デジタル関係制度改革検討会(第8回)
概要
- 日時:2025年4月22日(火)10時00分から11時00分まで
- 場所:オンライン開催
- 議事次第:
- 開会
- 議事
- デジタル関係制度改革検討会構成員の変更等について
- アナログ規制見直しに関する取組の進捗状況等について
- 意見交換
- 閉会
資料
- 議事次第(PDF/58KB)
- 資料1 デジタル関係制度改革検討会構成員の変更等について(PDF/6,051KB)
- 資料2 アナログ規制見直しに関する取組の進捗状況等について(PDF/10,920KB)
- 議事録(PDF/297KB)
議事録
事務局: それでは、第8回デジタル関係制度改革検討会を開始させていただきます。
本日は、構成員に変更がございましたので、まず議題1について事務局からご報告させていただきたいと存じます。
議題1の資料を共有させていただきます。「デジタル関係制度改革検討会構成員の変更等について」ということで事務局からご報告いたします。令和7年度のデジタル関係制度改革検討会の構成員ですけれども、令和6年度末をもちまして、本検討会での議論にご尽力いただきました安念先生、岩村先生がご退任となりましたので、今回から新たに座長として稲谷構成員がご就任をされてございます。
また、今後、重点的に取り扱う論点を踏まえまして、小川様、若生様が今回より新たな構成員としてご就任されております。小川様、若生様についてご紹介をさせていただきます。
まず、小川様はこれまでにEYコンサルティング株式会社におきましてRegTechリーダーを務めておられまして、規制と技術、RegTechについて深いご知見をお持ちでございます。また、この検討会の下に置かれておりますテクノロジーベースの規制改革推進委員会においてもこれまで委員として議論に参画されておりますので、今回、改めて本検討会に構成員としてご参画いただくこととなりました。
若生様は地方自治体のデジタル化についてご知見をお持ちでございます。これまでに自治体におけるCIO補佐官も務めておられるほか、自治体のデジタル化に関する論考なども多数執筆されてございます。
今回からこのお二方を新たな構成員として迎えまして、令和7年度のデジタル関係制度改革検討会を実施させていただきます。
また、デジタル関係制度改革検討会でございますが、令和3年に内閣総理大臣の下で開催されましたデジタル臨時行政調査会が令和5年10月に発展的改組されましてデジタル行財政改革会議となったことを受けまして、これまでデジタル臨時行政調査会作業部会として実施しておりました会議を、デジタル庁の下でデジタル関係制度改革検討会として実施しておるものでございます。このような経緯がございまして、本検討会で議論している内容につきましては、議論の成果物として、デジタル行財政改革会議においてご報告しております。3ページ目にございますけれども、昨年11月にはデジタル行財政改革会議においてこういった形でご報告をさせていただいております。
議題1に関する事務局からの報告は以上とさせていただきます。
なお、今日は構成員のうち上野山構成員のみご欠席となっております。その他の委員の皆様はご出席いただいています。よろしくお願いいたします。
それでは、以降の議事につきましては、司会進行を稲谷座長にお願いできればと存じます。稲谷座長、どうぞよろしくお願いいたします。
稲谷座長: ありがとうございます。先ほど事務局の方よりご案内がありましたように、今回から座長を務めさせていただきます、稲谷でございます。いろいろと至らない点等はあると存じますが、何とぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日の議題2「アナログ規制見直しに関する取組の進捗状況等について」、事務局よりご説明をお願いいたします。
川野参事官: 事務局のデジタル庁参事官をしております、川野と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、資料2に基づきましてご説明さしあげます。前回の第7回の検討会は、昨年9月の後半に開催させていただきました。その状況では、まだ石破内閣も立ち上がっていないという状況でございました。その後、石破内閣が立ち上がりまして、約半年ぶりの開催ということでございます。前回の会合では、特に先ほどご報告がございましたデジタル臨調以来、国のアナログ規制の見直しを強力に進めた結果、去年9月時点でご説明した数字として96%の条項について見直しが完了したというご報告をさせていただきました。その後の私どもの取組の状況について、本日は半年間の取組をご報告いたしたいと思います。
1ページにあるとおり、大きく1ポツといたしまして、各種の取組の進捗状況をご報告させていただきたいと存じます。それぞれ(1)国の法令の見直しの進捗状況、また、(2)地方の条例等に基づくアナログ規制の見直しの促進に向けた取組の状況、こちらはかなり新しい取組をご紹介することになります。また、(3)テクノロジーマップ・技術カタログの整備状況についても進捗をご報告いたします。また、最後に2ポツといたしまして、「制度の見直し」と「技術実装」の好循環に向けてということで、我々が持っております問題意識についてご報告をいたしたいと存じます。
それでは、早速説明に移りたいと存じます。まず、国の法令等の見直し状況ということでございます。3ページ目に我々の取組の営みの全体像をこのような形で示させていただいております。上の大きな長方形に大きく「規制」というカテゴリーがございまして、左側に国が所管している規制、また、右側に地方公共団体が持っている規制という概念を定めているところでございます。特に左側の国の規制につきましては、先ほど申し上げたとおり昨年の秋の段階で96%の条項の見直しが終了したというご報告をさせていただきました。ということで、この赤い部分をご説明します。
4ページがこれまでの見直しの取組の経緯でございます。先ほどご説明がありましたとおり、令和3年にデジタル臨時行政調査会、デジタル臨調というものを立ち上げて以来、強力に進めてまいりまして、一番下、去年6月時点でのフォローアップ状況を昨年9月に公表させていただき、こちらの検討会にもご報告させていただいたということでございます。その後、後ほどご説明しますが、地方公共団体に対する総合的な支援メニューを整備し、支援を強化しているところでございます。
5ページでございます。国の進捗状況でございますが、現在、97%まで確認ができてございます。下の表の真ん中ぐらいに2024年9月時点で見直し完了というのが昨年ご報告させていただいた数字でございます。その後、私どもは各省に工程表に基づいて3か月ごとにどの条項はいつまでに終わりますかということをお約束いただいておりますので、我々が進めた作業としては、昨年12月までに見直しが工程表どおり終わっていますかといったことを確認させていただいておりまして、今、数字が97%まで上がってきているということでございます。当然のことながら、次の右側にありますけれども、先月3月末まで、いわゆる年度末までで見直しを完了する予定だった条項というのも37条項ございますので、このフォローアップ作業というのは現在まさに行っているという状況でございます。このような形で96%まで来ましたけれども、最後までしっかりここはフォローアップをしていきたいと考えてございます。
