本文へ移動

デジタル臨時行政調査会作業部会(第18回)

概要

  • 日時:令和5年(2023年)2月22日(水)10時00分から12時00分まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. 「テクノロジーベースの規制改革」の当面の進め方について
      2. 「処分通知等のデジタル化に係る基本的な考え方(案)」の検討状況について
      3. 法人ベース・レジストリと制度的課題について
      4. 意見交換
    3. 閉会

資料

議事録等

日時

令和5年(2023年)2月22日(水)10時00分から12時00分まで

場所

オンライン開催

出席者

座長

  • 大串正樹(デジタル副大臣 )

構成員

  • 安念潤司(弁護士 中央大学大学院法務研究科 教授)
  • 稲谷龍彦 (京都大学大学院法学研究科 教授)
  • 岩村有広(日本経済団体連合会 常務理事)
  • 上野山勝也(株式会社PKSHA Technology 代表取締役)
  • 落合孝文(弁護士 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業)
  • 増島雅和(弁護士 森・濱田松本法律事務所)

議事録

事務局(松田): 第18回デジタル臨調作業部会を開会させていただきます。本日もよろしくお願いいたします。

今回も構成員の皆様にはオンラインでご参加いただいております。本日の構成員のご出席状況でありますけれども、菅原構成員におかれましては、所用によりご欠席と伺っております。
早速ではございますが、これより議事に入らせていただきたいと存じます。
以下の議事進行につきましては、安念副座長にお願いしたいと思います。安念副座長、お願いいたします。

安念副座長: おはようございます。それでは議事に入ります。
第18回作業部会の議事は次の3つです。

第1「『テクノロジーベースの規制改革』の当面の進め方について」、第2「『処分通知等のデジタル化に係る基本的な考え方(案)』の検討状況について」、第3「法人ベース・レジストリと制度的課題について」、以上の3件です。

それでは、まず、須賀参事官より「テクノロジーベースの規制改革」の当面の進め方についてご説明をお願いいたします。

事務局(須賀): おはようございます。須賀でございます。
早速ですけれども、ご説明させていただきます。作業部会の下にテクノロジーベースの規制改革推進委員会を設置しまして、現在までに4回の開催をしております。

これまでの議事ですけれども、第2回会合でテクノロジーマップにどういった情報を載せていくのがいいか、どういった対象領域で、どういったプロセスを踏んでいくのかということ等をご議論いただき、第3回会合ではテクノロジーマップに収載されていく情報のトラスト、情報の正確性の確認をどういった形で多重に確保していくかというご議論を集中的にしていただきました。そして直近、今月の第4回会合においては、主にこれから国会でご審議いただく一括法の中でテクノロジーマップを位置づけていくことのご報告、今年4月からデジタル臨調の予算事業で、横串で取りまとめをして、各省の技術検証を一括で進めていくことになりますので、その進め方についてご報告・ご相談をしたところです。

まず、一括法の中にテクノロジーマップを位置づけるという点については、テクノロジーマップ等を踏まえて規制所管省庁や地方公共団体によるデジタル技術の効果的な活用が進んでいくようにといった規定を措置する予定となっておりまして、具体的に法律で言及されるテクノロジーマップの外延をはっきりさせておく必要があるということで、委員会でご承認いただいたのが5ページになります。「アナログ規制の類型とその見直しに活用可能な技術の対応関係を整理し、可視化したもの」というようにテクノロジーマップを定義いたしまして、こちらを規制所管省庁や地方公共団体に参照していただく形で規制の見直しの後押しをしていくという位置づけにしております。このときの狭義のテクノロジーマップの構成要素ですが、まず縦軸には規制の類型、横軸にはその規制がどこまで機械で自動化することを許容しているのかでフェーズ1、2、3というふうに段階を分けまして、マップの中心には、次のフェーズへ移行するために使えると考えられるテクノロジーの代表的なものを置いています。さらに、このマップはあくまで参考情報にしていただくためのものであるという位置づけ、責任関係や制約を含めて幾つかディスクレーマーをつけておく必要があります。まずはこれが狭義のテクノロジーマップと位置づけたいと考えております。

他方、委員会でご議論いただいている広義の「テクノロジーマップ」には様々な要素がございます。6ページの一番左側に載せましたような静的な表に加えて、技術カタログという形で、例えばカメラやセンサー、ドローンに具体的にはどういった製品やサービスがあって、それぞれどういった性能が確認されているのかということも、技術保有者からいただく情報も含め登録をしていきます。さらには、技術を使う際に、例えばAIにはこういった限界がある、カメラであれば画角の限界があるといったことも含めて、まずお使いいただく前に参照していただくべき情報をガイドラインやガイドブックという形で紹介もしていきます。また、技術解説記事ということで、もしお時間のある方は前回のテクノロジー委員会で登構成員に提出していただいたサンプル記事が大変好評でしたのでそちらも見ていただければと思いますが、カタログに載っているようなテクノロジーを実際に試した結果や特徴を赤裸々に記載し、技術の理解を深めていただくための記事といったものも幾つかご用意していくことになりそうです。

さらに、マップとカタログなどの全体に対して利用規約、マニュアルもしっかり整備をしていく。重要なのは一番上の紫の欄なのですが、左側の狭義のテクノロジーマップ、法律に基づくものについてはデジタル庁がしっかり責任を持って策定・公表する必要があるわけですけれども、テクノロジーマップ全体のエコシステムに関しましては、技術保有企業や規制所管省庁、団体、個人からの情報提供を随時受け付けて豊かなものにしていきたいと考えているところでございます。

以上が一括法との関係でのお話でございました。これ以降が、技術検証の実施に向けての準備のご報告になります。

2つの観点がございまして、まず、規制所管省庁の側で技術検証に向けてどういった準備をしていただいているか、また、技術保有企業の側からどういったことをしていただいているかという順番にご報告します。

まず、規制所管省庁の側です。前回臨調でご報告したとおり、約1万条項の工程表を確定していただきましたが、その中で1,043条項が「技術検証が必要」とされています。規制所管省庁と個別に対話をしますと、工程表に沿って見直しをしていくが、そもそも適用可能な技術があるのかどうかが分からない、知見が足りないということも正直におっしゃっていただきます。この1,043の条項は、規制の類型に当てはめますと目視と定期検査が大半を占めますが、14省庁にまたがって広く対象がございます。

次に、企業の側からのアプローチでございます。テクノロジー委員会において、規制所管省庁が自らこういった技術を使えるようにするべきと思いつくことは稀であり、技術をお持ちの企業が、この技術を使えばこの規制は要らない、規制を変えればさらに技術の普及が進むといったニーズは一番分かっているはずなので、それを聞き出そうというご提案をいただきまして、RFIと呼ばれる技術提供のご依頼を公募の形で出させていただきました。期間としては1か月弱だったのですけれども、ありがたいことに72社から347にわたる情報提供をいただきまして、その技術の中身も非常にバラエティーに富んで、規制類型に分類してみても、規制所管省庁側が偏っていたのと比べますと様々な類型にまたがってご提案をいただいております。

13ページに代表的な例をお示ししておりますけれども、秘密計算のソリューションを使ってもらえればプライバシーの対応はさらにしっかりできる、ドローンも水中と空間を連続的に飛べるものを点検などに使える可能性がある、衛星のデータを使える等、非常に有意義な情報をたくさんいただいております。

以上を踏まえまして、次のページですが、現時点でいただいた350件近くの情報をマップに反映しただけで、この赤字部分が追加になってきそうだということが分かっておりまして、こういった規制所管省庁側と企業側の情報提供の循環をうまく回しながら、テクノロジーマップをどんどん更新していくという形で運用していけたらなと思っております。
こういった準備体操を経まして、次のページからは、技術検証事業がいよいよ4月から始まりますというご報告になります。

17ページが、現時点の技術検証案件の一覧表になっております。先行7項目は目視など非常に具体的な類型に落とし込んでいるのですが、これをもう一段抽象化いたしまして、左側には、一体どういった行為をそれぞれの規制が期待しているのか、例えば情報に基づいて安全性を診断してほしい、判断してほしいという規制の類型が非常に多いわけですけれども、それ以外にも情報を知らせてほしい、伝えてほしい、公開してほしい、情報を提出させたい、受理したいということが規制の類型として存在することが把握できています。安全性判断の中でも具体的に何の安全性を判断するのかということで、人や物の動きが危なくないか、破損、不備がないか、構造や設計に安全性が確保されているか等、見る対象の分類がまず大くくり化できます。さらに、それを確認するために、具体的には何を見るのか、目視なり点検なり確認をしていただく対象が区画や領域であったり、施設や設備であったり、それからデータであったりということで、これも類型化ができます。

