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デジタル臨時行政調査会作業部会(第8回)

概要

  • 日時:令和4年4月20日(水)14時から16時まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1.開会
    2.議事
    (1)行政手続・官民取引のデジタル完結に向けて
    (2)一括見直しプランの骨子案について
    (3)意見交換
    3.閉会

資料

関連情報

議事録等

日時

令和4年4月20日(水)14時から16時まで

場所

オンライン会議

出席者

座長

  • 小林史明  デジタル副大臣

構成員

  • 安念潤司(弁護士 中央大学大学院法務研究科 教授)

  • 稲谷龍彦 (京都大学大学院法学研究科 教授)

  • 上野山勝也(株式会社 PKSHA Technology 代表取締役)

  • 落合孝文(弁護士 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業)

  • 菅原晶子(経済同友会常務理事・政策統括)

  • 根本勝則(日本経済団体連合会専務理事)

  • 増島雅和(弁護士 森・濱田松本法律事務所)

事務局(松田): それでは、第8回デジタル臨調作業部会を開催いたします。

なお、小林副大臣におかれましては、所用により、途中で出席されるということと、菅原構成員におかれましては、所用によりご欠席と伺っております。

これより、本日の議事に入らせていただきます。
以降の議事進行につきまして、安念副座長にお願いいたします。
安念先生、よろしくお願いします。

安念副座長: 皆さんこんにちは。
よろしくお願いいたします。

第8回の議事でございますが、一つ目が「行政手続・官民取引のデジタル完結に向けた取組」、2つ目が「一括見直しプランの骨子案」でございます。この2つについて、事務局によるご説明を予定しております。

なお、会議の途中で、5分ほど休憩を挟ませていただきたいと存じます。

まずは、事務局の楠目企画官より、一つ目の議題、「行政手続・官民取引のデジタル完結に向けた取組」について、ご説明をお願いいたします。

事務局(楠目): それでは、資料1につきまして、ご説明させていただければと思います。

1ページ目、経済界からの要望についての資料でございますが、デジタル臨調事務局では、昨年12月にデジタル原則に適合しない規制や制度につきまして、経済団体等にアンケートを行いまして、経団連をはじめとした産業界から約1,900件の要望をいただいております。

作業部会でもご議論いただいております先行の7項目以外の要望につきましては、多種多様なものが含まれているところでございますが、可能な限り類型化を行いまして、多様な検討を進めている状況でございます。

資料の枠内でございますが、要望の全体像を示したものになりますが、左の枠が「行政手続」右側の枠が「行政手続以外」の要望となっております。

その中で、左側の欄の「行政手続」の中でも、行政手続に書面や対面の規制が残っていることにつきまして、相当数の要望が寄せられている状況があるところでございます。

2ページ目、行政手続のデジタル化の現状等について、整理したものでございます。

行政手続につきましては、国民から行政への申請の場面と、行政から国民に文書等を交付する場面とがあるわけでございますが、左上にございますように、近年、規制改革の観点から、申請手続等のデジタル化を中心に取組が進められてきているところでございます。
また、左下は、先ほどと重複いたしますが、経済界からも書面規制へのデジタル化を求める要望が多数寄せられている状況でございます。

こうした背景を踏まえた状況につきまして、右上の表は令和2年3月時点のデータとなりますが、大規模な手続のオンライン化の状況について見てみますと、申請手続については、オンライン化が一定程度進んできている状況である一方で、交付の手続につきましては、オンライン化の割合が低い率にとどまっている状況でございます。

右下の部分ですが、具体例として、交付手続と課題の例を記載してございますが、例えば自動車税とか外国人の上陸許可、国庫金の振込通知などで書面での交付手続が残っているところでございます。

また、各省から事前にヒアリングをしたところによりますと、証明書類などでの真正性の確保や、地方自治体が関わる手続で、共通情報システムの活用ができないといった課題とか、こちらには記載できておりませんが、手数料の納付で窓口に来るので、オンライン化の意味がないといった理由が挙げられたりしているところでございます。

こうした課題につきましては、新しい技術の活用やシステム整備等で対応できるものもあると考えられるところでございますが、いずれにいたしましても、デジタル原則を踏まえた、申請から交付までのデジタル完結の実現に向けましては、さらなる対応が必要な状況であるところでございます。

3ページ目、行政手続のデジタル完結に向けて、経済界要望にありました課題と、デジタル原則との対応、また、考えられるソリューションについて、「申請」「審査」「交付」の各段階での整理を試みたものでございます。

例えば、一番下の「交付」の欄の右側にございます、官から民と書いてあるところですが、官から民への交付・通知に書面が要求されるという課題については、デジタル原則の①に該当しまして、e-Gov等の機能の充実というソリューションが考えられるということでございますとか、本人確認や真正性の確保がネックになっているという課題については、トラストサービスの活用推進によるソリューションが考えられることなどを表しているものでございます。

さらに整理が必要な部分もあるかもしれませんが、こうしたことを念頭に置きつつ、行政手続のエンド・ツー・エンドのデジタル完結に向けて、ルールや慣行の見直し、業務のDX、システム整備を一体的に進めていくことが不可欠と考えているところでございます。
4ページ目、以上のような背景・課題の整理を踏まえまして、デジタル原則を踏まえた行政手続の推進に向けた今後の対応についてでございますが、大きく3点から進めさせていただければと考えております。

1点目は、「e-Gov等の共通情報システムの重点整備及び利用の促進」でございます。

申請・審査・通知の一連の手続のオンライン化対応など、e-Gov等の共通情報システムの重点的な整備と利用の促進により、各省庁の取組を後押ししたいと考えているところでございます。

この点につきましては、デジタル庁内の関係者と連携いたしまして、機能拡張の可能性を含めた対応について検討してまいりたいと考えております。

2点目は、「利便性・利用率の向上に向けた先行事例の構築、類型の提示」でございます。
大規模手続を中心にヒアリング等を行いまして、好事例や共通課題の分析を踏まえた先行事例の構築や類型の提示等を実施してまいりたいと考えております。

具体的には、API連携やID共通化などの先進的な取組事例の情報提供、また、各種ガイドラインの整備などによりまして、行政手続のデジタル原則への適合を推進してまいりたいと考えております。

3点目は、各省庁におけるDXの推進でございます。

各省庁におきまして、必要な法令上の措置や業務のDXを進め、システム面ではe-Gov等の活用促進により、原則として全ての手続のデジタル化対応を実施できるよう、要請等をしてまいりたいと考えております。

また、行政手続のエンド・ツー・エンドでのデジタル完結に加え、情報連携等によるワンスオンリー化やワンストップ化など、デジタル原則を踏まえた取組が推進されるよう、取り組んでまいりたいと考えております。

5ページ目の資料は、参考資料になりますが、こちらについては、3月末のデジタル臨調の会合で、行政手続の申請・届出・交付・通知の検討の方向性についてご審議いただいた際の資料でございます。

本日は、こちらの方向性も踏まえまして、より具体的な対応方針についてご審議をお願いしている状況でございます。

6ページ目、議論のご参考に、具体的な交付の手続について、件数の多いものから整理したものでございます。

まず「申請に基づく交付手続」についてでございますが、上から件数の多い順に並べています。例えば1番は、商業登記法に基づく電子証明書の確認の通知。2番と6番にありますように、関税法に基づく輸出入の許可。3番、4番にございます自動車税、軽自動車税の納税通知書。5番にございますように、外国人の上陸許可。その他、雇用保険等の労働関係の手続といったものが件数が多いものとなっているところでございます。

これらの申請に基づく交付の手続につきましては、これまでの取組もあるところでございますが、順次、オンライン化が進んできている状況が見られるところでございます。

7ページ目こちらは、申請に基づかない交付、行政から一方的に通知を行う交付手続になっております。

1番目の都市計画税の徴収。2番の確定申告等での税金の還付金等の通知。3番の職業紹介時の労働条件の明示。4番、5番の道路交通法関係の違反者への告知等。7番、9番にありますように、行政手続法、行政不服審査法関係の通知等が件数の多いものとなっているところでございます。

「申請に基づかない交付手続」につきましては、まだ検討が各省で十分に進んでいない状況もありますが、様々な性質の手続がございますので、今後、手続の性質に応じて、整理・検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

以上のような現状や課題等を踏まえ、行政手続がデジタル原則に適合するよう、4ページにありましたような対応を進めてまいりたいと考えてございますので、ご意見等をいただければ幸いでございます。

安念副座長: 楠目企画官、どうもありがとうございました。

それでは、楠目企画官からのご説明に対してご意見、ご質問等がある方は、ご発言をお願いいたします。

まず、私から伺いたいのですが、申請のことはともかくとして、交付のほうはなかなかデジタル化が進まないのは、前から指摘されていたことですが、先ほどの手数料の納付と抱き合わせみたいになっていることもあって、なかなか一筋縄ではいきかねる気がする。

