度でやってきた行政機関間の情報連携をさらにどう発展させていくか、こういったことを公共サービスメッシュに係る今後の検討ということで、これまでご議論いただいてきたところでございます。

海外におきましても、例えばデンマークにおいてはBorger.dkというサイトで様々なサービスをワンストップでご提供されていたり、シンガポールにおきましても、各行政機関の情報を連携させることに加えて、MyInfoというサービスを用いて、ユーザーが自ら編集する情報を電子申請において簡便に利用できる仕組みも整備されているところで、この辺は昨今のマイナポータルの機能拡充においても参考としているというところでございます。

本日のご説明事項のうち、まず「①自治体内情報活用」についてでございますけれども、まずはPoCという形で今年度、自治体の基幹業務システム統一標準化に係る仕様書等を踏まえつつ、技術検証に着手をし、令和5年度以降、2023年度以降、自治体の希望に応じて先行的に実証・活用できるように検討を進めているところでございます。あわせて、ガバメントクラウド上において、申請管理機能についての検討というのも併せて進めているというところでございます。

「②本人を介した官民の情報活用」というところでございますけれども、基本的な考え方としては、これまでのバックヤード連携というのは、どうしても情報提供ネットワークシステムに接続できる行政機関の中での連携のみでしかできないということもありますので、これをきちんとあらゆる行政手続においてデジタル化を進めていくためには、本人を介して官民の情報を活用していく。行政が持っている情報をバックオフィス連携していくだけではなくて、行政が発行した証明書を民間に対しても利用していく。これは紙の世界では住民票をはじめとして広く行われていることでもありますし、また、逆に民間の、例えば児童手当の現況届をはじめとして、民間が発行した証明書を行政に対して利用するということも、紙においては広く行われているところでありますけれども、これらをきちんとデジタル化していくためには、デジタルにおいても本人を介した官民の情報活用ということが重要になってまいります。

また、行政発行の証明書を行政に対して利用するということも現実には広く行われておりまして、これは本来、バックヤード連携でやればいいじゃないかというようなご議論もあろうかと思いますけれども、端末環境等を含めて、窓口で全てができるかというと、そうではない部分もありまして、これは実は行政機関間においても、官官の情報活用も含めて大きなニーズがあるというところであります。これらについて、実現に向けて、コストやスピード等を複合的に考慮した上で、どういった方法が適切であるかということを考えていく必要があります。

これにつきましては、赤字にありますように、現在のマイナンバー制度におけるマイナンバーやマイナンバーカード、それぞれの役割や活用方法を踏まえて具体の仕組み及び様々法律をはじめとする法令の改正の要否を検討するということを、重点計画においては記載をしているところであります。

めくっていただきまして、これらは既に部分的にマイナポータルを通じて本人が行政等の情報、または民間の情報を活用できるようになっているというような実情もございます。行政機関等が保有する自己情報に関しましては、自己情報取得APIにおいて提供しておりますし、また、ふるさと納税をはじめとして、民間事業者が保有する自己情報につきましても、民間送達サービスという連携方法でご提供しているということがございます。

これら上記の仕組みで活用できる自己情報とあわせて、行政機関等が保有するそのほかの様々な自己情報についても活用できるようにすることで、国民の利便性をさらに向上させるということが重要だと考えております。

この場合に、各機関において管理している同一人の情報を本人自らに提供する仕組みが必要となってまいりまして、その際に本人情報のひもづけ、本人を一意に特定するための識別子について、前回、第4回のワーキング・グループにおいて主要な論点が挙げられているところであります。

こういった現在の仕組みを踏まえると、今後の考え方といたしましては、番号法に基づいて情報連携する自己情報に関しては、自己情報取得APIを活用して本人に提供し、そのほかの行政機関や民間事業者が保有する自己情報に関しましては、公的個人認証による本人確認や、個別サービスの認証機能等を活用して本人に提供するということが現実的なのではないかと考えております。

「③行政機関間の情報連携」についてでございますけれども、この点に関しては、事務の実施に必要な範囲で、国民一人一人の正確かつ最新の情報を参照できるようにするためにどうしていくか、このときに国や自治体等のシステムにおいて、今後順次ガバメントクラウドの活用が推進される。

また、特にここ10年ちょっとの間で、暗号技術を始めとしたセキュリティ技術というのもかなり進展しておりますので、これらを踏まえて情報連携の手法を最新化していき「7日間でサービス立ち上げ」「60秒で行政手続き完結」に必要な情報を、プライバシー等を徹底しながら迅速に活用できるように、システム、制度、両面で検討を進めていく必要があると考えております。

この点につきまして、システム面につきましては、情報連携の基盤に係る一貫した設計、機関内における情報連携と機関間における情報連携を、いかに一貫した仕組みの中で取ることができるか。このためのプロトタイプ構築等における技術的検証の成果をきちんと活用していく、また、つくるときには、共通化と重複の排除をしていく。

また、制度面につきまして、現行制度の中でできる利用につきましても、例えば災害弔慰金等、制度上はできるけれども使われていないものもありますので、これらについて何が課題となっているかをしっかりと調べて、ボトルネックをなくしていくということが重要になってまいりますし、また、制度を拡大しうる事務というものは、今後どのように考えられるかという点につきましても、さらなる推進へ向けた検討が必要だと考えております。

これは現行のマイナンバー制度における情報連携に関係する主要なシステムの構成となっております、デジタル庁で管理している情報提供ネットワークシステムを通じて、符号を使った連携の仕組みというもので、この機関間の情報を連携させている。その際に、中間サーバーに保管された情報を、インターフェースシステムを介して提供していく。特に基本4情報に関してはJ-LISの管理する住基ネットでもって管理を行い、また、認証の仕組みとして公的個人認証サービスを提供している。

これらの仕組みの中で、番号法に基づくデータ連携に関しては、勝手に機関間で連携するのではなくて、法律で認められた事項に関して、確実にコアシステムにログが残る形で管理をしているという実情がございます。

こういったことも踏まえて、今後、新しい事務でどのようにマイナンバーを利活用していくかというところでありますけれども、例えば自動車登録におきまして、今はまだ窓口での申請において、住民票を取得して添付をしたり、あるいはオンライン申請においても、住民票コードを把握するために住民票を取得するような必要があるわけですけれども、マイナンバーカードを利用することによってオンライン申請においてきちんとオンラインで完結させていく。そうすることによって、申請者による住民票の取得が不要となって、利便性の向上につながるのではないかというようなユースケースも考えられるところでございます。

また、在留外国人に関する手続に関しましても、これまでであれば来所して証明書を申請し、課税証明書等の提供を受け、入管庁において在留申請を行い、審査結果の連絡を受けるというようなことを窓口でやっていたわけですけれども、マイナンバーカードを用いてマイナンバーの提供を行うことによって、それぞれの行政機関、入管庁をべつべつに訪問するのではなくて、カードでもってワントップで手続が受けられるようなサービスも提供ができるのではないか、こういった証明書類を省略することが可能となるので、そういうことによって申請者の負担を軽減できると考えておりますし、また、中長期在留者に関する情報の正確性が担保されて、適正な在留管理の実現にもつながると考えております。