次の6ページ目、7ページ目はそれぞれの法令、告示・通達ごとの表ということで説明は割愛させていただきます。
次の8ページ目、地方のアナログ規制見直し促進に向けた新たな取組についてということでご紹介いたします。
9ページでございます。先ほどの概念図でいくと右側の地方公共団体の規制見直しということでございます。問題意識といたしまして、ここに文字で書かれておりますとおり、地方こそ急速な人口減少・人手不足が深刻になってきているということでございまして、地域の行政または民間のサービスも含めて機能を維持・強化するためには、デジタル技術の活用は必須であると考えてございます。
しかしながら、実は地方公共団体の条例等に基づくアナログ規制も結構あるということが分かっておりまして、ここは何らかてこ入れをしなければいけないという問題意識まで、昨年、ご報告をさせていただいたところでございます。
次の10ページ目は、去年9月の会合にも出させていただいた資料でございます。文字をいろいろ書いていますけれども、左下のオレンジ色の円グラフをご覧いただきますと、令和5年に調査を行いまして、13のモデル地域におきまして、条例のアナログ規制の根拠について、どこに由来しているかということを調べましたところ、4割強が国の法令に根っこがあるということが分かりましたが、逆に言うと6割弱は国の法令に根っこがなく、地方公共団体の条例等に基づいて規制が定められているということが判明したということでございます。まさに右側の4割の部分はかなり国の規制が直ってきたということでございますけれども、6割弱のオレンジのところも直さないと、実際に地域の現場でデジタル技術をフル活用できないのではないかという問題意識を我々は持っているところでございます。
そうした状況でございましたけれども、去年の春の段階での調査結果としましては、真ん中の青い円グラフです。全団体で見ますと、アナログ規制の点検・見直しを実施している自治体というのが全体の11%、また、実施予定という形でご回答いただいた団体が11%という形で、まだ8割近くの方が検討中や未定という状況でございました。
続きまして、11ページ、こうした問題を受けて、また、石破内閣が立ち上がりまして、地方創生というのが石破内閣の大きな政策の柱の一つということもありますので、地方における規制見直しについても我々は一歩踏み込んだ取組を展開しているところでございます。真ん中に円錐がございます。ここが地方公共団体の母集団という形で捉えていただければと思います。公共団体の中には既に取組を自ら実施されているところもいらっしゃれば、近々取組を行う予定であるという形の真ん中の青いところの団体もいらっしゃる。他方で、検討未成熟という形の団体も多数いらっしゃるということでございます。
これまでデジタル庁におきましては、左側にございます「一般型支援」という形の支援をさせていただいておりました。具体的には、どこの団体ということを特定せずに全ての地方公共団体にとって共通的なコンテンツ・情報を準備して、一斉の全自治体を対象にした説明会、あと、左下にございますマニュアルや用例集といったものをデジタル庁のホームページ等に置いてご参照いただいておりました。
しかしながら、私どもは新たに右側の「個別型支援」というものに昨年度秋口以降、強力に取り組んでおります。個別型支援というのはこの名の示すとおり、全ての自治体を対象にした、ある意味一般的・抽象的な説明ではなくて、既にこれからやるのだという団体に、団体ごとに個別の担当のデジタル庁の職員をアサインいたしまして、その職員がそことしっかりとパートナーを組んでお手伝いをするという形の支援を開始しているということでございます。青い中にいろいろございますけれども、一番ありがたがられるのは実は現地訪問というものでございまして、デジタル庁でございますので基本的にはオンライン会議でやり取りをするのですけれども、各市役所のDX担当の方が全庁的にアナログ規制の見直しを進めようとすると、結局我々デジタル庁が霞が関の各省庁に向き合ったのと同じような状況になる、すなわち市役所の中の各事業部門、例えば福祉部門であったり、建築部門であったりといったところの規制を直していただかないといけませんので、全庁的な機運をつくり、その意義等も理解していただいて作業を進めていただくということに彼らは直面するわけですけれども、こういったところを市役所のDX担当が1人で説明してもなかなか理解を得られないというときに、デジタル庁から課長補佐ぐらいの職員が行きまして、国がどういうことを行っているのだ、他の自治体はどういう形で成果を上げているのだ、また、大きな社会的課題の中での意義等をある意味熱く語って説明することで、庁内の全ての部局の人間にある意味1回でその必要性を理解していただけるというところでかなりお役に立っていると伺ってございます。
それ以外にも、自治体ごとに進めていく上で抱える課題が違いますので、真ん中の説明会、これは大体オンラインやメールベースでのやり取りが中心になっておりますけれども、そういった形でのお手伝いをしているという形でございます。
12ページでございますけれども、この取組は令和6年度から開始しておりまして、手挙げ方式で自治体から手を挙げていただいて、実際60団体ぐらいからご希望があったのですけれども、我々のリソースの関係もございましたので、こちらにございます約30団体を選定して、今、既に支援を開始しております。実際、1月頃から現地に入ったり、まずはオンラインでやって2月、3月に現地に入ったりという形で、もう既にやり取りは始まっているという状況でございます。
13ページをお願いいたします。そうした中で、実際に規制を見直すのだといっても、規制を見直しても別にその瞬間に住民はハッピーにならないわけでございまして、実際にどういう効果を生むのだという例を具体的に示すことが有意義だと思っておりまして、このページのいろいろなところで我々は説明させていただいております。4つ例を挙げさせていただいておりますけれども、左の2つは、国の規制を見直したことを受けて実際にデジタル技術を活用いただいている自治体の例、右は自治体がご自身の条例や要綱を見直したという例でございます。簡単に1つずつご説明させていただきます。
左上の千葉県君津市の例ですが、これは国交省において道路橋梁の定期点検の点検要領を改定いただきました。これまでは近接目視、人間が行ってその場で目で見なさいということを求めていたわけですけれども、これがドローンでもいいですよということになったということでございます。これを受けて、実際君津市における事業者への委託費、これまではある程度検査職員を雇ってその方が何時間と拘束されて橋の下を一個一個回ってということをやっていたのですけれども、その人件費が浮いて、もちろんドローンの活用費用はあるのですけれども、結局トータルで見ると委託費が削減されているということで伺っております。