それから、申請するほうは、それぞれの役所のホームページとか何かからアクセスするという方法が割に簡単に取れそうな気がするのですが、交付となると、交付される相手方の私人がどういう情報環境にあるのかも様々なものだから、どのように打ち返せばいいのか分からないということも多々あるとは思うのですが、事務局としては、大体どういう戦略で攻めていけばいいと考えていますか。

事務局(楠目): ありがとうございます。

安念先生がおっしゃっていただいたとおり、様々なものがございまして、それぞれネックになっているところも違うところがあるのでございますが、例えば証明書の交付みたいなものは、これまでカードのような形で証明書を交付していたものを、新しい技術を生かして、アプリみたいなもので交付することを検討している省庁とかもございますし、手数料の納付について、キャッシュレスの形で進めようというところもございます。

そういった形で、従来できなかったことができるようになってきているところもございますので、そういう先行事例みたいなものを幾つか示していく中で、その横展開を図っていくことが一つあろうかと思います。

いろいろと先行事例があればできると言っていただける省庁もたくさんございますので、そうしたことを進めることと、あとは地方公共団体が関わっている手続でありますとか、独立行政法人が関わっている手続は、それぞれの数はそんなに多くなくて、費用対効果があまり上がらないところもあるのですが、まとめると結構な件数になるところがございます。そういったもので政府共通システムと地方公共団体をつなげるようにする動きとかもいろいろとあるところでございますので、そうしたシステムの動きと合わせて、各省庁の取組とうまく連動していけば、お互いに進めていくことができるのではないかと。

まだ抽象的で、これから具体的にいろいろと検討しなくてはいけませんが、大きな方向として考えているところでございます。

安念副座長: ありがとうございました。

とにかくネックを洗い出して、先行事例というか、ベストプラクティスも蓄積して、そのネックを今までの経験からどれだけ解消できるのかということを同時に進めていく必要がどうやらありそうですね。

根本さん、よろしくお願いします。

根本構成員: ありがとうございます。

ただ今の交付手続のお話ですが、全体がそろってからということになりますと、いつになってもやりませんという話になりかねませんので、電子的な指針が有効となるように、できるところからどんどんお進めいただければと思います。

私自身、住民票をコンビニに取りに行くだけでも面倒くさいたちで、なぜ自宅のプリンターではいけないのか、いまだによく分からないところでございます。

また、個人の認証に対する考え方は、全部トラストサービスで解消という形になっているのですが、これをどういう形でつくり上げるかが、重要なカギを握ると思っております。

デジ庁としてどのようなトラストサービスを想定されているか、つまびらかに存じませんが、省庁や自治体によっては、「トラストサービスをトラスト(信頼)しない」ところがきっと出てくるのだろうと思うのです。

対面以上の真正性を持ったものはないと公におっしゃっている役所、あるいはサムライ資格を持った方もいらっしゃいます。そういう方々に対して、ある種強行法規的に、「これは本人の証明として、法的には十分なのです」と、どこかでお墨つきを与えることも必要かもしれないと思っております。

したがって、3ページに「トラストサービス」をお書きいただいていますが、先ほど出ていた今後の進め方のところにも、個人認証や本人の真正性の証明等について、もう一つ横串を通した対策が何らか必要になるのではないか。そうでないと、どこかでまた行き詰まるな、という感じがしております。

安念副座長: 楠目企画官、いかがですか。

確かに、最後の締めの部分だから、ここが抜けてしまうと、結局、完結しないですね。

事務局(楠目): ありがとうございます。

資料でございますが、全て書き切れていないところもございます。
トラストサービスを使った保証でございますが、今いただいたご指摘も含めて、幅広い形での検討をしていきたいと思います。

また、今後の対応のところは、横串を通した対策が個人認証等について必要ということについて、ご意見を踏まえて少し盛り込むことを検討してまいりたいと思います。

どうもありがとうございました。

安念副座長: ありがとうございます。
根本さん、いかがですか。

根本構成員: よろしくお願いします。

結構です。

安念副座長: ありがとうございます。

私は、もう一つ伺いたいことがあるのですが、4ページ目「各省庁におけるDXの推進」なのですが「各省庁において」とは、各省庁にある程度委ねるということなのですか。

今までだと、各省庁に委ねると、部分最適というか、組織最適というか、そこでの伝統的な業務の在り方にDXを合わせるという方向にどうしてもなりがちだったように思うのですが、ここでの「各省庁におけるDXの推進」は、具体的なところまでは決まっていないのは当然だと思うのですが、どういうイメージで考えたらよろしいでしょうか。

事務局(楠目): ありがとうございます。

先生方のご指導等も踏まえて、これから検討していかなくてはいけないところだと思うのですが、まず、大前提として、各省庁で取組を担当している立場でそれぞれやっていただけねばならないところもあるのですが、縦割りになってしまうと、他省庁の好事例とかを取り入れたりがなかなかできなかったりするところもあると思います。

4ページ目に記載しておりますAPI連携、ID共通化は、かなり進んだ事例だと思いますが、先進的な取組事例とか、ほかの省庁でこういうことをやっていますよということをお示ししていったり、政府共通システムの中で、もう少し機能を充実させたものを活用してもらうことも進めながら、また、各省庁の取組の状況のフォローアップとかもしながら、少し各省庁の取組を後押ししていく形が考えられるかと思っているところでございます。

安念副座長: ありがとうございました。
全ての既存のシステムを一斉に更新するのは、できることではないので、API連携などとここに書いておられますが、やはり鍵になってくるのだろうなと、当たり前の話なのですが、つくづく感じました。

落合先生、どうぞ。

落合構成員: ご説明ありがとうございます。ぜひ積極的に進められればと思います。

私から2点ほどでして、一つ目が、自治体の関係はなかなか手出しができないので、進めないというお話が出ることがあるということでしたが、ちょうど直近で、規制改革会議の医療・介護ワーキング・グループで、介護について、手続はローカルルールの様式を整理する話を厚労省と行うために、分権室や総務省も参加の上で会議を行いました。

そういった様式等を統一することは、別に分権であったり、地方自治に特に反しないことを確認しながら進めさせていただいております。厚労省は、省令改正を行うことも含めて検討すると言われていることがありましたので、デジタルワーキング・グループでもいろいろと進めていただいていますが、規制改革で進められている中では、比較的進んだ取組になっていると思います。

まだ多数事例が集まっているというほどではないですが、書面や押印についても、一、二例最初に行った見直しを横展開する形で行っていますので、ぜひ先例として育てていくという意味で、それも参考に取組を進めていただければと思います。

結局は、国自体よりも、自治体での手続のほうが国民生活、もしくは事業者の事業にとっても特に影響が大きいと思いますので、ローカルルールの統一の辺りは、ぜひそういった事例も参考にして進めていただければと思っています。これが1点目です。

2点目が、先ほど根本委員もおっしゃっていましたトラスト、本人確認の点についてです。

この点については、直近の規制改革推進会議でも、例えばデジタルワーキング・グループにおけるパスポートの交付の話でも、マイナンバーでどうなのかと議論いたしましたし、規制改革推進会議で出てくることが比較的多いように思っております。

これについては、デジタル庁の中ではトラストワーキング、もしくはデータ戦略のほうで議論されていると思いますが、ここの目線感というか、水準感をしっかりと合わせていくことは大事と思います。

一つの考え方としては、まず、対面とデジタルとで、急にデジタルになったから規制強化になるようにしないことがあります。また、同じようなレベルのプロセスはどういうものなのかという整理を、デジタル臨調なのか一緒に密接に検討するワーキング・グループなのか、いずれか早い段階で明確にして進めていくことが、作業を効率化する意味で非常に重要だと思います。本部会で具体的に整理するかどうかはともかく、ぜひデジタル庁のどこかの会議体で早急に進めていただければと思っております。
以上です。

安念副座長: 落合先生、ありがとうございました。

事務局から何かコメントがあれば、お願いいたします。

事務局(楠目): ご指摘いただきまして、ありがとうございます。
規制改革推進会議等でつくっていただいている先行の事例等は、ぜひ参考にさせていただいて、これから進めてまいりたいと思います。

また、トラストサービスに関して、関係部局や関係の会議体との連携や役割分担について、よく留意しながら進めていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

事務局(松田): 1点だけデジタル庁の中との連携のところを少し補足させていただきますと、まず、デジタル庁の設置法でID認証に関する企画立案とか基本方針を定める権限は、デジタル庁に集められています。

トラストサービスについても、電子署名法等を含めて、もともと複数省庁がばらばらで持っていた制度がありますが、これも基本、デジタル庁が担うことになっています。

そういう意味で、そうした法律も含めて、権限を持った以上、しっかりと責任を果たしていかないといけないと思っています。

実際に、トラストワーキングのチームからもデジタル臨調事務局に相談が来ていたりしていまして、具体的な課題を特定しつつトラストサービスを議論していくことが重要ということで例えばデジ臨とか規制関係からどういう課題が出てきているのかを把握した上で、どういうトラストサービスを設計していくのかという議論をしていくことも重要です。