そうしたときに、具体的に技術を検証すると言っているものでどういった類型がつくれそうなのかということを見てみますと、実はこの1,043条項が現時点では14の類型に大くくり化できております。

次のページからがこれを一つ一つご紹介させていただくもので、今日は時間がありませんので全部のご説明は難しいですけれども、もしご関心があれば見ていただければと思います。この技術検証の14件にそれぞれ1,043の中から各省が持っている規制の条項が紐付けられておりまして、ここまで各省で調整がついたものだけを数としてカウントしておりますので足し上げてもまだ1,043にはならないのですけれども、現時点でも既にこれだけの紐付けが終わっておりますということでございまして、大くくり化をして横断的に検証を実施するということの意味がありそうだということが分かり、安心しているところでございます。

18ページから、14件の技術検証案件のリストになっているのですが、1つ目のご紹介だけさせていただきますと、ドローンや画像解析の技術などを使って、人が監視をしていたところをリモートや機械でできないか実証していくという一つの類型ができそうです。ここには、経産省と環境省のそれぞれ「鉱業上使用する工作物等の技術基準を定める省令」と「自然公園法施行規則」が、一見全く別の規制ですけれども、同類型の検証ニーズがある条項として紐付いております。それぞれ見張り人を常時配置するという規制や、職員が巡視するという規制がございまして、それに対して、異常の有無を把握する巡視などをドローンやカメラやセンサー、GPS、リモートセンシングシステム等を使って、機械で人手を代替していけないかということの確認をする。こういう技術が使えるということが確認できれば、フェーズ1から2、あるいは2から3へ行ける可能性がある。この異常の有無や内容の特定が可能なのかどうか、異常が認められた場合に即時介入をするという対応が可能なのかといったことを技術検証で確認していくということになります。

ここから先は順番に検証案件が続いておりまして、時間の関係でご説明は省略させていただきます。最終ページの今後のスケジュールですが、先程ご説明した14の類型について、まず検証の事業を行う運営事務局を公募し、決定していくのが4月頃になります。それから技術検証を具体的に行い、技術代替できるのかというテストをしていただく必要がございますので、そういった事業者をしっかり公募しまして、技術検証が必要なさそうなものやすぐにマップ収載できそうなものを盛り込んでテクノロジーマップ初版を策定・公表していくことが今年の夏頃までにできたらと思っております。それに併せて技術カタログ初版も策定・公表を順次していけたらと思っております。

技術検証は、夏頃に初回の事業者が決定いたしまして、一番早いサイクルでも今年の冬頃以降になると思いますけれども、技術検証の結果を取りまとめて公表していけたらと考えております。予算事業でございますので、1年のサイクルで行けるところまでは行くということで、現在、準備を進めております。

簡単ですが、私からは以上でございます。

安念副座長: どうもありがとうございました。

ただいまのご説明について、ご意見、ご質問等をいただきたいと思いますが、大変な成果が上がりつつあるなという感じがしますね。特に細やかな案件を抽象化・概念化するというのは決定的に重要ですが、それができつつありますね。もう一つ、登さんの技術解説記事を読ませてもらったのですが、あれはすごいですね。あれは登さんご自身がお作りになったのですか。

事務局(須賀): 登さんはすばらしく、ほかの方のサンプルになるものを書いてほしいというお願いをしたものですから、ほかの方が真似できないところまで行ってしまうと例にならないということで、あえて1週間しか使わないと自らに制約をかけて記事を作成いただきました。

安念副座長: ただの取扱説明書だと思っていたのですが、コンピュータベースドテスティングにおける不正防止について、テストとは何かから始まっているではないですか。あれはすごいですね。

事務局(須賀): 試験と講習のデジタル化で先行公募してご応募いただいた案件について、会社の了解を取ってテストアカウントを発行していただいて、登さんに使っていただいたのですが、まさに、そもそもこれは一体何を確認する規制なのかから始まり、具体的にどういったやり方をすると不正と検知されるかをご自身であれこれ試していただいて、その確認作業に2日、その結果を踏まえて記事を書き上げるのに5日という制約をかけて作成いただいて、あのクオリティーということで、委員の皆様も驚愕しておられました。

安念副座長: すごいですね。驚きました。
まずは落合先生から、お待たせしてしまってすみません。

落合構成員: ご説明いただきましてありがとうございます。
私も本当にこれはすばらしい取組だと思っております。私も海外で講演するときにこの内容をご説明したりしているのですが、そうすると、結構写真を撮ってくださる方とか、その後の質疑で、例えば金融などの場合でも、金融というよりもスマートシティー側に近そうな感じがするのですが、それでもこういう取り組みを行っているのですねという話でかなり盛り上がる内容になっております。これは本当に日本が本来的に強そうな分野のデジタル化に資するものでもあると思いますし、海外向けにお話しするときもここはきっちり対応していると言えるような内容になっているように思いまして、まずその点が非常にすばらしいなと思います。

その意味では、全部の文章を英語にするのは難しいかもしれませんが、ぜひデジ庁のほうでもこの部分については日本政府としてこういうレグテックに関する全般的な取組をしていることは何らか公開していっていただくと、いろいろな意味で我が国の産業振興全般にとってもいいのではないかと思いました。

2点目は、このテクノロジーマップがどんどん分析されていくにつれて、規制のほうも見直しをするネタといいますか、こういうパーツを組み合わせるとこういう規制は直せるのではないかということがまた次第に見えてくるのではないかとも思います。行ったり来たりをしていって常に改善していくことが大事だと思いますので、どういうものを見直せるかのネタ出しという意味でテクノロジーマップも使いつつ、デジタル規制改革の内容とテクノロジーの利用と両輪で進められるとよりよいと思いますし、非常に効果が上がるのではないかと思いました。

改めて、この取り組みが継続的に回っていくと、下手をするとデジタル規制改革そのものよりも、この取り組みのほうが重要ではないかというくらいになり得る気もいたしますので、大変取りまとめていただいてありがとうございます。今後のさらなる取りまとめも期待しております。

安念副座長: ありがとうございました。
自動翻訳でどんどん英語にしましょうよ。

事務局(須賀): 確かに自動でやっていただけるとよいですね。

安念副座長: レグテックごと売り込む、それでいいと思います。

落合構成員: そうですね。せめてランディングページなどが引っかかるようになっていれば、中身が一部だけ英語のものがあって日本語のものも並んでいるということで読みうると思います。最近、私も実は個人情報保護法などでフランスのものを見たりするときに、英語で途中まで行けるとフランス語のものも見つけて無理やり読めることもあったりするので、そういう感じになるといいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

安念副座長: ありがとうございます。多分落合先生もそうだと思うのだけれども、話を聞いていて興奮してきました。本当にすごいなと。
ほかの先生方、いかがでしょう。

では、増島先生、上野山さん、稲谷先生の順でお願いします。

増島構成員: どうもありがとうございました。

取組がすごくうまくいっていらして、14個に絞れましたというのはパターンが整理できてきているのかなと思って拝見していました。

マーケティングをしていることとの関係で、例のRFIの制度をやられたときに、幾つかのスタートアップの方々からこんなものが来たのだけれどもこれはどうしたらいいのという相談を実は受けました。もちろん回答することによってこんないいことがあるからぜひやろうという話でみんなに書いてもらったということなのですけれども、このRFIのものは、規制がずらっと並んでいて、この中でおたくの技術が使えるところはどこか教えてくださいみたいなものが来ているのですね。条文がずらっと書いてあって、この条文の中のどれに使えますかというのが回ってきたという状態になっています。これは僕らは条文を一個一個見なくてはいけないですかと思って、多分事務局側というか、お役所側はまさにこれに当てはまる技術はどれですかというのが知りたいので、それがそのまま来ていたみたいな感じなのですけれども、これは実際に回答する側からすると極めて回答がしにくくなっていて、これで結構ためらわれて、ちょっとよく分からないからいいかと思われた会社さんもいらっしゃるのではないかという感じがいたしました。一応往訪などという分類は書いてあるのですけれども、一個一個これを見なくてはいけないのですかみたいな話だとちょっとできないみたいな話になっているところがあって、どうせこれは出せば事務局でチェックしてくれますから大丈夫ですよと言って、あなたの技術は往訪系なので往訪に全部つけて出しましょうとか、あなたのものは閲覧・監視なので、監視のところに全部つけて出せば取りあえず大丈夫ですと言って出してもらったということをやっていたのですが、やはり民間側とのコミュニケーションのやり方をもう少し改善できていくと、もっと提出率が上がってくるかなと感じた次第ですというのが一つです。