また、同様に在留外国人の手続におけるマイナンバーの利活用についてですけれども、いわゆる特定技能研修等の雇用主が、これまでであれば行政機関に対して証明書類の申請を行って発行を受け、また、これを入管庁に渡してというような形で、紙での事務というのが多く回っていたわけですけれども、ここもマイナンバーカード、マイナンバーの提供によって、行政機関と入管庁の間のデータ連携でもって実現をしていくことによって、届け出事項の削減や届け出自体の省略につながる。そして、また、届け出内容の正確性が担保されて、適正な在留管理の実現にもつながると考えております。

そういったことも含めまして、今重点計画の中で、きちんとマイナンバーを利用することによって国民自らが自己の情報や権利を証明することによって、正確かつ公正で便利な社会経済活動を行うことができるようにする観点や、本人の状況に合った行政サービスを享受できるようにする観点等、国民視点に立ってマイナンバーの利用や情報連携の範囲の在り方というものを考える必要があると考えております。

国民の理解を得つつ、2023年にマイナンバー法改正を含む必要な法案提出など、法令の整理を実施して、2024年以降にシステム等の整備を行い、2025年度までに新たな制度を施行するということを目指してまいりたいと考えております。
ありがとうございました。

木村参事官: 続きまして、国土交通省より、自動車保有関係手続に係るワンストップサービスについて、補足説明をいただきたいと思います。それでは、国土交通省自動車局自動車情報課波々伯部課長、資料のご説明をお願いいたします。

波々伯部課長: ただいまご紹介いただきました、国土交通省自動車情報課長の波々伯部でございます。

私からは、ただいまの楠統括官からの説明の中で、マイナンバー法改正により可能となるユースケースとして、自動車の登録手続における利活用についての紹介がございましたので、その補足として、自動車のそもそも登録制度とかワンストップサービスについてご説明をさせていただきたいと思います。

おめくりをいただいて、資料3です。
こちらは、まず自動車登録制度の概要についてでございますけれども、登録の要件といたしまして、自動車の保管場所の確保とか自動車諸税の納付、自賠責保険の契約あるいは自動車の保安基準への適合といったものが求められておりますことから、登録申請の際には、これらの要件を満たしていることを確認するために、必要最小限の書類を求めているところでございます。

次のページをおめくりいただきたいと思います。
こちらは自動車のライフサイクルを通じた登録や検査の手続を簡単に示したものでございます。自動車をご購入いただいた際には新規の登録手続、その後、定期的に継続検査を受けていただくというほか、引っ越しの際には変更登録、それから、売買等の際には移転登録、使用の停止とか廃車をした際にはそれぞれ抹消登録という手続が必要になってまいります。

次のページをおめくりください。
こちらは、自動車のワンストップサービス(OSS)の概要でございます。
先ほどご説明したように自動車の登録には、車庫証明や自動車諸税の納付といったものが必要になるところ、これらの申請手続をオンラインで一括して行えるシステムを整備しております。平成17年に新規の登録で運用を開始して以降、順次対象の手続を拡大してきているところでございます。

次、おめくりください。
こちらは、手続別の現在のオンラインでの利用率の現状と、今後の目標利用率を記載しているところでございます。

円グラフの右上、新規登録でございますとか、左下の継続検査におきましては、令和3年度の利用率が30%台といったところなのですけれども、これを令和7年度末までに70%にまで引き上げることとしております。また、引っ越し等の際の変更登録ですとか、売買の際の移転登録につきましては、まとめて中間登録と呼んでいるグループなのですけれども、こちらのほうは目標の20%に対して2%ということで、現状低迷している状況でございます。

次、おめくりください。
こちらは資料が細かくて恐縮ですけれども、先ほどのオンライン利用率の引上げに向けた基本計画というのを各省ごとに定めておりまして、その取組でございます。
左側に課題を3つ挙げてございます。

1つ目の課題のOSSの利便性向上につきましては、今後スマートフォンを活用した申請を可能としたり、来年1月から導入される電子車検証を活用して、申請書への自動入力を可能とするといったような取組を進めることとしております。

2つ目の課題といたしまして、添付書類の電子化が進んでないということがございます。こちらにつきましては、各省と今後システム間の連携を進めて、添付自体を省略するといったような取組を進めてまいります。

3つ目のマイナンバーを用いた申請への理解が進んでないということにつきましても、今後、利便性など、啓発活動を強化してまいりたいと考えてございます。
次のページをお願いします。

こちらはOSSの利便性向上に向けた取組の一例でございますけれども、今年の1月から引っ越しの際の変更登録について、本人がOSS申請で行っていただく場合には、車検証については新規の車検証を郵送で交換すると。それから、ナンバープレートの交換についても、次回の車検時まで猶予するということで、その結果、運輸支局等に出向いていただく必要が基本的にはないというように特例を新たに創設したところでございます。なお、今後もこうした利用者の視点に立った改善を進めてまいりたいと考えてございます。
以上で私からの補足説明を終わらせていただきます。

木村参事官: ありがとうございました。
続いて、議題2に入らせていただきます。議題2について、デジタル庁の上仮屋参事官から資料のご説明をいただきたいと思います。上仮屋参事官、よろしくお願いいたします。

上仮屋参事官: デジタル庁の上仮屋と申します。
それでは、資料2のほうをご高覧いただきまして、表紙に書いておりますが「マイナポータルAPI(情報取得系)の現在地と将来像」ということで、15分程度で簡潔にご説明を申し上げます。

先ほど資料1で、統括官の楠のほうからご説明を申し上げましたが、その中の3つの分類のうちの「本人を介した官民の情報活用」の取組、これを支える仕組みについての、より詳細な説明ということになります。何とぞご指導等、ご議論のもとにしていただければと思います。

それでは、1ページで、まずご案内のとおり「マイナポータルとは」ということで、四角に書いておりますけれども、マイナンバーカードをキーとしての国民一人一人がいろいろな行政サービスを受けられるポータルサイトを担っています。特にいろいろなことを画面から受けられるわけですけれども、今回関係するのは、四角で囲っている「わたしの情報」ということで、自分の所得あるいは世帯とか予防接種、何を受けたとかというのがマイナンバーカードでログインすると、ここで行政機関から情報がここまで届けられて確認ができたり、あるいはもう一点が、左側の四角の「お知らせ」ですけれども、いろいろな行政機関、児童手当の現況届であれば、市町村からこの内容でいいですかというのがマイナポータルに届けられて、いいよということですぐオーケーを出したりとか、確定申告も、そろそろシーズンになりましたけれどもどうぞ忘れないようにというのが届いたり、そういうのがマイナンバーカードを取得すると受けられるというマイナポータルの機能というのはご案内のとおりかと思います。

2ページですけれども、こういう画面から享受できるだけではなくて、表題に書いていますけれども、いわゆるAPIというのをすべからくセットをして提供していくという取組をしております。