各国でトラストサービスの事情とか背景が違うところもありますので、共通的なところと日本の状況に応じたところで設計していく必要があるかなと思っています。

もう一つは、本人確認のところもデジタル庁が基本的な企画立案をすることになっています。例えば本人確認のガイドライン、身元確認のガイドラインは、ご案内のとおり、行政手続に限定してどの本人確認、身元確認をしていくのかを整理したガイドラインがあります。規制の対象に関してもそうしたものを活用するニーズもあると考えています。今起こってきている課題は、その本人確認・身元確認の部分でかなり課題が出てきているのかなと思っています。

そこをデジタル臨調、デジタル庁、規制室も含めて、今、安念構成員がおっしゃったように、どのように全体の整理、課題とソリューションを出していけるのかというところはすごく重要だと思っていまして、それぞれのチームが少し議論を始めているのですが、より本格的に取り組んでいく必要があるかと思っています。

以上です。

安念副座長: ありがとうございました。

落合先生、第1の点で厚労省が省令改正などを検討しているというご指摘をいただきましたが、具体的には、何をどのように改正しようというお話なのですか。

落合構成員: 資料投影の準備いたしますので、次の先生が発言した後にもう一回当てていただければと思います。

安念副座長: ありがとうございます。
それでは、増島先生、お願いいたします。

増島構成員: ありがとうございます。

今、ここでこの議論をしているものが、何となく例の点検とか何とかをやって、今、こういうところに来ているから、こんな目線で、こんなアプローチになっているのかなというところも少しあるのですが、全くカスタマージャーニーが見えないというか、行政手続をデジタルでやるときに、数年前に言っていたワンスオンリーやワンス何とかを実現するのがゴールなのですね。

それを考えたときに、エンドユーザーは画面の前にいる前提なので、そこにいるのは、個人の場合と事業者の場合はそれぞれあるのだと思うのですが、一体どんなカスタマージャーニーが想定されて、こうなっているのかが全然分からないのです。

例えば僕らは入札を出しますと言って、お役所に出す。

入札は、皆様札を募集するほうだけで、札は僕らが入れているのであれかもしれないのですが、めちゃくちゃひどいエクスペリエンスになります。こういうのがスムーズにいくねという結果を確保することを考えたときに、今のこの課題感の提示で、一体どこにたどり着くのかがよく分かりません。

もう一つあるのが、同じ話の具体例ですが、例えば規制改革推進会議だったか、どこかで話したことがありますが、道路の使用許可が取りたいですという話になったときに、国交省へ行って、警察庁に行って、地方自治体に行ってみたいな話で、全部それぞれ手続がばらばらですと。デジタル化です、それぞれのページに行ってそれぞれやってくださいというのはナンセンスだということなのです。

少なくとも民間でそのサービスをつくる人からすれば、そんなのはあり得ないとなるので、一個のところで完結しなければいけないということになるのですが、この検討の中で、そういうものが一体どういう問題意識の中ですくい取られているのかが、このペーパーから全然見えないなと思いました。

行政手続そのものは、手続自体が法律に書かれているものは、交付や書面とかは若干あるので、そういうのは何とかしなさいという話だと思うのですが、それ以外については、手続は、別に法律に書いてあるわけではなくて、内部ルールで勝手にやっているものが多いのだと思うのです。

今やっている内部ルールをただデジタルにしましたというだけだと全く意味がなくて、椅子に座って、画面があって、この画面でいかに手数が少なく目的が達成できるかに本質があると思いますので、そういう状態をつくり上げるために、どのように今後の対応なのか、課題なのか、Phaseなのかを切って、たどり着くのをやらないといかないのではないかと思います。もし問題意識の捉え方が違っていたら、ご指摘いただきたいと思いました。

安念副座長: ありがとうございました。
今回のご報告は、どちらかといえば、今、増島先生に使っていただいた言葉を使えば、デジタルオンリーのほうに重点があって、ワンスオンリー、その他何とかオンリーのほうは今後の検討課題かなという気はしたのですが、事務局、何かご見解があれば、お願いいたします。

事務局(楠目): ご指摘いただきまして、ありがとうございます。

「経済界要望の全体像」という1ページ目の資料ですが、今回、まずもって背景として、経済界からの要望の中で、書面や対面の規制はまだ多く要望があるということでございまして、特にその中でも、申請はデジタル化されたのだけれども、申請を電子化しても、結局、取りに行かないといけないとか、交付についても併せてデジタル化をしてもらわないと、利便性がまだ高まらないということも数多くございましたので、まず、それに対応するために、文書の交付の部分にも着目して、取組を併せて進めていこうというところでございます。

それによって、使用者側の利便性、例えばデジタル原則の1番目の原則にもございますがエンド・ツー・エンドでデジタル完結することになりますので、デジタル原則に適合することに一つ重点を置いているところでございます。

一方で、今ご発言いただきましたように、道路使用の許可で警察に行ったり、道路部局に行ったりといったことについては、今回とは少し外れるのですが、左下の【テーマ別】にございますが、例えばモビリティ関連や人事・総務関連とか、テーマごとにいろいろな課題をまとめて対応していくこともこれから進めていきたいと考えているところです。

4ページ目少し前の図表のところで、オンライン化自体がまだできていないものが結構あるということも背景にありますが、まずはデジタル完結を念頭に置いて、それと併せてご指摘いただいた業務のDX化、システム面をセットで進めることが大事でございますので、先進的な事例の把握等に努めていまいりたいと思います。例えば、ドローンの許認可など、完全にシステムでの対応ができて、証明書もデジタルで発行されるような新しい事例も出てきていますので、そういったものを横展開していく中で、業務自体の在り方、改善も含めて、各省庁に取組を進めていただく形で進めていこうと考えているところでございます。

まず、課題が数字的にもかなり見られる交付手続に着目して、今回、ご説明させていただいたところでございます。そういった意味で、かなり手前のところの議論で、先のことを見据えてということが少し弱かった部分があるかもしれませんが、当然、行政手続全体のデジタル原則への適合を見据えながら取組を進めていきたいと考えているところでございます。引き続きご指導等をいただければありがたいと思います。

よろしくお願いいたします。

安念副座長: 増島先生、いかがですか。

増島構成員: これがまさに罠だと思うのですが、まず、交付をやりましょうと言って、交付のシステムをやりますという話になって、何か変な垂直なものをやりますね。その後、どうやってほかのシステムと連動していくのですかという話になるわけではないですか。

多分、今の発想は、デジタルですごくやってはいけないパターンなのではないかという感じが僕はするのです。

リープフロッグは難しいのですが、分かります。分かるのですが、一段階一段階行くにしても、次の段階はこうなるという全体像があって、次の段階をやらないと、つくったものが次の段階に進むときの障害になるということが起こるわけではないですか。そこは、今、どれだけ意識されているのだろうかというのがよく分からない。

ここに問題意識を感じたということなのですが、上野山さんも手を挙げていらっしゃるので、もしかすると上野山さんがこういうところで何かご意見があるのかもしれないので、僕からはそういう問題意識でしたということだけお伝えします。

安念副座長: ありがとうございました。

では、落合先生にご発言いただいてから、上野山様にご発言をいただきたいと思います。

まず、落合先生、お願いいたします。

落合構成員: ありがとうございます。

それでは、投映させていただきます。

こちらは、現時点ではまだウェブに掲載されていないので、今後、速やかに公表されると思うのですが、既に提出した意見です。メディヴァの大石さんと一緒に意見書の形で規制改革推進会議のワーキングに提出しております。

介護分野におけるローカルルール等による事務手続負担の抜本的軽減に向けてということで書かせていただいております。その中で、こういった様式、添付書類の統一などで、省令で様式を規定して、原則としては個別の様式を定めないようにすることなどを提案しております。

これについて、分権室や総務省からは特に問題があるとは言われていない状況であり、厚労省のほうもご検討いただける方向で会議でのやり取りを行っております。

ただ、ここのいろいろなやり取り自体は、本作業部会自体が直ちに公表されることがない予定ということなので、発言しておりますが、資料自体は、内閣府のホームページに公開準備中のようですので、この資料自体を公表する際には、前後関係を踏まえ、取扱いにご注意いただければと思っております。

以上です。

安念副座長: ありがとうございました。

当然のことですが、取扱注意の点も含めて、事務局には、規制改革の事務局とも連携していただくことになろうと思います。
どうもありがとうございました。

上野山先生、さっき増島先生のご指摘もありましたが、ご意見を承りたいと存じます。

上野山構成員: 上野山でございます。

では、増島さんから言及いただいた点は重要だと思うので、関連したコメントをさせていただければと思います。デジタル化度合いにもレベル1、レベル2、レベル3みたいなのがあって、既存のオペレーションのどこまでをデジタル化する変数と捉えて、どこまでは変数ではなく、定数で変わらないものであると捉えるかによって、デジタル化のレベル感は多段階的に設計できます。

増島さんのご指摘は、表層的な部分だけを変数と捉えて、大事な部分が変わっていないのではないのというご指摘だと思うのですが、どこまでを変数、定数と捉えるかに対して、の共通認識を作ることが重要だと思います。

