本文へ移動

EBPM推進委員会(第2回)

概要

  • 日時:令和4年6月17日(金)14時00分から15時00分まで

  • 場所:オンライン開催

  • 議事次第:

  1. 開会
  2. 会長挨拶
  3. アジャイル型政策形成・評価の在り方に関するワーキンググループ提言について
  4. EBPM推進に係る総務省行政評価局の取組について
  5. EBPM推進に係るデジタル庁の取組について
  6. EBPM推進に係る経済・財政一体改革推進委員会の取組について
  7. 「統計等データの提供等の判断のためのガイドライン」に基づく取組について
  8. 今後のEBPM推進の進め方等について
  9. 意見交換
  10. 閉会

資料

参考資料

関連政策

デジタル社会の実現に向けた重点計画

議事要旨

日時

令和4年6月17日(金)14時から15時まで

場所

オンライン開催

出席者

有識者

  • 伊藤由希子(津田塾大学総合政策学部教授)

  • 大橋弘(東京大学副学長・公共政策大学院教授)

  • 川口大司(東京大学公共政策大学院教授)

  • 小林庸平(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社政策研究事業本部経済政策部主任研究員)

構成員

  • EBPM推進委員会構成員

議事

  1. 会長挨拶

  2. アジャイル型政策形成・評価の在り方に関するワーキンググループ提言について

  3. EBPM推進に係る総務省行政評価局の取組について

  4. EBPM推進に係るデジタル庁の取組について

  5. EBPM推進に係る経済・財政一体改革推進委員会の取組について

  6. 「統計等データの提供等の判断のためのガイドライン」に基づく取組について

  7. 今後のEBPM推進の進め方等について

  8. 意見交換

  9. 閉会

議事の経過

1. 会長挨拶

会長である藤井内閣官房副長官補から挨拶(事務局による代読)があった。要旨は以下のとおり。

  • 先般、骨太の方針が決定され、現在、各府省庁において、令和5年度予算の概算要求などに向けて、政策の具体化の検討を深めている段階と承知している。

  • 後ほど行革事務局より報告があるが、アジャイルワーキンググループの提言を受け、骨太の方針において、予算編成プロセスなどでEBPMに基づく意思決定を推進するなど、より機動的で柔軟な政策形成・評価を可能とする取組を進めることが決定された。

  • 今後、各府省庁において、政策形成・評価を進めていくに当たり、重要だと思うことを3点申し上げる。

  • 1点目は、財政支出を伴う事務事業で、成果目標を定量的に立て、執行段階から成果を検証し、効果の低いものは見直していく当たり前のプロセスをしっかり行うことが重要。骨太の方針において、EBPMの手法の実践に向け、行政事業レビューシートを順次見直し、予算編成プロセスでのプラットフォームとしての活用等を進めることとされたことは、大きな前進であり、着実に進めていくべきと考えている。

  • 2点目は、形式的な作業の廃止である。日々、原局原課の職員は多忙であり、今後、政策立案・実施に投入するリソースの確保に向けて評価関連作業は合理化することとされているが、形式的な作業を廃止し、ゆめゆめEBPMを実践しようとして余計な作業を増やすことのないように徹底いただくようお願いしたい。

  • 3点目は、各府省庁の原局原課に対する支援である。今回、行革事務局は各府省庁に対する支援に重点をシフトしている。各府省庁は、原局原課の職員が実質的な政策立案に注力できるよう、行革事務局等制度官庁の支援メニューを積極的に活用していただきたい。

  • 一府省庁のみでは解決困難な課題が出てくると思うが、行革事務局に遠慮なく相談いただき、当委員会を含め、様々な場も活用しつつ、関係者で協働して解決を図ることとしたいと考えている。霞が関において、より機動的で柔軟な政策形成・評価が自然に行われるよう、皆さんの御尽力をお願いする。