四角囲みの米印に書いておりますが、APIというのは、アプリの間でやり取りをして情報を提供してもらったり検索できたりという仕組みですけれども、今回の場合は、マイナポータルが真ん中にありますけれども、右側のいろいろな行政機関とか、いろいろな民間企業さんから情報を受けて、見られるだけではなくて、左側の自己情報の取得のアプリケーションインターフェースとか、いろいろな種類のこういうインターフェースをつくって、それを活用すると、左下にある、民間とか行政のいろいろなシステムとかスマホアプリとかでその情報を安全に取得してサービスを提供できるというものになります。

3ページをお開きいただきたいと思いますけれども、その代表格で、先ほど資料1でもありましたけれども、自己情報取得APIというのがあります。それの前提としては、まず、標題に書いていますように、自己情報の開示(閲覧)の仕組みということで、マイナンバー制度に基づく仕組みを基盤にしていますけれども、右端の、特にご高覧いただきたいところは、これから以降の資料はバックを黄色にしておりますが、行政機関等、国であれば年金、地方だったら市町村とか、いろいろなところが情報提供ネットワークシステムを介して、マイナポータルで個人方がここにある情報を閲覧できるわけですけれども、これを一歩進めてAPIをつくることで、4ページをお開きいただきますと、1つの例で書いていますけれども、右の「連携後」ということで、例えば○○銀行さんのサイトがマイナポータルのAPIを使ってインターフェースでつながることで、利用者としては、右側の①の目的サイトの○○銀行のサイトにログインしていただいて、住宅ローンの申込みをするときに、所得をマイナポータルから取得していいですかということで、「はい」ということで、マイナンバーカードで同意をすると、マイナポータルが中継してあげて、下の、先ほどのネットワークを通じて市町村の行政機関から所得情報を取ってくるということで、シームレスにオンラインサービスが、○○銀行のサービスができるようになるという仕組みです。

そういうことで、ここで出来上がって、だんだん活用を開始していただいているわけですけれども、そういう中継できる自己情報取得APIの場合は、5ページを開いていただいて、言い換えると、マイナンバーが利用できる事務の情報を情報提供ネットワークシステム経由でマイナポータルから見られるので、その中継できる情報=マイナンバー利用事務の情報ということになりますので、具体的にはご覧いただいているようなものが候補としては今できうる、税であったり社会保障であったりということになります。ですので、言い方を変えると、マイナンバー利用事務が広がれば、この情報もラインナップが広がるということで、ご検討の参考にしていただければと思います。

6ページをお願いいたします。
これは1つの具体例になります。
自己情報取得APIを使っての具体的なサービス実現ですけれども、標題にありますが、ミライロさんという民間事業者さんが、障害者手帳、障害者の方が非常に厚くてかさばって大変だというところに何とかしてあげたいということで、このスマホ障害者手帳というものを実現したいという観点でつくられて、既にサービスを始められていますけれども、この場合は、黄色のところをご覧をいただくと、地方公共団体にある障害者の関係情報、これをマイナポータルが中継する形でミライロさんのサーバーに届けて、国民の方がスマホで取得ができて、それを提示すると、高速料金あるいはいろいろな切符なども障害者割引で買えるということになります。

また、これは例ですけれども、7ページお開きをいただくと、現在地ということで、標題にあるように、薬剤情報とか、いわゆる40歳以上のメタボ健診情報というのも同様に、これは自己情報取得APIではないのですけれども、個別にマイナポータルが接続するというやり方なのですが、効果としては同じです。できるということで、簡単にご説明すると、右端の、いろいろな種類の保険者さんがありますけれども、そこが有している特定健診、メタボ健診の毎年受ける情報、それを真ん中の全国1か所のオンライン資格確認システム、これは支払基金・国保中央会がシステムを持っていますけれども、そこを中継し、そこでレセプトから抽出をするところの全国民の薬剤の情報とか、あるいは医療費情報などというのを、左上のマイナポータルAPIを中継して、いろいろな官民のサービスが取りうる状況にあって、例えばということで、PHRサービスがそこから取ることで、メタボ健診情報を前年と比較してグラフィカルに国民が確認できるとか、既にそういうのも始めつつあるところもありますけれども、こういうことができることになります。

それから、あと、一番重要どころは、8ページになりますけれども、国税の確定申告、年末調整、これで自動入力というのが、最初の最大の目的でもありますが、これもだんだんとそろいつつあるということで、この場合は、右端の行政機関であれば、年金の保険料を年間幾ら払ったか、医療費を幾ら払ったかというのを、あるいは民間からも、保険料を年間幾ら払ったかという、生命保険とかです。あと、住宅ローンの年末残高というのも、こういった関係のところが民間送達サービスというところを介してマイナポータル接続がほぼ完了しておりまして、そうなると国民の方は、確定申告コーナー、左上の②のところで、マイナンバーカードで同意をすると、それらの情報が自動入力ができて、正確な情報が国税のほうに簡便に渡せることになります。

そういうことで、それは9ページをお開きいただくと、確定申告の自動入力の工程表のような形で、ここで必要な情報ということで、簡単に項目がまとめられているわけですが、何とか関係者の努力でもって青い帯のところが終わってきています。ただ、やはり課題が残っていて、点線で囲っている給与とか雑所得というところはまだできていないので、ここを次にやっていかなくてはいけないことになります。

これについての関係する話が次以降になるわけですけれども、ここをどう刈り取っていくか、解決していくかということで、10ページになります。

標題左上、社保税OSSというのは、社会保険・税のワンストップサービスの略でこのように書いていますが、これはそもそもは、下のイメージ図を見ていただくと、もともと昔は、左の汗をかいている方のように、行政機関、いろいろなところに従業員を雇うと、国税であれ地方税であれ年金であれハロワであれ、そういうところにばらばらに出さなくてはいけなかったのが、最近では会計ソフトなどを通じて、電子的に一気に申請できるところまで来ていますが、さらにそれをもう一歩進めて、社保税OSSという仕組みで、申請行為をしなくても、右側の民間クラウドという中ほどの雲のところ、ここに従業員の方の申請すべきデータを置いておきさえすれば、逆に国税が必要なときに参照しに来るという仕組みが、令和4年1月から法定調書について実現して、これもだんだん広がるということになっております。

さらにこれを活用して、四角囲みの2つ目の丸に書いていますけれども、次の1月からデータポータビリティという形で、企業が置いていた情報を、個人の方がほかのところに提出したいときに、マイナポータル経由で、先ほどと同じようにマイナンバーカードで認証した後に渡せるようにしていこうという構想で関係省庁で進めております。

もうちょっとかみ砕いて何枚か入れております。11ページです。
そのデータポータビリティの予定ということで、今度の1月からということで、この流れ図に書いていますように、右側の企業が法定調書を保存します。そうすると、それを左側で、それに該当する納税者の方が確定申告などで使いたいときに、マイナポータルを連携して、これを取って自動入力して出すことができるということで、まずは次の1月からは四角囲みの3つ目のポツに書いているように、源泉徴収票と特定口座年間取引報告書でスタート予定なのですが、これがさらに構想としましては、12ページをお開きいただいて、絵の真ん中辺の一番下で、支払調書にも拡大していくとさらに効果が上がると考えています。