あと、海外に出していくというのが、ご記憶だと思うのですが小林先生がおっしゃっていて、これはタイミングをすごく見計らえという話をされていたかと思います。技術も整ってショーケースが日本のところにできたところでほらどうだと言って見せに行って、制度改革とテクノロジー、産業を一緒に売り込むという大戦略を先生は持っていらしたと思いますので、この辺も勘案しながら出し方をうまく戦略的にやっていただくといいかなと思いました。
以上です。

安念副座長: ありがとうございました。

では、時間の関係もありますので、上野山先生、稲谷先生の順にご発言をいただいて、余裕があったら須賀さんからまたコメントをいただきたいと思います。よろしくお願いします。

上野山構成員: 上野山でございます。

私からは2、3点なのですけれども、まず前提として、17ページのスライドは非常にすごいなと思っていまして、法律と技術が適度に抽象化、構造化され、対応づけられ、変えていくということそのものというのが動き始めたなということを非常に強く感じました。ここは本当にすばらしい話だと思っていまして、これをぜひ引き続き進めていけるといいなと思っています。

この取組をさらに大きなインパクトにするためにということで、かなり欲張った先の話に関してのコメントを2点ほどさせていただければなと思うのですけれども、1個目は、まずこの抽象化や構造化、テクノロジーマップというのは例えば今と5年後で多少違う形に当然なっていくわけですので、テクノロジーマップとこの分野をにぎわいのある場所にし続けるために、今は立ち上げ期で衛星網が集まってやっていると思うのですけれども、基本的には動的にブラッシュアップし続ける恒常的な体制というのをデザインしていかなくてはいけないとなったときに、1年後、2年後には誰がどのようにやっていくのかという体制の話も一定考えておくとさらに面白くなっていくのだろうなと思います。

ただ、いずれにしろこのドキュメントを議論しながらこうではないのではないかといったことを議論することそのものが法律と技術というところのギャップを埋めて、ここに関わる人自体の技術リテラシーも上がっていくというプロセスそのものになっていくと思うので、これはまさに渦の中心と捉えて進めていくと非常に面白いなと思っていますというのが1点目です。

2点目は、もうちょっと現実的な話なのですけれども、今、技術の検証をまさにやられていて、これがさらに進んでいくと、これはできる、これはできない、じゃあこれを導入しようという話がどんどん広がっていくのだと思うのですね。そのときに、非常に大きな話になってしまいますけれども、日本のソフトウエア産業全体が抱えている課題の一つでもあるのですけれども、この技術がどのような課金形態、インセンティブ構造で導入できるものなのかというのは非常に重要で、価値に応じた価格形態として日々テクノロジーが磨かれていくのかどうかみたいなところも実は検証できるとものすごくよくて、価値ベースの価格になっているかどうかとか、幾らぐらいでできるのかとか、お金の話はここではまだ入れられていないのかもしれないのですけれども、実際に導入するとなったときにお金のインセンティブデザインみたいなところがうまくはまるかどうかというのは本当に重要になってくると思っていまして、すごく難しいことを言っているのは分かっているのですけれども、その2点がはまると、これが本当に新しいガバナンスの仕掛けとして機能していくような気がしますので、いずれにせよいろいろとお疲れさまですということ、その2点を欲張って発言させていただいたということでございます。

以上です。

安念副座長: ありがとうございました。
インセンティブの話は今日の資料の中にも出てきていましたね。深めていきましょう。
稲谷先生、お願いします。

稲谷構成員: ありがとうございます。

私も大変興奮しているのというのが正直なところでございまして、この作業部会のたしか3回目か4回目ぐらいで今回のテーマに関係する話をいろいろ例を出されて、そのときにもまさに今映っている17ページ目のような観点から、法規制で結局何をやりたかったのかというところを本質化していって、どこが技術でできて、できないのかというの検証を進めていくことによって新しい方向に進みましょうという話をしていたと思うのですけれども、まさにその方向に行っているというのは感激しているところです。もうこのまま進んでくださいと、その部分は本当にそう思います。

これを進めていく上で、既に増島先生と落合先生がおっしゃっていたこととも関係するのですけれども、幾つかのポイントになりそうなこととして、技術代替を進めていくに当たって、その法律で結局何を実現したかったのかというところを定量化していくという場面が必ず出てくると思うのですね。

そこで、できればということなのですけれども、きちんとコストベネフィットを可視化したり、あるいはEBPMを進めていけるような論証枠組みみたいなものも同時に整備していくということをぜひやっていただきたいなと思っています。なぜかというと、この論証枠組ができて、民間にも広く共有されてきますと、もちろんほかの規制に転用できるということもそうなのですが、企業の側から見たときにも、こういう指標・指針でやるのであれば、私の側でもこういう新しい技術で代替できるかもしれないという提案にもつながっていくと思うのですね。解説記事とこういった枠組みが相乗効果を起こすことによって、どんどん企業の側で自分はこういうやり方でできるのではないかということが提案できるようになってくる、あるいはこれまでの規制とは違うやり方を提案できるようになってくるということがどんどん進んでいくと、これはまさに、いわゆるアジャイルガバナンスの社会実装がいよいよ本格的に進んでいく一つのきっかけになると思うのですね。

なので、これを進めていくということは、落合先生の先ほどのテクノロジーベースのほうが本体になる可能性があるという話も関係すると思うのですけれども、これが進んでくると、今までの規制の構造というか、統治構造そのものが変わってくる話になってくる可能性もあると思うのです。なので、これはぜひ進めていただきたいというところがあります。

ただ、それを考えるときに1点だけ、これはさらに今後ポイントになるところだと思うのですけれども、そうなってくると、さっきの誰がこのサイクルを回すのですかという話も関係するのですけれども、誰が規制の主体なのかという問題が、まさに重要な問題になると思います。つまり、規制のレジティマシーや妥当性は誰が保証するのかという問題が出てくると思うのです。なので、そこは技術のトラストの問題とも関係があると思うのですけれども、ピアレビューのような形で進めていくというのは一つの理想的な形だと思いますが、それと同時にある種のアカウンタビリティに関わる制度をきちんと実装していくことによってそこの部分を担保しておくことは大事だろうと思います。

さらに言えば、ディスクレーマーの部分とこのトラストやアカウンタビリティに関わる制度をリンクさせるような仕組みも用意しておくと、企業の側から見ても安心して推進でき、かつ、よりレジティマシーの高い統治というものを、テクノロジーを使って進めていくという最もいい形につなげられるのかなと思っております。欲張ったことをいっぱい申している気がするのですけれども、将来的にはそういったところを目指してやっていただけると、これは本当に世界に先駆けた革命的な改革になると思いますので、ぜひ進めていただければと思ったところです。

ありがとうございました。

安念副座長: ありがとうございました。
須賀さん、いかがですか。

事務局(須賀): ありがとうございます。ご想像いただけていると思いますが、私たちも頭が沸騰しそうになりながらようやくここまで来たということなのですが、また正しい形でバーを上げていただいたなと思っておりますので、皆様にご指摘いただいた方向にぜひ進みたいと思います。

民間企業とのコミュニケーションについては、17ページの資料のように、少なくともこのぐらいに類型化できるということを先にお示しして公募できればもっとよかったのだろうとも考えておりまして、その辺りは手法も含めて改善していけたらと思います。

また、課金の形態については、調達を実際にし続けられるのかというのが重要な話だとテクノロジー委員会でもご指摘をいただいています。デジタルマーケットプレイスの議論をデジ庁で別途始めていますけれども、そういったものとの一本化などについても意見をいただいていますので、そこまでしっかりフォローできたらと思います。

それから、費用対効果についても東芝の島田構成員からご指摘いただいています。テクノロジーで代替するときに費用対効果を確認したのかという点、民間では必ず行っているので、デジ庁も行ってくださいということを言われておりまして、そういったこともしっかり行い、最終的にまさに統治構造の問題に広がっていくというビジョンは持ちながら進めたいと思いますので、ぜひ要所要所でまた皆様のアドバイスをいただければと思います。ありがとうございます。

安念副座長: ありがとうございました。

この論点に限りませんけれども、時間の都合があるものですから、なおご発言、ご質問等がおありの方はぜひメール等で事務局までお寄せいただきたいと存じます。

それでは、次に進ませていただきまして、「処分通知等のデジタル化に係る基本的な考え方(案)」の検討状況について、山野参事官よりご説明をお願いいたします。

山野参事官: 山野でございます。よろしくお願いいたします。

デジタル原則の中で、デジタル完結自動化原則ということで、手続な等につきましてエンドツーエンドでデジタル化をしていくということが挙げられているところですが、いわゆるデジタル手続法の第7条第1項というところの処分通知等につきましては、まだまだデジタル化が進んでいないという状況と考えてございます。もちろんデジタル化が可能とされていまして、各主務省令でその方法が規定されているところですが、まだハードルがあるという認識です。