また、この橋の点検をするとき、要は検査員が下に入っているときはちょっと危ない可能性もあるということで、実は橋の交通規制をしていたということなのですけれども、これもドローンの場合は不要になったということでございます。皆さんご存じのとおり、太古の昔から橋というのは川を渡るための唯一の通路ですので、これをある意味規制するというのは、交通上は非常に不便になるわけですけれども、そういった不便も解消されているということでございます。
続きまして、左下でございます。農作物の作付確認への衛星画像活用ということで、福島県南相馬市の例でございます。こちらは農水省が補助金を出す際に、農作物の実際の作付の状況をこれまで人間が目視で確認をしていた。例えば水田を小麦畑に変えた場合に出すという補助金なのですけれども、補助金を出す以上、本当に小麦が作られているのかという点を確認しなければいけなかった訳ですが、これを基本的には目視でやっていた。これは目視でやっていたと一言で言うとあまり実感が湧かないのですけれども、実態としては、結局作物が伸びているときに見に行くしかないので、基本的に夏に見に行かなければいけない。実際に市域の全体を見に行こうとなると、南相馬市さんですと300人ぐらいの方で見なければならないということで、役場の職員では到底手が足りないということで、JAの方々、さらにはシルバー人材センターの方などにもご協力をいただいて、真夏に麦わら帽子をかぶって、熱中症に気をつけてくださいねと言って、少し健康・命のリスクを冒しながらそういう人々が確認をしていたということでございます。
しかしながら、農水省に通知を改正いただきまして、衛星データの活用ができますよということにしていただき、早速南相馬市はそれを活用して昨年度から実証し、今年度から本格導入も検討されているような形で伺ってございます。
以上が国の通知等を直していただいた事例で、次の右側は自治体が自分の規則を変えた例でございまして、右上の福岡県古賀市、これは私が非常に大好きな事例なのですけれども、これまで赤ちゃんを産んだ若いお母さんが産後ケアを市役所にお願いするときに、役場に来て母子手帳をその場で提示してくださいということでございました。そうすると、当然役場が開いている時間に行かなければいけない。なおかつ、赤ちゃんのいらっしゃるお母さんですので、ベビーカーを押して役場まで行ってということをしなければ申込みができなかったということでございますけれども、これをオンライン申請で可能にしたということでございますので、母子手帳の証明というのもスマホでスクショを送ればいいということでございます。自治体の数字を隠していただいておりますけれども、もう早速、令和6年度の上半期、24件のうち23件がオンライン申請になるということで、当然若いお母さんたちになりますので普通にスマホを使えるということで、一気にこのお母さんたちが幸せになったことは間違いないかなと思ってございます。
また、右下でございます。沖縄県の糸満市は、介護の認定の審査会について、役場に関係者、福祉部の職員や医療関係者の皆さんと集まって対面で一人一人この方の介護度はどうであろうという会合をしてきたということでございますけれども、これをオンラインで参加することを可能にしたということでございますので、例えば勤務時間後、夕方に開催するという場合も、関係者の皆さんの自宅から参加できるという形になってスケジュール調整も楽になったし、その分、審査のスピードというのも速くなったという形で伺っております。
このように、規制を直すのだ、技術を入れるのだと言ってもなかなか首長さんや住民の心は動かないわけですけれども、本当に現場の住民がハッピーになるのであるという好事例が出てきておりますので、こういうものを我々が丁寧に拾って積極的に情報発信をすることで、先ほど申しました機運醸成、要は首長さんなどにその意義を理解いただくという努力を進めているところでございます。
14ページをお願いいたします。実際に自治体の職員向けのマニュアルにつきましても、これまで第2版まで持っておったのですけれども、この半年間、かなり我々も地域に入っていろいろなノウハウも得てきましたので、第3版という形で大幅なアップデートをしているということでございます。
実はこれに加えて、15ページなのですが、用例集というものを我々は準備させていただいております。これも3月末に発表させていただきました。規制を直しましょう、直すことの意義は分かった、実際の条項が分かって、さあ直そうといったときに市役所の職員が何をするかというと、どう直すかという条文を実際に彼らが立案しなくてはいけないのですけれども、結局それを自分で一から考えるとなると相当時間がかかります。ですので、国の条項をどう見直したかという事例、あと、他の地方公共団体の好事例なども集めて、一番上にページ数を書いていますけれども、140ページというかなりの分厚い用例集をご準備してお届けしています。実は私も3月にとある市役所の方に聞きましたけれども、これが一番欲しいというご意見も伺ったので、これは非常に役に立つだろうなと思っております。
この用例集に関しては一つポイントがありまして、一番上に青い線で「条文改正」ということで、条例の条文そのものを改正に行くというパターンの例もお見せしておりますけれども、その下に「条文改正なし」という赤い点々でお示ししているところでございます。要は条例改正すると議会にも出さなくてはいけないということで手続が一定程度発生するわけですけれども、別にこれは解釈でできるのではないかという場合にはわざわざ条例の改正までは行わずに、その条例に関する解釈の通知を出すことで実質的な規制を解禁しているという例がございます。これは国でも例がございますけれども、自治体でもそういう例があるということでございますので、そういったやり方もありますよというところも含めて我々は用例集というものを提供させていただいている状況でございます。
16ページでございます。さらに、もともとこういったどれだけ条例があるのかというのを洗い出すという作業が結構手間なのですけれども、こちらは私どもは昨年度令和6年度の補正予算で予算を1億円頂きまして、一部の地方公共団体の条例を対象に実際にその洗い出しをやってみるという作業を、20団体ぐらい選定して我々が国費で支援させていただいているというものでございます。
他方で、この選定された自治体にお願いしているのは、これは国費なので自分の団体のためだけに使わないでくださいと、すなわち洗い出しの見直しの方針やその結果、ノウハウみたいなものは全て公開して、ほかの団体にも共有してくださいという条件で支援団体も決めているということでございます。
17ページでございます。以上、地方に関してはいろいろな取組をしてまいりました。これを受けて、左上の円グラフでございますけれども、アナログ規制の見直し状況について先ほど去年9月のグラフをご紹介して、実施中が11%、実施予定が11%ということでございましたが、今、精査中ですので速報値ということになりますけれども、今年の3月時点で実施中が23%、実施予定も19%ということで、それぞれ倍ぐらいでかなり勢いよく取組が出てきていることがうかがえるということで、我々は非常に手応えを感じているところでございます。