  • 最後に、有識者の皆様方におかれては、ぜひ忌憚のないご意見をお願いしたい。

2. アジャイル型政策形成・評価の在り方に関するワーキンググループ提言について

行政改革推進本部事務局から、アジャイル型政策形成・評価の在り方に関するワーキンググループ提言について説明が行われた。(資料1-1から1-4)

3. EBPM推進に係る総務省行政評価局の取組について

総務省行政評価局から、EBPM推進に係る総務省行政評価局の取組について説明が行われた。(資料2-1から3)

4. EBPM推進に係るデジタル庁の取組について

デジタル庁から、EBPM推進に係るデジタル庁の取組について説明が行われた。(資料4)

5. EBPM推進に係る経済・財政一体改革推進委員会の取組について

内閣府政策統括官(経済社会システム担当)から、EBPM推進に係る経済・財政一体改革推進委員会の取組について説明が行われた。(資料5)

6. 「統計等データの提供等の判断のためのガイドライン」に基づく取組について

行政改革推進本部事務局から、EBPM推進委員会で受け付けた統計等データの提供等に関するユーザーからの要望・提案への検討結果について報告が行われた。(資料6-1、6-2)

7. 今後のEBPM推進の進め方等について

行政改革推進本部事務局から、今後のEBPM推進の進め方等について説明が行われた。(資料7)

8. 意見交換

内閣府、総務省、財務省、経済産業省(参考資料2)から、今後のEBPM推進の進め方等について、発言があった。
その後、有識者からEBPMの推進について発言があった。要旨は以下のとおり。

伊藤有識者

  • 1点質問と、3点コメントを申し上げたい。

  • まず、総務省行政評価局の実証的共同研究とEBPM補佐官の関係について、現場の行政官の方が、外部有識者に相談したいと思った際にどうすればいいのかという観点から質問したい。行革事務局のスモールスタートの制度としてEBPM補佐官という仕組みを導入し、それがもう少し実証的共同研究のような形でスケールアップをできそうであれば、行政評価局がサポートをするという理解でいいか。

  • これに関してのコメントだが、まず1点目、評価の目的としての中立性が大事だと思っている。つまり、効果がありそうだからとか、評価ができそうだからとか、できる範囲や良い結果が出せそうな範囲で評価を終わらせてしまうのではなく、仮に効果が出なかったとしてもこういうことをやりたいというものを推進するような、要するに、良い結果を出すことが前提だというプレッシャーを与えないことが大事だと思う。

  • 2点目、研究者にとって、無償でもできるワンポイントアドバイスと、人とお金を整えて行う共同研究との間の中間のゾーンは、とても大きい。ワンポイントアドバイスにとどまらないことを何回かやろうと思うと、データもきちんと見たいといった、1人ではできないことも出てくる。例えば、大学院生のスタッフが入ってくれるような、1人で請け負いきらなくてもいい形ができると良いと思った。

  • 3点目、こういった評価の発表の場が意外に無いと思っており、研究所を持っている府省庁ならともかく、他の府省庁だと、検証の結果は出したが、審議会の一スライドにとどまってしまうともったいないので、できればそういったレポートなどを随時公表する場も必要ではないか。「EBPM」の「PM」というのは、Policy Makingであって、Policy Evaluationではないので、評価したものを公開して、それをPolicy Makingにつなげるようなものとするために、引用箇所がはっきりする発表の場も用意いただきたい。

  • 1点目の質問に対し、行政改革推進本部事務局から以下のとおり回答があった。

    • 今の時点でこうでなくてはいけないと決めているわけではないが、例えば、資料7の伴走型支援ネットワークの図にあるように、まずは、行革事務局がハブとなって受付をして、その案件の中身あるいは成熟度などに応じて、総務省行政評価局の実証的共同研究に協力いただくという流れになることが一般的になるかと思っている。