四角囲みの下から3行目に書いていますように、支払調書というのは、報酬とか、フリーランスの方の証明書になるので、この方々もメリットが生じることになります。
さらには13ページですけれども、当然その構想をさらに拡大していこうと考えると、こう考えるのではないかということですが、国税だけではもったいないので、地方税とか社会保険の手続とか、統計調査とか、そういったところにもデータポータビリティの考え方でどんどん自動入力、あるいは本人を介した提供・連携ができるのではないか、そのように進めていきたいと関係省庁で検討しているところです。

14ページをお願いいたします。
それから、プッシュ型行政で非常に重要な仕組みとして、公金受取口座の登録について簡潔に資料を入れております。

これにつきまして、ご案内のとおり6月30日からマイナポイント第2弾というのが始まりまして、公金受取口座登録をいただくと7,500ポイントという、2万ポイントのうちでということの効果もあり、国民の方により右肩上がりで登録をいただいていまして、今、1200万ほど登録いただいていますので、これが緊急時とか、それを含めての68事務で、ここに登録いただいておけば、行政事務の振り込みはここにだけすればいいので、国民の方も負担がなくなるし、行政も負担がなくなるしという狙いで広げていきたいと思っています。

15、16ページは参考ということで、これまでご説明してきましたマイナポータルの具体的な利用件数について主な指標を書いております。

書いていますが、お知らせが届くためには、個人の方が利用者フォルダを開設いただかなくてはいけないのですけれども、それが大体今1800万ぐらいです。そして、閲覧等の個人の情報閲覧のときはマイナンバーカードでログインが必要なのですが、大体月に140万ぐらいログインいただいて、何らかのサービスをいただいております。

それから、16ページ、参考2ということで、マイナポータルAPI(情報取得系)です。実際どういったサービスで使われてきたのかということで、ここに書かれた5つは、既に取得系APIを活用し、新たなサービスというか、よりサービスに魅力を付加されています。さらに加速度的に広がっていくと思っていまして、脚注のところに書いていますけれども、もう少しで利用を開始するという、具体にめどが立っているのが20ぐらいあるので、ますますこの基盤で国民生活を豊かにしていく取組を進めていきたいと思っています。

17ページ以降、appendixということで、今のご説明したところも、マイナンバーカードが前提で受けられるサービスでしたが、マイナンバーカードの普及利活用というと、さらに1、2、3と書いている構想を進めていって、国民生活を豊かにしたいとデジタル庁としては考えておりますが、時間の関係で、大変申し訳ありませんけれども、資料は丁寧に用意させていただきましたので、後ほどご覧いただければ幸いです。あるいはこの後の議論でも、どんどんご指導いただければと思います。
以上でございます。

木村参事官: ありがとうございました。
それでは、議題1、2の資料の内容を含め、構成員、特別構成員の方よりご意見をいただきたいと思います。私から指名させていただきますので、発言のある方は挙手機能でその旨をお知らせいただければと思います。よろしくお願いします。
それでは、森信先生、よろしくお願いいたします。

森信構成員: コメントを申し上げたいと思います。
私はこれまでこの会合で、デジタルセーフティネットの構築について発言をしてきました。そのイメージは、イギリスの給付付き税額控除でありますユニバーサル・クレジット、これは企業から毎月、税務当局に報告される所得情報が、社会保障官庁にオンラインで即時情報連携で共有され、子育て支援とか求職者支援とか低所得者の雇用支援などの対象者の把握、それから、その給付に活用されているわけです。つまり、税務情報、所得情報が社会保障官庁に即時に連携されるシステムになっていると。今日の資料2の10ページを開いていただきたいのです。

資料2の10ページの図というのは、まさに将来像としてそういうことが書いてあるのではないかと、非常に心強く思ったわけです。つまり、資料2の10ページの図ですが、社保税OSSの全体像と書いてあるものですが、このページの右の図は、今、デジタルセーフティネットにつながる重要な取組だと考えております。真ん中の民間クラウド、これは、先ほど説明がありましたように来年の1月から確定申告の利用が始まるわけです。つまり、国税庁は、これは国税の中にできるのだと思いますが、企業から、いわゆる法定調書、雇用者の所得情報、そういったものをデータとして提供を受けると。その受けたものを、この図でありますと、下のほうから、各行政機関A、B、Cが活用できるとなっております。

この仕組みをもっと発展させていき、先ほど雑所得とか事業所得という話がありましたが、雇用者だけではなくて、個人事業主にも展開することができれば、国とか自治体が、給付に必要な貧困世帯が誰かとか、先ほど大臣の話にもありましたが、支援する対象者を効果的に選別することができるわけです。

事業者のためには、フリーランスについては、先ほど法定調書を活用するという話がありましたが、ギグワーカーについては、仲介プラットフォーマーから資料情報提供を求めるというようにしていくべきだと思います。

そうやって民間クラウドに、いろいろな人の所得データ、サラリーマン、それから、フリーランスやギグワーカー等々の所得データが全部集まっていきますと、それを社会保障官庁や自治体が、各種の給付のときに活用できるようになると。そうなれば、まさにデジタルセーフティネットというものが、国のほうでも、誰が困っているのか、支援する対象が誰なのか把握できるようになるということで、この図は、私は非常に将来を読んだ図だなと思います。

そういう意味で、先ほど資料の1のほうにもありましたが、そういった制度的な整理をつけた上で、きちんと実際に連携して、情報連携してくれるプラットフォーマーや民間事業者をしっかり確保していくということが特に重要だと思っております。

それから、もう少し時間をいただきたいのですが、現在、何かを給付するときには住民税非課税世帯とよく言うのですが、それは現在のシステムでは2年前の所得情報に基づいているわけです。それはシステム上そうならざるを得ないのですが、今言ったような仕組みが出来上がれば、国税から1年前の情報提供をしてもらい、さらにはイギリスのようにリアルタイムで、困っている方が誰なのかというのが把握できるようになるということだと思います。

いずれにしても、フリーランスやギグワーカーの所得情報は、フリーランスの場合は発注者、ギグワーカーの場合はプラットフォーマーからきちんと情報を入手することが必要となります。本来はそういう資金の流れを法律改正して法定調書に載せるべきだと思いますが、それまでの間は、先ほどの説明にありましたように、本人同意の下でフリーランスは発注主から、ギグワーカーはプラットフォーマーから情報をマイナポータル経由で入手して、それをe-Taxとかいろいろな給付の申請にも使えるようにすることが必要だと思います。

ちなみに、来年の10月から導入されます消費税のインボイス、これは事業者の売上げですから、この活用も非常に重要だと思います。

いずれにしても、多くの民間事業者やプラットフォーマーが、情報連携のために、実際に参加しないと効果がないので、政府の、デジタル庁の積極的な取組、支援が必要になると考えております。

さらに、様々な社会保障関連の申請については、現在サービスごとに相手方が分かれているのですが、それを統一して、単一の窓口で、各種サービスを受けられるようにすることが重要だと思いますし、諸外国ではそうなっているということです。