きっかけとして、右側にありますように国も直したのだし自分たちも直そうかということや、デジタル庁が支援を強化するという話があったのでやっていく、あとは説明会に来てやったほうがいいよねと感じたという形で良い反応をいただいているということでございます。
次の18ページをお願いします。実際にどういった支援が欲しいかというところもアンケートをいただいています。そうすると、先ほども言いましたが、やはり事例といったものが欲しいとか、先ほども少し予算で応援しているということを申し上げましたけれども、洗い出しの作業の支援をしてほしいとか、あとはもともとの方針を決めるところの立案のところで検討してほしいということで要望いただいているということでございます。ということで、我々は右にあるような様々な今ご説明したところをしっかり提供していきたいと考えてございます。
以上が地方の取組でございます。
続きまして、(3)テクノロジーマップの整備状況でございます。これは下部委員会のテクノロジー委員会からの報告でございます。
20ページです。全体像でいくとこの下の「技術」というところの説明になるという位置づけでございます。
21ページをお願いします。テクノロジーマップに関しては、もともとこのアナログ規制条項を全て見直す際に、各省が規制を見直すといってもそれを代替する技術があるのかないのかということが分からないと規制を見直しできないというご意見があったということで始めてきたということでございます。右上にございますけれども、デジタル庁と②に書いています規制所管の府省庁に分かれてそれぞれで技術実証というものを行って、確認できましたらそれに基づいて規制見直しをし、テクノロジーマップ、あるいは技術カタログにそういった技術を載せていって、技術実装にもつなげていただくという営みでございます。
22ページをお願いいたします。令和6年度も、デジタル庁予算に基づきまして技術検証を2事業実施してございます。
1ポツ目は、配管設備の定期点検、これは基本これまでは目視だったということなのですけれども、アナログ規制見直しによってX線の透過検査等を用いたいわゆる非破壊検査、要は内部なども見られるということの検査ができるようになりました。これによって、逆に言うと、むしろ町田市は、中が見られるということは、例えば管の中の腐食の状況といった目視では見られなかった情報まで見られるということでございますので、その効果を検証したいということで取り組んでいただいたということでございます。町田市さんにも市内に数百の公共施設があって、そこにいろいろな配水管や排気管という管がありまして、例えば一律に30年ごとに管は全て取り替えるという形で予算事業を組んでいたということでございますけれども、このX線検査をすると、まだこの管は使えるではないかというものがあれば、その管はもうちょっと使うということをすることによって、試算では一施設当たり数億円規模の効果が出るという形の実証が行われたということでございます。
また、2ポツ目でございますが、こちらは公共用地を取得するときに、もともと建っていた民間の土地を頂く、あとはその上の建物を評価して補償をするという際に、これまでは人が行って寸法を測り、物を確認してということをやっておったわけですけれども、ここにLiDARアプリやレーザースキャナといったものを使って実際にかなり効率化が図れるということが分かったということでございます。
続きまして、こういったデジタル庁の取組以外にも、各省も各省の予算に基づいて、ご自身の規制に基づく代替技術の可能性というのを実証していただいているという状況でございます。
続きまして、24ページ、その結果を私どもが整備しているテクノロジーマップに今年も反映したということでございます。緑のところがこれまで載っていなかったのですけれども、新しい技術としてこういうものが使えるよねと分かったところは反映をして、技術的な使用可能性をより広めていっているということでございます。
25ページ目でございますが、また、具体の技術だけではなくて具体の製品、あるいはサービスについてもカタログに載せるという取組を進めておりまして、令和6年度も50件の製品、サービス等を載せさせていただいたということでございます。今後もここの作業は進めていきたいと考えてございます。
26ページ、また、こういったテクノロジーマップに基づきまして、技術を保有している業者、規制の所管している官庁、規制を受けている事業者といった方々、あとは自治体などに、こういうテクノロジーが使えるのだよということを広く周知するための「RegTechコミュニティ」というものを開催して情報共有を図っているということでございます。27ページにございますとおり、これまでも個別のテーマごとにいろいろな技術の紹介もしてきているということで、最近ではこの2月に選挙のタブレット投票の事例というのも議論させていただいたということでございます。
以上がこれまで半年間の取組、進捗状況の報告ということになります。
続きまして、最後の2ポツ目、我々が感じている課題につきましてご報告をさせていただきます。
31ページ目でございますが、真ん中のここをご説明するということでございます。
32ページをお願いします。冒頭申し上げましたとおり、国のアナログ規制は97%が見直が終わっておりおおむね完了に近づいてございます。実際、先ほどもご紹介したとおり、いろいろなそれらをうまく使った好事例が各地域でも出てきていますけれども、我々の問題意識として必ずしもその情報が十分に現場に伝わっていないという面もあるのではないかなという仮説を出しまして、私ども独自に昨年の12月から2月にかけて規制所管省庁にどういう形でそれを現場にお伝えいただきましたかという自治体の通知や通達を収集させていただき、21の府省庁にご協力いただきまして、1,400件を収集させていただきました。結果概要を簡単にまとめておりますけれども、中には単に規制をまとめたという話だけではなく、実際にこういう技術が使えるのですよと、また、その費用や効果といったものまで含めてしっかりと分かりやすく発信していただいている例というのが幾つかございました。
33ページをご覧いただきますと、代表例でご紹介しているのは、特に総務省自治税務局の固定資産税課が、固定資産税の現況調査につきまして、これまで航空写真を活用することは認められておったのですけれども、先ほどの南相馬と同じように衛星画像とそのAIによる解析ということでかなり実際の土地が特定できるということで、地方公共団体における実際にこういうところはこういう導入をしていますよとか、どういう成果が出ていますよという声、さらに言えば、衛星画像の費用と航空写真の費用比較をして、ありていに言うと衛星画像がかなり安いという比較表のようなものまでくっつけてお送りする。こうすると、各市役所の固定資産税課の方は、なるほど、この規制を見直したらこういうことができるのだな、なおかつ、こういう技術があってこれぐらいの効果が上がるのかという一連のコンテンツが全部入っているということなので、それで衛星画像を使いたいということを財政課に説明して予算を取っていくということができていくということでございます。こういう非常に良い事例もあって、ほかにも環境省、国交省の例があるというところでございます。