例えばレベル1で一番簡単なところでいうと、紙をやめてデジタル化しようというのがレベル1だとして、早くできるのがいいねということかもしれない。レベル2とかを考えていくと、増島さんがおっしゃったように、いわゆるユーザーエクスペリエンスみたいな、ユーザーが申請するときのフローをちゃんとデザインして、それに合わせる形でデジタル化しようねというのがレベル2と定義したとして、レベル3、レベル4ともっと高次元のデジタル化を考えていけます。例えば省庁の中で申請を受ける人のプロセス自体をデジタルでリデザインしていくレベルに変数のスコープもあげれます。このレベルつまり変数のスコープをさらに上げていくと、そもそもの省庁の縦割りみたいな構造全体も含めてデジタルでリデザインみたいな短中期で実効性がない議論まであるわけです。なので、デジタルのデザインは、別にソフトウエアに閉じた話ではなくて、人とソフトウエアが協調動作しながら人も情報システムの一部として動いていると捉え、今回、どこまでのスコープをデジタル庁で動かそうとしているのか、変数と捉えるのかに対して、共通認識みたいなものが一定形成しておくことが重要だと思います。

現実的な答え仮説の一つとしては、ユーザーから見たときのプロセスぐらいは、今回の話においても考えて、共通化したほうがいいねというところに落ち着くのかなと思いました。

加えて、今回、デジタル完結しようねと進めているわけですが、素朴に紙をなくしてデジタルオンリーにすることによって出てしまうデメリットみたいなものは、本当はないことはないはずです。例えば本人確認の話とか真正性の証明等、幾つかあると思うのですが、紙であるからよかった、それをデジタル完結することによって、ちょっと注意したり、工夫しておかないとまずくなってしまう点は、留意すべきかと思いました。
以上です。

安念副座長: ありがとうございました。
事務局からまず、2個目のご質問から回答をお願いいたします。
デジタル化によるデメリットは、ちゃんと斟酌しているのかというお話でした。

事務局(楠目): ありがとうございます。

交付手続に関しては、今、事前の各種ヒアリング等を進めていく中で、こういった課題があることは種々伺っているところですが、課題の整理等はこれからさせていただく段階でございます。

申請については、これまでも規制改革等の関係で進めてきた過去の積み上げとかがあると思いますので、そういったものを参考にさせていただきたいと思っておりまして、今、直ちにこういった整理したものがありますということをお示しできる状況ではないのですが、これまでの取組に参考になる情報等があるものと考えておりますので、十分に先例を参考にしながら検討を進めていきたいと考えているところでございます。

安念副座長: 第1の点はいかがでしょうか。
何を変数とするのか、あるいは何を目標とするのかですね。
これについての絵があると考えればいいのですか。どんなものでしょう。

事務局(楠目): ありがとうございます。

ユーザー側というか、申請する側、国民や企業の側の見方もちゃんと考えることや、各省庁のシステムのフローの見直しが必要ということは、これから共通のシステムを構築していく中で、どういった機能をつくって、どういうフローにしていけばいいかといったことを、これからデジタル庁でも検討することになるものと考えております。

資料等でそういう観点が抜けていたことは、ご指摘いただいてよく分かりましたので、そのような点も含めてまた充実させていくようにさせていただきたいと思います。

事務局(須賀): 資料の4ページに、キーワードとしてe-Gov等を掲げ、デジ庁内の関係者と今後議論していきますとしているところに私たちは万感の思いを込めているのですが、まさに、窓口が幾つもあるとか、サイトが幾つもあるとか、ログインを何度もしなければいけないとか、一度出した書類を隣に出すのにもう一回こちらで手続しなければいけないとか、あらゆるナンセンスなことが起きているわけです。

経済界からいただいたご要望も、一つ一つは、本人確認をデジタル完結してほしいとか、様式がばらばらであるというふうにご懸念を表明していただいているのですが、私たちとしては、それは一気通貫のことだと理解していますと3ページでお示ししたつもりです。

デジタル原則を徹底しようとしますと、例えば同じ情報をいろいろな役所に出せと言われている場合には、初めの申請の画面で、関係省庁にチェックさえつけていただければ、自動的にその情報が当該省庁に共有されるという設計も当然できるはずだと思います。ユーザーエクスペリエンス、フロントサービスの設計をどうしていくのかというところの哲学から一緒に考えないと、ルールだけ変え、デジタル完結できるようにしましたと言っても、結局、不便だからオンライン利用率が上がらないということをこれまで何度も繰り返してきたとの教訓もございます。そういう意味で、行政手続のデジタル完結のためには、デジ庁本体と一緒にシステムの設計思想とか哲学を考えるところからやらざるを得ないと腹をくくりました。これから中でよく調整していきたいと思っております。

安念副座長: ありがとうございました。

共通のプラットフォーム、一発で事が進む世界ですね。
増島先生、どうぞ。

増島構成員: どこを誰が担うのか。

インターフェース論はいつもそうなのですが、役所がつくるよりも、民間がつくったほうがいいのではないかという議論が必ず入ってくるのです。

もちろん、役所の公式版があってもいいけれども、それよりももっと便利な民間版が出てきて、みんなそっちを使ってくれるみたいな話も起こり得るような仕組みをデジ庁と一緒に構想していただきたいと思いますし、今、須賀さんにおっしゃっていただいたとおり、ここはルールの問題ではなくて、システムの問題なので、システムというところをもう少し前面に打ち出したTodoといった、あるべき行政手続の話をできるといいなと思いました。

ありがとうございます。

事務局(須賀): 本当におっしゃるとおりで、APIをしっかりと切って、国民、事業者がふだん使い慣れたUIから入っていっても手続ができるのが当然理想だと思います。それがデジタル原則③の官民連携原則で言っていただいたことだと思いますので、当然、それもしっかりと反映していくということだと思っております。

増島構成員: ありがとうございます。

安念副座長: ありがとうございました。
稲谷先生、お願いいたします。

稲谷構成員: 増島先生のお話やここまでの議論と関連して、恐らく、今回、ルールの側で一番問題になるのは、情報の共有を進めていく上での、目的外利用規制に関する整理が入っているところだと思います。

もし今回の改革で、データガバナンス及び個人情報保護に関しても、これらをどのような目的で、また、どのような形で進めていくのかについて、正面から深く取組むのであれば、それらは、今回のデジタル化のターゲットと整合的に、つまり、デジタル化をどのような目的で、どのように進めていくのか整合的に進めていく必要があると思います。というのも、この点が曖昧なまま、結局、ボトルネックとしてデータガバナンスや個人情報保護に関する法規制のほうが残ってしまい、更なるデジタル化のステップに進めないという話になると、すごくもったいない話になってしまうからです。ですから、ここは両者をにらみながら、きちんとそれぞれの目的に合わせて、整合的に法制度を全体として整備していく形でやらなければいけないと思います。

そういった観点から見たときに、目的外利用規制等の整理と書かれていることの具体的な中身として、現在、どういうことをお考えになられていて、どこまでのことを将来的に見据えてやろうとされているのかをお伺いできればと思います。

安念副座長: ありがとうございました。

現時点で何かご見解がおありであれば、伺います。

事務局(楠目): ありがとうございます。

こちらの部分については、具体的な検討はこれからになるところでございます。

先生がおっしゃっていただいたように、システムと規制、業務の在り方、フローとかを一体的に見直すことをこれから進めていきたいと思いますので、引き続きご指導等をいただければと思います。

稲谷構成員: 承知いたしました。
ありがとうございます。

安念副座長: ありがとうございました。
落合先生、お願いいたします。

落合構成員: 先ほど増島先生が最後に議論されていた点と関連してです。今日、デジタルワーキングの規制改革の会議も行っておりまして、その会議で公正取引委員会との関係で議論した事項があり、システムの疎結合化や標準化というお話をしていました。

一方で、そのほかの議題では、猟銃に関する議題も議論しておりまして、そちらでは、瀧専門委員などが、むしろ猟師の方が使われているアプリ等で場所等の必要な情報の報告をできるようにすれば良いのではないかと指摘されておりました。まさしく機能だけを取り出して、疎結合できるようにすれば、そのほうが行政ですべて開発するより良いのではないかという議論もされていました。

いろいろなところで議論が散在しているので、一部を切り出すと、どこを目指しているのかわからないという課題に直面することがありますが、システム自体の設計をどのように行っていくか、そこで官民連携をどのように行っていくのか、また目の前にはどういうサービスや社会実態があるかも理解することが大事だと思います。

社会実態を踏まえないと、最終的にワンスオンリーには届かないと思います。疎結合化などは、先ほど須賀さんもお話しいただいた原則③等に含まれてはいると思います。ちょうど今日も、そのような議論もありましたので、ぜひシステム自体の話とも連携して進めていただきたいと思いました。

