本文へ移動

内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室コンプライアンス委員会(第1回)

デジタル庁は、我が国経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現を目的とするデジタル社会の形成の司令塔となります。デジタル庁に対する国民の期待は非常に大きく、デジタル庁は極めて重い職責を負っています。

デジタル庁がその職責を全うし、国民の期待に応えていくためには、デジタル庁で働く全ての者が、その有する専門的な知識又は技能を存分に発揮しながら、創造的かつ自律的に行動していくことが求められます。他方で、デジタル庁において、職務に関連して違法又は不適切な事務処理が行われるなど、国民の期待を裏切ったり、国民の疑念を招いたりすることは、絶対にあってはなりません。

そこで、デジタル庁におけるコンプライアンスに関し、外部の弁護士、公認会計士等から必要な意見、助言等を得るため、令和3年8月27日、コンプライアンス委員会が設置され、会議が開かれました。(なお、8月はデジタル庁発足前であることから、会議の名称は「内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室コンプライアンス委員会」ですが、9月1日以降は、そのままの構成で「デジタル庁コンプライアンス委員会」となる予定です。)

同日行われたリモート方式での会議では、8月20日に公表された統合型入国者健康情報等管理システム(いわゆるオリパラシステム)の調達に係る調査結果や、8月25日に開催された入札制限等の在り方に関する検討会の取りまとめの内容が報告され、それらを踏まえたデジタル庁独自の調達ルールや倫理規範の策定、規範意識の向上を図る取組、内部通報窓口の設置その他について、活発な議論や意見交換が行われたほか、「デジタル庁コンプライアンス基本方針(案)」等が了承されました。

議論等の結果については、デジタル庁における各種規範やルール等の策定にしっかりと反映させてまいります。

概要

  • 日時:令和3年8月27日(金)14時15分から15時10分まで

  • 場所:オンライン会議にて実施

委員会構成員

(委員は五十音順、敬称略)

構成員

  • 名取 俊也(ITN法律事務所 弁護士 パートナー):委員長

  • 遠藤 紘一(元・政府CIO)

  • 梶川 融(太陽有限責任監査法人 代表社員 会長)

  • 國領 二郎(慶応義塾大学総合政策学部 教授)

  • 芝 昭彦(芝・田中経営法律事務所 弁護士)

  • 藤森 恵子(ASIMOV ROBOTICS株式会社 代表取締役/公認会計士)

資料

  1. 資料1 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室 コンプライアンス委員会資料(PDF/2304KB)

  2. 資料2 デジタル庁コンプライアンス委員会設置要綱(案)(PDF/112KB)

  3. 資料3 デジタル庁コンプライアンス基本方針(PDF/105KB)

  4. 議事要旨(PDF/706KB)

関連政策

議事要旨

議事次第

  • デジタル庁コンプライアンス委員会設置要綱(案)について

  • デジタル庁コンプライアンス基本方針(案)について

  • 内部通報窓口の設置について

  • 入札制限に係る取組について

議事概要

各議事について、事務局から内容の説明がされた後、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。

デジタル庁コンプライアンス委員会設置要綱(案)について

  • 監察部門と調達審査部門の体制・役割をしっかり整えておくことが必要。

  • 設置目的の中に自律性が入っていることが重要。具体的には、グレーゾーンの事案を監察部門に自己申告してコンサルティングを受けるなど、透明性を自ら確保するという意識を持たせ、併せて自主的に申告できる体制を作っておくことで、仕組みの現実性を高めることができる。

  • 調達審査部門は非常に重要であり、他省庁における契約監視委員会の取組等も参考にしつつ、しっかり運用していくことが大切。

  • 調達審査部門で全部を審査することは難しいため、予算要求をするまでの間に担当においても自分なりの審査をしていかないといけない。審査基準を標準化(ルール化)することが必要。

デジタル庁コンプライアンス基本方針(案)について

(名取委員長から「統合型入国者健康情報等管理システム」の調達に係る調査結果について報告され、事務局から同報告中の7つの提言へのデジタル庁としての対応方針について説明があった後)

  • 私用のパソコンが無秩序に業務に使われることをどう防ぐか、引き続き議論・検討が必要。

  • 行動指針の内容や、誓約書を取ることについては良いが、内容が抽象的である。遵守すべき「関係する規範」とは何か。法令違反ではない不適切な行為もある。行動指針を具体化したハンドブックを作成・配布することが必要。

  • アジャイル、マイクロサービス等を活用した短サイクルでの発注が増えてくる中で、ベンダーとの密な関係、頻繁なコミュニケーションが生じる。透明性の確保を軸に、ルール に従うことで自由度が確保できる、自分の身を守ることができるという前向きなコンプライアンス体制を築くことが大切。

  • 創造的・自律的とは今までのものを変えるということ。コンプライアンスを確保しながら字義どおりにできるようにするためには、上司の管理の仕方が問われる。

  • モニタリングの仕組みが必要。規程が形骸化防止しないようにするための運用が重要。

  • 人は間違えるものという視点に立って、誤りが起きないような仕組みを考えるべき。シンクライアントを用いて全てのデータをクラウドに保存すればブラックボックスはなくなる。データが持ち出せない仕組みをあらかじめ作るなど、自動的にコンプライアンスが守られる仕組みの整備が必要。

内部通報窓口の設置について

  • 内部通報制度は非常に重要。外部への情報漏えいを内部通報で拾うために、いかに内部通報制度を機能させるか。助言を今後行っていきたい。

  • 内部通報制度を積極的に従業員に周知している企業は、問題の未然防止に効果を上げている。内部通報を密告のようにネガティブに捉えることは時代遅れであり、前向きかつ積極的に職員に周知してほしい。

  • 企業からの出向者については、出向元上司への報告義務があり、その場での情報流出は懸念される。通常の報告との区別は難しい。

入札制限に係る取組について

(梶川委員から「デジタル庁における入札制限等の在り方に関する検討会」における取りまとめ結果について報告)

以上