我々は電子署名法に基づく許認可等を担当しているチームでございますが、我々が別トラックで検討してきた内容につきまして、現在の取組の検討状況等についてご説明させていただきますので、ぜひご意見等を賜れれば幸いでございます。

まず、本日の内容でございます。今回我々が検討している基本的な考え方の位置づけから簡単にご紹介させていただきます。1ページにございますとおり、目的としましてはデジタル庁が、関係する行政機関、これは関係府省、それから地方自治体も含みますけれども、彼らに対しまして、日々の実務で参照できるような共通的な考え方や課題への対応方法等を整理して公開して共有していくということを目的として検討するものです。

②にございますが、まずは短期的に、言い方を変えますと、比較的ハードルが低く対応可能な事例を整理させていただいて、それを実務に応じて関係省庁、自治体の皆様に使っていただく。その上で、困りごとをまずは短期的に解決して、デジタル化を推進していきたいというものでございます。

最後の③番でございますが、今後のプロセスです。デジタル庁では、デジタル社会推進標準ガイドライン群というものを策定してございます。これはノーマティブなものとインフォーマティブなものの2種類がございますが、今回、我々が検討しているものは、実務上の参考資料、参考ドキュメントということで、インフォーマティブなものです。情報として使ってくださいということで、本年度内を目標にしていますけれども、オーソライズした上で公表していく予定です。デジタル庁に技術検討会議というところがございますので、そちらで標準文書として確定し公表していく予定です。なお、今のところ、「デジタル社会推進実践ガイドブック」というタイトルで、おそらく第一発目になると思いますが、公表予定としているものでございます。

背景を2つほどご紹介させていただきます。2ページは一昨年、令和3年の3月末に公表されました行政手続の棚卸調査に基づきましてまとめたものでございます。申請側、行政機関に来るほうのオンライン化は7~8割進んでいるところでございますが、行政側からの通知、処分通知等につきましては、業務ベースでいうと2割ぐらいがオンライン化しており、まだまだオンライン化の余地があるというところでございます。

デジタル庁で電子署名法等を担当している我々のチームにも、地方自治体等からこれは電子署名を使ってPDFで送っていいかといった実務上の問合せや質問もかなり来ているところでございます。こちらに来るほうの手続は進んでいますが、こちらから出すほうが進んでいないというのが問題意識です。

それから、背景の2つ目でございますが、3ページは内閣府の規制担当のほうで公表している行政手続のオンライン化方針の集計表になります。全てで2万1000種類ぐらいの手続がある中で、これは令和3年の3月末時点だったと思いますけれども、約9,000手続がオンライン化実施済みであり、残り半数ちょっとはまだこれからということになっています。

主な手続につきましては、今後eメールを使う、それから既存のシステムを使うということで順次オンライン化に対応していくということになってございますので、ここで使われているようなニーズの高い分野といいますか、関係省庁、自治体も含めて参照可能な資料というのが効果的だと考えているところでございます。かなり地に足のついた資料を作ることが大事だという趣旨で考えています。

それから、最後の背景になりますけれども、我々のこれまでの取組を簡単にご紹介させていただきます。4ページには、まず、デジタル庁が策定した昨年の重点計画の中でも処分通知等のデジタル化の検討を進める、ということを記載していたわけでございますけれども、それを踏まえまして、データ戦略推進ワーキンググループの下にサブワーキンググループをつくりまして、約1年弱かけまして検討を進めてまいりました。幅広いトラストの確保のご議論をいただいたわけでありますけれども、その中にもマルチステークホルダーモデルという、関係者が集まり、活発に意見を交わすようなモデルをつくって、処分通知のデジタル化に関する検討を進めるべき、ということが報告書に取りまとめられていたところでございます。これは昨年夏でございます。

これを踏まえまして、マルチステークホルダーモデルというのを実際に回してみました。Slackを使って24時間ステークホルダーの皆さんに議論していただくような場だったわけですけれども、昨年12月にこのマルチステークホルダーモデルの参加者の皆様が取りまとめていただいた提言書というものをお出しいただいています。昨年末にホームページでも公開しています。この中でも、電子署名の利活用も含めまして、方向性や検討課題が示されております。

これらを踏まえまして、今回、まずは短期的な対応を中心にしまして、共通的な考え方、それからリファレンスとして役立つような対応方法等をまとめまして、基本的な考え方の案を作成するというものでございます。冒頭に申したとおり、3月末にインフォーマティブなガイドライン群の一つとして策定予定で、今、鋭意最後の詰めをしているところでございます。

今の案でございますが、目次としては5ページのような形になっています。かなり幅広く、かつ、基本的なことから分かりやすくまとめるような形で考えています。本日は、主なポイントだけ幾つかご紹介したいと思います。

まず、6ページの2番目にございますデジタル原則との関係です。こちらもエンドツーエンドのデジタル化ということで、令和7年末に向けて申請等のデジタル化が進んでいるわけでございますけれども、それと併せまして、行政側の処分通知についてもデジタル化を進めることが重要であるというのが大前提で文書を作っているというものでございます。

それから、一番下に主務省令等の解釈とございます。ここも今回かなり分量を割いて書いているところでございます。これは何かと申しますと、デジ手法に基づきまして、各省庁で主務省令の中でここはこういうふうにデジタル化してください、これはできますよ、そういうときはこういうふうにやってくださいということを定めています。例えば、下線も引いておりますが、電子証明書や電子情報処理組織、これはシステムのことなどを法律の文書でこう書いているわけですが、これらにおける規定につきまして、個別の手続とその根拠となる各主務省令の対応が必ずしも各省庁で統一されていないということもありまして、特に地方公共団体から、例えば電子証明書の取扱い等の判断に迷うという点がデジタル化のハードルの一つという意見も聞いているところです。また、参照できる資料があるとありがたいという意見もありますので、基本的に我々のほうで一定の解釈を今回示したいと思ってございます。

例えば職責による電子署名は利用可能であると考えられるという点とか、デジタル化された処分通知を電子メールで送信することについても、主務省令で特段の定めがない限り可能である、その際の留意点はこうですという具体的なケースを提示しながら解釈を示すという中身にしてございます。

7ページには「新規・短期的に取り得る施行方法」と書いてございますが、まだデジタル化していないものについてはこういうふうにやっていくといいですよということを簡単にご説明するような内容になっています。

まず、上にございますが、短期的な対応の場合、デジタル化の優先順位としては下にあります①、②、それから③は必要に応じて活用してくださいという形でまとめたものでございます。

① は、既存のシステムを使ってくださいというところでございますが、特に利用者が多いようなもの、それから利便性の観点から考えますと、一体的に申請から処分通知までまとめてできるようなシステムのありものを使うというのがまず第一歩で、例えば、マイナポータルのお知らせ機能やjGrants等々、または各省庁が持っている既存のシステムを使って通知していくのがいいですよという点です。

それから、②にございますが、これも当然情報セキュリティーが十分に確保された上で、例えばオンラインストレージを使う、それから電子メールで直接、もしくはPDFに何らかの暗号化を施して、パスワード等々も必要に応じてつけた上で送るということが次の手としてあります。

③にございます電子署名につきましては、第三者が確かにこれは出元がここですねというのを検証できるようなことが求められたり、それから、発行元の証明、完全性の担保が必要だと思われる場合に使ってくださいということで、その使い方等々も丁寧に書いている部分になります。ただ、電子署名はあくまでも文書作成者の証明や完全性の担保の一つの方法でございまして、全てのものにこれが必要なわけではありません。自治体によっては公印の代わりとする例が多いところでございますけれども、公印省略等々もかなり進んでおりますので、法令上の規定や完全性担保の必要性等々を検討した上で、必要な場合は電子署名を使ってくださいとまとめているものです。

なお、使える電子署名としましても、例えば括弧書きに書いてございますが、政府、中央省庁であればGPKIという政府認証基盤の官職証明がございますし、地方自治体であればLGPKIでの職責証明もございます。また、その他、電子署名法の第2条第1項に規定しております電子署名も使えますということを例示してまとめているものです。

なお、GPKIで電子署名したものが一部のソフトウエア、AdobeさんのAcrobatReaderで開くと署名検証がうまくいかないという課題もございますので、そこは署名検証ができるようなウェブ上のサービスをデジタル庁で作っており、そちらも公開している旨等々も記載しているところです。