以上です。

安念副座長: ありがとうございました。
よろしゅうございますか。
どうもありがとうございました。

この作業部会は、法律家の含有率というか、濃度が非常に高い部会なのですが、それにもかかわらずというのか、だからこそというのか、もちろん、ルールはルールで大切なのだが、ルールよりも、さらにシステムというか、あえて言えば機械というか、そういう話なのではないかと議論が移っているというのか、そこにスポットライトが当たってきたのは、私としては大変興味深い現象だなと思って、今までの議論を伺っておりました。とても有意義なご発言をいただいたと思います。

ありがとうございました。

それでは、議題の第2でありますが「一括見直しプランの骨子案」でございます。
いいですか、プランの骨子案ですよ。これを検討の対象といたしたいと思います。
松田参事官よりご説明をお願いいたします。

事務局(松田): ありがとうございます。

では、私から「一括見直しプランの骨子案」ということで、日程としては、5月末までに一括見直しプランをまとめろというのが総理からのご指示ということもありますので、今、それに向けて検討してございます。

今日はあくまで骨子でございますので、もっとこういう観点を入れるべきとか、ここがそもそも違うのではないかといろいろとご議論いただいて、ご指摘いただければと思っております。

「1.アナログ的な規制の見直し」でございます。

今、作業部会でも、先行的に各省のヒアリングを含めてやっていただいているところでありますが「(1)法律、政令、省令への対応」というところで、「i7項目の見直し方針」ということでございます。

これについては、既に3月末に作業部会でもご議論いただいて、第3回デジタル臨調でも牧島大臣から報告させていただいて、固まってきた7項目それぞれの類型とPhaseについて、これで全部見直しますよと固めていくということかと思います。

「ⅱ原則見直し方針に当てはまらない例外事例の整理」は、原則見直し方針に当てはまらない例外事例もゼロではないのだろうと我々は思っておりまして、これは各省と個別にやっていた積み上げ的になると思いますが、技術的に確かにまだ難しいところが一部あるのかなと思っていまして、そこは、個別に変えていくということかなと。

逆に、それ以外のところは、全て方針に沿って直していくということに持っていきたいと思っています。

「ⅲ約5,000条項のうち先行事例の見直し状況」で、各省と見直しに向けて合意できた規制について、見直し方針をしっかりと各省と合意していくということで、見直し後のPhase1からPhase2に行くのか、Phase3に行くのか、いつまでにやるのか、何を改正するのかについても、できる限り具体的に書いていきたいと思ってございます。

他方で、その下の○ですが、見直し方針は決まっていても、5,000もありますものですから、全てが5月までにというのは現実的でないところもあるかと思っています。

ただ、いつまでに何が決まれば、決めていけるのかといったところについて各省と合意していく要素も必要かなと思ってございます。

「(2)通知・通達等への対応」で、通知・通達等について、見直し方針は同じ類型とPhaseだと考えていますが、これについての進捗を何らか記載していく必要があるかと思ってございます。

これはまだ事務局の中で支援事業者にもお願いして、一緒になってやっていただいてというところがありますが、今、通知・通達で先行7項目を洗い出して、精査前の段階のざっくり来た数字が1万を超えるぐらいございます。

今、これを精査していまして、少し減ったりする可能性ももちろんあると思いますが、法律・政令・省令が5,000条項あったことに比べても、それ以上にかなり多い数を通知・通達で縛っている可能性があります。

これも物によってかなり違いますね。例えば講習などは、ほとんど通知・通達も含めて縛っている。要するに、実務的なものは、よりそういうところでの縛りがあるのかなと思っていまして、これを5月までに全て各省と調整するのは不可能になりますので、集中改革期間3年間の中でいつまでにこれを処理するのかということを固めていければと思っています。

「(3)規律全般」で「i経済界から寄せられた要望への対応方針」ということで、7項目以外について寄せられた要望について、一括的な見直しを行うため、ある種類型的にどう取り組んでいくのかという類型化と考え方をしっかりと示していきたいと思ってございます。

そのところで「代表的な要望に係る見直し方針を掲載」というところで、幾つか既に各省と少し議論を始めていっているところについては、代表的な部分として、合意できるところは合意していきたいと思ってございます。

例えばですが、産業界からの要望もあったところでありますが、官報自体をデジタル化できないかといいますか、紙の官報とデジタルの官報を同じように扱えないかといったところについて、まず、関係省庁はそもそも誰なのかというところから議論があったのですが、一応、内閣府、国立印刷局、印刷局を所管している財務省、デジタル庁などを含めて、関係課長級会議を開催して、作業部会でもんでいただけるようなレベルにするための議論を少し開始しているものもございます。今、ゴールデンウイーク明けの5月の作業部会に幾つかの案件をお諮りできるように進めているところで、合意できれば、合意していきたいと思っております。

「2.規制見直しのアプローチ」は、1ともかなり絡みますので、最後の文章の編集はいろいろとあるかもしれませんが「一括的な法令改正」について、一定の方針の提示をしていく必要があるかと思ってございます。

これについて、我々は、各省とやりながら、具体的にどの球がどういう処理ができるのか、並行しながらやっているところがございます。

ただ、我々が今分かっている範囲だと、一つはデジタル手続法的な一般法で、もともと書面でと書いてあるところについて、デジタルでもできるようにすると法律を拡張していくアプローチ。特に行政手続は、一部あるかと思っております。

他方で、いろいろな法律を同じような類型で束ねて、一括的に処理していく法律についても、どういうやり方があるのかというところを整理していっております。

また定期点検とか、技術検証が結構かかるものもあったり、常駐・専任義務については、法的にかなり個別性が高いところもありますので、こうしたところをどうやってこなし得るのか、課題は何なのかというところを整理していっておりますので、そのエッセンスを少し書ければと思っております。

「(2)技術的検証を通じた見直し」ということで、技術検証が必要な見直しについて、技術検証のスキームをしっかりと示していくということで、必要な予算措置等も含めて検討していきたい。

ただ、もともと規制を単純に見直せばいいものは、見直せばいいと思っていまして、確かに技術的に検証が要るものに限って、こうした支援をしていくこともあるのではないかということで方向性を示せればと思います。

「(3)システム整備を通じた見直し」ということで、そもそも制度と業務とシステムを一体的にどこまでどう合理的に見直していけるのかは、恐らくサービスデザインみたいな考え方で、ユーザー目線でどうなのかという切り口で考えていくことになりますと、当然、最後はシステムの予算が要ることにもなります。

これについては、デジタル庁は、これから各府省のシステムの予算を取りまとめていく役割がございまして、この取りまとめの中で、各省に今後、数年間かけてどういうプライオリティーを持ってシステム投資していきますかという計画案をつくってもらって、デジタル庁とやり取りしていくスキームが今年から動くのですが、この中でもデジタル臨調の規制の点検・見直し作業で出てきた課題について、しっかりと処理していくことについて、予算上も前向きに評価していく流れができるということで考えてございます。
「3.取組の展開と応用」で、先ほどの医療・介護DXのところもかなり参考にさせていただけるのではないかと思いますが、地方公共団体の取組を後押しということで、7項目の規制の見直しマニュアルの作成、先進的な取組事例の情報提供、地方の取組を後押しする方向性について、さらに提示できないかというところです。

先ほどの技術検証とも連動する部分でありますが「(2)テクノロジーマップ/カタログの検討・整備」ということで、規制当局が技術検証の課題を出して、それに対して対応できるソリューションを持たれている企業の方々、事業者の方々にそれを解いていただくための技術検証を回しながら、この作業部会でも、ある種たたき台をつくっていただいたテクノロジーマップ/カタログをさらに精緻化していって、全省庁が使えるようなインフラとして、デジタル臨調が中心となって整備していけるかと考えてございます。

「4.法制事務のデジタル化に向けた取組」で、別のワーキングでもさらに詳細に議論いただいていますが「法令等のデジタル原則への適合性の確認プロセス・体制の構築、法令等のデジタル正本の提供体制の確立にむけた方針の提示」ということで方針を示して、これについて、夏の機構・定員的な要求も含めて、どういうプロセスで、誰が何をするのかというところも示していけるようなものにできるといいなと考えております。

「5.デジタル時代にふさわしい政府への転換」で、これについては、行革事務局を中心に検討されているアジャイル型政策形成・評価の在り方に関するアジャイルWG等で議論されている中身とか、規制ともセットになりますが「デジタル人材の確保・活用、デジタルツールの活用等の環境整備」といった基盤的なところ、人材のところ等についても、方向性を出ししていければということでございます。

まだ骨子案でございますので、相当ばらばらとしていますが、先生方からぜひご意見いただければと思います。

安念副座長: どうもありがとうございました。

それでは、ただいまのご報告、ご発表について、ご意見、ご質問等がありましたら、どうぞご自由にお願いいたします。
まだこれから大分書いていかないとね。

根本さんにはぜひご発言いただかなくてはならないですよ。胴元みたいなものなのだから。
お願いします。

根本構成員: 胴元と言われると困ってしまうのですが、幾つか申し上げさせていただきます。

まず、一括見直しプランですが、これは恐らく、第1弾の見直しプランだということ。そこは認識を共有しておきたいと思います。

先ほど5,000条項に関するくだりでも出てきましたが、(2)で「プラス通知・通達等1万5000出てきました」みたいなお話もあります。これに全部対応しなくてはいけないのですが、5月末までには終わらない、という参事官の言葉はよく理解しております。取りあえず、できるところまでいきますよ、というお話なのだろうと思います。