お戻りいただきまして、他方で、下の①でございますが、そういったものもあったのはあったのですけれども、実は数が必ずしも多くなくて限定的でございました。他方、ちょっと残念なところは、単に通知の中で技術活用を妨げませんよということだけを書いてあって、今、①で申し上げたようなところについての十分な敷衍がないというところも多く見られたところでございます。
そうした中で、我々が持っている問題意識としましては、次のページになりますけれども、デジタル技術の実装に向けた道筋ということで整理させていただいていますけれども、左上にデジタル庁のこれまでの一連の取組を①、②、③、⑤、⑥、⑦という形で載せております。かなりのものが「済」、また、アナログ規制に関しては規制当局の各省庁と連携して国の部分はもう97%とほぼ「済」になっている。また、地方公共団体は進行中ということで支援を提供させていただいているということでございます。また、⑥、⑦にありますとおり、我々が好事例を発信したり、さっき言ったRegTechコミュニティでいろいろ情報提供させていただいてございますけれども、結局デジタル技術実装を行うのは右下にある現場の皆さんでございまして、現場というのはどなたかというと、実はデジタル部局ではなくて、地方公共団体でいうと規制に基づいて業務を実施している現業の部署、例えば下水道部や福祉部といったところの部局の方々でございます。また、あるいは被規制事業者、要は規制を受ける事業者、例えば代表的なのは点検を受託している事業者という形になってきます。こういった方々は基本的にはデジタル庁の動きというのはあまりなかなか情報をお持ちではないですし、ふだんほとんど気にされていなくて、上から来る規制当局からの情報、政策動向、ルール、何をやっていいか、何ができるのかという情報を見ながら日々業務をしていますので、赤い矢印で書かせていただいておりますけれども、規制の見直し内容、あるいは活用可能な技術といったものが十分に提供されていないと、なかなか思い切った現場導入に踏み切れないということがあるのではないかと思っております。
ですので、下に赤い矢印が書いておりますけれども、私どもとしては、実効的な各省庁からの情報発信の在り方について検討を進めて、各省庁に協力を要請するようなことも検討していく必要があろうかなという問題意識を持っているということでございます。
35ページでございますけれども、実際に今年の2月、埼玉県の八潮市で下水道の関係の崩落があったということは皆さんのご記憶に新しいかと思います。これを受けた2月のデジタル行財政改革会議での石破総理の締めくくり発言の中では、一番下のほうからご覧いただきたいと思いますけれども、中野大臣、村上大臣、国交省や総務省はまさにこのDX技術の活用というものをしっかりと各現場に目標も設定して全国で標準実装できるように取り組んでくださいと。やはり規制を持っているところがしっかりと最後は働きかけをしていかないと動かないという問題意識の中で、こういう発言も総理からもいただいているということでございます。
説明が長くなりましたけれども、事務局からの報告と、最後に問題意識のところをご説明さしあげました。何かコメント、また、ご意見等を頂戴できれば幸いでございます。よろしくお願いいたします。
稲谷座長: 川野参事官、大変詳細なご説明をありがとうございました。
それでは、これからおおむね11時頃まで意見交換の時間とさせていただければと思います。構成員の皆様方におかれましては、ただいまのご説明についてご意見、ご質問等がございましたら、お手元の挙手ボタンにてお知らせいただければと存じます。いかがでしょうか。
それでは、早速お手が挙がっておりますので、増島構成員、よろしくお願いいたします。
増島構成員: ありがとうございました。
非常に草の根の活動も含めてしっかりやっていただいておりまして、浸透の度合いというのが少しずつですが伝わってくるなと思いました。これを広げていくに当たって、一つは今日拝見したデジタル行財政会議のところで、割と国が主導してもっとやっていくのだとか、広域でもっと市町村などの単位ではなくてやっていくのだみたいな、上からの改革と申しましょうか、そういう流れも一方であるように見えているのですが、これが今、どんな議論になっているかというのをもしご存じだったら教えていただきたいというのが一点でございます。
2点目は、今、やっていただいている下からの改革みたいな、布教みたいなものをさらに加速させる、もしくは他のところに伝播をさせる施策としてもう少し何か考えられるものがあるかどうかという辺りをお聞かせいただければと思いました。
以上です。
稲谷座長: ありがとうございました。
今、ご質問いただきましたが、お二人お手が挙がっておりますので、一通りご質問、ご意見をいただきましてから事務局からお答えいただければと存じます。
それでは、私の確認しているところですと、若生構成員、それから小川構成員の順番にご発言をお願いいたします。
若生構成員: 若生と申します。よろしくお願いします。
私は意見をお示ししたいと思います。自治体アナログ規制の見直しというのを今回かなり中心に挙げられていたと思いますけれども、やはり自治体の行政改革の新たな視点としてしっかり取り組んでいく必要があるということだと思います。面倒くさいというものをどうやって楽にしていくかということが非常に重要かなと思いますので、このアナログ規制の見直しもその文脈に乗せて情報提供していく必要があるかなと思っています。
他方、2020年末から自治体DXとずっと言われているわけですけれども、一部の自治体ではDX疲れみたいな、やってもなかなか楽にならないみたいな感覚もあるので、この辺りをこのアナログ規制の見直しで、やはり楽になっていくのだよと、まず職員の負担を楽にして、市民や事業者もより良い形になるということが理想かなと思っています。
その文脈で言いますと、デジタル庁さんがやっている個別支援というのは非常に有効かと思います。この手の改革業務というのは一時的には負担が上がってしまい、その負担が乗り越えられずに挫折してしまうということが多いので、私はこれをお助け隊と呼んでいますけれども、誰か別の人がサポートするみたいな仕組みといったものをちゃんと入れていくことが必要だろうということで、これもぜひ推進していただければなと思っています。
あと、自治体の皆さんと議論しているとよく聞くのは、アナログ規制の見直しとしてアナログ規制の洗い出しをしたのだけれども、さてそこからどうしようかというところで止まってしまっているところも非常に多いと聞いています。実際例規を変えてリアルの業務プロセスまで変えるところまで行き着かないと、これは市民や事業者には効果が帰着しないわけです。実際、例えば産後ケア事業などのオンライン申請ですと、私は南相馬市でCIO補佐官をやっていますけれども、ここでも実は実施しています。アナログ規制の文脈ではないですけれども、介護認定審査のウェブ開催というのも多くの自治体で実は実施されているものです。ですので、アナログ規制の見直しと銘打たなくても改革している事例というのは結構ありますので、こういった改革事例の提供だったり、見直しのポイントを多く提供していくということが非常に重要かなと思っています。