また、信頼性の担保、これは当然のものでございますが、発行元の証明、それから機密性、完全性、可用性の担保が重要であって、それぞれこういうふうにやってくださいということをまとめています。申請があったものは相手先が分かっていて、例えばメールアドレスも分かり、相手の名前も分かるわけなのですけれども、特に申請に基づかないもの、行政側からある意味片方向で通知する文書につきましては、そもそも相手のメールアドレスや相手の連絡先すら分からないようなこともあり得ますので、そういった場合についてはより信頼性確保の留意が必要であるということで、具体的な対応方法等もまとめているところでございます。

そして、8ページが概要の最後になりますけれども、幾つかご紹介したいと思います。一番上にございますが、有効期限の話でございます。許認可証の有効期限とそれに付している電子署名の中の電子証明書の有効期限が違った場合はどうするのか、これもよく聞かれる話なのですが、許認可証の有効期限が有効であるというのは当然なのですが、例えば電子署名の有効期限が先に来た場合は、タイムスタンプを使ったり、重ね打ちしたりということでいろいろ対処方法はございますので、その辺りを解説するような中身になってございます。

それから、2番目にございます到達時期はなかなか難しいところでございますけれども、いつをもって相手に処分通知が届いたかというところの考え方についても整理させていただいて、考え方をまとめております。これは電子計算機に備えられたファイルというのがそもそもそれぞれの手続でどこに当たるのかとか、それぞれのシステムの構成によっても異なるところでございますけれども、例えばダウンロードする形であれば、何かログが残ればすぐ特定できるわけでありますけれども、電子メールなどの場合は相手が受け取ったかどうか分からない。S/MIME等のいろいろと硬いやり方でメールを送って開封確認をするというやり方も当然ありますけれども、そうではない場合は分からないということがありますので、そういった場合、別ルートで到達確認をするといったことも、かなり初歩的なというか、イージーなやり方になりますけれども、考えられる対応方法についてまとめています。

最後は公文書管理上の保存の考え方ですが、当然ながら電子化した、デジタル化したからといって何かそこが変わるわけではございませんので、公文書として適切な管理が必要ということで具体的な例も挙げてまとめているものでございます。

今後の予定でございますけれども、現在、関係省庁への意見照会、調整等々を始めつつあるところでございます。こちらが終わり次第、任意の形になりますが、パブリックコメントで意見を広くいただいた上で、3月下旬の技術検討会議にかけまして、冒頭に申しましたようなインフォーマティブな文章として策定予定でございます。その後、関係機関と自治体さんに対しまして周知させていただくという中身になってございます。

9ページには書いてございませんが、分かりやすいQ&A集やフローチャート、それから関係する規定類をまとめたような参考文書等も一緒に公表して使っていただきたいと思っています。目指すゴールからしますとまだまだ小さな一歩かもしれませんけれども、これまでこのような分かりやすい文章というのはなかったわけでございますので、まず一歩、デジタル庁が踏み出してみるということに意義があるのかなと我々は考えているところでございます。

説明は以上になります。

安念副座長: どうもありがとうございました。

今日はイノベーティブな話が続きますね。ご発言いただきたいと存じます。いかがですか。
それでは、岩村さん、落合先生、増島先生と行きましょうか。お願いします。

岩村構成員: ありがとうございます。
やはり書面・対面規制は企業のニーズが高い分野ですので、今回、行政手続きのデジタル完結の推進を盛り込んでいただき、ありがとうございます。

ご説明にもありましたとおり、「デジタル改革に向けたマルチステークホルダーモデル検討会」においても、処分通知等のデジタル完結に向けて、データの完全性の担保、その検証の簡素化や送達確認、制度設計に関わる具体的な議論が進展したことは、こうした企業ニーズを踏まえ、大変高く評価したいと思っています。

我々企業サイドとしては、今回の「処分通知のデジタル化の基本的な考え方」が、各府省や自治体が実際に行政手続のデジタル化を進める際の手引として示され、エンドツーエンドのデジタル完結実現のために活用されることを大いに期待していますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

以上です。

安念副座長: ありがとうございました。
それでは、落合先生、お願いします。

落合構成員: ありがとうございます。
私も今回のこの取組も非常にすばらしい取組だなと思って伺っておりました。規制改革推進会議で議論をしていた際にも、様々な明細や通知の部分が一部どうしても電子化されていないということで、エンドツーエンドのデジタル化とおっしゃっていただきましたが、デジタルで完結することができなかった部分があったと思いました。そういう意味では重要なパーツについてまた1つ解決策を出していただいたという意味で、非常にすばらしいポイントだと思いました。

今回のこういった処分通知で整理した考え方についてですが、行政の側で使える手法は民間で使えないものでもないとも思います。民間側との関係でも、例えば本人確認のものでも行政側の本人確認のガイドラインが先にできていて、それがNISTフレームワークを参照していたと思いますが、後で民間の人が参考にして整理される場合などもあったりしました。そういう意味では、より広い世の中の基本的なやり取りの一部について整理を示している部分があると思います。まずは行政庁側の通知ということはあると思いますが、一方で民間側もこういった部分については省力化できることや、同じような形で取組が進むことによって民間のデジタル化にもプラスになる部分があるのではないかと思います。そういった視点を持った発信もぜひ行っていただければと思います。

あと2点ほど、今後の課題として気になった点としまして、まずはデジタル化をできるようにするということで、公文書であればその管理をするというお話を書いていただいていると思います。公文書管理自体は必ずしもデータ活用を意識したような形で整理等はされていなかったようにも思いますので、今後のEBPMなどを考えていったときに、単に公文書管理を行うというだけですと、使い手がよくなかったり、今後の政策でデジタルデータとして分析、対応するということが難しいと思いますので、取りまとめをされた後に、さらにデジタルデータとして政策的な活用の可能性を踏まえた進め方になってくるといいと思いました。

2つ目が、電子証明書の点は非常に重要だと思っています。この点は、例えば個人の関係ですと、マイナンバーカードがかなり普及してきておりまして、一番レベルの高いタイプの電子証明書が利用できるようになってきております。しかし、行政や法人側のほうではそういったものがなかなか使われていない状況もあったと思います。今後のベース・レジストリ整備にも関係するとは思いますが、ぜひこういった電子証明書の部分は、もちろん今できることを示していただいたということで今回の取組としては完結しているとは思いますが、デジタル庁全体として、できればそういった電子証明書の法人であったり行政側での利用推進に係るような整理を進めていただければありがたいと思っております。書面押印の廃止のときも、使いやすい電子署名がなかったということもありましたので、二段の推定が及ばないような文書だったら、何も押印しなくていいではないかという話でしたが、全般的に高度化される姿もあってしかるべきだと思いますので、ぜひご検討いただければと思います。

ただ、今回の取りまとめ自体は全体としてここで完結して十分なものだと思っておりますので、今後の展開であったり、付け加えの事項を私としてはコメントさせていただいたものであります。どうもありがとうございました。

安念副座長: ありがとうございました。今日は賞賛の言葉が続きますね。
増島先生、稲谷先生の順でお願いいたします。

増島構成員: ありがとうございます。
目先で行うというのは非常に大事だと思います。目先でできることをとにかくありものでやるという姿勢自身をすごく大事にしていただきたいと思います。セクシーな仕組みをつくるのには時間がかかるし、それをやるよりもむしろ今何をするというのが非常に大事だと思いますので、ほかのものでもいろいろ長期的に見ればこうですよねとか、こういうことができますよねという話はいっぱい出てくると思うのですけれども、そうではないようなものをやっていくと逆にそれでカルチャーができていくという話になっていくと思いますので、ここはこの取組以外のものにもぜひ応用していただきたいというのが一点です。

2点目は、お役所がやることというのは、民間は見ていまして、特に金融機関みたいな人たちは自分たちがこれをやっていいのかなというときに、お役所がやっているのだから僕らもいいよねというな話になるというのはよくある話でございますので、こういう取組を出していただくと、実は民間の人たちが参照して、役所がやっているのだったら僕たちもやっていいはずだという波及が起こりますから、逆に言うとこの波及が起こることを念頭にこういうドキュメントは作っていただいて、かつ、世の中に知らしめていただくというアプローチを取っていただくとありがたいなと思いました。

以上です。

安念副座長: ありがとうございます。役所の影響力は本当に大きいですね。
稲谷先生、お願いします。

稲谷構成員: まず、落合先生もおっしゃったと思いますけれども、デジタル完結を実現する上で、発出する側がどうしたらいいのかというのがよく分かっていないというのが一つのボトルネックになっていたところを、このような形で整理されるというのはとても重要な取組であると思いますので、その点はすごくすばらしい取組だと思いましたということが一点。