関連して「2.規制見直しのアプローチ」の「一括的な法令改正」については、第1弾ということで、恐らく令和5年の常会を目処に出すのですね、というのが私の感覚ですが、違っていたら教えてください。

規制改革推進会議も含めいろいろ議論させていただいていると、改革の必要性について、デジタル原則を提起した側が説明する、というやり取りになっていないかと懸念しております。デジタル5原則は閣議決定事項であり、それに当てはまらない手続等については、どうやって5原則に当てはまる手続等に改めるか、その原則に当てはまるようになるか、各省からご提起いただくやり取りに変えていかないといけません。2万も3万も案件がありますので、臨調側から出すのは極めて厳しい話になるのではないかという気がします。ネガティブリスト方式のような形で、各省にいろいろ示唆いただくような形でやっていかなくてはいけないのではないか、という気がしております。

3点目のコメントは、地方公共団体の取組の後押しでございます。難しいことは重々承知しておりますが、地方公共団体が使うような一般的なシステム、例えばクラウド上のものについては、国から提供されるとも聞いております。そういうシステムを使わない自治体については、必要経費を交付税から外すなど、アメとムチの両方があり得るのではないかと思っております。

これは行政のやり取りのお話でありますが、「様式が違うことが地方自治ではない」とさっき須賀さんが力強くおっしゃってくださいましたので、ぜひそのように進めていただければと思います。

その次のテクノロジーマップについてですが、先ほどご説明いただいた資料は、これまで何度も拝見しております。左側の2番目の列の「申請」などいろいろなものが並んでいる部分は、現在の規制の仕方そのものが並んでしまっていて、規制の仕方の背後に何を見ようとしたのか明確ではありませんが、何らかの理由があるはずです。

恐らく、その理由を説明するには、「当該法規制に関してこのような記述がある」というところまでたどり着くことによって、最後の絵姿になるのではないのかという気がしております。今回は間に合わないかもしれませんが、どこかの時点で、なぜそのような規制や手順が入っているのか、遡って見ないといけないかなと思っております。

一番感じるのは、最初の議論のところで申し上げた本人認証云々のお話が、ここからはごそっと抜けていることです。恐らく、全体に関わるため抜けてしまったのかとは思うのですが、どこかに入れておかないとまずくないでしょうか。特出しで入れる必要があるのかもしれません。行政手続や民民手続など、いろいろなところで認証の問題があるため、どのようにしたらいいかというアイデアがあるわけではないのですが、抜けているのはまずいかなという感じがいたしました。

雑駁ですが、取りあえず以上です。

安念副座長: ありがとうございました。

第2の点だったと思うのですが、令和5年の何とかとおっしゃったかと記憶しているのですが、どういう内容でしたか。

根本構成員: 「一括的な法令改正」が「2.規制見直しのアプローチ」の(1)に書いてございまして、法令改正の第1弾は、令和5年の常会ですね。

スケジュールが物すごくきついなという感覚があって、でも、頑張るのですねという話です。

安念副座長: 今、数点についてご指摘がありましたが、現時点で何かお考え等があれば、事務局からお聞かせいただきたいと存じます。

事務局(松田): ありがとうございます。

何点か現時点で分かっている範囲、もしくは考えている範囲ですが、一つは、本人確認、もしくはトラストサービスのところは、横串的なフローとしてしっかりと書き込んでいくことが改めて重要かと思いました。経済界要望の中のソリューションとして位置づけることもあるのかなと中でも思っていましたが、よりしっかりと書き込んでいく。

ただ、根本様もおっしゃるとおり、行政手続については、過去に一定のガイドラインもあるのですが、規制になると、ガイドラインは誰も示してこなかったというか、どう示すのか、政府内でもある種あまり遡っていないところもあるので、そこをどういう形で示していけるのか。

結局、規制がばらばらになると、様々な問題があると思いますので、ここをどうやって統一的にやっていけるのか、デジタル庁の中も含めて少し検討したいと思います。

「一括的な法令改正」の、法の提出時期については、そのとおり、今でも相当時間がないことと、他方で、次期通常国会を念頭に、何が出せるか考えていくということで、今、我々は思考を進めているところでございます。

ただ、技術検証の期間とかは、物によってどれがどこまでできるのかというところにかなりよりますので、そこをうまく整理していければなと思っているところでございます。

あと、5,000条項からさらに1万条項となったときに、ある種挙証責任ではないのですが、実は各省とのやり取りでも、我々はまず、原則が決まったのだから、所管省庁がちゃんと原則を踏まえて対応するのが筋ですよというコミュニケーションをずっと取り続けています。

他方で、コミュニケーションを取り続けているのですが、趣旨がよく分からないみたいなところもありますものですから、少なくとも今、約5,000条項については、先ほどのPhase・類型を基に、我々としては、これはPhase2までとか、Phase3までだという案を事務局からにお示しして、それに意見があれば述べてくださいというやり取りを各省庁としてございます。

他方で、通知・通達で同じことをやるのかという課題もあるのかなというところは、今言っていただいた中でも感じておりますし、やり方のところを各省にご理解いただいて、積極的に対応していただけるようなやり方なり、コミュニケーションがあるのかをぜひ考えたいと思ってございます。

地方公共団体のところは、デジタル庁をつくるときに、併せてですが、地方自治体のシステムについて、地方公共団体の情報システムの標準化に関する法律が制定されています。

これは、地方のシステムを標準化しないといけないということが法律上、しっかりと決まって、今、デジタル庁と総務省で連携して、一個一個標準化を図っていっているという流れがあると思います。

今、ちょうどガバクラについても、しっかりと自治体の部分も提供していこうということで始まっていますので、こうした動きをさらに進めていくことが重要かなと思ってございます。

以上です。

安念副座長: ありがとうございました。

根本構成員: ありがとうございます。

先ほど増島先生からご指摘のあった、画面の前に座って、全部済ませようという事務のほとんどは地方公共団体に関わる話です。国民の側でも、そこが何とか改善されないと、「デジタル化とは何でしたっけ」ということになりかねません。

いろいろな大企業のところで済めばいいかもしれませんが、国民経済的にはそうもいかないところが結構ございますので、ぜひ地方公共団体に関わる事務手続もよろしくお願いいたします。

安念副座長: ありがとうございました。
それはそのとおりですね。

地方分権で権限がかつてより地方に行っていますからね。全くご指摘のとおりと思います。

増島先生、落合先生の順番でお願いできますでしょうか。

増島構成員: ありがとうございます。
まず、今回まとめていただいた骨子案そのものについては賛成でありまして、全体の大きなところでの抜け漏れはないのではないかと感じました。前半で議論させていただいた視点を盛り込んでいただいた形でつくっていただければ。

これは時間軸があるという話なので、どちらかというと、今、その時間軸内にできる最大のことを書いていただいたつくりになっているのではないかという感じもしましたものですから、僕はこれでいいのではないかと思います。

以上です。
大賛成ということです。

安念副座長: ありがとうございます。

事務局(松田): さっき前半に増島先生に言っていただいたことは、デジタル庁も含めたある種の課題の一つでもありまして、参考的に申し上げると、私もいろいろと学んでいるところで、分かっている範囲ですが、デジタル庁が年末に示した整備方針がございまして、この中に、実はさっきの上野山様の話と絡むのですが、制度・業務・システムが三位一体となったチームで、必ずシステムプロジェクトをやってくださいということをまず申し上げている。

ビジネスオーナーが入らないシステムプロジェクトは、大概失敗するし、制度が変えられない、要するに制度を変える権限がない人だけでシステムをつくると、ユーザーからよく分からないものになるというところで、まず、その3つはちゃんと入ってくださいねということは求めてやっていました。

それがちゃんとワークしたプロジェクトは、過去のIT室時代から比較的うまく課題が解決していて、それができていないところは、投資してもなかなか効果が上がってこないところがあって、これは徹底していく必要があるかと思いますし、さっきのテクノロジーマップとも関係しますが、結局、今ある制度とか業務をもうちょっと機能で捉え直して、どこまでデジタルで、どこまで人でというのを再設計するような思考は、常に重要なのではないかと改めて思いました。

もう一つ、デジタル庁の中で、最近、民間でサービスデザインをやられてきた、かなりプロフェッショナルな人材に入ってきていただいて「Data」ではなくて「Design」なのですが、CDOというポジションで、サービスデザインの浅沼さんを含めてチームに入ってこられて、デジタルのフロントサービスとか、いろいろなサービスをユーザーから考えて、見た目とか触り方だけではなくて、そもそもの根本的な機能も含めてデザインし直すみたいなトライアルを始めておられます。そういう流れをどのように今のこの議論に組み込んでいくのかは、ぜひさらに考えたいと思います。