こういうような仕組みの構築ができれば、多様な社会保障給付の対象者の判別、誰が困っているのか、誰が今対象になるのかという判別が容易になり、全世代型社会保障に対応した、効果的で効率的なセーフティネットが可能になると思います。

また、コロナ給付金とか高等教育の支援なども、所得に応じて給付を行える対応がこれで可能になると思います。全省庁が関係することなので、横串を刺すデジタル庁でぜひ進めていってほしいなと思います。

最後にもう一言だけなのですが、このマイナンバー制度としての利用を拡大して、特に行政機関間での情報連携を進める観点からも、今回、資料1にも示されていましたが、この自動車登録や外国人の在留手続など、これまでの税や社会保障、災害の3分野にかかわらず、もっと国民にとって利用性のあるシーンにおいて、マイナンバーの活用をしっかり広げていっていただきたいなと思います。

この関係で、オランダとか北欧とかに出かけ、マイナンバーのことを尋ねたとき、オランダとか北欧の認識は、「マイナンバー(番号)はジャストアドレス(住所)」と。「ノットプライバシー」ということをよく言っていました。国民の活用が広がっていって、番号というのが本当にアドレスと同じような感じで活用されているのでしょう。利便性が高まると、プライバシーにこだわる必要が薄れていくということもあると思いますので、ぜひそうやって、マイナンバーの今後の利用価値を広めていっていただきたいなと思います。
ちょっと長くなりましたが、以上です。

木村参事官: 森信先生、ありがとうございます。
それでは、続いて、後藤先生、よろしくお願いいたします。

後藤特別構成員: ありがとうございます。地域情報化研究所の後藤です。
今日ご説明いただいた資料の順番に沿って何点か意見を申し上げます。

まず最初の、利用者目線の行政サービス実現に向けたトータルデザインとマイナンバー法の検討です。

①に「自治体内情報活用」ということが書かれていまして、これは大変重要です。資料6ページには「円滑なデータ連携を可能とし、ユーザーニーズや技術動向の変化にも十分に対応できるようにする」と書かれています。これは大変結構なことですが、私も自治体で情報政策、情報システムの開発・構築に長く関わってきましたので、既に多くの自治体ではこういう方向性での情報活用が行われてきたと理解しております。

そこでの課題ということで申し上げますと、例えば課税情報のように、法律的には他の業務での利用を禁止する、あるいは制限をするというニュアンスになっていたりします。あるいは、個人情報保護の観点から、収集目的を超えて利用することに制限を定めているということがあって、自治体の中でも業務間での情報の利用について戸惑いを生じるようなシーンがありました。あるいはそれに起因する、手続の縦割りというような状況もあるいは生じているのではないかと思います。

ご説明では、資料の2ページの③で、令和5年、2023年にマイナンバー法改正を含む必要な法案提出を、と書かれていますけれども、その際に技術的な側面のみならず、ぜひ制度間での利用が適切に行われるように、各府省間で関係法令の整合が図られるように、しっかり調整を行っていただきたいと思います。

それから、③、「行政機関間の情報連携」のさらなる推進です。
ここも大変重要なところですが、残念ながら説明資料に掲げている事例が、必ずしも全国民に共通するものではない、と見ておりまして、少し響きにくいのかなというのを感じました。

一方で、最近多くの自治体では、死亡等に起因する相続を含む手続に関して、総合的に説明を行い届出を受ける、いわゆる「おくやみ窓口」という取組が行われていますけれども、市区町村役場の所管を超える事務手続、例えば年金や不動産の登記、銀行の口座の変更などの事務手続に関しては、非常に煩雑な届出、あるいはそれぞれの窓口等で様々な添付書類が要求されるということで、皆さんが大変苦労しておられるということを、実感を込めて、何とかならないかとおっしゃっているシーンにたびたび出会います。

例えばそういう事例を、具体的に今後こう解決する、そのためにはこのように制度を変える、また、システムで連携する、結果として当事者の負担軽減と手続の漏れをなくすことを実現するといった内容を考えていきたいと私は思います。

国において適切に基本的な制度設計を行っていただけるのであれば、自治体からは様々なユースケースの提示とか、具体的な改善の提案も行っていただけるのではないかと思います。ぜひこの辺り、多くの国民が苦労している点にも目を向けていただきたい。

それから、技術的な側面で言いますと、従前から自治体間、あるいは自治体と国との間で情報交換を行っているネットワークでありますLGWANについて、今後どのように変えるのか、それはいつどこで案をつくるのかというようなことは、自治体の関係者も関心を持っているわけですが、なかなかそこが見えてこない。このところの取組については、国が一方的に定めるのではなく、自治体の意見を聞くことも考えながら、具体的な内容や状況について早めに提示をしていただきたいと思います。

次に、資料の2番目です。
ここでは、31ページにオンライン市役所サービスということが書かれておりまして、大変意を強くしたところです。

私は以前、三鷹市役所に勤めておりまして、1984年から87年頃、当時はNTTがまだ電電公社だった時代に、INS実験というデジタル通信の大規模な社会実験が行われ、そこのプロジェクトに参加した経験があります。ちょうど河野大臣もその頃サテライトオフィスの取組を進めておられたと承っておりまして、私は大変今回の大臣ご就任を心強く思っているものですけれども、そんなことを思い出しながらこの資料を拝見していました。ぜひその辺りはしっかりと進めていただきたい、あるいは自治体の皆さんも頑張っていただきたいと思っております。

細かいところの話で若干申し上げますと、5ページの資料のところに、知的障害者福祉法による知的障害者の情報ということが書かれております。私自身も車いすを常用している重度の身体障害者ということで、身体障害者手帳も持っているのですが、この知的障害者の方の手帳の制度が現在も法定事項ではなくて、国の通知に基づき都道府県等の自治体が要綱で定める事務になっておりまして、さらに国に先行して東京都がこの制度を始めたということもあって、手帳の名称とか障害の区分の決め方なども違っているのです。この辺りをまず何とかしないと、ネットワークでつないで、という前に、制度間の凸凹を均していくということも考えなければならないと思っております。

次に、資料の3です。
自動車保有関係の手続に係るワンストップサービスについてですが、これに関しては、やっとここまで検討を進めていただいたのかと感慨を持って拝見しました。ぜひ着実な実施を進めていただきたいと思います。

ただ、1点気になることを申し上げますと、手続の連携というところは詳しくご説明があるのですが、ぜひ全体の手続のコスト、端的に言うと、国民の皆さんから見たときには、それぞれ手数料を払ってこの手続や証明を受けたりしているわけですが、この辺りの手数料の負担を軽減する視点での取組ということは、資料の中にも織り込んでいただきたいと思います。

我が国の行政事務の高コスト体質というのは、私は従前から大変気になっておりまして、このことを改善することも大切な視点であるはずですので、ぜひ、どのように今後変えられるのかといった視点で検討が進められることを願っています。
以上です。ありがとうございました。