もう一点は、恐らくもう一つのボトルネックになってくるところで、今回はちょっと関係がないのでこの先ということになってしまうのですけれども、どうやれば受け手の側にデジタルで受けたいと思ってもらえるかというところが次に出てくると思うのです。特にマイナポータルなどを通じて、デジタルで通知を受けたいというところにどうやって落としていくかというところも一つの重要な点になってくると思います。その辺りに関するインセンティブのつけ方として、利用料を下げるといった辺りの施策も含めて、今後の推進の取組をさらに続けていただければと思ったところです。

以上でございます。

安念副座長: ありがとうございました。

山野さんから返しが欲しいけれども、時間の都合上、また別途お願いいたしましょう。
第3の議題でございます。「法人ベース・レジストリと制度的課題について」を議論したいと存じます。この議題については、法務省、国税庁、厚生労働省、経済産業省、国土交通省にもご参加をいただいております。

それでは、まず三島参事官よりご説明をお願いいたします。

三島参事官: デジタル庁の三島でございます。よろしくお願いいたします。
私からは「法人ベース・レジストリと制度的課題について」ということで、資料をご説明させていただきたいと思います。

本日ご議論いただきたいことでございますけれども、まず背景は3ページにございますとおり、これまでデジタル臨時行政調査会や経済界の要望において、デジタル完結やワンスオンリーの徹底、データ連携やその基盤となる社会の基本データであるベース・レジストリの構築、法的整理について、度重なるご指摘をいただいてきていると承知しております。

本日ご議論いただきたい課題といたしましては、構造改革のためのデジタル原則における「⑤共通基盤利用原則」の具体化として、行政機関における法人情報のデータを整備する意義について、具体的にワンスオンリーを実現できるデータ項目、実現に向けた制度について、既に8月の作業部会でもご議論いただいた法人分野を例にご議論いただきたいと考えております。

3ページ、4ページは参考ですので、割愛させていただきます。

5ページも参考でございますが、こちらは既に10月にデジタル臨調の第5回でお出しいただいている資料でございまして、作業部会では、デジタル庁全体のプロジェクトと連携して、行政サービスのデジタル完結の実装に向けた検討を進めるという資料が既に出ているところでございます。

また、6ページでございますけれども、事業活動に関係するベース・レジストリの整備・利活用に当たっては、まずは制度横断で必要な情報である法人の基本情報から検討していくべきではないかということが既に8月の段階で示されているところでございます。

続きまして、7ページでございますが、ベース・レジストリとして法人基本情報のデータを整備することの意義でございます。法人基本情報に係るデータを整備し、組織間で共有することにより、各制度、行政手続において重複する「申請/届出」の省略、ワンスオンリーの実現や通知等のデジタル完結の円滑化が可能だと考えております。

また、将来的には制度間のデータの相互補完性が担保されてくるということで、データの組合せが容易となってまいりますので、例えば災害等の非常時における迅速かつ円滑な対応の実行、あるいはEBPMといったことによる社会全体の効率化などが可能となってくるということ。

また、データの民間利用についても、行政機関が保有するデータの品質が改善することで民間企業同士の取引効率化につながるようなケースがあるのではないかと考えておりますので、そういったものについても追って投資対効果なども踏まえながら政府全体として検討していく必要があるのではないかと考えてございます。

8ページに行っていただきまして、法人基本情報に係る行政手続の省略でございますけれども、現状、この表にございますとおり、制度毎の「申請/届出」が必要ということになっておりまして、登記事項証明書等の添付省略の取組自体は進んでおりますが、引き続き制度毎に「申請/届出」が必要である。

また、この表にございますとおり、各制度においてどのような項目について必要とされているかというのが○で表示されておりますけれども、こういった複数の制度において共通する項目の申請が求められているということになっております。

9ページでございますけれども、各手続の対象数、変更手続件数(年間)についてでございます。各制度においては、大きいところで年10万件以上の法人基本情報の変更手続が行われていると承知しております。また、法人基本情報を共有することで、潜在的には登記統計で判明している年約82万件の変更については、各制度と重複する項目については少なくとも手続の省略が可能となってくるのではないかと考えております。

続きまして、10ページは、参考として各国の状況をつけさせていただいておりますが、アメリカ、イギリス、ドイツ、インドなどは申請の電子化のみとなっておりまして、それに対しまして、一番右側のフランス、シンガポール、エストニア、中国といったところについては、登記と重複する項目は制度ごとに「申請/届出」が不要ということで、既に手続の省略が可能となっております。それに対しまして、日本は、先ほどご説明させていただきましたとおり中間的な取組で添付の省略というところの取組を進めているという状態になっております。

続きまして、11ページでございますが、具体的な便益といたしまして、「申請/届出」事項の省略についてでございます。現状は、先ほど申し上げましたけれども、法人基本情報を申請者が提供いたしまして、「審査/受領」側のほうは申請者の情報と添付書類やバックオフィス連携した情報と突合する作業を行っている。これに対しまして、GビズIDなどにより本人認証がなされた申請については、当該申請とひもづいた法人番号のみを提供することで足りていくのではないかと考えている次第でございます。

続きまして、12ページでございますが、「変更申請/届出」につきましても、今、登記と重複する項目についても制度ごとに「変更申請/届出」がなされておりますので、商業登記由来のマスターデータが連携すれば、登記の変更さえすれば、重複する項目については各制度における「変更申請/届出」は不要とすることができるのではないかと考えております。

続きまして、13ページは制度的対応の方向性でございますけれども、以上のようなことを実現するに当たりましては、各省庁が参照するマスターデータを項目単位でどのような項目を共有するのかということについて特定した上で、マスターデータを参照する行政機関側が必要に応じて参照することで、申請者が「申請/届出」を行う必要がないようにするための制度改正を行うということと、マスターデータの提供側の責務と役割を規定し、データの整備と提供を進めた上で、費用対効果等を踏まえ、また、各省庁のシステム更改や業務見直しのタイミングなどに応じて進めていくことが必要かなと考えている次第でございます。

本日は、①と②のマスターデータを項目単位で特定する部分と、データを参照することで「申請/届出」を不要とするための制度改正についてご議論いただきたいと考えております。

14ページ、具体的な項目の特定の部分でございます。各省庁における制度的共通項目を踏まえますと、赤枠で囲っている部分になりますけれども、商業登記由来の情報の共有から始めるべきなのではないかと考えております。なお、連絡先情報については、データ項目としては同一でございますが、制度や事業者の規模に応じて担当部署や担当者などの記載内容が異なってくる場合がございますので、ちょっと登記情報の共有とは性質が異なるものかと考えており、まずは商業登記由来の情報の共有から始めるべきなのではないかと考えておるところでございます。

続きまして、15ページはマスターデータの参照を可能とする制度的対応でございますが、先ほど来ご説明さしあげておりますとおり、今は制度ごとに申請者から情報を「申請/届出」させることになっておりまして、それが法令で規定されております。このため、各制度が横断的に参照すべき情報を特定し、「申請/届出」者から求めることなく当該情報を参照することができるようにするためには制度改正が必要となってくる次第でございます。既に個人分野については「申請/届出」者の「申請/届出」義務を免除する法令の手当てをされている例がございます。

他方、制度ごとに個別に法令改正するということもまた非現実的であろうかと考えておりますので、添付省略の取組ではございますが、デジタル手続法において個別法令の規定によらない一括での添付義務の免除の条文が存在しておりますので、この条文を参考に、マスターデータとして特定された項目に係る「申請/届出」義務を一括して免除する規定を整備することができないかと考えております。

具体的には、下にございますデジタル手続法第11条のところで添付省略の取組について赤字で書いてある部分を規定してございますけれども、これを参考にした青字の追加規定内容イメージでございますが、事業者は、個別の法令の規定にかかわらず、ベース・レジストリとして整備されたデータ項目について、行政機関等がシステム間連携により参照することが可能な場合は、当該項目に関する「申請/届出」や「変更申請/変更届出」を行うことを要しないといった内容を盛り込むことでマスターデータの参照を可能とすることができるのではないかと考えてございます。

16ページでございます。本日ご議論いただきたいポイントについて記載させていただいております。目指すべき姿として、商業登記由来の情報を制度・組織間で共有することによる申請事項の簡素化や手続省略を実現する可能性について、また、具体的な項目、留意事項として、法人基本情報の共有について、まずは商業登記等の制度的な担保が存在する項目から整備と利活用を進めること、また、その情報共有に当たって留意すべき事項についてご議論いただければと思います。また、制度的対応の方向性でございますが、共有を行うための制度的措置、先ほどご説明させていただいたような「できる規定」の創設についてご議論いただければと考えております。