というのは、行政手続のある種のデジタル化は、行政手続法に基づいて棚卸調査をして、この課題があると洗い出して、それで各省に迫ってくるということで進めてきて、それはそれでワークしているところがある一方で、システム全体とか業務全体を捉えて、サービスデザインをしっかりと入れて、何を直していこうかというところまで全部できているわけではない。

そこをどうやって形にしていくのかというところが必要かなと思いますし、できればそれは本当は計測可能なものにしていくべきなのだろうと思っていまして、それでどれだけ便利になったのという計測が少しでもできると、国民から見ても評価されやすいですし、次の投資をするにせよ、どこに投資したら少ないリソースで効果があるのかというところになるのかなと思います。

そういう意味では、そこも含めてぜひ伺いたいと思います。

増島構成員: ありがとうございます。

松田さんがこれをリードしていただいているので、間違いないだろうという信頼が非常にあるところもありますし、継続の部分は、結局、まさに民間と一緒なのです。始めた人が最後まで行けるかどうか。なので、コンバージョンを見ていくということだと思っています。

手つかずが多ければ、みんな外れていってしまうという話がどれだけ起こらないか。これは改善に当たってのKPIにもなるわけですが、始めた人が最後まで行く確率をどのように上げていくか。

ボタンの大きさ、ボタンの場所をピクセル単位で動かすというのを民間はやっているわけでありまして、そういうことをすごく繰り返すと、コンバージョンが上がっていくのは、ITの領域では当然という感じだと思いますので、ぜひそういうのを指標にして、今はまだ骨子なのであれなのですが、どんどん変わっていくのだという勢いのペーパーが出てきていただくのを大いに期待している状態です。

事務局(松田): ありがとうございます。

安念副座長: ありがとうございました。

増島先生に大賛成と言っていただけることはめったにないことですから、本当によかった。

では、落合先生お願いします。

落合構成員: ありがとうございます。

まず、私も全体として賛成でございます。その上で、こういう意味合いを持っていくといいのかなと思う点について、コメントをさせていただきます。

1つ目が、先ほど根本さんからもご指摘があった、トラストサービスの点についてお話があったと思いますが、技術についてはトラストサービス以外もあると思いました。

点検や目視とか、いろいろありますが、技術を見るときに、同じ技術でこれができる、できないということをある程度標準化して、物差しで測れるものはできるだけ整理を行ったほうが、トラストサービスに限らず、臨調の目的としている、ある程度同じような形でデジタル技術を導入していけるようにする、という取り組みに資すると思います。

そうすると、民間企業側も技術開発を行うときに、この辺までできていれば、こういうことにも使ってもらえるかもしれない、ということがある程度分かりやすくなるはずです。この辺りは(2)や(3)の中で、目線のようなものが示されていくといいのかなと思います。

2つ目ですが、先ほど松田参事官がおっしゃっていただいた、行政の組織の改革はすごく重要と思っております。

その部分は、5番にデジタル人材の確保・活用、環境整備といった形で書いていただいていますが、こういうセットで、必ずチームを組んで進めましょうということも、できるだけ標準セットとしてお願いしていくことも、この項目に書くのか、もう一つぐらい項目を増やしていただくのかはあるかと思いますが、規制改革だけではなくて、行政調査会ということでもありますので、そういうところもセットしていただければと思います。

既にお考えであることは、先ほどの議論で重々分かっておりますので、それをどう表現するかが重要ですので、内容を明確にしたほうが、後々、デジ庁側で作業をするにしても、楽になる部分があるのではないかと思います。

最後は、地方公共団体の関係でして、地方公共団体の関係は、推進だけではなくて、業務自体を見直してもらうことも行う必要があると思います。

先ほど投映した意見書の中でも、分権すべきは政策であって、業務の細目ではないと書かせていただいておりました。これは医療・介護ワーキングの佐藤座長から教えていただいたことを少しアレンジした言葉になっています。何を国のほうで定めて整備するべきなのかも重要ですが、所管省庁として責任を持って示しつつも、地方公共団体の業務の見直しも求めることが必要だと思います。ただ変化を求めるだけではなく、必要な手助けも行っていくことが必要と思います。

こういう形で整理して、議論していただくのは重要だと思います。システムを入れるだけでは、どうしても地方公共団体も解決しないと思いますので、業務の見直しまで踏み込んで行える形で進められるといいと思います。

以上です。

安念副座長: ありがとうございました。
誠にごもっともなご指摘をいただきました。
結局、地方の問題は残りますね。
上野山先生、いかがでしょうか。

上野山構成員: ありがとうございます。

私も、書いてあることには特段、違和感はないのですが、前提としてのご質問で、一括見直しプランの骨子は、今後、公表用としてつくっていくということだと思うのですが、そうなったときに、このドキュメントの位置づけといいますか、これをどういう的というか、どういうオーディエンスに対して、どういう反応を引き出したいという設計の球として、このドキュメントを作られているのか、前提をいま一度確認させていただきたいと思っています。

各省庁の方に対してアクションしやすくするとか、あるいはアクションするときに、説明書として見ていただくということなのか、あるいはデジ庁はこういうすごく革新的なことをやっているのであるということを国民全体にも周知していきたいということなのか、あるいは我々としても、設計図を記述しているにすぎないのかとか、そこの的の部分。

多分、オーディエンスも複数おられると思うのですが、そこの位置づけを確認させていただけますでしょうかということでございます。

事務局(松田): ありがとうございます。

資料の位置づけは、デジ臨として、集中改革期間3年間で何をどう見直していくのかということについて、プランをまとめるよう総理からのご指示を踏まえて、5月末にデジタル臨調の本体のほうで最終的にオーソライズし、何らかの方法で閣議決定レベルに持っていきたいと思っております。

オーディエンスとしては、もちろん、上野山様がおっしゃるとおり、複数あると思いますが、一つは、各府省庁とデジ臨側で、規制7項目の見直し方針、規制ごとの現状及び改正後の類型・Phaseを固め、既に先行的に議論が進んでいるものは、いつまでにどういう形で見直すか、そのための課題は何かという点について各府省庁と合意をして、アクションプランとして具体化していきたい。つまり、まず、各府省庁もデジタル臨調で、そうした合意を積み重ねていくというところが重要な要素としてあるかと思っています。

もう一つは、これを進めていくためにも、さきほどの人材の話もそうですし、技術検証もそうですし、テクノロジーマップもある種そういう側面があると思いますが、それを進めていくに当たって、不可欠な、共通的に、絶対にみんなが使わなければいけないものをどう整備していくのかというところについても方向性を出したいと思っています。今後、予算要求や機構・定員要求、それぞれのリソースの確保とか、デジタル法制事務を新規履行、具体化するとなると、政府内の決め事として決めていく必要がありますので、そうしたところをピン留めしていきたいということです。

3つ目は、結局、誰の役に立つのというところはもちろん大事だと思っていまして、それぞれ作業部会で扱っていた規制については、どれぐらいインパクトがある規律なのか、それによって、全国の何十万人の方に影響があるのかというところをできるだけ出していますが、結局、誰にとってどういうメリットがあるのかというところも、世の中、国民の方、事業者の方にお示ししていきたいと思っております。

上野山構成員: ありがとうございます。

趣旨は、的によって、どこをどれぐらいの量で書くのか、大分変わってくると思っていたので、確認させていただいたということでございます。クリアです。
ありがとうございます。

安念副座長: 私から上野山さんに伺ってみたかったことがあるのですが、この紙は、もちろん、まだただの骨子案だから、大分膨らんでいくわけですが、誰に見せたい、どういうオーディエンスにむしろ見てもらうべきですか。

役人が役人に対して示すのは、霞が関の文書だから当たり前なのだけれども、これだけ苦労してつくって、役人が役人に見せましたというだけでは、寂しくありませんか。

上野山構成員: なるほど。
そういう意味でいうと、一個人の意見になりますが、今、デジタル臨調でやっているこの話は、私はすごいことをやっていると思っています。一方でそれを知らない人が多いと思っています。
なので、こういう思想で、こういうことをやっているのだ、変わっていっているのだということ自体の認知、それをデジタル庁主導でやっていることの認知がもっと広がってもいい気はしています
以上です。

安念副座長: ありがとうございます。
そうですね。的は1つである必要はないですね。
根本さん、いかがでしょう。

根本構成員: 今の松田参事官のご発言と、ターゲットのお話に関連して、あえて付け加えると、行政サービスIDのような仕組みをきちんと入れて、政策を計測可能にしておくことが、重要なポイントになり得ると思います。

別のところで対応されているかと思い、先ほどは申し上げませんでしたが、ターゲットを考えるのであれば、むしろ地方自治体関連の手続全てに、行政サービスIDを振った形で統一的に対応することが肝要です。国民の側から見れば、全国どこの自治体に行っても、このサービスで全部分かるということになりますし、体系として出来上がっているものをデジタル庁がお引き受けになればいいだけかと思います。そこはかなりやりようがあるのではないかという気がいたしました。