木村参事官: ありがとうございました。
続けて、上原先生、お願いいたします。

上原特別構成員: 上原でございます。
私のほうからは幾つか指摘というかコメントと、1つご質問を差し上げたいと思います。
まず、全体に関してなのですけれども、全体の方向性については全く異論はございませんけれども、何度かこの会で申し上げておりますように、マイナンバー制度の活用と、マイナンバーの活用という言葉がたびたび混濁して聞こえる。混じって聞こえるということは大変気になっておりまして、資料1の、10ページのところで「本人を介した情報活用のさらなる推進」のところでも何度か出てきた観点ですけれども、番号法に基づいた提供というのは、ここにマイナンバーを使うことは、異論はないのですけれども、その他の自己情報のときに、では、公的個人認証やマイナンバーカードの券面情報のAPIなどを利用するということになっているということの切り分け、ここははっきりさせた議論が必要なのではないかと思っております。

そこの点からいいますと、本日お話を伺っていて気になったのは、資料1の14ページにございました、自動車登録に関する手続におけるマイナンバーの利活用において、これからということで、マイナンバーカードを利用とは書いてあるのですけれども、マイナンバーを提供すると書いてあると。これは本当にマイナンバーが必要なのですかというところに対する説明が必要だと思っています。

もちろん、幾つか考え方あるかと思います。例えば自動車諸税に関わる情報ともひもづけたいという意味で、マイナンバーの提供をしますというのは1つの考え方であるかと思います。一方、現在オンライン申請で行われている、住民票コード利用ということになっているわけで、実質上住民票の提出と同じことしか行われていないものが、マイナンバーの提供ということに踏み込みますと、1つレベルが上がっているということです。この違いをどう説明するのかというのは課題になるかと思います。

私自身は、勝手に考えますには、いわゆる情報提供ネットワークを通るという手続になることで手続の透明性が担保されるからいいのだという説明は可能かなとは思います。ただ、これに関しては議論をいただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

これに限らず、券面の情報を提供するという話とマイナンバーを提供するというお話は少しレベルが違うと思っています。先ほど森信委員のほうから、マイナンバーはジャストアドレスと考えていいのではないかというご指摘がありました。もちろんこういう考え方もあると思いますけれども、一方で、マイナンバーというものを、どこかの機関が提供を受け、それを補完することによって、情報の引き出しのキーに使えるんだということは、国民の間で理解が進んでいるわけですから、では、どの情報が取り出されるのかということに関してのちゃんと説明がないと話が通らなくなるということを思っていますので、こちらの区別をぜひよろしくお願いしたいと思います。これが1つ目のコメントです。

もう1つのコメントなのですけれども、民間の利活用に関してです。
例えば、APIが整備されて、いわゆる自己情報を、もちろん同意前提ではありますけれども提供するということは、利便性という意味では非常に大きな働きがございますので、ぜひ進めていただきたいと思う一方で、では、どのような民間企業あるいは民間のサービスであればこれを使ってもよいのかということに対して、全く規律なく進む、あるいは、例えば利用の申請に対して審査も何もありませんというようなことになると、いわゆる詐欺のようなものに使われかねないという懸念が出てきますので、やはり一定の歯止めあるいは規律というものが必要であろうと。これについて、考え方をどこかの時点できっちりとされたほうがいいのかなと思っております。

また、これに関連してなのですが、今回ご説明がございましたミライロさんのサービスについてなのですけれども、これは非常にいいサービスだとは思うのですが、実は私、兵庫県芦屋市でCIO補佐をやっているときに、これのご相談を受けたときに、やはり分かりにくいなと思ったのが、そのサービスの主体とデータの管理責任というものが、利用者にとってすごく分かりにくくなってしまうというのが難しいなと感じさせられました。

言わば、例えば私ですと芦屋市なのですが、芦屋市が認めたとしてご説明すると、利用者の方には、これは芦屋市の電子障害者手帳なんだというようなご理解をされることがありまして、そうするとデータのオーナーシップとか、そういうデータの管理というところに対して、芦屋市が責任を取り切れないところがあると。これをどう整理するのかというのをちゃんと説明しなくてはいけませんよというお話をさせていただいたことがあります。

このAPIというものが広がれば広がるほど、結局、今、私のデータは誰が持っていて、どう管理されているのかということが分かりにくくなるという性質があるので、これに対して、一定分かりやすくするための仕組みというか規律というかルールというか、こういうものが民間連携を進める上では課題になってくるのかなと思っていますので、またご検討いただければと思います。これが2点目のご指摘です。

あと1つ、少し細かいお話になりますけれども、ご質問をさせていただきたいと思います。
楠統括官のほうから、資料1の12ページ目、行政機関の情報連携のさらなる推進というところの中で、ガバメントクラウドが進みますとか、暗号技術をはじめとしたセキュリティ技術が進展しますということがございました。暗号技術というところは、楠統括官がご指摘のとおり、最近非常に進んだ分野でございます。そのために、新たな技術というのを取り入れることが可能だということは分かっているのですけれども、一方で、一応政府機関の暗号技術に関しては、デジタル庁、総務省、経済産業省で連携して行っている暗号技術検討会というところで、その安全性を確認した上で国のシステムで利用をしていただくという仕組みが既にございます。ここに新しい技術というのが全てリストアップされているかというと、残念ながらそうではありません。

ですので、もしデジタル庁のほうでこういう新しい技術を使ってみたいのだということがございましたら、それを共同運営されていますから、暗号技術検討会のほうに入れていただいて、これの安全性について確認してほしいというようなリクエストを出していただくようなパスというのが今後必要になるのではないかと思っております。

もし、今お答えできる範囲で結構ですけれども、具体的にはどのような技術のことを検討されているのか、もしお考えがあればお聞かせいただきたいなというのがご質問です。
以上です。

楠統括官: では、今ご指名がありましたので、私からお答えというかご相談というかさせていただくと、次回以降で具体的な話をする想定だったので、今日そこまで踏み込んだご質問をいただくとは考えていなかったのですけれども、念頭に置いていたのは、アルゴリズム自体は、CRYPTRECでカバーしている範囲を大きくはみ出す必要はないとは思うのです。

むしろ、特に、ガバメントクラウドの文脈で想定をしていたのは、例えば、今だと、異機種間接続、システム間接続として、お互いのインターフェースシステムの真正性の確認にMutual TLSみたいなものを使っていますけれども、これが例えば同一クラウド内であれば、いわゆるクラウド内のノードのお互いの真正性を担保するためのトラストの仕組みを、例えばAWSだったらNitroとか、各社似たような仕組みを持っていますし、あるいはコンフィデンシャルコンピューティングみたいな仕組みをお持ちである場合もあると。Remote Attestationをはじめとして、そういったシステム暗号として、全体の真正性を担保する仕組みというのは、非常に進歩を遂げているところですし、また、そもそも情報提供ネットワークシステムのコアシステムにおいて、必ずここを経由するようにデータが流れるようにするために符号を使った仕組みを採用しているわけです。