あとは、マニュアル第3.0版と用例集をしっかり拝見させていただきましたけれども、現時点でできる内容としては非常に良い出来になっていると思いますので、本当に自治体の参考になると思います。
その他、これはなかなか難しいかもしれませんがお願いしたいのは、参照すべき国の通知というのはかなり多いということで、それを探し出すだけでも大変なので、何らか参照できるような仕掛けというのが欲しいですし、各規制所管府省から情報をしっかり流していく、既存のルートに乗せて流していくという方法は有効かなと思います。
あと、最後に技術実証の話がありましたけれども、技術に対する情報提供というのも重要で、自治体だったりの部分で言うと、少しデジタル系のソリューションが違う部分もあるので、実際自治体にフィットするようなソリューションがあるかどうかということも併せて視点としてお持ちいただければなと思います。
私からは以上です。
稲谷座長: 若生構成員、ありがとうございました。自治体の実情に即したコメントをありがとうございました。
それでは、小川構成員、よろしくお願いいたします。
小川構成員: 小川でございます。よろしくお願いいたします。
最初のご紹介の中でお話しいただいたRegTechとは、レギュレーションテクノロジーの略語です。もう一つ、SupTech、スーパーバイザリーテクノロジーというものもありますが、こちらは監督機関側の監視機能に最先端技術を使うというものです。社会的コストを下げるだけではなくて、そこから多くの便益を得ていくといった点で、各国が非常に注力し、検討を進めている分野です。
先ほど詳細なお話がありましたが、個人的には、日本でも、想定以上に非常に早く、テクノロジーの社会実装が進んでいるなという印象を受けております。その中で、実際に便益は一体何かといったところもいろいろな事例の中で見極めて、それを共有していくことは極めて重要だと思っています。人件費などのコスト削減、安全性、正確性、それから先ほどお話がありましたが自治体サービスの向上、ひいてはデータの相互互換性といった点等があげられると思います。
なので、なるべくいろいろな事例を展開することでより理解を深めていくことが重要と考えます。これは一朝一夕にはいかないと思いますが、先ほど委員からも、既に現場で動き始めていることも多くあるとのことですので、さらに幅広く、社会実装に向けた取り組みを加速していく必要があると考えます。中央から自治体、さらにその現場の調達主体まで、しっかり浸透させていくことが、ポイントになってくると思います。そうした過程で、既存の調達プロセスも改革していく必要もありうる。当然想定される既得権の問題など、様々な課題があると思っています。なので、情報発信とともにそうした改革も併せて進めていきながら、社会実装を促進していくことが必要となると考えます。
以上です。ありがとうございました。
稲谷座長: ありがとうございます。
施策を進めていく上で必要となるコスト低減のために様々な観点から有益なコメントをいただいたかと存じます。
それでは、事務局から、増島構成員からいただきましたご質問、それから、若生構成員、小川構成員からいただきましたコメントについて何かございましたら、よろしくお願いいたします。
川野参事官: ありがとうございます。順次お答えしていきたいと思います。
まず増島構成員からのご質問は、デジタル行財政会議での上からの改革と下からの普及施策ということで、デジタル行財政改革会議も正直に申しますと、私どもの部会以外のいろいろな機能がある意味統合している機能ということでございまして、例えばデータ戦略をどうしていくかとか、あるいは国と地方の共通システムをどうつくっていくかといった多様な議論をしているということでございますので、私どものアナログ規制の話だけをずっと入れるというわけにはなかなかいかないという状況でございます。
ですので、今回、2月はちょうど八潮の事例もあったので、規制改革の効果をしっかり現場に入れていくようにという形で総理から指示を出していただいたということでございますけれども、我々としてはそれを受けて、今後、先ほど申し上げた各省庁にしっかり働きかけをしていきたいと思っているということでございます。
下からの普及施策というところは、若生先生からのコメントにも関係していますけれども、自治体のDX疲れみたいな話がありましたけれども、結構やれば良いことが起きているにもかかわらず、技術論で語っていると首長さんや議会というところに響かないのではないかなという信念に近いものを私は持っておりまして、なので、先ほど申しましたようなナラティブも含めて、市民とか、そういうところに効果が及ぶのですよというところをしっかりと地道に発信していきたいと思います。
今日は実は非常に分かりやすい4事例だけをご紹介させていただきましたけれども、好事例集というのもさっきの見直しの用例集とは別に作っていまして、自治体の職員の方にはそれも配っているということでございまして、様々な駐輪場の掲示をどうするというものもお示しして、とにかくこれはやっていくべきなのだ、やると良いことがあるのだというポジティブな情報をあの手この手で世の中に浸透させたいと思っております。メディアにもとにかく出て、やったら良い、やらないと良くないという雰囲気をつくっていきたいと思っているということでございます。
若生様の最初の点はまさにそういったところを効果として上げていくのかなと思っております。あと、実は私も公共団体の方から、規制の見直しと実装まで全部一気通貫でやらないと意味がないのではないかという庁内からの意見もあるのだけれどもという話もございました。他方で私から申し上げたのは、例えばさっき言った点検を外部の民間企業に委託している場合は、条例を見直すだけで、その点検の委託を受けている事業者が自分で技術を見つけてきて安くやってくれるということになりますので、それは決してその自治体の業務プロセスなどもそんなに変える必要があるという話ではないということなので、自治体のDXというとどうしても自治体の業務の話ばかり皆さん考えがちなのですけれども、もちろん先ほど言ったオンラインの申請を受け付けるとなるとそのオンラインのシステムをつくらなくてはいけないのですけれども、そうではなくて、規制というのはどちらかというと民間企業の行動をある意味規制しているということでございますので、規制を見直してリリースするだけでかなり楽になりますよというところをご理解いただいて、それは結構その市役所の方はそういうことですねという形で合点がいっていたと思っております。自治体の業務のプロセスまで見直すとなると、若生様のおっしゃるとおりかなり思い切ったことをやらなくてはいけないというものがあるわけなのですけれども、そこと民間の話は少し切り分けて考えていただけたらなと思っております。
ただ、僕は正直に言うと、まず規制だけ見直しておくというのも手ではないかなと思います。一気に規制を全部直しておいて、その上で機運が高まったり、予算を取れるような財源が見つかったりといったタイミングで実際の自治体のプロセス改革というのをしていくというのも一つの手ではないかなと思ってございます。