私からのご説明は以上となります。

安念副座長: どうもありがとうございました。
それでは、ご意見を承りたいと存じます。どなたからでもどうぞ。
では、稲谷先生からお願いします。

稲谷構成員: 稲谷でございます。大変詳細なご説明をありがとうございました。
私の理解するところ、このベース・レジストリを進めていくというのは、今日の資料だと5ページ目にあったアンビエントみたいな世界観を実現することに繋がるのかなと。これは現状、例えば権利関係を確認したりということをするときにいろいろな手間がかかっていて、それが円滑な取引を阻害したり、あるいは行政庁の側でもなかなかデータにアクセスするときに大変で、手間がかかってなかなかできないみたいな、いわゆるスラッジと言われるものを減らしていくというところが目標なのだと思うのですね。それはまさにデジタル化でどんどん解決できるところだし、進めていってほしいところです。

今回のお話の中でいきますと、例えば効率的なところから、みんなが使うところから進めていくということで商業登記由来情報から進めていくというところもそれはそうだろうと思いますし、また、申請に関する規定というところについても一括で整備されるというのは大変的を射たストラテジーだと思います。

ただ、例えば今整備することで、各省庁が参照することが「できる」規定の創出というところになっていると思うのですけれども、こちらは全体のデータが整ってくれば、将来的には「しなければならない」ぐらいのことにしていただけるとより一層完結する方向に行くのかなというのが一点。

もう一つは、マスターデータの管理に関しては、どこが費用を持つのですかという問題が生じているわけですけれども、こちらは私としては、最終的にはデジタル庁さんのほうで主導するような形を取っていただく形になるのではないかと思います。横串を通して全体を進めていくというポジションにいるわけですので、そこはどうしてもそういうことになるのかなと思っています。

ところで、実はこのアンビエントみたいな話やスラッジを減らしていくという話を考えていくと、ほかのベース・レジストリというところにも波及してくる話だと思っていまして、とりわけ個人的には不動産登記みたいなものについても、将来的には進めていかないといけないと思うのですね。そのときに、不動産登記に関して整備を進めることによって取引は迅速化すると思いますし、今だと登記所に行って調べて、さらに実際にその土地を持っているのですか、どうですかみたいなところも調べなくてはいけないみたいな、大変なスラッジがかかっているところがありますので、ここが消えるというのは取引の円滑化という観点からは極めて大きいと思いますし、また、税務でありますとか、あるいはほかの行政手続といったところを効率的にやるという意味でも、そこを整備していくのは必須なのではないかなと考えています。

不動登記については大変重要な制度でございますので、ベース・レジストリの整備を進めていただきまして、スラッジをなくしていくということと、もう一つは、その際に、今回商業登記に関しては公信力があると私は理解していますけれども、不動産登記に関しては今までないというところも一つの大きなスラッジになっている可能性があると思いますので、その辺りについての整理でありますとか、あるいはデジタル時第の所有権変動時期などについても併せて整理をいただくことによって、一層デジタル完結を進めていただいて、社会全体のDXを進めていくような方向を視野に入れて、引き続き議論していただけるといいのかなと思っています。

少々夢みたいな話なのかもしれませんけれども、今日の第1の議題も、最初に出てきたときは、本当にこんなことができるのかみたいな話だったところが、皆様のご尽力の甲斐もあって現実問題相当進んでいるというところもあると思いますので、やってできないことではないと思うのです。ですので、こういう基盤的なベース・レジストリについては不動産登記も含めてどんどん進めていただいて、将来的によりデジタル完結し、DX化を社会全体で進めていくということをやっていただければいいのかなと思ったというところです。
どうぞよろしくお願いいたします。

安念副座長: 民法177条もついに改正されるかもしれないですね。すごい。
落合先生、お願いします。

落合構成員: ありがとうございます。

私も今回のこの取組は非常にすばらしいことだと思っております。基本的なまとめ方の方向性は非常に的を射た方向で議論がされていると思います。

商業登記につきましては、住民基本台帳のようなデータベースの法人版の役割を果たしているものでもあると思います。このため、使いやすいだけではなくて、一番基礎的な部分から整備をされていることが大事だと思います。その部分は謙遜して使いやすい部分からとおっしゃっていただいていたとは思いますが、基礎的な部分からしっかり取り組んでいただいていると感じております。

まずはできる部分からということで、さらに今後考慮していくべき点です。例えば14ページで具体的な項目の特定で、様々な分野で利用できると書いていただいているかと思います。こういったものの一つが、ワンスオンリーにするために大事なポイントとして、ベース・レジストリになる、特にマスターデータの部分の最新性をどう確保していくのかということがあります。データを取りに行かないと渡さないのではなく、プッシュ型のほうがよい場合もあるかもしれません。そうすると自動的に完結していく形になる部分もあると思います。そういった点もさらに追加の取組としてはご検討いただければと思います。

2つ目としては、税や社会保障、支援制度、給付支援、ログイン認証のGビズIDといった点で重要なものが並んでおります。それぞれIDがあると思いますので、個別の施策との関係で、施策のIDなどを整備していくこともあると思います。この辺りが適切にベース・レジストリから体系立てて連携され、個別の金額的にも影響がある、もしくは実社会で使われることが多い領域はしっかり紐付けされるような形で連携して頂ければと思います。もう既にこの図で示していただいているように思いますが、そうなるようにぜひ今後も進めていっていただければと思います。

最後に、法制的に一括でということもぜひ行っていただければと思います。また、稲谷先生も不動産という話をされておりましたが、今後の情報連携に当たってよく行政側の個人情報の整理で国自体のデータガバナンスも求められてくると思います。そういう視点での整理も、根拠法の整備等とともに、どういう形でガバナンスを体制化して正当化できる理由を整理していくのかは、ぜひご準備をいただければと思っております。

以上でございます。改めてすばらしい取組だと思います。

安念副座長: ありがとうございました。
続いて、岩村常務、増島先生の順番でお願いしましょう。

岩村構成員: ありがとうございます。
法人等の基本情報をベース・レジストリとして整備できれば、申請・届出の効率化が飛躍的に進むと思いますし、国民や事業者が利便性をダイレクトに実感できると思います。今日もご指摘がありましたけれども、将来の発展性も含めて、ぜひ進めていただければと思っています。

加えて、今日の前の2つの議題とも関連して申し上げます。私どもも節目節目で周知・広報にご協力させていただいておりますが、我々の作業部会での議論を含めて、デジタル臨調がどのような取組をしてここまで対応が進んだかということや、どのようなことができるようになったかの効果的な発信、分かりやすい発信は非常に重要だと思います。経団連としても工夫して発信しつつ、ご協力させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

以上です。

安念副座長: ありがとうございました。
増島先生、お願いします。

増島構成員: ありがとうございました。
これも先ほどの取組と同じように、まずやれるところから、また、具体的なやり方が分かるところからやっていただいているということかなと思っておりまして、どんどん早く進めていくという観点からもとてもよいことかなと思っている次第でございます。

このレジストリなどを進めていくと、不動産などは典型だと思うのですけれども、要するに便利になることによって困る人たちというのがいるのですね。多分ここの商業登記のところは会社のほうもやってほしいし、みんながやってほしい世界なので、嫌な人がいない世界だし、だからこそここから取り組まれようと思っているのだと思うのですけれども、滑らかになっていないことが稼ぎのネタになっている人たちというのが結構いまして、今回はそこを突破することの一段階なのだと思うのですね。その意味では、これを取り組んだことによって、金銭的な効果として相当負担が小さくなって、デスクワーカーがやらなくてはいけない手間が減るので、民間側と公共側の両方で相当費用節減になっているということが起こるのだと思うのですね。

そうすると、今回の取組によってどのぐらい効率化したのかというのが、推計でもいいですが、まさに費用の形で出るような形にして、それをマーケティングしていただきたいと思います。それを出すと、結局ほかのものをやりましょうといったときに嫌ですということをもっともらしい理由をつけて言う人たちが出てくるわけですけれども、それに対して、これをやると5000億円を節約できるのですよという話になったときに、あなたの売っているものというのは一体それだけの価値があるのですかという話ができるようになりますので、ぜひどれだけ節約できたのかというのを数字で、特にお金で見えるようなところというのを、もちろん正確ではなくていいですから、何らか目指していただくみたいなことを考えていただきたいですし、そういう制度マーケティングをぜひしていただけると、我々もこちらもやるべきだということがより言いやすくなってありがたいかなと思いました。

以上です。

安念副座長: ありがとうございました。数字が一番説得力がありますね。

それでは、今日ご出席いただいております関係省庁からもご意見を伺いたいと思います。事務局資料の16ページの「本日ご議論いただきたいポイント」について、それぞれ省庁のご意見を伺えればと存じます。私から指名させていただきますので、ご発言をお願いします。

まずは国税庁さんでございますが、法人課税の観点から、申請事項の簡素化や手続省略の観点や情報共有に当たって留意すべき事項についてご見解を伺いたいと存じますが、いかがでしょうか。