ここに関しても、例えばテンプレートでもって、Infrastructure as a Codeの上にサービスを構築するのであれば、システムの構成の中で、ログの取得等も含めて、かなり細かいところまで統制できると。なので、暗号技術に限らず、今のインフラの機能を使って、もともと情報提供ネットワークシステムでやりたかった様々な要件を分解し、これをモダンな技術でどのように低コストで実現できるかということは、次回へ向けて様々な検討をしたいと考えております。

一方で、恐らく技術的には、例えば検索可能暗号をはじめとして、アルゴリズムに踏み込んだところで、様々なエクスペリメンタルな技術というのが検討の俎上に上がる可能性というのはあると思うのですが、現状、CRYPTRECでそういった弾を受け取っていただけるのかとかも含めて、今後いろいろとご相談することは出てくるのかなと考えております。
すみません。準備していなかったのでかなり曖昧です。

上原特別構成員: 結構です。
私も準備をしていないので、少し申し上げますと、最後のいわゆる検索可能暗号ですかね。いわゆる高機能暗号の類については、多分リクエストを投げていただければ、ワーキング・グループから始めて、ちゃんと俎上に上げることができる能力がCRYPTRECにあるだろうと思っています。

一方で、システムに関しては、多分今の立てつけだと難しいところもあるので、これは例えばIPAさんが持つような機能を幾つか活用するみたいな方向性も考えられると思うので、また議論できる場があれば議論をさせていただきたい。どうもありがとうございました。

木村参事官: ありがとうございました。
ちょっと時間も押しておりますので、短めにお願いできればと思います。
次、太田先生、よろしくお願いいたします。

太田構成員: 太田です。
では、ちょっと手短に。
1点目は、森信委員もおっしゃったところで、私も何度か申し上げているマイナンバー制度ができたときの背景が、やはりプッシュ型の社会保障ができるという、これはデジタルセーフティネットという言い方でもいいと思うのですけれども、そういうことでしたので、これは昭和から考えると、生涯結婚率だったり、あるいは貯蓄だったり、離婚率だったり、仕事の在り方だとか、本当に激変をしていますので、きめ細かな社会保障というセールストークはいつもあるのですけれども、それが本当にできるためには、やはりリアルタイムに近い形で給付情報というのを持たなくてはいけないということで、これはぜひ深掘りの検討をしていただいて、できれば年末の重点計画の改定のときには、いつまでに何をやるのだということぐらいは打ち出せるような形で、これはずっと議論ばかりしているので、決めていただきたいなというのがコメントの1つ目です。

それから、2つ目なのですけれども、マイナポータルのAPIは非常によくて、今回お願いをして数字を出していただいたのがよくて、やはり税です。e-Taxでスマホが話題になっていましたけれども、400万人使っているのかというのは改めて分かりますし、一方で、電子母子手帳というのは1つのサービスで100万人使っているようなサービスがあるので、全く数字が出てこない、連携して、いつ予防接種したのかとか行政情報が欲しいはずなので、それが出てこないというのは、やはり何か課題があるのだろうなと思います。

それで、2つ目の提案としては、イギリスでよくベンチマークしているGDS(ガバメントデジタルサービス)は、今回デジタル庁がスマホ60秒と出したのはいいのですけれども、もう少し具体的なアクションが起こるように、主要な行政サービスに関しては、認知率、それから、使った人がどれぐらい完結したのかと。これはやはり100%は完結しないので、それから満足度というのは目標値を上げているのです。やはり、これに関しては、多分ワクチン接種はすごく高かったと思うのですけれども、マイナポータルに関して、多分認知も低いし、使い始めてもできなかった人もいるでしょうし、使って満足していない人もいるでしょうし、ここに関しては、やはり目標値というのを掲げて、一歩一歩進んでいくということをやっていけるような仕組みに、ぜひデジタル庁のほうでつくっていただきたいというのが2点目のお願いです。

それから、3点目は、ここの論点にないところで、ぜひこのワーキングで取り上げていただきたいものとして、様々な行政サービス、それから、民間で行政データを使ったサービスを使うときの本人確認の在り方なのです。これは英語だとKYC(Know Your Customer)と民間では呼ばれますけれども、これがばらばらだと困ると思います。

1つ象徴的な例は、渋谷区と総務省の見解がぶつかった、住民票を電子的に取るための本人確認の方法がありますけれども、これは昨年の秋の総務省の省令改正で電子証明書が要るという形になって、渋谷区が準備した、AIで顔を認証して証明書と突き合わせるという方法が不可になっているということがあります。これは、私はどちらが正しいと申し上げる気はないのですけれども、本人確認のやり方というのは様々ありますので、どういう方式でできるのかというところをきちんと整理いただかないと、今のまま懸念しているのは、来年からスマホでマイナンバーカードの公的個人認証の仕組みが搭載されますけれども、あれはレベル3の実印なのです。全部実印になると、現在も民間でマイナンバーカードを使ってスマホの本人確認というのはレベル2という、今、国で検討しているレベル3の1個低いものが普及していますし、いろいろなものが、では、これ使えないのという話になりかねませんので、それと例えば犯収法とか、あるいは携帯電話の法律なども本人確認の強度がそろっていないのです。この辺、法体系の話もあると思いますので、様々な法律でどうやって本人確認をするのかというのが規定されているのを、その司令塔としてきちんと見ていただいて、利便性とセキュリティ、安全性が両立するような形で、マイナンバーカードが1つアンカーになりますので、どういうようないわゆるエコシステムになっていくのかというのを、これができるのはデジ庁だけだと思いますので、1つ論点として立てて、これもスケジュールを決めて、犯収法の次の改正とかどうするのかというのも含めて検討いただければと思います。
以上です。

木村参事官: ありがとうございます。
続けて大谷先生、お願いいたします。

大谷特別構成員: 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
あれやれ、これやれといったご示唆がたくさんある中で、ベクトルの違う話ですけれども3点ほどお願いしたいと思います。

1つは、そのAPIというのがかなり便利に使えるという状態になってきて、実際に利用者の裾野も広がってきているというのは大変喜ばしいことだと思っております。先ほど上原先生からもご指摘がありましたように、現在、事前審査という点では、番号法違反というのが欠格事由になっているほかに、具体的なシステムの接続についての様々なテストが行われているものの、今後は、利用者の裾野が広がっていきますと、より精度の高い事前審査が求められると思いますし、また、利用している事業者についても、利用状況のモニタリングであったり、あるいは合併とか事業譲渡があった際に、その扱いについてどのように見ていくかといったルールも必要になってくると思いますので、それをご検討いただければと思います。

また、2つ目は、本人を起点とする本人を介した情報活用に関して、本人以外がどうしても利用に関与しなければいけないケース、例えば後見人、保佐人、法定代理人といった方々の関与をどのようにシステム上で実現するのか、もちろん、それが便利に行わなければならないですし、また、不正の利用とか知識が十分にないために悪用されるということも防ぎつつ、そのルールというのもだんだん明確にしていかなければいけないものではないかと思っております。