あとは、情報を国の普段のルートから流すというところはしっかりやっていきたいと思っております。
また、技術に関しては、おっしゃるとおり自治体の現場に資する技術、ここはまさに民間業者の腕の見せどころだと思いますけれども、そういったものもしっかりと意を配っていきたいと思っております。
小川様からは、いろいろな形で想像以上に早く日本で進んでいるのではないかというお話がございました。デジタル庁の幹部が国際会議などに行って海外のカウンターパートと話していると、実は結構この話題は受けるし、すごいと褒められると伺っております。ですので、実は規制を一斉にブルドーザーのように直すという取組自体は非常に画期的な取組ではないかなと思っております。
先ほども申しましたが、確かに人件費の面や安全性、正確性といったものも含めていろいろな事業を展開していくということで、我々とすると、とにかく先ほどと同じような話になるのですけれども、実は古い規制は、そのときは悪気なくつくっていたものが現在も悪気なくいろいろな活動を拘束しているということになっていますので、そこを見直すことで様々なビジネスチャンスを考える企業などがいらっしゃいますし、場合によっては職員がこれだったらこういうことをやればいいのではないかと気づくことがあるということもございますので、とにかくそこはしっかり進めていただくことが大事かなと思っております。
それから、最後に少し小川様から、一部既得権もあるかもしれないけれどもというお話がありました。そういう面も一切ないと断言は私もできませんけれども、正直に申しまして、メディアなどと話していても、この取組に関してはやらなくてはいけないよね、あとはもういつやるかだよねというところは、メディアの方も地方公共団体の方も結構皆さん一致していて、あとはまさにやらなくてはいけない壁を乗り越えられるかどうかというところを我々はお手伝いしているわけですけれども、そういう雰囲気ですので、何か全体として抵抗勢力みたいなものがあってやりにくいという感覚は、少なくとも今のところはあまり受けていないというところではございます。
ただ、複数の自治体の標準化などになりますと、デジタル庁自体が進めている国の基礎的な事務の標準化との関係もあるのですけれども、これは皆さんを合わせなくてはいけないという作業が出てくるので、調整に非常に時間がかかるという実態はあるところでございます。
全てお答えしきれているかどうかですけれども、まずお答えとさせていただきます。よろしくお願いします。
稲谷座長: ありがとうございました。
それでは、落合構成員、よろしくお願いいたします。
落合構成員: どうもありがとうございます。非常に自治体も含めて進めていただいているという状況が分かりまして、非常に良かったかと思っております。
例えばキャッシュレスなどの際にも経験したことがございますが、どうしても地道な取組がないと、日本は自治体の数自体もかなり多く、諸外国と比べてもそこはかなり大変な側面があると思っていますので、そうすると、どうしても実装に至るに当たってはかなり現場感のある作業が必要になってきます。こういったところは非常に実践していただいている中で改めて感じたところでもございました。
そういった中で、今回、また今後の取組につながるような可能性があるところとしてお伺いしてみたい点としては、先ほど小川委員がおっしゃられていた中で言いますと、調達といった部分も大事ではないかということは、自治体にはテクノロジーを使うときに民間の事業者のサービスを採択する側面もあると思いますので、いわゆる調達改革のような形でどこまで議論を進めるのかというのも、ある種この検討会に限らない、デジタル庁ができたときからの一つの重要な課題かと思います。そこまで深く議論しない場合であっても、実際には、今の制度でこういうことも本当は工夫としてできる、という点もうまく地方まで伝わっていないこともあるとは思います。この規制の見直しという場面ではありますけれども、ある種そういった規制の見直しに必要な業務プロセスの中で課題があるところがあれば、そこも含めて合理的な手法をうまく共有して前に進められるようにしていくことが、最終的に規制を見直した結果デジタル技術が実装される結果につながるために必要な作業ではないかとも思いました。ここまでできているテクノロジーマップ、カタログや、RegTechのコミュニティーなど、性能規定だけではなく、それをフォローアップするための取組としては非常に一まとまりになっています。これと取組があった分野以外とを比べると非常に進んでいる、一括的な整理がされているかなと思います。そういった中ですので、さらに具体的なプロセスにおけるサポートも、強化していっていただけるといいのではないかというのが一つです。
もう一つは、こういった実装を進めていく中で、増島先生からデジタル行財政のほうで上からという話があって、私も稲谷座長も関わっておりますが、データの話もしているところがあると思っております。今後、恐らくオープンデータにつなげていくところもあるかと思いますし、実際には業務を楽にすることがいわゆる業務の省人化や、場合によっては無人化、デジタルを使ったワンスオンリーにつなげていくところとして存在すると思います。規制改革をすればすぐにできるというよりは、業務プロセスをしっかり組んでいったり、データを利用できるようにしていく環境をきっちり整備していくことが重要だと思います。そういったデータ整備につながるような取組、というのもご支援していただくと、最終的に本日も議論になっていた、楽になるための仕組みが実装できるのではないかとも思いましたので、そういったところもまた今後、いろいろご指導される中で念頭に置いていただけるといいのではないかと思いましたが、いかがでしょうか。
2つほど申し上げさせていただきました。以上です。
稲谷座長: 落合構成員、ありがとうございました。
ただいま落合構成員からご発言のありました点につきまして、事務局からお答えをお願いいたします。
川野参事官: まず、1点目の業務プロセスの見直し、特に調達という点でございますと、私どもの担当ではないですけれども、実はデジタル庁の中でデジタルマーケットプレイスという取組を進めております。これは何かと申しますと、これまで各自治体はデジタルのソリューションなどを調べるときに、個別の自治体ごとにベンダーに話を聞いていると。ベンダーやソリューションの提供事業者も、要は一つ一つの自治体に全て説明・営業に行かなくてはいけないということになっておりました。これを共通化するプラットフォームをデジタル庁で準備しまして、ある意味ソリューションをお持ちの事業者はデジタルマーケットプレイス(DMP)に製品を登録いただく。そうすると、あらゆるいろいろな機能を持ったデジタル製品、ソリューションを、全ての国の機関や地方公共団体の方が一元的に見ることができるという形で、調達に係る全自治体が全ベンダーにメッシュで問合せをするということを一本化するという仕組みなども導入しているということでございますので、また機会があればご紹介をさしあげたいと思っております。