国税庁(村松課長): ありがとうございます。国税庁法人課税課長の村松と申します。よろしくお願いいたします。

本日ご説明がありました内容を踏まえまして、国税庁の見解を申し上げます。国税におきましては、法人の本店の所在地、事業年度について変更があった場合、法令上、異動届出書などの届出書を書面またはe-Taxによりまして電子的に所轄税務署長へ提出することとされております。異動届出書の提出について簡素化や省略化を実現するには、商業登記の情報を制度・組織間で共有しますとともに、共有された情報に関しては、変更届出等を行うことを要しないなどの制度改正が必要となると考えております。こうした制度改正が行われた場合は、法人の本店等の所在地の変更に関しまして、異動届出書提出の簡素化や省略化に向けた検討が可能であると考えております。

ただし、現状におきましては、本店等の所在地に変更があった場合、提出される異動届出書には変更後の連絡先の電話番号が記載されているところであります。仮に手続が簡素化されて異動届出書が提出されなくなった場合には、こうした連絡先を把握する手段を失うこととなりますため、簡素化や省力化の検討に当たりましては、当該連絡先の把握手段についての手当ても必要と考えております。

また、商業登記の情報を共有していく際には、更新の頻度が極めて重要になると考えております。例えば当局から処分性のある通知書を送付する場合におきまして、本店等の所在地に変更があったことを把握していなければ、当該通知書が返戻されることとなります。業務を遂行する上で支障を来すおそれがございます。そのため、提供を受ける商業登記の情報につきましては、日々情報が更新される必要があると私どもとしては考えてございます。

以上でございます。どうもありがとうございます。

安念副座長: 国税庁さん、ありがとうございました。

次に、厚労省さんに伺います。許認可制度所管の観点から、申請事項の簡素化、手続省略の観点や共有を行うための制度的措置、「できる規定」の創設も含めてでございますが、この点についていかがお考えでいらっしゃいましょうか。

厚生労働省(三木課長): 厚生労働省の食品監視安全課の三木でございます。ご説明を受けまして、厚生労働省としての所感をお話しさせていただきます。

私どもは食品衛生法に基づく食品等事業者の監視・指導に関する事務を所掌してございまして、その中で今回のお話に関連するものとしましては、営業許可や営業届出の制度といったものがございます。これは特に飲食店等で公衆衛生上著しく影響があるものについて、地方自治体の都道府県知事等が営業許可を出すという制度になっておりまして、食品衛生法で規定されてございます。

平成30年の食品衛生法の改正を踏まえていろいろ許可対象業種の見直しを行い、令和3年6月から施行されているという状況でございます。

また、営業許可の制度のほかに営業の届出という制度の創設も行いまして、営業許可業種と届出により食品等事業者全体の把握が可能となってございまして、事業者の情報に変更があれば、管轄の保健所にその旨を届け出なければいけないという制度体系になってございます。

また、私どもについてはこの施行に併せて「許可申請/届出」について電子申請を可能とするような食品衛生申請等システムというのを整備しておりまして、運用を開始しているところでございます。現在、改正前の食品衛生法に基づき取得した営業許可の有効期間等の経過措置期間中となっておりまして、まだ当面は移行期間中という状況となってございます。

こういった状況でございますけれども、本日ご説明いただいたようなベース・レジストリとしての法人基本情報の整備については、事業者さんが代表者を変更するといった場合の手続が簡素化されるということもございますし、自治体側にとってもそういった変更情報の確認をしなくてよくなるということであれば、非常に行政としても簡素化の効果が期待されるというところでございます。

また、制度的にも、今日お話をいただきましたようなデジタルの手続法において一括で整備をしていただけるということであれば、非常にスピード感を持って対応ができるのではないかと思っております。

さらに、一部委員の方からもご意見がございましたけれども、整備がされた際の各システムとの連携や予算の措置についても、デジタル庁主導でやっていただければ非常にありがたいと考えてございます。

私どもとしましても、引き続き積極的に協力をさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

以上でございます。

安念副座長: 厚労省さん、どうもありがとうございました。心強いお言葉をいただきましてありがとうございます。
それでは、次に経産省さんですが、デジタル手続法の観点から、共有を行うための制度的措置、「できる規定」の創設も含みますが、これについてどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。

経済産業省(酒井室長): 経済産業省大臣官房DX室の酒井と申します。本日はありがとうございます。

経済産業省におきましては、事業者向けの支援制度や許認可等を多数所管しておりますので、法人基本情報を組織間で共有することは業務効率化や利便性の向上などの点で官民双方で大変意義が大きいと感じているところです。

例えば、以前当省で所管していた手続においても、複数の制度で認可等を受けている事業者が法人名を変更した際に、その手続で漏れがありまして、発覚した際に多大な事務コストが生じたこともございました。ですので、当省としましても、法人基本情報の共有は事業者さんの利便性向上や我々自身の業務効率化だけでなく、こうした手続の不備の防止にも大いに寄与するものと考えております。

他方で、制度面での措置や情報連携の方式は、できる限り効率的なものであるべきだと考えますので、これも先ほどお話のあったデジタル手続法で一括でご対応いただくのは大変望ましいことではないかと思っております。

ワンスオンリー等の実現に向けて、本取組の進展に非常に期待いたしているところでございます。

以上です。

安念副座長: 経産省さん、どうもありがとうございました。

各省庁からのご意見をいただきました。大変参考になるといいますか、心強いお言葉をいただいたと認識しております。

既に11時30分を過ぎましたので、本日の議論はここまでとさせていただきたいと存じます。
先ほど稲谷先生から不動産登記に関するご発言がありました。この点については、次回作業部会において扱う方向で事務局でご検討をお願いできればと思うのですが、三島さん、いかがですか。

三島参事官: ありがとうございます。

不動産ベース・レジストリや、不動産の登記情報を不動産ベース・レジストリから提供を受けたアドレスベース・レジストリといったベース・レジストリについても、私どものほうで検討、整備などを進めておりますので、現行の不動産制度を前提とした不動産の項目を利活用した上での行政手続の効率化といったものについて、次回、整理をさせていただいた上でご報告させていただければと考えております。

安念副座長: ありがとうございます。その方向でぜひよろしくお願いいたします。
それでは、ご出席いただきました関係各省の皆様にはご退席をお願いしたいと存じます。お忙しいところ、どうもありがとうございました。

安念副座長: それでは、最後に大串副大臣より一言いただきたいと存じます。

大串デジタル副大臣: 構成員の皆様におかれましては、本日も積極的なご発言をありがとうございました。また、お褒めの言葉をたくさんいただき、本当に感謝申し上げます。

最初に、テクノロジーベースの規制改革の当面の進め方に関してご議論いただいたところであります。いよいよ補正予算を活用したテクノロジーマップ整備事業が始まります。各府省庁とも連携しながら、規制の見直しに資する技術の探索や検証を進めて、その結果を掲載したマップを公表するとともに、検証で判明した課題を克服する技術をさらに募ることで規制の見直しやイノベーションの好循環につなげていければと思っております。

次に、処分通知等のデジタル化に係る基本的な考え方についてご議論いただいたところであります。年度内を目標に、関係行政機関に対して本日ご意見をいただきました考え方を提示して、各府省庁と連携しつつ、申請から処分通知までのエンドツーエンドでのデジタル完結を着実に進めてまいりたいと考えます。

最後に、包括的データ戦略の具体化として、法人ベース・レジストリと制度的課題について、関係省庁の皆様にご出席いただきながら、基本情報の共有による申請事項の簡素化や手続省略の可能性、共有する項目や横断的な法律改正の方向性に関してご議論をいただき、また、問題提起もいただいたところであります。次回の作業部会におきましては、共有するデータの整備に求められる要件や提供主体の在り方についてご議論いただく予定ですので、引き続き積極的なご発言をいただきたいと思います。

本日もありがとうございました。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

安念副座長: 副大臣、どうもありがとうございました。
それでは、事務局より次回の作業部会の開催についてご説明をお願いいたします。

事務局(松田): それでは、次回の作業部会でございますけれども、3月28日10時からを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

また、本日の議事につきましては、公開になじまない内容はないと考えますので、後ほど議事録を作成し、皆様にご確認いただいた上で公開させていただきたいと思います。
本日の資料につきましては、特段のご異議がないようでございましたら、全てデジタル臨調のホームページにて公開させていただければと存じます。

本日はご参加いただき、ありがとうございました。

安念副座長: 18回の会議はこれで閉会いたしますが、今日は最初から最後まで興奮しましたね。とてもよい議論ができてよかったと思います。

それでは、皆さん、ありがとうございました。