3点目ですけれども、あまり直接ではないのですけれども、現在、戸籍法の改正を進めておりまして、氏名の読み仮名の収集といったことが現実的に必要になってきているところでございます。マイナポータルなどを活用して、いかに効率よく収集ができるのか、また、本人の意思というのを尊重して実現できるかといったことも様々な機会に話題になっているところだと思いますので、デジタル庁でも、省庁横断的にこういったテーマについてもどのようなお考えがあるのかといったことを、折に触れて示していただければと存じます。
私からは以上でございます。ありがとうございました。

木村参事官: ありがとうございました。
本日欠席の宍戸先生からはメモをいただいておりますので、ここで紹介させていただければと思います。

3点ございまして、1点目、全体について、利用者のプライバシー等の保護と利用者目線の行政サービスとを実現していくという方向性に賛成であると。

2点目として、本人を介した官民の情報活用について、既にこの会議でも述べたとおり、令和3年改正個人情報保護法により、官民、国地方を通じた個人情報保護委員会の監視監督体制が個人情報一般に及ぶようになったことも考慮すべき。

3点目として、オンライン資格確認について、厚生労働省において、手術情報は別途の同意を取得する方向とされたところであるが、本人によるマイナンバーカードの利用シーン拡大に当たり、本人のコントロールとして、過剰な仕組みの先例とならないようデジタル庁において注視すべき。

この3点、コメントをいただいておりますのでご紹介させていただきました。
本日ご出席の菅原先生、庄司先生、何かコメント等はございますでしょうか。
では、庄司先生、お願いいたします。

庄司構成員: ありがとうございます。
3点、短く発言したいと思います。
1つ目は、資料2、公金受取口座のデータが棒グラフで示されていたと思いますけれども、今年度末までにマイナンバーカードについては、ほぼ全ての国民に持っていただこうということになっており、そして、この公金受取口座を登録してくれれば、マイナポイントを差し上げますよということでやっているという文脈を踏まえますと、この数字はかなり少ないと思います。

これは前回もたしか発言したような気がするのですけれども、自治体の現場などでは、今年度末までにほぼ全ての国民に普及させなければいけないのだということで頑張っているところもあるわけですので、てこ入れをするのであれば、もっと真剣にてこ入れをする必要があると思いますし、いやいやその目標は10割と言っていますけれども6割でいいのですよみたいな話であれば、それはそれなりにする必要があると思うのです。

真面目にやっているところがはしごを外されるようなことないようにしなくてはいけないと思いますし、やはりこの数字は少ないと思いますので、単にポイントをあげますだけではなく、しっかりメッセージを伝えててこ入れをしていく必要があるのではないかなと思います。それが1つ目です。

それから、2つ目は、ちょっとした感想ですけれども、今日ご紹介いただいたマイナポータルの「わたしの情報」とか参照された履歴を確認できるとか、あの辺の機能というのは、マイナンバーカードを取得された方も全然知らないのではないかと思うのです。マイナポータルにアクセスされている方も少ないわけですので、取りあえず取得したけれども、マイナンバーカードは何にも使えないじゃないかと言っている方に、まずはマイナポータルにアクセスして、自分の情報を確認してみましょうというのは、1つ訴求ポイントになるのではないかなと思います。

特にマイナンバーカードの取得に後ろ向きな方というのは、政府が情報をどう持っているのかということについて割と不信感を持っていたりしますので、ここで見られます、確認できますというのは少し強調していいのではないかなと思います。

それから、3つ目、トータルデザインの部分なのですが、これも前に申し上げたことがあったような気もするのですが、2025年度末まで、令和7年度末までは、標準化など、ものすごい勢いで突っ走っているわけで、自治体からすると、もうそのことで頭いっぱいという状況だと思います。

それはそれで意識していただければというところなのですが、その話から、このトータルデザインの世界に移っていくに当たっては、どういうスケジュール感で進むのか、そして、標準化されたシステムを自治体は調達していくわけですので、年単位での見通しというのが必要になってくると思います。どういうスケジュール感で、どういう作業が2025年度、あるいはその先に必要になってくるのかというロードマップをもっと具体的にお示しいただけるようになるといいと思います。
3点、以上です。ありがとうございます。

木村参事官: ありがとうございました。
今、マイナポータル、マイナンバーカードの話ありましたけれども、上仮屋参事官、コメント等はございますでしょうか。

上仮屋参事官: 上仮屋です。
今の点につきましては、まず、公金受取口座の14ページを投影いただくと、1200万ほど登録をいただいているのですが、まだまだ足りないというご指導で、ご指摘はまさにそのとおりと思います。

マイナンバーカードの交付につきましては、つい23日に2人に1人まで交付の累計が行きました。とはいっても、今年度中、ほぼ全ての国民ということであれば、ますますそこは、もっと1日当たりの申請交付も増やしていかないと達成できないので、カードの交付、普及、それから、公金受取口座の登録のほうも、政府関係機関、あらゆる連携をして、政府広報など、あるいは大臣にも直接、国民、自治体に話をさせていただいて、メリット、安全性、取組の協力というのも、トップから職員まで全力で取り組んでおります。自治体とも連携してやっていきたいと。先生方からもご指導いただきたいと思っております。ご指摘をまさにしっかり受け止めて取り組んでまいります。

木村参事官: ありがとうございます。
ほかにコメント等はございますか。
よろしいですか。
それでは、一旦ここで区切らせていただければと思います。
最後に赤石デジタル審議官、何かございましたらコメントをいただければと思います。

赤石デジタル審議官: ありがとうございます。
皆さんのおっしゃっていることは全くそのとおりでございまして、行政機関間の情報連携の話から、民間企業がAPIを使うときの審査の話から、確かに基準が曖昧なところがあったりしますので、そういうもの一つ一つ見直していって、きちんと安全安心に使えるものにしていきたいと思います。

庄司先生のおっしゃっていた、マイナンバーカードの全国展開を真面目にやるというのは本当にそのとおりでございまして、これは政府もピッチを上げていて、例を挙げると、病院にはカードを読める機械を設置することを義務化、さらに健康保険証について、原則マイナンバーカードにすることにし、公金受取口座についても次なる施策を考えているところです。

ただ、これはいずれにしても、国民との関係で議論がたくさんあります。年度末までにどこまでできるかをしっかり見極めて、その後、果たしてどこまで踏み込むのか。自治体との関係でいくと、交付税交付金の算定の根拠にまでしようとしているところでございますが、やり方次第では自治体も大変なことになると思うのです。こういうものをどこまでやっていくかということについて、よくよく皆様と相談しながらステップアップしていきたいと思いますので、引き続きご指導をよろしくお願いします。

木村参事官: ありがとうございました。
それでは、本日の議事は以上となります。最後に事務局より事務連絡をさせていただきます。

本ワーキング・グループの資料と議事録につきましては、デジタル庁のホームページにて公開いたします。議事録については、明日以降、事務局より皆様に対して内容の確認をお願いしたいと思っております。

また、本日、会議終了後、事務局にて会議の概要を改めて記者に対して報告させていただきます、記者ブリーフィングをさせていただきます。
最後に、次回日程につきましては、改めて事務局よりご連絡を差し上げます。
以上をもちまして、本日の「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキング・グループ」を閉会とさせていただきます。お忙しい中、誠にありがとうございました。