川口有識者

  • 資料6-2の4ページ目、No.4について、必要なデータを全部リストにすることは非常につらいという指摘だと思う。それは、このガイドラインがそのような形になっているということで、やむを得ない部分もあると思うが、そのルールに関して見直していくような検討をしてほしい。その上で、これからオンサイト利用で政府の統計のミクロデータについては提供していくということだと理解しているが、そうすると、ここに入っているデータが少ないとか、年次が少ないとか、様々な課題が浮き彫りになってくると思うので、そういった点について、スピードを上げて整備をしてほしい。また、オンサイト利用だと、実際にそのオンサイトと呼ばれる場所に行かないと政府統計が使えないという制約がある。今回のコロナ禍のような状況も踏まえ、研究室や各行政機関、あるいは自宅などの様々な場所からリモートアクセスができるような環境についても、検討いただいていると聞いているが、スピードを上げて早期に実現できるように取り組んでいただきたい。

  • 今回、EBPMのための多くの支援策の提案が入っているが、現状では民間の事業者がこのようなコンサルティング事業を行っている側面もあるため、民業圧迫にならない形でこのような支援事業を行っていただく必要があると考えている。なぜ税金を投入してこのような支援事業を行うのか、民営事業との切り分けはどのようになっているのか、整理いただいているとは思うが、民業圧迫にはならないよう配慮いただきながら話を進めていただきたい。

小林有識者

  • 今回、説明いただいた多様な支援のメニューは、非常に重要だが、どれを使ったらいいか分からないということが起きる可能性があると思うので、そこはぜひ行革事務局が司令塔になっていただきたい。最近、イギリスの会計検査院(NAO)にヒアリングをしたが、イギリスでも様々な取組が行われる中で、どこに相談に行けばいいか分からないという状態になっており、せっかく作るのであれば、そこが分かりやすくなると良いと思う。

  • ガイドブックとも関係するが、行政実務のどの部分で困ったらどこに相談に行けばよいかが分ると、行政官の実務が変わるので、そこが示せると良いと思う。

  • 今回は、EBPMを供給側で支援するような提言が多いと思うが、供給側とセットで需要を高めていくことも大事だと思う。EBPMをやりたくなる、やらなければならなくなるという仕組みが、今日伺った話の中では少し弱いので、レビューシートの中でどういうことが求められるのかを示すといったこととも関連すると思うが、ぜひ検討いただきたい。

  • EBPMへの需要が高いにもかかわらず供給力が弱いのは自治体ではないかと思っている。せっかく国が色々な支援のメニューを作るのであれば、自治体の人たちでも使えるようなメニューを作れると良いと思う。

  • 行政の中で専門業務を担う人材を育てていくことも同時に大事だと思う。EBPMだけではなく、デジタルやデザイン、法律など様々な専門職が行政の中で育っていくようなキャリアラダーを作れると良いと思う。

大橋有識者

  • 冒頭で説明いただいたアジャイル型の政策形成について、このテーマは、高度にデジタル化された政策分野に限定された話というよりは、国内外の情勢が非常に不透明さを増す中で、社会や国民が求めるニーズに合った政策を遅滞なく提供するためにどうしたらいいのかという問題意識を出発点にした提言であり、全ての政策分野に当てはまる内容なのだということは、改めて強調させていただきたい。こうした、会計年度に縛られない政策立案と評価の姿を実地にどう埋め込んでいくのかということは、今後、考えていかなければいけない点だと思う。

  • 政策設計ラボでどのようなものを扱っていくのかということは、まだ今後の話かと思うが、一つの考え方として、非常に新しい取組をここでやってみることもあり得べきかと思う。1つ、場合によっては2つ以上のタスクフォースを作りながら、行革事務局の職員だけではなく、担当府省庁のEBPM推進部局の職員や有識者が、フラットに参加しながら、ある程度のインパクトを持つ政策を、データアナリストやデザイン思考、ナッジなどの最新の知見を取り入れ、内閣官房が行うに足るインパクトと、高度な調整・判断を要するラボにしていくことは、重要な視点の一つ。

  • こうした取組をオープンに発信して世論を喚起していくために、国民とのコミュニケーションをしっかり行っていくことも重要。

以上