また、2点目のデータの活用等につなげていくための規制とは違ったところの取組というのは、まさにここの先生の一部にもデータ戦略のところでいろいろとご指導いただいているところでございますけれども、しっかりと基礎となるベース・レジストリを作っていくとか、また、そのデータを活用する上での様々な法的な問題があるプロセスの見直しといったところは、まさにデジタル行財政会議でも議論しているというところでございますので、我々がこの検討会でやっている規制の見直しと、実際にそれが見直されて規制の制約から放たれたところでどういったデータを使っていくかというちょっと別のところで議論している内容を合わせていって、全体として業務が楽になるような形で、特に地方公共団体というところで実現につなげていきたいと思っております。
よろしいでしょうか。
落合構成員: どうもありがとうございます。
それぞれ取組があることを改めてご紹介していただきまして、ぜひDMPとの連携を強化していただきたいなと思いました。オフィシャルな形で連携していっていただくということも、視野に入れていただければと思いました。また、業務プロセスや、いろいろな取組が分断していることが、実際にはDXにおいて便益を得られない最大の原因になっている可能性があると個人的には思っています。この施策自体は、極めて重要なパーツですが、ほかにいろいろ関わっていることが多いので、ぜひほかの取組と連結して、一括したある種のデジタル庁のサービスになるように育てていただければと思いました。
以上です。
稲谷座長: ありがとうございました。
まだまだご意見等はあると思いますが、時間の制約もございますので、ほかのご意見につきましては、後ほど事務局までお寄せいただければと思います。
それでは、特段ご意見がこれ以上ないようでございましたら、議事については一旦以上とさせていただきます。
本日、事務局からご報告がありましたとおり、デジタル臨調以来、本検討会でこれまで進めてきた取組が着実に進展し成果を上げつつあるとのこと、構成員の皆様のこれまでのご貢献に感謝をするとともに、デジタル庁、関係省庁の努力を評価したいと思います。
また、その上で新たに取組を進めている自治体への支援につきましても、努力している団体を後押しするとともに、社会的な機運醸成にも取り組むという国の省庁に対するものとはまた少し違ったアプローチの取組がしっかりと実を結びつつあるという点につきましても大変心強く感じました。
また、最後に事務局から問題提起のございました、制度の見直しを技術実装につなげ、技術進展状況等に基づきさらなる制度の見直しにつなげていくという好循環の点につきましては、この取組を開始してきた当初から目指してきた姿だと考えてございます。その最初の歯車が大きく動き出しつつあり、それをさらに加速していくことが必要だと思います。本日の議論の中で、構成員の皆様からは今後の取組に当たって参考となる大変有意義なご意見をたくさんいただきました。事務局におかれましては、本日の議論を参考にしていただき、ぜひさらなる取組を進めていただければと思います。
最後に、冨安統括官から一言ご挨拶をいただけるとのことですので、冨安統括官、どうぞよろしくお願いいたします。
冨安統括官: 本日も活発なご議論をいただきましてありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
もうこの取組は、構成員の皆様方はよくご案内ですけれども、人口減少していく中で業務のサービスを維持していく、あるいは質を維持していくという観点で、デジタルを活用しなければどうしようもないだろうということで、アナログ規制の見直しをしっかりやっていくということでございます。それがひいては民間のビジネスチャンスにつながっていくということで、その両方を目指しているという取組でございます。
地方公共団体につきましては、1,700ございますそれぞれの事情に応じまして段階も違いますので、まず意欲のあるところにつきましてしっかりと我々も入っていって成功事例をつくりまして、それを実際に横展開していくということができたらなと思っております。
また、各省につきまして、これまた見直しにつきましては本当に各省に協力いただきまして、8項目につきまして、見直すべきとされた部分の97%まで見直した状況となっておりますけれども、この会議でも前々からどうやってそれを実際の投資に結びつけるのかというのがテーマになっていたと思っております。実際に今日ご紹介いたしました固定資産税課のように具体的に分かりやすい通達を出すことによりまして、自治体の担当者も、あるいは事業者も非常にその後進めやすくなるということもございました。
そういった形で、ここは我々もさすがにリソースに限りがございますので、本当は全部やれればいいのですけれどもなかなか難しいので、そこは各省が本気になってもらう必要があるだろうと思っております。もちろん投資するかどうかというのは事業者の判断だったり自治体の判断だったりしますけれども、まず気づきの機会が必要になりますので、そこにつきましては、5月に私どもの各省官房長を集める会議がございますので、これはデジタル部局というよりはそれぞれの組織を統括する代表者がしっかりとこういう問題意識を持っていただくことが大事だと思っておりますので、しっかりと発信して依頼していきたいと思っております。
最後に落合先生から調達の話がございましたが、SARSにつきましてはDMPに登録して頂くということで我々はつくっておりますけれども、さらに、デジタル行財政改革会議事務局においても一緒になりまして、都道府県単位で共同調達を推進していこうという取組も始めております。これはダッシュボード化して進んでいる・進んでいないというのを見える化していきます。あらゆる取組で自治体を支援していきたいと思っております。
また、そういう意味では、先ほど気づきの機会と申し上げましたけれども、ぜひ構成員の皆様方もいろいろとご発信する機会、いろいろな方と接する機会があると思いますので、そこでのご発信につきましてもご協力いただけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。
稲谷座長: 冨安統括官、一層の進展に向けた力強いお言葉をありがとうございました。我々としてもぜひこの取組の一層の進展に向けて様々な形で発信等を続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、事務局からご連絡の事項がありましたら、よろしくお願いいたします。
事務局: それでは、最後に議事録の取扱い等についてご説明いたします。本日の議事につきましては、後ほど議事録を作成し、皆様にご確認をいただいた上で公開することといたします。
また、資料につきましては、本日の議題に関する公表状況を踏まえつつ、デジタル関係制度改革検討会のホームページに公開することといたします。
説明は以上でございます。
本日はご参加いただき、ありがとうございました。
稲谷座長: それでは、以上をもちまして、第8回デジタル関係制度改革検討会を終了させていただきたいと思います。
本日もどうもありがとうございました。