安念副座長: ありがとうございました。
それは今、できる話ですね。
ありがとうございました。
稲谷先生、お待たせして申し訳ありませんでした。
お願いいたします。

稲谷構成員: いいえ。
大したお話ではないのですが、皆様もおっしゃっているように、ひとまず第1弾としてここから始める文書であるという観点からは、私もご提案に非常に賛成でございます。

その上で、私も、今日の前半のお話にもあったように、この先、この方針がどういう形で具体化されてくるのかについて、例えば5の「機動的かつ柔軟な政策形成・評価の在り方」であるとか、あるいは皆様からもご指摘があったデジタル人材の意味合いであるとか、その辺りのところがどのように展開していくのかによって、今回のご提案の趣旨が結構変わってきてしまう点について、少し心配しているということだけお伝えしたいと思います。

要するに、本日前半のお話でもあったように、これはあくまで第一歩であり、その先により進んだデジタル化があるのだと、そこまできちんと変わっていくのだ、というところをニュアンスとして出さないと、本当の意味で、デジタル化が進んで良い方向に変わっていくというメッセージも伝わらなくなってしまって、非常にもったいないのかなという気がするのです。

私個人の観点からいくと、民間のアイデアも生かしつつ、政府も機能ベースで、さっき松田参事官もおっしゃっていましたように、結局、何をやりたかったのだというところを反省的に検討していただいて、今後は規制の在り方そのものを変え、本当の意味でのデジタル化を成し遂げていく、その第一歩なのだよというメッセージという観点からいくと、ここに明示的に書くべきなのかどうか、それは私には分からないのですが、民刑事法などに規定されている責任法などの、基本的な法律の立てつけについても、継続的に今後も検討する対象としていくことを付け加えることもありうるのだと思います。

今回までの作業部会のヒアリングの中でも、民間の企業の側の方から、デジタル技術を活用した製品やサービスを提供してみたいのだけれども、何か問題が起きたら一発で事業を停止されてしまうリスクがあるから、怖くて実践できないという、イノベーションに関するインセンティブの問題とか、反対に、規制当局の側からしても、本音としてはもっと民間にリスクの管理を任せたいのだけれども、実際にはきちんとやってくれない企業は現れるし、そもそものサンクションが弱いから、細い規制を廃止して民間企業には任せるという方法をとれないという話もあったと記憶しておりますので、そういった辺りの話なども上手に触れながら、この先の根本的な法制度のあり方とか、法執行のやり方の見直しにもつながっていくところが、5の思想としてあるのだといった辺りを少し触れていただけるとありがたいと思ったということでございます

安念副座長: ありがとうございました。
皆様のお話だと、今回はまだ1つ目の峠なのです。

だから、1つ目の峠を越えると、次にどういう峠があるのかということをイメージしながら仕事をしなくてはいけないということのようですね。大変だな。でも、そのとおり。

落合先生のお手が挙がっていますが。

落合構成員: ありがとうございます。

今回書くことというよりも、今後の議論に当たってですが、デジタル原則の中で、細かい内容は臨調事務局の方とも議論させていただいたり、類型の整理なども議論させていただきました。1と2のほうが詳細に、具体的に何を行うかが詰まっている部分がある一方で、どうしても3~5の部分は、ある程度抽象化されているというか、既に進めていただいている点検や書面、目視といったものに比べると、まだ抽象的な部分もあると思います。第2弾に向けては、3以降については、さらに詳細化していくことが重要なアジェンダだと思います。

また、デジタル化のレベルが上がる中で、追加することがないのかを見ていくことも大事な視点になろうかと思います。今日、時間がありそうな様子でしたので、コメントしましたが、特に盛り込むべき事項として現時点で特定のものがあるという趣旨ではございません。

安念副座長: ありがとうございました。
確かに、この5項目を全部同じスピードで詳細化、具体化するのは、なかなか難しいでしょうね。
ありがとうございました。

それでは、一通りご発言をいただきましたでしょうか。

率直に言って、1時間ちょっとで終わるかなと思ったのですが、例によって、活発にご議論いただきまして、本当にありがとうございました。とても生産的だったと思います。

私自身が自分を納得させるために言っているだけなのですが、デジタル化は、紙をただデジタルに変えるなどと、別にそんなちっぽけな話ではないねということであるし、仕事の仕方というか、極端に言うと、文化そのものを変えていく、非常に大きな仕事なのだなという気がいたしました。

紙をただデジタルに変えるわけではなくて、極端に言えば、PCの前に座っていれば、いろいろな仕事が完結していくイメージをe-Govにというので、そこに万感の思いを込めていることもよく分かりましたので、それはそれでとても大切な万感なのだと私は思いました。

最後に、これは地方公共団体を含めての話ですが、何人もの先生方にご指摘をいただいたのですが、私は、結局、業務の仕方そのものを変えていかざるを得ないだろうとご指摘いただいたと思います。これは、DX化するときに、どんな企業でも、恐らく最大の難問なのです。

現場での仕事のやり方に合わせてDXを導入しようとすると、どうしても田舎の温泉旅館みたいになってしまうのです。離れが次から次へと出て、何がどうなっているのか、よく分からない。

だから、システムに合わせて仕事を変えるのは物すごいストレスだから、最小限にする努力をするのは当然なのですが、どこかにそれは残る。言葉は悪いけれども、靴に足を合わせざるを得ないところがどこかには出てくるのではないか、そうでないと完結できないのではないかということを今日のお話からもつくづく感じた次第でございます。

というわけで、同じことを何度も申しますが、活発なご議論をいただきまして、本当にありがとうございました。

それでは、小林副大臣より一言お言葉を賜りたいと存じます。

小林デジタル副大臣: 活発な意見交換をしていただいて、本当にありがとうございます。

皆さんのおかげでここまで仕上がってきたなと思っていますが、安念先生が言い聞かせていただいたところが本質だなと思っています。

このデジタル臨調の取組を始めたのも、この国の社会システム全体を見直さねばならない、つまり、社会システムをトランスフォーメーションするという思いがあるからです。では、この国の社会システムは何でできているのかというと、一つは法律、もう一つの大きな構成要素は、行政組織とその中にある慣習、もう一つは、この国と自治体というガバナンス構造、この3つが、この国の社会システムの大きな構成要素だと私は思っています。

そこをトランスフォーメーションしていくのが、このデジタル臨調の大きなミッションだと思っていまして、やっと1つ目の山のデジタル完結のところが見えてきたなということなので、あまり遠くを見ると、遠いなという気はしますが、この1つの山を越えるだけで、物すごく大きな社会的なインパクトもありますし、テクノロジーマップで示していただいたように、ビジネスチャンスも生まれてくることが見えてくるので、我々がやっていることにどれだけ意義があるかということは共有しながら、着実に山を越えていけたらと思っています。

あわせて、上野山さんが褒めてくれたように、実は物すごいことやっているわけです。

物すごいことをやっていて、実はビジネス界においても、物すごく大きなゲームチェンジがやってきて、チャンスがやってくるのかということも、コミュニケーションをしっかりと図っていく必要があると思っていますし、むしろそういう人たちに参画していただくのもこれから重要になってくると思っています。

松田さんが相当頑張って、チームのメンバーも相当頑張っていただいているのですが、これからより専門知識が必要になったり、人材の数としても、この事務局に必要になってきますので、今日ご参加の有識者の皆さんの弟子に当たる方々で、ぜひ事務局に武者修行に送り込んでみようみたいな思いも持っていただけるとありがたいと思っています。そういった面も含めて、これからこの骨子を分厚くして、完成に向けて取り組んでいきますので、引き続きご協力をよろしくお願いします。

ありがとうございます。

安念副座長: ありがとうございました。

副大臣を筆頭に、松田参事官、そのほかいろいろな方がすごく努力しているのに、何でいろいろなところからお叱りを賜るのですか。

では、そんなに言うのなら、あなたがやってみたらと言いたくなるようなところが僕はあって、これは愚痴かな。

すみません。私はちょっと釈然としない。

小林デジタル副大臣: 大丈夫です。
今日の記事は、励ましと期待だと思っています。

安念副座長: そうですか。
今日の記事も含めてですが、よく分かりました。
ありがとうございます。
それでは、今後の日程等について、事務局からご説明をいただきます。

事務局(松田): 今日も皆さんありがとうございます。

次回の作業部会の詳細につきましては、事務局より追ってご連絡させていただきます。

なお、本日の議事につきましては、公開になじまない内容はないと考えられますので、後ほど議事録を作成し、皆様にご確認いただいた上で公開させていただきたいと思います。

また、本日の資料につきましては、特段のご異議がないようでございましたら、全てデジタル庁のホームページにて公開させていただきたいと考えてございます。

本日はご参加いただき、ありがとうございます。

安念副座長: ありがとうございました。

それでは、以上で、第8回の会議を閉会したいと存じます。
皆さんどうもありがとうございました。

以上